(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府や日銀による各種政策の効果もあり、企業収益や雇用情勢が改善し、個人消費や輸出の持ち直しがみられ、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、中国や新興国経済の成長の鈍化、イギリスのEU離脱問題、アメリカの政権交代による影響など、わが国経済を下押しするリスクは高まっており、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社を取り巻く環境につきましては、主要取引業種である外食産業、食品業界や一般小売業等にあっては、個人消費の底堅い動き、外国人観光客の増加が売上に寄与したものの、低価格志向がいまだに根強いことに加え、人材需要の高まりによる採用コストの上昇等、引き続き厳しい経営環境にありました。
このような状況の中で、当社は、競争優位性を高めるべく、コスト競争力の強化、営業体制の強化を推進しつつ、既存顧客との相互信頼関係の構築、新規顧客の開拓、サービス体制の充実に取り組み、業績の向上に努めてまいりました。
また、製品においては、食に対する安全・安心およびおいしさの追求という顧客ニーズを充たすべく、省エネタイプの横型業務用冷蔵庫や、真空包装機等の新製品を市場投入し、営業活動においては、機器の提案のみならず、CADを活用した厨房設計提案や新調理システム機器を活用したメニュー提案等により、顧客満足度の向上に取り組んでまいりました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高37,418百万円(前期比4.1%増)、営業利益6,146百万円(前期比0.4%減)、経常利益6,225百万円(前期比2.9%減)、当期純利益4,164百万円(前期比2.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比べて2,226百万円増加の40,962百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は、4,233百万円(前事業年度は、5,616百万円の資金の増加)となりました。
これは主に、税引前当期純利益6,150百万円、減価償却費827百万円などが、法人税等の支払額2,428百万円を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度おいて投資活動により支出した資金は、1,494百万円(前事業年度は、516百万円の資金の減少)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出5,300百万円、有形固定資産の取得による支出378百万円が、定期預金の払戻による収入4,300百万円を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により支出した資金は、512百万円(前事業年度は、513百万円の資金の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払額511百万円であります。
当社は、単一セグメントであるため、品目別ごとの生産・受注及び販売の状況を記載しております。
(1)生産実績
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区分 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
厨房用縦型冷凍冷蔵庫 |
11,835,604 |
108.9 |
|
店舗用縦型ショーケース |
6,866,164 |
105.0 |
|
厨房用横型冷凍冷蔵庫 |
3,522,540 |
105.9 |
|
製氷機 |
2,913,765 |
108.3 |
|
その他 |
2,674,603 |
147.5 |
|
合計 |
27,812,676 |
110.2 |
(注)1 金額は販売価額の平均単価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
|
区分 |
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
店舗設備機器 |
1,318,048 |
100.8 |
|
厨房設備機器 |
2,227,237 |
93.4 |
|
店舗設備工事 |
141,750 |
95.6 |
|
合計 |
3,687,035 |
96.0 |
(注)1 品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事を施工業者に委託する際に発生する費用であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社は、原則として受注生産は行っておりません。
(4)販売実績
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区分 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品 |
|
|
|
厨房用縦型冷凍冷蔵庫 |
11,815,168 |
105.2 |
|
店舗用縦型ショーケース |
6,623,935 |
97.7 |
|
厨房用横型冷凍冷蔵庫 |
3,446,029 |
103.4 |
|
製氷機 |
2,814,023 |
103.6 |
|
その他 |
2,448,619 |
142.7 |
|
小計 |
27,147,778 |
105.3 |
|
商品 |
|
|
|
店舗設備機器 |
3,569,750 |
102.9 |
|
厨房設備機器 |
2,853,647 |
95.4 |
|
店舗設備工事 |
156,069 |
96.9 |
|
小計 |
6,579,467 |
99.4 |
|
点検・修理 |
3,426,464 |
105.0 |
|
その他 |
265,131 |
90.9 |
|
合計 |
37,418,842 |
104.1 |
(注)1 品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事の販売金額であります。
2 総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の見通しにつきましては、政府や日銀の経済・金融政策による株価上昇の期待、企業収益や雇用情勢の更なる改善などから景気回復への期待はあるものの、アメリカの金融政策正常化の進行や新政権による保護貿易推進の姿勢、中国経済の下振れリスクへの懸念、原油価格の上昇による影響など予断を許さない厳しい経営環境にあると思われます。
当社を取り巻く環境につきましても、外食産業、食品業界や一般小売業等にあっては、根強い低価格志向を受けての同業間の価格競争や、人材不足による営業時間の短縮等、厳しい経営環境が続くものと予想されます。
このような環境の下、当社は、顧客ニーズを的確かつ迅速に捉え、衛生面を追求した新製品開発や、常に安全・安心を提供できるサービス技術の一層の強化により、顧客との関係強化を図りつつ、新市場の創造・新規顧客の開拓に努めてまいります。同時に製造コストと経費の削減を図り、全社を挙げて収益体質の強化に取り組んでまいります。
当社の事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)競合・景気変動等にかかるもの
当社は、業務用の冷凍冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売事業、店舗厨房冷熱機器等の商品仕入・販売事業およびこれらの点検・修理事業とこれらの賃貸借取引を行っておりますが、景気、他社との競合に伴う市場価格の変動、また金利などの相場の変動やこれらに対する施策の変更などにより当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
景気、他社との競合という視点からは、急激な為替の変動などによる鉄鋼材をはじめとする原材料価格の高騰に伴う原価の悪化や、他社との熾烈な競合により販売価格が変動を受けやすい構造となっております。
季節変動については、通常夏場に繁忙期が到来する反面、冬場の業績は低迷する傾向にあります。
また、金利変動によるリスクについては、借入取引がある場合、市場金利の変動により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)製品の品質にかかるもの
当社においては、製品製造事業を担う工場内に品質保証部を設置し事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷くとともに、生産物賠償責任保険に加入し、PSE対策も進めておりますが、当社が予見できない製品の不具合や欠陥等により、保証や代替等のコストを要する可能性があり、当社の経営成績および財政状態、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)法規制にかかるもの
当社の取り扱う製商品にはフロン等の法規制の影響を受ける部材が含まれております。当社では、関連する法令等を遵守して事業活動を行っており、現時点において事業活動に支障をきたすような事実はありませんが、今後、法規制の改正内容によっては、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報管理にかかるもの
当社の取り扱う情報には、特許権・意匠権・その他知的財産権に関する情報が含まれております。技術開発の中でこれらの情報は適法に使用許諾を受けたものと認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の許諾を受けていない可能性があります。現時点で当社が第三者より当社の事業活動に重大な影響を及ぼす訴訟等を提訴されている事実はありませんが、今後、提訴され係争した場合は当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、取引先情報や個人情報等の機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであり、当社では社内管理体制を整備しシステムを構築しておりますが、当社の管理外等で発生した問題により社会的な制裁や提訴等を受けて事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害にかかるもの
当社の工場や本社・支店・営業所等の所在地を含む地域で大規模な地震や台風等による自然災害が発生した場合、被災状況によっては事業活動が困難となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)新規の投資にかかるもの
当社は、より付加価値の高い製品の開発に前向きに取り組んでおります。このためには、積極的な投資が必要になる場合があります。これらの施策は、従来の事業リスクより高い潜在リスクが見込まれる場合もあるため、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)風評被害にかかるもの
インターネットの普及により、事実無根の誹謗・中傷により当社の株価、当社の信用に多大な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社では、食の安心・安全と美味しさの提供による食文化の向上と、地球環境に優しい省資源・省エネを考慮した製品の研究開発を企業の使命として取り組んでおります。具体的には業界初となる自動スライド扉冷蔵庫をはじめとして、より機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の研究開発を進めております。
当事業年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。
なお、当社は、冷熱機器に係る事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(1)業務用冷凍冷蔵庫の分野
①横型冷蔵庫のフルモデルチェンジを行い、順次販売を開始いたしました。省エネ性能の向上に加え、本体構造の見直しを行い、庫内の有効間口を広げることで食材の出し入れをしやすくし、庫内容量のアップを実現しています。また、定期的に行うフィルターの清掃性向上や庫内LED採用等、お客さまの使いやすさにこだわったデザインとメンテナンス性を考慮した製品になっております。
②業界初となる自動スライド扉冷蔵庫「オートくん」を新規開発し2017年4月より順次発売予定です。「オートくん」は、現行の省スペース設計を実現した手動タイプのスライド扉冷蔵庫を大幅に機能アップした製品です。扉に取付けたセンサーに軽くタッチするだけで、スライド扉が自動的に開閉するため、食材の出し入れが楽になり作業効率も大幅にアップします。また、ハンドルを握らず開閉できるため食材を衛生的に出し入れできます。
③ブラストチラー/ショックフリーザーのシリーズに業界初の小型タイプを新規に開発し、2017年4月より発売予定です。新製品は、小型タイプでは業界初のショックフリーズ能力を有し、省スペースで設置可能です。
今後も省エネ性の向上と共に使い勝手に配慮した、お客さまに快適な厨房環境を提供する製品の開発を進め、市場競争力を高めてまいります。
(2)ショーケースの分野
花屋に設置される、切り花等を新鮮な状態に保つためのフラワーショーケースでは、排熱や騒音等、店舗環境の改善を図った、冷凍機別置きタイプのモデルチェンジを行いました。天井と前面、2方向からLED蛍光灯がお花を演出するよう照明を追加するとともに、断熱性能に優れたNHガラスを採用し、高い省エネ性能と陳列商品を一層引き立てる新製品といたしました。
(3)その他の分野
①業務用食器洗浄機では、すすぎヒーターの容量を大幅にアップした製品の販売を開始し、給湯設備がないユーザー環境にも対応できる機種の拡充を行っております。
②新たな製品群として真空包装機の販売を開始し、真空パックすることで食材の酸化を防止するとともに、保存期間を長くし商品の価値を高めます。
③2017年1月より電解次亜水生成装置の販売を開始いたしました。食材や厨房機器の殺菌・除菌をすることで、食の安全に活躍する新製品です。
④ディスペンサー製品群にアイスコーヒーマシンを新たにラインナップし、販売開始いたします。本製品は、抽出した温かいコーヒーを、冷却タンクにて急冷することで、アイスコーヒーの風味と香りを損なわない新製品です。
⑤スチームコンベクションオーブンの逆扉仕様を追加し、ラインアップの充実、冷機器以外の分野への製品開発を積極的に行っています。
鮮度の保持・保存性の向上といった幅広いお客様のニーズにこたえ、様々な厨房オペレーションに対応できる機器開発を推進し、市場開拓に努めてまいります。
(4)当事業年度の成果
顧客ニーズに応えるべく省エネ性を追求し、地球環境に配慮した製品を市場投入するとともに、一層の使い勝手の向上や省スペース化による製品力強化など新規需要先の要求に合致した開発に取り組んでまいりました。
これらの研究活動を行った結果、当事業年度の研究開発費は413百万円となりました。
(1)財政状態の分析
①資産
総資産は、前事業年度末と比べて3,324百万円増加の67,978百万円となりました。
この主な要因は、現金及び預金の増加2,426百万円、長期預金の増加800百万円であります。
②負債
負債は、前事業年度末と比べて334百万円減少の10,434百万円となりました。
この主な要因は、支払手形の増加638百万円、未払法人税等の減少463百万円、退職給付引当金の減少340百万円であります。
③純資産
純資産は、前事業年度末と比べて3,658百万円増加の57,543百万円となりました。
これは主に、利益剰余金が3,651百万円増加したためであります。これらの結果、自己資本比率は1.4ポイント増の84.7%となりました。
④キャッシュ・フローの分析
「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標は次の通りであります。
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|
平成26年 12月期 |
平成27年 12月期 |
平成28年 12月期 |
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自己資本比率(%) |
83.6 |
83.3 |
84.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
64.3 |
75.2 |
67.1 |
*各指標はいずれも個別ベースの財務数値により算出しております。
・「自己資本比率」=自己資本/総資産
・「時価ベースの自己資本比率」=株式時価総額/総資産
{株式時価総額:事業年度末日の時価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)}
(2)経営成績の分析
①売上高及び営業利益
当事業年度の売上高は、前事業年度と比べて1,462百万円増加の37,418百万円(前年比4.1%増)となりました。
主な増加の要因は、製品売上高の増加1,365百万円(前年比5.3%増)および、点検修理売上高の増加163百万円(前年比5.0%増)であります。
売上原価は、売上高の増加に伴い339百万円増加の15,114百万円(前年比2.3%増)となり、販売費及び一般管理費は1,147百万円増加の16,157百万円(前年比7.6%増)となりました。
この結果、営業利益は、前事業年度と比べて24百万円減少の6,146百万円(前年比0.4%減)となりました。
②営業外損益及び経常利益
営業外収益は前事業年度と比べて191百万円減少の182百万円となり、営業外費用は27百万円減少の104百万円となりました。
これらの結果、経常利益は前事業年度と比べて188百万円減少の6,225百万円(前年比2.9%減)となりました。
③特別損益及び当期純利益
特別損失は、災害による損失62百万円、固定資産除却損12百万円を計上いたしました。
法人税、住民税及び事業税は前事業年度と比べて274百万円減少し、法人税等調整額(借方)は38百万円減少いたしました。
これらの結果、当期純利益は前事業年度と比べて86百万円増加の4,164百万円(前年比2.1%増)となりました。