文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、独自の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とする「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、すべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしています。
また、以下を経営の基本方針としています。
a.経営理念
当社グループは、その創業の精神である“和協一致”、“仕事に魂を打ち込み”、“社会に奉仕したい”を継承しつつ、「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」を社是とし、今後もマクセル人としての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とします。
あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力します。
b.ミッション
当社グループは、優れた技術や製品の開発を通じて持続可能な社会に貢献することをめざし、「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」をミッションとします。
c.ビジョン
当社グループは、すべてのステークホルダーにとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する「価値創出企業」となることをめざし、「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」をビジョンとします。
d.バリュー
当社グループがステークホルダーに対して提供し続けるべき価値や強みを、Technological Value(技術価値)、Customer Value(顧客価値)、Social Value(社会価値)の3点とします。ミッションとビジョンの実現に向け、これらの価値を大切にしていきます。
e.スローガン
当社グループ共通のブランドスローガン(合言葉)を「Within, the Future」-未来の中に、いつもいる-、とします。
f.マクセルグループ行動規範
当社グループの事業活動における共通の規範であるマクセルグループ行動規範を、今後も当社グループの経営に当たって遵守していきます。
g.コーポレートガバナンス・ガイドライン
当社グループの内部統制システムを構築するための基本方針であるコーポレートガバナンス・ガイドラインに従い、経営における意思決定の透明性を高め、今後もコーポレートガバナンス体制の充実と強化を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざします。
上記の経営の基本方針に関わるキーワードとした、ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン(MVVSS)の5項目は以下のとおりです。
なお、本経営の基本方針については、2021年3月期以降、経営トップによるタウンホールミーティングを主要拠点において順次開催し従業員に直接説明を行ったほか、社内報や社内ホームページも活用し、当社グループ全体への浸透を図っています。
当連結会計年度のグローバルの経済環境は、米国の関税措置や中東情勢の悪化などにより、景気への影響に注視が必要な状況となりました。また、当社の事業概況としては、医療機器用やインフラ用途を中心とした一次電池や塗布型セパレータなどの産業用部材の販売が好調に推移したものの、一部原材料費の高騰や半導体関連製品の回復遅延、健康・理美容製品では米国の関税措置の影響を受けました。2027年3月期以降も、米国の関税措置や地政学リスクなどによる不透明感が残り、引き続き景気への影響が懸念される状況となっています。
当社グループは、2027年3月期以降も事業ポートフォリオ改革や徹底した原価低減策を継続するとともに、企業価値向上に向けた諸施策を進めていくこととしています。
当社グループは、「アナログコア技術」に立脚した競争力のある製品・サービスを強化し、成長が期待される分野において販売を拡大し、当社グループの事業の柱としていくことを基本戦略としています。
a. 中期経営計画「MEX26」
2025年3月期から2027年3月期までの3年間の中期経営計画MEX26の策定にあたっては、当社グループが2030年に実現したい姿である「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する」の実現に向け、世界経済や社会におけるメガトレンドを捉え、注力3分野を定義しました。各注力分野における成長事業を定め、先行開発の推進や新市場の開拓活動強化、積極的な設備投資など経営資源を重点的に配分することで成長戦略の柱とするとともに、事業ポートフォリオ改革の加速による事業基盤の強化、さらには人財育成の強化やサステナビリティ経営の推進など経営基盤の強化にも取り組んでいきます。
MEX26の最終年度である2027年3月期の経営目標は以下のとおりです。
MEX26 2027年3月期経営目標:
連結売上高 150,000百万円
連結営業利益 12,000百万円
連結営業利益率 8.0%
ROIC 7.5%
ROE 10.0%
当連結会計年度は、前連結会計年度との比較で、売上高は129,806百万円から129,429百万円、営業利益は9,318百万円から7,891百万円、営業利益率は7.2%から6.1%、ROICは5.8%から4.6%となりましたが、ROEは4.4%から9.3%となりました。
2027年3月期の連結業績予想は、下記のとおり当初のMEX26の2027年3月期経営目標には届かない見込みとなっておりますが、成長投資の計画や、MEX26の期間における総還元性向100%以上を目安とした株主還元策の強化については達成する見込みであり、引き続き成長事業の強化と積極投資を継続し、利益成長を図っていきます。
MEX26 2027年3月期連結業績予想:
連結売上高 143,000百万円
連結営業利益 10,000百万円
連結営業利益率 7.0%
ROIC 5.5%
ROE 7.5%
当社グループは、MEX26の策定にあたり、モビリティ革命、ICT/AI革命、人/社会インフラ高度化といったメガトレンドの中での「アナログコア技術」による人、生活、社会の品質向上への貢献を念頭に置き、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を新たな注力3分野としました。
上記の注力3分野に関わる市場環境は以下のとおりです。
(モビリティ)
モビリティ分野では、ADAS (Advanced Driver Assistance System)、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)など、安全運転支援機能の拡充、自動運転化や電動化、移動手段の革新などが予想され、関連した部品・材料などの需要が中長期的に増加していくと考えています。なかでも、自動車を中心とした移動体の「安心・安全」が普遍的価値として求められています。当社グループは、自動運転、カーボンニュートラル、死亡事故ゼロなどの実現に向け、タイヤセンシング用の耐熱コイン形リチウム電池、自動運転センシング用の車載カメラレンズユニットやLEDヘッドランプレンズ、車載用リチウムイオン電池の材料である塗布型セパレータを成長事業と位置づけ、先行開発と積極的な投資により事業拡大を図ります。
なお、当社グループは、技術革新に合わせて競争力のある製品開発を行い市場に投入していきますが、自動車市場が安定して成長することが極めて重要です。当連結会計年度においては、IC供給不足の影響も受けたものの、塗布型セパレータや車載光学部品を中心に車載用製品は増収となりました。
(ICT/AI)
ICT/AI分野では、人が直接使用する機器のデジタル化の進展、クラウドサービス、SNSや言語・画像生成AIの普及拡大やこれに伴う通信データ量の急増、自動車の電動化などを各種半導体が支えており、半導体市場は今後も拡大すると予想されます。当社グループは、半導体DMSや半導体製造工程用テープを成長事業と位置づけ、既存市場におけるポジションをより強固にするとともに海外も含めた新市場・新顧客への事業拡大を図ります。
なお、当社グループの事業においては、半導体や半導体を使用する情報通信機器や自動車などの需要動向が影響します。当連結会計年度においては、一部の半導体関連製品の販売回復遅延の影響による減収がありました。
(人/社会インフラ)
人/社会インフラ分野では、QOL(Quality of Life)の向上や健康寿命の引き上げ、労働生産性の向上や人手不足への対応、社会インフラの適切な更新やメンテナンス、省エネ化や再生エネルギーへの転換など、人、生活、社会の持続可能性が求められています。当社グループは、医療機器用一次電池、円筒形リチウム電池、建築・建材用テープを成長事業と位置づけ、人、生活、社会に関連した広範な市場における今後の需要拡大に合わせて事業拡大を図ります。また、今後の成長が期待される全固体電池については、当社独自のアナログコア技術により、今までのリチウムイオン電池では成し得なかった「耐熱性」「安全性」「長寿命」を実現し、本格的な量産フェーズに移行しました。さらにFA機器やインフラ・プラント設備向けなどの産業機器用を中心に様々な顧客の要望をもとにした製品開発も加速しており、早期の業績貢献をめざしていきます。
当社グループは、上記の成長戦略を柱として、積極的な設備投資も加速させてまいります。
MEX26における注力分野別の成長事業とその基本戦略及び強み、は以下のとおりです。
(モビリティ)
* 当社による推計
(ICT/AI)
(人/社会インフラ)
* 当社による推計
c. 経営体制の強化
当社は、業務執行に係る迅速な意思決定及び経営の効率化を図るため、執行役員制度を採用しております。2025年3月期より執行役員体制を強化しており、業務執行責任を明確化するとともに、コーポレートガバナンスのさらなる強化を図っています。
多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。若年層を中心とした消費者層へのマクセルブランドの浸透に加え、事業のBtoBシフトに対する理解を深めるため、2026年4月に「Micro batteries. Maximum impact.」をコーポレートバイラインとして制定しました。当社は、創業以来、小さな電池に大きな価値を宿す技術を磨き続け、精密性と高信頼性が求められる小型電池の市場で独自の価値を提供してきました。創業から受け継がれてきた電池技術をさらに進化させ、社会に不可欠な存在としてより大きな役割を果たしていく決意をこのメッセージに込めています。今後はコーポレートバイラインを基軸に、当社グループのイメージ醸成に資する各種施策としてパブリシティ及びSNSの活用、株主・投資家等との積極的な対話を推進し、中長期的な成長につながるコーポレートブランドの構築に取り組みます。
当社グループは、資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。このため、すべての事業部門においてROICを重要経営指標として認識し、その向上に向け運用を強化するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。
また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりです。
当社グループは、人財の育成と活用を企業経営における最優先事項のひとつであると認識しています。経営環境の変化を捉えた効率的な人財配置の実践、公正で透明性のある人事評価制度の運用により価値に貢献した従業員に報いていくとともに、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに深化させ、従業員のエンゲージメントの向上を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。当社グループの人的資本などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、すべてのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施していくことが重要であると考えています。特に、サステナビリティを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。当社グループの気候変動対応などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
また、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本だけでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社グループは、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。
コーポレートガバナンスの強化
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
当社グループは事業活動を通じて、グローバル市場における社会、環境、経済の課題解決に貢献し、持続的成長と企業価値の最大化につなげるサステナビリティ経営を行うことを基本的な考えとしています。
サステナビリティを巡る諸課題は、企業価値に影響を与えるリスクであると同時に機会でもあります。「中長期的に考え、評価する(短期利益追求主義に陥らない)」「社会・環境価値創出と経済価値を両立させる」という2つのコンセプトを浸透させて、将来にわたり価値創造企業となることをめざします。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは2020年4月に、社会や環境のサステナビリティに関する課題への取り組み強化を目的としてサステナビリティ推進組織を立ち上げました。なお、当該組織は2024年4月より社長直轄のサステナビリティ推進本部となり、当社グループのサステナビリティに関する取り組みのさらなる強化を図っています。
具体的な活動については、事業本部やグループ会社、コーポレート部門で組織される、全社横断活動の推進委員が連携するワーキンググループを構成し、サステナビリティ推進本部主導の基で活動を行っています。
サステナビリティに関する課題への取り組みの中で重要な案件については、取締役会で審議・承認を行っています。
当社グループは、2020年8月に、独創技術のイノベーション追求と事業活動を通じて、人と社会が豊かに共生した 「100年先の地球」に貢献し、人々の生活や社会の課題を解決する製品・事業をグローバルに展開し、社会、環境、経済価値を創出し続けることを宣言した「コーポレートサステナビリティビジョン」を策定しました。
さらに2021年8月に、当社グループの中長期的な価値創造と持続可能なビジネスモデルを実現するために優先的に取り組むべき7項目の経営の重要課題(マテリアリティ)を特定するとともにアクションプランを定め、2022年8月に、アクションプランを確実に実行していくための指標(KPI)を策定しました。さらに、中期経営計画MEX26の開始にあたっては、2030年に向けてマクセルグループがめざす姿を幅広いステークホルダーに示し、理解を深めていただくため、マテリアリティのKGIを制定し、MEX26の内容に合わせたKPIに改定しました。
詳細は当社ホームページに掲載の
当社グループは、全社リスクの洗い出しと見直しを行っており、各リスク項目について管理責任部門を定め、対応方針の決定と管理を行っています。
「戦略」「財務」「ハザード」「オペレーション」に関するリスク管理の重要事項の決定、各リスク管理活動の総括などを、年1回開催される「リスク管理委員会」で行い、その結果を「インターナルコントロール委員会」で報告しています。
当社グループは、経営の重要課題である7つのマテリアリティを特定し、アクションプランを確実に実行していくための指標(KPI)と目標を策定しています。当連結会計年度においては、マテリアリティの解決に向け、より具体的な活動を推進しています。
詳細は当社ホームページに掲載の
(1) 気候変動
当社グループでは、気候変動をはじめとする地球環境問題の解決を喫緊の課題と捉えています。事業活動における環境負荷低減の取り組みや独創技術による環境に配慮した製品開発、気候変動に伴うリスクと機会への対応を検討することにより、サステナブルな社会に貢献します。
気候変動に対する取り組みとして、2021年10月に、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同表明し、TCFDが定めたガイダンスに則ってシナリオ分析を行い、段階的に情報開示を行うことを決定しました。
最初に当社のエネルギー事業のシナリオ分析を行い、シナリオ分析の結果については2022年9月に統合報告書において開示しました。次に他の事業のシナリオ分析を行うことで横展開を進め、2023年9月に統合報告書等においてシナリオ分析の結果を開示しました。最後にグループ会社のシナリオ分析を行うことでさらなる横展開を進め、シナリオ分析の結果については2024年9月に統合報告書等において開示しました。
(ガバナンス)
気候変動に対する当社グループ全体の戦略立案と気候変動に関する目標の達成状況の管理は「環境委員会」が行っています。環境委員会は年3回実施しています。
環境委員会のトップマネジメントは社長であり、すべての環境関連の課題を当社グループの経営戦略や経営目標に反映させる責任を負っています。
また重要案件については取締役会にて審議・承認を行っています。
(戦略)
当社グループは、環境問題の解決を最優先課題のひとつと考え、長期視点で環境経営のめざす姿を明確にするために、経団連が定めた地球環境憲章を支持し、環境保全活動の指針として1996年6月に「環境保護行動指針」を制定しました。また、日本政府が2050年カーボンニュートラルの達成を目標化し、より一層のCO2削減が求められていることをうけて、2023年7月に環境ビジョンを制定しました。
2025年5月に環境ビジョンと環境保護行動指針を統合し、新たに「マクセルグループ環境方針」を制定しました。この方針に沿って、事業活動を通じて、社会、環境、経済価値を創出し続け、持続可能な社会の実現に貢献することをめざしていきます。また、脱炭素社会の実現に向けて、2025年3月にSBT認定取得に向けたコミットメントレターを提出し、2027年3月期中の認定取得を目標としています。
気候変動に関するシナリオ分析については、2024年9月にはグループ会社への横展開を行い、当社グループ全体の分析が完了しました。シナリオ分析においては、当社グループで気候変動の影響を最も大きく受けると想定される生産部門を中心に、1.5℃及び4℃の気温上昇時の社会を想定し、リスク・機会の抽出と対応策を検討しました。
当社グループの事業に影響を及ぼす気候関連リスク・機会の特定にあたり、事業における移行リスク/機会、物理的リスク/機会を抽出し、それらの財務への影響を大~小の3段階で評価しました。
気候変動の顕在化は、当社グループにとってリスクになる一方、長年蓄積されたマクセルの独創技術を活用することで機会にもなり得ます。中・長期的なリスクとしては、1.5℃上昇時は炭素税の導入により事業活動に課せられる税負担増、消費者の行動変化が事業への大きなインパクトとなることが明らかになりました。また4℃上昇時は暴風雨など異常気象の激甚化が事業に大きく影響を及ぼすことが明らかになりました。
気候変動関連シナリオに基づくリスクへの対応
今後は明確となったリスク低減の為に、具体的な改善施策の立案及び実行をしていきます。
1.5℃上昇時のリスクに対しては、Scope1及びScope2の計画的な削減により、将来の炭素税負担を軽減するとともに、お客様からの脱炭素化要求に確実に応えられるように備えます。また、原材料の使用量削減やリサイクル材へシフトすることにより、Scope3を下げ、将来の事業リスクを低減するとともに、事業機会の獲得・拡大につなげていきます。
省エネ活動、再生可能エネルギーとして自家消費型太陽光発電の導入、非化石証書の推進で、CO2削減を行い、炭素税負担の低減をしていきます。消費者の行動変化による事業へのインパクトに対しては、さらなる環境負荷低減、社会課題解決が求められている中、世間で重要視されつつある"環境貢献度"を示す取り組みとして、配慮製品の中から優れた製品や取り組みをピックアップする新認定基準を制定し、2025年3月期から認定することにしました。
この優れた製品や取り組みを"エコエクセレンス"と命名し、1)CO2削減、2)減量化、3)リサイクル材料・環境負荷の低い材料の使用(代替材料)、4)長寿命化、5)廃棄時のリサイクルの5項目に関して、従来製品或いは他社製品と比較して一定基準以上の改善がなされた場合や 1)~5)に当てはまらない革新的な環境配慮製品や取り組みを認定しています。「エコエクセレンス」の導入で社会課題解決につながる製品・サービスを提供し続け、リスク低減を行っていきます。
4℃上昇時のリスクに対しては、人命保護・物的被害軽減を目的とした防災フェーズと事業被害の最小化、重要業務の継続・早期復旧を目的とした事業継続フェーズに分けて整理しています。事業継続計画の観点で被害最小となるために、自社やサプライチェーンなどの事業中断リスクへの対応力の強化を図っていきます。
気候変動関連シナリオに基づく機会への対応
気候変動関連シナリオに基づく機会としては、マクセルの各事業本部が有しているアナログコア技術を活用した製品が重要な事業機会になると考えます。
(リスク管理)
気候変動関連のリスクに関しては、環境委員会が管理しています。
環境委員会では、気候変動に対するリスクと機会、そして戦略を統括し、グループ全体の気候変動に関する目標の達成状況を管理する役割を担っています。
重要なリスク及び機会については、取締役会で審議・承認を行っています。
(指標と目標)
当社グループは、以下を目標として設定、公表しています。
<脱炭素社会の達成に向けた取り組み>
2031年3月期目標 CO2排出量削減率50%以上 (Scope1、2 国内。2014年3月期比)
再エネ比率15%
2051年3月期目標 カーボンニュートラルの達成 (Scope1、2 グローバル)
<循環型社会の達成に向けた取り組み(省資源化とプラスチックなどの資源循環)>
2031年3月期目標 廃棄物生産高原単位* 0.0450(トン/百万円)以下(2022年3月期比 19%削減)
複合プラスチック廃棄物のケミカル、マテリアルリサイクル開始
* 廃棄物生産高原単位:廃棄物質量(トン)/生産高(百万円)で表す廃棄物の発生量を示す指標
目標の達成に向けて、国内工場におけるより広範囲で長期的な視点での省エネ施策(製法見直し、高効率設備の導入)、及び再生可能エネルギ―の活用(太陽光、再エネ証書活用 等)によるCO2削減計画を策定し、取り組みを進めています。なお、当連結会計年度におけるCO2排出量削減率は48%(2014年3月期比)となりました。省エネ活動による電力削減、太陽光発電(PPA)の導入、非化石証書比率の向上は継続的に実施する予定であり、2031年3月期における50%削減の実現に向けて対応していきます。
※ 当連結会計年度におけるCO2排出量削減率については、現在第三者保証の取得を進めており、確定値ではなく、後日変更となる可能性があります。
詳細は当社ホームページに掲載の「気候関連財務情報」や
(2) 社会(サステナブル調達)
社会については、サプライチェーンにおいて環境や人権といった社会的要請に配慮しながら、持続可能な調達(SCM)を達成するための取り組みが重要と考えています。また、当社の調達活動が、紛争や人権侵害等の社会課題を助長することがないよう、責任ある調達活動に取り組む方針を掲げています。
(ガバナンス)
原材料・部品、間接材、設備等の調達先であるお取引先様は、事業活動に不可欠であると同時に、ともに社会への責任を果たしていくパートナーと認識しています。お取引先様と一体となった活動を展開し、各事業活動への期待や要請に誠実に応える活動を実践しています。調達SCM部を事務局とし、当社グループ会社の調達部門を含めたメンバーで構成される「調達リスク管理分科会」がグループ全体の活動を推進しています。
(戦略)
調達ガイドライン*1に基づき、お取引先様には同ガイドライン遵守をお願いするとともにセルフアセスメントと同ガイドラインへの同意確認書にご協力いただき、サステナブル調達の推進に努めています。対象は、原材料、部品および設備に関するお取引先様としています。なお、鉱物調達についても「責任ある鉱物調達」として位置付け、当社の調達活動が、紛争や人権侵害等の社会課題を助長するリスクの回避・低減に向け、サプライチェーンにおける適切な確認(デューデリジェンス)を実施しています。
(リスク管理)
日本国内及び海外のお取引先様に対して、質問票*2で活動状況を確認し、現状把握と改善に取り組んでいます。
(指標と目標)
質問票の結果、4段階評価の最低グレードであるD評価のお取引先様に対して、訪問調査と改善活動支援を行います。C評価の場合は改善計画を書面で回答いただき継続フォローすることで、B評価以上となるよう推進しています。
詳細は当社ホームページの「
*1 調達ガイドライン:「マクセルグループ サプライチェーンCSR調達ガイドライン」
*2 質問票:CSRセルフアセスメント質問票(SAQ)
(3) 人的資本
当社グループでは、経営ビジョンである「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」の実現に向け、「価値を生み出す人・組織づくり」に取り組んでおります。
(ガバナンス)
経営幹部による議論を経て決定した経営方針に沿って、経営トップが主催する「予算本会議」にて人財戦略及び主要人事施策に関する議論を行っています。
人的資本に関する取り組みの中で重要な案件については、取締役会で審議・承認を行っています。
(戦略)
人的資本の強化に向けて「a.多様な人財の獲得」「b.持続的な育成」「c.適正な配置」「d.働きがいのある職場環境の整備」「e.経営参画意識の向上」「f.挑戦的な風土醸成」の6つを人財戦略の柱としています。MEX26においては、「個人一人ひとりの長所を伸ばす」「チームとして仕事をする」「難しい課題に挑戦する」ための各施策に対して優先的に投資し、実行しております。
(リスク管理)
若手人財の離職を防止するために、過去の従業員サーベイ、勤務情報、給与等のさまざまなデータをAI分析することで退職に至る人財を類型化し、部門長へ自身の組織状況及び対応策をフィードバックすることでリスク低減に努めています。
(指標と目標)
a. 多様な人財の獲得
当社グループは、ダイバーシティ重視の観点から、異なる価値観、感性、経験を有する人財を活かし、組織力強化を図るため、外国人、女性、さまざまなキャリア経験者など、多様な人財の採用を積極的に行っています。当社の新卒採用においては、女性採用比率の目標を技術系25%、事務・営業系50%と設定しており、2026年4月入社では技術系25%、事務・営業系43%となっております。
b. 持続的な育成
当社グループの人財育成には、経営幹部にて議論した教育基本方針に従って、事業本部の部門長を中心とした、「グローバル」「営業・マーケティング」「技術」の3つの分科会にて、各分野に求められる教育の計画・実行を行っております。当社においては、2024年3月期より若年層教育体系を刷新し、課題解決を中心としたビジネススキル強化及びチームで仕事を進めるためのマインドセットについて強化を図っております。また、2026年3月期には、シニア層がパフォーマンスを発揮し続けられるように職務を中心とした人事処遇制度へ全面改定を行いました。
c. 適正な配置
当社グループの経営目標を実現するために人や組織全体のパフォーマンスの最大化を図る仕組みとして2023年3月期よりタレントマネジメントシステムを導入し、人財の可視化を進めています。当社では、2025年3月期より、システム利用対象者及び人財データベースとしての内容の拡充を図っております。
d. 働きがいのある職場環境の整備
当社グループでは、すべての従業員がライフスタイルやライフステージに応じて柔軟な働き方ができるよう多様な勤務制度を整備しています。当社では、2024年3月期より育児休暇制度を拡充し、男性の育児休暇の取得推進を図るとともに、職場全体としての新しい働き方への取り組みを進めています。また、ダイバーシティ&インクルージョンを重視し、従業員一人ひとりの個性を発揮しながら、働きがいを持って仕事に取り組むことができる職場づくりを進めています。当社では、全社プロジェクトを2013年より継続的に推進しており、多様な人財が活躍できる土台をつくる活動を展開しています。
e. 経営参画意識の向上
当社グループでは、全社員が対象となる社員持株制度において、加入促進のための活性化施策を継続的に進めています。また、当社の管理職には経営参画意識の向上と株主との一層の価値共有を図ることを目的として2022年3月期より株式報酬制度を導入しています。
f. 挑戦的な風土醸成
当社グループでは、失敗を恐れず、より難しい課題に精一杯挑戦する風土醸成を進めています。当社では、個人の強みの把握と挑戦の内容を定期的に上司とすり合わせるため、2025年3月期より全従業員を対象にキャリア面談の実施回数を年1回から2回へ増やして実施しております。
当社グループの人的資本に関する指標と目標につきましては「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。ただし、以下に記載された項目以外のリスクが生じた場合においても、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業活動を行っている日本、欧米、中国や新興国等の経済環境の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの地域において、景気後退により個人消費や民間設備投資が減少した場合、当社グループが提供する製品及びサービスの需要の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。当社グループでは、当社が事業を行う国や地域の経済・市場動向を常に注視するとともに、原価低減や固定費削減を行い、経済動向の変化による影響を最小限とするよう努めておりますが、このような環境下において、当社グループは売上高や収益性を維持できる保証はありません。
主にエネルギー事業、機能性部材料事業及び光学・システム事業の市場規模は企業の投資動向などに、価値共創事業の需要は個人の消費動向などにより影響を受ける可能性があります。
当社グループの生産・販売活動は日本を含む全世界で展開しております。地震及び洪水等の自然災害、新型コロナウイルス感染症などの疫病、火災、戦争、テロ及び暴動等が起こった場合、当社グループの販売活動の停滞や生産設備等への損害などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、文化や慣習の違いから生じる労務問題や疾病といった社会的なリスク、商習慣の違いから生じる取引先との未知のリスクが潜んでいる可能性があります。このようなリスクが顕在化した場合は、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当社が販売活動を行う、あるいは製造拠点を有する国や地域の法令や文化を遵守・尊重することに加え、事業継続性の観点及び顧客のサプライチェーンへの要求にも対応した製造拠点の配置の最適化についても検討を行っています。しかしながら、現在当社グループは、経済発展が著しい中国に製造拠点や協力工場を数多く有しており、同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立していることから、同国にて政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(高成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における予測し得ない事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の変動による影響について
当社グループは、日本を含む全世界において事業活動を行っており、海外売上高の割合が高く、為替相場の変動リスクにさらされている資産及び負債を保有しています。主に、米ドルをはじめとする現地通貨建ての製品の輸出及び原材料の輸入を行っていることから、為替相場の変動は円建てで報告される当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、外貨建て輸出入取引のバランス調整や為替予約など、為替相場の変動リスクをヘッジする施策は行っておりますが、急激な為替相場の変動による経営成績への影響を完全に回避できる保証はありません。
当社グループの製品は、石油化学製品を原材料としているものが多く、また、一部の製品において希少な物質を原材料としているものがあります。
当社グループでは、部品・材料の調達ルートの定期的見直しや、安定供給が可能な材料を用いた製品の開発などの対策を行っておりますが、原油価格の大きな変動や国際市況などによる原材料価格の大きな変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業分野においては、多様な競合相手が存在するほか、一部の製品においては汎用品化や低コストの地域における製造が進んでおり、価格競争が激化しています。激しい競争のもとで成功するためには、価格、技術、品質及びブランド力の面において競争力を有する製品及びサービスを適宜市場に投入する必要がありますが、当社グループが提供するすべての製品及びサービスについて実現できる保証はなく、製品及びサービスが競争力を維持できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、継続的な原価低減や固定費削減、生産地の変更など競争力確保に向けた対応を行っていますが、中長期的に競争力や収益性の確保が困難と判断した事業や製品については、他の事業へのリソースの移管や撤退、対象製品の廃盤化といった対応を行い、当社グループ全体での収益性確保を図ります。
当社グループの事業分野においては、自動車におけるADAS(Advanced Driver Assistance System)、CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)のように自動車の安全運転支援機能の拡充、自動運転化や電動化、移動手段の革新が進むなど新しい技術が急速に発展しています。
当社グループでは、技術革新を継続的に、迅速かつ優れた費用効率で実現し、製品及びサービスに適用することが競争力を維持するために不可欠であると考えており、研究開発においては、当社独自の強みである「アナログコア技術」に立脚した将来性の高い案件を厳選して行っておりますが、当社グループの研究開発が常に成功する保証はなく、先端技術の開発または製品・サービスへの適用が予定どおり進展しなかった場合は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが取り扱う製品及びサービス分野において、競合企業間の再編により業界動向が大きく変化した場合は、価格や開発ロードマップ、材料調達等の条件などが変動することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループが業界内で高いシェアを獲得している製品及びサービス分野において、競合企業間の再編によって当社シェアが下落した場合は、当該市場における当社グループのイニシアティブが低下する可能性があります。
当社グループでは、品質・コスト両面での競争力強化を継続して行い、単に市場シェアにとらわれることなく顧客から信頼される製品及びサービスの提供を行います。
当社グループは、エネルギー事業、機能性部材料事業、光学・システム事業及び価値共創事業の各事業分野において、事業拡大のために同業他社の事業譲受や買収または当社傘下への販路取り込み等を行う可能性があります。また、経営基盤の強化などのために他社との合併を行う可能性があるほか、個別事業の強化拡大のために当該事業を承継する新会社を会社分割により設立する可能性があります。
当社グループでは、こうした案件については、事前にフィジビリティスタディを行い、中長期的な収益性や当社グループの既存事業とのシナジー効果を充分に検証した上で実施しますが、当該買収、合併、会社分割等が当社グループの事業展開や経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、市場環境や経済環境によっては、当該買収、合併、会社分割等が当初想定した結果を創出できる保証はなく、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造過程で生じる廃棄物や大気・水への排出物、製品に含まれる有害化学物質などについて、国内外の環境関連法令の適用を受けております。当社グループは、環境経営を積極的に推進しておりますが、過去の事業活動の結果生じた事象についても、現在の環境規制に対応するための費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各事業部門において、環境面も含めて、各事業・製品に係る法規制の最新動向を注視しており、これらの遵守を最優先していますが、価値共創事業の一部製品は、医療機器として薬事法等の規制を受けており、国内外における法規制の予測できない改正等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また同様に、当社グループが取り扱う電池や部材料などの各製品分野において、今後、法規制が新設または強化された場合、当該製品の製造や出荷、販売等のコストに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外の生産拠点において、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)の品質マネジメントシステム規格(ISO9001)や顧客から高度な品質管理体制が求められる自動車業界向けの品質マネジメントシステム規格(ISO/TS16949)などに従って多様な製品の品質管理を行っております。
しかしながら、予想し得ない品質上の欠陥(規制物質含有を含む)や法令・規制等の不遵守、それに起因するリコールが発生しないとは限らず、当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合は、回収コストや賠償費用の発生、販売量の減少などの恐れがあります。さらに当社や当社グループ会社のブランドを冠した商品の品質上の欠陥によってブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招く可能性もあります。したがって重大な品質問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 知的財産権による影響について
当社グループは競合他社等に対抗していくためには特許権その他の知的財産権の確保が非常に重要であると認識しており、国内外において出願中のものを含めて多数の特許を保有しております。当社グループは二次電池や一次電池、光学部品、成形、機能性材料、プロジェクター、健康・理美容機器、小型電気機器、磁気テープ、光ディスク、RFIDシステム、ICカード等の分野において、有力な特許を保有しておりますが、さらにこれら事業の将来性を見越した技術及び周辺技術についても特許の出願を進めております。しかしながら、当社グループが出願中である特許について適時に登録を受けられる保証はなく、現在登録を受けている特許が将来においても当社グループにおける事業の知的財産権を保護するのに必要十分である保証はありません。
また当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、業界において必要な特許監視等を実施しておりますが、当社グループが使用する技術要素等について、当社グループが認識しない第三者の特許がすでに成立している場合、当該第三者より知的財産権を侵害しているとの事由により、当該第三者より使用差し止め及び損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。当該特許の使用差し止めや使用に係る対価等の多額の支払い等が発生した場合、当社グループの事業展開や経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、仮にこれらの紛争において勝訴した場合にも、これらの訴えに対して当社を防御し、解決を図るために多大な費用や経営資源を費やすことにより、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼさないとする保証はありません。
なお、一部の製品においては第三者の特許技術等に係るライセンスを受けております。現時点において、当社グループが導入する特許技術に係るライセンス継続に支障が生じる可能性は低いものと認識しておりますが、これらの継続使用が困難となった場合には当社グループの事業展開等に何らかの制約が生じる可能性があります。
当社グループでは、ファイアウォールの整備やコンピュータウイルス対策ソフトウエアの導入、データ及びシステムのバックアップ、教育啓発の実施など、ハード・ソフト両面において情報セキュリティ上のリスク対策を実施しておりますが、自然災害や人為的な原因により情報の消失・外部流出、システム障害等が起きた場合、システムの一時停止や復旧対策等による費用が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業遂行に関連して、当社グループまたは顧客等についての個人情報、技術・営業に関する営業秘密を保有しております。当社グループでは、これらの情報の適切な保護及び管理に努めておりますが、システム障害、人為的な原因、その他の原因でこれらの情報が流出した場合、当社グループに対する信頼ならびに当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、2025年7月に、当社の海外連結子会社において、サーバーが第三者による不正アクセスを受けた事象が発生しましたが、オペレーションへの影響を最小限に抑えて直ちに業務を再開しました。再発防止策として、不正アクセスの制限の強化、情報管理体制の見直し、従業員の情報セキュリティ教育の拡充など、海外拠点を含むグループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施し、再発防止に努めております。
当社グループが事業活動を行っている分野において継続的に事業を発展させるためには、多様な専門技術に精通した人財、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人財の確保、育成を継続的に推進していくことが重要と考えております。
このため、当社グループでは計画的な新卒採用や経験者の通年採用を積極的に実施して人財を育成するとともに、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実、自立型人財やグローバル人財を育成するための各種教育制度の拡充など社員のモチベーションを高める諸施策や、離職率低減を目的としたさまざまなデータのAI分析により、退職に至る人財の類型化と対応策の各部門へのフィードバックを実施しております。
しかしながら、グローバルで優秀な人財を獲得するための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等が懸念されるほか、中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、常に適切な人財を確保できる保証はありません。人財獲得や育成が計画どおりに進まなかった場合は、長期的視点から、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。
(14) 有価証券の相場変動による影響について
当社グループは時価のある有価証券を保有しているため、金融商品取引市場におけるこれらの価額が変動した場合は、有価証券の評価損益や売却損益の発生などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、有価証券の保有に関して、定量、定性基準の判定により、定期的に保有意義の検証を行っています。また当社は、政策保有株式(保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式)を保有しないことを原則としています。取引関係の維持及び強化による中長期的な企業価値向上を目的として保有する政策保有株式については、保有目的、中長期的な経済合理性及び将来の見通し等について取締役会において定期的に検証を行い、保有合理性がないと判断した銘柄については適宜売却し、政策保有株式の保有額削減を進めています。
また、当社の政策保有株式には金融商品取引市場での取引が行われない非上場会社の株式が含まれており、この場合当該非上場会社の業績動向によって保有価額を評価する場合があります。このため投資有価証券評価損等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を遂行する上で取引先や第三者から訴訟等が提起されるリスク及び規制当局より法的手続がとられるリスクを有しております。
当社グループでは、こうした訴訟や法的手続きの発生を防止すべく、法規制に沿った事業活動を行うことに加え、取引先等との十分な意思疎通を図っておりますが、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合や事業遂行上の制限が加えられた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、過年度に生じた税務上の繰越欠損金により課税所得が軽減されております。今後、業績の推移や税制改正等により、繰越欠損金の繰越期間の満了で欠損金が消滅し税金負担が増える可能性があります。また、移転価格税制をはじめとする各国の規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、収益性の向上を図るとともに、「グローバル税務ポリシー」を公表しており、当社グループが事業を行っている国及び地域において適正な納税を行うこととしております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、当連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるグローバル経済は、米国の関税措置や中東情勢の悪化など、景気への影響に注視が必要な状況となりました。当社の事業概況としては、医療機器用やインフラ用途を中心とした一次電池や塗布型セパレータなどの産業用部材の販売が好調に推移したものの、一部原材料費の高騰や半導体関連製品の回復遅延、健康・理美容製品では米国の関税措置の影響を受けました。
このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、一次電池や塗布型セパレータなどの増収、ライセンス収入の増加があったものの、二次電池や半導体関連製品、健康・理美容製品の減収により、前年同期比0.3%(377百万円)減(以下の比較はこれに同じ)の129,429百万円となりました。利益面では、半導体関連製品や健康・理美容製品の減収に原材料費高騰の影響も加わり、営業利益は、15.3%(1,427百万円)減の7,891百万円、経常利益は、12.0%(1,169百万円)減の8,601百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社の持分譲渡に伴う特別利益の計上により、102.0%(4,170百万円)増の8,260百万円となりました。
当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは151円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(エネルギー)
生産を終了した角形リチウムイオン電池が減収となったものの、医療機器用やインフラ用途などの一次電池の販売が好調に推移したことにより、エネルギー全体の売上高は、5百万円増の42,458百万円となりました。営業利益は、一部原材料費の高騰や全固体電池の開発費の増加により、13.5%(323百万円)減の2,065百万円となりました。
(機能性部材料)
粘着テープと塗布型セパレータなどの産業用部材の増収により、機能性部材料全体の売上高は、2.6%(824百万円)増の32,614百万円となりました。営業利益は、粘着テープと産業用部材の増収により、25.8%(301百万円)増の1,467百万円となりました。
(光学・システム)
半導体関連製品が減収となったものの、車載光学部品の増収とライセンス収入の増加により、光学・システム全体の売上高は、1.3%(481百万円)増の36,413百万円となりました。営業利益は、半導体関連製品の減収影響や棚卸資産の評価損などにより、19.9%(879百万円)減の3,540百万円となりました。
(価値共創事業)
国内及び北米向けを中心に電設工具は増収となったものの、米国の関税措置の影響を受けて上期に苦戦した健康・理美容製品が減収となり、価値共創事業全体の売上高は、8.6%(1,687百万円)減の17,944百万円となりました。営業利益は、健康・理美容製品の減収影響により、39.1%(526百万円)減の819百万円となりました。
地域ごとの売上高は、次のとおりであります。
(日本)
粘着テープ、塗布型セパレータなどが増収となりましたが、半導体関連製品、二次電池が減収となったことにより、売上高は5.1%減の60,340百万円となりました。
(米国)
インフラ用途の一次電池、電設工具などが増収となりましたが、健康・理美容製品、ライセンス収入が減収となったことにより、売上高は3.5%減の16,274百万円となりました。
(欧州)
健康・理美容製品が減収となりましたが、車載カメラレンズユニットや一次電池が増収となったことにより、売上高は4.0%増の12,817百万円となりました。
(アジア他)
二次電池が減収となりましたが、ライセンス収入、一次電池などの増収により、売上高は8.1%増の39,998百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、前年同期比(%)は変更後の区分に基づいて算定しております。
3.生産実績には、完成品仕入にかかわる生産実績も含めており、仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、前年同期比(%)は変更後の区分に基づいて算定しております。
需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、前年同期比(%)は変更後の区分に基づいて算定しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得を合理的に見積って検討しております。
繰延税金資産の計上に用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
d のれんの評価
当連結会計年度に発生したのれんは、取得時に予測した将来の超過収益力に関連して発生しております。新たに取得した連結子会社の超過収益力は、経営者によって承認された事業計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っております。減損の兆候が認められる場合には、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較し、減損損失の認識の要否を判断しております。その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として計上することとしております。なお、当連結会計年度においては、減損の兆候はなく、のれんの減損損失を認識する必要はないと判断しております。
なお、会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は優良社債の市場利回りを退職給付の平均支給年数で調整して算出しております。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
長期期待運用収益率は、年金資産の現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に退職給付費用の一部として計上されます。
なお、当連結会計年度の長期期待運用収益率の算定の前提となる年金資産の構成割合は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (7)年金資産に関する事項」に記載のとおりであります。
当社グループは、主に管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、将来キャッシュ・フローの回収額を見積った結果、十分な将来キャッシュ・フローが見込めない事業用資産、処分等の意思決定がなされた資産及び遊休資産について回収可能価額まで減額し、特別損失に計上することとしております。
なお、当連結会計年度における減損損失の兆候の判定及び回収可能価額の算定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※7減損損失」に記載のとおりであります。
g その他有価証券の減損
当社グループでは、売買目的以外の有価証券のうち、市場価格又は合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を評価損として計上することとしております。また、市場価格のない株式等につきましても、当該発行会社の財政状態の悪化等により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行い、評価差額は評価損として計上することとしております。
総資産は、前連結会計年度末比9.7%増(以下の比較はこれに同じ)の180,467百万円となりました。このうち流動資産は、主に流動資産その他の増加により、1.5%増の85,474百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の51.2%から47.4%となりました。固定資産は、主にマクセルサクラ株式会社の取得によるのれんの計上及び建設仮勘定の増加により18.3%増の94,993百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の48.8%から52.6%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(エネルギー)
エネルギーの資産は、10.9%増の42,514百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少により、10.9%減の26,462百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の77.5%から62.2%となりました。一方、固定資産は、主にのれんの増加により86.2%増の16,052百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の22.5%から37.8%となりました。
(機能性部材料)
機能性部材料の資産は、9.9%増の40,732百万円となりました。このうち流動資産は、2.7%減の19,282百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の53.4%から47.3%になりました。一方、固定資産は、主に建設仮勘定の増加により24.2%増の21,450百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の46.6%から52.7%となりました。
(光学・システム)
光学・システムの資産は、2.1%減の34,789百万円となりました。このうち流動資産は、3.4%減の20,943百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の61.0%から60.2%となりました。一方、固定資産は、0.1%減の13,846百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の39.0%から39.8%となりました。
(価値共創事業)
価値共創事業の資産は、5.4%減の19,693百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金の減少により9.5%減の11,384百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の60.4%から57.8%となりました。一方、固定資産は、0.8%増の8,309百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の39.6%から42.2%となりました。
(その他)
当社グループの全社共通業務を目的として保有している資産は、主に自己株式を取得したものの、金融機関からの借入れによる現金及び預金の増加により30.4%増の42,739百万円となりました。
負債は、28.3%増の90,284百万円となりました。このうち流動負債は、主に未払金の増加により4.8%増の46,522百万円となりました。これにより流動比率は1.8倍に、また流動資産との差額である手持ち資金は38,952百万円となりました。固定負債は、主に長期借入金の借入れにより68.6%増の43,762百万円となりました。
(c) 純資産
純資産は、4.2%減の90,183百万円となりました。主に、親会社株主に帰属する当期純利益8,260百万円を計上したものの自己株式の取得及び配当金の支払いによるものです。また、自己資本比率は55.5%から48.2%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から1,464百万円減少し、8,372百万円の収入となりま
した。これは主に、税金等調整前当期純利益10,118百万円、減価償却費5,299百万円、棚卸資産の減少1,953百万
円、売上債権の減少1,247百万円による資金の増加と、関係会社出資金売却益2,857百万円、仕入債務の減少2,418
百万円、法人税等の支払2,411百万円による資金の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から6,480百万円減少し、14,505百万円の支出となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7,402百万円、有形固定資産の取得による支出7,840百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から10,660百万円増加し、2,911百万円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入20,000百万円による資金の増加と、自己株式の取得による支出13,232百万円、配当金の支払い2,158百万円、長期借入金の返済による支出1,563百万円による資金の減少によるものです。
これらのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額と、現金及び現金同等物の期首残高を合わせた当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末よりも1,515百万円減少し、31,557百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度の1,811百万円から、当連結会計年度は△6,133百万円へと減少しました。
当社グループは、資金の流動性を考慮して、資金運用については短期的な預金等とし、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用する方針であります。
当社グループの運転資金需要は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。
当社グループの設備投資等の需要は成長が期待できる製品分野及び研究開発分野のほか、省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資によるものです。
当社グループは、事業拡大のための成長投資を進めており、これらの資金需要に対しては主に銀行借入にて賄っております。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社グループが対処すべき課題及び経営戦略 e 資本効率性の向上」を達成するため、今後もレバレッジを活用し、資本構成の最適化を意識したバランスシートマネジメントを追求していきます。
売上高は、一次電池や塗布型セパレータなどの増収、ライセンス収入の増加があったものの、生産を終了した角形リチウムイオン電池の減収や半導体関連製品、健康・理美容の減収により、前連結会計年度に対し、0.3%減の129,429百万円となりました。なお、為替レートは、前連結会計年度1ドル=153円、当連結会計年度1ドル=151円であります。
売上原価は、一部原材料費高騰及び棚卸資産の評価損の影響により1.0%増の97,601百万円となり、売上高に対する原価率は、前連結会計年度の74.4%から75.4%となりました。その結果、売上総利益は4.0%減の31,828百万円となり、売上高総利益率は、前連結会計年度の25.6%から24.6%となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に給料及び手当などの増加の影響により、0.4%増の23,937百万円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、主に全固体電池、粘着テープ及び工業用ゴム製品の研究開発費が昨年度より増加したことにより6.7%増の6,058百万円となりました。なお、売上高に対する研究開発費の比率は前連結会計年度の4.4%から4.7%となりました。
営業利益は、半導体関連製品や健康・理美容製品の減収に原材料費高騰の影響も加わり、15.3%減の7,891百万円となりました。
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の為替差損から当連結会計年度は為替差益に転じたことにより、前連結会計年度の452百万円の収益(純額)から、710百万円の収益(純額)となりました。受取利息から支払利息を減じた純額は、前連結会計年度の404百万円の収益(純額)に対し、19百万円の収益(純額)へと減少しました。
経常利益は、売上高が減少したものの売上原価、販売費及び一般管理費の増加となったことにより、12.0%減の8,601百万円となりました。
特別利益(損失)は、当連結会計年度における関係会社出資金売却益2,857百万円の計上及び前連結会計年度より特別退職金及び減損損失が減少したことから、前連結会計年度の3,602百万円の損失(純額)から、1,517百万円の利益(純額)となりました。
税金等調整前当期純利益は、64.0%増の10,118百万円となりました。
法人税等は、12.5%減の1,725百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は27百万円増の133百万円の利益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、102.0%増の8,260百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の93.12円に対し202.03円となりました。
当社グループは、「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」を中期経営計画MEX26における基本方針とし、ポートフォリオ改革の推進及び、資本効率の向上を進めております。当連結会計年度では、MEX26における既存事業のメリハリ付けによるポートフォリオ改革の一環として、角形リチウムイオン電池の生産の終了とそれに伴う連結子会社の持分譲渡、株式会社村田製作所からの一次電池事業の譲受及び株式会社ソノコムへのEF2(Electro Fine Forming)事業の譲渡に関する契約締結を行いました。業績につきましては、半導体関連製品の販売回復の遅延や原材料費高騰などの影響により売上高は減収となりましたが、連結子会社の持分譲渡に伴う特別利益の計上により、純利益は前年との比較で増益となりました。MEX26の最終年度となる2027年3月期は、ポートフォリオ改革の効果により収益性を向上させるとともに、成長事業の強化と全固体電池を中心とした新事業の早期の業績貢献を図ることで、利益成長を実現します。
(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しており、契約に関する内容等は、以下のとおりであります。
(注)1.①各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2019年3月に終了した決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。なお、2020年3月期以降における純資産の部の金額を計算するにあたっては、2019年4月26日付で公表した自己株式取得および特別配当したことによる連結の貸借対照表における純資産の部の金額の減少金額を加えて計算する。
②各年度の決算期にかかる連結の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。
(注)2.①各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2024年3月に終了した決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。なお、2025年3月に終了する決算期およびそれ以降に終了する各決算期における純資産の部の金額を計算するにあたっては、2024年4月1日から当該決算期の末日までに実施した全ての自己株式取得および特別配当による連結の貸借対照表における純資産の部の金額の減少金額を加えて計算する。
②各年度の決算期にかかる連結の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。
(注)3.①各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日または2025年3月に終了した決算期の末日における連結の貸借対照表における純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。なお、2026年3月に終了する決算期およびそれ以降に終了する各決算期における純資産の部の金額を計算するにあたっては、2025年4月1日から当該決算期の末日までに実施した全ての自己株式取得および特別配当による連結の貸借対照表における純資産の部の金額の減少金額を加えて計算する。
②各年度の決算期にかかる連結の損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。
(一次電池事業の譲受に伴う株式譲渡契約)
当社は、2025年6月16日付で、株式会社村田製作所(以下「村田製作所」といいます。)及びその完全子会社である株式会社東北村田製作所(以下「東北村田製作所」といいます。)が営むマイクロ一次電池事業(以下「対象事業」といいます。)を村田製作所が新たに設立する新会社に吸収分割の方法により移管したうえで当該新会社の全株式を譲り受ける株式譲渡契約を村田製作所との間で締結しました。
(1) 目的
当社は、中期経営計画MEX26において、既存事業については成長性、収益性の観点からメリハリ付けを行い、成長事業にリソースをシフトするとともに、新事業については事業化の加速を図るポートフォリオ改革を実施しています。
こうしたなかで当社は、エネルギー事業については、収益性に課題があった角形リチウムイオン電池の生産終了を決定し、今後は収益性が高く成長が見込まれる車載用、医療機器用を中心とした一次電池を成長戦略の柱としてさらなる強化を図るとともに、新事業である全固体電池については産業機器用の市場導入を端緒として早期の業績貢献をめざしていくこととしています。
当社が譲受する対象事業は、コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池及びアルカリボタン電池といった製品の設計及び製造であり、これらの製品の品質や性能は市場において高い競争力を有しています。当社は、対象事業を譲受し、当社のエネルギー事業と統合することにより、事業規模の拡大だけではなく、技術開発の加速、生産性の向上及び販路の拡大といったシナジーを創出することが可能と判断し、対象事業の譲受に関する合意の決定に至りました。
(2) 譲受事業の内容
コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池及びアルカリボタン電池の設計及び製造
(3) 株式取得に係る対価
8,000百万円(承継日時点の承継棚卸資産簿価等により、価格調整を行います。)
(4) 日程
株式譲渡契約締結日: 2025年6月16日
株式譲渡実行日 : 2026年3月1日
(5) 新会社の概要
(連結子会社の異動(持分譲渡))
当社は、2026年2月4日の取締役会において、当社が保有する当社の連結子会社 Wuxi Maxell Energy Co., Ltd.(以下「WME」といいます。)の全持分を持分譲渡契約に基づき、譲渡すること(以下「本持分譲渡」といいます。)を決議しました。
本持分譲渡の概要は次のとおりです。
(1) 本持分譲渡の理由
中国国内企業より、当社が保有する WME の全持分を取得したいとの打診があり、当社は、WME の資産の適切な処分等を念頭に置き本打診につき検討を行った結果、本持分譲渡を実行することとしたものです。
(2) 本持分譲渡の相手先の概要
(3) 本持分譲渡前後の持分比率の状況
(4) 持分譲渡の日程
持分譲渡実行日: 2026年2月12日
(EF2(Electro Fine Forming)事業の譲渡に伴う株式譲渡契約)
当社は、2026年3月27日付で、当社の光学・システム事業本部が営む事業のうち、EF2(Electro Fine Forming)事業(以下「本事業」といいます。)を、当社が新たに設立する新会社に吸収分割の方法により移管したうえで当該新会社の全株式を譲り渡す株式譲渡契約を株式会社ソノコム(以下「ソノコム」といいます。)との間で締結しました。
(1) 本譲渡の理由及び方法
当社は、中期経営計画 MEX26 において、既存事業については成長性、収益性の観点からメリハリ付けを行い、成長事業にリソースをシフトするとともに、新事業については事業化の加速を図るポートフォリオ改革を実施しています。
こうしたなかで当社は、ソノコムに本事業を譲渡することが本事業をさらに発展させるとともに、当社のポートフォリオ改革を加速させることになると判断し、本譲渡を決定しました。
本譲渡に当たっては、まず当社 100%出資により新会社を設立し、本事業を会社分割(吸収分割)により新会社に移管した後、ソノコムが新会社の株式の 100%を取得することで本事業を譲渡する予定です。
(2) 本事業の概要
① 本事業の概要
当社の光学・システム事業本部が営む EF2(Electro Fine Forming(精密電気鋳造))事業
② 本事業の経営成績(2025年3月期)
売上高 2,175 百万円
③ 本事業の資産、負債の項目及び金額(2025年3月31日現在)
(3) 本譲渡に向け設立する新会社の概要
(4) 譲渡先の概要(2025年3月31日現在)
(5) 譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況
譲渡価額は、承継日時点の流動資産・負債等の運転資本により、価格調整を行います。
(6) 本譲渡の日程
① 株式譲渡契約締結日: 2026年3月27日
② 株式譲渡実行日 : 2026年7月中(予定)
当社グループでは、当社及び当社の関係会社の研究開発部門や事業本部などが連携して研究開発活動を行っております。また、当社グループ外の企業との共同開発や産官学連携の活用により、一層の技術革新を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(エネルギー)
当社の研究開発部門や事業本部などが連携し、リチウム一次電池やボタン電池などの一次電池、全固体電池などの二次電池及び電池応用製品の研究開発を推進しております。当連結会計年度においては、全固体電池の研究開発及び社会課題解決に貢献する全固体電池モジュールの開発を行いました。使用用途のさらなる拡大に向けて、耐熱性の向上やIoTデバイスの主電源用途に使用可能なコイン形全固体電池の開発に取り組みました。さらに、全固体電池を複数搭載した全固体電池モジュールやER電池サイズ互換の全固体電池モジュールの開発も進め、産業機器のバックアップ用途や各種センシング用途に向けて、周辺回路を含めたソリューション提案を強化しました。革新型蓄電池の開発においては、LIBTEC(技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター)で実施されている第3期NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)委託事業(SOLiD-Next)に参画することで、新たな電池技術の確立を進めています。LIBTECへは研究員3名が出向し次世代全固体電池の電極開発などに従事しています。当セグメントに係る研究開発費は
(機能性部材料)
当社及びマクセルクレハ㈱、宇部マクセル京都㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、粘着テープ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品などの研究開発を推進しております。当連結会計年度においても、車載用途や次世代通信をターゲットにした支援技術やデバイスの開発を推進しました。発泡技術を応用した軽量・高精度成形部品の技術開発を進めました。車載、IoT家電など多くの分野での活用が期待されます。アナログコア技術をベースに、5G通信やADASセンシングをターゲットにした電磁波対策部材の開発を継続し、ローカル5Gや次世代通信を狙った電波制御技術を研究機関と連携して推進しました。さらに、海外の建築・建材市場向けの住宅用気密部材や3次元実装に対応した半導体製造工程用のダイシングテープやバックグラインドテープの開発にも取り組んでいます。当セグメントに係る研究開発費は
(光学・システム)
当社及びマクセルフロンティア㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、光学部品、半導体DMS、金型・合成樹脂成形品、RFIDシステム、ICカード、映像機器などの研究開発を推進しております。当連結会計年度においても、当社グループが保有する映像・光学・成形技術による新事業創出に向けた活動を行っており、特に、当社と、マクセルフロンティア㈱の開発連携強化を推進しています。当社独自の高次自由曲面光学技術と、映像光学製品化技術などを、マクセルフロンティア㈱が保有する超精密金型・超精密成形技術によるプラスティック・シリコーン成形部品事業などに積極的に取り入れることで、新たな事業価値を創生していきます。また、現在の保有技術(発泡成形・高演色画像処理、高輝度・小型バックライトによる映像製品化など)をベースとした、分野にこだわらない課題解決思想を重視したビジネス創生にも、引き続き取り組んでいきます。独自技術をより一層強化し、パートナー企業との共創も積極的に進めています。当セグメントに係る研究開発費は
(価値共創事業)
当社及びマクセルイズミ㈱の研究開発部門や事業本部などが連携し、安心、快適、スマートな空間づくりを通じて人々の心を豊かにすることをめざして、健康・理美容製品、小型電気機器、音響製品、光ディスク、充電機器、アクセサリー、電設工具などの研究開発・商品開発を推進しております。当連結会計年度においても、当社は家電領域で利便性と持続可能性を重視した製品投入を進めました。具体的には、切れ味を5年保証するシェーバーの上市や、繊細衣類にも対応するデリケート刃搭載の毛玉取り器の投入など、環境配慮と長期使用を意識した商品構成を強化しました。年末年始の販売施策では広告クリエイティブを強化したキャンペーンを展開し、認知拡大に寄与しました。海外家電では関税や供給環境の変動に対応し、中国生産機種の一部を国内(松本)で生産して北米へ輸出する等、供給網の柔軟化と顧客密着を推進しました。工具分野では小型油圧直線工具やOEM向け充電油圧工具を上市し、大きさ・重量・使いやすさを追求した製品展開を進めています。加えて健康・理美容製品においては医療機器認証を活用し、国内外の法人顧客ニーズに応える製品開発を継続しています。当セグメントに係る研究開発費は