文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念・経営方針
近年、世界規模での社会・環境問題が深刻化し、その課題解決の重要性がますます高まっています。当社グループは、この経営理念のもと、役員及び従業員が一丸となり、さらなる企業価値の向上と持続的な成長を目指し、光技術により人類、社会、環境に貢献します。
(2)中長期的な経営戦略等
当社グループは、お客様との密接な関係を構築してニーズを聞き取り、それを把握して企画し、試作開発を行い製品化した光センサや光源などのデバイス、デバイスに付加価値を付与したモジュール、そしてこれらを応用し特定の用途に特化したシステム製品を供給しています。
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今後、当社グループの競争力のコアであるデバイス技術の革新的進化に注力するとともに、受光・発光技術を高度に組み合わせカスタマイズした高付加価値モジュールやシステム製品の事業領域を進展します。 お客様が気づいていない社会・環境・人類のニーズを私たちが先回りして把握し、より高付加価値な製品やソリューションを創出し、光産業を拡大することは、当社グループが持続的な成長を実現していくうえで非常に重要なサイクルです。この付加価値創造サイクルが当社ビジネスの源泉であり、これを早く大きく回すことが企業価値の向上につながると考えています。 |
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(成長戦略)
①強みを生かせる既存市場で成長
・市場トレンドの熟知、お客様との強固なネットワーク、高い市場シェアという当社の強みを生かせる既存市場で、新技術をタイムリーに投入し揺るぎないポジションを確保します。
②新規ビジネスモデルで成長
・社内技術を融合し、優位性ある新規デバイスを組み合わせた高付加価値モジュールの提供の推進や、新しいビジネスコンセプトで高利益率を確保します。
③新規市場で成長
・エヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスやフェアチャイルド・イメージング・インクの技術を含めたグループ総力によるシナジー創出と、これら子会社が保有する新市場での成長を加速します。
④中央研究所からのアウトブットで新市場確立
・中央研究所の研究成果にて光の新規市場を創出する取り組みを強化しています。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長に向けて、収益性の観点では「売上高営業利益率」を重視しており、当社連結ベース及び各セグメントにおける営業利益率を主要指標として定め、その向上に努めています。
一方、効率性の観点では、資本コストを把握したうえで、中長期的に株主資本コストを上回るROE(自己資本当期純利益率)の実現を目指しています。
(4)経営環境及び対処すべき課題
1.技術革新と競争力の維持
当社グループの競争力の源泉は、独自の技術力とそれを支える研究開発活動にあります。技術革新の加速やグローバルな競争の激化など、大きな変化が続く事業環境において、当社グループが持続的な成長を実現するためには、継続的な研究開発投資を行い、技術的優位性を維持・強化することが重要です。
また、市場ニーズの高度化・多様化に対応するため、既存技術の高度化や次世代製品の開発により差別化された価値提供を目指すことに加え、ファイバーレーザで特色のあるエヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスを2024年5月に買収いたしました。これにより、当社グループは受光・発光の両面で世界トップクラスの技術を保有することとなりました。
今後もお客様と市場との密接なコミュニケーションを通じ、光に関する全ての要素技術をいかした受発光一体型の高付加価値モジュールなど、様々なニーズを満たすトータルソリューションを提供してまいります。
2.地政学的リスクへの対応
昨今、米国を中心とした相互関税措置や国際的な政治情勢の変化により、地政学的リスクが高まっています。これに伴うサプライチェーンの混乱やコスト増加の可能性をふまえ、当社グループでは引続き多くの製品の国内生産の方針を維持しつつ、一部製品における生産拠点の見直しに向けた検討や在庫管理の最適化を進めております。
3.サステナビリティ活動のさらなる推進
サステナビリティを中長期的な企業価値向上の中核と位置付け、経営と一体となった推進体制のもと、さらなる高度化を図っております。2023年に特定した「取り組むべき重要事項と目標(マテリアリティ)」を基軸として、全社横断の実行力を強化するとともに、2024年には従来の委員会中心の運営から、経営企画統括本部の事務局機能を核に各部門が主体的に参画する体制へと発展的に移行いたしました。さらに、サステナビリティ活動について、四半期ごとに取締役会へ報告することで監督機能の実効性を高めております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「今日の非財務課題への挑戦は、明日の企業価値を生む」を合言葉に、サステナビリティを始めとした非財務課題に取り組んでいます。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスとリスク管理
(ガバナンス)
当社は、1953年の創業以来一貫して「光」を追求し、光技術を用いた世界一のものづくりを通じて、社会そして科学技術発展に貢献することを基本理念としております。健全で信頼される企業としての成長を目指し、すべてのステークホルダーと共に事業を推進していくためには、サステナビリティの意識を高く保つことが重要と認識しております。
また、これまでの委員会体制でのサステナビリティ推進活動から発展し、2024年5月より全社が責任をもって、マテリアリティを含むサステナビリティに資する活動に取り組む体制に変更いたしました。これらの活動を統括・調整するサステナビリティ事務局(経営企画統括本部)を設置し、全社から代表者が参加するサステナビリティ推進会議を通じてグループ全体での取組みを強力に推進しております。
なお、取締役会は、四半期ごとのレポート報告や、取締役会での報告・協議を通じてサステナビリティの取組みを監督しております。
(リスク管理)
サステナビリティ推進会議は月1回開催し、サステナビリティに関して全社横断的な対応の推進を図るために必要な内容を、グループ全体で連携をして討議を行っております。2023年8月には、財務・非財務の両面でグループ全体の企業価値を向上させるために重点的に取り組む事項として、「事業を通じた社会・環境への貢献」「事業基盤の強化と企業の社会的責任」を軸とした8つのマテリアリティを策定いたしました。
当社グループのマテリアリティ(取り組むべき重要事項と目標)
事業を通じた社会・環境への貢献
① 高度な光技術を活用した社会・環境価値向上への貢献
② 持続的な高収益経営による、安定かつ豊かな経済・社会実現への貢献
③ 優れた安全性、品質、サービスの提供による、顧客価値向上への貢献
事業基盤の強化/企業の社会的責任
④ 地球と共生可能な事業活動の推進
⑤ 幸福度の高い雇用制度と職場づくり
⑥ グループの成長と社会への貢献を支える人づくり
⑦ 価値創造の安定と成長を実現するガバナンスとマネージメントの推進
⑧ 製品の安定供給体制と責任あるサプライチェーンの構築
サステナビリティの各種課題に対して、上記プロセスによりマテリアリティを特定しました。当社グループの事業活動が当社のバリューチェーンやステークホルダーに与える影響と、当社の経営や事業が将来の社会や環境の変化から受ける影響について、リスクと機会、及びそのインパクトを分析して重要度を評価しました。
特定したマテリアリティの各テーマに対して、推進施策や達成度合いを測る重要業績指標(KPI)、目標及び実行計画の策定に取り組み、リスクの低減に努めております。
(2)気候変動への取組
当社グループは光技術を用いて、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。重要課題の一つとして「気候変動問題への対応」を位置付け、「地球温暖化対策に係る長期ビジョン」及びSBT目標の達成に向け、TCFD提言に基づいた取組みを強化してまいります。具体的には、バリューチェーン全体における温室効果ガス排出量削減、再生可能エネルギーの積極的な導入、当社グループ全体での省エネルギーの推進、低カーボン製品の開発・提供を進めます。さらに、バリューチェーンでの協働などの取り組みを通じて、カーボンニュートラル社会の実現へ貢献してまいります。
(TCFD提言に基づく情報開示)
2020年8月、当社は気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言への賛同を表明し、気候変動が当社グループの事業に与えるリスクや機会、財務的影響への分析を推進しております。
(戦略)
当社は、気候変動による様々な変化が、当社の事業に影響を及ぼすと認識しています。その中でも特に重要なリスク・機会を特定するため、事業全体を対象に、1.5/2℃、4℃でのシナリオ分析を下記ステップで実施しており、シナリオ分析に基づくリスクと機会の特定を行うとともに、それぞれの事業インパクトを算定しております。
・重要リスク・機会の特定
・シナリオごとの当社事業への影響度の検討結果
シナリオ1(1.5/2℃のケース(2030年))
シナリオ2(4℃のケース(2030年))
今後、特定したリスクへの対応並びに機会の実現に向けて影響が大きなものより検討、実施を行ってまいります。
(対応策の検討)
事業インパクト評価結果に基づき、影響が大きな内容に対して対応策を実施しています。環境委員会、並びにその配下の環境専門部会、ワーキンググループや関係者にてリスクや機会のテーマに応じたプロジェクトを立ち上げ、対応策を検討、実施しています。
また当社製品・技術によるカーボンニュートラル社会の実現にも取り組んでいます。
・カーボンニュートラル達成に向けた移行計画
(リスク管理)
環境に関するリスク管理について、当社は環境管理規定を定め、全社的な環境マネジメントシステムを運用しております。気候変動に関連したリスクの識別及びツールなどを用いた定期的な評価を実施しており、環境委員会や環境専門部会、関連プロジェクトにて結果を共有しております。対応すべきリスクとして評価された項目は環境マネジメントシステムにて、期ごとに定める環境目標と活動計画に設定しております。
このようなリスク対応活動は環境委員会にて経営層が進捗や課題をレビューしており、継続的改善により環境パフォーマンスの向上に努めております。
連結子会社を含めたグループ全体では年一回開催されるグループ会議において情報を共有しております。また連結子会社における対応活動等は3ヶ月ごとに環境統括部(環境委員会事務局)に進捗が報告され、グループ全体でのリスク管理を進めております。その他、定期的に各拠点を訪問し、リスクの洗い出しを行っております。
(指標及び目標)
・地球温暖化対策に係る長期ビジョン
地球温暖化対策に係る当社グループの長期ビジョンのもと、当社の温室効果ガス削減目標(GHG削減目標)は、2021年10月にパリ協定に沿った科学的根拠に基づいたものとして、国際的な環境団体SBTイニシアチブから認定を受けました。一方、中長期の環境戦略での重要指標として、GHG排出量、水使用量、再生可能エネルギー使用量等を定め、評価、管理しています。これら環境関連並びにESGデータの詳細については下記当社ウェブサイトをご覧ください。
環境 :https://www.hamamatsu.com/jp/ja/our-company/sustainability/environment.html
ESGデータ :https://www.hamamatsu.com/jp/ja/our-company/sustainability/esgdata.html
中長期目標(Scope1+2)は、第72期(2019年9月期)を基準とし、第83期(2030年9月期)までにGHG排出量を30%削減するものです。この実現に向け、各種施策を推進してまいりました。このたび、SBT認定や対象範囲の変更等を反映し、浜松ホトニクスグループの長期ビジョンを「2050年カーボンニュートラル達成」という新しい目標に見直しを行いました。今後も、事業活動から排出されるGHGの削減に向けてグループで取り組んでまいります。
・RE100への加盟
当社は、再生可能エネルギー100%での事業運営を目指す国際イニシアチブ「RE100」に2022年10月3日に加盟しました。国内外グループにおける事業活動で使用する電力を、2040年までに再生可能エネルギー100%とすることを目指します。
(3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
・人材に関する全般的な戦略
当社は、未知未踏領域を追求し、光技術を用いた新産業を創造して企業価値を向上させるのは社員一人ひとりに負うところが大きいと考えております。すなわち、経営の基盤の一つは“人”であり、この旨を「経営理念」にて明確にするだけでなく、浜松ホトニクスグループサステナビリティ基本方針の中で、社員を尊重し、能力開発を支援し、働きやすく安全な職場環境を提供することを掲げています。
さらに、「幸福度の高い雇用制度と職場づくり」と「グループの成長と社会への貢献を支える人づくり」を当社の人的資本に係る重要な課題(マテリアリティ)として特定し、取組みを進めてまいります。これらの取組みを通じ、事業部間連携を強化し付加価値創造サイクルをより大きく回すことで人類の健康と幸福に貢献する、という当社の事業戦略の基礎を築くことを目指しています。
・社内環境整備方針(幸福度の高い雇用制度と職場づくり)
(雇用制度について)
当社にとって最も重要な資産の一つは“人”であるとの認識のもと、これまで職場づくりの各種施策を推進し、研究・開発・製造に限らず間接部署においても社員一人ひとりのモチベーションを高く維持し、能力を高めてまいりました。これらの推進の結果、退職率は低く維持されてきました。労働市場環境の変化に伴い、継続して優秀な人材を採用・維持するためには、これまでに構築してきた社内環境の良い部分は維持しつつ、雇用制度の見直しが必要な部分については対応を進めます。
(ダイバーシティについて)
当社の技術分野の中心である電気電子分野は従来より女性の専門人材が少なく、結果として女性社員や女性管理職の数が少ない状況にありますが、種々の施策を実施したことにより、近年は、各職務における男女間での差は少なくなってきていると認識しています。ただし、短期間での改善が難しい管理職登用などの項目については、施策の継続的な効果検証が不可欠であり、女性管理職比率等を把握して取組みを推進し、グループの成長に寄与する人材には、性別を問わず活躍できる環境づくりを推進してまいります。
なおまた、前期に発足した働き方改革WGは、「次世代育成」「介護」「働きがい」「多様性推進」の4テーマで分科会活動を開始し、全社的な課題解決に向けて具体的な施策の検討と実行に取り組んでいます。
さらに、2025年10月には、当社単体として「DEIB方針(Diversity, Equity, Inclusion & Belonging)」を社内外に向けて公表する予定です。この方針では、「人はそれぞれ違う」という前提に立ち、マイノリティへの理解促進や制度面での支援強化、そしてすべての社員が自分らしく挑戦し続けられる職場環境の整備を目指しています。
女性活躍推進の取組みにおいては、えるぼし(二段階目)認定の取得や、静岡県より女性活躍に関する褒賞を受けるなど、外部からの評価も得ております。これらの成果を踏まえ、今後も多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を進めてまいります。
また、当社グループは海外売上高比率が7割を超えており、今後さらにグローバル化を進めるにあたって、各国における社会ニーズを適切に収集することが重要です。当社の多分野でのグローバルな展開において、多様な背景を持つ人材の意見を事業に取り入れ、様々な人材の確保、活躍の機会の提供のためにダイバーシティの取組みを推進することは、当社にとって有用であると考え、若手社員を中心に異文化コミュニケーション研修を実施しました。
(職場づくりについて)
人・技術・知識が当社の経営基盤です。社員一人ひとりが日々の仕事を通じて研鑽し、「和」の精神のもと、グローバルな視点で総合力を発揮できる企業風土の醸成が重要であると認識しております。このことは社員一人ひとりが心身両面において健康でなければ成し得ません。社員の心身両面での健康保持・増進及び幸福度を高めるための施策は、企業経営を進める上での必須事項と捉え、積極的に推進してまいります。今後はすべての社員が仕事と家庭を両立しながら活き活きと長く働き続けることができるよう、社内の専門スタッフだけでなく、健康保険組合を始めとした関連組織と連携して、総合的・計画的な施策を行うと共に、効果検証を踏まえ、その結果を次なる施策実施へ結び付けてまいります。
さらに当社では、創業当時から「失敗を許容する文化」を脈々と受け継いでおり、社員が積極的にチャレンジし成長する機会にあふれています。これまでの雇用制度や職場づくりは、このような文化や機会を支える基盤として非常に有用で重要なものであったと考えています。この文化を継承していくために、引続き社内環境を維持・発展させてまいります。
・人材育成方針(グループの成長と社会への貢献を支える人づくり)
当社グループの成長に向けて、製品の高付加価値化は重要であり、これを担う人材育成は重要な課題です。当社では「未知未踏領域を追求する人材」の育成と「事業部間連携」を進めており、研究開発への積極的な投資を持続し、日々の仕事を通じた現場での挑戦経験が「未知未踏領域を追求する人材」の育成の場と考えており、社内ベンチャー制度による新規事業の立ち上げ支援によって新しい光のビジネスを創出するとともに、次世代リーダー育成を目指しています。
「事業部間連携」に資する人材育成として、若手社員の教育を重視しております。総合職の新入社員は、当社での仕事のスタイルや基礎知識を学ぶだけでなく、全社の技術・業務を幅広く把握し、かつ社内の人的ネットワークを構築することを目指し、入社から6ヶ月間は各事業部や研究所を短期間で回ります。また、自ら求めて学ぶ姿勢を重要視した、当社社員が講師となる自由参加型の社内教育制度や、事業部の垣根を越えた試作発表会も開催しています。さらに新入社員が各事業部等に配属された後においても、2年目の特許研修や3年目の若手フォローアップ研修などを実施しており、事業部合同で若手の能力開発に注力しています。
また若手だけでなく、組織の適切な管理運営力の強化並びに部署を超えた連携強化のため、組織の単位(部門、グループ)の責任者向けの育成にも注力しています。2024年度には外部講師を招き、部門長・グループ長に加えセクションマネージャー(管理職)に対して研修を実施し、185名(受講率99%)が研修に参加しました。今後も受講対象者の拡大、講義内容の充実を図り、効果的な人材育成・強化に努めます。このような教育・研修を通して、コミュニケーション力、業務調整・交渉力などプロジェクトの推進能力の底上げ・共通化をすることで、将来の「事業部を超えた経営を担える人材の育成」を目指しています。
(4)人的資本に関するリスク管理と指標及び目標
<社内環境整備(幸福度の高い雇用制度と職場づくり)>
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リスク・機会 |
対応方針・将来目標 |
当事業年度実績 |
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退職者の増加による技術・知識に係る高い専門性の喪失(リスク) |
・従業員エンゲージメント調査による退職率 変動の兆候把握 |
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・新入社員に対する半年間の事業部研修と丁寧な配属先の検討による、3年間離職率の低水準の維持 |
(注)1 |
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・従業員の幸福度を高めるための課題を調査し、将来目標を設定検討 |
エンゲージメント調査 手法の変更準備着手 |
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心身の不調や疾病休業による 労働生産性低下の防止(機会) |
・様々な効果に関連する健康投資 |
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ダイバーシティの充実を通じた優秀な人材の確保(機会) |
・管理職登用率等を把握し、女性従業員の活躍 機会の取組推進 |
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・多様性推進に向けた働き方改革WG、人事部の活動 |
LGBTQや介護と仕事の両立、男性育休取得理解促進の動画配信 eラーニング等を実施 |
(注)1 当事業年度ではなく、2024年4月~2025年3月の集計値を使用しております。
2 社内調査において、ユトレヒト・ワークエンゲージメント尺度の超短縮版3項目を組み入れて測定を実施しており、3項目のスコア(0=全くない~6=いつも感じる)の全従業員の平均値であります(スコアは大きい方が良い)。
3 全社員の1年間における疾病及び負傷による休業日数率(全休業日数/在籍労働者の延所定労働日数×100)。
4 東大1項目版を用いて、社内調査を実施しております(スコアは小さい方が良い)。
<人材育成(グループの成長と社会への貢献を支える人づくり)>
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リスク・機会 |
対応方針 |
当事業年度実績 |
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未知未踏を追求する人材の拡充(機会) |
・次世代の経営を担う、若手リーダーの育成 ・研究開発投資を通じた現場での挑戦経験機会の確保 ・優れた専門性を活かす人事制度の検討 |
・リーダー層研修実施 ・専門管理職制度導入 |
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事業部間連携を推進する人材の拡充(機会) |
・入社時事業部研修を軸とした、若手の能力開発 ・若手育成施策の客観的な検証 |
異文化コミュニケーション研修の実施 |
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・マネジメント人材の強化のための管理職研修の実施と受講対象役職の拡大 |
研修受講者 185名(受講率99%) ※(累計)431名 |
当社グループが認識する、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を与える可能性のある主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在の判断に基づいております。
(1)経済情勢の変化について
当社グループは、日本をはじめ欧米など世界各国で事業を展開しており、製品需要は各国の経済情勢に大きな影響を受けます。予想を超える景気変動が生じた場合、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、医用分野などの景気変動の影響を受けにくい業界への販売を推進するとともに、産業用機器、分析用機器、計測用機器、学術研究分野など幅広い分野への販売を推進することによりリスク分散を図っております。
(2)市場における競争の激化について
電子管事業および光半導体事業は、世界の主要な医用・産業用・分析用・輸送用機器メーカーに対し、キーデバイスである光電子部品を提供しております。また画像計測機器事業は、産業・学術研究・医用分野などのエンドユーザーに最終製品を提供しております。これら中核事業において、価格競争や開発競争が激化した場合、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、継続的な新製品の投入、生産能力の増強、新市場の開拓を進めることで、市場占有率及び収益性の維持・向上に努めております。
(3)技術革新における競争について
当社グループは、「光を使いこなす技術を開発して社会に役立てる会社」です。しかしながら、光の本質には未解明の領域が多く、当社グループが新たな知見を獲得できない場合や、他社によって光に関する革新的な技術が開発された場合には、現在の市場での競争力を失う可能性があります。また研究開発投資が必ずしも売上高や収益に直結するとは限らず、今後の業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、光の未知領域の探求と光技術を活用した新産業の創出を目指しております。創業以来のベンチャー精神を忘れず、新技術の企画・開発に継続的に取り組むとともに、それを担う人材の育成にも注力しております。
(4)人材の確保、育成について
当社グループの持続的成長には、創業以来のベンチャー精神を受け継ぎ、高度な専門性を有し、未知未踏の領域に挑戦し続ける人材の確保・育成が不可欠です。また、「和」の精神に基づき、個々の能力を結集して総合力を発揮できる企業風土の醸成も重要であると認識しております。これらの取り組みが想定通りに進まない場合、経営基盤が揺らぎ、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、グローバル展開を見据えた専門性の高い人材を積極的に採用するとともに、入社後の教育制度の充実や高度なOJTにより専門性の継承に努めております。さらに、失敗を恐れず挑戦する企業文化を醸成することで、継続的な挑戦機会を創出し、個々の能力開発を促進しております。加えてグローバル人事部を新設し、持続的な成長に資するグローバルな人材育成も行っております。
(5)為替変動について
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は約8割と高く、海外子会社の収益・費用・資産などは為替の変動により換算後の金額が変動するリスクがあります。ビジネスレベルでは、当社は輸出の大部分を円建てで行っており、為替リスクは主に海外販売子会社が負担しております。海外子会社は、顧客との交渉により円建てもしくは現地通貨建てを取り決めていますが、現地通貨建ての場合、急激な円高や円高傾向が長期化により、価格転嫁等の交渉が必要になり、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、価格弾力性を最小化できる高付加価値製品の投入を推進するとともに、海外子会社においては円建て取引の拡大や為替予約の活用により、為替変動の影響を最小限に抑えるよう努めております。
(6)知的財産について
当社グループは、光技術を活用した新産業の創出及び科学技術の発展への貢献を経営の基本方針としております。その実現に向けて得られた知見を知的財産として適切に管理することが重要であると認識しております。一方、当社グループは世界各国で事業を展開しておりますが、一部地域において知的財産権の保護が十分でない場合があり、第三者による類似製品の製造を防止できない可能性があります。また、当社グループが把握していない知的財産権が存在する場合、当社による権利侵害のリスクや、研究開発投資により得られた知的財産の利用が制限される可能性もあります。これらの知的財産管理が不十分な場合、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、専門部署を設置し、開発した新技術やノウハウを網羅的に出願・権利化するとともに、国内外の関連分野の知的財産権を収集し、弁護士事務所等と連携して第三者の知的財産権侵害防止を強化することで、リスクの最小化に努めています。
(7)地震等自然災害について
当社グループは、本社及び生産・研究開発拠点が静岡県に集中しているため、東海地震や東南海地震などの大規模災害、または事故や疫病の発生により、製造ライン、研究開発施設、情報システム及びサプライチェーンが機能麻痺し、生産能力に重大な影響を与える可能性があります。その結果、売上げの大幅な減少や施設修復に伴う多額の費用負担が発生し、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに備え、事業継続計画(BCP)の整備を進めるとともに、地震保険や地震コミットメントライン契約などのリスクファイナンスを確保し、被災後の早期事業復旧を可能とする体制を構築しております。
(8)国際的な事業活動について
当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は約8割であり、グローバルに事業を展開しております。そのため、進出国における政治不安や経済情勢の悪化、法規制や行政指導への抵触、労使関係や人材確保に関するリスクに加え、テロ、戦争、疾病などによる社会的混乱により、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、社内に窓口担当部署を設置し、定期的な情報収集・情報交換を実施しています。また、進出国で問題が発生した場合には、窓口担当部署と連携し、問題の早期収拾に努めております。
(9)情報セキュリティリスクについて
当社グループは、事業活動を通じて、取引情報、技術情報、個人情報等の重要な情報資産を保有しております。これらの情報に対し、ネットワークウイルスの感染やサイバー攻撃等に起因する情報漏洩、改ざん、またはシステム障害による操業停止等が発生した場合、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、社内規程の整備、従業員への定期的かつ随時の教育・啓発活動の実施、情報セキュリティ対策技術の導入・更新などを通じて、リスクの低減に取り組んでおります。さらに、万一情報セキュリティに関する事故が発生した場合に備え、リスクファイナンスの確保、外部専門機関との連携体制の構築、被害の最小化を目的としたサイバー保険への加入等の対策も講じております。
(10)環境問題について
当社グループは、事業を行う各国の環境規制などの法令を遵守するとともに、世界各地で深刻化する環境問題に適切に対応し、解決に貢献することが重要であると考えております。これらの環境問題への取り組みが不十分な場合、顧客ニーズに応えられないだけでなく、社会的な信用を失い、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、環境マネジメントシステムによる定期的な評価と改善を行い、再生可能エネルギーの導入など、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを継続しております。また、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候変動が事業に与えるリスク・機会の財務的な影響を分析のうえ情報開示を進め、2040年のRE100及び2050年のカーボンニュートラル達成に向け、Scope1~3の排出削減に向けた具体的な施策を展開しております。
(11)企業買収や業務提携による効果について
当社グループの持続的な成長には、将来を見据えた戦略的な挑戦が不可欠であり、その一環として企業買収や業務提携を行う場合があります。これらにより期待されるシナジー効果の創出や事業展開が当初見込み通りに進まない場合、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、買収・提携前のデューデリジェンスを実施し、潜在的なリスクを精査するとともに、取得後にはPMIを着実に行うことで事業統合の円滑化を図っております。さらに、事業計画と実績を定期的に検証し、必要に応じて迅速な対策を講じております。加えて、被買収企業とのコミュニケーションを密に行うことで、事業戦略の整合性を高めることで統合効果の最大化に努めております。
(12)材料の調達について
当社グループの生産活動に使用される部品の中には、特殊な原材料を使用しており、調達先が限定されるものがあります。そのため、調達の遅延や不足が発生した場合、生産活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品は顧客の製品に組み込まれる部品として使用されることから、顧客の生産活動にも影響を及ぼす可能性があります。結果として、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、調達先との関係強化に努めるとともに、海外を含む調達先及び生産拠点の分散化・多様化を図っております。さらに、代替材料への切り替え検討や代替素材の研究開発を進めることで、当該リスクの最少化に取り組んでおります。
(13)コンプライアンスについて
当社グループは、世界各地で事業活動を展開しており、それぞれの国・地域の法令を遵守する必要があります。これら法令に違反した場合、課徴金の支払い、事業活動の中断、ブランドイメージの毀損などのレピュテーションリスクが生じ、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては、役員を含む全従業員のコンプライアンス意識の向上が不可欠であると認識しております。そのため、社長メッセージによるトップダウンでの意識の浸透や、全役職員を対象とした継続的なコンプライアンス教育、関連情報の共有を実施しております。また、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」や「企業倫理およびコンプライアンスに対する考え方」などの基本ルールを制定・周知し、グローバルな公益通報制度の整備など、制度面からの強化を推進しております。これらのルールや制度は連結子会社にも展開し、グループ全体のコンプライアンス意識向上を通じて、当該リスクを最小化に努めております。
(14)製品欠陥について
当社グループの製品は、医療、計測、産業、自動車、情報、民生機器から学術研究に至るまで幅広い分野で使用されております。応用領域の拡大に伴い、製品に求められる品質や信頼性は一層高度化しており、継続的な品質改善活動が不可欠となっております。これらの活動が十分に機能せず、製品に欠陥が発生した場合には、損害賠償請求等のペナルティにより、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対しては「浜松ホトニクスグループ品質方針」を策定し、これに基づく品質向上活動を推進しております。また、各事業部においてはISO9001に準拠した「品質マネジメントシステム」を構築しており、本社品質本部が品質情報を統括することで、迅速な対応を可能としております。これらの取り組みにより、リスクの最小化に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的なインフレが継続するなか、個人消費や企業における設備投資、人的資本への投資などが下支えとなり、緩やかな成長を維持いたしました。一方で、米国の相互関税を巡る動向や各国の産業政策の転換、地政学リスクの高まりなど、依然として先行きが不透明な状況のなかで推移いたしました。
このような状況におきまして、当社グループは、財務・非財務の両輪で企業価値を向上させるための変革に部署の垣根を越えて取り組むとともに、競争力の維持・向上に必要な設備投資を継続するほか、当社独自の光技術を活かした研究・製品開発を推進することで、売上高、利益の確保に努力してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は212,051百万円と前期に比べ8,089百万円(4.0%)の増加となりました。また、利益面につきましては、営業利益は16,163百万円と前期に比べ15,954百万円(49.7%)の減少、経常利益は18,802百万円と前期に比べ15,709百万円(45.5%)の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は14,203百万円と前期に比べ10,941百万円(43.5%)の減少となり、増収減益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[電子管事業]
光電子増倍管、イメージ機器及び光源は、分析分野において、様々な業界における製品の品質と安全性に関する厳格な規制要件などによる分析技術への需要の高まりにより、液体クロマトグラフなどの分析装置向け重水素ランプの売上げが増加したものの、医用・バイオ分野において、米国立衛生研究所(NIH)の予算削減による投資の減少により、細胞などを分析する検体検査装置向け光電子増倍管の売上げが減少いたしました。また、産業分野において、EV(電気自動車)市場の停滞により、リチウムイオン電池の非破壊検査装置向けマイクロフォーカスX線源の売上げが減少いたしました。
この結果、電子管事業といたしましては、売上高は71,906百万円(前期比7.4%減)、営業利益は18,953百万円(前期比20.4%減)となりました。
[光半導体事業]
光半導体素子は、医用・バイオ分野において、中国市場での価格競争、欧米における金利高などの影響もありX線CT向けのシリコンフォトダイオード及び、歯科用診断装置向けのフラットパネルセンサの売上げが減少したものの、産業分野において、生成AI(人工知能)及びデータセンター向けの高性能な半導体の需要に牽引され半導体製造・検査装置向けのイメージセンサの売上げが増加いたしました。
この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は79,505百万円(前期比1.7%増)、営業利益は12,583百万円(前期比29.7%減)となりました。
[画像計測機器事業]
画像処理・計測装置は、産業分野において、生成AI向けなどの高性能な半導体への投資拡大の影響により、半導体故障解析装置の売上げが増加いたしました。また、医用・バイオ分野では、販売チャネルの拡充により対応地域が拡大したこともあり、遠隔病理診断に用いられる病理デジタルスライドスキャナの売上げが堅調に推移いたしました。一方で、バイオ分野において、予算削減等の影響により、デジタルカメラの需要が減少いたしました。
この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は32,703百万円(前期比0.1%減)、営業利益は9,698百万円(前期比6.9%減)となりました。
[レーザ事業]
レーザ関連製品では、生成AI向けの好調な設備投資に伴い、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加したものの、買収によるのれんの償却など費用も増加いたしました。
この結果、レーザ事業といたしましては、売上高は22,255百万円(前期比107.7%増)、営業損失は4,365百万円(前期営業損失204百万円)となりました。
[その他事業]
子会社の㈱磐田グランドホテルが営むホテル事業及び子会社の北京浜松光子技術股份有限公司の独自製品に係る事業を含んでおります。
当セグメント(その他)の売上高は5,679百万円(前期比22.7%増)、営業利益は863百万円(前期比23.6%減)となりました。
②財政状態
財政状態の状況は次のとおりであります。
[流動資産]
流動資産の主な変動は、有価証券が3,657百万円増加したものの、現金及び預金が6,462百万円、棚卸資産が3,611百万円それぞれ減少したことなどから、流動資産は前連結会計年度末に比べ2,563百万円減少しております。
[固定資産]
固定資産の主な変動は、新棟の建設やホテルの建替え工事の完了などにより、建物及び構築物が13,049百万円、建設仮勘定が3,654百万円それぞれ増加したことなどから、固定資産は前連結会計年度末に比べ22,937百万円増加しております。
[流動負債]
流動負債の主な変動は、設備関係電子記録債務(流動負債その他)が3,135百万円減少したものの、短期借入金が28,216百万円増加したことなどから、流動負債は前連結会計年度末に比べ27,797百万円増加しております。
[固定負債]
固定負債の主な変動は、長期借入金が2,044百万円増加したことなどから、固定負債は前連結会計年度末に比べ2,133百万円増加しております。
[純資産]
純資産は、為替換算調整勘定が4,855百万円増加したものの、自己株式の取得及び消却により利益剰余金が11,936百万円、自己株式が5,442百万円それぞれ減少したことなどから、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ9,556百万円減少し、323,455百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ6,542百万円減少し、86,037百万円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況を、前年同期と比較しますと次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動により得られた資金は37,784百万円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動により使用した資金は42,166百万円となりました。これは主として、有価証券の取得及び有形固定資産の取得などによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動により使用した資金は2,843百万円となりました。これは、短期借入金が増加したものの、自己株式の取得及び配当金の支払いによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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電子管事業 |
75,054 |
1.4 |
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光半導体事業 |
74,346 |
△3.1 |
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画像計測機器事業 |
27,799 |
2.7 |
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レーザ事業 |
20,395 |
60.4 |
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その他事業 |
4,078 |
△22.6 |
|
合計 |
201,674 |
3.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b 受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) |
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|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
電子管事業 |
71,906 |
△7.4 |
|
光半導体事業 |
79,505 |
1.7 |
|
画像計測機器事業 |
32,703 |
△0.1 |
|
レーザ事業 |
22,255 |
107.7 |
|
その他事業 |
5,679 |
22.7 |
|
合計 |
212,051 |
4.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループ経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。
①当連結会計年度の経営成績等
当社は自社の資本コストを的確に把握したうえで、3年の経営計画を策定し、公表しております。(ローリング方式)また、中長期的ビジョンに基づき、成長に向けた積極的な設備投資や研究開発を行うことで、持続的かつ安定的な高収益体制の構築を目指しております。
当連結会計年度の業績につきましては、国内売上げ、海外売上げともに増加いたしました結果、売上高は212,051百万円と前期に比べ8,089百万円(4.0%)の増加となったものの、2022年11月に公表した3年の経営計画の3年目の目標額には到達することはできませんでした。これは、新型コロナウイルスを端緒とした急激な先行手配増加からの反動により、半導体業界などで在庫調整局面となり、受注が減少したことなどが影響しております。利益面につきましても、営業利益は16,163百万円と前期に比べ15,954百万円(49.7%)減少、経常利益は18,802百万円と前期に比べ15,709百万円(45.5%)減少、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても14,203百万円と前期に比べ10,941百万円(43.5%)減少となり、遺憾ながら増収減益となりました。利益面についても売上高同様、2022年11月に公表した3年の利益計画の3年目の目標額には到達することができませんでした。これは売上高目標が未達であったことにより、設備投資による減価償却費などの固定的コストの相対的な負担割合が高まったことによるものであります。
なお、セグメント別の業績の概要につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりであります。
a 売上高
光電子増倍管、イメージ機器及び光源は、分析分野において、様々な業界における製品の品質と安全性に関する厳格な規制要件などによる分析技術への需要の高まりにより、液体クロマトグラフなどの分析装置向け重水素ランプの売上げが増加したものの、医用・バイオ分野において、米国立衛生研究所(NIH)の予算削減による投資の減少により、細胞などを分析する検体検査装置向け光電子増倍管の売上げが減少いたしました。また、産業分野において、EV(電気自動車)市場の停滞により、リチウムイオン電池の非破壊検査装置向けマイクロフォーカスX線源の売上げが減少いたしました。
この結果、電子管事業といたしましては、売上高は71,906百万円(前期比7.4%減)となりました。
光半導体素子は、医用・バイオ分野において、中国市場での価格競争、欧米における金利高などの影響もありX線CT向けのシリコンフォトダイオード及び、歯科用診断装置向けのフラットパネルセンサの売上げが減少したものの、産業分野において、生成AI(人工知能)及びデータセンター向けの高性能な半導体の需要に牽引され半導体製造・検査装置向けのイメージセンサの売上げが増加いたしました。
この結果、光半導体事業といたしましては、売上高は79,505百万円(前期比1.7%増)となりました。
画像処理・計測装置は、産業分野において、生成AI向けなどの高性能な半導体への投資拡大の影響により、半導体故障解析装置の売上げが増加いたしました。また、医用・バイオ分野では、販売チャネルの拡充により対応地域が拡大したこともあり、遠隔病理診断に用いられる病理デジタルスライドスキャナの売上げが堅調に推移いたしました。一方で、バイオ分野において、予算削減等の影響により、デジタルカメラの需要が減少いたしました。
この結果、画像計測機器事業といたしましては、売上高は32,703百万円(前期比0.1%減)となりました。
レーザ関連製品では、生成AI向けの好調な設備投資に伴い、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加いたしました。
この結果、レーザ事業といたしましては、売上高は22,255百万円(前期比107.7%増)となりました。
その他事業の売上高は5,679百万円(前期比22.7%増)となりました。
b 為替変動の影響
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、為替相場があげられます。当連結会計年度における為替感応度(1円の為替変動が年間営業利益に与える影響:円安+/円高△)は、米ドルで300百万円、ユーロで100百万円、中国元で1,000百万円と試算しております。なお、当連結会計年度における営業利益に占める為替影響額は、17百万円であり、利益を増加させております。
c 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前期比10,592百万円(10.6%)増加し110,669百万円となり、売上総利益は前期比2,503百万円(2.4%)減少し101,381百万円となりました。また、売上総利益率につきましては、前期比3.1ポイント減少し47.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比13,451百万円(18.7%)増加し85,218百万円となりました。これはのれん償却額(その他)が前期比2,422百万円(232.4%)増加したこと及び賞与引当金繰入額が前期比2,223百万円(95.0%)増加したことなどによるものであります。なお、研究開発費につきましては、前期比4,887百万円(36.0%)増加し、売上高に対する比率は8.7%となりました。
d 営業利益
営業利益は、前期比15,954百万円(49.7%)減少し16,163百万円となりました。電子管事業は、光非破壊検査装置向けのマイクロフォーカスX線源の売上が減少したことなどに伴い、営業利益は4,864百万円(20.4%)減少し18,953百万円となりました。光半導体事業は、半導体製造・検査装置向けのイメージセンサの売上などが増加したものの、営業利益は5,311百万円(29.7%)減少し12,583百万円となりました。画像計測機器事業は、デジタルカメラの需要が減少したことなどに伴い、営業利益は722百万円(6.9%)減少し9,698百万円となりました。レーザ事業は、シリコンウエハを高速・高品位に切断するステルスダイシングエンジンの売上げが増加したものの、買収によるのれんの償却など費用も増加したことに伴い、営業損失は4,365百万円(前期営業損失204百万円)となりました。その他事業は、売上が減少したことに伴い、営業利益は266百万円(23.6%)減少し863百万円となりました。
e 営業外損益
営業外損益は、2,638百万円の利益となり、前期比244百万円の利益の増加となりました。これは前期の為替差損255百万円が当連結会計年度は為替差益558百万円に転じたことなどによるものであります。なお、金融収支は423百万円収入減となりました。
f 特別損益
特別損益は、1,914百万円の利益となり、前期比991百万円の利益の増加となりました。これは、負ののれん発生益が1,688百万円、補助金収入が1,158百万円それぞれ増加したこと及び固定資産圧縮損が1,365百万円増加したことなどによるものです。
g 親会社株主に帰属する当期純利益
以上のことから、税金等調整前当期純利益は前期比14,718百万円(41.5%)減少し20,716百万円となりました。また、法人税等の負担率が、前期の28.32%と比較して、当連結会計年度は29.71%と1.38ポイント上昇しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比10,941百万円(43.5%)減少し14,203百万円となりました。
②経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは経営方針・経営戦略を遂行し、企業価値の継続的な向上と経営の安定を図るため資金需要ごとに適切な資金調達方法を選択することが重要と認識しております。主要資金需要ごとの資金調達方針は以下のとおりであります。
・建物、製造設備及び研究開発用設備等の設備投資に関する資金は自己資金で賄うことを基本とし、設備投資規模など状況によっては金融市場又は資本市場からの調達を検討する。
・光産業創成のための研究開発投資、基礎研究開発等に関する資金は自己資金で賄うことを基本としながら、適宜資本市場からの調達を検討する。
・運転資金は、自己資金で賄うことを基本としながら状況によっては金融市場から調達する。
・企業買収のための資金は、自己資金で賄うことを基本としながら、買収金額や資金状況によっては金融市場もしくは資本市場での調達を検討する。
当社グループの資金調達の現在の状況は、主に営業活動によるキャッシュ・フローにより賄われており、外部からの多額の資金調達に頼ることなく事業を遂行しております。
また、地震などの自然災害からの復旧対応資金については十分な手元資金の確保に努めるとともに、地震保険並びに金融機関との専用コミットメントライン契約により、非常時の流動性確保にも備えております。
今後も、収益力及びキャッシュ・フロー創出力を強化しつつ、株主様への適切な利益還元を行ったうえで、内部留保を積み増し、資金需要に対しては上記の基本原則に基づき自己資金と外部調達によるバランスに配慮し、財務健全性を維持しながら手元流動性を確保していくことを基本としてまいります。
なお、新型コロナウイルスのような各種感染症等不測事態における運転資金への対応及び企業買収等に対する機動的な対応を目的として、コミットメントラインを締結しております。
⑤財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態」に記載しております。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や当該事象の状況に応じて、合理的と考えられる方法に基づき見積り及び判断を行い、必要に応じて見直ししておりますが、見積り特有の不確実性により実際の結果は異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、「光の本質に関する研究及びその応用」をメインテーマとし、主に当社の中央研究所及び各事業部において行っております。
光の世界は未だその本質すら解明されていないという、多くの可能性を秘めた分野であり、光の利用という観点からみても、光の広い波長領域のうち、ごく限られた一部しか利用することができていないのが現状であります。こうした中、当社の中央研究所においては、光についての基礎研究と光の利用に関する応用研究を進めており、また、各事業部においては、製品とその応用製品及びそれらを支える要素技術、製造技術、加工技術に関する開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
当連結会計年度における主要な研究開発の概要は次のとおりであります。
<量子分野の取り組み>
量子技術は、「超高速計算(量子コンピュータ)」や「極めて高精度な計測(量子センシング)」、「安全性の高い暗号通信(量子コミュニケーション)」など、新たな産業や科学の可能性を切り開く鍵として注目されております。当社は、これらの各量子分野において中核となるデバイスを提供しております。ここでは、量子分野の中でも、特に次世代のコンピュータとして期待される量子コンピュータに関する当社の取り組みをご紹介いたします。
量子コンピュータとは
量子コンピュータとは、量子(原子や分子、電子など)の重ね合わせや量子もつれといった特徴を利用したコンピュータで、実現すれば特定の分野において従来のコンピュータよりも圧倒的に速く計算処理ができるほか、量子アルゴリズムによる計算回数の圧縮によりAIの学習や推論に伴う膨大な電力消費を抑えられる可能性があります。また、革新的な新素材や高性能触媒の開発をはじめ、エネルギー効率の飛躍的な向上や環境負荷の大幅な低減といった、持続可能な社会の実現に直結する分野での活用が期待されております。さらに、物流や金融システムなど社会インフラにおいても、従来の枠組みに抜本的な革新をもたらすとされております。
量子コンピュータの実現に向けてはいくつかの方式が検討されており、当社は、特に光技術を用いる方式で中核となるデバイスの研究開発を推進しております。例えば、その方式の一つである「中性原子方式」は、レーザを用いて原子を特定の位置に配列したうえで、その状態を精密に制御して計算を行っております。この方式の実現にあたり、原子を適切に配列させるためのレーザ光源や光変調器、原子を観察するための高感度な検出器やカメラが必要とされており、そのいずれも当社製品の有用性が期待されております。
量子コンピュータ実現への課題とそれを解決する当社の強み
実用的な量子コンピュータを実現するためには、エラーを抑えた信頼性の高い計算を可能にし、以下の技術課題を段階的に乗り越える必要があります。当社は製品開発ロードマップの中で、課題解決に直結する仕様目標と検証アプローチを明確化し、当社技術・製品の強みをいかした実効性ある開発を推進してまいります。
・量子状態の高精度な観測(エラーの高速検知・訂正):当社は、光子数の識別が可能な多画素・高感度・超高速・低ノイズカメラを有しており、大規模に配列した量子系の観測に有用とされております。今後、さらに超高感度・超高速化することで、量子状態の正確な観測とエラーとなる量子状態を高速に検知し、誤り訂正をすることを支援してまいります。
・量子ビット数増加に対応可能な拡張性の確保:量子コンピュータは、計算に用いる情報の最小単位である量子ビット数を増やすことで、より高度な計算を行うことができるとされております。一方で、量子ビット数の増加によって、それを制御するためのレーザパワーも増やす必要がありますが、当社は強力なレーザにも耐性をもちながら、レーザを精密に制御することが可能な空間光位相変調器(LCOS-SLM)を有しており、量子配列の光ピンセットなどの制御精度の向上に寄与しております。今後は、LCOS-SLMのさらなる改善により、量子コンピュータの高度化に伴う量子ビット数の増加に応じた多点同時制御を実現してまいります。
・量子の計算精度の向上:当社子会社であるエヌケイティ・ホトニクス・エイ・エスの有する特徴的なレーザを活用することで、量子計算に欠かせない波長・強度・位相が安定したレーザを提供しております。今後は、量子ビットの操作精度の向上のため、さらなる高出力化・低ノイズ化を実現するとともに、長時間の連続運転にも耐えうるレーザの開発に取り組んでまいります。
国のプロジェクトへの参画
当社は、これまでの実績が評価され、国主導プロジェクトであるNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の量子コンピュータの産業化に関する事業(注)に単独で採択されました。採択期間は2025~2027年度の3年間の予定で、量子コンピュータに不可欠な中核デバイス(超高速カメラ、多画素・高感度カメラ、多画素空間光変調器ほか)の研究開発をさらに推進いたします。
目的:量子コンピュータの大規模化、安定動作を支える光源・検出器・光変調技術の確立
体制:当社主導で、国内有力研究機関・量子コンピュータメーカーと連携のもと、試作~評価~応用展開まで一貫して推進
期待効果:産業化のボトルネック解消を通じた、当社製品の採用領域拡大と継続的な収益基盤の強化
<細胞等の観察を大幅に効率化させるバーチャルスライドスキャナ「NanoZoomer®S540」>
開発の背景
患者から採取した組織・細胞を観察・解析し、疾患の性質やメカニズムを明らかにする病理診断は、近年、分子や遺伝子レベルでの解析の進展と患者一人ひとりの体質や病態にあった有効かつ副作用の少ない治療法 (個別化医療)の発展に伴い、その重要性がますます高まっております。特にがんなどの疾患に対するメカニズムの解明や治療法・薬剤の研究開発が加速しており、患者由来の組織・細胞を病理学的に観察・解析するアプローチは、個別化医療の実現において極めて重要な役割を果たしております。従来は、組織・細胞をガラス標本にして顕微鏡で観察する手法が主流でしたが、近年ではガラス標本をスキャンして高精細な画像データに変換し、観察・保存・共有を可能にする「デジタル病理」への移行が世界的に急速に進んでおります。
当社では約20年前より、デジタル病理分野の普及を目的としてバーチャルスライドスキャナ「NanoZoomer」シリーズの開発を開始し、用途に応じたラインナップの拡充を進めてまいりました。このたび、従来以上に効率的かつ迅速な観察を実現するため、大量のガラス標本を高速にデジタル化できる新モデル「NanoZoomer S540」を研究用途向けにリリースいたしました。
製品の特長
本製品は、最大540枚のガラス標本をセット可能で、短時間での自動処理が可能なハイエンドモデルです。特に装置の動作を停止することなく新しいガラス標本を追加できる機能の搭載に加え、ガラス標本内の組織・細胞を人工知能(AI)により自動認識する機能を大幅に向上させることで研究者の作業効率と利便性を大きく高めております。今後は、国内外での医療機器化を目指し、研究用途及び医療用途の両面でグローバル市場への展開を進めてまいります。
このように、長年にわたり培ってきた当社グループ独自の光技術を駆使し、バイオ、医療、情報、通信、エネルギー、物質、宇宙・天文、農業等の分野において、新しい知識、新しい産業の創成を目指した基礎研究を推し進めるとともに、新製品の開発及び既存製品の高機能化・高付加価値化を目指した開発を行っております。
(注)「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」における「量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」事業において「量子コンピュータの産業化に向けた光部素材技術の開発」をテーマとして採択されました。