(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、日銀の金融政策による円安により輸出企業を中心に業績が回復基調をたどってまいりましたが、中国経済や新興国経済の減速懸念に加え、期末にかけての円高進行などにより製造業を中心に景気減速への警戒感が強まり、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営状況は、主力製品である自動車関連製品は国内メーカーからの新規受注や需要増により引き続き堅調に推移しており、住宅設備関連製品につきましても好調を維持しております。デジタル家電関連製品、事務機関連製品はメーカーの国内減産傾向の中、同業他社との受注競争激化も重なり厳しい受注環境が継続しました。
このような状況下、当社グループは、主力製品である自動車関連製品の国内外でのさらなる受注拡大、デジタル家電、事務機関連製品の受注継続や金型の安定受注のため積極的な営業活動を行うとともに製造原価低減や生産性向上の取り組みを一層強化し、収益力改善を図ってまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は126億1千8百万円(対前年同期比20.9%増)、営業利益3千1百万円(前年同期は営業損失6千9百万円)となりました。経常利益は投資有価証券売却益の計上がありましたが、連結子会社の為替差損の計上等により1億6千3百万円(対前年同期比27.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5千万円(対前年同期比66.4%減)となりました。
当社グループの製品別概況は、次の通りであります。
① 自動車関連製品
電源・電装、安全関連、ナビゲーション等の車載電装品等の自動車関連製品の売上高は67億2千9百万円(対前年同期比13.8%増)となりました。
② 住宅設備関連製品
電力会社向けスマートメーター等の住宅設備関連製品の売上高は25億2百万円(対前年同期比55.1%増)となりました。
③ デジタル家電関連製品
デジタルカメラ・ビデオカメラ等のデジタル家電関連製品の売上高は8億3千7百万円(対前年同期比3.6%減)となりました。
④ 事務機関連製品
プリンタ・複写機等の事務機関連製品の売上高は8億2千2百万円(対前年同期比29.9%減)となりました。
⑤ その他の製品
その他の製品の売上高は17億2千6百万円(対前年同期比99.2%増)となりました。その他の製品の主なものは産業用機器関連製品、電子部品関連製品であり、それぞれの売上高は12億7千9百万円、2億7千5百万円であります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、13億4千万円となり前連結会計年度末と比べ10億4千7百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は3億8千2百万円と前年同期と比べ8億1千万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益1億3千1百万円に、減価償却費5億3千9百万円の計上や仕入債務の増加8億5千3百万円などによる資金の増加がありましたが、売上債権の増加12億8千6百万円、たな卸資産の増加4億5千9百万円などによる資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は5億4千3百万円と前年同期と比べ4億4千9百万円減少しました。これは主に、有価証券の償還による収入33億9千9百万円、投資有価証券の売却による収入8億5千6百万円による資金の増加がありましたが、定期預金の預入による支出5億円、有価証券の取得による支出32億9千9百万円、投資有価証券の取得による支出6億4千9百万円及び有形固定資産の取得による支出3億4千7百万円などによる資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は1億8百万円と前年同期と比べ1千万円増加しました。これは主に、配当金の支払4千5百万円とリース債務の返済による支出6千2百万円などによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は次の通りであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
12,656,493 |
20.6 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。なお、販売価格には消費税等を含んでおりません。
(2)受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は次の通りであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
13,553,418 |
17.5 |
3,022,926 |
44.8 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。なお、販売価格には消費税等を含んでおりません。
(3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
精密部品製造及びユニット加工事業(千円) |
12,618,145 |
20.9 |
(注)1 販売実績額には消費税等を含んでおりません。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
大崎電気工業㈱ |
- |
- |
1,678,133 |
13.3 |
今後の経営環境は、当社の主なお客様である自動車産業の現地調達化の方針は変わることがなく、部品の現地化はますます加速していきます。したがって量的な国内需要の減少は避けられず、グローバル競争はさらに激しくなるものと思われます。一方、多様化する自動車産業のさらなる成長も期待できます。このような環境の中で当社グループの技術力を生かし、高付加価値製品の受注拡大と成長分野へのかじ取り実行により成長、利益重視の経営で盤石な経営基盤を築いてまいります。
① 売り上げの拡大
自動車の電装製品、安全走行製品、メーター関連製品などさらに受注拡大を狙います。
その他、内需産業のスマートメーター、インフラ関連製品について受注活動を強化します。
② 収益力強化
工場では、自動化、省人化、材料歩留改善、工程内不良低減、内製化など、製品原価の見える化を推進し、製造原価低減や不採算製品の改善を継続的に推進させます。
③ グローバル化に対応
海外連結子会社THAI SANKO CO.,LTD.は生産設備導入など生産体制を整え受注増に対応します。タイ国内の販売はデジタルカメラ関連製品、自動車のエアバッグや電装製品がメインです。
④ 技術力強化
プレス・プラスチックの金型技術を高め、インサートなどプレス部品との複合加工製品に競合各社との差別化を図ります。絞りや鍛造加工など新たな加工方法を取り入れ自動車産業の受注拡大を図ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況等について
当社グループが部品を供給するデジタル家電関連製品や自動車などの最終製品の需要は、経済状況により左右され、得意先の生産動向に影響を与えております。
当社グループは、事業環境の変化に左右されない収益体質を目指しておりますが、得意先の需要の減少が当社の受注減に繋がり、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)受注価格について
当社グループの属する電機業界は市場での競争が激しく、特に最近では製品ライフサイクルの短縮化や市場価格の下落が顕著となっております。
また、得意先の海外生産移管等もあり、国内での生産数も減少傾向にあります。そのような状況下で、競合各社との受注獲得競争による受注価格のさらなる下落は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料価格について
当社グループの生産活動には、原材料等の調達が必要不可欠であり、調達に関しては国内メーカーから購入しておりますが、原油価格の高騰や国内外での需要の増加等により原材料等の価格が上昇し、当社グループの利益率や価格競争力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の品質について
当社グループは製品の品質管理については厳格な体制を構築しておりますが、品質問題を完全に排除することは困難であります。当社グループの製品に不良等が発生した場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負うとともに、当社の信頼性や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替変動について
当社グループの主要得意先の多くは輸出関連企業であり、大幅な円高ドル安になりますと国内の利益が減少するため、部品調達に関して、海外生産比率の増加やコストダウンの割合を大きくする傾向があり、結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害時について
地震、台風、洪水等の自然災害や、テロ、サイバー攻撃等により当社グループの生産拠点及び生産設備に被害を被る可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの操業が中断し、営業活動に支障をきたし、さらに修復に巨額な費用を要する可能性があります。
(7)純投資目的の投資有価証券について
当連結会計年度末の純投資目的による投資有価証券(株式)の評価額計は2億6千1百万円であります。運用枠につきましては、平成20年10月28日開催の取締役会にて15億円を限度として運用を行う旨の決議がされておりましたが、平成23年3月11日開催の取締役会にてこの運用枠取消しの決議がなされ、今後は純投資目的での株式投資は行わない予定であります。
現在保有している純投資目的による投資有価証券(株式)は、当社の資金需要に合わせて処分していく方針であります。
なお、現在保有している株式の株価が下落した場合には評価損が発生する可能性があります。
(8)固定資産の減損会計適用について
当社グループは固定資産を保有しており、固定資産の減損に係る会計基準の対象となる資産または資産グループについて減損を認識すべきであると判定した場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額することとなり、減損損失の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、開発本部を中心に他本部と連携を密に行っております。活動内容は、主に自動車関連プレス製品及びヒンジ・ユニットの開発をシミュレーション技術の応用により短期開発し、また、複合化技術提案を積極的に行うことにより、高信頼性ユニット開発と省資源化を重点に他社との差別化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は117百万円であり、各部門別の研究開発活動は次の通りであります。
なお、当社グループは、精密部品製造及びユニット加工事業の単一セグメントであるため、セグメント情報との関連付けの記載を省略しております。
市場開発部門
市場開発部門においては、主に車載関連の駆動機構ユニットをシミュレーションによる短期開発できる環境整備が整い、デジタル機器等及び車載品のヒンジ製品において、小型・軽量・高信頼性に優れたユニットとして、お客様満足の高い製品として提供しております。当連結会計年度の研究開発費は72百万円であります。
要素開発部門
要素開発部門においては、省資源工法の適応範囲拡大と工法転換によるプレス製品の加工範囲拡大に重点を置いております。特に車載用精密鍛造部品の開発においては、積極的にシミュレーション技術の応用を含め進めており、生産性の高い工法開発とお客様のニーズを先読みした提案を実施しております。当連結会計年度の研究開発費は45百万円であります。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月28日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債、収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。当社経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断をしておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載してありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 収益の認識基準
当社グループの売上高は、通常、発注書に基づき取引先に対して製品が出荷された時点またはサービスが提供された時点に計上されます。また、プレス金型及び成形金型、及び冶工具については、得意先の検収をもって売上に計上をしております。
② 貸倒引当金の認識基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には追加引当の計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
③ たな卸資産の認識基準
当社グループのたな卸資産の評価については、金型を除く製品については受払管理を合理的に行い発生費用を払出原価と期末在庫に費用配分することが、また、金型については個別原価を集計することがより適切な在庫評価となるため金型を除く製品については総平均法による原価法、金型については個別法による原価法を採用しております。
なお、連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によっております。
④ 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関等の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、取得原価に比べ時価が著しく下落した場合に、合理的な反証がないかぎり回復する見込みがないほどに著しい下落があったものとして、有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合または投資先の業績不振等の場合には、評価損の計上が必要となる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は前連結会計年度に比べ21億8千2百万円(対前年同期比20.9%増)増加の126億1千8百万円となりました。当社の主力製品である自動車関連製品の受注が堅調に推移したことや住宅設備関連製品の大幅な受注増により、事務機関連製品やデジタル家電関連製品受注の落ち込みを補うことが出来ました。
② 営業損益
営業利益は3千1百万円(前年同期は営業損失6千9百万円)となりました。売上高の増加による売上総利益(当連結会計年度11億5千7百万円、前年同期9億7千9百万円)の増加によるものであります。
③ 営業外損益
営業外収益は2億7千3百万円(前年同期は3億1千万円)、営業外費用は1億4千2百万円(前年同期は1千3百万円)となりました。営業外収益の主な内訳は、有価証券利息2千8百万円、投資有価証券売却益1億9千3百万円などによるものであります。営業外費用の主な内訳は、為替差損1億2千5百万円などによるものです。その結果、経常利益は1億6千3百万円(対前年同期比27.9%減)となりました。
④ 特別損益
特別利益は0百万円(前年同期は4百万円)、特別損失は3千2百万円(前年同期は0百万円)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は5千万円(対前年同期比66.4%減)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載の通りであります。
② 資金需要について
当連結会計年度における設備投資額3億1千5百万円及び研究開発費に関わる支出は、内部留保等によりまかないました。