第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を中心にその他のモノづくり企業を含め幅広いお客さまの設計・製造の効率化、生産性の向上を図り、製品の開発、製造を支えることにより、モノづくり産業の発展に貢献することを基本方針としております。これに向け、当社グループは、常に市場ニーズの変化に的確に対応し、最適なソリューションの提供に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループの主要な市場であるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業は、新興国における需要の拡大や環境対応などの技術革新の必要性などから、当社グループの果たすべき役割はますます重要となってきております。また、製造業全体において製品のエレクトロニクス化が急速に進んでおり、当社グループが取り組むべき市場も拡大してきております。当社グループでは、こうした状況の中、引き続きソリューションビジネスを推進するとともに、新たな市場や技術領域への積極的な展開などにより、事業の拡大や伸長を図りつつ、株主のみなさまの長期的な利益を確保するという観点から、1株当たり当期純利益の持続的な伸長をひとつの指標として経営を推進しております。

 

(3) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題

今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見通せない中、厳しい状況が続いていくものと思われます。その一方で、AIの更なる進歩や次世代の通信システム5Gのサービス提供が開始されるなど、世界のモノづくりを取り巻く環境が劇的に変化し、設計・製造プロセス改革が急務となる中で、当社グループが取り組むべき事業領域は今後も拡大していくことが見込まれます。

このような中にあって、当社グループは、お客さまが抱える課題に真正面から取り組み、新たな技術領域にも積極的に進出することで、モノづくり企業を支援する革新的なソリューションを提供してまいります。

このために、当社グループの対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 

① 主力製品の拡販と新製品開発

既存の主力製品においては、先進技術の活用や連携強化などの機能拡充により製品力を高め、設計から製造、データ管理まで一貫したシステムとして提供できる強みを活かし、世界に向けて強力に販売を推進してまいります。

また、自動車関連・産業機器製造業に向けて、主力製品である「E3.series」をベースに、多様化する次世代の開発環境に対応可能な新たなワイヤハーネスの設計システムの開発を加速させ、本格的に販売を開始してまいります。

さらに、真のグローバルカンパニーとして、世界のモノづくり企業のニーズを的確にとらえ、これを新製品の開発に活かし、付加価値の高いソリューションとしてお客さまに提供してまいります。

 

② 「Engineering IT Companyの図研」としての事業展開

昨今の目覚ましい技術革新の中で、モノづくり企業が今必要としているのは電気設計領域のみならず、メカ設計、ソフト設計領域にもまたがる複合システムによる製品開発や、設計から製造、メンテナンスまでの流れを高度にデジタル化することによるエンジニアリングチェーン最適化の実現です。

これらの課題に対して当社は、新たにグループに加わった米国子会社のMBSE分野の知見に加え、最先端のAI技術開発を行う企業や生産管理システムで多くの実績を持つ企業と提携するなど外部技術も積極的に取り込み、既存の技術にとどまることなく、幅広くモノづくりを支えるソリューションを提供してまいります。

これにより、モノづくりのIT化及びその課題を総合的に担い、グループの総力を結集して応えていく「Engineering IT Companyの図研」を目指してまいります。

 

以上の取り組みにより、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の市場への依存について

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションの提供を主要な事業としております。そのため、当社グループの業績は、かかる製造業における景気の動向や設備投資の動向の影響を受ける場合があります。新たな有力市場、技術領域への取り組みなど事業の拡大に努めておりますが、製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が継続した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) ソリューションの開発について

当社グループは、お客さまのニーズに応えた最適なソリューションを提供するため、最新のトレンドや技術を取り入れた新製品の開発や機能強化などを鋭意行っております。また、品質の向上とその管理の徹底に努めるとともに、欠陥等の不具合を生じないよう、また生じた場合にも迅速に修補等の対応を行うよう万全の体制を敷いて事業に取り組んでおります。しかしながら、計画通りに開発が行われなかった場合は、営業機会の喪失や事業展開の遅延などが生じるおそれがあります。また製品に重大な不具合があった場合は、修補対応や瑕疵担保責任の負担のほか、ソリューションに対する信用の低下などが生じるおそれがあります。これらが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、コンピューターテクノロジーとITを用いたソリューションビジネスの展開、継続において、著作権、特許権、商標権その他の知的財産権の確保が極めて重要なものと考えております。しかしながら、その取得に官公庁の審査を要するものについては、必ずしも取得できるとは限りません。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分配慮して製品を開発しておりますが、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害しているかどうかを全て調査、把握することは事実上困難であります。当社グループの製品、技術、商標等が第三者の知的財産権を侵害し、ロイヤリティーの支払や使用差止、損害賠償を請求された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 有力パートナー企業との提携関係について

当社グループは、確固たる事業基盤の構築や新規事業への進出を図るため、製品開発・販売面などにおいて、多数の有力パートナー企業と長期的な提携関係を築いております。しかしながら、これらパートナー企業が破産、倒産した場合や買収された場合、又は戦略上の目標を変更した場合、提携関係は解消されるおそれがあります。複数の、又は重要な提携関係が解消された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 子会社の設立、資本提携、企業買収等について

当社グループは、事業の拡大や補強等のため、事業展開に応じて、子会社、関連会社の設立や、協力会社との資本提携、有力企業の買収等を行っております。しかしながら、これらを行った場合、当初の計画通りに業績が伸長しないおそれや、コスト負担が増大するおそれがあります。これら会社の経営成績、財政状態が悪化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 海外展開について

当社グループは、欧米やアジア各国に事業を展開しております。しかしながら、海外市場においては、①政治、経済環境の急激な変動、②為替レートの変動、③法律、規制の予期しない変更、④人材確保の困難、⑤テロ、戦争、伝染病その他による社会的混乱などのリスクを内包しております。これらが顕在化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 機密情報及び個人情報の管理について

当社グループは、システムの開発業務や各種コンサルティング、検証・支援業務などにおいて、お客さまの設計データや新製品情報などの重要機密情報を知る機会があります。また、お客さまや株主、社員等に関する個人情報を多数保有しています。社内情報システムの整備、機密保持契約の締結、社内規程・ガイドラインの制定、社員の教育など情報管理の徹底に努めておりますが、万一機密情報又は個人情報が当社グループより漏洩し、損害賠償の請求や信用の失墜などが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 退職給付債務及び費用について

当社グループは、当社及び一部の連結子会社において確定給付型の退職一時金制度を、また一部の海外連結子会社において確定給付型の退職年金制度を設けております。しかしながら、退職給付債務及び費用の算出条件の変動や年金資産の運用状況の悪化、また退職給付に関する法制度や会計基準の変更などにより、退職給付債務及び費用が増加するおそれがあります。これにより、退職給付債務及び費用の負担が多大なものとなった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(注)英国の連結子会社における退職年金制度については、2007年4月以降、確定給付型の制度を凍結し、確定拠出型の制度に変更しております。これにより、英国の連結子会社における確定給付型の退職年金制度についての上記リスクは、凍結以前の勤務に対する退職給付債務及び費用に関するものとなります。

 

(9) 自然災害及び感染症の流行等について

当社グループは、日本及び世界各国に事業活動の拠点を有しております。災害の防止やその対策には十分な注意を払っておりますが、大地震や火災、感染症の流行等により、重要な開発・営業拠点に壊滅的な損害が生じるおそれや社員が就業できなくなるおそれがあります。これにより、事業活動が中断、遅延し、その復旧等に多大な費用が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)新型コロナウイルス感染症について

当社グループは、主にソフトウェアの開発・販売を業としており、WEBの利用やテレワークなどの実施により、新型コロナウイルスによる業務への支障はほぼなく、感染者が出た場合にも業務には極力支障が出ないよう体制を整えております。一方で、当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が長期化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①当連結会計年度の概況

当連結会計年度の経済環境は、欧米やわが国を中心にゆるやかな回復基調で推移していたものの、期末にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済は急速に落ち込み、厳しい状況となってまいりました。

当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業におきましては、期末近くになり、感染症拡大の影響から企業活動を控える動きはあったものの、当連結会計年度におけるIT投資としては概ね堅調に推移いたしました。

このような中にあって、当社グループは、世界のモノづくり企業に向けて最適なソリューションを提供していく「真のグローバルカンパニー」を目指し、主力製品の拡販や新製品の開発、新たな技術領域への進出などに注力してまいりました。当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。

 

(ⅰ) 主力製品の拡販と新製品開発

エレクトロニクス製造業の分野では、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」を世界に向けて拡販し、特に日本と欧州において売上を拡大させてまいりました。また、比較的小規模な設計環境に適した新たな電気設計システム「eCADSTAR」の販売を本格的に開始し、中小規模の設計を行う市場に対しても販売を強化してまいりました。

自動車関連・産業機器製造業の分野においては、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の販売に引き続き注力いたしました。さらに、この製品に対応する設計データ管理システム「DS-E3」の機能拡充を図り、設計からデータ管理まで一貫したソリューションとして販売を推進してまいりました。また、多様化する設計環境に対応し、ドイツと日本の製品を統合・進化させた新たなワイヤハーネスの設計システムの開発を加速させてまいりました。

(ⅱ) 中長期的な成長を見据えた取り組み

世界のモノづくりが高度化・複雑化し、設計・製造プロセスを根本から見直す動きが広がる中で、モノづくり企業の設計・製造の効率化を実現する新たな仕組みや技術が求められています。

これに対して当社は、MBSE分野において最先端の技術を持つ米国企業をグループ内に取り込むとともに、MBSEという新しい設計手法の導入や運用をサポートする体制を大幅に強化してまいりました。さらに、先進技術の研究開発を推進する様々な企業との協力・連携体制を構築するなど、新たな技術領域へ進出してまいりました。これらの取り組みにより、当社グループのソリューション領域を広げ、モノづくり企業の設計・製造プロセス改革に対応できる体制を整えてまいりました。

 

※MBSEは、モデルベースシステムズエンジニアリングの略で、航空・宇宙、自動車関連等の複雑で高い品質が求められる製品に使われ始めた次世代の設計手法です。この手法には、電気・機械・ソフトウェアなど複数の分野の技術者が共通認識できるモデルを使うことにより、様々な技術が複雑に関連し合う製品開発を構想企画段階で最適化するねらいがあります。

 

②当連結会計年度の業績

(連結業績)

売上高

292億9千6百万円

(前期比  9.4%増)

経常利益

 34億8千6百万円

(前期比  9.2%増)

親会社株主に帰属する

当期純利益

 25億9千5百万円

(前期比 22.8%増)

 

以上の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は、前期を大きく上回り、4期連続で過去最高となりました。これは、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」及びワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、国内子会社の建築業向け3Dソリューションの販売が好調に推移したことによるものです。

また、利益面につきましても、売上高が大きく伸びたことから大幅な増益となり、営業利益、経常利益ともに過去最高となりました。

 

基板設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Force

CR-8000 DFM Center

CADSTAR

eCADSTAR

CR-5000 Board Designer

 

 

 

回路設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Gateway

CR-8000 System Planner

E3.series

Cabling Designer

Harness Designer

CR-5000 System Designer

 

 

 

 

ITソリューションの主な製品

プリサイト ビジュアル  ボム

PreSight visual BOM

DS-CR

エクスプレッソ

DS-2 Expresso

DS-E3

GENESYS

 

 

(セグメントの業績)

報告セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

・日本

電気設計システム「CR-8000」シリーズを中心に基板設計ソリューション及び回路設計ソリューションの売上が順調に伸びたことなどから、売上高は222億9千8百万円(前期比 11.0%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから26億5千6百万円(前期比 13.7%増)となりました。

・欧州

回路設計ソリューション及びクライアントサービスの売上が堅調に推移したことなどから、売上高は
56億6百万円(前期比 0.1%増)となり、営業利益は2億4千万円(前期比 3.4%増)となりました。

・米国

ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」を中心に回路設計ソリューションの売上が増加したことなどから、売上高は21億1千9百万円(前期比 19.5%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから1億1千5百万円(前期比 36.6%増)となり、前年同期に比べて大幅に伸長いたしました。

・アジア

韓国で基板設計ソリューションの売上が減少したことなどから、売上高は14億4千7百万円(前期比 3.7%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少などから3億7千2百万円(前期比 3.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で42億7百万円の収入、投資活動で10億3千4百万円、財務活動で8億7百万円の支出となったことから、前連結会計年度末に比べ21億6千9百万円増加し、当連結会計年度末は203億6百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、42億7百万円(前期比 7億8千1百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益36億1千9百万円(前期比 5億1千9百万円増)の計上、前受金の増加額13億2千1百万円(前期比 11億2百万円増)、減価償却費6億9千4百万円(前期比 2千5百万円増)などの増加要因と、法人税等の支払額10億5千9百万円(前期比 1億2千9百万円増)などの減少要因との差引合計によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、10億3千4百万円(前期比 1億4千1百万円減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出7億2千1百万円(前期比 2億2千6百万円増)と、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4億3千2百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、8億7百万円(前期比 2億1千8百万円増)となりました。これは主に配当金の支払額6億5千万円(前期比 9千2百万円増)によるものであります。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社グループの売上高は、受注に基づくソフトウェア及びそれに付随するコンサルティングが主体であり、生産高と極めて近似しております。従って、セグメント別生産実績については、有用性が乏しいとの判断から記載を省略しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

日   本

22,100,211

113.0

7,662,755

112.8

欧   州

4,759,748

100.8

1,685,342

101.9

米   国

2,146,215

107.6

1,424,182

104.2

ア ジ ア

1,451,654

123.7

439,523

120.0

合   計

30,457,830

111.0

11,211,804

110.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

日   本

21,228,330

111.9

欧   州

4,654,408

99.6

米   国

2,063,016

119.3

ア ジ ア

1,350,598

95.6

合   計

29,296,353

109.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。

 

(参考)製品区分別実績は次のとおりであります。

①受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,913,702

115.8

812,423

116.7

回路設計ソリューション

7,268,256

112.5

1,084,438

90.8

ITソリューション

6,128,067

100.1

983,467

93.3

クライアントサービス

12,137,899

114.4

8,331,135

115.2

その他

9,904

109.8

339

32.6

合計

30,457,830

111.0

11,211,804

110.1

(注)金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。

②販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

金額(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,782,582

113.3

回路設計ソリューション

7,361,105

120.2

ITソリューション

6,193,266

104.6

クライアントサービス

10,948,790

104.1

その他

10,607

130.3

合計

29,296,353

109.4

(注)上記金額には、消費税等を含んでおりません。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析等の内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より42億5千4百万円増加して514億4千5百万円(前期比 9.0%増)となりました。流動資産は32億9百万円増加して370億7千2百万円(前期比 9.5%増)、固定資産は10億4千5百万円増加して143億7千3百万円(前期比 7.8%増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が20億5千1百万円増加したことなどであります。固定資産の増加の主な要因は、投資有価証券が4億6千5百万円、のれんが4億2千1百万円増加したことなどであります。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末より22億9千1百万円増加して164億3千2百万円(前期比 16.2%増)となりました。流動負債は19億2百万円増加して120億1千9百万円(前期比 18.8%増)、固定負債は3億8千8百万円増加して44億1千2百万円(前期比 9.7%増)となりました。流動負債の増加の主な要因は、前受金が13億2千8百万円、買掛金が3億5千万円増加したことなどであります。固定負債の増加の主な要因は、退職給付に係る負債が3億4千9百万円増加したことなどであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より19億6千3百万円増加して350億1千3百万円(前期比 5.9%増)となりました。株主資本は19億4千4百万円増加して329億3千4百万円となりましたが、この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を25億9千5百万円計上したことと、配当金6億5千万円支払いの差し引き合計で、利益剰余金が19億4千4百万円増加したことであります。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が2億4千4百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が1億3百万円減少したことなどから、3千1百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.1%から1.9ポイント減少し、67.2%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績につきましては、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」を中心に基板設計ソリューションが堅調に推移したことや、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」及び国内子会社の建築業向け3Dソリューションの販売が好調に推移し、回路設計ソリューションの売上が大きく伸びたことなどから、売上高は292億9千6百万円(前期比 9.4%増)となり、前連結会計年度を大きく上回る結果となりました。利益面につきましては、ネットワークセキュリティ製品等の外部仕入品の売上増加により売上高総利益率は若干低下したものの、売上高の増加により売上総利益は207億7千1百万円(前期比 8.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は173億8千万円(前期比 7.4%増)となり、営業利益は33億9千1百万円(前期比 11.2%増)と、前連結会計年度を大幅に上回りました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、9千5百万円の収益の計上となりました。これは主に、営業外収益として受取配当金が6千6百万円、助成金収入が3千6百万円計上されたことなどによります。

以上の結果、経常利益は34億8千6百万円(前期比 9.2%増)となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、1億3千2百万円の利益の計上となりました。これは主に、特別利益として権利譲渡収入が1億3千7百万円計上されたことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は36億1千9百万円となり、法人税等と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は25億9千5百万円(前期比 22.8%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は111円65銭(前期は90円88銭)となりました。

なお、セグメントごとの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況(セグメントの業績)」を参照願います。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における当社グループの資金(連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」)残高は、前連結会計年度末より21億6千9百万円増加して203億6百万円となり、当社グループの流動性は、十分な水準にあると考えられます。また、財務状態につきましては、流動比率は308.4%、自己資本比率は67.2%であり、健全な財務状態であると認識しております。

将来の事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金並びに株主還元等につきましては、営業活動により得られた資金及び内部資金より調達しております。また、資金の運用につきましては、信用リスク、金利等を考慮し、安全性を第一と考え、元本割れの可能性が極めて低いと思われる金融商品で行っております。

なお、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フロー」を参照願います。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期の見通しは立っていないものの、現時点において連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に与える重要な影響は認識しておりません。

 

・貸倒引当金

売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払い能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。

 

・繰延税金資産

繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の見込額を勘案し、回収可能性を慎重に検討した上で法定実効税率を用いて計上しております。

繰延税金資産の回収可能性の前提となる見積課税所得が、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降に繰延税金資産を認識する金額が影響を受ける可能性があります。

 

・固定資産の減損

固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

固定資産の減損の兆候の判定及び回収可能価額の算定の前提となる将来キャッシュ・フローが、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降の固定資産の減損損失の金額が影響を受ける可能性があります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、設計・製造の効率化という課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開しております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を主要な市場とするほか、ソリューションを拡充し、設計・製造プロセス全体の最適化を提供していくこと等により、新たな市場、技術領域への取り組みを積極的に展開し、事業基盤のさらなる拡大を図っております。そのため、各種ソリューションの開発・強化の進捗やその品質・信用性の向上、エレクトロニクス、自動車関連・産業機器を中心に製造業における設備投資の動向、さらには有力企業や関連会社との良好な協業・連携の維持といった要因が経営成績に重要な影響を与えるものと思われます。詳細につきましては、「2.事業等のリスク」を参照願います。

 

(6) 今後の見通し

今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見通せない中、厳しい状況が続いていくものと思われます。

このような中にあって当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、日本及び欧州の各セグメントにおいて行っております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションを研究開発対象としており、保有する技術を相互補完することにより研究開発の成果増大に効果をあげております。当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,041百万円となっております。

 

(1) 日本

日本における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は2,568百万円であります。

電子機器設計支援における新規分野として、今期も引き続きMBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)領域並びにMBD(モデルベースデベロップメント)領域への参入に向けた研究開発に取り組みました。MBSEツール「GENESYS」を「CR-8000」や「DS-CR」、「DS-E3」と連携する取り組みを加速させています。また、HILS(ハードウエアインザループシミュレーション)環境を活用して詳細設計内容をモデル化し、実機試作前の動作検証を可能とするMBDの新手法にも取り組んでいます。第3世代のAI(人工知能)エンジンを活用した基板配置配線の効率化と自動化、ナレッジデータベースとAIを組合せた設計支援、AIを活用したノイズ対策や設計ルールチェック機能など様々なプロジェクトにも継続して取り組みました。電子機器設計支援における既存の分野においても、複雑化や大型化にともない高難易度、高コストになる試作による検証を低減するために、シミュレーションを活用して設計品質を上げる環境の提供など、各種の取り組みを行いました。

回路・基板を中心とした電子機器設計支援EDA分野における研究開発活動としては、システムレベルマルチボード設計環境「CR-8000 Design Force」において、配置配線設計を効率化する部品の押し退け機能や、高速回路設計の機能強化するバックドリル設計機能を開発しました。また、エレメカ連携ではシステムレベルの設計、検証向上をするためにフレキ基板の曲げや展開機能にも対応しました。さらに、ANSYS社の複数物理ドメインの解析ツールを「CR-8000」とダイレクトに連携させ、解析結果を「Design Force」上に直接表示させる等、マルチフィジックス解析環境を実現しました。

システムレベル回路設計環境「CR-8000 Design Gateway」では、Windows10に準拠した操作画面のユーザインターフェイスを一新するためにLook&Feelの改善や、64bit環境へのネイティブ対応によるパフォーマンスアップなど、操作環境の快適化を図りました。コンストレインツドリブン設計のための機能強化としては、クリアランスクラス、トポロジーテンプレート及び、ルールスタックのバックアノテーションに対応しました。モジュラーデザインや階層設計の設計効率アップに向けた取り組みとしては、回路ブロック使用時のチェック機能を拡充しました。

システムレベル構想設計環境「CR-8000 System Planner」では、MBSEとの連携を実現するモジュラーデザインのフロントエンドツールとしての取り組みをおこないました。具体的にはブロック図で製品全体のバリエーション情報の検討・設計を可能とする「バリアント設計モジュール」を新規リリースするなど、ブロック設計機能やレイアウト設計機能を強化し、より簡易なモジュラーデザインと精度の高いフロアプランの両立に向けた開発を行いました。

基板製造設計支援システム「CR-8000 DFM Center」では、部門間連携の効率化や脱属人化への取り組みを行ないました。具体的にはメタルマスク開口形状のパラメトリック入力対応など実装関連機能の強化や、ICT設計機能の強化としてテストポイントをリスト上で絞り込み表示できるようにしました。また、64bit対応により大規模データに対してストレス無くチェックを行えるよう高速化を実現しました。

回路・基板統合設計環境「CR-5000 System Designer」及び、「CR-5000 Board Designer」では、部品入力パネルの検索結果と連動する属性値ハイライト表示などの作業性向上や、「任意バージョンへのデータ変換」など運用性向上に取り組みました。「CR-5000 System Designer」においては、2023年のEnd of Supportに向けてシステムレベル回路設計環境「CR-8000 Design Gateway」へのスムーズな環境移行のためのマイグレーションツールの拡充や移行促進のためのセミナー「Design Gateway エクスペリエンス」の開催などの取り組みも行っています。

ワイヤハーネス分野では、「Cabling Designer」と「E3.series」を統合した「E3.series infinite」を開発し、一部製品のパイロットリリースを行いました。自動車等に代表される大規模・複雑なシステムズ製品向けの次世代システムとしてMBSEのシステムモデルからワイヤハーネスの物理配線自動設計と製造までの製品ポートフォリオの拡充と設計情報の有機的な連携を実現しました。

「E3.series infinite」に含まれるワイヤハーネス製品設計環境「E3.formboard Advance」においては、膨大な回路数や部品使い分け数でも高速に処理し、従来比1/3の処理速度を実現しました。また、AI技術を用いて設計者の操作傾向に基づいた次操作リコメンド機能等を開発しました。また、電気CAD「ACAD-DENKI」のオプションとして、銅帯や太線の配策設計を3Dで行う「キュービクルプラン3D」を新たに開発し、受配電盤の設計・製造効率向上を実現しました。

エンジニアリングPLMプラットホーム「DS-2」における回路基板設計領域に対応する「DS-CR」ではシステムレベル設計/解析/検証プラットホームとして「CR-8000」との連携強化やモジュラーデザイン対応の深耕を行いました。具体的には、Unicode対応やWebブラウザから容易にアクセスできる「DS-CR」の新たなWebクライアントの開発を行いました。併せてAI技術を活用したナレッジ検索の開発についても取り組みも進めております。ワイヤハーネス設計領域に対応する「DS-E3」では「E3.series」の各種データ管理機能の強化や大規模データのパフォーマンス改善を行っております。「DS-OP」ではPLM/CAEベンダー各社とのアライアンスによる、各種PLM/CAE製品の混在した環境に適応させる対応も行いました。大手エンタープライズPLMソリューション各社とのアライアンスの成立により、各社PLMとの標準インターフェースを開発し、「DS-2」の電気設計EDMとしてのデファクト化にも取り組んでいます。

エンタープライズPLM分野では、既存製品である「visual BOM」において、個別受注型製造業に特化したBOMの作成を支援する機能を開発しました。これにより、受注毎にオプション選択が異なる同一製品の個別受注BOMの作成の手間を大幅に軽減することが可能になりました。また、ナレッジマネージメント分野では、既存製品である「Knowledge Explorer」において、搭載されている人工知能(AI)の精度向上に向けた開発をしました。これにより、必要となるドキュメントが提示される精度が格段に向上し、さらなるドキュメントの有効活用が可能になりました。

ミドルウェア分野では、「Ze-PRO RTP」を補完するセキュリティ・プロファイル製品として「Ze-PRO SRTP」を開発し、製品化いたしました。また、スマートファクトリー化を大きく加速させる新通信技術を効率よく実装可能にするリモート局製品「Ze-PRO CC-Link IE TSN (Remote)」及びマスター局製品「Ze-PRO CC-Link IE TSN(Master)」を開発し、製品化いたしました。

米国シリコンバレー「Zuken SOZO(創造)Center」においては、米国を拠点とするグローバルユーザの要望を受けた製品開発を推進し、日本と欧州の開発拠点と協力して「CR-8000 Design Force」の半導体/パッケージ/基板のコデザイン機能開発、図研の「CR-8000」や他社CADで作成した設計データの製造製検証環境として「DFM Center/ADM」の機能強化を行いました。

熱設計分野では、電子機器設計のデジタルトランスフォーメーション対応のため、電子機器の物理設計に必要な機能モデルを研究し、熱設計に必要な「筐体モデル」や「液冷モデル」、「モータモデル」等を開発しました。また、熱解析におけるパラメトリックスタディ効率化のための、1D-3D連成解析手法を構築し、実製品における効果測定を行いました。

 

(2) 欧州

欧州における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は1,438百万円であります。

電子回路・基板設計分野では、「CR-8000 Design Force」における自動配線の効率化のためのAI(人工知能)エンジンの研究開発に取り組んでいます。配置配線機能の強化としてレングセンパターンの設定強化などのインテリジェント配置配線の機能改善や、設計時間の大半を占める配置配線作業を「DRAGON EX」の操作性改善により効率化しました。SI/PI/EMI解析モジュールにおいては、解析モデルライブラリのパフォーマンス改善やコンフィグレーションエディタの編集機能の拡張、SI解析結果の波形特性の一覧表示、PI/EMC解析の解析結果ビュワーのインピーダンスマスク対応などの機能開発を行いました。

 

(3) 米国

米国における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は34百万円であります。

システムズ・エンジニアリング分野では、「GENESYS」のダイアグラム可視化やデバック機能のバージョンアップを行い、生産性、ユーザビリティ、当社製品との統合性が向上しました。

 

(4) アジア

該当事項はありません。