第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を中心にその他のモノづくり企業を含め幅広いお客さまの設計・製造の効率化、生産性の向上を図り、製品の開発、製造を支えることにより、モノづくり産業の発展に貢献することを基本方針としております。これに向け、当社グループは、常に市場ニーズの変化に的確に対応し、最適なソリューションの提供に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループの主要な市場であるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業は、新興国における需要の拡大や環境対応などの技術革新の必要性などから、当社グループの果たすべき役割はますます重要となってきております。また、製造業全体において製品のエレクトロニクス化が急速に進んでおり、当社グループが取り組むべき市場も拡大してきております。当社グループでは、こうした状況の中、引き続きソリューションビジネスを推進するとともに、新たな市場や技術領域への積極的な展開などにより、事業の拡大や伸長を図りつつ、株主のみなさまの長期的な利益を確保するという観点から、1株当たり当期純利益の持続的な伸長をひとつの指標として経営を推進しております。

 

(3) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題

今後の経済環境につきましては、コロナ禍による制限が緩和され、経済活動の正常化が続いていくものの、長期化するウクライナ情勢やインフレ対策などの影響が見通せない中、先行き不透明な状況は続いていくものと思われます。その一方で、技術革新や製品の複雑化などから、世界のモノづくりを取り巻く環境は劇的に変化しており、当社グループが取り組むべき事業領域は、今後も拡大していくことが見込まれます。

このような中にあって、当社グループは、お客さまが抱える課題に真正面から取り組み、モノづくりのプロセス全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する革新的なソリューションを提供してまいります。

このために、当社グループの対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 

① 主力製品の拡販とMBSE分野への取り組み

エレクトロニクス製造業向けの電気設計システム「CR-8000」シリーズにおいては、AIによる自動配置配線機能や解析機能の強化などの開発を加速させてまいります。また、自動車関連・産業機器製造業向けのワイヤハーネスの設計システム「E3.series」においては、制御盤設計にかかわる機能を大幅に拡充し、北米最大の制御盤メーカーとの協業により販売チャネルを広げて拡販に注力してまいります。

さらに、MBSE分野においては、モデリングツール「GENESYS」の製品力強化や既存製品と連携した製品の開発に注力し、当社製品を利用しているお客さまの導入を支援してまいります。また、既にMBSEの手法に取り組んでいる市場のみならず、幅広い市場にこの新しい設計手法の導入効果を示し、積極的な提案活動を行ってまいります。

 

② モノづくり企業のDXを支援する取り組み

モノづくりの大規模化や複雑化、さらには設計方法の多様化などにより、モノづくりにおける課題は多岐にわたり、これらを解決するためプロセス全体をデジタル化し変革していくことが急務となっております。

これに対して当社グループは、新たな開発手法や革新的な技術も積極的に取り入れながら、ソフトウェアやサービスの提供を通じて今まで培った技術やノウハウを活かしたコンサルティング力の強化にも注力し、これらを一体的なソリューションとして提供してまいります。

これにより、モノづくりのプロセス全体のデジタル化を実現し、更なる変革を支援するソリューションの提供に向けて、グループの総力を結集して取り組んでまいります。

 

以上の取り組みにより、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社グループは、ITによってモノづくり企業のエンジニアリング・プロセスを効率化していくことを事業の目的としております。エンジニアリング・プロセスの効率化は、設計や製造のみならず、調達、サービス業務の効率化を通じて、サプライチェーン全体で地球環境の負荷の低減にも大きく貢献することができます。また、当社のソフトウェアの利用により、省エネルギー、小型・軽量化を目指すモノづくり企業の製品が普及することは広く持続可能な社会の実現にもつながります。

 このことから、当社グループは、事業目的自体がサステナビリティに密接に関係したものであると認識しております。「持続可能な社会の実現」という視点を経営戦略および成長戦略立案の中に、より明確に取り入れ、提供できる製品やソリューションの幅をさらに拡げていくことで、持続可能な未来に貢献していく企業を目指します。

 

(2)サステナビリティに関する取組

 当社はサステナビリティに関して、以下のとおり、「ガバナンス」および「リスク管理」の枠組みを構築し、課題に対し戦略、指標及び目標を定めて取り組んでおります。なお、グループ会社においては各社の事業内容に応じ、主体的に取り組んでおります。

 

①ガバナンス

 当社は、変化の激しい事業環境に迅速かつ機動的に対応し、適法かつ適正で健全性の高い企業活動を行うことをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としています。

 サステナビリティの推進体制につきましても、取締役副社長をプロジェクトリーダーとして、総務部門、人事部門、広報部門を中心としたプロジェクトチームにより、各事業部門及び各グループ会社と連携を図りながら、各施策の推進に取り組んでおります。

 

②リスク管理

 サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価及び管理につきましては、サステナビリティプロジェクトの各施策の進捗状況を取締役会へ報告のうえ、取締役会が活動方針や取り組み状況について監督・承認する体制となっております。

 

③重要課題

 当社では、上記(1)のサステナビリティに関する考え方に基づき、当社グループの事業に及ぼす影響やステークホルダーからの期待を踏まえて課題を抽出し、上記枠組みに基づき、次の3項目の重要課題を特定いたしました。

 

1.エンジニアリングITによる持続可能なモノづくりへの貢献

お客さまにおける技術伝承や人材不足、システム老朽化などの課題解決を支援するため、製造業のスマート(知能)化を促進するソリューションへの開発投資を強化します。また、当社のエンジニアリングITの知見を活かし、お客さまのデジタル人材の育成やリスキリングを支援するサービスを拡充します。

2.人的資本の拡充

当社のソフトウェア事業の源泉である人的資本を最大化するため、多様な人材がいきいきと働き、長期にわたりキャリア形成ができる職場環境を目指します。また、社員が持つ能力・可能性を最大限引き出すための人材マネジメントを強化します。

3.機動的かつ健全なガバナンスの確立

変化の激しい事業環境に迅速かつ機動的に対応し、適法かつ適正で健全性の高い企業活動を行うため経営体制を強化します。

 

④戦略、指標及び目標

 当社は上記(1)③の重要課題を実施するため、以下のとおり戦略、指標及び目標を定めております。

ⅰ)「1.エンジニアリングITによる持続可能なモノづくりへの貢献」及び「2.人的資本の拡充」について

 当社は、人的資本が源泉となるソフトウェア製品を開発し、販売する企業であることから、人的資本を最大化することが重要であると考えております。社員が持つ能力・可能性を最大限引き出せるよう、多様な人材がいきいきと働き、長期にわたりキャリア形成ができる職場環境を目指し、人材育成と人材確保の施策を重点的に行うこととしております。

 人材育成の点では、次世代リーダーを対象とした人格形成研修、新任管理職を対象としたマネジメント研修及びコンプライアンス研修、グローバルビジネスを担う人材を育成するための英語研修などを実施しているほか、新入社員の自作ロボットコンテストへの参加をバックアップするなど、当社の将来を担う人材の育成に力を入れております。

 人材確保の点では、多様な価値観が企業の成長につながると考え、男女、国籍を問わず適材適所の人材採用や人材配置を行っています。当社は女性の基幹職(各職場・業務における中核的な役割を果たす職種)への積極的な登用を促進していきたいと考えており、女性のキャリア形成支援として、女性が安心して長期間働くことができる職場環境や制度を備えております。具体的には、各種休暇制度や小学校3年生修了までを対象とする法定期間を上回る短時間勤務制度などを導入し、仕事と育児の両立を支援しております。また、女性の採用については、2026年の女性採用比率の目標を25%とし、目標達成に向けた取り組みを推進しており、直近3年の平均の女性採用比率は約19%となっております。

 

ⅱ)「3.機動的かつ健全なガバナンスの確立」について

 当社のガバナンスの概要につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」及び「(3)監査の状況 ①監査役監査、内部監査及び会計監査の状況」を参照願います。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 特定の市場への依存について

当社グループは、エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションの提供を主要な事業としております。そのため、当社グループの業績は、かかる製造業における景気の動向や設備投資の動向の影響を受ける場合があります。新たな有力市場、技術領域への取り組みなど事業の拡大に努めておりますが、製造業における業績の低迷や設備投資の停滞が継続した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) ソリューションの開発について

当社グループは、お客さまのニーズに応えた最適なソリューションを提供するため、最新のトレンドや技術を取り入れた新製品の開発や機能強化などを鋭意行っております。また、品質の向上とその管理の徹底に努めるとともに、欠陥等の不具合を生じないよう、また生じた場合にも迅速に修補等の対応を行うよう万全の体制を敷いて事業に取り組んでおります。しかしながら、計画通りに開発が行われなかった場合は、営業機会の喪失や事業展開の遅延などが生じるおそれがあります。また製品に重大な不具合があった場合は、修補対応や瑕疵担保責任の負担のほか、ソリューションに対する信用の低下などが生じるおそれがあります。これらが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、コンピューターテクノロジーとITを用いたソリューションビジネスの展開、継続において、著作権、特許権、商標権その他の知的財産権の確保が極めて重要なものと考えております。しかしながら、その取得に官公庁の審査を要するものについては、必ずしも取得できるとは限りません。また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分配慮して製品を開発しておりますが、当社グループの製品が他社の知的財産権を侵害しているかどうかを全て調査、把握することは事実上困難であります。当社グループの製品、技術、商標等が第三者の知的財産権を侵害し、ロイヤリティーの支払や使用差止、損害賠償を請求された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 有力パートナー企業との提携関係について

当社グループは、確固たる事業基盤の構築や新規事業への進出を図るため、製品開発・販売面などにおいて、多数の有力パートナー企業と長期的な提携関係を築いております。しかしながら、これらパートナー企業が破産、倒産した場合や買収された場合、又は戦略上の目標を変更した場合、提携関係は解消されるおそれがあります。複数の、又は重要な提携関係が解消された場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 子会社の設立、資本提携、企業買収等について

当社グループは、事業の拡大や補強等のため、事業展開に応じて、子会社、関連会社の設立や、協力会社との資本提携、有力企業の買収等を行っております。しかしながら、これらを行った場合、当初の計画通りに業績が伸長しないおそれや、コスト負担が増大するおそれがあります。これら会社の経営成績、財政状態が悪化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 海外展開について

当社グループは、欧米やアジア各国に事業を展開しております。しかしながら、海外市場においては、①政治、経済環境の急激な変動、②為替レートの変動、③法律、規制の予期しない変更、④人材確保の困難、⑤テロ、戦争、伝染病その他による社会的混乱などのリスクを内包しております。これらが顕在化した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(7) 機密情報及び個人情報の管理について

当社グループは、システムの開発業務や各種コンサルティング、検証・支援業務などにおいて、お客さまの設計データや新製品情報などの重要機密情報を知る機会があります。また、お客さまや株主、社員等に関する個人情報を多数保有しています。社内情報システムの整備、機密保持契約の締結、社内規程・ガイドラインの制定、社員の教育など情報管理の徹底に努めておりますが、万一機密情報又は個人情報が当社グループより漏洩し、損害賠償の請求や信用の失墜などが生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 退職給付債務及び費用について

当社グループは、当社及び一部の連結子会社において確定給付型の退職一時金制度を、また一部の海外連結子会社において確定給付型の退職年金制度を設けております。しかしながら、退職給付債務及び費用の算出条件の変動や年金資産の運用状況の悪化、また退職給付に関する法制度や会計基準の変更などにより、退職給付債務及び費用が増加するおそれがあります。これにより、退職給付債務及び費用の負担が多大なものとなった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(注)英国の連結子会社における退職年金制度については、2021年11月にバイアウトにより保険会社へ移転することを決定いたしました。同年金制度は英国の経済動向により、当社グループの会計・財務に影響を与えてきましたが、このバイアウトの実施により将来の年金資産の運用リスクや財政悪化リスク等の不確実性を大幅に削減することが可能となります。

 

(9) 自然災害及び感染症の流行等について

当社グループは、日本及び世界各国に事業活動の拠点を有しております。災害の防止やその対策には十分な注意を払っておりますが、大地震や火災、感染症の流行等により、重要な開発・営業拠点に壊滅的な損害が生じるおそれや社員が就業できなくなるおそれがあります。これにより、事業活動が中断、遅延し、その復旧等に多大な費用が生じた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①当連結会計年度の概況

当連結会計年度の経済環境は、ウクライナ情勢の長期化や世界的なインフレ加速などにより先行きの不透明感は増したものの、新型コロナウイルス感染症が収束段階に入ったことにより経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業におきましては、堅調な企業収益などを背景に、設備投資全体は底堅く推移しており、IT投資も引き続き活発な状態が続いております。

このような中にあって、当社グループは、世界のモノづくり企業の設計・製造にかかわる様々な課題の解決に向けて最適なソリューションを提供していくエンジニアリングITカンパニーを目指し、主力製品の拡販や新しい開発手法の導入支援に注力してまいりました。当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。

 

(ⅰ) 主力製品の拡販

エレクトロニクス製造業向けの主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズおよび自動車関連・産業機器製造業向けのワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の拡販に注力し、欧米や日本において広く販売を伸ばしてまいりました。また、輸送機器製造業向けに販売を開始したワイヤハーネスの設計システム「E3.infinite」においては、現在の設計環境からリプレースするための効果検証の引き合いも多く、本格的な導入に向けて積極的な営業活動を行ってまいりました。さらに、これらに対応するデータ管理システムDSシリーズにおいて、設計システムからデータ管理システムまで一貫したソリューションとして販売を推進し、大規模プロジェクトにつなげて売上を伸ばしてまいりました。

なお、営業活動全般において、Webコミュニケーションツール「ZUKEN digital」による営業活動に加え、コロナ禍の行動制限の緩和に伴って対面での活動も活発化させ、提案内容に応じて効果的な営業活動を行ってまいりました。

 

(ⅱ) 構想企画段階から設計を最適化する新しい開発手法

モノづくりの大規模化や複雑化により、お客さまの設計・製造プロセス全体のデジタル化や効率化への対応が大きな課題となっております。これに対して当社グループは、電気・機械・ソフトウェアなどの様々な分野の技術が複雑に関連し合う製品開発において、設計プロセスの上流である構想企画段階から設計を最適化するMBSEの手法の導入支援に注力してまいりました。

MBSEモデリングツール「GENESYS」においては、日本市場向けの開発を進め、操作性やパフォーマンス、検索機能の大幅な改善を図り、製品力の更なる向上に取り組みました。また、「GENESYS」と「CR-8000」シリーズをつなぐ「GENESYS-CR」においては、品質や信頼性を高める機能強化などを行い、MBSEの導入を検討するお客さまに向けて本格的に販売を開始いたしました。

 

②当連結会計年度の業績

(連結業績)

売上高

350億7千3百万円

(前期比 11.3%増)

経常利益

 47億3千5百万円

(前期比 13.4%増)

親会社株主に帰属する

当期純利益

 31億9千6百万円

(前期比  6.4%増)

 

 

以上の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は、前期を大きく上回り、2期連続で過去最高を更新いたしました。これは、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、データ管理システムDSシリーズの販売が堅調に推移したことによるものです。

また、利益面につきましても、売上高が大きく伸びたことから大幅な増益となり、営業利益、経常利益ともに過去最高を更新いたしました。

 

基板設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Force

CR-8000 Board Designer

CR-8000 DFM Center

CADSTAR

eCADSTAR

 

回路設計ソリューションの主な製品

CR-8000 Design Gateway

CR-8000 System Planner

E3.series

E3.infinite

Cabling Designer

Harness Designer

 

ITソリューションの主な製品

DS-CR

    エクスプレッソ

DS-2 Expresso

DS-E3

DS-E3.infinite

GENESYS

プリサイト ビジュアル  ボム

PreSight visual BOM

 

 

(セグメントの業績)

報告セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。

・日本

データ管理システムDSシリーズを中心にITソリューションの売上が順調に推移したことや、販売ライセンス数等の増加によりクライアントサービスが伸長したことなどから、売上高は257億7千9百万円(前年同期比 9.2%増)となりました。営業利益は売上高の増加などから36億5千9百万円(前年同期比 18.4%増)となりました。

・欧州

ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」を中心に回路設計ソリューションの売上が増加したことなどから、売上高は74億7千5百万円(前年同期比 17.5%増)となりました。営業利益は売上高の増加などにより4億3千2百万円(前年同期比 40.1%増)となりました。

・米国

ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」を中心に回路設計ソリューション及びクライアントサービスの売上が堅調に推移したことなどから、売上高は28億9千2百万円(前年同期比 25.0%増)となりました。営業損益は研究開発費の増加などから営業損失1億1千3百万円(前年同期 営業利益1億2千5百万円)となりました。

・アジア

韓国で回路設計ソリューション及びクライアントサービスの売上が増加したことなどにより、売上高は16億9千万円(前年同期比 10.1%増)となり、営業利益は4億1千2百万円(前年同期比 10.3%増)となりました。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で28億7千9百万円の収入、投資活動で7億4千7百万円、財務活動で10億2千3百万円の支出となったことから、前連結会計年度末に比べ14億9千9百万円増加し、当連結会計年度末は283億9千9百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、28億7千9百万円(前期比 16億3千2百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益46億4千9百万円(前期比 14億7千6百万円減)の計上、前受金の増加額18億8千6百万円(前期比 4億1千3百万円増)、減価償却費7億3千2百万円(前期比 2千5百万円増)などの増加要因と、法人税等の支払額31億6千7百万円(前期比 20億3千1百万円増)、前払費用の増加額8億
2百万円(前期比 2億5百万円減)などの減少要因との差引合計によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、7億4千7百万円(前期は47億3百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得による支出8億6千万円(前期比 1億4千2百万円増)などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、10億2千3百万円(前期比 2億5千7百万円増)となりました。これは主に配当金の支払額9億5千3百万円(前期比 2億3千2百万円増)によるものであります。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社グループの売上高は、受注に基づくソフトウェア及びそれに付随するコンサルティングが主体であり、生産高と極めて近似しております。従って、セグメント別生産実績については、有用性が乏しいとの判断から記載を省略しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

日   本

25,499,907

105.9

11,691,679

110.8

欧   州

6,278,877

107.3

2,705,320

104.1

米   国

3,143,001

128.8

2,185,245

129.0

ア ジ ア

1,626,323

116.9

627,367

119.4

合   計

36,548,110

108.3

17,209,613

111.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

日   本

24,364,789

108.6

欧   州

6,331,010

117.2

米   国

2,807,206

124.9

ア ジ ア

1,570,414

110.5

合   計

35,073,421

111.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(参考)製品区分別実績は次のとおりであります。

①受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,104,044

94.7

961,463

102.1

回路設計ソリューション

7,715,005

111.6

1,468,171

96.9

ITソリューション

8,313,597

106.9

1,843,363

103.0

クライアントサービス

16,407,471

111.4

12,934,413

116.2

その他

7,990

81.1

2,200

568.4

合計

36,548,110

108.3

17,209,613

111.9

 

②販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分

金額(千円)

前期比(%)

基板設計ソリューション

4,123,936

96.7

回路設計ソリューション

7,817,245

113.5

ITソリューション

8,290,717

115.2

クライアントサービス

14,835,344

112.8

その他

6,176

60.2

合計

35,073,421

111.3

 

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析等の内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より33億9千2百万円増加して624億9千8百万円(前期比 5.7%増)となりました。流動資産は27億3千4百万円増加して479億9千3百万円(前期比 6.0%増)、固定資産は6億5千8百万円増加して145億4百万円(前期比 4.8%増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が13億1千5百万円、前払費用が8億2千4百万円増加したことなどであります。固定資産の増加の主な要因は、関係会社株式が2億6千4百万円、投資有価証券が1億2千8百万円増加したことなどであります。

当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末より6億5千2百万円増加して211億4千2百万円(前期比 3.2%増)となりました。流動負債は4億4千万円増加して169億2千2百万円(前期比 2.7%増)、固定負債は2億1千2百万円増加して42億1千9百万円(前期比 5.3%増)となりました。流動負債の増加の主な要因は、前受金が21億8百万円増加したことと、未払法人税等が17億8千万円減少したなどの差引合計によるものであります。固定負債の増加の主な要因は、退職給付に係る負債が1億7千8百万円増加したことなどであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より27億3千9百万円増加して413億5千5百万円(前期比 7.1%増)となりました。株主資本は22億4千2百万円増加して388億5千5百万円となりましたが、この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を31億9千6百万円計上したことと、配当金9億5千3百万円の支払いとの差し引きなどで、利益剰余金が22億4千3百万円増加したことであります。その他の包括利益累計額は、為替換算調整勘定が2億6千3百万円増加したことなどから、4億2百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.7%から0.7ポイント増加し、65.4%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績につきましては、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、主力のデータ管理システムDSシリーズの販売が堅調に推移したことにより、売上高は350億7千3百万円(前期比 11.3%増)となって前期を大きく上回り、過去最高を更新いたしました。利益面につきましては、原価率の高い外部仕入品の売上割合が増加したことなどにより売上原価が増加したものの、売上高の増加により売上総利益は239億4千2百万円(前期比 9.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は195億1千4百万円(前期比 9.1%増)となり、営業利益は44億2千8百万円(前期比 13.4%増)と、前連結会計年度を上回りました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、3億7百万円の収益の計上となりました。これは主に、営業外収益として持分法による投資利益が2億6千8百万円、助成金収入が9千6百万円計上されたことと、営業外費用として為替差損が1億4千7百万円計上されたことなどの差引合計によるものであります。

以上の結果、経常利益は47億3千5百万円(前期比 13.4%増)となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、8千6百万円の損失の計上となりました。これは主に、特別損失として投資有価証券評価損が8千7百万円計上されたことなどによります。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は46億4千9百万円となり、法人税等と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は31億9千6百万円(前期比 6.4%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は137円48銭(前期は129円16銭)となりました。

なお、セグメントごとの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況 (セグメントの業績)」を参照願います。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における当社グループの資金(連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」)残高は、前連結会計年度末より14億9千9百万円増加して283億9千9百万円となり、当社グループの流動性は、十分な水準にあると考えられます。また、財務状態につきましては、流動比率は283.6%、自己資本比率は65.4%であり、健全な財務状態であると認識しております。

将来の事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金並びに株主還元等につきましては、営業活動により得られた資金及び内部資金より調達しております。また、資金の運用につきましては、信用リスク、金利等を考慮し、安全性を第一と考え、元本割れの可能性が極めて低いと思われる金融商品で行っております。

なお、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」を参照願います。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

なお、現時点において連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に与える重要な影響は認識しておりません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、設計・製造の効率化という課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開しております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を主要な市場とするほか、ソリューションを拡充し、設計・製造プロセス全体の最適化を提供していくこと等により、新たな市場、技術領域への取り組みを積極的に展開し、事業基盤のさらなる拡大を図っております。そのため、各種ソリューションの開発・強化の進捗やその品質・信用性の向上、エレクトロニクス、自動車関連・産業機器を中心に製造業における設備投資の動向、さらには有力企業や関連会社との良好な協業・連携の維持といった要因が経営成績に重要な影響を与えるものと思われます。詳細につきましては、「3.事業等のリスク」を参照願います。

 

(6) 今後の見通し

今後の経済環境につきましては、コロナ禍による制限が緩和され、経済活動の正常化が続いていくものの、長期化するウクライナ情勢やインフレ対策などの影響が見通せない中、先行き不透明な状況は続いていくものと思われます。

このような中にあって、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、日本、欧州及び米国の各セグメントにおいて行っております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業の分野を中心にモノづくり企業における設計・製造の効率化に関するソリューションを研究開発対象としており、保有する技術を相互補完することにより研究開発の成果増大に効果をあげております。当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,604百万円となっております。

 

(1) 日本

日本における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は2,744百万円であります。

電子機器設計支援における新規分野として、引き続き構想設計段階におけるシステム全体の要件検討やプランニングを行うMBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)ツール「GENESYS」と「CR-8000」や「DS-CR」「DS-E3」の連携強化によるMBSE並びにMBD(モデルベースデベロップメント)領域のソリューション拡充に取り組みました。また、AI(人工知能)エンジンによる基板配置配線の効率化と自動化、ナレッジデータベースとAIを組合せた設計支援、AI活用による設計操作支援など様々なプロジェクトにも取り組み、各種新製品をリリースしております。既存の分野においても、複雑化や大型化によりかつ高コスト高難易度となった試作検証を低減するため、シミュレーション活用による設計品質の向上や、隣接する設計プロセスとの協調設計にも継続して取り組みました。

MBSE/MBD領域のソリューションとしては、MBSEツール「GENESYS」と回路設計ツール「CR-8000 Design Gateway」の連携を行う「GENESYS-CR DG-Connector」の機能強化に加え、構想設計ツール「CR-8000 System Planner」との連携を行う「GENESYS-CR SP-Connector」をリリースし、要求分析・機能設計と構想設計・回路設計をシームレスにつなげることで設計のトレーサビリティを実現しました。また、「GENESYS-Simulink I/F」を開発し、「GENESYS」によるシステム定義段階でのシステムの動作検証も可能になりました。

回路・基板を中心とした電子機器設計支援EDA分野においては、システムレベルマルチボード設計環境「CR-8000 Design Force」において、欧州開発部門と取り組んできたAI技術を活用した世界初の自律型インテリジェント自動配置配線システム「Autonomous Intelligent Place and Route」をリリースしました。また、解析環境の機能向上においては、3次元技術による設計支援として、EMC Adviserを3D空間でのエレメカ要素やシステムレベル設計に拡張させた「3D EMC Adviser」を開発しました。更にSI/PI/EMI解析モジュール「CR-8000 Analysis module」の大幅なリニューアルに取り組み、劇的なパフォーマンス向上を実現した「Analysis Module Advance Multicore」をリリースしました。新設計技術に対するテーマでは各種センサーやフィルターなどのMEMS設計を支援する高速で高精度の半導体微細設計ツール「MEMS Designer」の拡張開発をいたしました。その他、AIを活用してECUコネクタなどのピンマッピングを自動で最適化を可能にした新製品「AI GPM (Advanced Intelligent General Pin Mapping)」をリリースしました。

システムレベル回路設計環境「CR-8000 Design Gateway」では、モジュラーデザイン/ブロック設計環境の強化として、過去に設計したモジュールを検索し、設計中のデザインに流用配置を可能とする機能や、接続先モジュールの一覧が容易に確認できる機能を開発しました。また、電気回路検証環境の強化として「サーキットアドバイザ」の疑似エラーを削減する機能改善や、ネット電圧値計算でピンモデル対応を拡張することによる検証精度の向上を行いました。操作性の改善としてはAI搭載音声認識モジュールと接続して音声によるコマンドの実行が可能になりました。

システムレベル構想設計環境「CR-8000 System Planner」では、MBSE領域との連携をはじめモジュラーデザインやブロック設計対応の強化など、構想設計ツールとして更なる機能強化に取り組みました。具体的にはトレーサビリティを確保するため「CR-8000 Design Gateway」の回路ブロックと選択同期する機能やモジュラーデザイン用の回路図データを出力する機能を開発しました。

基板製造設計支援システム「CR-8000 DFM Center」では、製造プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)化をテーマに作業コストを削減するための機能開発に取り組みました。具体的にはオートメーション対応として設計データを各種生産データに出力するまでの一連の処理をバッチで実行できるように開発しました。また、差分比較機能では形状だけではなくオブジェクト属性なども比較可能とし、デジタル情報視点の効果的な差分状況の把握を実現しました。

回路・基板統合設計環境では、「CR-5000 System Designer」のサポートが終了となり「CR-8000 Design Gateway」へのスムーズな環境移行を支援するセミナー「Design Gateway エクスペリエンス」を継続して行いました。「CR-8000シリーズ」に統合した「Board Designer」ではテストポイントのレポート出力にコメントの追加を可能にするなど操作性や作業性の向上を行いました。

ワイヤハーネス分野では、輸送機器市場向けの次世代システム「E3.infinite」において、製造要件を満たすようワイヤ色を自動選定する機能やヒューズ・リレーボックスへの自動配線ルール拡張を行い、設計自動化機能を更に強化しました。また、ワイヤ許容電流やヒューズ負荷率などの電気的特性を設計初期段階で検証し、設計初期品質の向上を支援するオプションモジュール「Electrical Verifier」をリリースしました。3D-MCADとの連携では、メカ設計における設計変更をハーネス設計に自動反映する機能拡張を行いました。プラント/工場の電気工事設計向けに「E3.series」のアドオンパッケージ製品「E3.EC options」ではケーブルダクトを埋設するケースへの対応やケーブル自動配線の強化に取り組みました。

エンジニアリングPLMプラットフォーム「DSシリーズ」では、設計インフラから DX インフラへの進化をテーマに各種の取り組みを行いました。エンジニアリングチェーンを繋ぐデジタルスレッド環境を実現するためのEDM領域とエンタープライズ領域の協調連携として「PLM Interface」による大手PLMソリューションベンダーとの連携強化に継続して取り組みました。また、MBSEやジェネラティブデザインなどによる新たな設計手法の対応範囲拡大にも継続して取り組みました。回路基板設計領域に対応する「DS-CR」では部品の検索結果から類似する部品を検索できる「類似検索」機能の開発や、デジタルデータ共有/共創環境として各種Webサービスとの連携が可能な「DS-Web」の機能強化を行いました。ワイヤハーネス設計領域では、従来の「E3.series」組み込み版の「DS-E3」に加えて、電装設計プロセスの課題解決として新たに「DS-E3.series」をリリースし、「E3.series」の各種データ管理やデータベースの汎用化、Webクライアント対応に取り組みました。ワイヤハーネス分野の新ソリューション「E3.infinite」において、ジェネラティブデザインを支える設計プラットフォームとして「DS-E3.infinite」の機能強化に取り組みました。「DS-OP」ではPLM/CAEベンダー各社とのアライアンスによる各種PLM/CAE製品の混在した環境の対応や他社CAD管理のための機能拡張を行いました。

機械設計分野において、dwg互換CADであるBricsCADにアドオンする2D機械設計用CADアプリケーションの後継製品の開発を継続しております。

エンタープライズPLM分野では、「visual BOM」において、各「visual BOM」シリーズのBOM情報やドキュメント等をひとつの場所で関連付けて管理する「ボックス管理」機能を開発しました。また、製造業向けのコスト見積を管理する製品「COSTLink Qeep」をリリースしました。設計初期段階から製造段階までの間のコストをフェーズごとに管理し、コストの遷移や課題を可視化することでコスト改善を支援します。

ナレッジマネージメント分野では、「Knowledge Explorer」において、「visual BOM」に登録されたドキュ メントを対象に全文検索やナレッジを抽出する機能を開発しました。品質保証部門向けクレーム情報活用ソリューション「Qualityforce」においては、他システムに入力されたクレームデータの取込および分析に加え、「Qualityforce」に直接入力・編集する「クレーム管理機能」を開発しました。

ストリーミング製品分野では、安全性の向上を実現し、車載分野での更なる活用拡大を目的として、車載Ethernetに関する標準化団体OPENAllianceが策定したTC8 Ethernet ECU Testに対応する、KASAGO IPv4、IPv6/v4 (dual)の機能拡充を行いました。また、5G・DXの進展に伴い、高速・大容量・超低遅延・多数同時接続を実現するシステム開発に必要不可欠なストリーミング技術を更に進化させることを目的として、低遅延ストリーミング技術を強化する基礎研究を行いました。

MBD分野では、水冷を含む電子機器冷却のための熱流体モデルを開発し、併せてモデルベースデザインによる製品の機能モデル化手法をテキスト化することで技術継承のための環境構築を行うなど電子機器のサーマルマネジメントのための、モデルベースデザインを利用した暗黙知のデジタル化手法を研究しました。

米国シリコンバレー「Zuken SOZO(創造)Center」では、米国のグローバルユーザの要望を日本、欧州の開発拠点と協力して「CR-8000 Design Force」の汎用機能への反映を行いました。「CR-8000」や他社CAD設計データでも製造性検証環境が行えるよう「DFM Center/ADM」のルール拡張に取り組みました。

 

(2) 欧州

欧州における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は1,722百万円であります。

電子回路・基板設計分野では、「CR-8000 Design Force」におけるAI技術を活用した世界初の自律型インテリジェント自動配置配線システム「Autonomous Intelligent Place and Route」と事前学習させた特徴DB「Basic Brain」をリリースしました。「Basic Brain」には人間の配線設計を模倣するMimic Routerを搭載しました。SI/PI/EMI解析モジュールでは「Analysis module」の大幅なリニューアルに取り組み、新たに「Analysis Module Advance Multicore」をリリースしました。64bitネイティブ環境とマルチコアを利用した劇的なパフォーマンス向上や、S-ParameterモデルやEBDモデルなどを活用したより高精度な解析環境を開発しました。

ワイヤハーネス分野では、「E3.series」において、制御盤などのパネル製造性や保守性を高めるため角度を付けた部品配置モデルのサポートや3D表現拡張、更なるデジタルデータ連携、DX化に向けたワイヤ切断装置やパネル製造支援装置などの連携機器の拡充を行いました。操作面ではハーネス部品設計情報への3Dメカニカル形状反映時に操作が容易になる取り組みを行いました。また、「E3.cable for infinite」に搭載した制御回路、ケーブル情報を一元管理し、動的に整合性を維持した設計や複数拠点、企業間における分散、並行設計時の設計製造プロセスに対応する「E3.panel」などの機能拡充に取り組みました。

 

(3) 米国

米国における主要な研究開発活動は以下のとおりであり、研究開発費は137百万円であります。

モデルベース・システムズ・エンジニアリング分野では、「GENESYS」の使い易さとパフォーマンスを強化しました。ダイアグラムの自動レイアウトや自動配線エンジンの改善、システムモデル検証時の凡例自動生成などモデリングのアシスタント機能を拡充し、操作性が向上しました。更にプロジェクト内の統計情報の表示、C#言語APIのサポート、各種情報の読み込み速度の向上、スキーマとクエリ処理の合理化を実現しました。

 

(4) アジア

該当事項はありません。