第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 今後の見通しにつきましては、わが国経済は雇用・所得環境及び企業収益の持続的な改善等から緩やかな景気回復が期待されるものの、米国の政策運営や中国経済の下振れ懸念に加えEUの不安定化等、海外経済は不確実性を高めており、不透明な状況が続くものと予想されます。

 当社の主要取引業種である外食産業にあっては、同業間にとどまらない業種業態を超えての競争や、人手不足による営業時間の短縮等、厳しい経営環境が続くものと思われます。

 このような環境のもと、新元号に改元される2019年度は、創業60周年を越えての新たなスタートとなる年であり、これまで以上に顧客との関係強化に努め、新市場の創造・新規顧客の開拓等更なる飛躍の為に新福岡工場を取得し、お客様のニーズに対する迅速な対応、先進性のあるものづくりを図ってまいります。

2【事業等のリスク】

 当社の事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)競合・景気変動等にかかるもの

 当社は、業務用の冷凍冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売事業、店舗厨房冷熱機器等の商品仕入・販売事業およびこれらの点検・修理事業とこれらの賃貸借取引を行っておりますが、景気、他社との競合に伴う市場価格の変動、また金利などの相場の変動やこれらに対する施策の変更などにより当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 景気、他社との競合という視点からは、急激な為替の変動などによる鉄鋼材をはじめとする原材料価格の高騰に伴う原価の悪化や、他社との熾烈な競合により販売価格が変動を受けやすい構造となっております。

 季節変動については、通常夏場に繁忙期が到来する反面、冬場の業績は低迷する傾向にあります。

 また、金利変動によるリスクについては、借入取引がある場合、市場金利の変動により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の品質にかかるもの

 当社においては、製品製造事業を担う工場内に品質保証部を設置し事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷くとともに、生産物賠償責任保険に加入し、PSE対策も進めておりますが、当社が予見できない製品の不具合や欠陥等により、保証や代替等のコストを要する可能性があり、当社の経営成績および財政状態、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)法規制にかかるもの

 当社の取り扱う製商品にはフロン等の法規制の影響を受ける部材が含まれております。当社では、関連する法令等を遵守して事業活動を行っており、現時点において事業活動に支障をきたすような事実はありませんが、今後、法規制の改正内容によっては、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(4)情報管理にかかるもの

 当社の取り扱う情報には、特許権・意匠権・その他知的財産権に関する情報が含まれております。技術開発の中でこれらの情報は適法に使用許諾を受けたものと認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の許諾を受けていない可能性があります。現時点で当社が第三者より当社の事業活動に重大な影響を及ぼす訴訟等を提訴されている事実はありませんが、今後、提訴され係争した場合は当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 また、取引先情報や個人情報等の機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであり、当社では社内管理体制を整備しシステムを構築しておりますが、当社の管理外等で発生した問題により社会的な制裁や提訴等を受けて事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(5)自然災害にかかるもの

 当社の工場や本社・支店・営業所等の所在地を含む地域で大規模な地震や台風等による自然災害が発生した場合、被災状況によっては事業活動が困難となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)新規の投資にかかるもの

 当社は、より付加価値の高い製品の開発に前向きに取り組んでおります。このためには、積極的な投資が必要になる場合があります。これらの施策は、従来の事業リスクより高い潜在リスクが見込まれる場合もあるため、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(7)風評被害にかかるもの

 インターネットの普及により、事実無根の誹謗・中傷により当社の株価、当社の信用に多大な影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度におけるわが国経済は、政府や日銀による各種政策の効果もあり、企業収益や雇用情勢が改善し、景気は回復基調が続きました。一方、米国の保護主義的経済政策に端を発した貿易摩擦の影響や国内で相次ぐ自然災害等、わが国経済を下押しするリスクにより、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

当社の主要取引業種である外食産業は、個人消費の底堅い動き等により全体の売上自体は前年を上回るものの、業種業態を超えた競争の激化、採用難に伴う人件費の上昇及び原材料の高騰等に直面し、引き続き厳しい状況にありました。

このような状況のもと、当社は総合厨房機器メーカーとして、お客様の希求する作業の効率化及び省スペース化に対応するため、小型スチームコンベクションオーブンや電子レンジ等の熱機器を市場投入致しました。また、HACCPで求められる衛生管理に対する顧客の取り組みをサポートすべく、電解次亜水生成装置の提案等に努めてまいりました。

その結果、当年度の業績につきましては、売上高39,881百万円(前年比5.1%増)、営業利益5,956百万円(前年比10.3%増)、経常利益5,847百万円(前年比7.0%増)、当期純利益3,873百万円(前年比2.1%増)となりました。

 

 ①財政状態の状況

(資産)

 総資産は、前事業年度末と比べて4,432百万円増加の75,812百万円となりました。

 この主な要因は、投資有価証券の増加1,208百万円、長期預金の増加1,000百万円、現金及び預金の増加969百万円、前払年金費用の増加966百万円、土地の増加670百万円であります。

(負債)

 負債は、前事業年度末と比べて1,367百万円増加の11,912百万円となりました。

 この主な要因は、退職給付引当金の増加632百万円、未払法人税等の増加453百万円、未払金の増加101百万円であります。

(純資産)

 純資産は、前事業年度末と比べて3,065百万円増加の63,899百万円となりました。

 これは主に、利益剰余金が3,103百万円増加したためであります。これらの結果、自己資本比率は84.3%となりました。

 

 ②経営成績の状況

(売上高及び営業利益)

 当事業年度の売上高は、前事業年度と比べて1,945百万円増加の39,881百万円(前年比5.1%増)となりました。

 主な増加の要因は、製品売上高の増加897百万円(前年比3.3%増)および、商品売上高の増加929百万円(前年比13.7%増)、点検修理売上高の増加140百万円(前年比3.9%増)であります。

 売上原価は、売上高の増加に伴い528百万円増加の16,089百万円(前年比3.4%増)となり、販売費及び一般管理費は859百万円増加の17,836百万円(前年比5.1%増)となりました。

 この結果、営業利益は、前事業年度と比べて557百万円増加の5,956百万円(前年比10.3%増)となりました。

(営業外損益及び経常利益)

 営業外収益は前事業年度と比べて45百万円増加の212百万円となり、営業外費用は222百万円増加の321百万円となりました。

 これらの結果、経常利益は前事業年度と比べて380百万円増加の5,847百万円(前年比7.0%増)となりました。

(特別損益及び当期純利益)

 特別利益は固定資産売却益1百万円を、特別損失には投資有価証券評価損61百万円を計上いたしました。

 法人税、住民税及び事業税は前事業年度と比べて332百万円増加し、法人税等調整額(貸方)は107百万円増加いたしました。

 これらの結果、当期純利益は前事業年度と比べて79百万円増加の3,873百万円(前年比2.1%増)となりました。

 

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比べて969百万円増加の46,926百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により得られた資金は、5,507百万円(前事業年度は、4,995百万円の資金の増加)となりました。

 これは主に、税引前当期純利益5,786百万円、減価償却費889百万円などが、法人税等の支払額1,505百万円を上回ったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度おいて投資活動により支出した資金は、3,768百万円(前事業年度は、514百万円の資金の増加)となりました。

 これは主に、投資有価証券の取得による支出1,500百万円、定期預金の預入による支出1,200百万円、有形固定資産の取得による支出1,162百万円が、定期預金の払戻による収入200百万円を上回ったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動により支出した資金は、769百万円(前事業年度は、515百万円の資金の減少)となりました。

 これは主に、配当金の支払額768百万円であります。

 なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標は次の通りであります。

 

2016年

12月期

2017年

12月期

2018年

12月期

自己資本比率(%)

84.7

85.2

84.3

時価ベースの自己資本比率(%)

67.1

93.0

75.9

*各指標は以下の算式により算出しております。

・「自己資本比率」=自己資本/総資産

・「時価ベースの自己資本比率」=株式時価総額/総資産

{株式時価総額:事業年度末日の時価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)}

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資金の財源は、営業活動で得られた資金を財源としております。

 また、当社の現金及び現金同等物で、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えています。

(2)生産、受注及び販売の実績

 当社は、単一セグメントであるため、品目別の生産・受注及び販売の実績を記載しております。

 ①生産実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

厨房用縦型冷凍冷蔵庫

12,434,746

99.0

店舗用縦型ショーケース

6,549,659

102.0

厨房用横型冷凍冷蔵庫

3,709,427

111.0

製氷機

2,817,527

103.7

その他

3,461,227

108.4

合計

28,972,586

102.6

(注)1 金額は販売価額の平均単価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 ②商品仕入実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

店舗設備機器

1,609,391

117.8

厨房設備機器

2,338,339

100.3

店舗設備工事

150,019

124.8

合計

4,097,750

107.3

(注)1 品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事を施工業者に委託する際に発生する仕入金額であります。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 ③受注実績

 当社は、原則として受注生産は行っておりません。

④販売実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

厨房用縦型冷凍冷蔵庫

12,123,199

103.6

店舗用縦型ショーケース

6,377,841

99.4

厨房用横型冷凍冷蔵庫

3,472,083

102.1

製氷機

2,883,672

105.7

その他

3,347,465

109.5

小計

28,204,260

103.3

商品

 

 

店舗設備機器

4,454,737

122.6

厨房設備機器

3,090,342

102.6

店舗設備工事

161,992

123.2

小計

7,707,072

113.7

点検・修理

3,739,529

103.9

その他

231,011

91.3

合計

39,881,874

105.1

(注)1 品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事の販売金額であります。

2 総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社では、食の安心・安全と美味しさの提供による食文化の向上と、地球環境に優しい省資源・省エネを考慮した製品の研究開発を、企業の使命として取り組んでいます。機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の研究開発を進めております。

 当事業年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。

 なお、当社は、冷凍冷蔵冷熱機器に係る事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

(1)業務用冷凍冷蔵庫の分野

①従来のスマートスライド扉機構を展開し、業界初となるインバータ制御スライド扉冷凍冷蔵庫を新規開発し、2018年9月より順次販売を開始、機種拡充を図っております。スペースを有効活用できるスライド扉冷蔵庫は2013年市場投入以来、大幅に進化を重ね・使い勝手を向上してまいりましたが、これからの業務用冷蔵庫を切り拓く製品と位置づけ、継続して商品力を高めてまいります。

②縦型・横型のセンターノンピラータイプのフルモデルチェンジを行い、2018年1月より順次販売を開始いたしました。前カバーや表示部、扉ハンドルの意匠をシリーズで統一、よりシンプルにお客さまの使いやすさにこだわったデザインとメンテナンス性を考慮した製品になっています。

③海外輸出モデルとして縦型15機種・横型18機種の冷蔵庫・冷凍庫を開発、ラインアップ強化を行っています。香港・マカオとともに、東南アジア市場へ販売展開を行い事業拡大してまいります。

今後も国内・海外のお客さまの要望に応えるべく、省エネ性の向上と共に使い勝手に配慮した、快適な厨房環境を提供する製品の開発を進め、市場競争力を高めてまいります。

(2)ショーケースの分野

①花屋やスーパーなどに設置され、切り花の鮮度を維持しながら展示できるフラワーポットのフルモデルチェンジを行い、2018年4月より販売しています。花の美しさを惹きたてるLED照明を新たに採用するとともに、冷却水を循環することで雑菌繁殖を抑制し、水替え作業の負担を軽減する新製品として好評いただいています。

②冷凍食品を陳列販売する下置型冷凍ショーケースに、インバータ制御を搭載し省エネ性を向上した製品を2018年7月から販売を開始しています。デザインも大幅に一新し、スッキリした外観で店舗との調和を考慮、ガラス面拡大に加えLED照明を採用し、陳列商品をさらに惹きたてる製品となっています。

③2018年6月より省エネインバータ制御平型オープンショーケースを販売開始しています。多様な陳列商品に対応すべく、設定温度範囲を-25~+18℃に切替可能とし、アイスクリームから弁当まで、季節や陳列場所に応じた様々なニーズに適応することが出来ます。

(3)その他の分野

①製氷機においては、製氷能力300kgクラスのチップアイス製氷機を2018年7月より販売開始しています。新たに開発した独自のオーガ機構で低コストで大量のチップアイスを素早く製氷。製氷にかかるランニングコストの業界トップクラスを実現し、大容量ストッカー装備でいつでも大量の氷を提供でき、スーパーマーケットや鮮魚店等、大量に氷が必要なシーンで活躍します。

②業務用食器洗浄機では、2018年4月よりアンダーカウンタータイプのフルモデルチェンジをおこなっています。すすぎ水量は2リットル以下と従来の節水設計は継続。視認性・操作性の優れた表示パネル、天板排水機能追加で清掃性向上など使い勝手を向上しました。

③ディスペンサー製品群にウォーターディスペンサーを新たに開発、2018年4月から販売しています。連続抽出を実現する水道直結式瞬間冷却仕様とし、飲料水サービスの面で飲食店の業務効率化を強力にサポートする新製品となっています。

④様々なメニューの調理が可能なスチームコンベクションオーブンシリーズに、ホテルパン1/2・2段仕様の小型卓上タイプを新たに2018年5月から販売しています。省スペース設計で、2段積しても高さを1m程度に抑えることが出来、限られた厨房スペースで多様なメニューを同時に調理することも可能となっています。

⑤調理機器群に業務用電子レンジを新たにラインアップし、2018年10月より販売開始しています。業界トップクラスのハイパワー1900Wインバータ出力でスピード加熱・時短調理を実現。人手不足の中、省力化のニーズに応える製品となっています。また、2段積も容易に可能で、別々のメニューをスピーディーに提供、スペースの有効活用をサポートしています。

食の安心・安全、作業効率の向上、美味しさへの追求といった幅広いお客様のニーズに応え、様々な厨房オペレーションに対応できる機器開発を推進し、市場開拓に努めています。

(4)当事業年度の成果

 顧客ニーズに応えるべく省エネ性を追求し地球環境に配慮した製品を市場投入するとともに、一層の使い勝手の向上や省スペース化による商品力強化、新規需要先の要求に合致した開発に取り組んでおります。

 これらの研究活動を行った結果、当事業年度の研究開発費は400百万円となりました。