文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、その創業の精神である「和協一致、仕事に魂を打ち込み、社会に奉仕したい」をさらに高揚させ、当社グループとしての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを経営の基本理念としています。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力していきます。加えて、当社グループの経営に当たっては、事業活動において各国の法令を超えて適用される共通規範である「マクセルグループ行動規範」を遵守していきます。また、すべてのステークホルダーの視点に立ち、経営の意思決定及び業務執行の迅速化を行うとともに、その監視体制を充実させるための基本方針である「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定めガバナンス体制を強化し、持続的な成長と中期的な企業価値向上を図っていきます。
当社グループでは、今後の成長が期待される自動車、住生活・インフラ、健康・理美容をはじめとするさまざまな分野でユニークな技術を活かした特徴ある製品・サービスを強化していくとともに、資本効率性の向上に努めていきます。なお、2019年4月に、2021年3月期において売上高1,730億円、営業利益100億円、ROE6.0%以上の達成をめざすことを公表しておりましたが、前期において大きな損失を計上したことや足元の経営環境を踏まえ、これを売上高1,400億円、営業利益5億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億円へと見直しを行いました。また、2021年3月期は将来の企業価値向上に向けた事業改革の年と位置付け、事業ポートフォリオ改革、収益面の課題がある事業への具体的対策、事業部門別ROIC管理や製品群別・機種別の収益管理による財務規律の徹底を力強く推進し、抜本的な事業改革を実行することとしています。
グローバルの経済環境は、2020年3月期第4四半期において新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、2021年3月期はさらなる感染拡大・長期化により、リーマンショック以上の世界的な景気後退が予想される状況となっています。新型コロナウイルス感染症の拡大による当社への影響は、国内外工場の操業度、製品・部品の調達、消費マインドの低下による販売の減少など広範囲にわたり、特に、自動車、半導体、民生用電子機器といった市場の低迷は、当社の事業にも大きく影響すると考えます。
このような状況のもと当社グループにおいては、エネルギーセグメントでは、マイクロ電池を中心に、自動車市場やスマートメーター向けを成長の柱として強化する一方で、民生用リチウムイオン電池については、ポートフォリオの見直しを行います。産業用部材料セグメントでは、自動車市場向け光学部品、粘着テープや工業用ゴム製品、車載用リチウムイオン電池向け塗布型セパレーターなどの機能性材料、半導体関連組込みシステムなどを柱に事業拡大を図ります。電器・コンシューマーセグメントでは、プロジェクターやエステ家電については、マクセルブランドの販売拡大や新たな販売ルートの開拓も含めた販売体制の再構築による販売回復を図ります。
また、すべてのセグメントにおいて事業ポートフォリオの改革と継続的な原価低減を進めるとともに、当連結会計年度までに新たに加わった連結子会社も含めた当社グループ内のシナジー効果の実現を図っていきます。
当社グループでは、「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」を経営ビジョンに掲げており、強みである「グローバル」展開、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を競争力強化に活用することにより、グローバル成長をめざすこととしており、以下の戦略を実行していきます。
a アナログコア技術による差別化・競争力強化
当社は、「混合分散」「精密塗布」「高精度成形」の3つを「アナログコア技術」と呼んでおり、当社グループの強みのなかでも特に独自性が高いものと考えています。「混合分散」は、主に当社の創業製品である電池で培った、性状の異なる素材を均一に混合分散する技術であり、数多くの一次電池、二次電池において高い品質を実現してきました。「精密塗布」は、主に磁気テープで培った、ナノメートル単位の超薄膜精密塗布技術であり、高画質の業務用ビデオテープ、大容量データカートリッジなどを製品化し、現在は産業用部材料や電池製品に活かされています。「高精度成形」は、主に光ディスク、レンズや電鋳製品で培った、超精密金型技術と精密成形技術であり、自動車市場向け光学部品や精密電子部品において活かされています。当社は、今後こうした「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、競合他社との差別化・競争力強化をめざしていきます。
自動車分野、住生活・インフラ分野、健康・理美容分野を成長3分野と位置づけて、積極的に市場を開拓するとともに売上高・利益の拡大を図ります。成長3分野に関わる、市場環境、主要製品、基本戦略と課題は以下のとおりです。
(自動車)
自動車分野では、2018年から2019年にて世界の自動車生産台数が年間1億台に達すると予想していましたが、2018年以降の米中通商摩擦の長期化により、2018年、2019年と2年連続で対前年で減少し、2020年3月期末の時点では、年間9千万台程度の市場規模になったと考えています。
また2020年年初に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による市場低迷により、2020年も対前年同程度、あるいは減少となる可能性があると考えています。特に、当社が成長市場として期待していた、中国や東南アジア・インドなどにおいて減少傾向が顕著となっています。
なお、中長期的な予想としては、2021年以降徐々に成長基調に戻り、2024年から2025年において年間1億台に到達すると考えています。
また一方で、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)など、自動車の自動運転化や電動化に向けたさらなる進化が図られており、関連した部品・材料など、当社の事業機会は拡大すると予想しています。
(住生活・インフラ)
住生活・インフラ分野では、住環境のスマート化やIoT化に伴い、センシングや安全・安心、快適をキーワードとして、次世代に向けた新たな機器や社会インフラ構築の需要が高まっていくと考えています。中でも、半導体や民生用電子機器、住宅の建設などに係る需要動向が影響します。
当社では、こうした変化を捉え、さまざまな用途やアプリケーションに対応していくため、ハイエンドプロジェクター、スマートメーター向け電源用電池、建材・養生用テープ、半導体関連組込みシステム、電設工具など、社会課題の解決に不可欠なキーデバイスの提供による成長をめざしています。
なお、住生活・インフラ分野においても新型コロナウイルスの影響がありますが、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます
(健康・理美容)
健康・理美容分野では、アンチエイジングや高齢化、健康・美容への意識の高まりを背景として、関連製品の需要が増加して行くと予想しています。特に新型コロナウイルスの感染拡大は、社会の健康や衛生に対する意識をさらに向上させたと考えられます。
当社では、健康・理美容機器や空気・水関連製品など多様な顧客ニーズに応えるオンリー・ワン製品の開発を中心に成長をめざすとともに、プロジェクターや健康・理美容機器については、マクセル (maxell)に加えて、業務用ルート向けレクサム (llexam)、さらにはイズミ (IZUMI)の3つのブランドを自社ルートで販売するほか、顧客のブランドに対応したOEM事業も行っていきます。
なお、健康・理美容分野においても新型コロナウイルスの影響については、製品や事業によって、マイナス影響だけでなくプラス影響が出る可能性も想定されます。当社では、製品や事業別に需要動向を見極めながら事業戦略を検討していきます。
c 強靭・機動的な経営体質の確立
当社グループは、中長期的な成長の促進と強靭で機動的な経営体質の確立をめざした持株会社体制のもと、事業会社への事業執行権限の移譲を進めることで、経営のスピードアップによる既存事業規模の拡大を加速するとともに、持株会社である当社は、グループ全体の経営管理に加え、マクセルビジネスプラットフォーム(MBP)戦略の推進によるビジネス領域の拡充と、新規事業の創出に取り組みました。今後は、MBP戦略により当社グループに加わった新たな事業や事業会社とのシナジーの早期実現を図っていきます。
また、事業の成長に加え、当社グループ全体の収益性を大幅に向上させるために、ポートフォリオの改革、コストの削減、オペレーションの質向上にスピードをもって取り組みます。
ポートフォリオ改革においては、製品群別・機種別の収益管理を徹底することで、伸ばすべき事業と縮小・撤退を図るべき事業を見極め、対策を実行していきます。原価低減においてはVE (Value Engineering)の推進、調達・物流コストの低減に加え、特に間接部門において当社グループ全体の人財、経費等の資産・資源を適正に活用することにより業務効率向上に取り組みます。
多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。また、自主独立経営を一層強化していくうえで、マクセルブランドの再構築を大きな課題と考えております。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value、共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策として新たなコーポレートブランドの構築に取り組みます。
資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。また、ROEを重視した経営を実践するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。
また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりであります。
組織においては人財の活用が企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。経営環境の変化に対応した人員の効率的な配置と効率的な活用を図り、公正で透明性のある人事評価制度を確立させるとともに、ダイバーシティを推進することにより組織・人財のグローバル化を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。
CSRを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。環境保全に配慮し持続可能な資源循環型社会の構築をめざした事業活動や製品開発を行う環境経営や、地域社会との共生をめざした社会貢献を積極的に行うとともに、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本ばかりでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社は、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。
コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、以下に記載された項目以外のリスクが生じた場合においても、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業活動を行っている日本、欧米、中国や新興国等の経済環境の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの地域において、景気後退により個人消費や民間設備投資が減少した場合、当社グループが提供する製品及びサービスの需要の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。当社グループでは、当社が事業を行う国や地域の経済・市場動向を常に注視するとともに、原価低減や固定費削減を行い、経済動向の変化による影響を最小限とするよう努めておりますが、このような環境下において、当社グループは売上高や収益性を維持できる保証はありません。
主にエネルギー事業や産業用部材料事業の市場規模は企業の投資動向などに、電器・コンシューマー事業の需要は個人の消費動向などにより影響を受ける可能性があります。特に民生用リチウムイオン電池やコンシューマー製品などは市場トレンドや機種の変更などにより、当社グループの製品の出荷実績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産・販売活動は日本を含む全世界で展開しております。地震及び洪水等の自然災害、疫病、火災、戦争、テロ及び暴動等が起こった場合、当社グループの販売活動の停滞や生産設備等への損害などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、文化や慣習の違いから生じる労務問題や疾病といった社会的なリスク、商習慣の違いから生じる取引先との未知のリスクが潜んでいる可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合は、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当社が販売活動を行う、あるいは製造拠点を有する国や地域の法令や文化を遵守・尊重することに加え、事業継続性の観点及び顧客のサプライチェーンへの要求にも対応した製造拠点の配置の最適化についても検討を行っています。しかしながら、現在当社グループは、経済発展が著しい中国に製造拠点を数多く有し、同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立していることから、同国にて政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(高成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記の「(1) 経済動向による影響について」、「(2) 災害、国際情勢等による影響について」とも関係しますが、2020年3月期第4四半期以降、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、過去例を見ない新たなリスクとして浮上しています。当社グループも2020年3月期において、中国など海外工場の操業度の低下や製品・部品の調達停滞、中国向け販売の減少といった影響を受けましたが、2021年3月期はさらなる感染拡大・長期化により、リーマンショック以上の世界的景気後退が予想される状況となっています。
また、2020年5月13日に公表した2021年3月期の通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症の影響が及ぶ期間を概ね第2四半期末迄とする前提で算定していますが、主に以下のリスクがあると考えられます。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大によるマイナス影響額は、2020年3月期実績では、売上高で約40億円、営業利益で約20億円でしたが、2021年3月期通期業績予想では、上記の前提のもと、売上高で100億円前後、営業利益で40億円前後の影響を織込んでいます。
(影響が及ぶ期間の長期化のリスク)
当社グループの主な事業は、自動車や半導体関連の部品など当社顧客の生産や販売の計画が大きく影響するものと、健康・理美容機器など個人消費の動向が直接影響するものなど、多岐にわたっています。従って、事業により回復時期に差が生じ、影響が及ぶ期間が長期化する可能性があります。当社では、こうした市場の状況を見極めつつ、機会損失を最小限に留めるべく、生産や在庫の計画を立てていきます。
(事業の継続性に係るリスク)
当社グループは、国内外に生産・販売拠点を有しており、顧客や従業員、その他関係者等の健康・安全確保、ひいては事業の継続のため、国内拠点では在宅勤務や時差出勤を推進するとともに、海外拠点でも営業停止、外出禁止や移動制限といった各国政府の指導に従った事業運営を行っています。しかしながら、グループ内感染の発生や製品・部品の調達停滞により、工場の操業や営業活動が行えなくなる可能性があります。当社では、こうしたリスクを最小限に留めるべく、従業員の健康管理をさらに強化するとともに、国内外の生産拠点の柔軟な活用や調達先の複数採用などの対応を行っていきます。
(財務面のリスク)
経済環境の悪化により、当社グループの販売の低迷や、回収の遅延などが生じる可能性があります。このため、コミットメントラインの拡充や追加の資金調達を含めて手元流動性の確保を図るとともに、新規の投資計画については厳選のうえ優先順位を検討していきます。
なお、こうしたリスクについては、実際の程度や発生時期などにより、上記の対応策で完全にリスク回避できない可能性があります。
(4) 為替相場の変動による影響について
当社グループは、日本を含む全世界において事業活動を行っており、海外売上高の割合が高く、為替相場の変動リスクにさらされている資産及び負債を保有しています。主に、米ドルをはじめとする現地通貨建ての製品の輸出及び原材料の輸入を行っていることから、為替相場の変動は円建てで報告される当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、外貨建て輸出入取引のバランス調整や為替予約など、為替相場の変動リスクをヘッジする施策は行っておりますが、急激な為替相場の変動による経営成績への影響を完全に回避できる保証はありません。
当社グループの製品は、石油化学製品を原材料としているものが多く、また、一部の製品において希少な物質を原材料としているものがあります。
当社グループでは、部品・材料の調達ルートの定期的見直しや、安定供給が可能な材料を用いた製品の開発などの対策を行っておりますが、原油価格の大きな変動や国際市況などによる原材料価格の大きな変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業分野においては、多様な競合相手が存在するほか、一部の製品においては汎用品化や低コストの地域における製造が進んでおり、価格競争が激化しています。激しい競争のもとで成功するためには、価格、技術、品質及びブランド力の面において競争力を有する製品及びサービスを適宜市場に投入する必要がありますが、当社グループが提供するすべての製品及びサービスについて実現できる保証はなく、製品及びサービスが競争力を維持できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、継続的な原価低減や固定費削減、生産地の変更など競争力確保に向けた対応を行っていますが、中長期的に競争力や収益性の確保が困難と判断した事業や製品については、他の事業へのリソースの移管や撤退、対象製品の廃盤化といった対応を行い、当社グループ全体での収益性確保を図ります。
当社グループの事業分野においては、自動車におけるCASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)のように自動車の自動運転化や電動化が進むなど新しい技術が急速に発展しています。
当社グループでは、技術革新を継続的に、迅速かつ優れた費用効率で実現し、製品及びサービスに適用することが競争力を維持するために不可欠であると考えており、研究開発においては、当社独自の強みである「アナログコア技術」に立脚した将来性の高い案件を厳選して行っておりますが、当社グループの研究開発が常に成功する保証はなく、先端技術の開発または製品・サービスへの適用が予定どおり進展しなかった場合は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが取り扱う製品及びサービス分野において、競合企業間の再編により業界動向が大きく変化した場合は、価格や開発ロードマップ、材料調達等の条件などが変動することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループが業界内で高いシェアを獲得している製品及びサービス分野において、競合企業間の再編によって当社シェアが下落した場合は、当該市場における当社グループのイニシアティブが低下する可能性があります。
当社グループでは、品質・コスト両面での競争力強化を継続して行い、単に市場シェアにとらわれることなく顧客から信頼される製品及びサービスの提供を行います。
当社グループは、エネルギー事業、産業用部材料事業、電器・コンシューマー事業の各事業分野において、事業拡大のために同業他社の事業譲受や買収または当社傘下への販路取り込み等を行う可能性があります。また、経営基盤の強化などのために他社との合併を行う可能性があるほか、個別事業の強化拡大のために当該事業を承継する新会社を会社分割により設立する可能性があります。
当社グループでは、こうした案件については、事前にフィジビリティスタディを行い、中長期的な収益性や当社グループの既存事業とのシナジー効果を充分に検証した上で実施しますが、当該買収、合併、会社分割等が当社グループの事業展開や業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、市場環境や経済環境によっては、当該買収、合併、会社分割等が当初想定した結果を創出できる保証はなく、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造過程で生じる廃棄物や大気・水への排出物、製品に含まれる有害化学物質などについて、国内外の環境関連法令の適用を受けております。当社グループは環境経営を積極的に推進しておりますが、過去の事業活動の結果生じた事象についても、現在の環境規制に対応するための費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各事業部門において、環境面も含めて、各事業・製品に係る法規制の最新動向を注視しており、これらの遵守を最優先していますが、マッサージチェアなど電器・コンシューマー事業の一部製品は、医療機器として薬事法等の規制を受けており、国内外における法規制の予測できない改正等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また同様に、当社グループが取り扱う電池や部材料などの各製品分野において、今後、法規制が新設または強化された場合、当該製品の製造や出荷、販売等のコストに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外の生産拠点において、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)の品質マネジメントシステム規格(ISO9001)や顧客から高度な品質管理体制が求められる自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格(ISO/TS16949)などに従って多様な製品の品質管理を行っております。
しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や法令・規制等の不遵守、それに起因するリコールが発生しないとは限らず、当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合は、回収コストや賠償費用の発生、販売量の減少などの恐れがあります。さらに当社ブランドを冠した商品の品質上の欠陥によってブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招く可能性もあります。したがって重大な品質問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 知的財産権による影響について
当社グループは競合他社等に対抗していくためには特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しており、国内外において出願中のものを含めて多数の特許を保有しております。当社グループは二次電池や一次電池、光学部品、成形、機能性材料、プロジェクター、小型電気機器、ヘルスケア、磁気テープ、光ディスク、RFIDシステム、ICカード等の分野において、有力な特許を保有しておりますが、さらにこれら事業の将来性を見越した技術及び周辺技術についても特許の出願を進めております。しかしながら、当社グループが出願中である特許について適時に登録を受けられる保証はなく、現在登録を受けている特許が将来においても当社グループにおける事業の知的財産権を保護するのに必要十分である保証はありません。
また当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、業界において必要な特許監視等を実施しておりますが、当社グループが使用する技術要素等について、当社グループが認識しない第三者の特許がすでに成立している場合、当該第三者より知的財産権を侵害しているとの事由により、当該第三者より使用差し止め及び損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。当該特許の使用差し止めや使用に係る対価等の多額の支払い等が発生した場合、当社グループの事業展開や経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、仮にこれらの紛争において勝訴した場合にも、これらの訴えに対して当社を防御し、解決を図るために多大な費用や経営資源を費やすことにより、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼさないとする保証はありません。
なお、一部の製品においては第三者の特許技術等に係るライセンスを受けております。現時点において、当社グループが導入する特許技術に係るライセンス継続に支障が生じる可能性は低いものと認識しておりますが、これらの継続使用が困難となった場合には当社グループの事業展開等に何らかの制約が生じる可能性があります。
当社グループでは、ファイアウォールの整備やコンピュータウィルス対策ソフトウェアの導入、データ及びシステムのバックアップ、教育啓発の実施など、ハード・ソフト両面において情報セキュリティ上のリスク対策を実施しておりますが、自然災害や人為的な原因により情報の消失・外部流出、システム障害等が起きた場合、システムの一時停止や復旧対策等による費用が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業遂行に関連して、当社グループまたは顧客等についての個人情報、技術・営業に関する営業秘密を保有しております。当社グループでは、これらの情報の適切な保護及び管理に努めておりますが、システム障害、人為的な原因、その他の原因でこれらの情報が流出した場合、当社グループに対する信頼ならびに当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業活動を行っている分野において継続的に事業を発展させるためには、多様な専門技術に精通した人財、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人財の確保、育成を継続的に推進していくことが重要と考えております。
このため、当社グループでは計画的な新卒採用や経験者の通年採用を積極的に実施して人財を育成するとともに、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実、自立型人財やグローバル人財を育成するための各種教育制度の拡充など社員のモティベーションを高める諸施策を実施しております。
しかしながら、グローバルで優秀な人財を獲得するための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等が懸念されるほか、中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、常に適切な人財を確保できる保証はありません。人財獲得や育成が計画どおりに進まなかった場合は、長期的視点から、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。
(15) 有価証券の相場変動による影響について
当社グループは時価のある有価証券を保有しているため、金融商品取引市場におけるこれらの価額が変動した場合は、有価証券の評価損益や売却損益の発生などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、有価証券の保有に関して、定量、定性基準の判定により、定期的に保有意義の検証を行っています。
当社グループは、事業を遂行する上で取引先や第三者から訴訟等が提起されるリスク及び規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
当社グループでは、こうした訴訟や法的手続きの発生を防止すべく、法規制に沿った事業活動を行うことに加え、取引先等との十分な意思疎通を図っておりますが、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合や事業遂行上の制限が加えられた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、過年度に生じた税務上の繰越欠損金により課税所得が軽減されております。今後、業績の推移や税制改正等により、繰越欠損金の繰越期間の満了で欠損金が消滅し税金負担が増える可能性があります。また、移転価格税制をはじめとする各国の規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、収益性の向上を図るとともに、「グローバル税務ポリシー」を公表しており、連結納税制度を利用しつつ、当社グループが事業を行っている国及び地域において適正な納税を行うこととしております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、当連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバル経済は、米中通商摩擦の長期化による両国経済の悪化や、海外経済の減速による日本経済の低迷など、減速感が続く状況となっていたことに加え、第4四半期において新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、新たな景気悪化要因となりました。当社においても中国など海外工場の操業度の低下や製品・部品の調達停滞、中国向け販売の減少といった影響を受けることとなりました。
このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、マクセルイズミ株式会社の家電・電設工具事業、宇部マクセル京都株式会社の塗布型セパレーター、マクセルクレハ株式会社の工業用ゴム製品などが加わったことによる増収がありましたが、プロジェクター、半導体関連組込みシステムなどの減収が影響し、前年同期比3.7%(5,543百万円)減(以下の比較はこれに同じ)の145,041百万円となりました。利益面では、プロジェクター、健康・理美容機器、自動車市場向け光学部品、半導体関連組込みシステムなどの減益が影響し、営業損益は、5,561百万円減の137百万円の損失となりました。また経常利益は、98.8%(6,515百万円)減の76百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は、マクセルイズミ株式会社ののれんの減損損失、その他の事業撤退に伴う損失などの特別損失に加え、繰延税金資産の取り崩しを行ったことにより、15,798百万円減の10,487百万円の損失となりました。
当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは109円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
(エネルギー)
補聴器用コイン形リチウム二次電池などが増収となりましたが、民生用リチウムイオン電池が新型コロナウイルス感染症の拡大により中国工場の操業が一時停止するなど影響を受けたことに加え、自動車市場向け耐熱コイン形リチウム電池などが減収となったことから、エネルギー全体の売上高は、0.2%(62百万円)減の38,203百万円となりました。営業利益は、耐熱コイン形リチウム電池の販売減少による減益などがありましたが、民生用リチウムイオン電池の固定費削減などの効果により、8.7%(199百万円)増の2,498百万円となりました。
(産業用部材料)
半導体市場の低迷の影響も受けた組込みシステム、車載カメラ用レンズユニットなどが減収となりましたが、塗布型セパレーターや工業用ゴム製品による増収があり、産業用部材料全体の売上高は、3.8%(2,015百万円)増の54,413百万円となりました。営業利益は、車載カメラ用レンズユニットやLEDヘッドランプレンズといった自動車市場向け光学部品や組込みシステムが販売減少により減益となったことから、66.6%(1,765百万円)減の887百万円となりました。
(電器・コンシューマー)
家電・電設工具事業による増収があったものの、プロジェクターがブランド切替の遅延に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による中国工場の操業停止や中国市場向け販売の停滞といった影響を受け減収となったことが大きく影響し、電器・コンシューマー全体の売上高は、12.5%(7,496百万円)減の52,425百万円となりました。営業損益は、プロジェクターの減収による減益、本格採用に向けたヘッドアップディスプレイの開発費増加、健康・理美容製品の収益回復の遅れなどがあり、3,995百万円減の3,522百万円の損失となりました。
地域ごとの売上高は、次のとおりであります。
(日本)
半導体市場の低迷の影響も受けた組込みシステム、自動車市場向け光学部品、健康・理美容機器、新型コロナウイルス感染症の拡大により中国工場の操業が一時停止した民生用リチウムイオン電池、特機事業などが減収となりましたが、宇部マクセル京都株式会社の塗布型セパレーター、マクセルクレハ株式会社の工業用ゴム製品、マクセルイズミ株式会社の家電・電設工具事業が加わったことにより、売上高は9.4%増の87,835百万円となりました。
(米国)
マクセルイズミ株式会社の家電・電設工具事業による増収がありましたが、プロジェクターや自動車市場向け光学部品の減収により、売上高は22.5%減の11,865百万円となりました。
(欧州)
マクセルイズミ株式会社の家電・電設工具事業による増収がありましたが、プロジェクターや自動車市場向け耐熱コイン形リチウム電池の減収により、売上高は9.3%減の11,657百万円となりました。
(アジア他)
マクセルイズミ株式会社の家電・電設工具事業、LEDヘッドランプレンズが増収となりましたが、第4四半期において新型コロナウイルス感染症の影響も受けたプロジェクターの中国向け販売が大きく減少となったことに加え、車載カメラ用レンズユニットなどの光学部品、自動車市場向け耐熱コイン形リチウム電池などが減収となったことから、売上高は20.1%減の33,684百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.生産実績には、完成品仕入にかかわる生産実績も含めており、仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
当社グループは、たな卸資産の市場状況に基づく時価の見積額が原価を下回った場合に評価損を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得を合理的に見積って検討しております。
当社及び一部の国内連結子会社は、連結納税制度を適用しており、繰延税金資産の回収可能性の判断については、連結納税グループ全体の課税所得の見積りにより判断しております。
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は優良社債の市場利回りを退職給付の平均支給年数で調整して算出しております。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
長期期待運用収益率は、年金資産の現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に退職給付費用の一部として計上されます。
なお、当期連結会計年度の長期期待運用収益率の算定の前提となる年金資産の構成割合は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) (7)年金資産に関する事項」に記載のとおりであります。
当社グループは、主に管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、将来キャッシュ・フローの回収額を見積った結果、十分な将来キャッシュ・フローが見込めない事業用資産、将来の使用が見込まれていない遊休資産及びのれん等について回収可能価額まで減額し、特別損失に計上しております。
なお、当連結会計年度における減損損失の兆候の判定及び回収可能価額の算定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結計算書関係) ※5減損損失及び※6事業撤退損」」に記載のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末比10.3%減(以下の比較はこれに同じ)の178,873百万円となりました。このうち流動資産は、主にたな卸資産、受取手形及び売掛金が減少したことにより、11.0%減の84,657百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の47.7%から47.3%となりました。一方、固定資産は、新型コロナウイルスに伴う事業への影響が想定以上に悪化したことにより、収益性が当初見込みより悪化したことによるのれん等の減損損失の計上により9.6%減の94,216百万円で、総資産に占める割合は前連結会計年度の52.3%から52.7%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(エネルギー)
エネルギーの資産は、19.7%減の30,771百万円となりました。このうち流動資産は、主にたな卸資産、売掛金及び受取手形の減少により、5.3%減の20,260百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の55.8%から65.8%となりました。一方、固定資産は、民生用リチウムイオン電池の事業計画の見直しに伴う生産設備の減損損失の計上や固定資産の処分などにより38.0%減の10,511百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の44.2%から34.2%となりました。
(産業用部材料)
産業用部材料の資産は、4.4%減の54,955百万円となりました。このうち流動資産は、主に売掛金及び受取手形の減少により4.3%減の25,356百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度より変動はありません。一方、固定資産は、主にインク事業に関する減損損失の計上により4.4%減の29,599百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度より変動はありません。
(電池・コンシューマー)
電器・コンシューマーの資産は、21.8%減の54,797百万円となりました。このうち流動資産は、主にたな卸資産の増加により2.4%増の34,216百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の47.7%から62.4%となりました。一方、固定資産は、新型コロナウイルスに伴う事業への影響が想定以上に悪化し、収益性が当初見込みより悪化したことによるマクセルイズミ株式会社ののれん等の減損損失の計上により43.8%減の20,581百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の52.3%から37.6%となりました。
(その他)
当社グループの経営統括管理目的に保有している資産は14.4%増の38,350百万円となりました。
負債は、16.4%増の85,961百万円となりました。このうち流動負債は、主に短期借入金の減少により25.0%減の40,335百万円となり、これにより流動比率は2.1倍に、また流動資産との差額である手持ち資金は44,322百万円となりました。一方、固定負債は、主に長期借入金の増加により126.7%増の45,626百万円となりました。
(c) 純資産
純資産は、26.0%減の92,912百万円となりました。主に親会社株主に帰属する当期純損失10,487百万円の計上、配当金の支払による15,081百万円の減少及び自己株式の取得により5,039百万円減少したことによるものです。また、自己資本比率は61.7%から50.6%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から13,653百万円増加し、14,226百万円の収入となりました。これは、売上債権の増減額が前連結会計年度は4,336百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は9,441百万円の減少であったこと、たな卸資産の増減額が前連結会計年度は1,344百万円の増加であったのに対し、当連結会計年度は2,707百万円の減少であったことによる資金の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から34,228百万円減少し、12,098百万円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が7,898百万円、賃貸用不動産の取得による支出が2,360百万円あったことよるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度から24,399百万円減少し、1,791百万円の支出となりました。これは主に長期借入金が27,137百万円の増加したことによる資金の増加と、配当金の支払い15,081百万円、自己株式取得5,039百万円、短期借入金が8,500百万円の減少したことによる資金の減少によるものです。
これらのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額と、現金及び現金同等物の期首残高を合わせた当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末よりも267百万円減少し22,418百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度の△45,753百万円から、当連結会計年度は2,128百万円へと増加しました。
当社グループは、資金の流動性を考慮して、資金運用については短期的な預金等とし、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用する方針であります。
当社グループの運転資金需要は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。
当社グループの設備投資等の需要は成長が期待できる製品分野及び研究開発分野のほか、省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資によるものです。
当社グループは、事業拡大のための成長投資を進めており、これらの資金需要に対しては主に銀行借入にて賄っております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)当社グループが対処すべき課題及び経営戦略 e 資本効率性の向上」を達成するため、今後もレバレッジを活用し、資本構成の最適化を意識したバランスシートマネジメントを追求していきます。
売上高は、プロジェクター、半導体関連組込みシステムなどの減収のほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、前連結会計年度に対し、3.7%減の145,041百万円となりました。なお、為替レートは、前連結会計年度1ドル=111円、当連結会計年度1ドル=109円であります。
売上原価は、売上高の減少が影響し、1.4%減の117,710百万円となりました。売上高に対する原価率は、前連結会計年度の79.3%から81.2%となりました。その結果、売上総利益は12.3%減の27,331百万円となり、売上高総利益率は、前連結会計年度の20.7%から18.8%となりました。また、販売費及び一般管理費は、主にのれん償却額、識別可能資産の減価償却費の計上により、6.7%増の27,468百万円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、主にプロジェクター関連(電器・コンシューマー関連)の研究開発費が減少したことにより8.9%減の8,864百万円となりました。なお、売上高に対する研究開発費の比率は前連結会計年度の6.5%から6.1%となりました。
営業損益は、売上原価率の増加及びのれん等の償却費の増加により、5,561百万円減の137百万円の損失となりました。
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の1,167百万円の収益(純額)から、213百万円の収益(純額)となりました。受取利息から支払利息を減じた純額は、前連結会計年度の210百万円の収益(純額)に対し、54百万円の収益(純額)へと減少しました。
経常利益は、売上高減少による営業損失の計上により、98.8%減の76百万円となりました。
特別利益(損失)は、マクセルイズミ株式会社に係るのれん等の減損損失の計上や、民生用リチウムイオン電池の事業計画見直しに伴う生産設備の減損損失や処分費用などの事業撤退損を計上したことにより、前連結会計年度1,074百万円の利益(純額)に対し、9,502百万円の損失(純額)となりました。
税金等調整前当期純損益は、17,091百万円減の△9,426百万円となりました。
法人税等は、過年度法人税等の還付により、66.1%減の736百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は76.6%増の325百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益は、15,798百万円減の△10,487百万円となりました。1株当たり当期純損益は、前連結会計年度の100.51円に対し△205.23円となりました。
当社グループは、経営ビジョンである「スマートライフをサポート 人のまわりにやすらぎと潤い」のもと、今後も当社グループの強みである「グローバル」展開、「モノづくり力」、「アナログコア技術」を融合させることにより、成長3分野と位置付ける自動車、住生活・インフラ、健康・理美容の各分野のグローバルな成長に向けた諸施策を進めるとともに、事業ポートフォリオの改革による収益改善と新市場開拓に向けた諸施策を実行していきます。また、中長期的な成長の促進と強靭で機動的な経営体質の確立をめざした持株会社体制のもと、事業会社への事業執行権限の移譲を進め、経営のスピードアップによる既存事業規模の拡大を加速するとともに、マクセルビジネスプラットフォーム(MBP)戦略の推進により当社グループに加わった新たな事業や事業会社とのシナジーの早期実現を図ることも重要と考えております。また、2018年度から2020年度までの3年間の中期経営計画MG20(Maxell Growth 20)の最終年度である2020年度(2021年3月期)については、2019年4月に売上高1,730億円、営業利益100億円、ROE6.0%以上を実現するとの修正目標を公表しましたが、当連結会計年度における業績や新型コロナウイルスの感染拡大など足元の経営環境の変化を踏まえ、売上高1,400億円、営業利益5億円、親会社株主に帰属する当期純利益2億円と見直ししております。2021年3月期は、将来の企業価値向上に向けた事業改革の年と位置付け、事業ポートフォリオ改革、収益面の課題がある事業への具体的対策、事業部門別ROIC管理や製品群別・機種別の収益管理による財務規律の徹底を力強く推進し、抜本的な事業改革を実行することとしています。
該当事項はありません。
当社グループでは、当社の開発戦略部、マクセル㈱の開発本部及び各事業本部、その他の子会社の研究開発部門などが連携して研究開発活動を行っております。また、当社グループ外の企業との共同開発や産官学連携の活用により、一層の技術革新を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(エネルギー)
当社の開発戦略部とマクセル㈱の開発本部、エナジー事業本部の設計開発部門などが協力し、リチウム一次電池やボタン電池などの一次電池、リチウムイオン電池や全固体電池などの二次電池及び電池応用製品の研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、コネクテッドカーや5Gの普及を見据えた次世代電池の開発を行いました。全固体電池関連では、10年以上の長寿命と100℃以上の高温耐性を実現した硫化物系固体電解質を用いたコイン形全固体電池を開発しサンプル出荷を開始するとともに、ラミネート形全固体電池については2022年度の製品化に向け開発を進めました。また、e-callや盗難防止など、自動車の使用環境に対応した使用温度範囲の広い高耐熱二次電池の開発を進めました。さらに、ポストリチウムイオン電池の革新型蓄電池の開発において、NEDO主導のプロジェクトである「RISING2」に参画することで、新たな電池技術の確立を進めています。また、電池応用製品では、SDGsに沿った環境配慮製品として、独自の弱酸性電解液を採用したガルバニ電池式鉛フリー酸素センサーを開発しました。当セグメントに係る研究開発費は
(産業用部材料)
当社の開発戦略部とマクセル㈱の開発本部、光エレクトロニクス事業本部、スリオンテック事業本部、ライフソリューション事業本部及びマクセル情映テック㈱、マクセルシステムテック㈱、マクセルクレハ㈱、宇部マクセル京都㈱の設計開発部門などが協力し、光学部品、機能性材料、電鋳・精密部品、粘着テープ、RFIDシステムなどの研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、自動運転化の流れに合わせ、ADAS(先進運転支援システム)向け高ピクセル対応レンズユニットやLiDAR用赤外仕様レンズユニットの開発を推進しました。迷光や信頼性において課題となる高耐熱・低反射ARコートなどの周辺技術の要素開発も継続して行っており、次世代自動車用キーデバイス製品を拡充しています。一方、産業用途においては、物理発泡技術を用いた軽量高機能樹脂部品、電鋳技術を駆使した有機ELパネル蒸着用ハイブリッドマスク、5G通信用途に対応した電磁波吸収部材を開発しました。また、半導体の製造工程においてウエハ研磨時に表面を保護するバックグラインドテープ、電子部材製造工程において使用されるキャリアテープ、車載パネル用導電インクなど、自動化や省エネ化が進む社会の課題解決に向けた製品開発に取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は
(電器・コンシューマー)
当社の開発戦略部とマクセル㈱の開発本部、光エレクトロニクス事業本部、ライフソリューション事業本部、エナジー事業本部及びマクセルイズミ㈱の設計開発部門などが協力し、プロジェクター、小型電気機器などの研究開発・商品開発を推進しております。当連結会計年度においては、簡単便利な小型表示装置需要に対応すべく、高効率な小型エンジンや高視認性映像処理技術を追求しています。その成果として、レーザー光源を搭載した電子黒板機能付きプロジェクターを開発しました。また、2019年度"超"モノづくり部品大賞を受賞した車載用映像表示機器「SuperARHUD」の次世代機の開発を進めています。一方、小型電気機器では、ウイルス除去対応の業務用オゾン除菌消臭器や指の動きで脳の状態が判別できる磁気センサー型指タッピング装置を開発し、社会情勢に即した製品の開発を進めています。当セグメントに係る研究開発費は