当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界の経済環境は、米国では個人消費が堅調に推移し景気回復が続きましたが、欧州では地政学的要因や政局不安のなか、力強さを欠く展開となりました。また、中国では成長率の鈍化が鮮明になり景気は減速しました。一方、国内では政府による経済対策や金融緩和により企業業績は改善し、雇用環境の改善等により個人消費も底堅く緩やかな景気回復傾向となりました。
このような状況のなか、当社グループでは、製造面では将来の増産体制を構築すべく昨年4月にタイ シバウラデンシ カンパニー リミテッドのシンブリ工場第5号棟が竣工し順調に生産を開始しております。また、販売面では米国市場の開拓をすべく昨年9月に米国に販売現地法人を設立し、また引き続き車載メーカー及び国内外の省エネ、環境エコ関連メーカーをターゲットに営業活動を積極的に展開しました。その結果、主な用途別売上高では、空調用センサは38億1千万円(前年同期比11.1%増)、家電用センサは33億4千8百万円(前年同期比12.4%減)、自動車用センサは22億5千3百万円(前年同期比2.2%増)、OA用センサは22億1千9百万円(前年同期比1.2%増)、住設用センサは19億1千6百万円(前年同期比6.2%増)、産業機器用センサは12億6千8百万円(前年同期比10.1%増)となりました。また、素子の売上高は57億3千6百万円(前年同期比21.7%増)となり、その内、車載用は37億6千5百万円(前年同期比28.6%)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比5.7%増の212億6千1百万円となりました。損益面におきましては、営業利益は16億6千3百万円(前年同期比12.0%減)、経常利益は17億1千万円(前年同期比11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億1千3百万円(前年同期比26.4%減)となりました。
なお、連結子会社である㈱福島芝浦電子は、退職給付債務の計算方法について従来まで簡便法によっておりましたが、対象従業員が300人を超えたため、当連結会計年度末より原則法に変更しております。
この変更に伴い、当連結会計年度末における退職給付に係る負債が2億2千2百万円増加し、同額を退職給付費用として売上原価並びに販売費及び一般管理費に計上しております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
売上高は車載用素子及び産業機器用センサの需要が拡大した一方で、小物家電用センサの需要が減少したことにより、171億3千3百万円(前年同期比3.5%増)となりました。営業利益は販売の増加に伴い17億9千8百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
売上高は空調用センサ、OA機器用センサの需要拡大により、107億4千9百万円(前年同期比1.5%増)となりました。営業利益は人件費等の固定費の増加により5億3千4百万円(前年同期比12.7%減)となりました。
売上高は車載用素子の需要拡大により、7億7千9百万円(前年同期比61.6%増)となりました。営業利益は販売の増加に伴い3千1百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、60億5千8百万円となり、前年同期比5億5千9百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、21億8百万円(前期20億4千2百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益17億3百万円、減価償却費13億9千2百万円等の資金の増加が、たな卸資産の増減額5億7千5百万円、法人税等の支払額5億6千万円等の資金の減少を大幅に上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15億4千4百万円(前期11億6千9百万円)となりました。これは、生産性向上のための有形固定資産の取得による支出15億7百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10億6千8百万円(前期は得られた資金3億8百万円)となりました。これは長期借入金の返済による支出が借入れによる収入を上回ったこと及び配当金の支払3億8千8百万円等があったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
日本 | 15,371,050 | +5.2 |
アジア | 6,142,516 | +7.9 |
合計 | 21,513,566 | +5.9 |
(注) 上記金額は、販売価格で表示してあり、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
日本 | 14,246,731 | +5.1 | 1,558,990 | +0.0 |
アジア | 6,259,617 | +11.7 | 809,102 | △3.5 |
ヨーロッパ | 707,163 | +53.3 | 15,127 | △55.3 |
合計 | 21,213,512 | +8.1 | 2,383,220 | △2.0 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
日本 | 14,246,373 | +2.9 |
アジア | 6,288,833 | +7.7 |
ヨーロッパ | 725,876 | +69.8 |
合計 | 21,261,083 | +5.7 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
米国経済は引き続き堅調に推移するものと予想されますが、中国経済の成長率は依然として鈍化し景気減速が懸念される等、世界経済の先行きは不透明な状況にあります。一方で国内経済も、円高や世界経済の不透明感により企業業績に下振れリスクの懸念があり、個人消費も弱含みになるなど予断を許さない状況にあります。
このような状況のなか、当社グループは研究・開発体制をさらに強化して、次世代製品の開発に取り組んでいくとともに、温度センサ分野でのシェア拡大に向けた攻めの事業展開を進めてまいります。具体的には、ハイブリッド車や電気自動車等環境対応車での搭載、高温用サーミスタによる排ガス等環境対応等、技術と販売が一体となった営業推進を引き続き展開し、既存市場の掘り起こしや海外市場での売上拡大、新規市場への参入を図ってまいります。また、材料コストの引き下げ、製造の合理化効率化等、全社を挙げて原価低減を推し進めるために、製造工程における自動化投資と今後の受注の増加に対応できるよう設備投資を積極的に実施し、業績の拡大に全力を挙げて取り組んでまいります。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
(1) 経済状況
当社グループの主要製品であるサーミスタは空調機器、調理機器、給湯機器、暖房機器、家電、OA機器、自動車関連及び産業機器等使用範囲は多岐にわたっておりますが、当社グループが販売している国又は地域の経済状況により営業収入は影響を受けます。従いまして、当社グループの主要市場である日本、アジア、欧州等における景気後退やそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの事業には、中国及びタイにおける製品の生産並びにアジア、欧州等における販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されておりますが、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、逆に円安は好影響をもたらします。販売価格を都度見直し悪影響を最小限に止めるようにしていますが、生産移管をはじめ海外事業のウェイトは年々高まっており、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業に潜在するリスク
当社グループの生産及び販売活動の大部分は国内、中国及びタイで行っておりますが、海外市場での事業活動には以下のようないくつかの潜在リスクがあります。
① 不利な政治又は経済要因
② 予期しない規制の強化もしくは法律の変更
③ 人材の確保の難しさ
④ テロ、戦争、天災地変その他の要因による社会的混乱
当社グループは原価低減を図るため、タイ及び中国の東莞と上海で生産拡大を行っております。しかし、中国における経済状況、法的規制又は税規制の変化、法律の変更等、予期しない事態により事業の遂行に問題が起こる可能性があります。また、電力不足が更に深刻化した場合は工場操業が困難になるなどの問題が発生する可能性があります。一方、タイでは2014年に軍事クーデターが起こり軍事政権が樹立され、政局は不透明な状況から予期しない事態により事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
当社グループとしましては現地動向を随時把握し、適時適切に対応していく方針でありますが、これらの事態は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 災害等のリスク
当社グループでは当社及び国内の各生産拠点において、地震を含めた防災対策を徹底しております。また、海外の生産拠点は水害等自然災害による工場の長期稼動停止に備え、海外工場間で事業の分散化を図っております。しかし、予想を超える大規模な災害が発生した場合には、当社グループが受ける影響が大きくなるおそれがあります。
該当事項はありません。
当社グループは、当社技術・製造部門が中心となり、負の温度特性を持つ感温半導体であるNTCサーミスタを中心に、サーミスタ素子の研究からこの素子を応用した各種センサの研究・開発、さらにはサーミスタ素子及びセンサの製造に関する生産技術の開発に至るまで幅広い研究開発活動を行っております。当連結会計年度における研究開発費の総額は435,569千円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
[日本]
自動車用排気ガス及び家庭用燃料電池の温度制御を目的とした高温用素子並びにセンサ、自動車関連高応答素子並びにハイブリッド車及び電気自動車のセンサをサーミスタ素子の材料から開発しております。
その他、赤外線温度センサ、バッテリー用温度センサ、調理器用表面温度センサ、湿度センサ、複写機用センサ、給湯器用センサ、家電用センサ、医療器用センサの開発を目的とした各種要素技術の開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は435,569千円であります。
[アジア]
特筆すべき研究開発活動はありません。
当セグメントに係る研究開発費はありません。
[ヨーロッパ]
当セグメントに係る研究開発費はありません。
当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動に必要な資金の確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前年同期末」という)比4億7千4百万円の減少(前年同期末比1.8%減)し、259億8千7百万円となりました。流動資産は、前年同期末比1億7千2百万円の増加(前年同期末比1.0%増)の179億3千万円、固定資産は前年同期末比6億4千7百万円の減少(前年同期末比7.4%減)の80億5千7百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、売上高の増加等による電子記録債権の増加によるものであります。
固定資産減少の主な要因は、減価償却等による有形固定資産の減少によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前年同期末比7億9千万円の減少(前年同期末比9.5%減)の75億4千6百万円となりました。流動負債は前年同期末比3億2千万円の減少(前年同期末比5.2%減)の58億9千7百万円、固定負債は前年同期末比4億6千9百万円の減少(前年同期末比22.1%減)の16億4千9百万円となりました。
流動負債減少の主な要因は、流動負債その他のうち、設備等支払手形の減少によるものであります。
固定負債減少の主な要因は、長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前年同期末比3億1千5百万円の増加(前年同期末比1.7%増)し、184億4千1百万円となりました。
純資産増加の主な要因は、利益剰余金の増加であります。
この結果、自己資本比率は前年同期末の68.1%から70.6%となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前年同期末の2,319円54銭から2,358円84銭となりました。
この事項については「第2 事業の状況、1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照下さい。
この事項については「第2 事業の状況、1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。