第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社は創業以来、「顧客のニーズに応える」、「社員の生活向上に努める」、「企業の安定成長をはかる」を掲げ、この理念を通じ、市場の開拓・人材の確保・資本の蓄積に努め、経営基盤の拡充を図り、企業の発展生成により社会の繁栄に貢献することとして位置付け、業務用冷熱機器の総合メーカーとして快適で安全な食文化に貢献することを基本方針としております。

(2)対処すべき課題

 当社の主要取引業種である外食産業は、新型コロナウイルス感染症が収束を迎えるまでは、依然先行きは不透明な状況が続くものと思われます。

今後の当社活動につきましては、外食産業において「衛生管理」「省力化・省人化」「食品ロス対策」等のニーズが高まっておりますので、需要に応じた先進性のある「ものづくり」と顧客への「総合サポート力」を高めてまいります。

2【事業等のリスク】

 当社の事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)競合・景気変動等にかかるもの

 当社は、業務用の冷凍冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売業、店舗厨房冷熱機器等の商品仕入・販売業およびこれらの点検・修理業を行っておりますが、景気、他社との競合に伴う市場価格の変動、また金利などの相場の変動やこれらに対する施策の変更などにより当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 景気、他社との競合という視点からは、急激な為替の変動などによる鉄鋼材をはじめとする原材料価格の高騰に伴う原価の悪化や、他社との熾烈な競合により販売価格が変動を受けやすい構造となっております。

 季節変動については、通常夏場に繁忙期が到来する反面、冬場の業績は低迷する傾向にあります。

 また、金利変動によるリスクについては、借入取引がある場合、市場金利の変動により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の品質にかかるもの

 当社においては、製品製造事業を担う工場内に品質保証部を設置し事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷くとともに、生産物賠償責任保険に加入し、PSE対策も進めておりますが、当社が予見できない製品の不具合や欠陥等により、保証や代替等のコストを要する可能性があり、当社の経営成績および財政状態、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)法規制にかかるもの

 当社の取り扱う製商品にはフロン等の法規制の影響を受ける部材が含まれております。当社では、関連する法令等を遵守して事業活動を行っており、現時点において事業活動に支障をきたすような事実はありませんが、今後、法規制の改正内容によっては、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(4)情報管理にかかるもの

 当社の取り扱う情報には、特許権・意匠権・その他知的財産権に関する情報が含まれております。技術開発の中でこれらの情報は適法に使用許諾を受けたものと認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の許諾を受けていない可能性があります。現時点で当社が第三者より当社の事業活動に重大な影響を及ぼす訴訟等を提訴されている事実はありませんが、今後、提訴され係争した場合は当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 また、取引先情報や個人情報等の機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであり、当社では社内管理体制を整備しシステムを構築しておりますが、当社の管理外等で発生した問題により社会的な制裁や提訴等を受けて事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害にかかるもの

 当社の工場や本社・支店・営業所等の所在地で大規模な地震や台風等による自然災害が発生した場合、被災状況によっては事業活動が困難となり、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)新規の投資にかかるもの

 当社は、より付加価値の高い製品の開発に前向きに取り組んでおります。このためには、積極的な投資が必要になる場合があります。これらの施策は、従来の事業リスクより高い潜在リスクが見込まれる場合もあるため、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(7)風評被害にかかるもの

 インターネットの普及により、事実無根の誹謗・中傷により当社の株価、当社の信用に多大な影響を及ぼす可能性があります。

(8)新型コロナウイルス感染症拡大にかかるもの

 新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だに見通せず、経済活動への影響も現時点では予測できない状況にあります。

 今後、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が大幅に制限された場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立をめざしたウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気は緩やかに持ち直してきました。

海外経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や世界的な金融引締めが進むなかでの金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給面での制約等により先行き不透明な状況で推移いたしました。

当社の主要取引業種である外食産業においては、消費者の消費行動が大きく変わり、店内飲食が縮小する一方で、テイクアウトやデリバリーサービスが増加するなどの動きがみられました。一方で、円安の影響による資源価格や原材料価格の高騰、人件費の上昇による影響など厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、部品供給不足による一部製品の品薄状況があったものの、衛生面での管理支援機器や空調機器等の仕入商材を含めた新しい提案営業の強化を進め、厨房メーカーとしてより総合的な顧客サポートに取り組んでまいりました。

その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高43,942百万円(前年比0.1%減)、営業利益6,985百万円(前年比11.5%増)、経常利益6,866百万円(前年比12.1%増)、当期純利益4,446百万円(前年比23.1%増)となりました。

 

 ①財政状態の状況

 当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用したため、当事業年度の期首時点で、契約負債を15,391百万円計上、利益剰余金を10,681百万円減少、繰延税金資産を4,709百万円増加させております。詳細は「第5 経理の状況 1財務諸表 注記事項 会計方針の変更 収益認識に関する会計基準等の適用」をご覧ください。

(資産)

 総資産は、前事業年度末と比べて3,351百万円増加の86,071百万円となりました。

 この主な要因は、繰延税金資産の増加2,762百万円、長期預金の増加1,500百万円、現金及び預金の減少1,234百万円であります。

(負債)

 負債は、前事業年度末と比べて12,944百万円増加の25,874百万円となりました。

 この主な要因は、契約負債の増加17,008百万円、前受収益の減少1,380百万円、未払法人税等の減少1,306百万円、役員退職慰労引当金の減少984百万円であります。

(純資産)

 純資産は、前事業年度末と比べて9,592百万円減少の60,196百万円となりました。

 この主な要因は、利益剰余金の減少7,766百万円、自己株式の増加1,858百万円であります。

 これらの結果、自己資本比率は69.9%となりました。

 

 ②経営成績の状況

(売上高及び営業利益)

 当事業年度の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用いたしました。特に売上の計上基準が大きく変化し、従来、製商品を販売した際に営業活動の一環として行っていた「メンテナンス・サービス」についても収益を認識することとし、製商品の売上と分けて点検修理売上高として計上することといたしました。

 また、点検修理売上高は期間の経過に応じて収益を認識することといたしました。

 この基準を適用した影響としましては、従来の会計基準と比べて製品売上高は3,104百万円、商品売上高は1,173百万円減少し、点検修理売上高は4,774百万円増加いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1財務諸表 注記事項 会計方針の変更 収益認識に関する会計基準等の適用」をご覧ください。

 当事業年度の売上高は、前事業年度と比べて36百万円減少の43,942百万円(前年比0.1%減)となりました。

 この主な要因は、「収益認識に関する会計基準」を適用した影響額を除いた場合、製品売上高の減少3,207百万円(前年比11.1%減)、商品売上高の増加2,323百万円(前年比22.0%増)、点検修理売上高の増加340百万円(前年比8.0%増)であります。

 売上原価は前事業年度と比べて355百万円増加の19,492百万円(前年比1.9%増)となりました。

 これは会計基準変更に伴い、新たに「点検修理売上高」として認識した作業に係る人件費を販売費及び一般管理費から売上原価に計上したためであります。

 販売費及び一般管理費は前事業年度と比べて1,111百万円減少の17,465百万円(前年比6.0%減)となりました。

 これらの結果、営業利益は前事業年度と比べて719百万円増加の6,985百万円(前年比11.5%増)となりました。

(営業外損益及び経常利益)

 営業外収益は、前事業年度と比べて44百万円減少の150百万円(前年比23.0%減)となりました。

 この主な要因は、雑収入の減少30百万円、受取補償金の減少17百万円、スクラップ売却益の増加5百万円であります。

 営業外費用は、前事業年度と比べて64百万円減少の268百万円(前年比19.3%減)となりました。

 この主な要因は、スクラップ処分費の減少57百万円、支払補償費の減少7百万円であります。

 これらの結果、経常利益は前事業年度と比べて738百万円増加の6,866百万円(前年比12.1%増)となりました。

(特別損益、法人税等及び当期純利益)

 特別利益に固定資産売却益0.5百万円を計上いたしました。

 特別損失に固定資産除却損0.3百万円を計上いたしました。

 法人税、住民税及び事業税を488百万円、法人税等調整額(借方)を1,932百万円計上いたしました。

 これらの結果、当期純利益は前事業年度と比べて835百万円増加の4,446百万円(前年比23.1%増)となりました。

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前事業年度末と比べて234百万円減少の53,667百万円となりました。

 これは、営業活動によって得た資金を投資活動及び財務活動に充てたためであります。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によって得た資金は、4,293百万円(前年同期に得た資金は6,431百万円)となりました。

 この主な要因は、税引前当期純利益6,867百万円、売上債権の減少870百万円が、法人税等の支払額2,105百万円等を上回ったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によって支出した資金は、1,141百万円(前年同期に支出した金額は3,137百万円)となりました。

 この主な要因は、定期預金の預入による支出1,700百万円、有形固定資産の取得による支出559百万円が、定期預金の払戻による収入1,200百万円、有価証券の売却及び償還による収入100百万円等を上回ったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によって支出した資金は、3,386百万円(前年同期に支出した資金は1,658百万円)となりました。

 この主な要因は、自己株式の取得による支出1,858百万円、配当金の支払額1,528百万円であります。

 なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標は次の通りであります。

 

2020年

12月期

2021年

12月期

2022年

12月期

自己資本比率(%)

84.4

84.4

69.9

時価ベースの自己資本比率(%)

66.9

78.1

64.6

*各指標は以下の算式により算出しております。

・「自己資本比率」=自己資本/総資産

・「時価ベースの自己資本比率」=株式時価総額/総資産

{株式時価総額=事業年度末日の時価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)}

 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資金需要の主なものは、原材料の購入及び製造費、並びに販売費及び一般管理費等の経費の支払い、設備投資であります。

 以上をまかなうため、営業活動によるキャッシュ・フローを充てています。

 事業活動を支えていくためには、強固な財務基盤の構築が不可欠であり、当社としては、引き続き維持向上に努めてまいります。

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、(追加情報)に記載しております。

(2)生産、受注及び販売の実績

 当社は、単一セグメントであるため、品目別の生産・受注及び販売の実績を記載しております。

 ①生産実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

厨房用縦型冷凍冷蔵庫

9,444,391

81.0

店舗用縦型ショーケース

5,114,834

75.7

厨房用横型冷凍冷蔵庫

2,789,642

98.5

製氷機

2,389,586

89.3

その他

3,894,834

94.2

合計

23,633,286

84.2

(注)金額は販売価額の平均単価によっております。

 

 ②商品仕入実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

店舗設備機器

3,170,073

146.0

厨房設備機器

3,255,128

103.0

店舗設備工事

325,829

129.3

合計

6,751,031

120.9

(注)品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事を施工業者に委託する際に発生する仕入金額であります。

 ③受注実績

 当社は、原則として受注生産は行っておりません。

④販売実績

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

厨房用縦型冷凍冷蔵庫

9,325,524

78.5

店舗用縦型ショーケース

5,111,002

73.1

厨房用横型冷凍冷蔵庫

2,569,629

84.7

製氷機

2,185,435

79.3

その他

3,505,808

80.6

小計

22,697,400

78.2

商品

 

 

店舗設備機器

6,848,194

116.6

厨房設備機器

4,499,449

102.0

店舗設備工事

358,842

132.1

小計

11,706,487

110.9

点検・修理

9,355,756

220.6

その他

183,212

106.2

合計

43,942,856

99.9

(注)1 品目のうち「店舗設備工事」は、店舗設計設備を総合的に受注したもののうちクロス及びタイル貼り等の内装工事の販売金額であります。

2 総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社では、食の安心・安全と美味しさの提供による食文化の向上と、SDGsを考慮した製品の研究開発(低GWP・省資源・省エネ)を企業の使命として取り組んでいます。また、スライド扉業冷庫をはじめとした当社独自製品の開発に積極的に取組み、機能的で人に優しく、衛生的で使いやすい高鮮度冷凍冷蔵機器等の研究開発を推進しています。当事業年度の主な研究開発活動は次のとおりであります。

 なお、当社は、冷凍冷蔵冷熱機器に係る事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

(1)業務用冷凍冷蔵庫の分野

・当社独自製品のスライド扉冷蔵庫シリーズにおいては、これからの業務用冷凍冷蔵庫の分野を切り拓く製品として業界で初めて、上下を分割した4枚小扉仕様のスライド業冷庫を開発し、2023年7月から販売開始を予定しております。スペースを有効活用できるスライド扉冷蔵庫シリーズは左右2枚の大扉タイプを2013年に市場投入して以来、当社独自製品として常に進化を重ね、使い勝手を向上させてまいりました。これからも業界の中で差別化を図り、お客さまの使いやすい製品のカタチを常に追求し、継続して商品力向上とラインアップ強化を図ってまいります。

 今後も国内外を問わず全てのお客さまのご要望に応えるべく、省エネ性の向上と共に使い勝手に配慮した、快適な厨房と店舗環境を提供する製品の開発を進め、市場競争力を高めてまいります。

(2)ショーケースの分野

・病院や製薬会社等でワクチンや試薬の保冷に適した薬用ショーケースで、温暖化係数が低く地球環境に配慮し自然冷媒を採用した製品を2022年3月より順次発売しております。オゾン層を破壊せず地球温暖化係数が低いイソブタン冷媒とノンフロン断熱発泡剤を使用した製品を開発し、庫内容量150~1200Lクラスで全8機種をラインアップいたしました。

・和洋菓子店やデパ地下等でケーキや惣菜等を陳列する対面ショーケースをモデルチェンジし、2022年8月より順次販売しております。幅900×奥行600の小型タイプから幅2400×奥行750の大型タイプまで10タイプの製品を短納期対応可能としています。また、ご要望に応じ様々なカラーリングや造作仕様のオーダーメイドに対応できる体制を整備しており、お店の雰囲気に調和したショーケースを提案いたしております。さらに一部機種では調光調色LEDを標準装備し、陳列商品を魅力的に演出するショーアップ効果を追求した製品もラインアップしております。

 その他にも当社独自の技術を展開した意匠性の高いワインセラー等、様々な業種に応じたオリジナル仕様の特注モデルを承っております。

(3)その他の分野

・2022年4月よりドアタイプの業務用食器洗浄機をモデルチェンジし販売しています。すすぎ水量は2リットル以下と従来の節水設計は継続しつつ、本体を二重構造にし、吸音材の採用、ウォーターシール構造により静音性、断熱性(保温性)を大幅に向上した製品となっております。また、扉を閉めても自動運転が開始されない休止モードを追加したことで、埃の侵入を防ぎ、タンク水温の保温効果が高まるなど、使い勝手が向上しております。

 食の安心・安全、作業効率の向上、美味しさへの追求といった幅広いお客様のニーズに応え、様々な厨房オペレーションに対応できる機器開発を推進し、市場開拓に努めてまいります。

(4)当事業年度の成果

 顧客ニーズに応えるべく省エネ性を追求し地球環境に配慮した製品を市場投入するとともに、一層の使い勝手の向上や省スペース化等による商品力および独自製品の強化、新規需要先の要求に合致した開発に取り組んでおります。以上の研究活動を行った結果、当事業年度の研究開発費は308百万円となりました。