第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のグローバル経済は、先進国、新興国ともに緩やかな経済成長にとどまりました。米国では雇
用環境の改善、堅調な個人消費や住宅投資など景気回復の兆しが見えました。欧州ではBrexitの影響は軽微にと
どまっていますが、イタリアにおける銀行危機やギリシャのデフォルト懸念といった問題を抱えており、景気回
復の停滞感が続きました。中国では政府主導のインフラ投資や減税策により経済を底支えしてきましたが、成長
は鈍化しました。また日本国内も、期間全体では円高基調が続き、住宅投資や設備投資で回復傾向が見られたも
のの景気の停滞感がぬぐえない状況が続きました。

このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、マイクロ電池や自動車市場向け光学部品及び粘着テープな
どの販売が順調に拡大した一方、民生用リチウムイオン電池や磁気テープなどの販売が減収となりました。また、
熊本地震の影響によりプロジェクターが大幅な減収となったことに加え、円高による為替の影響などから、前年
同期比13.5%(21,100百万円)減(以下の比較はこれに同じ)の135,116百万円となりました。利益面では、プロ
ジェクターなどの販売減や円高による為替の影響がありましたが、成長分野の伸長による増益効果及び事業ポー
トフォリオの改善効果に加えて、引き続き原価低減に努めました。この結果、営業利益は3.6%(261百万円)増
の7,567百万円、経常利益は10.3%(690百万円)増の7,387百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は45.6%
(1,793百万円)増の5,724百万円となりました。

当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは108円となりました。

セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

(エネルギー)

マイクロ電池の販売はコイン形リチウム電池やメーター向け筒形リチウム電池などを中心に堅調に推移した一
方で、スマートフォン向け角形リチウムイオン電池などが減収となった結果、エネルギー全体の売上高は14.2%
(5,790百万円)減の34,992百万円となりました。営業利益は、リチウムイオン電池の減収や円高の影響がありま
したが、業務用マイクロ電池の増収が寄与し3.6%(71百万円)増の2,031百万円となりました。

(産業用部材料)

自動車市場向けの光学部品や粘着テープの販売が堅調に推移した一方で、磁気テープが大幅な減収となった結
果、産業用部材料全体の売上高は7.6%(3,527百万円)減の42,792百万円となりました。営業利益は粘着テープ
や自動車市場向けの光学部品の増益に加え、不採算事業を縮小したことなどから94.0%(1,437百万円)増の
2,965百万円となりました。

(電器・コンシューマー)

コンシューマー製品の一部で販売が増加したものの、熊本地震の影響によりプロジェクターが大幅減収となり、
電器・コンシューマー全体の売上高は17.0%(11,783百万円)減の57,332百万円となりました。営業利益はエス
テ家電の高付加価値品へのシフト、プロダクトミックス改善によるコンシューマー製品の増益などが寄与しまし
たが、プロジェクターの機会損失により32.7%(1,247百万円)減の2,571百万円となりました。

 

地域ごとの売上高は、次のとおりであります。

 

日本

健康・理美容品などの販売が減少したものの、リチウムイオン電池、コンシューマー向けアクセサリー及び光ディスクなどの販売が好調に推移したことにより、売上高は5.1%増の61,680百万円となりました。

 

米国

プロジェクターや磁気テープの販売が減少したことにより、売上高は30.9%減の14,035百万円となりました。

 

欧州

自動車向けの一次電池の販売が好調に推移したものの、磁気テープ、アクセサリ及びプロジェクターなどの販売が減少したことにより、売上高は16.8%減の12,673百万円となりました。

 

アジア他

自動車向けの一次電池や光学部品の販売が堅調に推移したものの、民生用リチウム電池及びプロジェクターなどの販売が減少したことにより、売上高は24.6%減の46,728百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の収入11,971百万円、投資活動による資金の支出2,342百万円、財務活動による資金の支出2,031百万円などにより、あわせて6,884百万円増加しました。この結果、当連結会計年度末の資金は48,901百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、11,971百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,703百万円、減価償却費4,323百万円、売上債権の減少3,617百万円による資金の増加と、仕入債務の減少719百万円による資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,342百万円の支出となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3,118百万円、有形固定資産の取得による支出3,259百万円、投資有価証券の取得による支出1,507百万円による資金の減少と、有形固定資産売却による収入6,052百万円による資金の増加によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,031百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払1,902百万円による資金の減少によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

エネルギー

35,490

△11.2

産業用部材料

42,509

△3.7

電器・コンシューマー

56,471

△15.5

合計

134,470

△10.9

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.生産実績には、完成品仕入にかかわる生産実績も含めており、仕入実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

エネルギー

338

△18.6

産業用部材料

4,136

+45.4

電器・コンシューマー

16,080

△17.4

合計

20,554

△9.6

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

エネルギー

34,992

△14.2

産業用部材料

42,792

△7.6

電器・コンシューマー

57,332

△17.0

合計

135,116

△13.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、その創業の精神である「和協一致、仕事に魂を打ち込み、社会に奉仕したい」をさらに高揚させ、当社グループとしての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力していきます。加えて、当社グループの経営に当たっては、事業活動において各国の法令を超えて適用される共通規範である「日立マクセルグループ行動規範」を遵守していきます。また、すべてのステークホルダーの視点に立ち、経営の意思決定及び業務執行の迅速化を行うとともに、その監視体制を充実させるための基本方針である「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定めガバナンス体制を強化し、持続的な成長と中期的な企業価値向上を図っていきます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、今後の成長が期待される自動車、住生活・インフラ、健康・理美容をはじめとするさまざま分野でユニークな技術を活かした特徴ある製品・サービスを強化していくとともに、資本効率性の向上に努め、中期的にはROE8%以上の達成をめざします。

 

(3) 経営環境

事業環境は、中国など新興国経済の減速、為替や原油価格の変動、地政学上の問題などリスクの顕在化が進むと予想しています。米国では景気の拡大局面が続くものの、新政権による経済政策の動向が不透明であり、世界経済への影響が懸念されます。欧州では難民問題や反EU勢力の台頭懸念、金融・財政不安など不確実性が高まっています。また、日本も新興国経済の減速や、個人消費において大きな拡大が期待できないことから、景気回復の停滞感はぬぐえない状況にあります。

一方で、自動車の電装化などイノベーションの加速や安全・安心・快適な社会の実現に向けて、当社が注力する成長3分野におけるビジネス創出機会が増えるとみています。

 

(4) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略

このような状況のもと当社グループでは、平成27年1月に策定した中期経営計画のなかで「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」を経営ビジョンに掲げており、強みである「グローバル展開」、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を競争力強化に活かし融合させることにより、グローバル成長をめざすこととしており、以下の戦略を実行していきます。

a 成長3分野を基軸とした成長の実現

自動車分野、住生活・インフラ分野、健康・理美容分野を成長3分野と位置づけて、積極的に市場を開拓するとともに売上高・利益の拡大を図ります。自動車分野では、ADAS(Advanced Driving Assistant System、先進運転支援システム)など、自動車の電装化に向けて今後の拡大が見込まれる各市場に力点をおいて、車載用カメラレンズ、LEDヘッドランプレンズやタイヤ空気圧監視システム向け耐熱コイン形リチウム電池などを主軸として確固たるポジションを築くべく重点分野として取り組みます。住生活・インフラ分野ではセンシングや安全・安心、快適をキーワードにハイエンドプロジェクター、スマートメーター向け電源用リチウム電池、建材・養生用テープ、蓄電システムなどを中心に成長をめざします。また、健康・理美容分野では予防、ソリューション、健康・潤いなどをキーワードに保湿サポート器などのエステ家電や空気・水関連ビジネスを中心に成長をめざします。

b 資産(人財、技術・ノウハウ)の融合によるソリューションの追求

当社グループが有する個々の製品やサービスを連結・融合し、ソリューションを展開していきます。製品やサービス別に縦割りの対応をするのではなく、自動車や住生活・インフラ、健康・理美容などの市場分野別にビジネスモデルを提案して他社との差別化を図り、既存製品のみの取引ではなく顧客が購入したくなる製品・サービスの創出、掘り起こしに取り組みます。

 

c 強靭な経営体質の確立

事業の成長に加え、当社グループ全体の収益性を大幅に向上させるために、ポートフォリオの改革、コストの削減、オペレーションの質向上にスピードをもって取り組みます。 

ポートフォリオ改革においては高付加価値品へのシフトを進める一方、低収益品を縮小させます。原価低減においてはVEC (Value Engineering for Customers)の推進、調達・物流コストの低減に加え、特に間接部門において当社グループ全体の人財、経費等の資産・資源を適正に活用することにより業務効率向上に取り組みます。また、組織一体運営やダイバーシティの実施で組織・人財の活性化によるオペレーションの質向上を推進します。 

また、中長期的な成長の促進とさらなる強靭な経営体質の確立を達成していくために、平成29年10月1日を効力発生日として、意思決定を迅速化し、よりダイナミックな事業運営を実現することができる持株会社体制への移行を計画しております。

d ブランド再構築

多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する積極的な投資を継続してCI(コーポレートアイデンティティ)の向上を図ります。また、自主独立経営を一層強化していくうえで、マクセルブランドの再構築を大きな課題と考えております。マクセルユニーク追及による脱コモディティへのブランディング、能動的パブリシティの活用、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)の推進、社会との接点拡大と積極的な対話の5点を基本方針として企業価値の最大化を推進します。

e 資本効率性の向上

資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を意識した経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。また、ROEを重視した経営を実践し、中期的にはROE8%以上の達成をめざします。さらに、適正な株主資本の額を維持するために、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。

 

また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりであります。

 

人財育成の強化

組織においては人財の活用が企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。経営環境の変化に対応した人員の効率的な配置と効率的な活用を図り、公正で透明性のある人事評価制度を確立させるとともに、ダイバーシティを推進することにより組織・人財のグローバル化を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。

 

CSR(企業の社会的責任)を意識した企業経営

CSRを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。環境保全に配慮し持続可能な資源循環型社会の構築をめざした環境経営や地域社会との共生をめざした社会貢献を積極的に行うとともに、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本ばかりでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社は、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。

 

コーポレートガバナンスの強化

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に平成27年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。

 

さらに今後、グローバルな事業基盤を拡充し企業価値並びにマクセルブランドの価値を高めていくためには、投資家・株式市場から、将来の成長投資に向けた資金の提供を受けるとともに、日々評価されることを通じて、より緊張感ある経営を実践することが極めて重要と認識しています。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、以下に記載された項目以外のリスクが生じた場合においても、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済動向による影響について

当社グループが事業活動を行っている日本、欧米及び中国をはじめとする新興国等の経済環境の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの地域において、景気後退により個人消費や民間設備投資が減少した場合、当社グループが提供する製品及びサービスの需要の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。このような環境下において、当社グループは売上高や収益性を維持できる保証はありません。 

主にエネルギー事業や産業用部材料事業の市場規模は企業の投資動向などに、電器・コンシューマー事業の需要は個人の消費動向などにより影響を受ける可能性があります。特に民生用リチウムイオン電池やコンシューマー製品などは市場トレンドや機種の変更などにより、当社グループの製品の出荷実績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動による影響について

当社グループは、日本を含む全世界において事業活動を行っており、海外売上高が過半を占めているため、為替相場の変動リスクにさらされている資産及び負債を保有しています。主に、米ドルをはじめとする現地通貨建ての製品の輸出及び原材料の輸入を行っていることから、為替相場の変動は円建てで報告される当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。外貨建て輸出入取引のバランス調整等、為替相場の変動リスクをヘッジする施策は行っておりますが、急激な為替相場の変動による経営成績への影響を完全に回避できる保証はありません。

 

(3) 競争の激化による影響について

当社グループの事業分野においては、多様な競合相手が存在するほか、一部の製品においては汎用品化や低コストの地域における製造が進んでおり、価格競争が激化しています。激しい競争の下で成功するためには、価格、技術、品質及びブランド力の面において競争力を有する製品及びサービスを適宜市場に投入する必要がありますが、当社グループの提供するすべての製品及びサービスについて実現できる保証はなく、製品及びサービスが競争力を維持できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 材料費等の変動による影響について

当社グループの製品は、石油化学製品を原材料としているものが多く、また、一部の製品において希少な物質を原材料としているものがあります。安定供給が可能な材料を用いた製品の開発などの対策を行っておりますが、原油価格の大きな変動や国際市況などによる原材料価格の大きな変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 災害、国際情勢等による影響について

当社グループの生産・販売活動は日本を含む全世界で展開しております。地震及び洪水等の自然災害、火災、戦争、テロ及び暴動等が起こった場合、当社グループの販売活動の停滞や生産設備等への損害などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、文化や慣習の違いから生じる労務問題や疾病といった社会的なリスク、商習慣の違いから生じる取引先との未知のリスクが潜んでいる可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合は、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に当社グループは、経済発展が著しい中国に製造拠点を数多く有し、同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立しております。同国にて政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(高成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 有価証券の相場変動による影響について

当社グループは時価のある有価証券を保有しているため、金融商品取引市場におけるこれらの価額が変動した場合は、有価証券の評価損益や売却損益の発生などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法規制による影響について

当社グループは、製造過程で生じる廃棄物や大気・水への排出物、製品に含まれる有害化学物質などについて、国内外の環境関連法令の適用を受けております。当社グループは環境経営を積極的に推進しておりますが、過去の事業活動の結果生じた事象についても、現在の環境規制に対応するための費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

このほか、マッサージチェアなど電器・コンシューマー事業の一部製品は、医療機器として薬事法等の規制を受けており、国内外におけるこれらに準じる規制の予測できない改正等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また同様に、当社グループの取り扱う電池や部材料などの各製品分野において、今後、法規制が新設または強化された場合、当該製品の製造や出荷、販売等のコストに影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 技術革新等による影響について

当社グループの事業分野においては、新しい技術が急速に発展しています。技術革新を継続的に、迅速かつ優れた費用効率で製品及びサービスに適用することは、競争力を維持するために不可欠です。このような製品及びサービスを生み出すためには、研究開発に対する多大な努力が必要となりますが、当社グループの研究開発が常に成功する保証はありません。当社グループの先端技術の開発または製品・サービスへの適用が予定どおり進展しなかった場合は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品品質、製造物責任による影響について

当社グループは国内外の生産拠点において、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)の品質マネジメントシステム規格(ISO9001)や顧客から高度な品質管理体制が求められる自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格(ISO/TS16949)に従って多様な製品の品質管理を行っております。

しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や法令・規制等の不遵守、それに起因するリコールが発生しないとは限らず、当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合は、回収コストや賠償費用の発生、販売量の減少などの恐れがあります。さらに当社ブランドを冠した商品の品質上の欠陥によってブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招く可能性もあります。したがって重大な品質問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)事業買収、合併、会社分割等による事業の承継の影響について

当社グループは今後、エネルギー事業、産業用部材料事業、電器・コンシューマー事業の各事業分野において、事業拡大のために同業他社の事業譲受や買収または当社傘下への販路取り込み等を行う可能性があります。また、経営基盤の強化などのために他社との合併を行う可能性があるほか、個別事業の強化拡大のために当該事業を承継する新会社を会社分割により設立する可能性があります。当該買収、合併、会社分割等が当社グループの事業展開や業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、市場環境や経済環境によっては、当該買収、合併、会社分割等が当初想定した結果を創出できる保証はなく、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)再編による業界動向の変動の影響について

電池や機能性部材料等の当社グループの取り扱う製品及びサービス分野において、競合企業間の再編により業界動向が大きく変化した場合は、価格や開発ロードマップ、材料調達等の条件などが変動することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループが業界内で高いシェアを獲得している製品及びサービス分野において、競合企業間の再編によって当社シェアが下落した場合は、当該市場における当社グループのイニシアティブが低下する可能性があります。

 

 

(12)日立グループとの関係による影響について

㈱日立製作所は当社の主要株主ですが、平成29年3月22日付で㈱日立製作所により当社株式の譲渡が行われたことにより、当社は㈱日立製作所の持分法適用関連会社ではなくなっております。しかしながら引き続き㈱日立製作所をはじめとした日立グループとは技術協力、製品の供給等において今後も一定の関係を継続することを基本方針としております。また、当社グループの多くの事業は独自のマクセルブランドを冠してはいるものの、一部製品等において日立ブランドを使用しております。したがって日立グループの経営戦略等の影響を受ける可能性があります。

 

(13)知的財産権による影響について

当社グループは競合他社等に対抗していくためには特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しており、国内外において出願中のものを含めて多数の特許を保有しております。当社グループは二次電池や一次電池、光学部品、成形、機能性材料、プロジェクター、小型電気機器、ヘルスケア、磁気テープ、光ディスク、RFIDシステム、ICカード等の分野において、有力な特許を保有しておりますが、さらにこれら事業の将来性を見越した技術及び周辺技術についても特許の出願を進めております。しかしながら、当社グループが出願中である特許について適時に登録を受けられる保証はなく、現在登録を受けている特許が将来においても当社グループにおける事業の知的財産権を保護するのに必要十分である保証はありません。

また当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、業界において必要な特許監視等を実施しておりますが、当社グループが使用する技術要素等について、当社グループが認識しない第三者の特許がすでに成立している場合、当該第三者より知的財産権を侵害しているとの事由により、当該第三者より使用差し止め及び損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。当該特許の使用差し止めや使用に係る対価等の多額の支払い等が発生した場合、当社グループの事業展開や経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、仮にこれらの紛争において勝訴した場合にも、これらの訴えに対して当社を防御し、解決を図るために多大な費用や経営資源を費やすことにより、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼさないとする保証はありません。

なお、一部の製品においては第三者の特許技術等に係るライセンスを受けております。現時点において、当社グループが導入する特許技術に係るライセンス継続に支障が生じる可能性は低いものと認識しておりますが、これらの継続使用が困難となった場合には当社グループの事業展開等に何らかの制約が生じる可能性があります。

 

(14)情報セキュリティによる影響について

当社グループでは、ファイアウォールの整備やコンピュータウィルス対策ソフトウェアの導入、データ及びシステムのバックアップ、教育啓発の実施など、ハード・ソフト両面において情報セキュリティ上のリスク対策を実施しておりますが、自然災害や人為的な原因により情報の消失・外部流出、システム障害等が起きた場合、システムの一時停止や復旧対策等による費用が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは事業遂行に関連して、当社グループまたは顧客等についての個人情報、技術・営業に関する営業秘密を保有しております。当社グループでは、これらの情報の適切な保護及び管理に努めておりますが、システム障害、人為的な原因、その他の原因でこれらの情報が流出した場合、当社グループに対する信頼ならびに当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

 

(15)人財獲得と人財育成による影響について

当社グループが事業活動を行っている分野において継続的に事業を発展させるためには、多様な専門技術に精通した人財、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人財の確保、育成を継続的に推進していくことが重要と考えております。

このため、当社グループでは計画的な新卒採用や経験者の通年採用を積極的に実施して人財を育成するとともに、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実、自立型人財やグローバル人財を育成するための各種教育制度の拡充など社員のモティベーションを高める諸施策を実施しております。

しかしながら、グローバルで優秀な人財を獲得するための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等が懸念されるほか、中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、常に適切な人財を確保できる保証はありません。人財獲得や育成が計画どおりに進まなかった場合は、長期的視点から、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)訴訟その他の法的手続の影響について

当社グループは、事業を遂行する上で取引先や第三者から訴訟等が提起されるリスク及び規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合や事業遂行上の制限が加えられた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)税金負担による影響について

当社は、過年度に生じた税務上の繰越欠損金により課税所得が軽減されております。今後、業績の推移や税制改正等により、繰越欠損金の繰越期間の満了で欠損金が消滅し税金負担が増える可能性があります。また、移転価格税制をはじめとする各国の規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(固定資産の譲渡) 

当社は、平成29年1月27日開催の取締役会において、固定資産の譲渡を決議いたしました。

1.譲渡の理由

経営資源の有効活用を図るため、以下の固定資産を譲渡することといたしました。

2.譲渡資産の内容

① 資産の名称

大阪事業所の一部土地

② 所在地

大阪府茨木市丑寅一丁目200番1号 他

③ 面積

28,928.14㎡

④ 譲渡益

約40億円

⑤ 現況

研究所及び一部遊休土地

 

(注)1.譲渡益約40億円は、譲渡価額から帳簿価額及び譲渡に係る諸費用を控除した概算額です。

2.譲渡価額、帳簿価額等については、譲渡先との守秘義務契約に基づき、開示を控えさせていただきます。

3.大阪事業所の研究開発部門は研究開発力の強化に向けて京都事業所へ移転する予定です。

3.譲渡先の概要

譲渡先は国内法人1社でありますが、譲渡先との守秘義務契約により開示は控えさせていただきます。 

なお、当社と譲渡先の間には、記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はありません。また、譲渡先は当社の関連当事者には該当しません。

4.譲渡の日程

① 取締役会決議日

平成29年1月27日

② 契約締結日

平成29年2月16日

③ 物件引渡期日

平成29年3月30日

 

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、開発統括本部と各事業本部及び子会社の設計部門が連携して研究開発活動を行っております。また、当社グループ外の企業との共同開発や産官学連携の活用により、一層の技術革新を推進しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は9,850百万円であり、セグメント別の研究開発活動及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(エネルギー)

開発統括本部とエナジー事業本部の設計開発部門などが一体となって、リチウム一次電池やボタン電池などの一次電池、リチウムイオン電池や蓄電システムなどの二次電池の研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、二次電池部門で、充放電中のリチウムの動きを正負極同時にリアルタイム観察する技術を業界で初めて開発いたしました。また、ポストリチウムイオン電池への取り組みとしてNEDO主導の革新型蓄電池プロジェクトに参画し、大学ならびに公的研究機関と連携した研究を進めています。当セグメントに係る研究開発費は2,382百万円であります。

 

(産業用部材料)

開発統括本部と光エレクトロニクス事業本部、スリオンテック事業本部、ライフソリューション事業本部及び㈱日立情映テックの設計開発部門などが協力し、光学部品、機能性材料、電鋳・精密部品、粘着テープ、RFIDシステムなどの研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、自動車分野で開発競争が激化している自動運転センシング技術に必須である車載カメラ用レンズユニットの高解像度化や耐環境特性の向上などニーズを先取りした開発を進めました。さらに次世代機能性部材料としては、低環境負荷と軽量・高強度の特性が注目される木質バイオマス資源を由来とするナノ繊維「セルロースナノファイバー」の樹脂複合化技術において、環境省のNCV (※)プロジェクトに参画し、社外連携を軸に開発を推進しています。当セグメントに係る研究開発費は1,972百万円であります。

※ NCV:Nano Cellulose Vehicle。新素材の使用により軽量化された自動車。CO2削減効果が期待されております。

 

(電器・コンシューマー)

開発統括本部と光エレクトロニクス事業本部、ライフソリューション事業本部、エナジー事業本部の設計開発部門などが協力し、プロジェクター、小型電気機器などの研究開発・商品開発を推進しております。当連結会計年度においては、持ち運びが容易で、壁や机上など、さまざまな場所に、最大50型の大面積を投写できるポータブル・超短投写LEDプロジェクタ-やLED光源で世界初の3500ルーメンのDLP(※)プロジェクターなどを開発し、プロジェクターのラインナップを拡充しました。小型電気機器では、5層の交互穴あき電極間に水を循環させて効率よく電気分解し、水素微細バブルを生成する風呂用の水素生成器を開発しました。当セグメントに係る研究開発費は5,496百万円であります。

※ DLP:米国Texas Instruments社の登録商標であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、以下の重要な会計方針が、当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

①  貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

②  たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の市場状況に基づく時価の見積額が原価を下回った場合に評価損を計上しております。

③  繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得を合理的に見積って検討しております。

④  退職給付に係る負債

退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は優良社債の市場利回りを退職給付の平均支給年数で調整して算出しております。

長期期待運用収益率は、年金資産の現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に退職給付費用の一部として計上されます。

⑤  減損損失

当社グループは、主に管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、将来キャッシュ・フローの回収額を見積った結果、十分な将来キャッシュ・フローが見込めない事業用資産、将来の使用が見込まれていない遊休資産等について回収可能価額まで減額し、特別損失に計上しております。

 

(2) 財政状態の分析

①  資産

総資産は、前連結会計年度末比3.3%増(以下の比較はこれに同じ)の159,464百万円となりました。このうち流動資産は、主に受取手形及び売掛金並びにたな卸資産が減少した一方、現金及び預金の増加により、5.3%増97,235百万円で、総資産に占める割合は前連結会計年度の59.8%から61.0%となりました。一方、固定資産は、投資有価証券が増加したことにより0.3%増62,229百万円で、総資産に占める割合は前連結会計年度の40.2%から39.0%となりました。

②  負債

負債は2.0%増41,324百万円となりました。このうち流動負債は、主に支払手形及び買掛金が減少した一方、資産除去債務ならびに未払法人税等の増加により1.3%増30,104百万円となりました。これによって流動比率は3.2倍に、また流動資産との差額である手持ち資金は67,131百万円となりました。一方、固定負債は、3.8%増11,220百万円となりました。

③  純資産

純資産は、前連結会計年度末より4,314百万円増加し、118,140百万円となりました。主に配当金の支払いが1,902百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を5,724百万円計上したことによるものです。また、自己資本比率は72.6%から73.0%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より2,382百万円減少の11,971百万円の収入となりました。これは、売上債権の増減額が前連結会計年度は2,473百万円の減少であったのに対し、当連結会計年度は3,617百万円減少した一方、たな卸資産の増減額が前連結会計年度は4,220百万円の減少に対し、当連結会計年度は501百万円の減少にとどまったことに加え、仕入債務の増減額が前連結会計年度は1,574百万円の増加に対し、当連結会計年度は719百万円の減少になったことによる資金の減少と税金等調整前当期純利益が前連結会計年度より1,480百万円増加したこと、法人税等の支払額が前連結会計年度より1,090百万円減少したことによる資金の増加によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度より3,999百万円増加の2,342百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の売却による収入が前連結会計年度より5,951百万円増加したこと、投資有価証券の取得による支出が前連結会計年度より1,113百万円減少したことにより資金が増加したこと、また、定期預金の預入による支出が前連結会計年度より2,732百万円増加したことにより資金が減少したことによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度より643百万円増加の2,031百万円の支出となりました。これは、主に配当金の支払額が前連結会計年度に対し714百万円減少したことによります。

これらのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額と、現金及び現金同等物の期首残高を合わせた当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末よりも6,884百万円増加し48,901百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度の8,012百万円から、当連結会計年度は9,629百万円へと増加しました。

当社グループの運転資金需要は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。これらの資金需要に対しては基本的に自己資金にて賄っております。

当社グループの設備投資需要は成長が期待できる製品分野及び研究開発分野のほか、省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資によるものです。これらの資金需要に対しては主に自己資金で賄っております。

 

 

(4) 経営成績の分析

①  売上高

売上高は、民生用リチウムイオン電池などの販売の減少及び熊本地震によるプロジェクターの販売の減少、また円高による為替の影響などにより前連結会計年度に対し、13.5%減135,116百万円となりました。なお、為替レートは、前連結会計年度1ドル=120円、当連結会計年度1ドル=108円であります。

②  売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、売上高の減少が影響し、14.8%減104,871百万円となりました。売上高に対する原価率は、前連結会計年度の78.8%から77.6%となりました。その結果、売上総利益は8.9%減30,245百万円となり、売上高総利益率は、前連結会計年度の21.2%から22.4%となりました。

また、販売費及び一般管理費は、主に特許権使用料及び支払手数料の減少により、12.4%減22,678百万円となりました。売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は12.2%増9,850百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度の5.6%から7.3%となりました。これは主に、プロジェクター関連事業及びリチウム一次電池の研究開発費が増加したことによるものであります。

③  営業利益

営業利益は、製品構成の改善及び固定費削減などの原価低減に努めた結果、3.6%増7,567百万円となりました。

④  営業外収益(費用)

営業外収益(費用)は、為替差損が減少したこと、また昨年度は外国地方税の計上があったことから、前連結会計年度の609百万円の費用(純額)から、180百万円の費用(純額)となりました。受取利息から支払利息を減じた純額は、前連結会計年度の104百万円の収益(純額)に対し、148百万円の収益(純額)へと増加しました。

⑤  経常利益

経常利益は、為替の影響があったものの製品構成の改善及び固定費削減などの原価低減に努めた結果、10.3%増7,387百万円となりました。

⑥  特別利益(損失)

特別利益(損失)は、減損損失や事業構造改善費用を計上したものの、大阪事業所の土地売却などの固定資産売却益の計上が影響し、前連結会計年度の1,474百万円の損失(純額)から、684百万円の損失(純額)となりました。

⑦  税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、28.3%増6,703百万円となりました。

⑧  法人税等

法人税等は、課税所得が増加したものの、前連結会計年度は中国税務当局より移転価格税制に基づく更正通知の受領による税金費用の計上があったことから29.5%減867百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は77.8%増112百万円となりました。

⑨  親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、45.6%増5,724百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の74.39円に対し108.32円となりました。

 

 (5) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、経営ビジョンである「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」の下、当社グループの強みである「グローバル展開」、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を融合させることにより、成長3分野と位置付ける自動車、住生活・インフラ、健康・理美容の各分野のグローバルな成長に向けた諸施策を進めるとともに、事業ポートフォリオの変革による収益改善と新市場開拓に向けた諸施策を実行してまいりました。さらに、今後の情勢変化に機敏に対応できる経営体質を構築するため、平成29年10月1日を効力発生日として、持株会社体制への移行を計画しております。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。現状を踏まえた問題意識のほか、当社グループの経営ビジョン及び経営目標、当社グループが対処すべき課題及び経営戦略の現状と見通しなどについては、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、及び上記(5)に記載しております。

なお、「4 事業等のリスク」に当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。