第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を中心にその他のモノづくり企業を含め幅広いお客さまの設計・製造の効率化、生産性の向上を図り、製品の開発、製造を支えることにより、モノづくり産業の発展に貢献することを基本方針としております。これに向け、当社グループは、常に市場ニーズの変化に的確に対応し、最適なソリューションの提供に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループの主要な市場であるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業は、新興国における需要の拡大や環境対応などの技術革新の必要性などから、当社グループの果たすべき役割はますます重要となってきております。また、製造業全体において製品のエレクトロニクス化が急速に進んでおり、当社グループが取り組むべき市場も拡大してきております。当社グループでは、こうした状況の中、引き続きソリューションビジネスを推進するとともに、新たな市場や技術領域への積極的な展開などにより、事業の拡大や伸長を図りつつ、株主のみなさまの長期的な利益を確保するという観点から、1株当たり当期純利益の持続的な伸長をひとつの指標として経営を推進しております。

 

(3) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題

今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症やウクライナ紛争の影響が見通せない中、先行き不透明な状況は続いていくものと思われます。その一方で、技術革新やニーズの多様化などから、世界のモノづくりを取り巻く環境は劇的に変化しており、当社グループが取り組むべき事業領域は、今後も拡大していくことが見込まれます。

このような中にあって、当社グループは、お客さまが抱える課題に真正面から取り組み、最先端の技術も積極的に取り入れ、モノづくりのプロセス全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する革新的なソリューションを提供してまいります。

このために、当社グループの対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 

① 主力製品の機能拡充と拡販

主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズにおいては、AIによる自動配置配線や解析の高速化などの機能拡充により製品力を高め、引き続き「CR-5000」シリーズからの移行も推進し、販売活動に注力してまいります。

また、新たなワイヤハーネスの設計システム「E3.infinite」とそのデータ管理システム「DS-E3.infinite」については、多様化・複雑化する次世代の設計環境を担う一貫したソリューションとして、世界の輸送用機器市場に向けて拡販してまいります。

 

② 「Engineering IT Companyの図研」に向けた取り組み

大規模化・複雑化するモノづくりにおいて、プロセス全体のデジタル化への対応は急務となっていますが、その実現には多くの課題があり、様々な角度から解決への模索が続けられています。

これに対して当社グループは、長年培ってきた技術やノウハウに加え、MBSEなどの新しい手法も活用し、ソフトウェアのみならずサービスやコンサルティングまでを含む一体的なソリューションを提供してまいります。

これにより、モノづくり企業のプロセス全体の効率化とさらなる変革を支援する「Engineering IT Companyの図研」を目指し、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 

以上の取り組みにより、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の市場への依存について

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションの提供を主要な事業としております。そのため、当社グループの業績は、かかる製造業における景気の動向や設備投資の動向の影響を受ける場合があります。新たな有力市場、技術領域への取り組みなど事業の拡大に努めておりますが、製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が継続した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) ソリューションの開発について

当社グループは、お客さまのニーズに応えた最適なソリューションを提供するため、最新のトレンドや技術を取り入れた新製品の開発や機能強化などを鋭意行っております。また、品質の向上とその管理の徹底に努めるとともに、欠陥等の不具合を生じないよう、また生じた場合にも迅速に修補等の対応を行うよう万全の体制を敷いて事業に取り組んでおります。しかしながら、計画通りに開発が行われなかった場合は、営業機会の喪失や事業展開の遅延などが生じるおそれがあります。また製品に重大な不具合があった場合は、修補対応や瑕疵担保責任の負担のほか、ソリューションに対する信用の低下などが生じるおそれがあります。これらが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、コンピューターテクノロジーとITを用いたソリューションビジネスの展開、継続において、著作権、特許権、商標権その他の知的財産権の確保が極めて重要なものと考えております。しかしながら、その取得に官公庁の審査を要するものについては、必ずしも取得できるとは限りません。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分配慮して製品を開発しておりますが、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害しているかどうかを全て調査、把握することは事実上困難であります。当社グループの製品、技術、商標等が第三者の知的財産権を侵害し、ロイヤリティーの支払や使用差止、損害賠償を請求された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 有力パートナー企業との提携関係について

当社グループは、確固たる事業基盤の構築や新規事業への進出を図るため、製品開発・販売面などにおいて、多数の有力パートナー企業と長期的な提携関係を築いております。しかしながら、これらパートナー企業が破産、倒産した場合や買収された場合、又は戦略上の目標を変更した場合、提携関係は解消されるおそれがあります。複数の、又は重要な提携関係が解消された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 子会社の設立、資本提携、企業買収等について

当社グループは、事業の拡大や補強等のため、事業展開に応じて、子会社、関連会社の設立や、協力会社との資本提携、有力企業の買収等を行っております。しかしながら、これらを行った場合、当初の計画通りに業績が伸長しないおそれや、コスト負担が増大するおそれがあります。これら会社の経営成績、財政状態が悪化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 海外展開について

当社グループは、欧米やアジア各国に事業を展開しております。しかしながら、海外市場においては、①政治、経済環境の急激な変動、②為替レートの変動、③法律、規制の予期しない変更、④人材確保の困難、⑤テロ、戦争、伝染病その他による社会的混乱などのリスクを内包しております。これらが顕在化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 機密情報及び個人情報の管理について

当社グループは、システムの開発業務や各種コンサルティング、検証・支援業務などにおいて、お客さまの設計データや新製品情報などの重要機密情報を知る機会があります。また、お客さまや株主、社員等に関する個人情報を多数保有しています。社内情報システムの整備、機密保持契約の締結、社内規程・ガイドラインの制定、社員の教育など情報管理の徹底に努めておりますが、万一機密情報又は個人情報が当社グループより漏洩し、損害賠償の請求や信用の失墜などが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 退職給付債務及び費用について

当社グループは、当社及び一部の連結子会社において確定給付型の退職一時金制度を、また一部の海外連結子会社において確定給付型の退職年金制度を設けております。しかしながら、退職給付債務及び費用の算出条件の変動や年金資産の運用状況の悪化、また退職給付に関する法制度や会計基準の変更などにより、退職給付債務及び費用が増加するおそれがあります。これにより、退職給付債務及び費用の負担が多大なものとなった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(注)英国の連結子会社における退職年金制度については、2021年11月にバイアウトにより保険会社へ移転することを決定いたしました。同年金制度は英国の経済動向により、当社グループの会計・財務に影響を与えてきましたが、このバイアウトの実施により将来の年金資産の運用リスクや財政悪化リスク等の不確実性を大幅に削減することが可能となります。

 

(9) 自然災害及び感染症の流行等について

当社グループは、日本及び世界各国に事業活動の拠点を有しております。災害の防止やその対策には十分な注意を払っておりますが、大地震や火災、感染症の流行等により、重要な開発・営業拠点に壊滅的な損害が生じるおそれや社員が就業できなくなるおそれがあります。これにより、事業活動が中断、遅延し、その復旧等に多大な費用が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)新型コロナウイルス感染症について

当社グループは、主にソフトウェアの開発・販売を業としており、WEBの利用やテレワークなどの実施により、新型コロナウイルスによる業務への支障はほぼなく、感染者が出た場合にも業務には極力支障が出ないよう体制を整えております。一方で、当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が長期化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①当連結会計年度の概況

当連結会計年度の経済環境は、期末にかけてロシアのウクライナ侵攻により先行きの不透明感は増したものの、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限が緩和されてきたことに伴い、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業におきましては、設備投資全体の持ち直しの動きは続いており、IT投資への意欲も高い状態が継続いたしました。

このような中にあって、当社グループは、世界のモノづくり企業に向けて最適なソリューションを提供していく「真のグローバルカンパニー」を目指し、コロナ禍においても事業活動の効率化を進め、主力製品の拡販や新製品のリリースに注力してまいりました。当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。

 

(ⅰ) 主力製品の拡販

エレクトロニクス製造業向けの主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズにおいて、リモートワーク環境でもスムーズに製品設計を行える機能を拡充し、また「CR-5000」シリーズからの移行を促進するなど拡販を推し進めてまいりました。自動車関連・産業機器製造業においては、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の販売に引き続き注力し、特に欧米において売上を伸ばしました。

また、これらの設計システムにデータ管理システムDSシリーズを連携させ、設計からデータ管理まで一貫したソリューションとして、大手顧客を中心に販売を強化してまいりました。

なお、営業活動において対面が制限された時期についても、Webコミュニケーションツール「ZUKEN digital」を活用し、お客さまの要望を的確にとらえてタイムリーな提案を行い、コロナ禍前を上回る活発な営業活動を実施してまいりました。

 

(ⅱ) 新製品のリリース

大規模な設計を行う輸送用機器製造業に向けて、従来の製品を飛躍的に進化させた新たなワイヤハーネスの設計システム「E3.infinite」を開発し、本格的に販売を開始いたしました。これは、大規模システムの分散・並行設計やサプライヤ協業に適合し、またワイヤハーネス配線の自動設計をも実現する製品であり、これに対応するデータ管理システム「DS-E3.inifinite」とともに拡販してまいります。

また、エレクトロニクス製造業においては、米国子会社のMBSEモデリングツール「GENESYS」と図研の主力設計システム「CR-8000」シリーズをつなぐ「GENESYS-CR」を新たに開発いたしました。この製品は、本格的な導入には多くの時間や労力を要するMBSEの手法をエレキ設計向けに最適化しており、構想設計段階の既存の設計資産をデジタル化することで、設計全体の一元的な管理を可能とします。今後、MBSEの導入を検討するお客さまに向けて、広く販売を推進してまいります。

 

※MBSEは、モデルベースシステムズエンジニアリングの略で、航空・宇宙、自動車関連等の複雑で高い品質が求められる製品に使われ始めた次世代の設計手法です。この手法には、電気・機械・ソフトウェアなど複数の分野の技術者が共通認識できるモデルを使うことにより、様々な技術が複雑に関連し合う製品開発を構想企画段階で最適化するねらいがあります。

 

②当連結会計年度の業績

(連結業績)

売上高

315億  2百万円

(前期比  9.3%増)

経常利益

 41億7千7百万円

(前期比 32.5%増)

親会社株主に帰属する

当期純利益

 30億  2百万円

(前期比 40.5%増)

 

 

以上の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は、前期を大きく上回り、過去最高を更新いたしました。これは、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズの販売が堅調に推移したことによるものです。

また、利益面につきましても、売上高の伸長により大幅な増益となり、営業利益、経常利益ともに過去最高を更新いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、英国子会社の退職年金制度のバイアウトに伴い特別損失を計上したものの、政策保有株式の売却に伴う特別利益の計上により大幅な増益となりました。

 

基板設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Force

CR-8000 Board Designer

CR-8000 DFM Center

CADSTAR

eCADSTAR

 

回路設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Gateway

CR-8000 System Planner

E3.series

E3.infinite

Cabling Designer

Harness Designer

 

ITソリューションの主な製品

DS-CR

エクスプレッソ

DS-2 Expresso

DS-E3

DS-E3.infinite

GENESYS

プリサイト ビジュアル  ボム

PreSight visual BOM

 

 

(セグメントの業績)

報告セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

・日本

電気設計システム「CR-8000」シリーズを中心に回路設計ソリューションの売上が順調に伸びたことや、ネットワークセキュリティ関連製品を中心にITソリューション及びクライアントサービスの売上が順調に推移したことなどから、売上高は236億1千1百万円(前期比 6.8%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから30億9千1百万円(前期比 31.0%増)となりました。

・欧州

ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」を中心に回路設計ソリューションの売上が増加したことなどから、売上高は63億6千4百万円(前期比 17.2%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などにより3億8百万円(前期比 396.5%増)となり、前期に比べて大幅に伸長いたしました。

・米国

回路設計ソリューション及びクライアントサービスの売上が堅調に推移したことなどから、売上高は
23億1千3百万円(前期比 15.2%増)となりました。営業利益は1億2千5百万円(前期比 6.7%減)となりました。

・アジア

韓国で基板設計ソリューション及びITソリューションの売上が増加したことなどにより、売上高は
15億3千4百万円(前期比 12.6%増)となり、営業利益は3億7千3百万円(前期比 10.2%増)となりました。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で12億4千7百万円、投資活動で47億3百万円の収入、財務活動で7億6千5百万円の支出となったことから、前連結会計年度末に比べ54億8千7百万円増加し、当連結会計年度末は269億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、12億4千7百万円(前期比 14億1千3百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益61億2千5百万円(前期比 31億4千6百万円増)の計上、前受金の増加額14億7千2百万円(前期比 7億円増)、減価償却費7億6百万円(前期比 4百万円増)などの増加要因と、投資有価証券売却益の調整58億8百万円(前期比 58億1千2百万円増)、法人税等の支払額11億3千5百万円(前期比 8千2百万円増)などの減少要因との差引合計によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、47億3百万円(前期比 58億7千2百万円増)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入58億8百万円などの増加要因と、固定資産の取得による支出7億1千7百万円(前期比 1億4百万円増)、関係会社株式の取得による支出3億4千2百万円(前期比 3億2千3百万円増)などの減少要因との差引合計によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、7億6千5百万円(前期比 1千6百万円増)となりました。これは主に配当金の支払額7億2千万円(前期比 2千3百万円増)によるものであります。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社グループの売上高は、受注に基づくソフトウェア及びそれに付随するコンサルティングが主体であり、生産高と極めて近似しております。従って、セグメント別生産実績については、有用性が乏しいとの判断から記載を省略しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

日   本

24,076,563

107.7

10,556,561

118.4

欧   州

5,853,810

125.5

2,598,141

128.9

米   国

2,440,821

131.1

1,693,588

126.4

ア ジ ア

1,391,398

104.8

525,607

98.3

合   計

33,762,594

111.8

15,373,898

120.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

日   本

22,433,098

106.3

欧   州

5,400,892

120.1

米   国

2,246,819

114.7

ア ジ ア

1,421,455

113.2

合   計

31,502,266

109.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(参考)製品区分別実績は次のとおりであります。

①受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,335,436

102.0

941,949

112.7

回路設計ソリューション

6,913,672

110.7

1,514,492

105.9

ITソリューション

7,775,450

107.4

1,790,392

150.4

クライアントサービス

14,728,184

118.2

11,126,676

119.0

その他

9,850

147.8

387

48.4

合計

33,762,594

111.8

15,373,898

120.1

 

②販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

金額(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,262,916

100.3

回路設計ソリューション

6,884,653

116.2

ITソリューション

7,198,240

102.2

クライアントサービス

13,146,192

113.4

その他

10,263

165.4

合計

31,502,266

109.3

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析等の内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より19億3千7百万円増加して591億5百万円(前期比 3.4%増)となりました。流動資産は59億8千2百万円増加して452億5千9百万円(前期比 15.2%増)、固定資産は40億4千4百万円減少して138億4千6百万円(前期比 22.6%減)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が54億9千7百万円、前払費用が10億2千4百万円増加したことなどであります。固定資産の減少の主な要因は、投資有価証券が59億9千9百万円減少したことなどであります。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末より21億6千3百万円増加して204億8千9百万円(前期比 11.8%増)となりました。流動負債は38億3千2百万円増加して164億8千2百万円(前期比 30.3%増)
、固定負債は16億6千8百万円減少して40億7百万円(前期比 29.4%減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、未払法人税等が20億2千8百万円、前受金が16億7千2百万円増加したことなどであります。固定負債の減少の主な要因は、その他が繰延税金負債の減少により10億1千4百万円減少したことなどであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より2億2千5百万円減少して386億1千6百万円(前期比 0.6%減)となりました。株主資本は22億3千6百万円増加して366億1千3百万円となりましたが、この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を30億2百万円計上したことと、配当金7億2千万円の支払いとの差し引きなどで、利益剰余金が22億3千7百万円増加したことであります。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が30億4千6百万円減少したことなどから、25億3百万円の減少となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の67.4%から2.7ポイント減少し、64.7%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績につきましては、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズの販売が堅調に推移したことにより、売上高は315億2百万円(前期比 9.3%増)となって前期を大きく上回り、過去最高を更新いたしました。利益面につきましては、原価率の高い外部仕入品の売上割合が増加したことなどにより売上原価が増加したものの、売上高の増加により売上総利益は217億9千4百万円(前期比 8.7%増)となりました。販売費及び一般管理費は178億8千9百万円(前期比 4.3%増)となり、営業利益は39億4百万円(前期比 35.0%増)と、前連結会計年度を大幅に上回りました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、2億7千3百万円の収益の計上となりました。これは主に、営業外収益として持分法による投資利益8千4百万円、受取配当金が7千9百万円、助成金収入が5千万円計上されたことなどによります。

以上の結果、経常利益は41億7千7百万円(前期比 32.5%増)となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、19億4千8百万円の収益の計上となりました。これは主に、特別利益として投資有価証券売却益が58億8百万円計上されたことと、特別損失として退職給付費用が35億9百万円計上されたことなどの差引合計によるものであります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は61億2千5百万円となり、法人税等と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は30億2百万円(前期比 40.5%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は129円16銭(前期は91円92銭)となりました。

なお、セグメントごとの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況 (セグメントの業績)」を参照願います。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における当社グループの資金(連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」)残高は、前連結会計年度末より54億8千7百万円増加して269億円となり、当社グループの流動性は、十分な水準にあると考えられます。また、財務状態につきましては、流動比率は274.6%、自己資本比率は64.7%であり、健全な財務状態であると認識しております。

将来の事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金並びに株主還元等につきましては、営業活動により得られた資金及び内部資金より調達しております。また、資金の運用につきましては、信用リスク、金利等を考慮し、安全性を第一と考え、元本割れの可能性が極めて低いと思われる金融商品で行っております。

なお、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」を参照願います。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期の見通しは立っていないものの、現時点において連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に与える重要な影響は認識しておりません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、設計・製造の効率化という課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開しております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を主要な市場とするほか、ソリューションを拡充し、設計・製造プロセス全体の最適化を提供していくこと等により、新たな市場、技術領域への取り組みを積極的に展開し、事業基盤のさらなる拡大を図っております。そのため、各種ソリューションの開発・強化の進捗やその品質・信用性の向上、エレクトロニクス、自動車関連・産業機器を中心に製造業における設備投資の動向、さらには有力企業や関連会社との良好な協業・連携の維持といった要因が経営成績に重要な影響を与えるものと思われます。詳細につきましては、「2.事業等のリスク」を参照願います。

 

(6) 今後の見通し

今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症やウクライナ紛争の影響が見通せない中、先行き不透明な状況は続いていくものと思われます。

このような中にあって、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、日本、欧州及び米国の各セグメントにおいて行っております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションを研究開発対象としており、保有する技術を相互補完することにより研究開発の成果増大に効果をあげております。当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,190百万円となっております。

 

(1) 日本

日本における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は2,556百万円であります。

電子機器設計支援における新規分野として、引き続き構想設計段階におけるシステム全体の要件検討やプランニングを行うMBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)ツール「GENESYS」と「CR-8000」や「DS-CR」「DS-E3」の連携を中心にMBSE並びにMBD(モデルベースデベロップメント)領域のソリューション拡充に取り組みました。また、AI(人工知能)エンジンによる基板配置配線の効率化と自動化、ナレッジデータベースとAIを組合せた設計支援、AI活用による設計操作支援など様々なプロジェクトにも継続して取り組んでいます。既存の分野においても、複雑化や大型化によりかつ高コスト高難易度となった試作検証を低減するため、シミュレーション活用による設計品質向上や、隣接する他設計プロセスとの協調設計にも継続して取り組みました。また、ニューノーマルへの対応としてホームオフィスやサテライトオフィスでも効率的で安全な設計環境を提供する新製品「Remote Work Assistant」の機能拡充を行いました。

MBSE/MBD領域のソリューションとしては、MBSEツール「GENESYS」と回路設計ツール「Design Gateway」の連携により、要求分析・機能設計と回路設計をシームレスにつなげることで設計のトレーサビリティを実現する「GENESYS-CR DG-Connector」をリリースしました。

回路・基板を中心とした電子機器設計支援EDA分野においては、システムレベルマルチボード設計環境「CR-8000 Design Force」において、更なる設計効率の追求をテーマにアンチパッド発生のパラメーターセットを保存・流用する機能や、エレメカ連携機能強化として筐体を考慮した高さ制限の一括発生機能、「AI技術」を活用した音声入力による操作機能を開発しました。また、新システムへの移行のため「Board Designer」のフォト出力やドリル出力などのパラメーターファイルの読み込みに対応しました。解析環境の機能向上においては、欧州開発部門とともにSI/PI/EMI解析モジュール「CR-8000 Analysis module」のリニューアルに取り組みました。新設計技術に対するテーマでは各種センサーやフィルターなどのMEMS設計を支援する「MEMS Designer」をリリースしました。

システムレベル回路設計環境「CR-8000 Design Gateway」では、回路設計での設計品質の向上や開発工数削減をテーマにサーキットアドバイザの電流回り込みチェックなど回路検証の機能強化や、CSVファイルによる設計制約条件の入力などコンストレイントブラウザの操作性の改善を行い、「Design Gateway」の優位性をさらに高めました。また、マルチボード接続検証環境の強化をテーマにシステム回路における基板回路の一括更新などの機能開発を行いました。操作性の改善としてはAI技術を活用して次に行う操作を推薦するコマンドアシスト機能を搭載しました。

システムレベル構想設計環境「CR-8000 System Planner」では、MBSE領域との連携をはじめモジュラーデザインやブロック設計対応の強化など、構想設計ツールとしての継続的な機能強化に取り組みました。具体的にはMBSEモデリングツールなどから出力された、要求・要件IDが記述されたI/Fファイルのインポートなど機能ブロックの生成/更新と要求・要件ID取込みを実現しました。またブロックにイメージ画像を貼り付けられるようにするなどの描画改善や、属性から簡単にオブジェクトが検索できるようにするなどの操作改善も行いました。

基板製造設計支援システム「CR-8000 DFM Center」では、製造準備のDX化をテーマに受入から製造までを一連の流れで処理し、作業コストを削減するための機能開発に取り組みました。具体的には、簡単な作業で精度の高い見積もりを可能にする「FPC Panel Creation Module Advance」、経験やスキルに依存せずに複雑なFPC製造工程を生成可能にする「FPC Process Explorer」、製造工程情報と連携し治具ターゲット設計を効率化する「FPC Jig Design Module」をリリースしました。

回路・基板統合設計環境では、「CR-5000 System Designer」の最終版をリリースしました。2023年のEnd of Supportに向けて「CR-8000 Design Gateway」へのスムーズな環境移行を支援するセミナー「Design Gateway エクスペリエンス」を継続して行いました。「CR-8000シリーズ」に統合した「Board Designer」はリソースファイルの移行対応など新システムを最大限に活用しながらシステム移行を進める仕組みを構築しました。

ワイヤハーネス分野では、輸送機器市場向けの次世代システム「E3.infinite」にて最適な中間コネクタ部品やコネクタピンへのワイヤ接続を自動決定する機能を開発し、設計自動化機能を更に強化しました。また、欧州で開発した新たな回路設計システム「E3.cable for infinite」との連携プロセス、ならびに既存回路設計システム「CR-5000 Cabling Designer」との連携プロセス双方に対応し、上流情報を基にして下流工程の情報を自動的に生成していくジェネラティブデザインプロセス適用環境の更なる拡充に取り組みました。これによりメーカ、サプライヤ間の様々な協業形態への適用と、新システムへの移行促進の仕組みを構築しました。

電気CAD「ACAD-DENKI」では、ダクト・DINレール入力等の盤設計機能を強化し、また回路図・盤図・部品表の自動照合により、お客様の設計品質を向上させる機能を実装しました。

エンジニアリングPLMプラットフォーム「DSシリーズ」では、設計インフラから DX インフラへの進化をテーマに各種の取り組みを行いました。EDM領域とエンタープライズ領域の協調連携として「PLM Interface」にて引き続き大手PLMソリューションベンダーとの連携強化に取り組みました。また、MBSEやジェネラティブ・デザインなどによる新たな設計手法への対応範囲拡大にも継続して取り組みました。回路基板設計領域に対応する「DS-CR」では大規模データの対応のため、DS-CRクライアントで使用できるメモリ上限の拡張やHTML5に準拠したWebクライアント「DS-Web」の機能強化をおこないました。また、AI技術を活用したナレッジ検索ツール「Knowledge Explorer」との連携により設計変更プロセスでのナレッジ活用を可能にしました。ワイヤハーネス設計領域に対応する「DS-E3」では「E3.series」の各種データ管理機能強化やデータベース汎用化、Webクライアント対応に取り組みました。ワイヤハーネス分野の新ソリューション「E3.infinite」への対応として、新たに「DS-E3.infinite」をリリースしました。「DS-OP」ではPLM/CAEベンダー各社とのアライアンスによる、各種PLM/CAE製品の混在した環境の対応や他社CAD管理のための機能拡張を継続して行いました。

電気制御設計分野では、3Dモデルに対して加工穴を容易に開けるための編集ツールを開発し、「Cubicle PLAN 3D」の機能強化を図りました。

機械設計分野では、dwg互換CADであるBricsCADにアドオンする2D機械設計用CADアプリケーションの後継製品の開発に着手しました。

エンタープライズPLM分野では、「visual BOM」において、ワークフローの回覧時においてチャットなどのコミュニケーションツールへの通知機能を開発し、情報共有の迅速化を実現しました。また、類似形状検索機能の精度を向上させ、類似製品の検索性や流用性の向上を図りました。設計者向け見積ツールにおいては、類似形状から類推して単価を見積りする機能を開発し、見積の半自動化を実現しました。

ナレッジマネージメント分野では、「Knowledge Explorer」において、クラウドストレージとの連携強化に取り組みました。電子部品メーカの品質保証部門向け初動強化ソリューション「Qualityforce」においては、ヒートマップ、ネットワーク図などの各種データの図式化やレポート機能を開発し、より直観的な分析や詳細な分析の支援を図りました。

ストリーミング製品分野では、監視カメラ等の映像データとIoTシステムやFA機器等から得る情報とを容易に連携させる映像/IoT連携プラットフォーム「FA Finder」に、新たにAI機能の連携が実現するソリューションを開発しました。また、ストリーミング技術を活用した監視カメラ等の標準化規格であるONVIFによる、汎用的なAI連携の映像システム構築が容易となるONVIF新Profile「Profile M」を開発しました。

米国シリコンバレー「Zuken SOZO(創造)Center」においては、米国を拠点とするグローバルユーザの要望を受けた製品開発を推進し、日本と欧州の開発拠点と協力して「CR-8000 Design Force」の半導体/パッケージ/基板のコデザイン機能開発、「CR-8000」や他社CADで作成した設計データの製造製検証環境として「DFM Center/ADM」のルール拡張などに継続して取り組みました。

MBD分野では、電子機器のサーマルマネジメントのための、モデルベースデザインを利用した暗黙知のデジタル化手法を研究し、放熱経路設計のためのModelica熱設計ライブラリを開発し、ベテラン設計者による放熱経路モデルの構築難易度及びその再利用性を検証しました。

 

(2) 欧州

欧州における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は1,562百万円であります。

電子回路・基板設計分野では、「CR-8000 Design Force」におけるAIエンジンを活用した自動配置配線の効率化の研究開発に継続して取り組んでいます。また配線作業の効率化として、指定領域へのミアンダ発生による配線長制御、自動配線でビア発生制御や配線幅指定を可能にしました。「CR-8000 Analysis module」においては大幅なリニューアルを行っています。マルチコアを利用した劇的なパフォーマンス向上や、S-ParameterモデルやEBDモデルなどを活用した、より高精度な解析環境を提供するための開発に取り組んでいます。

ワイヤハーネス分野では、複雑・大規模化する製品設計支援に向けて「E3.series」に様々な図面形式で表現される制御回路・ケーブル情報の一元管理による動的な整合維持設計と複数拠点や企業間における分散・平行設計の両方の設計製造プロセスに対応するアーキテクチャを実現し、第1号製品として「E3.infinite」向け回路設計システム「E3.cable for infinite」を開発・リリースしました。また、大容量電流を取り扱う配電盤や制御盤に用いられるバスバーモデルのサポートや、Web上での回路ビューイング機能、ハーネス部品設計情報への3Dメカニカル形状自動反映機能の連携先MCADの拡充、ケーブル自動製造装置との連携機能拡充など、お客様のデジタルデータ連携・DX化促進を支援する機能の開発に取り組みました。

 

(3) 米国

米国における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は71百万円であります。

システムズ・エンジニアリング分野では、新たに自動車産業への適用も視野に「GENESYS」の機能強化とユーザの利便性向上に取り組み、「CR-8000」や「E3.series」へのインターフェイス強化にも注力をしました。

 

(4) アジア

該当事項はありません。