第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術により、お客様のために新しい価値を創造し、安全で豊かな社会(人と地球にやさしい情報社会)の実現に貢献することを経営の基本理念としております。

 この理念を実現するため、グループ企業行動憲章並びにグループ行動規範を制定して、企業倫理、コンプライアンスの徹底に努め、また、収益力を高めることにより、事業の継続的発展と顧客・株主・従業員・社会などステークホルダーへの還元をはかってまいります。

 

(2) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、米国の政策動向や各国の保護主義的な動き、地政学リスクの懸念など、当社を取り巻くマクロの社会・経済環境は、不確実性が常態となってきており先の見えない時代がこれからも続くものと予想されます。

 当社企業グループは「顧客価値経営の推進」を基本方針とした2020年までの中期経営計画を発表しております。

 プリント配線板事業につきましては、計画通り2018年3月をもって生産を停止いたしましたので、今後は、情報システムと電子機器の2つのセグメントで競争力強化・差別化をはかり、中期経営計画の達成を目指してまいります。

 情報システムでは、当社企業グループの強みであるリアルタイム処理、耐環境の実績とノウハウを活かし、社会の安心安全への貢献に取り組んでまいります。

 電子機器のうち接合機器では、4つの接合工法を持つ強みを生かし、「つける」顧客価値の提供に、赤外線サーモグラフィでは、目に見えない熱を見せるソリューションの提供にそれぞれ取り組んでまいります。

また、この中期経営計画を実現するため以下の施策を進めてまいります。

①顧客価値提案力の強化

・お客様に対する理解の深耕

・困りごとを解決するコンサルティング営業・提案型営業への転換

・強みであるコアビジネスをベースに事業領域を拡大

②技術基盤の再構築化

・戦略領域の技術・スキルの獲得、強化

・新たな技術革新・イノベーションへの対応

③QCD(品質、コスト、納期)の改善

・品質改善活動の継続により「品質のアビオ」への回帰

・コスト競争力の強化

・納期遵守率の向上

④制度・仕組の改革、業務プロセス改革、働き方改革

・IT基盤の強化、仕組みの近代化、働き方改革による生産性向上

以上の諸施策により、オペレーショナル・エクセレンスを実現し、収益力を向上させ、復配を目指して全社一丸となって邁進する所存であります。

 

(3) 経営上の目標とする指標等

 当社企業グループでは、情報システムと電子機器の2つのセグメントで競争力強化・差別化をはかり、中期経営計画において2020年度に、売上高240億円、営業利益15億円、当期純利益10億円を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、当社企業グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

 なお、文中においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、以下の記載事項は、当社企業グループの事業等に関するリスクすべてを網羅するものではないことをご留意ください。

(1)官公庁の需要動向等による影響について

 当社企業グループの主要セグメントのうち、情報システムについては、防衛・宇宙等の官公庁向けであるため、官公庁の需要動向に影響されます。特に中期防衛力整備計画の規模及び内容は、当社の防衛関連製品に中期的に影響を及ぼす可能性があります。官公庁の需要動向等に想定を超える変化が生じた場合、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)日本電気株式会社との関係

 日本電気株式会社は当社の親会社でありますとともに、主要な販売相手先であります。当社企業グループは、日本電気グループの一員として情報システム製品においては独自の技術力により防衛関連製品に関して連携をとっております。一方、民需製品においては独自の事業展開を行っております。当社企業グループでは、独自の事業展開を更に積極的に推進することに努めておりますが、日本電気株式会社の事業展開方針の変更によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)従業員等による不法行為、違法行為について

 当社企業グループは、企業倫理の確立並びに法令、定款及び社内規程の遵守の確保を目的として制定した「Avioグループ企業行動憲章」及び「Avioグループ行動規範」の徹底、教育等により従業員等のコンプライアンス意識向上をはかっております。しかしながら、これらにより従業員等による業務上の不法行為、違法行為の発生の可能性がなくなるものではありません。従業員等による不法行為、違法行為が発生し、第三者に対する損害賠償責任、営業停止・取引停止等を受けた場合、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (4)価格競争について

 当社企業グループが事業を展開するエレクトロニクス業界において競争が激化しており、特に民需製品は激しい価格競争にさらされております。当社企業グループではコストダウンを進めるとともに、高付加価値新製品の継続的な投入により市場競争力の維持・向上に努めておりますが、価格競争のさらなる激化や長期化が生じた場合、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)技術革新への対応について

 エレクトロニクス業界は、技術の急速な進歩とそれに伴いユーザーのニーズやウォンツも急速に変化しております。当社企業グループではユーザーのニーズやウォンツに対応し、競争力を維持・向上して事業を成長していくために意欲的な新製品開発を継続して実施しております。しかしながら、当社企業グループの努力を上回る速度での技術革新、ユーザーのニーズやウォンツの変化が生じた場合、当社企業グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 (6)品質管理等について

 当社企業グループは、厳格な品質管理の下に製品を製造しておりますが、製品に欠陥が生じないという保証は無く、欠陥の発生によりリコールの対象となる可能性や製造物責任を負う可能性は否定できません。製造物責任についてはPL保険に加入しているものの、状況によっては当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (7)知的財産権について

 当社企業グループは、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に努めており、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護をはかるほか、他社の知的財産権に対する侵害がないようリスク管理に取り組んでおります。しかしながら、当社企業グループの知的財産権を無視した類似製品の出現、当社企業グループの認識していない知的財産権の存在あるいは成立によって当該第三者より損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの結果、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (8)情報管理について

 当社企業グループは、事業遂行の過程で入手する多数の個人情報や機密情報の流出防止には細心の注意を払って管理しておりますが、予期せぬ事態により情報の流出・漏洩が発生した場合には、社会的信用の低下や、その対応に要する多額の費用負担が、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (9)環境問題について

 当社企業グループの事業は、有害物質の使用及び取り扱い、廃棄物処理、製品含有化学物質、土壌・地下水汚染の規制等を目的とした様々な環境法令の適用を受けており、環境方針に従って日常的な点検等を実施するなど、法令及び政府当局の指針の遵守に努めております。しかしながら、将来、より厳格化する環境規制への対応等により、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (10)災害等の影響について

 当社企業グループでは、大規模地震等の自然災害、新型インフルエンザの流行等に備え事業継続計画(BCP)を策定し、安全確保・安否確認、事業の早期復旧、経営データの他地域へのバックアップ等の対策を進めております。しかしながら自然災害等による生産拠点の直接被害の他、原材料購入先・外注先の被害や流通網・供給網の混乱による操業の中断、生産・出荷の遅延等が発生する可能性があります。更に復旧対応のための費用支出等により、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (11)たな卸資産等の処分について

 当社企業グループは、設計、資材調達から生産・出荷までのプロセス改善活動によりリードタイムの短縮等に努めております。しかしながら、情報システム製品については長期にわたる製品ライフサイクルによる保守部品等の在庫、民需製品については需要動向の急激な変化等による在庫が発生することが想定されます。その場合には、たな卸資産等の評価損や処分により当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (12)資金の調達について

 当社が締結している借入金契約の一部には、財務上の特約が付されているものもあり、抵触した場合には、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (13)繰延税金資産について

 当社企業グループが現在計上している繰延税金資産は、繰越欠損金及び将来減算一時差異に関するもので、すべて将来の課税所得を減額する効果を持つものです。市況の後退や経営成績の悪化などの事象により、当社企業グループが現在計上している繰延税金資産の全額又は一部について回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (14)退職給付債務について

 当社企業グループの年金資産の市場価値や運用利回りの変動、将来の予想退職給付債務の計算の根拠となる数理計算上の前提の変更、また将来の年金制度や会計基準の変更があった場合、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (15)為替相場の変動について

 当社企業グループでは、外貨建ての案件を一部取り扱っており、急激な為替相場の変動により、当社企業グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が持続しました。設備投資も、先行きの景気拡大期待が根強く、維持・更新、省力化・合理化関連を中心に、堅調に推移いたしました。また、世界経済に関しては、一部地域における政治的不確実性や地政学的リスクの懸念はあるものの、欧米は内需主導の緩やかな改善が続き、中国を始めとするアジア地域も持ち直しの動きがみられました。

 当社企業グループを取り巻く事業環境につきましては、宇宙・防衛市場では、昨年度に引き続き防衛省の海外調達の水準が高く、国内調達は低調に推移しました。また、民需市場においては、スマートフォン等情報機器に使用される電子部品の小型化に対応する生産設備が好調に推移しました。

 このような状況の中、当社グループは、防衛製品の原価改善に努めるとともに、海外民需市場の開拓を進めて、新製品の投入を進めるなどの諸施策を展開しました。

 また、2016年7月7日に「連結子会社における物件収去等に伴う補償金の収受及び、プリント配線板事業の移管並びに、通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、東海旅客鉄道株式会社(以下、JR東海といいます。)のリニア中央新幹線計画に協力するため、プリント配線板の製造を分担している連結子会社の山梨アビオニクス株式会社の敷地の一部をJR東海に譲渡し、当該敷地から建物等を収去する補償としてJR東海から補償金(以下、JR東海補償金といいます。)を収受すること、及びプリント配線板事業を沖電気工業株式会社グループ(以下、OKIグループといいます。)に事業移管することとし、移管を順次進めて参りました結果、OKIグループへのお客様の切り替え及び事業移管に必要な技術・ノウハウ等の移転が、当初の予定どおりに進捗したことから、山梨アビオニクス株式会社は、本年3月をもって生産を停止いたしました。

 この結果、連結売上高は前年同期比27億34百万円減少の187億7百万円(前年同期比12.8%減)となりました。連結損益は、原価改善等に努めたものの売上高が減少したことから、営業損益が前年同期比7億29百万円悪化の7億9百万円の損失、経常損失が前年同期比7億4百万円悪化の7億64百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、JR東海補償金の収受として、14億77百万円を特別利益に計上したことから、6億6百万円(前年同期比9億3百万円減)となりました。

 なお、JR東海補償金に関しましては、今後、土地の引渡し時に22億16百万円を特別利益に計上する予定です。

 また、剰余金の配当につきましては、なお累積損失が存在することから、まことに遺憾ながら普通株式、第1種優先株式及び第2種優先株式は無配とさせていただきます。

 

 セグメントの状況は、次のとおりです。

情報システム

 情報システムは、防衛省の国内調達が低調に推移している影響及び計上時期のずれが発生したことから、大幅な減収となりました。セグメント損失は、諸経費の削減に努めたものの売上高の減少及び原価率の悪化により減益となりました。

 この部門の当期の売上高は、96億74百万円(前年同期比20.4%減)となりました。セグメント損失は、前年同期比年8億20百万円悪化の7億74百万円となりました。

電子機器

 電子機器は、赤外線機器の売上高がほぼ横ばいに推移したものの、接合機器が顧客の深耕に注力し、アジア地域を中心にスマートフォン等情報機器に使用される電子部品の小型化に対応する生産設備の需要を取り込み、海外の売上高が好調に推移し増収となったことから、売上高は増加しました。セグメント利益は、売上高の増加及び諸経費の削減に努めた結果、改善しました。

 この部門の当期の売上高は、70億75百万円(前年同期比6.7%増)となりました。セグメント利益は、前年同期比75百万円改善の5億82百万円となりました。

プリント配線板

 プリント配線板は、2016年7月7日の公表以降、OKIグループへの受注切り替えが進み、売上高は大幅に減少しました。セグメント損失は、生産性の向上による原価低減に努めた結果若干改善しました。

 この部門の当期の売上高は、19億57百万円(前年同期比26.5%減)となりました。セグメント損失は、前年同期比15百万円圧縮し5億16百万円となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ3億35百万円増加し、19億94百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。

 「営業活動によるキャッシュ・フロー」

 営業活動の結果使用した資金は、14億36百万円となりました。これは主に特別退職金の支払い等に伴う事業移管損失引当金の減少及び法人税等の支払いによるものであります。

 前年同期比では、税金等調整前当期純利益の減少及び法人税等の支払い等により54億67百万円使用が増加しております。

 「投資活動によるキャッシュ・フロー」

 投資活動の結果使用した資金は、4億18百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

 前年同期比では、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により7百万円使用が増加しております。

 「財務活動によるキャッシュ・フロー」

 財務活動の結果獲得した資金は、21億90百万円となりました。これは主に借入金を借入れたことによる収入によるものであります。

 前年同期比では借入金の借入を実施したこと等により62億96百万円収入が増加しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金残高は、前連結会計年度末に比べ21億91百万円増加し、67億25百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 セグメントごとの「生産、受注及び販売の実績」を示すと次のとおりであります。

(a)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

情報システム

9,693

79.6

電子機器

7,066

106.0

プリント配線板

1,801

68.3

18,561

86.4

 (注) 消費税等抜きの販売価格によって表示しております。

(b)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

情報システム

11,295

91.9

8,058

125.2

電子機器

6,878

88.5

1,683

89.5

プリント配線板

1,538

55.6

320

43.3

19,712

86.4

10,062

111.1

 (注) 消費税等抜きの販売価格によって表示しております。

(c)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

情報システム

9,674

79.6

電子機器

7,075

106.7

プリント配線板

1,957

73.5

18,707

87.2

 (注)1.消費税等抜きの価格によって表示しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本電気㈱

4,787

22.3

5,560

29.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における経営成績等の状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社企業グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (a)概要

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調が持続しました。設備投資も、先行きの景気拡大期待が根強く、維持・更新、省力化・合理化関連を中心に、堅調に推移いたしました。また、世界経済に関しては、一部地域における政治的不確実性や地政学的リスクの懸念はあるものの、欧米は内需主導の緩やかな改善が続き、中国を始めとするアジア地域も持ち直しの動きがみられました。

 当社企業グループを取り巻く事業環境につきましては、宇宙・防衛市場では、昨年度に引き続き防衛省の海外調達の水準が高く、国内調達は低調に推移しました。また、民需市場においては、スマートフォン等情報機器に使用される電子部品の小型化に対応する生産設備が好調に推移しました。

 このような状況の中、当社グループは、防衛製品の原価改善に努めるとともに、海外民需市場の開拓を進めて、新製品の投入を進めるなどの諸施策を展開しました。

 また、2016年7月7日に「連結子会社における物件収去等に伴う補償金の収受及び、プリント配線板事業の移管並びに、通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、JR東海のリニア中央新幹線計画に協力するため、プリント配線板の製造を分担している連結子会社の山梨アビオニクス株式会社の敷地の一部をJR東海に譲渡し、当該敷地から建物等を収去する補償として、JR東海から補償金を収受すること、及びプリント配線板事業をOKIグループに事業移管することとし、移管を順次進めて参りました結果、OKIグループへのお客様の切り替え及び事業移管に必要な技術・ノウハウ等の移転が、当初の予定どおりに進捗したことから、山梨アビオニクス株式会社は、本年3月をもって生産を停止いたしました。

 

 (b)売上高

 売上高は、187億7百万円(前年同期比12.8%減)となりました。

 情報システムの売上高は、防衛省の国内調達が低調に推移している影響及び計上時期のずれが発生したことにより96億74百万円(前年同期比20.4%減)となりました。

 電子機器の売上高は、赤外線機器の売上高がほぼ横ばいに推移したものの、接合機器が顧客の深耕に注力し、アジア地域を中心にスマートフォン等情報機器に使用される電子部品の小型化に対応する生産設備の需要を取り込み、海外の売上高が好調に推移したことにより70億75百万円(前年同期比6.7%増)となりました。

 プリント配線板の売上高は、2016年7月7日の公表以降、OKIグループへの受注切り替えが進んだことにより19億57百万円(前年同期比26.5%減)となりました。

 

 (c)売上総利益

 売上総利益は、売上高が減少したことにより38億72百万円(前年同期比16.1%減)となり、売上総利益率は20.7%となりました。

 

 (d)販売費及び一般管理費、営業損失

 販売費及び一般管理費は、前年同期比50百万円増加の42億2百万円となりました。

 この結果、売上高の減少などにより、営業損失は7億9百万円となりました。

 

 (e)営業外損益、経常損失

 営業外損益は、前年同期比24百万円改善したものの55百万円の損となりました。

 この結果、経常損失は7億64百万円となりました。

 

 (f)親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比59.8%減少し、金額にして9億3百万円悪化の6億6百万円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社企業グループは、電子応用機器の製造販売事業を行うための設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入により調達しており、借入金の使途は運転資金(主として短期)及び設備投資資金(長期)であります。

 なお、借入金のうち、コミットメントライン契約については、契約期間中において純資産、営業利益等を一定の水準に維持すること等の財務上の特約等が定められております。

 

 (a)資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ88百万円増加の275億81百万円となりました。

 流動資産は前連結会計年度末に比べ3億51百万円増加し、188億86百万円となりました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものであります。

 固定資産は前連結会計年度末に比べ2億63百万円減少し、86億94百万円となりました。これは主に有形固定資産が減少したことによるものであります。

 

 (b)負債

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ7億8百万円減少の186億0百万円となりました。

 流動負債は前連結会計年度末に比べ15億46百万円減少し、100億8百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、短期借入金及び未払法人税等が減少したことによるものであります。

 固定負債は前連結会計年度末に比べ8億37百万円増加し、85億91百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が減少したものの長期借入金が増加したことによるものであります。

 なお、当連結会計年度末における借入金残高は前連結会計年度末に比べ21億91百万円増加し、67億25百万円となりました。

 

 (c)純資産

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ7億97百万円増加の89億81万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

 (d)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

4【経営上の重要な契約等】

(技術導入契約)

契約締結先

内容

契約発効日

契約期限

Lockheed Martin Corporation

(米国)

情報表示装置等の製造に関する技術

2010年12月14日

2020年8月31日

 (注) 上記については、ロイヤリティとして正味販売価格に対する一定率を支払うこととなっております。

 

(連結子会社における物件収去等に伴う補償金の収受)

 当社は、2016年7月7日開催の取締役会において、JR東海が推進するリニア中央新幹線計画に協力するため、プリント配線板の製造を分担している連結子会社の山梨アビオニクス株式会社の敷地の一部をJR東海に譲渡し、当該敷地から建物等を収去する補償としてJR東海から補償金を収受する契約を締結しております。今後、土地の引渡し時に22億16百万円を収受する予定です。

 

(連結子会社の吸収合併)

  当社は、2018年4月27日開催の取締役会において、当社の完全子会社である山梨アビオニクス株式会社を吸収合併することを決議いたしました。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。

 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3億78百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。

 

(1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究

 当社企業グループはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」の開発メーカーとして採択されました。本プロジェクトはNEDOが、政府の閣議決定事項である「日本再興戦略」の一環として設定した、ロボットによる新たな産業革命の実現を目指す事業であります。

 本研究は、DRESSプロジェクトの研究開発項目「無人航空機の衝突回避技術の開発(1)非協調式SAAの研究開発」のうち「電波・光波センサ統合技術の開発」に該当するもので、当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いた相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。

 無人航空機の衝突回避は、地上システムをベースとした相互位置情報交換を主体に進めますが、機体スタンドアロンの状態での回避行動制御は極めて重要であります。担当する光波センサ部の研究では回避対象となる空中物件等の識別により、回避行動の決定に要する情報収集と伝達を行うことを主目的としております。

 当連結会計年度においては、飛行状態における対象物体の遠距離からの検知・識別、相対速度に対応する高速処理、航空機搭載に要する省電力・軽量化を目標として研究を行いました。また、画像処理方式及び機能分担構成を検討し、実際に撮影した有人ヘリコプター、無人ヘリコプター及びドローンの動画像を用いたパーソナルコンピュータベースのシミュレーションを実施し、対象距離識別性能の実現性を確認いたしました。

 

(2)高信頼性インバータ式溶接電源の開発

 近年、自動車産業においては、自動運転車の開発、環境対応車の推進など、次世代自動車に対応する精巧な部品開発のニーズが高まっており、部品製造や品質管理の要となる「接合技術」の更なる高品質化が求められております。小型、軽量化とともに高い信頼性が要求される自動車部品の溶接では、より高い強度を確保すると同時に、品質の安定化が必要となります。

 このような環境下で、当社企業グループでは、自動車部品の接合に最適な高信頼性インバータ式溶接電源を開発いたしました。接合品質の安定化のためには、過電流による溶かし過ぎやスパークを防ぐこと、電流が少ないことによる溶接強度不足を防ぐことの両方を実現しなければなりません。そのためには、均一で滑らかな溶接電流制御が有効となります。従来のインバータ方式による電流制御は、スイッチング制御による電流のリップル(脈動)が発生しますが、このリップルを最小化するために電源の高周波化を実現いたしました。通常、高周波化することにより電流は流れにくくなりますが、既存製品の解析、試作改良を繰り返し、スイッチング周波数を従来の2.5倍(5KHz、8000A)に高めることで、溶接電流のリップルを半減させ、より信頼性の高い溶接を可能といたしました。

 

(3)赤外線サーモグラフィカメラ「Thermo FLEX(サーモフレックス)F50」の開発

 従来のサーモグラフィカメラの使用現場では、高温の現場での計測や機器が入りにくい場所での測定が必要など、様々な課題がありました。それらの課題に基づき、「マーケットイン」の視点で新コンセプトを実現した、カメラヘッドが脱着する構造を備えた新製品「Thermo FLEX(サーモフレックス)F50」(以下F50)シリーズを開発いたしました。

 新コンセプト「FREE STYLE」を構成する4つの要素は、カメラヘッド脱着型のアングルフリー機構、ピント合わせが不要なフォーカスフリー広角レンズ、耐環境温度性能(装置や恒温槽に入れて使用可能)、タッチパネル操作であり、これらの機能により、次のような3分野での課題解決にも役立つ製品として開発いたしました。

①プラント維持管理

 工場設備の隙間、裏側までの点検を可能にするアングルフリー機構により、近年増えつつあるプラントの重大事故の予防診断に貢献するとともに、小型・軽量で撮影時以外は両手が自由になるため、作業者の安全も確保いたします。また、設備を止めずに稼働中の状態を把握し、必要な時にメンテナンスを実施する状態監視保全(CBM:Condition-Based Maintenance)の導入が可能となります。

②中古住宅の性能評価

 住宅診断の性能検査機器として、目視では見つけられない断熱材の欠損や漏水、シロアリ調査等を可能にします。また、最大70°のフォーカスフリー広角レンズにより、室内で広範囲の壁面を一度に撮影できるうえ、アングルフリー機構により、最小限の穴や隙間から天井裏や床下の点検が可能となります。

③IoT向け電子部品の熱設計に対応

 IoTをはじめ先進技術を支える電子部品・基板の熱評価を効率化いたします。取り外し可能な小型のカメラヘッドは70℃の高温に対応できるため、例えば恒温槽の中に入れて外からコントローラで操作することができます。さらに、パーソナルコンピュータを使用しないでトレンドグラフを作成し、CSVファイルで保存ができます。これにより、環境温度試験時の熱電対の貼り付け作業や、パーソナルコンピュータによる解析作業を効率化いたします。