第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 本報告書に記載の数値は国際会計基準(IFRS)ベースで表示しており、前連結会計年度の数値は、前期に開示した日本基準の数値をIFRSに組替えて表示しております。

 

 2017年12月期の世界経済は、北朝鮮をめぐる地政学リスクや米国政権の政策動向等不透明な要因があったものの、先進国を中心とする堅調な景気拡大が続きました。米国は新車販売は伸び悩んだものの好調な個人消費に支えられ景気は堅調に推移し、また、欧州経済は反EU政治勢力の台頭懸念は後退し、個人消費が堅調に推移する中景気の緩やかな拡大が続きました。アジア経済は中国が堅調なインフラ投資等を背景に安定的な成長を続け、その他諸国も内需の堅調さを背景に安定した成長が続きました。

 電子部品業界を見ますと、家電製品関連ではスマートフォン関連に底入れが見られ、また、インダストリー分野ではアジア・中国における賃金上昇や労働人口の減少懸念などから、自動車産業やスマ-トフォン関連での自動化ライン導入が増加する等設備投資関連向けが堅調に推移しました。車載関連では米国、中国の新車販売台数は昨年に比べ弱含みで推移するものの、欧州の新車販売台数は引き続き堅調に推移する中、安全性や快適性の拡充、安全基準や燃費基準などの規制強化への対応により自動車の電装部品の搭載率が上昇しています。

 当社グループの2017年12月期は前年同期に比べ円安/米ドル高・ユーロ高(対米ドル期中平均為替レート:当期112.28円、前期109.31円、対ユーロ期中平均為替レート:当期126.21円、前期120.75円)で推移し、堅調な車載関連に加え、前年同期低調であったスマートフォン関連、インダストリー分野では設備投資関連等が堅調に推移したこと等から、売上収益は前期比11.2%増の90,153百万円となりました。増収効果があったものの、原材料価格の上昇等があったことから、営業利益は同0.8%減の6,217百万円となりました。税引前当期利益は同4.2%増の5,697百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同22.9%増の4,504百万円となりました。

 

(報告セグメントの状況)

当連結会計年度における報告セグメントの状況は次のとおりであります。

1)アジア・パシフィック事業

 アジア・パシフィック事業では、車載関連の需要が好調に推移し、スマートフォン向け製品も堅調であったことに加え、為替市場で円安/米ドル高が進んだこと等から、当連結会計年度の売上収益は前年同期比12.3%増の53,716百万円になりました。セグメント利益は同14.0%増の4,886百万円となりました。

2)EU事業

 EU事業では、欧米の好調な新車販売に加え、車載の電装化が加速していること等から車載関連の需要が堅調に推移し、為替市場で円安/ユーロ高で推移したことで、当連結会計年度の売上収益は前年同期比9.7%増の36,437百万円となりました。銅価格上昇の影響等からセグメント利益は同21.5%減の2,329百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末比1,828百万円増加し、5,375百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,658百万円の収入(前連結会計年度は8,291百万円の収入)となりました。税引前利益5,697百万円、減価償却費及び償却費による3,277百万円の収入があったものの、棚卸資産の増加2,930百万円、営業債権及びその他の債権の増加1,706百万円等の資金流出があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は9,254百万円の支出(前連結会計年度は4,961百万円の支出)となりました。有形固定資産の売却による収入63百万円等があったものの、有形固定資産の取得による支出8,831百万円、無形資産の取得による支出680百万円等の支出があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は7,389百万円の収入(前連結会計年度は3,016百万円の支出)となりました。配当金の支払額830百万円等の支出があったものの、有利子負債が4,318百万円純増し新株の発行による収入3,985百万円収入があったことによるものです。

(3)並行開示情報

 連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度

(2016年12月31日)

当連結会計年度

(2017年12月31日)

資産の部

 

 

 

流動資産

 

37,148

44,987

固定資産

 

29,877

37,350

繰延資産

 

8

-

資産合計

 

67,034

82,337

 

 

 

 

負債の部

 

 

 

流動負債

 

26,529

35,117

固定負債

 

20,602

20,020

負債合計

 

47,131

55,137

 

 

 

 

純資産の部

 

 

 

株主資本

 

24,276

31,254

その他の包括利益累計額

 

△5,936

△5,877

新株予約権

 

172

271

非支配株主持分

 

1,391

1,552

純資産合計

 

19,903

27,200

負債純資産合計

 

67,034

82,337

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

売上高

 

81,052

90,153

営業利益

 

5,696

5,489

経常利益

 

4,805

4,927

特別利益

 

35

3

特別損失

 

35

40

税金等調整前当期純利益

 

4,805

4,890

当期純利益

 

3,265

3,922

非支配株主に帰属する当期純利益

 

178

123

親会社株主に帰属する当期純利益

 

3,087

3,798

 

要約連結包括利益計算書

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当期純利益

 

3,265

3,922

その他の包括利益合計

 

△1,456

96

包括利益

 

1,809

4,018

(内訳)

 

 

 

親会社株主に係る包括利益

 

1,675

3,857

非支配株主に係る包括利益

 

133

161

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

21,862

△4,525

73

1,258

18,669

当期変動額合計

2,414

△1,411

98

133

1,233

当期末残高

24,276

△5,936

172

1,391

19,903

 

当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

24,276

△5,936

172

1,391

19,903

当期変動額合計

6,978

59

99

161

7,297

当期末残高

31,254

△5,877

271

1,552

27,200

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度

(自 2016年1月1日

至 2016年12月31日)

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

7,774

3,305

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

△4,445

△8,901

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

△3,016

7,389

現金及び現金同等物に係る換算差額

 

△306

35

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

 

7

1,829

現金及び現金同等物の期首残高

 

3,538

3,546

現金及び現金同等物の期末残高

 

3,546

5,375

 

⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

前連結会計年度(自 2016年1月1日 至 2016年12月31日)

会計方針の変更

(企業結合に関する会計基準等の適用)

 「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日。以下「企業結合会計基準」という。)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日。以下「連結会計基準」という。)及び「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 平成25年9月13日。以下「事業分離等会計基準」という。)等を当連結会計年度から適用し、支配が継続している場合の子会社に対する当社の持分変動による差額を資本剰余金として計上するとともに、取得関連費用を発生した連結会計年度の費用として計上する方法に変更しております。また、当連結会計年度の期首以後実施される企業結合については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の配分額の見直しを企業結合日の属する連結会計年度の連結財務諸表に反映させる方法に変更しております。加えて、当期純利益等の表示の変更及び少数株主持分から非支配株主持分への表示の変更を行っております。当該表示の変更を反映させるため、前連結会計年度については、連結財務諸表の組替えを行っております。

 企業結合会計基準等の適用については、企業結合会計基準第58-2項(4)、連結会計基準第44-5項(4)及び事業分離等会計基準第57-4項(4)に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度の期首時点から将来にわたって適用しております。

 当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書においては、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得に係るキャッシュ・フローについては、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載しております。

 なお、当連結会計年度において、連結財務諸表に与える影響は軽微であります。

 

(平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱いの適用)

 法人税法の改正に伴い、「平成28年度税制改正に係る減価償却方法の変更に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第32号 平成28年6月17日)を当連結会計年度に適用し、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物に係る減価償却方法を定率法から定額法に変更しております。

 なお、当連結会計年度において、連結財務諸表に与える影響は軽微であります。

 

会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更

(有形固定資産の減価償却方法の変更)

 一部の在外子会社では、従来、有形固定資産の減価償却の方法について定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度から定額法に変更しております。

 当社グループでは、製品収益サイクルが比較的長い製品への設備投資とアジア・パシフィック地域における生産体制の再編を進めており、大型の設備投資案件が当連結会計年度に本格稼働することを契機に減価償却方法の見直しを行いました。

 主要な生産拠点における生産設備の使用実態を検討した結果として、長期的に安定した稼働が継続する傾向が高まっており、今後も安定的な稼働が見込まれております。

 従って、使用可能期間にわたり平均的に費用配分する定額法の採用が、上記在外子会社の有形固定資産の経済的利用実態をより適切に反映することができると判断いたしました。

 この変更により、従来の方法によった場合と比べ、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益が692百万円増加しております。

 なお、セグメントに与える影響については、セグメント情報等に記載しております。

当連結会計年度(自 2017年1月1日 至 2017年12月31日)

 

連結の範囲に関する事項

 連結子会社であったSEC株式会社は、当連結会計年度においてスミダ電機株式会社に吸収合併されたことにより、連結の範囲から除外しております。

 

⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

 前連結会計年度(自2016年1月1日 至2016年12月31日)

 「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸[連結財務諸表注記] 28.初度適用」をご参照ください。

 

 当連結会計年度(自2017年1月1日 至2017年12月31日)

 

(のれんの償却)

 日本基準では効果が及ぶ一定の期間にわたって償却しておりました。IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べ「営業利益」が357百万円増加しております。

 

(開発費の資産化)

 開発活動に係る支出は、日本基準では費用処理しておりましたが、IFRSでは特定の要件を満たす場合は無形資産として計上し、耐用年数にわたって償却しております。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べ「営業利益」が353百万円増加しております。

 

(確定退職給付債務)

 確定退職給付債務の数理計算上の差異は、日本基準では当期発生額のうち費用処理されない部分をその他の包括利益に計上しておりましたが、IFRSでは数理計算上の差異は純損益で計上せずその他の包括利益で計上しております。この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べ「営業利益」97百万円増加しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

前年同期比(%)

 アジア・パシフィック事業(百万円)

55,114

117.2

 EU事業(百万円)

36,233

107.5

合計(百万円)

91,347

113.2

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

当連結会計年度末

(2017年12月31日現在)

受注高

前年比(%)

受注残高

前年比(%)

 アジア・パシフィック事業(百万円)

53,981

116.7

10,975

102.5

 EU事業(百万円)

40,167

121.4

9,834

161.1

合計(百万円)

94,148

118.7

20,809

123.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年1月1日

至 2017年12月31日)

売上収益

前年同期比(%)

 アジア・パシフィック事業(百万円)

53,716

112.3

 EU事業(百万円)

36,437

109.7

合計(百万円)

90,153

111.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 企業価値向上のため、更なる売上/利益の成長を目指し、対象マーケットおよび製品ラインアップを拡充し、経営基盤の一層の強化を目指します。

(2)経営戦略等

(家電製品関連の強化、新規分野への取組み)

 車載関連、インダストリー分野を更に成長させる一方で、コイル以外の製品関連市場の強化に取組み、ビジネス拡大を図ります。また、コイル以外の分野をビジネスラインアップを拡大に取組み、成長を促進させていきます。

 車載関連分野ではEV/HEV、アクチュエータの領域に注力し、車載関連分野の更なる成長を図ります。また、インダストリー分野では、従来から注力してきた産業機器関連、RFID、メディカル/ヘルスケアに加え、新たにIoT分野への取組みを強化します。家電製品関連では従来から注力してきた製品に加え、メタルインダクターの製品ラインアップを見直し、拡販していきます。

(地域戦略)

 新たに北米、インドを重点拡大拠点と位置付け、事業機能を拡充させていきます。北米では技術センターの拡充、製造拠点の拡充に取り組んでいきます。インドでは営業拠点を設立を足がかりに、技術サポート拠点、製造拠点の設立を進めていきます。

(製造戦略)

 車載関連分野、家電製品関連分野強化を中心に高水準の設備投資を継続していきます。また、グローバル購買体制の一層の強化を図り、購買コストを削減していきます。従来製造拠点では賃金上昇を上回る生産性向上を実現させるため、設備投資を増加させていきます。

(更なる成長に向けて)

スミダグループの行動指針:グローバル、スピード、フォーカス

・グローバル

市場、顧客のみならず、マネージメント、人員構成、製造部門など全ての面でより一層のグローバル化を図っていきます。

・スピード

より迅速な対応および判断が出来る機動的組織にしていきます。

・フォーカス

今後も電子部品にフォーカスするとともに、コイル以外の領域でのビジネス拡大を図ります。

(財務)

中期経営計画ステージⅢを支える内部管理、内部統制の仕組みの構築が完了

1.為替管理

(ア) ナチュラルヘッジ 製造と販売の通貨の統一

(イ)  香港法人にグループ各社の外国為替エクスポージャーを集約

2.会計システムの統一

(ア) グループ会社ほぼ全社に導入済み

3.海外グループ会社の内部統制強化

(ア) 子会社単位の財務会計数値を業績評価に使わない

(イ) ビジネスユニットという子会社を跨いだ管理会計単位で収益性を管理

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画ステージⅢ(2018年~2021年)において営業利益100億円達成を目指します。

・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC):100日を維持

・ROE(3年平均):12%以上

・DEレシオ:1.0を維持

(4)経営環境

 北朝鮮をめぐる地政学リスクや米国政権の政策動向等不透明な要因があるものの、米国、中国経済の堅調さが欧州、日本に加え、資源価格の持ち直し等を背景に新興国にも波及しています。そうした中、中国がEVなどの販売をメーカーに義務付ける規制を発表し、欧州勢を中心に大手メーカーがEVの投入計画を相次いで発表したこと等から電子部品需要に拡大が期待されています。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題等

企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)の追求

 企業の社会的責任もまた経営の最重要課題の一つです。現在、企業に求められる法的・経済的・社会的責任はより高次なものとなり、積極的な社会への貢献、具体的な行動が求められている現況下、誠実(integrity)、規律(discipline)、常識(common sense)という基本的な考え方に基づいた事業の遂行により社会的責任を果たしていくとともに、法務・コンプライアンス機能の強化、環境や社会問題への積極的な取り組みを通じ、社会的な信頼をさらに高めるべく様々な取り組みに努めています。

(6)株式会社の支配に関する基本方針について

 当社では買収防衛策の王道は、正しい経営を行って株主価値を向上させ、時価総額を増加させることと考えております。そのため、いわゆるライツプラン等の買収防衛策は採用しておりません。

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年3月26日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

①経済動向に係るリスク

当社グループでは事業拠点を世界各地域に分散させ、特定地域に偏らない事業展開を進めるとともに、特定の取引先への依存度を過度に高くすることなく、幅広い分野の顧客向けに事業展開し、各国の景気変動の影響を最小限にとどめるようにしております。また顧客からの要請に対しては迅速な設計、原材料調達先の多様化、部材の内製化、輸送手段の効率化などを進め、顧客からの信頼性や品質・機能の要求を満たす製品を提供していく体制を作っております。しかし、当社グループが属する電子部品業界は世界経済の影響を受けやすい、変化の激しい業界であります。世界各国の急激な景気変動の影響を受け、急激な需要の変化により、当社グループを取り巻く経営環境が直接あるいは間接的に影響を受けることがあります。また、エレクトロニクス市場は今後も拡大していく市場であり、市場の拡大は参入企業の増加、潜在的な競業企業の増加も考えられ、厳しい競争の中、製品に対する顧客の要求も厳しくなる可能性があります。

②為替動向に係るリスク

当社グループの事業活動は、世界各地域において様々な通貨を通じて行われているため、為替相場の変動の影響を受けます。当社グループでは、売上とコストの通貨バランスを図り、為替相場の変動の影響を極小化する対応に努めていますが、通貨のバランスが変動すること等により、営業損益が為替変動の影響を受ける可能性があります。また、急激な為替変動により、外貨建ての債権債務の計上時期と決済時期の為替レートの差異から生ずる為替換算差損が発生する可能性があります。当社グループの保有する外貨建ての資産、負債等を連結財務諸表の表示通貨である円に換算することによって発生する為替換算調整額は、資本の部の「その他の包括利益累計額」に含めて報告されます。このため、当社グループの株主資本は為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、インハウス・バンクを中心にグローバルに取引通貨の相当部分を相殺しており、為替予約を行う等、為替変動による連結業績への影響を最小限にとどめるように努めておりますが、連結財務諸表作成のため外貨建て財務諸表を日本円に換算した際に、為替変動より財政状態および経営成績は影響を受けることがあります。

③金利動向に係るリスク

当社グループでは、金利動向を的確に把握し機動的な資金調達を行う一方で、調達方法の多様化を図る等金利動向の影響を最小限にとどめるべく対応しておりますが、借入金等に係る金利動向によっては、当社グループの収益に影響を与える場合があります。

④有利子負債に関するリスク

当社グループでは、当事業の運営のため取引銀行からの借入金等の確保は不可欠であります。当連結会計年度末における有利子負債(借入金および社債)の負債及び資本合計に占める割合は42%となっております。そのため、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢等が厳しくなり、当社グループの資金調達に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。

⑤税務に係るリスク

当社グループを構成する事業法人は世界十数カ国に存在し、それぞれが各国の税法に準拠して税額計算し、適正な形で納税を行っております。当社グループとしては、各国制度法令解釈の相違により生じ得るリスクにも充分に留意し、各国の諸規則を遵守しつつ、グループとしての最適なタックス・プランニングを検討、実施すべく対応に努めております。しかしながら、近年各国はそれぞれの立場から移転価格等で適正税額を主張するスタンスをとっており、各国での制度運用・解釈の結果が事業、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥繰延税金資産に係るリスク

当社グループは、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態や経営成績に影響をもたらす可能性があります。なお、繰延税金資産の計上は現行の税制度を前提として行っており、税制の改正が行われた場合にも影響を受ける可能性があります。

⑦技術革新および価格競争に係るリスク

当社グループは変化の激しいエレクトロニクス業界において、常にリーディングカンパニーであることを目指し、顧客に対しより良い製品を満足できる価格で提供し、顧客の支持を拡大できるよう努力を積み重ねております。当社グループでは他社との製品上の競業関係において、より有利な地位を占めるため積極的な研究開発投資を続け、製品の差別化を図り、価格面でも競争力のある製品を提供し続ける所存です。

しかしながら、エレクトロニクス業界では当社グループと競業企業との間で技術面・価格面における競争は年々ますます激しいものとなっております。特に近年においては中国・台湾および韓国における現地競業企業の台頭がめざましいものがあり、今後の業績に影響を与える可能性があります。

⑧原材料等の調達に係るリスク

当社グループは多くの原材料を外部調達しており、主要な原材料である銅、鉄、原油等の価格は国際市況に連動していることから、市況の変動に伴い業績に影響を与える可能性があります。また、供給元における事故等の事由による原材料の供給不足、供給中断により業績に影響を与える可能性もあります。

⑨在庫リスク

当社グループはお客様の短納期要求に対応して製品在庫を保有しております。生産拠点では受注生産を基本に、リードタイム短縮を図り棚卸資産の削減に努めておりますが、顧客の需要予測の変動等によっては、当社グループが在庫リスクを負うことになり、業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

⑩顧客に対する信用リスク

当社グループの顧客の業績は、景気動向、個人消費動向や季節性、新製品導入、新しい仕様・規格に対する需要予測および技術革新等の事業環境に影響を受けます。そのため、当社グループの顧客の事業環境が悪化し、財務上の問題に直面した場合には、売上債権の一部が回収不能となることも想定され、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪海外展開に伴うリスク

当社グループの製造拠点はほぼ海外(中国、ドイツ等)であり、中でも中国が中心となっております。また、当連結会計年度の連結売上収益の約83%が海外売上となっております。

各国・各地域の政治、社会、経済状況等の情報把握には万全の努力を払っております。特に各地域における各種関連法規制に関しましては、法令遵守の観点から適切な対応を図ってきておりますが、他方、近年、経済のクロスボーダー化の一層の進行の中で、制度変更あるいは各国間での制度対応の差異等が事業に影響を及ぼすケースも散見されており、経済合理性の観点から一段と海外事業展開を図る一方で、制度法令解釈の相違・変更により生じ得るリスクにも充分に留意しつつ対応に努めております。また、海外の国または地域における労働市場を取り巻く社会環境・労働環境の変化等に起因する労使関係の変化にも充分に留意しつつ対応に努めております。

しかしながら、海外展開にあたっては、当社グループが事業展開を行っている地域での戦争・テロ等の政治的リスク、海外各国における予期せぬ法規制等の変更、社会環境・労働環境の変化、疾病の流行等の社会的リスク、景気動向、為替変動等市場要因による経済的リスク等、様々なリスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中国等当社グループが製造を行う国または地域では労働集約的生産の側面があり、人件費、社会保険料の上昇や制度変更等による生産コストアップが当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。

⑫知的財産権に係るリスク

当社グループでは、特許等知的財産権の管理を行う知財部門を強化し、当社グループの開発による新技術を確実に当社グループで権利化するとともに、製品の開発・販売に際し、第三者の特許権、意匠権、その他知的財産権との抵触が発生しないように事前調査を行い、抵触可能性が予見される場合は回避策をとるなど、第三者の知的財産権の侵害を未然に防止できるよう、万全の注意を払っております。しかしながら、世界各国において特許が日々出願されており、意図せずに第三者の特許権・意匠権等と抵触するような事態を招き、法廷の内外で相当の損害賠償金またはロイヤルティーを請求される可能性があります。また、当社グループは自前のブランドの価値を高める努力をしておりますが、世界においては模造品が多数発生しております。当社グループは模造品撲滅に注力しておりますが、模造品の流通により当社グループの売上が減少する可能性があります。

⑬品質・製造物責任に係るリスク

当社グループは常に製品の品質向上に尽力し、製品の品質確保に万全を期しておりますが、当社グループ製品の要求仕様への不一致や欠陥により供給先である顧客の製造ラインが停止する事態や、欠陥を含んだ当社グループの製品を利用した電子機器に不具合が生じる事態も考えられます。欠陥またはその他の問題が発生した場合は、当社グループの売上収益、市場シェア、当社グループブランドに対する信頼または評価、市場認知度、開発などに影響がでる可能性があり、また顧客からの法的手段による請求の可能性もあります。

⑭M&A等による事業拡大に係るリスク

当社グループは技術力の強化や販売網の拡充を目的に、当社グループ以外の会社との事業提携、合併および買収(以下M&A等)を行うことにより、中期経営計画の達成を目指しております。M&Aの実施にあたっては事前に相乗効果の有無を見極めてから実施を決定し、完了後は相乗効果を最大にするように経営努力をしております。しかしM&A等の完了後に、対象会社との経営方針のすりあわせや業務部門における各種システムおよび制度の統合等に当初想定以上の負担がかかることにより、予想されたとおりの相乗効果が得られない可能性があります。また、M&A等に係る費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。

⑮情報セキュリティ

当社グループは、技術、営業、その他の事業に関する営業機密を多数有しています。当社グループでは、情報管理において万全の体制を構築しておりますが、予期せぬ事態によって情報が外部に流出し、これを第三者が不正に取得し、使用する可能性もあります。こうした事態が発生した場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。

⑯大規模災害などのリスク

大地震、洪水等の自然災害や内乱、疫病等により社会的に混乱がおきた場合、生産および販売活動に重大な悪影響をおよぼす可能性があります。

⑰人材の採用・確保について

当社グループの事業展開は、開発、生産、販売、財務、経営管理等のすべてのプロセス、分野における優秀な人材の確保に依存しています。特にグローバルな事業展開推進には、人材の確保が必要不可欠と考えています。しかし、優秀な人材に対する需要が高まる一方、優秀な人材は限られており、その確保のための競争が激しくなっています。これに対して当社グループでは、人材の確保に注力するとともに、適性を重視した配置など社員のモチベーションを高める諸施策により、社員の定着・育成に努めております。しかし、雇用環境の変化などにより当社が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑱公的規制とコンプライアンスについて

当社グループは、国内および諸外国・地域において、法規制や政府の許認可等、様々な公的規制の適用を受けております。こうした公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。当社グループでは、公的規制の対象領域ごとに主管する部門を決めて対応しております。また、公的規制に対応した社内ルールを定め、未然に違反を防止するための対応をとっております。これらの取組みに加え、当社ではコンプライアンス委員会を設け、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、遵守すべき倫理規範等を「スミダの経営に関する諸原則・行動規範」として制定し、当社および関係会社における行動指針の遵守ならびに法令違反等の問題発生を全社的に予防するとともに、コンプライアンス上の問題を報告する内部通報制度を設けております。しかし、グローバルに事業を展開するなかで、国や地域において、公的規制の新設・強化や想定外の適用等により、当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動が制限されたり、公的規制の遵守に係る費用が増加したりする等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑲環境規制などのリスク

当社グループは、地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、廃棄物処理、製品に含有する化学物質、土壌・地下水汚染などに関する様々な環境法令の規制を受けております。当社グループでは、これら法令を遵守し、事業活動を進めておりますが、地球環境保全の観点から、今後ますます規制が強化され、これに適応するための費用の増大が予想されます。また環境規制への適応が極めて困難な場合、想定を超える費用の発生や事業からの部分撤退、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑳事業運営に関するリスク

事業運営リスクには法令違反、ヒューマンエラー、役職員による不正、外部の者による詐欺、法令違反等を原因とする監督官庁の行政処分等が考えられますが、事業運営リスクが顕在化した場合、当社グループの社会的信用の低下または事業運営の効率の低下等により業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、アジア・パシフィック事業およびEU事業ともに家電製品関連分野では、機器開発におけるアナログ回路設計と電源設計の技術およびその関連分野の開発を進めました。車載関連では、ハイブリッド・電気自動車向けモーター、オルタネータの制御回路、ECU制御用途向けに、高対恒性のインダクタ、トランスの製品・ユニット開発を進めました。インダストリー分野ではハイブリッド自動車・電気自動車向け各種トランスおよび大電流コイル、産業機器、通信機器向け一次電源用トランスおよびコイル、家電・産業機器・医療機器向けの高周波トランスおよびリアクトル等を中心とした製品の開発を進めています。さらに製品の開発に必要不可欠な素材の研究も重要と考えております。

 当連結会計年度における当社グループの研究開発費の金額は3,973百万円となりました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)資産、負債及び純資産の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は84,366百万円となりました。現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、棚卸資産等が増加したことから、流動資産が8,266百万円増加しました。また、有形固定資産、のれん等の増加があったことから、非流動資産は7,092百万円増加しました。これにより、当連結会計年度末における資産は前連結会計年度末比15,359百万円増加しております。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は54,243百万円となりました。短期有利子負債、1年内返済予定又は償還予定の長期有利子負債等が増加したことなどから、流動負債が8,381百万円増加しました。一方、長期有利子負債等が減少したことなどから非流動負債が1,123百万円減少しました。これにより、当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末比7,258百万円増加しております。

(資本)

 当連結会計年度末の資本は30,122百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益4,504百万円を計上したことに加え、公募増資により資本金が2,006百万円、資本剰余金が1,979百万円増加したこと等から、資本合計が8,100百万円増加しております。その結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の29.9%から33.9%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は888円78銭から1,069円67銭となりました。

 

(2)経営成績及びキャッシュ・フローの状況

  経営成績及びキャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績及び(2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。