(1)経営方針
当社グループは1956年に日本で民間初のNCとサーボ機構の開発に成功して以来、一貫して工場の自動化を追求しています。
創業期に目指した、小柄でもしっかり根を張った巨人のごとき逞しさがある企業、技術で勝負する企業を希求し続け、「狭い路」を真っ直ぐに歩むことに努めています。
その企業像を実現するために、当社グループは基本理念として「厳密と透明」を掲げています。そこには、企業の永続性、健全性は厳密から生まれ、組織の腐敗、企業の衰退は不透明から始まる、という考えがあります。
当社グループは、基本技術であるNCとサーボ、レーザからなるFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業、そして製造現場のIoT事業に絞り込んで商品の開発を行い、世界に無くてはならない価値をお客様に提供し続けてまいります。
また、生産財のサプライヤであるとの原点に立ち、お客様がファナックの商品をお使いになる限り、保守サービスを提供し続けてまいります。
当社グループはこれらの事業活動を通じて、お客様の工場の自動化と効率化を推進することで国内外の製造業の発展に貢献し、今後も中長期的に拡大が見込まれる工場の自動化分野において、着実な成長を実現してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
ファナックの商品は景気変動の影響を大きく受け易い生産財であることから、短期的な事象に左右されない、長期的な視点に立った経営を続けています。
米中貿易摩擦が長期化する中、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響等もあり、予断を許さない状況が続くものと思われます。その一方で、工場の自動化への要求は中長期的に拡大することが見込まれます。
当社グループは、「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一体となったトータルソリューションの提供、およびグループ一体となった世界のお客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいります。特に、CNC工作機械とロボットとの連携、ロボマシンとロボットとの連携を重要テーマの一つと捉え、商品を開発してまいります。
また、ファナックの商品は製造現場でご使用いただく生産財であるとの原点に立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にして稼働率向上を図るため、「壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」ことを商品開発において徹底いたします。また、工場の自動化への要求が拡大する一方、熟練労働者の確保が難しくなる状況に対応するため、使い易さを一層重視した商品開発にも取り組んでまいります。
そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに沿った高度な保守サービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保守」を行うこと、を基本理念とした「サービス ファースト」を実践してまいります。特に、競合会社が追随することが難しい「生涯保守」については、当社グループの大きな特長として、引き続き注力してまいります。
さらに、当社グループは、今後も競争力の高い商品を開発し市場投入していくうえで、IoT・AI 技術を必要不可欠なものと考えております。これらの技術をFA・ロボット・ロボマシンのすべての分野に積極的に適用していくことで、お客様における生産の効率化を一層推進します。IoT 技術についてはオープンプラットフォーム「FIELD system」などの開発も進めています。AI 技術については実際の製造現場で役立つ機能の開発を進めています。当社にない技術については、引き続き他社との協業も積極的に推進して、スピーディな開発に努めてまいります。
当社グループは、長期的視点に立ち、商品競争力の強化、セールス・サービス活動の強化、工場の自動化・ロボット化の推進、業務の合理化など、より強い企業にするための施策を推し進めます。また、生産財のサプライヤとして、いかなる場合にもお客様への供給責任を果たし、サービス活動を維持することができるよう、生産拠点やサービス拠点の複数化に取り組んでおります。さらに、部品調達先の複数化、適切な部品在庫の保有など、サプライチェーンの強化にも取り組んでいます。
こうした活動の一方で、当社グループは経費と時間の削減および業務の合理化にも取り組み、強い企業体質の維持に努めています。また、中長期的な成長のためには、人材が最重要であるとの観点に立ち、社員がより働きやすい職場の実現、社員のモチベーションの一層の向上も重要課題として取り組んでまいります。
経営に当たっては、ファナックの商品はSDGs の達成にも大きく貢献することを一層意識してまいります。また、営業利益率、経常利益率、ROE などに加えて、市場シェアも重要な経営指標と捉え、総合的に判断してまいります。
喫緊の課題として、当社グループは、お客様、お取引先、社員およびその家族の新型コロナウイルス感染予防・感染拡大防止を最優先としつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続を図ってまいります。
今後もあらゆる面で当社グループは、基本理念である「厳密と透明」を徹底し、こうした諸施策をグループ一丸となって推し進めることにより、お客様の当社グループへの安心と信頼を高めるとともに、激しい環境変化に適応することで、永続的な企業となるべく努力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在の状況に対する判断に基づくものです。
< 1.特に重要なリスク >
① 噴火、大地震等の自然災害に関するリスク
当社商品はいずれも生産設備として生産現場で使われるものであり、当社商品の大ユーザでもある自社工場と研究開発との密接な連携による相乗効果によって研究開発と生産技術をともに強化・効率化することができる大きな利点があること等から、当社では研究開発部門、工場等を本社地区に集中させてきました。しかし、一方で、こうした拠点の集中により、大地震が発生した場合は、被害が甚大になる可能性があります。本社地区においては、近隣に位置する富士山の噴火が発生することは非常に稀と考えられますが、万一発生した場合の影響は甚大です。また、この他、台風や大雪などの自然災害で影響を受ける可能性があります。
こうした自然災害リスクに対応するため、本社工場(山梨県南都留郡忍野村・山中湖村)以外に、壬生工場(栃木県下都賀郡壬生町)、筑波工場(茨城県筑西市)等の生産拠点の新設、拡充による生産拠点の複数化を推進してきました。また、サービスにおいても、保守部品の保管倉庫、サービス情報システムのサーバの設置拠点について、日野支社(東京都日野市)の再構築と名古屋サービスセンタ(愛知県小牧市)の開設により複数拠点化を行ってきました。また、本社、壬生工場、筑波工場への非常用電源にも使用できる都市ガスを利用したコージェネレーションシステムの導入など、非常用のライフラインの確保やデータセンタの二重化などに取り組んできました。
当社グループは、今後も、災害リスクに対する積極的な取り組みを継続的に推進、強化していきます。
② 新型ウイルス等の感染症の拡大に関するリスク
新型ウイルス等による感染症が拡大した場合、当社グループの社員等の健康、安全が脅かされ、損なわれる可能性があります。また、当社グループの社員や家族に感染者が発生した場合、周辺の地域住民への感染拡大やそれによる地域医療への負担の増加など、地域社会に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの部品調達先や加工・組立業務委託先に感染者が発生した場合、当社グループの生産に影響を及ぼす可能性があります。また、部品調達先の所在する国や地域でロックダウン(都市封鎖)が行われた場合、部品の生産や物流に大きな制限を受け、当社グループの部品調達に重大な支障が起きる可能性があります。その結果、当社グループの生産の遅れや商品の納期遅延につながる可能性があります。当社グループが供給責任を果たせない場合、当社グループへの顧客の信頼が損なわれ顧客を失う可能性があります。また、感染症の拡大により、顧客の事業活動への影響を通じて市場が停滞・縮小し、当社の受注が減少する可能性があります。
新型ウイルス等の感染症の拡大は、このような影響を通じて、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループは、新型ウイルス等の感染症に対しては、感染拡大防止、部品の複数調達先の確保等サプライチェーンリスクマネジメントの強化などの対策に引き続き努めてまいります。なお新型コロナウイルス感染症については、対策本部を設置し感染防止に努めています。
③ 競争力低下に関するリスク
当社グループを取り巻く事業環境において、今後以下の状況が益々強まることが予想されます。
・ 新興国企業等の技術力、競争力の急速な向上
・ 商品単体の信頼性や機能等の競争だけでなく様々なIoT システムとの連携を含めた総合的な使い易さ、信頼性
等の競争への変化、およびこれらに伴う市場や顧客ニーズの多様化や変化
・ 様々な新技術の台頭とともに、当社グループの競争力が低下する可能性
以上の外部環境の変化に柔軟、迅速に対応できない場合、商品の競争力等における当社グループの優位性が失われ競争力低下に関するリスクが顕在化し、当社グループの事業戦略や経営成績等に大きな影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、自らの従来からの優位性を活かしつつ環境変化に柔軟、迅速に適応できるよう研究開発をさらに強化するとともに、生産における自動化、ロボット化、IoT化を一層推進することにより、競争力の強化に努めてまいります。
④ 人材確保に関するリスク
当社グループが永続的に発展していくためには、優れた人材を確保・育成することが重要となります。外部環境の変化が激しさを増し、ますます競争が厳しくなる中、創造性豊かな優秀な人材の確保・育成がこれまで以上に重要になってきています。こうした人材の確保・育成を十分行えなかったり、優秀な人材が流出した場合、当社グループの競争力が低下する等人材確保に関するリスクが顕在化し、当社グループの発展等に大きな影響が生じる可能性があります。
こうした課題に対処するため、当社グループは、社員の教育の徹底、仕事を通じた能力とモチベーションの向上、ワークライフバランスの充実など、働くうえで一層魅力的な企業となり、企業文化の継承力と創造性を併せ持った人材を育成して適所に配置することに努めてまいります。
< 2.重要なリスク >
① サイバーセキュリティに関するリスク
近年、サイバー攻撃は、手口の高度化、巧妙化等により、ますますその脅威が高まっています。サイバー攻撃により、当社グループの生産設備等が被害を受け生産に影響が生じる可能性や、当社の技術上、営業上等の秘密情報が流出する可能性があります。また、IoT 関連の商品・サービス・ネットワーク(当社が利用する他社クラウド基盤を含む)を通じて顧客等の製造設備等に被害が生じ、当社グループが顧客等から信用を失う可能性があります。これらのリスクは、様々な要因により顕在化し、経営成績等に大きな影響が生じる可能性があります。
このため当社グループは、CISO(チーフ インフォメーション セキュリティ オフィサー)を設けるとともに、サイバーセキュリティ委員会の活動等を通じて、当社IT システムに関するセキュリティ対応の枠組み[コンピュータ セキュリティ インシデント レスポンス チーム(CSIRT)]とそれに基づく監視チーム[セキュリティ オペレーション センター(SOC)]の活動を徹底するなど、セキュリティ強化等に努めています。
② 部品等の調達に関するリスク
当社グループにおいて、何らかの理由で部品等の調達に不足や遅れが生じた場合、生産活動が影響を受け、納期遅れが起きる可能性があります。その結果、顧客等の生産活動に影響が生じ、信用を失う可能性があります。このように、部品等の調達に関するリスクが顕在化した場合、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が生じる恐れがあります。
このため当社グループは、部品の複数調達先の確保等サプライチェーンリスクマネジメントの強化などの対策に引き続き努めてまいります。
③ コンプライアンスに関するリスク
当社グループにおいて法令違反、社会規範・倫理上の問題や企業秘密漏洩等のコンプライアンス問題が生じた場合、当社グループに対する罰則等による直接的影響はもとより、社会的信用・企業イメージの低下により、事業戦略や経営成績等に大きな影響が生じ、コンプライアンスに関するリスクが顕在化する可能性があります。
このため当社グループは、コンプライアンス教育を通じた役員社員のコンプライアンスに関する意識の強化、内部通報制度の充実等に努めてまいります。
④ 各国の政策、法規制に関するリスク
当社グループでは、海外市場における売上高が全売上高のうち大きな部分を占めています。日本を含む各国政府による安全保障貿易管理等の様々な政策、規制等の変更および域外適用の拡大は、内容によっては当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼします。これら各国政府による法規制等に違反した場合、処罰を受ける可能性があります。
また、各国政府が保護主義等により輸入関税率の引き上げを行った場合、あるいはアンチダンピング課税の賦課決定を行った等の場合には、当社グループの商品の販売に重大な影響を受ける可能性があります。
このように、各国の政策、法規制に関するリスクが顕在化する可能性があります。このため当社グループは、各国政府の法規制の遵守のための役員社員への教育や適切な体制・しくみの整備等に努めてまいります。
⑤ ESG に関するリスク
当社グループは、持続的な成長のための経営上の課題としてESG を重視しております。また、当社グループの取り組み状況が顧客等において商品購入時の検討要素とされるなど、様々なステークホルダーとの関係においても、重要な要素となっています。
当社グループによるESG への対応が不十分な場合、社会的評価が低下する等、ESG に関するリスクが顕在化し、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が生じる可能性があります。
こうした課題に対処するため、当社グループは、ESG への取り組みを経営上の重要課題と認識し、積極的に強化していきます。
⑥ 労働災害に関するリスク
当社グループの事業活動において、業務上または通勤途上の社員の負傷、疾病、障害、死亡が発生する可能性があります。また、労働災害に関するリスクが顕在化した場合、当社グループの社会的評価が低下する可能性があります。
当社グループは、労働安全衛生に関する教育の徹底や、工場に導入したチームリーダー制の活動など、労働安全衛生管理の強化に努めてまいります。
< 3.その他のリスク >
その他、例えば以下のようなリスクにより、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が生じる可能性があります。
これらのリスクについても、顕在化の可能性と顕在化した場合の影響や積極的な事業戦略とのバランス等を考慮のうえ、低減、回避等の然るべき対応に努めてまいります。
(例)
・知的財産権の侵害リスク(当社グループの知的財産権が他社に侵害される場合、および当社グループが他社から
知的財産権侵害の訴えを起こされる場合)
・製造物責任に関するリスク
・為替レートの変動リスク
・テロを含む紛争・地政学・政治上のリスク
① 財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末比1,126億92百万円増の1兆6,251億91百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が429億5百万円、有価証券が303億円増加したことが主な要因です。
負債合計は、前連結会計年度末比400億3百万円増の1,896億37百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が170億41百万円、未払法人税等が128億61百万円増加したことが主な要因です。
純資産合計は、前連結会計年度末比726億89百万円増の1兆4,355億54百万円となりました。これは、利益剰余金が218億96百万円増加、自己株式が218億14百万円減少したことが主な要因です。
当期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界的に設備投資の減少傾向が続くなど、厳しい市場環境となりましたが、中国がいち早く回復したほか、その他の地域も第2四半期頃から緩やかに回復してきました。
このようななか、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続に努めました。また、市場環境の変化に対処すべく、経費削減、業務の効率化など企業体質の強化を図りました。
2020年度における連結業績は、売上高が5,512億87百万円(前期比8.5%増)、経常利益が1,287億44百万円(前期比25.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が940億12百万円(前期比28.1%増)となりました。
なお、当期におきまして、「安全性」「使いやすさ」「高信頼性」の全てを兼ね備えた新型協働ロボット「ファナック ロボット CRXシリーズ」が「第9回ロボット大賞 経済産業大臣賞」「2020年日刊工業新聞十大新製品賞 本賞」および「2020年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞いたしました。
なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。
FA部門につきましては、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、中国ではいち早く回復し好調に推移しました。インドでも、農機、二輪車関係を中心に需要が回復しています。これまで需要が低調に推移していた国内や欧州、韓国、台湾でも、中国市場向けをはじめとして機械の輸出需要が少しずつ増えてきました。これらの結果、当社グループのCNCシステムの売上高は前年度に比べ増加しました。
レーザにつきましては、中国市場および欧州市場で回復基調にありますが、海外メーカとの厳しい競争が継続しています。
FA部門の連結売上高は、1,492億40百万円(前期比4.2%増)、全連結売上高に対する構成比は27.1%となりました。
ロボット部門につきましては、米州では一般産業向けが堅調で、自動車産業向けもEV関連の需要を取り込み、売上が増加しました。また、中国でIT関連のほか、EV、建機、重機、その他の機械加工向けも加わり、売上が好調に推移しました。欧州では、一般産業向けは堅調でしたが、自動車産業向けが設備投資の谷間となり、前年同期に比べて売上が減少しました。国内では売上が低調に推移しました
ロボット部門の連結売上高は、2,100億24百万円(前期比3.7%増)、全連結売上高に対する構成比は38.1%となりました。
ロボマシン部門につきましては、ロボドリル(小型切削加工機)は、期の後半から中国を中心に、パソコン、タブレット、スマートフォン市場向けの需要が急増したため、売上が増加しました。ロボショット(電動射出成形機)も、期の後半から中国、欧米を中心に、IT関連、医療市場向けの需要が増加し、売上が回復しました。ロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、期の後半から回復しましたが、年間では売上が減少しました。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,145億18百万円(前期比52.9%増)、全連結売上高に対する構成比20.8%となりました。
サービス部門につきましては、第1四半期における世界各地でのロックダウンなどによる影響を受け、お客様の工場の稼働停止や工場の稼働率低下等により、当社サービスへの依頼が減少したものの、その後当社サービスへの依頼は回復しました。
サービス部門の連結売上高は、775億5百万円(前期比11.5%減)、全連結売上高に対する構成比は14.0%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末比629億11百万円増の5,779億19百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比268億76百万円減の1,179億96百万円であり、これは主に売上債権が増加したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比675億49百万円減の167億70百万円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比875億94百万円減の531億32百万円であり、これは主に配当金の支払額が減少したことによるものです。
(当連結会計年度)
(注) 1 生産高は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(当連結会計年度)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(当連結会計年度)
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当該割合が10%未満のため記載を省略しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積りを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
中でも連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられるものは、以下のとおりであります。
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、減損の兆候が見られる固定資産については将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に比較可能な市場価額等に基づいて減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積りの前提となる将来の収益性の低下や時価の下落等により、減損損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績)
2020年度における連結業績は、売上高が5,512億87百万円(前期比8.5%増)、経常利益が1,287億44百万円(前期比25.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が940億12百万円(前期比28.1%増)となりました。
当期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界的に設備投資の減少傾向が続くなど、厳しい市場環境となりましたが、中国がいち早く回復したほか、その他の地域も第2四半期頃から緩やかに回復してきました。
このようななか、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先としつつ、お客様への商品の供給とサービス活動の継続に努めました。また、市場環境の変化に対処すべく、経費削減、業務の効率化など企業体質の強化を図りました。
(財政状態)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比268億76百万円減の1,179億96百万円であり、これは主に売上債権が増加したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比675億49百万円減の167億70百万円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比875億94百万円減の531億32百万円であり、これは主に配当金の支払額が減少したことによるものです。
以上のキャッシュ・フローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額144億65百万円を加算し、連結キャッシュ・フローは、625億59百万円となりました。
当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。
ハードウェア研究開発本部、ソフトウェア研究開発本部、サーボ研究開発本部、レーザ研究開発本部、ロボット機構研究開発本部、ロボットソフト研究開発本部、ロボドリル研究開発本部、ロボショット研究開発本部、ロボカット研究開発本部、ロボナノ研究開発部では、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に、性能の向上や使いやすさを追求した競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。
次世代技術研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。
また、IoTビジネス本部では、FIELD systemやデジタルユーティリティクラウドなどの開発を進めました。
IoTへの対応として、製造現場にある各社の機械、センサなどが繋がり、様々な企業がアプリケーションソフトウェアの開発に参加できるオープンプラットフォームであるFIELD systemにおいて、工場内の工作機械など設備の稼働監視を目的としたアプリケーションである「PMA-Monitor」を開発しました。また、 工作機械業界をはじめとした製造業のデジタルトランスフォーメーションを支援する場をクラウドサービスとして提供する「デジタルユーティリティクラウド」の実現に向け、富士通株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社とともに「株式会社DUCNET」を設立しました。「デジタルユーティリティクラウド」を利用する各企業のさらなるものづくり力の強化に貢献すること、ならびに機械メーカや機械ユーザ、商社、ITベンダなどの参加各社が、サービス提供者でありサービス利用者になれるエコシステムを実現することを目指します。
AIにつきましては、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群において、より実用的なAI機能の開発を推進しています。近年開発したAIサーボチューニング(FA)、AI軌跡制御(ロボット)、AI熱変位補正(ロボドリル、ロボカット)は、既に各商品群の市場に投入され、実際の製造現場で製造設備の稼働率の向上、使いやすさ向上、加工精度の向上に寄与しています。また、当社の次世代技術研究所では、次の数年間に市場投入を予定している新たなAI機能を開発中であり、将来への布石となる基礎的なAI機能の研究にも着手しています。AI技術の活用により、FA・ロボット・ロボマシン・FIELD systemの全商品群の知能化を更に推し進め、競合他社との差別化を図ります。
当連結会計年度の研究開発費は、
当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。
CNCにつきましては、高い加工性能に磨きをかけた当社のハイエンドCNC「ファナック Series30i/31i/32i-B Plus」に最新のマルチコアCPUを採用した高速モデルを追加しました。また、標準CNC「ファナック Series 0i-F Plus」において、周辺軸を取り込むための軸拡張や15インチ表示器を採用した新たなパッケージの追加を行いました。サーボにつきましては、確実な切り屑細断を実現する「サーボ学習オシレーション」の改良を進めました。このほか、様々な市場向けに拡販すべく、ラインナップの強化、新機能の開発などを行いました。
レーザにつきましては、用途が拡大している高出力ファイバレーザにおいて、溶接市場の要求に応えるため、最大レーザ出力12kWのファイバレーザとロボットを接続する機能の開発を行いました。今後、溶接市場への拡販が期待されます。
ロボットにつきましては、アームに触れれば安全に止まる接触停止機能、アームを直接操作するダイレクトティーチ、タブレット操作でアイコンをドラッグ&ドロップする直感的なプログラミングを実現した「ファナック ロボット CRXシリーズ」を開発し、販売を開始しました。これまでロボットをお使いいただいたことのないお客様でも容易にロボットを導入いただけるようになります。また、スカラロボット「ファナックロボット SRシリーズ」において、より大型の12kg可搬と20kg可搬のモデルを追加しました。さらに、従来型センサと比べ、より広い範囲を高速に計測できる「3Dビジョンセンサ 3DV/1600」を開発しました。これらをはじめとする新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。
ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、ロボドリルでは、加工サイクルタイムを短縮し、使いやすさと信頼性を向上させた「ファナック ロボドリル α-DiB Plusシリーズ」を新たに開発しました。ロボショットでは、成形性能の向上に加え、表示装置に21.5インチの横型ワイド画面を採用し、操作性を向上させた「ファナック ロボショット α-SiBシリーズ」を開発しました。ロボカットでは、機構設計を刷新し剛性の強化を図り、加工面の面粗さ向上と加工時間の短縮を実現した「ファナック ロボカット α-CiCシリーズ」を開発しました。ロボナノ(超精密加工機)では、操作画面で直接周辺機器を操作する機能のレベルアップや、ワークを機上から外さずに形状計測および補正加工できる「Smart M-Form」を開発するなど、使いやすさの向上を図りました。