(1) 業績
①当連結会計年度の概況
当連結会計年度の経済環境は、期前半においては、景気減速の懸念を抱えながらも、米国とわが国を中心にゆるやかな回復基調で推移しておりましたが、期後半においては、中国経済の減速が鮮明となるなど海外景気が下振れし、先行きの不透明感がより一層増してまいりました。
当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業におきましては、一部で設備投資に改善の動きが見られたものの、景気動向の不透明感の高まりから、期後半になって設備投資の抑制の動きが広がってきました。
このような中にあっても、当社グループは、日本、欧米、アジアのそれぞれの地域に最適なソリューションを提供する「真のグローバルカンパニー」を目指し、将来のビジネス拡大に向けた投資を積極的に行ってまいりました。当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。
(ⅰ) エレクトロニクス製造業の分野では、国内外において、主力製品である電気設計システム「CR-8000 Design Force」の拡販に引き続き注力してまいりました。また、国内の投資としては、電気設計システムで競合関係にあった事業を買収し、顧客基盤のさらなる拡大を図りました。さらに、米国シリコンバレーでは、「Zuken SOZO(創造)Center」を中心に、販売促進活動を継続的に粘り強く展開してきた結果、電子機器の企画・開発を行う世界規模の大手企業に当社製品の導入が着実に進んでまいりました。これにより中長期的には、まず米国での事業基盤の強化を図り、次に米国企業の製造拠点が集まるアジア新興国市場への販路拡大を目指してまいります。
(ⅱ) 自動車関連・産業機器製造業の分野では、製品に搭載される電子機器が増加し、これらをつなぐ配線設計の重要性が高まっており、こうしたニーズに向けて、国内では、輸送用機器向け配線設計システム「Cabling Designer」や「Harness Designer」の拡販に注力してまいりました。またアジアでも、現地法人が本格的に営業を始めたインドにおいて、「Cabling Designer」を中心に販売が堅調に推移いたしました。さらに米国では、輸送用機器・産業機器向けの配線設計システム「E3.series」のパートナー企業を買収し、販売体制の強化を図りました。一方、開発面におきましては、製品の企画・構想段階の設計が製品の競争力を左右する重要なものとなってきているため、日本とドイツの拠点が連携し、これらの設計を支援する次世代の自動車電装設計システム「Architecture Planner」を開発いたしました。
(ⅲ) 製造業の分野を問わず様々なモノづくり企業に向けたソリューションとしては、設計情報を管理するインフラシステムの機能を拡充し、積極的に拡販してまいりました。特に、電気設計データを管理するインフラシステム「DS-2」や、それをパッケージ化し、短期間に導入可能とした「DS-2 Expresso(エクスプレッソ)」の拡販に注力いたしました。さらに当社グループは、これらの情報管理システムを、電気設計データのみならず、配線設計データ等の様々な設計データに対応させ、これまで対象としてこなかった新しい顧客層へ拡販してまいります。
②当連結会計年度の業績
(連結業績)
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売上高 |
: |
219億5千2百万円 |
(前期比 3.1%増) |
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経常利益 |
: |
7億5千1百万円 |
(前期比 35.6%減) |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
: |
2億7千万円 |
(前期比 46.8%減) |
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以上の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は、前期を上回る結果となりました。これは、ITソリューションの売上は前年を下回ったものの、主力製品である電気設計システム「CR-8000 Design Force」の販売が好調なことや、クライアントサービスの売上が堅調に推移したことによるものです。
また、利益面につきましては、将来のビジネス拡大に向けた製品開発を加速させたことから、経費が増加したため減益となりました。
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基板設計ソリューションの主な製品 |
CR-8000 Design Force CR-8000 DFM Center |
CR-5000 Board Designer
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回路設計・ICソリューションの主な製品 |
CR-8000 Design Gateway CR-8000 System Planner Architecture Planner E3.series Cabling Designer Harness Designer |
CR-5000 System Designer
|
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ITソリューションの主な製品 |
プリサイト ビジュアル ボム PreSight visual BOM DS-2 エクスプレッソ DS-2 Expresso |
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(セグメントの業績)
報告セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
・日本
回路設計・ICソリューション及びクライアントサービスの売上が順調に推移したことなどから、売上高は159億8千7百万円(前期比 3.0%増)となりました。営業利益につきましては、新製品に係る研究開発費の増加などから7億4千2百万円(前期比 32.5%減)となりました。
・欧州
基板設計ソリューションの売上が順調に推移しましたが、欧州通貨安の影響を受け、円貨ベースの売上高は50億9千5百万円(前期比 0.1%増)となりました。営業損益につきましては、現地通貨ベースの売上増加などにより、営業損失1億8千5百万円(前期は営業損失2億3千万円)となりました。
・米国
クライアントサービスの売上が順調に推移したことなどから、売上高は12億5千万円(前期比 7.3%増)となりました。営業損益につきましては、他セグメントからの仕入高が増加したことや、事業買収に伴うのれん償却費の増加などにより営業費用が増加したため、営業損失1億9千1百万円(前期は営業損失1億2千9百万円)となりました。
・アジア
韓国ではITソリューションの売上が順調に推移し、東南アジア及びインドにおいて回路設計・ICソリューションの売上が大きく伸びたことなどから、売上高は15億7千1百万円(前期比 21.9%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから4億1千1百万円(前期比 48.1%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で2億9千9百万円増加し、投資活動で7億7千9百万円、財務活動で7億1千6百万円の支出となったことから、前連結会計年度末に比べ13億7千4百万円減少し、当連結会計年度末は126億7千1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2億9千9百万円(前期比 12億8千5百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益7億1千6百万円(前期比 4億1千3百万円減)の計上、減価償却費7億1千万円(前期比 4千8百万円減)、売上債権の減少額4億6千8百万円(前期は8億1百万円の増加)などの増加要因と、英国子会社が有する年金基金への拠出などによる退職給付に係る資産又は負債の減少額15億9千1百万円(前期は3億3千9百万円の増加)などの減少要因との差引合計によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7億7千9百万円(前期は3億8千4百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得による支出6億7千3百万円(前期比 5千3百万円増)、事業譲受による支出1億
2千7百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、7億1千6百万円(前期比 4億2千1百万円増)となりました。これは主に配当金の支払額6億9千7百万円(前期比 3億7千2百万円増)によるものであります。
(1) 生産実績
当社グループの売上高は、受注に基づくソフトウェア及びそれに付随するコンサルティングが主体であり、生産高と極めて近似しております。従って、セグメント別生産実績については、有用性が乏しいとの判断から記載を省略しております。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
日 本 |
15,524,833 |
104.9 |
5,294,694 |
115.6 |
|
欧 州 |
4,412,634 |
100.9 |
1,419,997 |
102.0 |
|
米 国 |
1,311,854 |
126.3 |
783,852 |
110.9 |
|
ア ジ ア |
1,396,501 |
98.8 |
351,067 |
74.1 |
|
合 計 |
22,645,823 |
104.7 |
7,849,611 |
109.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
日 本 |
14,960,942 |
102.4 |
|
欧 州 |
4,339,775 |
99.1 |
|
米 国 |
1,182,922 |
106.3 |
|
ア ジ ア |
1,468,600 |
122.1 |
|
合 計 |
21,952,240 |
103.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(参考)製品区分別実績は次のとおりであります。
(1) 受注状況
当連結会計年度における受注状況を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
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製品区分 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
基板設計ソリューション |
3,914,444 |
101.7 |
653,599 |
94.5 |
|
回路設計・ICソリューション |
4,716,222 |
107.5 |
813,040 |
124.0 |
|
ITソリューション |
4,557,479 |
96.8 |
639,214 |
115.3 |
|
クライアントサービス |
9,450,442 |
109.1 |
5,743,758 |
109.4 |
|
その他 |
7,234 |
39.1 |
- |
- |
|
合計 |
22,645,823 |
104.7 |
7,849,611 |
109.8 |
(注)金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
製品区分 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
基板設計ソリューション |
3,940,439 |
102.2 |
|
回路設計・ICソリューション |
4,545,666 |
103.5 |
|
ITソリューション |
4,471,949 |
95.7 |
|
クライアントサービス |
8,986,267 |
107.5 |
|
その他 |
7,916 |
44.5 |
|
合計 |
21,952,240 |
103.1 |
(注)上記金額には、消費税等を含んでおりません。
今後の経済環境につきましては、中国をはじめとするアジア新興国の成長減速など海外景気の下振れ懸念から、先行きの不透明感がますます高まっていくものと思われます。
一方で、世界的な広がりを見せつつある「IoT(Internet of Things)」が様々な製品の電子化・ネットワーク化を進展させており、当社グループがソフトウェア技術を活用して取り組むべき事業領域は、今後とも拡大していくことが見込まれます。
このような中にあって、当社グループは、より一層、それぞれの製品の機能を拡充するとともに、設計データを管理するソリューションの領域を広げ、様々なモノづくり企業における設計・製造の効率化を支援してまいります。
このために、当社グループの対処すべき課題は、以下のとおりであります。
(1) 設計システムの機能拡充と拡販
エレクトロニクス製造業の分野では、主力製品である電気設計システム「CR-8000」シリーズの機能をさらに拡充し、世界の市場に向けて積極的に販売してまいります。また、日本、英国、ドイツの拠点が連携し、欧米、アジア向けの新しい電気設計システムの開発を精力的に進めてまいります。
自動車関連・産業機器製造業の分野では、製品の電子制御、電装化がさらに進んでいくと見込まれることから、引き続き配線設計システムの拡販に注力してまいります。また、製品の企画・構想段階を支援する設計システム「Architecture Planner」を拡販していくとともに、最新のお客さまのニーズに対応した、新しい配線設計システムの開発を加速させてまいります。
(2) データ管理システムによる設計プロセス全体の効率化支援
モノづくりにおける製品の高度化、複雑化に伴い、多数の技術者が設計に関わっていることから、設計データを管理し、迅速かつ正確に共有することは、モノづくりにおける重要な課題となってきております。このニーズに的確に応えるため、設計データを管理するインフラシステムのさらなる機能拡充を図り、様々な設計データの一元的な管理を可能にしてまいります。さらに、このインフラシステムは設計システムにとらわれることなく導入が可能なため、電気設計のみならず、様々な領域の設計部門に対して積極的に販売してまいります。これにより、当社グループは、さらなるビジネス拡大を目指してまいります。
以上の取り組みにより、当社グループは、お客さまの抱える困難な課題に真正面から取り組み、世界で通用するソリューションを開発し、拡販していくことにより、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の市場への依存について
当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連製造業及び産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションの提供を主要な事業としております。そのため、当社グループの業績は、かかる製造業における景気の動向や設備投資の動向の影響を受ける場合があります。新たな有力市場、技術領域への取り組みなど事業の拡大に努めておりますが、製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が継続した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(2) ソリューションの開発について
当社グループは、お客さまのニーズに応えた最適なソリューションを提供するため、最新のトレンドや技術を取り入れた新製品の開発や機能強化などを鋭意行っております。また、品質の向上とその管理の徹底に努めるとともに、欠陥等の不具合を生じないよう、また生じた場合にも迅速に修補等の対応を行うよう万全の体制を敷いて事業に取り組んでおります。しかしながら、計画通りに開発が行われなかった場合は、営業機会の喪失や事業展開の遅延などが生じるおそれがあります。また製品に重大な不具合があった場合は、修補対応や瑕疵担保責任の負担のほか、ソリューションに対する信用の低下などが生じるおそれがあります。これらが生じた場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社グループは、コンピューターテクノロジーとITを用いたソリューションビジネスの展開、継続において、著作権、特許権、商標権その他の知的財産権の確保が極めて重要なものと考えております。しかしながら、その取得に官公庁の審査を要するものについては、必ずしも取得できるとは限りません。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分配慮して製品を開発しておりますが、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害しているかどうかをすべて調査、把握することは事実上困難であります。当社グループの製品、技術、商標等が第三者の知的財産権を侵害し、ロイヤリティーの支払や使用差止、損害賠償を請求された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(4) 有力パートナー企業との提携関係について
当社グループは、確固たる事業基盤の構築や新規事業への進出を図るため、製品開発・販売面などにおいて、多数の有力パートナー企業と長期的な提携関係を築いております。しかしながら、これらパートナー企業が破産、倒産した場合や買収された場合、又は戦略上の目標を変更した場合、提携関係は解消されるおそれがあります。複数の、又は重要な提携関係が解消された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 子会社の設立、資本提携、企業買収等について
当社グループは、事業の拡大や補強等のため、事業展開に応じて、子会社、関連会社の設立や、協力会社との資本提携、有力企業の買収等を行っております。しかしながら、これらを行った場合、当初の計画通りに業績が伸長しないおそれや、コスト負担が増大するおそれがあります。これら会社の経営成績、財政状態が悪化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(6) 海外展開について
当社グループは、欧米やアジア各国に事業を展開しております。しかしながら、海外市場においては、①政治、経済環境の急激な変動、②為替レートの変動、③法律、規制の予期しない変更、④人材確保の困難、⑤テロ、戦争、伝染病その他による社会的混乱などのリスクを内包しております。これらが顕在化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 機密情報及び個人情報の管理について
当社グループは、システムの開発業務や各種コンサルティング、検証・支援業務などにおいて、お客さまの設計データや新製品情報などの重要機密情報を知る機会があります。また、お客さまや株主、社員等に関する個人情報を多数保有しています。社内情報システムの整備、機密保持契約の締結、社内規程・ガイドラインの制定、社員の教育など情報管理の徹底に努めておりますが、万一機密情報又は個人情報が当社グループより漏洩し、損害賠償の請求や信用の失墜などが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(8) 退職給付債務及び費用について
当社グループは、当社及び一部の連結子会社において確定給付型の退職一時金制度を、また一部の海外連結子会社において確定給付型の退職年金制度を設けております。しかしながら、退職給付債務及び費用の算出条件の変動や年金資産の運用状況の悪化、また退職給付に関する法制度や会計基準の変更などにより、退職給付債務及び費用が増加するおそれがあります。これにより、退職給付債務及び費用の負担が多大なものとなった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(注)英国の連結子会社における退職年金制度については、平成19年4月以降、確定給付型の制度を凍結し、確定拠出型の制度に変更しております。これにより、英国の連結子会社における確定給付型の退職年金制度についての上記リスクは、凍結以前の勤務に対する退職給付債務及び費用に関するものとなります。
(9) 自然災害等について
当社グループは、日本及び世界各国に事業活動の拠点を有しております。災害の防止には十分な注意を払っておりますが、大地震や火災等により、重要な開発・営業拠点に壊滅的な損害が生じるおそれがあります。これにより、事業活動が中断、遅延し、その復旧等に多大な費用が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社は平成28年1月25日開催の取締役会において、同年4月1日を効力発生日として、当社のプリサイト事業部が行う事業を当社の完全子会社である株式会社キャドラボ(以下、「キャドラボ」といいます。)に承継することを決定し、吸収分割契約書を締結いたしました。
会社分割の概要は次のとおりであります。
(1) 会社分割の目的
当社のプリサイト事業部は、創業以来の中核事業であるエレクトロニクス設計自動化分野にとどまらない新たなソリューションを開発・販売していくことを目的として発足しました。以来当社の顧客基盤を着実に拡大し、直近では独自性の高い製造業向けのナレッジマネジメントシステムが様々な分野での需要を喚起しつつあります。
モノのインターネット(IoT:Internet of Things)が、今後製造業にも急速に影響を及ぼしていくと予想されます。設計・製造・サービスなどにかかわる様々な情報がネットワークでつながるモノづくりにおいては、CADなどの設計ソリューションの如何にかかわらず、広い視野でモノづくり全体の最適化を進めていくITインフラが重要な役割を担います。当社は製造業が直面するこのトレンドを大きなビジネスチャンスと捉えており、プリサイト事業をさらに発展拡大していくためには、当社の既存の取引関係にとらわれることなく他社とのパートナーシップを積極的に行っていくなど、よりスピーディーで自律的な経営判断が重要と判断し、本会社分割を決定いたしました。
(2) 会社分割の方法
当社を分割会社とし、キャドラボを承継会社とする吸収分割です。
(3) 効力発生日
平成28年4月1日
(4) 会社分割に係る割当の内容
キャドラボは、プリサイト事業部の対価として、当社に対してキャドラボの普通株式5千株を割当交付します。
(5) 吸収分割に係る割当の内容の算定根拠
キャドラボは、分割会社の100%子会社であり、かつ本分割は資産及び負債を帳簿価額で承継させ、本分割により承継会社が発行する全株式を当社に割当てる分社型吸収分割であることから、両社間で協議し、割当てる株式数を決定しております。なお、第三者による割当て内容の算定は予定しておりません。
(6) 分割する事業部門の概要
①分割する部門の事業内容
製造業向けITソリューションの開発・販売
②分割する部門の経営成績
売上高 802百万円(平成28年3月期)
(7) 分割する資産、負債の項目及び帳簿価額(平成28年3月31日現在)
(単位:百万円)
|
資産 |
負債 |
||
|
項目 |
帳簿価額 |
項目 |
帳簿価額 |
|
流動資産 |
84 |
流動負債 |
63 |
|
固定資産 |
309 |
固定負債 |
80 |
|
合計 |
394 |
合計 |
144 |
当社グループの研究開発活動は、日本及び欧州において当社及び国内外子会社で行っております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションを研究開発対象としており、保有する技術を相互補完することにより研究開発の成果増大に効果をあげております。当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は33億6千7百万円となっております。
(1) 日本
日本における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は19億9千万円であります。
電子回路・基板設計分野では、システムレベルマルチボード設計環境「CR-8000 Design Force」において、同時並行設計の大幅なパフォーマンス改善をはじめ、操作性を考慮した面編集や配置配線機能、CAM出力機能の拡張は元より、ハイスピードデザインや3D検証に対応した機能、旧CADシステムからの移行を促進させるための機能を開発しました。システムレベル回路設計環境「CR-8000 Design Gateway」では、モジュール設計を支援する階層設計機能を強化しました。また、連携するシミュレータとしてLTspiceに対応しました。システムレベル構想設計環境「CR-8000 System Planner」では、操作性の改善と併せ、ブロック図(Logical Visionary)の階層設計の機能拡張として階層構造全体を参照できる階層ツリー表示機能や階層埋め込み機能などを開発しました。FPGA協調設計支援ツール「CR-8000 GPM」では、最新のCAD環境への対応と併せ、回路設計環境のみで基板図を参照したピンアサイン検討を可能とする機能を開発しました。回路・基板統合設計環境「CR-5000 System Designer」及び「CR-5000 Board Designer」では、シートエディタの機能強化として、部品選定ダイアログの初期値設定の対応やカットバッファ数を拡張する開発をしました。また、差動配線設計の効率向上を目指し、差動配線への接円弧の一括発生機能の追加や差動配線チェックの拡張を図りました。
プリント基板製造分野では、基板製造設計用システム「CR-8000 DFM Center」において、DFM検証環境の向上としてサーチパラメータの拡張やチェック結果表示機能の操作性改善、ODB++入出力の機能強化を行いました。
ワイヤーハーネス分野では、主に自動車市場での更なる開発効率と製品品質向上に向け、2.5Dトポロジ検討環境「Topology Designer」において、各車載電子機器への電源分配系統の最適化支援機能を開発しました。また、ワイヤハーネス製造設計環境「Harness Designer」において、使用部材や重量等を高速・高精度に計算するワイヤハーネス製造部材コスト計算モジュールを開発し、企業間を跨いだ製品全体の開発効率・精度の向上を実現しました。
エンジニアリングPLM分野では、電子機器設計向けPLM「DS-2」において、複数のパーツリストに対して一括で編集を行う機能や指定した条件に合致するファイルを設計データと共に管理する機能を開発しました。BtoB製造業に向けた管理機能をパッケージ化した製品「DS-2 Expresso」では、設計データから図面データの出力を可能にする新たなモジュール「Drawings」を開発しました。その他、回路図/基板図/パーツリストの3点を照合する機能や部品のEOL情報等からパーツリストを一括で編集する機能などを開発しました。
エンタープライズPLM分野では、軽量化3次元データと構成部品表を統合的に管理する「visual BOM」において、部品標準化を強力に推進する類似形状検索機能を3次元CADから直接実行する機能を開発しました。また、同分野のビッグデータ・ナレッジマネージメント製品「Knowledge Explorer」では、社内外に散在するノウハウ情報を効果的に利用者に提供するナレッジ活用システム「Knowledge Concierge」を新規に開発、リリースしました。
ミドルウェア分野では、自動車用通信ネットワークEthernetAVB(Audio Video Bridging)のエンドポイント(Talker/Listener)を容易に実装するためのミドルウェアライブラリ「Ze-PRO AVB(Endpoint)」を開発し、製品化を行いました。
米国シリコンバレーの「Zuken SOZO(創造)Center」においては、現地ユーザニーズを受けた製品開発を推進するべく日本と欧州の開発拠点と協力し、「CR-8000 Design Force」の半導体/パッケージ/基板のコデザイン機能やマルチボード3D設計機能を開発するのと併せて、さらなるEDA製品の開発体制の強化を図りました。
(2) 欧州
欧州における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は13億7千6百万円であります。
電子回路・基板設計分野では、「CR-8000 Design Force」の自動配置配線モジュール「DRAGON EX」において、電源面自動分割機能の開発を行いました。SI/PI/EMI解析モジュールにおいては、高速回路設計の強化としてIBIS-AMI解析の開発を行ないました。また、プロトタイピング市場向けに中小規模の設計に最適化された設計システム「CADSTAR」の次世代設計環境を日本と英国とで分担開発を進めております。
(3) 米国
該当事項はありません。
(4) アジア
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測であります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より13億9千5百万円減少して390億6千8百万円(前期比 3.4%減)となりました。流動資産は18億5千6百万円減少して270億9千8百万円(前期比 6.4%減)、固定資産は4億6千万円増加して119億6千9百万円(前期比 4.0%増)となりました。流動資産の減少の主な要因は、有価証券が15億2千万円減少したことなどであります。固定資産の増加の主な要因は、退職給付に係る資産が5億5千万円増加したことなどであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末より14億9千7百万円減少して105億8千9百万円(前期比 12.4%減)となりました。流動負債は6百万円減少して75億6千2百万円(前期比 0.1%減)、固定負債は14億9千1百万円減少して30億2千6百万円(前期比 33.0%減)となりました。流動負債の減少の主な要因は、その他が未払消費税等の減少などにより2億2千1百万円、未払法人税等が1億3千7百万円減少し、前受金が3億2百万円増加したことなどの差引合計であります。固定負債の減少の主な要因は、退職給付に係る負債が15億3千6百万円減少したことなどであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より1億1百万円増加して284億7千9百万円(前期比 0.4%増)となりました。株主資本は4億2千7百万円減少して276億4千8百万円となりましたが、この減少の主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益を2億7千万円計上したことと、配当金6億9千7百万円の支払いなどにより、4億2千6百万円減少したことであります。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が1億3千8百万円減少しましたが、退職給付に係る調整累計額が6億7千9百万円増加したことなどから、5億9百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.0%から2.7ポイント増加し、71.7%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の業績につきましては、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業では景気動向の不透明感の高まりから期後半になって設備投資の抑制の動きが広がってきましたが、主力製品である電気設計システムの販売が引き続き好調なことや、クライアントサービスの売上が堅調に推移したことから、売上高は219億5千2百万円(前期比 3.1%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。利益面につきましても、売上高の増加などにより売上総利益は158億9千9百万円(前期比 1.9%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。販売費及び一般管理費は、将来のビジネス拡大に向けた製品開発を加速させたことなどにより経費が増加したため151億2千3百万円(前期比 3.7%増)となり、営業利益は7億7千5百万円(前期比 23.2%減)と、前連結会計年度を下回りました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、2千4百万円の費用の計上となりました。これは主に、営業外収益として受取賃貸料が5千1百万円計上され、営業外費用として為替差損が1億1千3百万円、持分法による投資損失が2千3百万円計上されたことなどによります。
以上の結果、経常利益は7億5千1百万円(前期比 35.6%減)となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、3千4百万円の損失の計上となりました。これは主に、特別損失として事業整理損失引当金繰入額が2千6百万円、投資有価証券評価損が2千万円計上されたことなどによります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は7億1千6百万円となり、法人税等と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は2億7千万円(前期比 46.8%減)となりました。また、1株当たり当期純利益は11円65銭(前期は21円92銭)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における当社グループの資金(連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」)残高は、前連結会計年度末より13億7千4百万円減少して126億7千1百万円となりましたが、当社グループの流動性は、十分な水準にあると考えられます。
将来の事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、営業活動により得られた資金及び内部資金より調達しております。また、資金の運用につきましては、信用リスク、金利等を考慮し、安全性を第一と考え、元本割れの可能性が極めて低いと思われる金融商品で行っております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」を参照願います。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、設計・製造の効率化という課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開しております。エレクトロニクス、自動車関連及び産業機器製造業を主要な市場とするほか、ソリューションを拡充し、設計・製造プロセス全体の最適化を提供していくこと等により、新たな市場、技術領域への取り組みを積極的に展開し、事業基盤のさらなる拡大を図っております。そのため、各種ソリューションの開発・強化の進捗やその品質・信用性の向上、エレクトロニクス、自動車関連及び産業機器を中心に製造業における設備投資の動向、さらには有力企業や関連会社との良好な協業・連携の維持といった要因が経営成績に重要な影響を与えるものと思われます。詳細につきましては、「4.事業等のリスク」を参照願います。
(5) 今後の見通し
今後の経済環境につきましては、中国をはじめとするアジア新興国の成長減速など海外景気の下振れ懸念から、先行きの不透明感がますます高まっていくものと思われます。
このような中にあって、当社グループは、お客さまの抱える困難な課題に真正面から取り組み、世界で通用するソリューションを開発し、拡販していくことにより、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「3.対処すべき課題」を参照願います。