「第2 事業の状況」から「第5 経理の状況」まで、特に記載のない限り、消費税等抜きで記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉に「人と人のつながり」を大切にする精神を育みながら、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。
(2) 企業を取り巻く課題
2000年代前半には日本の水晶メーカーは世界市場で70%近いシェアを有していました。しかし、主に中国や台湾の水晶メーカーが低価格を武器にシェアを伸ばし、直近でのシェアは50%を切る水準となっています。
この間、日本の水晶メーカー各社は中国や台湾の水晶メーカーと低価格市場での競争を避け、高付加価値市場である通信分野や車載市場向けにシフトしました。しかし、通信分野向けにおいて大手チップセットメーカーが主導する形で水晶デバイスの標準化が進んだ結果、複数社購買がベースとなり差別化が難しくなりました。このような状況の中、台湾の水晶メーカーの通信分野への参入も始まったことで、日系企業は投資回収がこれまで以上に困難となり利益の創出が難しい状況が続きました。また、小型化へのシフト鈍化も加わり、水晶デバイスのコモディティ化が加速しました。なお、アジアメーカーの乱立も含め、業界リーダーが不在であることも価格変動要因の1つであると考えています。
(3) 経営戦略等
これら構造的な課題を解決するためには、短期や中期の時間軸ではなく、長期の時間軸で大きく会社の体制を変えなければならないとの考えから、当社としては初めてとなる「10年長期経営計画」を策定しました。
コモディティ化の対策としては「新たな市場の創造」と「特定市場への特化」を推進してまいります。具体的にはICへの内蔵やこれまで以上に薄型が必要とされる新たなマーケットの開拓、高温度/高周波/高精度に対応した製品など、これからも市場の拡大が期待できる5GマーケットやADASを中心に、当社独自の製品を含めた差別化商品を投入することで参入障壁も高まると考えています。また、これまでにない新しい技術を用いた世界最安となる直材費の製品を投入するなど、低価格市場への対応も行います。さらに、今後の製品展開において核となるフォトリソ技術に必要不可欠な大型ウェハの外部販売の開始や、オープンイノベーション/コラボレーションを推進するなど、利益率No.1の水晶業界のリーダーを目指します。
これらを長期経営計画の基本戦略「OCEAN+2戦略」として推進してまいります。なお、「OCEAN+2戦略」は、「一社供給(One)」、「低コスト域への挑戦(Cost)」、「材料ビジネス(Element)」、「共創(Alliance)」、「残存者利益(Niche)」、「新たな結晶(+1)」、「新たなデバイス(+2)」のアルファベットの頭文字と数字で構成されています。
長期経営計画は3つのフェーズに分けており、それぞれマイルストーンを設定しています。既存品やArkh.3Gのビジネスを継続するのはもちろんですが、「第一中期 基盤整備」として準備を完了させます。「第二中期 基盤確立」のフェーズでは材料ビジネスを軌道に乗せながら、コラボレーションや新たな結晶ビジネスを開始、「第三中期 成長発展」の最終フェーズではこれらの戦略を成長/発展させる計画です。
IT化の推進や業務プロセスの改善を推進することで生産性を向上させながら既存ビジネスにおいて固定費を確保し、「OCEAN+2戦略」によって営業利益を創出してまいります。
これらの戦略を実行するには成長のための投資が必要であり、投資総額は10年間で600億円を想定しています。次世代事業への投資を中心に収益基盤の維持や研究開発にリソースを配分してまいります。
今後もお客様に必要とされ続ける真のリーディングカンパニーを目指し、グループ一丸となって10年長期経営計画の完遂に推進してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済環境におきまして、国内外では依然として新型コロナウイルスが感染拡大しており、個人消費の減少や失業率の上昇が見込まれるなど、経済活動の正常化には時間を要すると思われます。水晶業界におきましては、中国/台湾など海外水晶メーカーが台頭し、コモディティ化が加速するなど日系企業は利益創出の難しい状況が継続しました。マーケット環境として、通信機器マーケットでは、世の中に存在するさまざまな「モノ」がネットワークにつながる「IoT」の進展や、大容量・高速通信を可能とする「5G」の本格的な商用化に期待が高まります。カーエレクトロニクスマーケットにおきましては、足元のマーケットは低迷しているもののエコカーの増加やADASの普及、つながるクルマや自動運転などマーケットの拡大が期待され、産業用ロボットなどの産業機器マーケットにも注目が集まります。
このような環境の中、当社グループでは中期・長期的な成長を実現するため、創業60周年を機に10年長期経営計画を策定しました。コモディティ化から脱却するための対応策として「新たなマーケットの創造」と「特定マーケットへの特化」を推進し、高付加価値な差別化商品を投入することで参入障壁も高まると考えています。また、低価格マーケットでも利益を確保できる新しい技術を使った製品を投入してまいります。さらに、今後の水晶デバイスの核となるフォトリソ技術に必要不可欠となるであろう大型ウェハの外部への販売の計画や、オープンイノベーション/コラボレーションを推進するなど、利益率No.1の水晶業界のリーダーを目指します。加えて、コーポレートガバナンスの強化や、日々の仕事をおもしろくやりがいのある仕事にする風土づくりなどを推進し、社員が瞳を輝かせ持続的な成長/発展が可能な企業を目指します。「通信」、「カーエレクトロニクス」、「産業」、「民生」全ての分野において営業、技術、生産が三位一体となり、「全体最適」を図ることで業績が向上するよう努めてまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の変動要因について
当社グループは、水晶業界に属し音叉型水晶振動子、一般水晶振動子、水晶応用製品等、電子部品の重要パーツを生産しておりますが、顧客であるスマートフォン、パソコンや薄型TV等のデジタル家電、カーエレクトロニクス業界における競争の激化や市場環境の変動により価格や需要動向が業績の変動要因となり、その影響を受けることがあります。水晶業界の構造的な問題に対しては、当連結会計年度に策定した長期経営計画を完遂させることが対策となります。また、品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応については、当社グループが掲げる品質目標であるゼロディフェクトの実現に努めております。なお、当社グループは将来を見据え抜本的な経営改革を行い、コスト構造の変革を推進し、関係会社の再編など、グループ全体での業績向上活動を遂行していく過程におきまして、単年度の業績が少なからず変動する可能性がありますが、長期経営計画などにより将来の業績向上を示すことで理解いただけると考えます。
(2) 貸倒リスクについて
当社グループでは、貸倒による損益の状況を最小限にとどめるために、与信管理を徹底する一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充分に見積もっておりますが、市場環境の悪化等によりさらに貸倒が発生した際に損失による利益の影響が出てくる場合があります。取り組みとしてグループ全体で与信管理を徹底、また新規および回収遅延顧客については信用調査を必ず行うなど顧客管理の強化に努めています。
(3) 為替変動の要因について
当社グループは、アジア、アメリカ、ヨーロッパといった海外での事業が多く、連結売上高に占める海外売上高の割合は2020年3月期において85.5%となっております。また、海外販売や海外子会社からの仕入れに対して大半が米ドル取引となっており、事業上の取引やその決済時の収支において為替変動による影響を直接的に受けることはありませんが、決算上の外貨建資産・負債・収益・費用及び海外子会社における現地通貨を円貨に換算する割合が大きいために、為替相場の変動が連結決算において換算額に影響を与える可能性があります。対応として債権債務の差額減少、為替予約等によりリスクヘッジに努めております。
(4) 金利変動について
当社グループの借入金残高は、2020年3月31日末現在で237億円(総資産の37.8%)であり、今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。ただし、有利子負債残高の大半は長期借入金等であり、そのほとんどは固定金利にて調達したものであります。また、財務体質強化目的により有利子負債残高の削減にも取り組んでおります。
(5) 株価の変動リスクについて
当社グループは2020年3月31日末時点で、取引先や金融機関等の株式を中心に約14億円の市場性のある株式を保有しており、これらの株価変動リスクを負っております。当社グループは、対象株式を取得することで得られる効果を定量的、定性的に測定し、当社の資金使途として適切かどうか検討した上で、毎年、取締役会において合理性を確認し、保有継続の可否及び株式数の見直しを実施しております。検証の結果、初期の保有目的を達成したものや保有効果が薄れたと判断されたものについては、売却等を検討いたします。
(6) 特定の原材料及び部品の外部業者への依存について
当社グループは、多数の外部の取引先より原材料及び部品を購入しておりますが、製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料につきましては、一部の取引先に依存しております。効率的に、かつ安いコストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロール出来ないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因の中には、取引先が継続的に原材料及び部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。主要な取引先を失うことにより、当社グループの生産に影響し、コストを増加させる可能性があります。
外部の取引先に対して事業継続計画(BCP)をより実績的・効果的にするためにアンケートの実施や事業説明会を開催し、継続して改善を進めると共にリスクを考慮した安定在庫の確保・複数社の認定・共通部品化を進め、リスク低減に努めております。
(7) 新製品の開発について
当社グループは水晶振動子の小型化や高機能化の需要に対応するべく、積極的な研究開発を行っておりますが、その全てが今後順調に研究・開発が進み販売が出来るとは限らず、途中で開発を断念したり、新製品や新技術の商品化が遅れること等により市場の需要に対応できなくなる可能性があります。
また、当社が開発しました新製品・新技術が、独自の知的財産としまして保護される保障はありません。
なお、当社グループにおきまして、研究開発上様々な知的所有権を使用しており、それらは当社所有のものであるか、あるいは適法に使用承諾を受けたものであると認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。
当社が、第三者より知的所有権に関する侵害訴訟等を提訴され、係争が生じた場合には当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
上記リスクを含め、当社グループにおいて業界及び市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績及び財務状況等に影響をおよぼす可能性があります。それらの対応として、開発テーマに関しては市場動向を見ながら四半期ごとに見直し、優先度を決めて市場需要に合致した開発を行っております。また、市場要求に照らし合わせ中期計画を立案し開発テーマに基づき開発を行っております。知的所有権に関しては、開発初期段階で関連技術分野の知的財産権を調査し、第三者の知的財産権を侵害しないようにしております。また、その後も定期的に発行される第三者の特許公報の内容を、分野ごとに決められた担当者がチェックする仕組みを運用しており、必要に応じて設計変更やライセンス契約の検討を行っております。
(8) 環境問題について
当社グループでは環境保全活動を重要な経営方針の一つとして掲げ、社会的責任という観点に立って活動し、これまで当社グループは重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、あらたな環境規制によっては対策費用等が発生する可能性があります。環境規制の変化点の情報収集に努め、早期かつ適切に対応いたします。
(9) 不測の事故、自然災害(BCP)について
当社グループは、日本・中国・インドネシア・台湾・タイにて生産を行っておりますが、自然災害、パンデミック、テロや戦争による社会的混乱の発生、その国における政情の悪化等により当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応マニュアルの整備に努めるとともに、自然災害等に対応できる体制を強化してまいります。
(10) 情報管理(情報セキュリティ)について
当社グループでは信頼される企業であり続けるために、情報資産の保護を目的とした各種社内規程を定め、情報の適切な取り扱いに向けたルールやシステムの整備と改善に取り組んでいます。しかし、サイバー攻撃などの手口は常に巧妙化しており、情報セキュリティは常に脅威にさらされています。巧妙化するサイバー攻撃に対し、ツールによる対策と教育による社員のセキュリティに対する意識向上を継続的に取り組んでまいります。
(11) 競合の激化について
当社グループが属する水晶業界は日系企業との競争に加え、中国/台湾など海外メーカーが台頭しコモディティ化が加速するなど、競争激化による価格変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。これらの対応として「新たなマーケットの創造」と「特定マーケットへの特化」を推進し、高付加価値な差別化商品の投入や、低価格マーケットでも利益を確保できる新しい技術を使った製品を投入してまいります。また、今後の水晶デバイスの核となるフォトリソ技術に必要不可欠となるであろう大型ウェハを製造するため、人工水晶育成から加工までの前工程の技術をさらに進化させることで参入障壁を高めるとともにウェハの外部への販売も計画しております。
(12) 設備投資のリスクについて
当社グループでは、事業の維持・成長等のために、継続的な設備投資を必要としていますが、需要予測に大きな変動が生じた場合や外部環境の変化等により、計画どおりの収益が得られない可能性があります。上記変化などあらゆる条件を考慮する高いマーケティング能力を備え、早期の経営判断等によりリスク軽減に努めてまいります。
(13) 人材(人財)確保について
当社グループは、真のグローバル企業として継続的に発展するため、適切な人財確保が必要であると考えております。しかしながら、少子高齢化社会の進行などに伴い、人財の確保が困難となる場合や、人財の育成が順調に進まない場合、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。新卒、キャリア採用を積極的に推進することで若手・優秀人財の確保や技能継承に努めております。また人財の定着化施策として賃金・評価制度や教育制度の見直しにも努めております。
(14) コンプライアンスに関するリスクについて
当社グループは、コンプライアンス経営の確立に努めるとともに全社員への研修など取り組み強化を進め、法規制を遵守しております。しかしながら、予期せぬ法令・諸規則の改正もしくは新設により、その遵守のための対策費用の発生や法規制違反による課徴金等の行政処分など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。コンプライアンス体制の基礎として、経営理念および行動基準ならびにCSR行動規範を定め、周知徹底を図るとともに、当社グループ内で展開しております。また、全社員を対象としたコンプライアンス教育を定期的に実施し、社員のコンプライアンス意識の向上に努めております。企業経営に深く関わる法規制については、適宜モニタリングも行い、法令遵守に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ICT(情報通信技術)や自動車を含むエレクトロニクスマーケットにおきましては、スマートフォンの成長は鈍化し、自動車ではADAS(先進運転支援システム)の普及や電装化が進展したものの、マーケット全体として低調に推移しました。
このような状況下におきまして、当社グループは2016サイズ(2.0ミリメートル×1.6ミリメートル)以下の水晶デバイス群「"Slim×Small×Smart" Crystal(トリプルエスクリスタル)」をはじめとする小型製品や新構造水晶デバイス「Arkh.3G(アークスリージー)シリーズ」の生産設備を増強しました。新製品では、ADAS向けにも最適で自動運転レベルⅡに適応した車載走行安全系用途対応水晶発振器「DSO211/221SX」を、民生や通信、産業マーケット向けに汎用タイプとして小型水晶発振器「DSO211/221SXF」を開発しました。広い動作温度範囲においても周波数安定度に優れた製品で、基板にはんだ実装された際のAOI(カメラモジュールなどによる自動外観検査)対応が可能な構造を備えています。また、実装効率が重視される光トランスポート装置向けに世界最小・最薄の差動出力水晶発振器「DS1008JC/ DS1008JD/ DS1008JJ/ DS1008JK」(Arkh.3Gシリーズ)を開発しました。これらの製品は、2019年7月に東京で開催された「第2回5G/IoT通信展」などの国際見本市に出展し、多方面から注目を集めました。
これらの結果、当連結会計年度におきまして、当社グループではカーエレクトロニクス向けや産業向けの販売が減少しましたが、通信向けや民生向けの販売が増加しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,564百万円増加し、62,995百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,950百万円増加し、32,814百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ386百万円減少し、30,180百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は29,881百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は277百万円(前年同期比488.9%増)、経常利益は344百万円(前年同期比9.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は276百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失475百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本は、売上高は5,911百万円(前年同期比11.2%減)、セグメント損失は282百万円(前年同期はセグメント損失591百万円)となりました。
北米は、売上高は1,493百万円(前年同期比17.6%減)、セグメント損失は19百万円(前年同期はセグメント利益28百万円)となりました。
欧州は、売上高は2,545百万円(前年同期比7.5%減)、セグメント利益は21百万円(前年同期比61.2%減)となりました。
中国は、売上高は11,223百万円(前年同期比33.7%増)、セグメント利益は4百万円(前年同期はセグメント損失75百万円)となりました。
台湾は、売上高は6,919百万円(前年同期比2.4%増)、セグメント利益は674百万円(前年同期比19.7%減)となりました。
アジアは、売上高は1,789百万円(前年同期比14.0%減)、セグメント損失は243百万円(前年同期はセグメント損失207百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、有形固定資産の取得による支出などがあったものの、長期借入れによる収入などにより、前連結会計年度末に比べ1,380百万円増加し、当連結会計年度末には15,321百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は688百万円(前期比310百万円減少)となりました。これは主に減価償却費2,582百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は2,592百万円(前期比1,001百万円増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3,515百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は3,586百万円(前期は1,054百万円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入15,597百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
14,084,816 |
△18.7 |
|
中国(千円) |
2,410,220 |
△20.2 |
|
台湾(千円) |
8,057,271 |
△11.4 |
|
アジア(千円) |
6,095,052 |
△8.4 |
|
合計(千円) |
30,647,360 |
△15.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
日本 |
6,224,928 |
△7.1 |
1,030,094 |
20.7 |
|
北米 |
1,515,545 |
△15.8 |
252,015 |
7.1 |
|
欧州 |
2,499,113 |
△9.3 |
269,872 |
△19.6 |
|
中国 |
12,329,769 |
45.1 |
2,061,758 |
109.0 |
|
台湾 |
6,798,960 |
△1.4 |
773,703 |
△11.2 |
|
アジア |
1,754,710 |
△18.6 |
135,633 |
△34.3 |
|
合計 |
31,123,028 |
8.1 |
4,523,078 |
29.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
5,911,438 |
△11.2 |
|
北米(千円) |
1,493,101 |
△17.6 |
|
欧州(千円) |
2,545,015 |
△7.5 |
|
中国(千円) |
11,223,093 |
33.7 |
|
台湾(千円) |
6,919,432 |
2.4 |
|
アジア(千円) |
1,789,865 |
△14.0 |
|
合計(千円) |
29,881,946 |
5.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、下記のとおりです。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は62,995百万円であり、前連結会計年度末と比較して4,564百万円増加しております。これは受取手形及び売掛金の増加などによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は32,814百万円であり、前連結会計年度末と比較して4,950百万円増加しております。これは主に借入金の増加などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は30,180百万円であり、前連結会計年度末と比較して386百万円減少しております。これは主に為替換算調整勘定の減少などによるものであります。
これらにより自己資本比率は3.8ポイント減少して、39.8%となりました。
b.経営成績
(売上高)
カーエレクトロニクス向けや産業向けの販売が減少しましたが、通信向けや民生向けの販売が増加し、売上高は前連結会計年度に比べ5.0%増加の29,881百万円となりました。そのうち、国内売上高は4,327百万円、海外売上高は25,554百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高が増加したことなどの影響により、前連結会計年度に比べ5.2%増加の23,443百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加などにより前連結会計年度に比べ0.4%増加の6,160百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、事業譲渡益302百万円を特別利益に計上したことなどにより276百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失475百万円)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、水晶製品事業における価格競争は引き続き厳しいものとなっており、当社グループが属する製品市場における市場価格についても顧客製品の価格動向によっては競争の激化に直面すると思われます。また、為替につきましても、為替相場の変動によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本国内におきましては、産業やカーエレクトロニクス向けなどが前年を下回り、売上高は5,911百万円と前年同期と比べ746百万円(11.2%減)の減収となりましたが、国内生産品目の稼働率向上などにより、セグメント損失(営業損失)は282百万円と前年同期と比べ309百万円(前年同期はセグメント損失591百万円)の改善となりました。
(北米)
北米におきましては、カーエレクトロニクス向けなどの販売が減少し、売上高は1,493百万円と前年同期と比べ318百万円(17.6%減)の減収となり、セグメント損失(営業損失)は19百万円と前年同期と比べ47百万円(前年同期はセグメント利益28百万円)の減益となりました。
(欧州)
欧州におきましては、カーエレクトロニクス向けなどが前年を下回った結果、売上高は2,545百万円と前年同期と比べ206百万円(7.5%減)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は21百万円と前年同期と比べ34百万円(61.2%減)の減益となりました。
(中国)
中国におきましては、通信や民生向けなどが前年を上回り、売上高は11,223百万円と前年同期と比べ2,827百万円(33.7%増)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は4百万円と前年同期と比べ80百万円(前年同期はセグメント損失75百万円)の改善となりました。
(台湾)
台湾におきましては、民生や通信向けなどの販売が増加し、売上高は6,919百万円と前年同期と比べ159百万円(2.4%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は674百万円と前年同期と比べ165百万円(19.7%減)の減益となりました。
(アジア)
その他アジアにおきましては、カーエレクトロニクスや産業向けなどの販売が減少し、売上高は1,789百万円と前年同期と比べ292百万円(14.0%減)の減収となり、セグメント損失(営業損失)は243百万円と前年同期と比べ36百万円(前年同期はセグメント損失207百万円)の悪化となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性については、下記のとおりです。
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の健全性・資本効率・株主還元の観点からバランスのとれた最適な資本構成のもと、継続的に企業価値を向上させることを基本としております。財務の健全性については「負債資本倍率(DEレシオ)」や「自己資本比率」の改善を図り、資本効率を示す「株主資本利益率(ROE)」の向上を目指してまいります。また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善をさらに推進するとともに手元資金の活用などによりキャッシュ・フローの最大化と資金効率の改善を強化いたします。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要につきましては、当社グループの製品製造のための生産設備及び建物の購入等になります。
c.資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。設備投資に必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローおよび手元流動性資金で賄うことを基本とし、また、長期経営計画に基づく成長3ヵ年計画完遂と当社戦略に掲げているOCEAN+2戦略の実現を可能にするための成長投資実行については、銀行借入または資本市場からの調達も検討し、堅実かつ柔軟な資金調達を行うものとしています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、当連結会計年度末現在において過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積りの場合は特有の不確実性があり、実際の結果が異なる場合もあります。
パートナーシップに関する契約
(製品の販売に関する契約)
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契約書名 |
パートナーシップ契約 |
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契約会社名 |
SiTime Corporation |
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契約締結日 |
2015年10月27日 |
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契約期間 |
2015年10月27日から2025年10月26日まで(期間満了の1年前までに契約終了の意思表示がない場合、更に自動更新されるものとする。) |
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主な契約内容 |
新市場でのシェア確保及び販売金額増加を目的としパートナーシップ契約を締結 ・MEMS Timing DeviceのKDSブランド販売 |
当社グループは水晶を利用した電子デバイスの専業メーカーとして、新製品並びに新技術の研究開発に鋭意努力しております。当社グループにおける新製品・新技術の開発活動は、高度化する社会のニーズに応える水晶デバイスを、蓄積された要素技術により積極的に提案することを目的とし現在76名の従業員が当社グループの研究開発に従事しております。
当連結会計年度における研究開発費は
(1) Arkhシリーズ関係
① Arkh.3G 水晶振動子DX1008JS(外形寸法:1.0×0.8×0.13mm)を開発いたしました。従来デバイスと比べ圧倒的な薄型化(0.13mm max.)により、特殊な通信モジュールやICパッケージへの内蔵というニーズに対応します。
② Arkh.3G 低電圧水晶発振器DS1008JN(外形寸法:1.0×0.8×0.24mm)を開発中です。圧倒的な薄型(0.24mm max.)と世界最小サイズの低電圧水晶発振器として、且つ、電源電圧0.9V~1.5V typ.という低電圧にも対応します。省スペース化が求められる機器では同時に発熱を低減させるための低電圧化が求められており、本製品によりそれらに対応していきます。
③ Arkh.3G 差動出力水晶発振器DS1008JC,D,J,K(外形寸法:1.0×0.8×0.24mm)を開発中です。156.25MHzを標準周波数とし、世界最小サイズの差動出力発振器としてLVDS,LV-PECL,HCSL出力のラインナップを備えます。光ネットワーク市場の省スペースが求められる用途へ対応します。
④ Arkh新シリーズとして、小型低価格振動子(外形寸法:1.2×1.0×0.20mm)を開発中です。セラミックパッケージを使用した従来製品では小型化に伴い製造原価が上昇する傾向にありましたが、本製品では低コスト化にコンセプトを絞り、従来製品の1.2×1.0mmサイズの製品に比べ大幅な低コスト化を実現し、ワイヤレスイヤホンなどの用途に対応します。
(2) 水晶振動子関係
① 表面実装型水晶振動子において、DSX1008A(外形寸法:1.0×0.8×0.3mm)を開発いたしました。2020年下半期より量産開始予定です。周波数は40MHz、48MHz、59.97MHzに対応し、周波数拡張を進めております。高密度実装に対応し、発展が期待されるIoT社会に向けて移動体通信機器、近距離無線モジュール、デジタルAV機器、ウェアラブル機器などの用途に対応します。
② 表面実装型水晶フィルタにおいて、次世代4G-LTE無線機向けのデジタル化に伴うDSF633SDF(外形寸法:6.0×3.5×1.1㎜)超広帯域フィルタ(通過帯域幅Fo±40kHz)を実現する事により静止画受信やデータ送信機能付き業務用無線機に採用されました。また、120MHz 3素子 6pole Fo±7.5kHzの開発も実現し減衰傾度の高い水晶フィルタを実現する事により幅広い業務用無線、公共無線、船舶無線などの用途に対応します。
③ 温度センサ内蔵表面実装型水晶振動子において、DSR1210ATH(外形寸法:1.2×1.0×0.55mm)を開発しました。世界最小クラスの温度センサ内蔵表面実装型水晶振動子を開発いたしました。2020年度に量産展開いたします。周波数範囲は38.4MHz、76.8MHzに対応し、2021年度の5Gの本格的な普及に対応し、その他移動体通信機器、ウェアラブル機器など各種電子機器の用途に対応します。
(3) 水晶発振器関係
① 温度補償水晶発振器において、DSA/DSB535SGA(外形寸法:5.0×3.2×1.35mm)を開発いたしました。2020年下半期より量産開始予定です。高精度温度補償回路を採用し、周波数温度特性は-40~+105℃で±0.1×10-6以内です。高温度範囲にわたって準OCXOクラスの周波数安定度を5.0×3.2mmサイズで実現します。周波数範囲は10~40MHzに対応し、スモールセル基地局、Stratum 3、業務用無線基地局に対応します。
② 車載市場向け温度補償水晶発振器DSB211SJA(外形寸法:2.0×1.6×0.7mm)を開発しており、2020年下半期より量産開始予定です。次世代高速無線LAN規格 IEEE-802.11axで要求される±20×10-6の周波数安定度を車載用途で要求される-40~+125℃の温度範囲で実現するCMOS出力水晶発振器です。周波数範囲は13~52MHzに対応し、車載用のWi-Fi通信機器をはじめ、その他、各種映像機器、マルチメディアデバイスの用途に対応します。
③ 車載市場向け高精度温度補償水晶発振器DSB211SPX(外形寸法:2.0×1.6×0.7mm)を開発しており、2020年下半期より量産開始予定です。動作温度範囲-40~+105℃における周波数安定度は±0.5×10-6以内、-40~+125℃における周波数安定度は±5×10-6以内であり、車載用途で要求される高温環境下での仕様と高精度を特徴としています。周波数範囲は12.288~52MHzに対応し、GNSS、ADAS機器等の用途に対応します。
④ 恒温槽内蔵水晶発振器(外形寸法(予定):9.7×7.5×4.3mm)を開発中です。今後ますます重要となります5G基地局に向けたデバイスとして、温度範囲:-40~+85℃、周波数精度:±50×10-9以下の製品仕様を目標とし、良好な長期信頼性性能、小型化、KDS独自技術を生かした製品として開発を進めております。
⑤ 車載市場向け1.8V差動出力水晶発振器DSO323Sシリーズ(外形寸法:3.2×2.5×1.1mm)を開発中です。自動運転での本格的な使用が見込まれるAI半導体で処理される大量のデータの高速伝送において、High Speed Interface用として要求される高温環境下での仕様と高周波対応を特徴としています。動作温度範囲は-40~+125℃、周波数範囲は50~312.5MHz、電源電圧は1.8V(~3.3V)、出力レベルはHCSL/LVDS等、幅広い仕様に対応します。