当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念である「Great Small Company」をグループ一体となって追求し、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーになるべく邁進してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、2030年のありたい姿としてグループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を制定しております。お客様を笑顔にするためには、当社グループで働く「私たち」が主役になり、「私たち」が笑顔にならないといけない。その上で、私たちはお客様のパートナーとなるべく常にお客様へ目線を置き、困りごとの解決を積み重ねることにより、当社グループのビジネスモデルの主軸を「もの」から「こと」へ移してまいります。さらに私たちは、単なる仕事相手という「パートナー」ではなく、お客様と心が通じ合う「真のパートナー」を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、資本コストと株価を意識した経営の実現に向けて、現状の収益力の強化(営業利益)に加え、積極的な投資や資本コストの観点を中心に新たに指標を定めるよう検討を深め、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
(4)経営環境
各国での物価上昇の継続に加え、米国における関税をはじめとする通商政策が世界経済に与える影響、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化等の地政学リスク、中国の景気低迷の長期化懸念など、世界経済の不確実性が高まると見込んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2030年のありたい姿として制定したグループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、行動理念「信頼し、信頼される良い会社」を目指す中、2024年度までの3ヵ年の中期経営計画Ⅰでは「信頼」と「納期」を重点テーマとして土台構築を行ってまいりました。2025年度から始まる3ヵ年の中期経営計画Ⅱでは、信頼と納期に対する取り組みを継続しつつ、次のステップとして「顧客価値の向上」を目指し、「特定市場の深耕」と「生販一体の供給基盤構築」を重点テーマとし、グループの総力を結集してこれらに関する戦略を重点的に実行してまいります。
優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は以下のとおりです。
① 特定市場の深耕
当社グループでは、放送・音響機器市場や特車市場などを「G特定市場プラス」と定め、ここを成長分野として顧客価値向上のための様々な取り組みを行ってまいりました。さらに今後、新たな特定市場を開拓するための施策として、お客様との直接的な関係を構築してそのニーズを掴み、設計技術・生産技術・部品技術のエンジニアが有機的に連動する体制を作り、ニーズをタイムリーに具現化してまいります。また、必要に応じて社外パートナーとの技術協業を行い、当社ならではの顧客価値の高いソリューションの提供を目指してまいります。
② 生販一体の供給基盤構築
中期経営計画Ⅱで目指す「顧客価値の向上」を実現するためには、商品をタイムリーにお客様に供給する必要があります。そのために、生産と販売が一体となって最適なPSI(Production, Sales and Inventory)手法の導入を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営問題であると認識し、適宜対応しております。また、中長期的な企業価値向上の観点から、気候変動などの地球環境問題への配慮など、当社がより具体的に対処すべき課題を明確にし、その具体的な対処法を開示できるような取組の策定を進めております。
(1)ガバナンス
当社は全社で横断的に推進するために、取締役会で「NKKのサステビリティへの取り組みについて」を討議し取組み内容を経営自らが決定し、業務執行部門へ目標管理制度にて展開を図ることとしております。加えて、取締役会は半期に1回、業務執行部門より報告を受け、取締役会において取組み項目の状況を確認する体制としております。
(2)戦略
当社グループの経営理念である「Great Small Company」で追求していく価値は、「信頼」「感動」「差別化」「特長」であります。2030年のありたい姿として制定したグループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、中期経営計画を3期に分け、2022年度から取り組んでいる3ヵ年の中期経営計画では、新たな行動理念として制定した「信頼し、信頼される良い会社」を目指す中で、「信頼」と「納期」を重点テーマとし、グループの総力を結集して積極的に展開してまいりました。
「サステナビリティ」についても、取締役会として積極的に取り組みを行っており、環境・社会・ガバナンス・人的資本の4カテゴリーに分けた上で、12項目にわたる取り組みを推進しております。
特に、短期、中期及び長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスクに対処するため、環境カテゴリーにおいて「環境負荷物質低減」を項目とした上で、環境規制の強化により規制対象となる商品への対応を進めてまいりました。また、持続可能な社会の実現に向けて環境目標を定め、CO₂排出量の削減に取り組んでおります。その一環として、長期修繕計画の定期的な見直し、オフィスや共用部において使用していない照明の消灯を徹底するなど推進しております。
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、人的資本カテゴリーにおいて、以下の方針としております。
|
1.女性社員の比率向上 |
新卒採用において、女性1名以上採用を目指し、「採用した新卒女性労働者の数/新卒採用総数」を当社ウェブサイト上で公開しております。 |
|
2.男性の育児休業取得 |
男性の育児休業取得の人数を対象者の50%以上とする目標を掲げ、「男女別の育児休業取得率」を当社ウェブサイト上で公開しております。 |
|
3.障がい者雇用 |
法定雇用率の遵守を目指しております。 |
|
4.従業員エンゲージメント |
信頼し、信頼される経営を実践する中で、意識することなく信頼・尊重・感謝ができている活力ある職場を目指しております。また、従業員エンゲージメントの測定による状況把握を行っております。 |
(3)リスク管理
当社グループは、投資者の判断に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク事象をリスクアプローチの観点より次のとおりと考えております。
|
カテゴリー |
項目 |
環境 |
業績影響 |
法令 |
人材 |
会社評価 |
|
環境 |
CO₂削減 |
〇 |
△ |
△ |
- |
△ |
|
環境負荷物質低減 |
〇 |
〇 |
△ |
- |
〇 |
|
|
廃棄物管理 |
〇 |
- |
〇 |
- |
〇 |
|
|
社会 |
個人情報保護 |
- |
- |
〇 |
- |
〇 |
|
防災 |
〇 |
- |
△ |
- |
〇 |
|
カテゴリー |
項目 |
環境 |
業績影響 |
法令 |
人材 |
会社評価 |
|
ガバナンス |
コンプライアンス推進 |
- |
△ |
〇 |
- |
〇 |
|
コーポレートガバナンス・ コード対応 |
- |
△ |
△ |
- |
〇 |
|
|
人的資本 |
女性社員の比率向上 |
- |
- |
〇 |
〇 |
〇 |
|
男性の育児休業取得 |
- |
- |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
障がい者雇用 |
- |
- |
〇 |
〇 |
〇 |
|
|
従業員エンゲージメント |
- |
△ |
- |
〇 |
〇 |
|
|
次世代育成 |
- |
△ |
- |
〇 |
- |
取締役会は、サステナビリティに係る各課題について業務執行部門に割り当てを行い、主管する業務執行部門が取り組み内容及び進捗状況について、取締役会に報告する体制を構築しております。
(4)指標及び目標
サステナビリティに関するマテリアリティは、それぞれ中長期のKPIを定め、健全な収益性を維持・向上させながら機動的かつ柔軟な対応により、経営環境の変化への適合を図ってまいります。取締役会は、業務執行部門に割り当てた課題に対し半期に1回報告を受け、取締役会において取組み項目の指標及び目標についても状況を確認する体制としております。
また、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
なお、連結グループに属する全ての会社で具体的な取組が行われているわけではなく、連結グループにおける記載が困難であることから、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
・女性社員の比率向上
|
目標:新卒採用において、女性1名以上採用 |
2025年3月期実績:新卒採用4名中、女性2名採用 |
・男性の育児休業取得
|
目標:対象者の50%以上取得 |
2025年3月期実績:取得率 0% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 国際情勢および地政学的リスクについて
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、海外売上比率および海外生産比率はともに6割を超えております。そのため、米国による保護主義的な通商政策による貿易摩擦や関税の引き上げ、または地域紛争等の地政学的問題が発生した場合、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替相場の変動による影響について
外国通貨で取引されている製品の価格は、為替相場の変動による影響を受けるため、当社グループの経営成績、財政状態及び競争力に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の現地通貨建ての財務諸表は連結財務諸表を作成する際に円換算されるため、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 自然災害によるリスクについて
近年、世界で異常気象や地震などが引き起こす自然災害が激甚化してきており、その頻発化、被害の甚大化は過去の事象から想定できるものではなく、その対策が大きな社会課題となっております。当社グループは、ハザードマップ等から製品・部品在庫や生産に係わる自動機をより安全な場所へ移動するなりの対応はしておりますが、想定を超えた台風、洪水、地震、津波等の自然災害が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、通信手段の停止、仕入先からの部品供給の遅れ、サプライチェーンへの被害等により、事業活動が中断し、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 部品調達について
当社グループは、部品・材料の安定的な調達を実現できるよう努めておりますが、生産活動に必要な部品・材料の多くをグループ外の仕入先から調達している関係から、仕入先の納入遅延、製品の欠陥、製品の統廃合、経営状態の悪化、コンプライアンス違反、環境規制などにより、部品・材料の調達が困難になる可能性があります。また原材料費・物流費・人件費等の上昇に伴い、当社グループが調達している部品・材料も高騰しております。今後、これらの事態が長期化した場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ コンプライアンス違反について
当社グループは、国内外の関連法令・規制等のコンプライアンスを遵守するため以前よりコンプライアンス教育等を強化しておりますが、近年、会社を取り巻く環境は激変し、ある事象をきっかけに長年蓄積してきた信頼が大きく崩れ会社存亡の危機に立たされる可能性が高まっているため、取締役会直下に取締役会より委嘱を受けたガバナンス委員会を新設し、ガバナンス体制の強化とあわせて当社グループ全体のコンプライアンス遵守状況も監視・監督しております。しかしながら、万一これらの関連法令・規制等に抵触する事態が発生した場合、多額の損害賠償等を請求されたり、当社グループの社会的な信用が低下する可能性があります。
⑥ 情報セキュリティについて
当社グループは、システム障害やサイバー攻撃やウィルス感染等による情報漏洩や事業停止、また内部からの情報漏洩等を重要なリスクと認識しております。そのため、「情報セキュリティポリシー:セキュリティ基本方針」を定め、外部からの不正侵入防止やデータの暗号化等のセキュリティ対策を実施すると共に、従業員への情報セキュリティに対する教育や啓蒙活動を強化しております。しかしながら、システム障害やサイバー攻撃やウィルス感染等による情報漏洩や事業停止、また内部からの情報漏洩等が発生した場合、当社グループの業務運営及び業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く世界の経済環境は、インフレ抑制を目的とした金融引き締め政策の継続により、米国では個人消費が底堅く推移したものの、中国や欧州の景気低迷の長期化、地政学リスクの高まり、為替相場の急激な変動に加え、米国による保護主義的な通商政策等により景気減速懸念が拡大し、先行き不透明な状況が続いております。日本経済におきましては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等はあるものの、不安定な国際情勢に加え、原材料・エネルギー価格、人件費や輸送費等の高騰や物価上昇の影響継続など、先行きに対する不透明感が更に強まっております。また、当社グループが属する電子部品市場では、数年前の半導体不足や原材料不足からくる過剰な先行受注により、市場在庫が積まれている状況にあり、在庫調整局面が依然として続いております。
このような環境の中、当社グループは、2030年のありたい姿として制定したグループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、2022年度から3ヵ年の中期経営計画に取り組んでおり、持続的な成長に向けて積極的な投資を行ってまいりました。また、中期経営計画では、行動理念として制定した「信頼し、信頼される良い会社」を目指す中で、「信頼」と「納期」を重点テーマとし、グループの総力を結集してこれらに関する戦略を積極的に展開してまいりましたが、在庫調整局面が継続している影響等により厳しい状況で推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は14,974百万円となり、前連結会計年度末に比べ560百万円減少いたしました。これは主にソフトウエア仮勘定が257百万円増加した一方、商品及び製品が224百万円、現金及び預金が151百万円、売掛金が149百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,272百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円増加いたしました。これは主に買掛金が185百万円増加した一方、未払金が89百万円、未払費用が62百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は12,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ569百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金が486百万円、為替換算調整勘定が60百万円減少したことによるものであります。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は7,564百万円(前年同期比19.9%減)、営業損失は452百万円(前年同期は369百万円の営業利益)、経常損失は394百万円(前年同期は459百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は404百万円(前年同期は389百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当連結会計年度の平均為替レートは、1米ドル152.45円(前年同期比5.5%の円安)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大等により、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられるものの、不安定な国際情勢、中国の景気低迷の長期化、原材料・エネルギー価格、人件費や輸送費等の高騰や物価上昇の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、当社グループが属する電子部品市場では、数年前の半導体不足や原材料不足からくる過剰な先行受注により、市場在庫が積まれている状況にあり、在庫調整局面が依然として続いております。こうした中、当社グループの販売強化項目である「特定市場」や「ソリューションビジネスの確立」に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は前年同期比20.5%減、グループ間の取引を含んだ売上高は5,980百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
(欧米)
インフレ抑制を目的とした金融引き締め政策の継続により、米国では個人消費が底堅く推移したものの、ドイツの景気低迷の長期化や、米国新政権が打ち出した大規模な関税政策の影響など、先行き不透明な状況となっております。また、欧米市場につきましても電子部品市場では、数年前の半導体不足や原材料不足からくる市場在庫が積まれたことによる在庫調整に加え、根強い物価高や高金利の維持による財務リスク回避のため在庫調整局面にあります。こうした中、当社グループ販売強化項目の一つであるカタログディストリビューターを中心とする「ネットセールス」や「特定市場」に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は現地通貨ベースで前年同期比26.2%減、為替の影響も含め3,690百万円(前年同期比22.1%減)となりました。
(アジア)
中国では、長引く不動産市場の停滞に加え国内需要が低迷しており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、アジア市場につきましても電子部品市場では、数年前の半導体不足や原材料不足からくる市場在庫が積まれたことによる在庫調整局面であることに加え、主力である韓国における輸出産業の鈍化が重しとなるなど、伸び悩んでいる状況にあります。こうした中、当社グループ販売強化項目の一つである「特定市場」に取り組むなど積極的な施策を展開してまいりました。この結果、当連結会計年度の外部顧客向売上高は現地通貨ベースで前年同期比12.0%減、グループ間の取引を含んだ売上高は為替の影響を含め4,049百万円(前年同期比19.7%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ151百万円減少し、4,688百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は651百万円(前年同期比53.2%増)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失304百万円があったものの、減価償却費532百万円、棚卸資産の減少257百万円、仕入債務の増加196百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は642百万円(前年同期比39.2%減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出432百万円、無形固定資産の取得による支出277百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は145百万円(前年同期比1.4%増)となりました。
これは主に、配当金の支払額82百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
日 本 |
1,995,539 |
91.8 |
|
欧 米 |
- |
- |
|
ア ジ ア |
4,684,951 |
75.3 |
|
合 計 |
6,680,490 |
79.6 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日 本 |
3,823,831 |
124.4 |
1,728,436 |
116.5 |
|
欧 米 |
2,922,605 |
84.8 |
1,170,191 |
61.6 |
|
ア ジ ア |
933,297 |
124.3 |
319,578 |
112.7 |
|
合 計 |
7,679,734 |
105.6 |
3,218,206 |
87.7 |
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
日 本 |
2,959,733 |
79.5 |
|
欧 米 |
3,690,413 |
77.9 |
|
ア ジ ア |
914,288 |
93.2 |
|
合 計 |
7,564,435 |
80.1 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
千代田電子機器㈱ |
1,362,662 |
14.4 |
1,032,917 |
13.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の状況
当社グループの当連結会計年度における財政状態の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は7,564百万円(前年同期比19.9%減)となりました。セグメントごとの売上高の状況及び分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は3,002百万円(前年同期比21.6%減)となりました。また、売上総利益率はコスト削減の取組みを実施しているものの、原材料価格、人件費、輸送費等の高騰の影響を受けたことなどにより、前連結会計年度より0.9ポイント減少し39.7%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業損失は452百万円(前年同期は369百万円の営業利益)となりました。これは、売上減少に伴う粗利額の減少に加え、エネルギー価格、人件費、輸送費等の高騰や持続的な成長に向けて積極的な投資を行っていることで、販売費及び一般管理費が増加したことなどによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は持分法による投資利益の減少等により91百万円(前年同期比16.2%減)となりました。営業外費用は為替差損の増加等により34百万円(同67.5%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は394百万円(前年同期は459百万円の経常利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は投資有価証券売却益の計上等により90百万円(前年同期比55.3%減)、特別損失は0百万円(前年同期比99.9%減)、法人税、住民税及び事業税は43百万円(前年同期比71.8%減)、法人税等調整額は56百万円(前年同期比145.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は404百万円(前年同期は389百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期資金につきましては、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては自己資金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金残高はございません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,688百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針及び見積りの方法につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、2022年度から3ヵ年の中期経営計画に取り組んでおり、2025年3月期の目標値として、売上高8,500百万円、営業利益は黒字を確保することを目標に活動してまいりました。日本、欧米、アジアの各市場において電子部品需給が在庫調整局面に入っており需要が減少していることや、持続的な成長に向けての積極的な投資を行っていることなどにより、当連結会計年度の売上高は7,564百万円(計画比89.0%)、営業損失は452百万円(計画は営業利益0百万円)となりました。
当社グループは、2030年のありたい姿として制定したグループビジョン「私たちが笑顔となり、お客様の困りごとを顧客目線で解決する真のパートナーとなります。」を実現するため、行動理念「信頼し、信頼される良い会社」を目指す中、2024年度までの3ヵ年の中期経営計画Ⅰでは「信頼」と「納期」を重点テーマとして土台構築を行ってまいりました。2025年度から始まる3ヵ年の中期経営計画Ⅱでは、信頼と納期に対する取り組みを継続しつつ、次のステップとして「顧客価値の向上」を目指し、「特定市場の深耕」と「生販一体の供給基盤構築」を重点テーマとし、グループの総力を結集してこれらに関する戦略を重点的に実行してまいります。2026年3月期につきましては、売上高8,300百万円、営業利益は黒字を確保することを目指して活動してまいります。
該当事項はありません。
市場ニーズを先取りし独創的で高付加価値製品をタイムリーに市場へ投入することは当社グループの使命であり、その実践は当社グループの存在感をグローバルマーケットに訴求することと考えております。そのためには、十分な市場調査を行うとともに顧客の要求する仕様を的確に把握する必要があり、グループ間の連携を強化する中で多方向からの情報収集に邁進してまいりました。それらの情報をもとに分析・活用を行い、顧客満足度の高い独創的な高付加価値製品の研究開発を推進し、各販売地域の市場に合った新製品開発、新たな産業分野へのカスタム製品開発にも積極的に取り組みました。
当連結会計年度における研究開発費は
(1) 照光押ボタンスイッチ
(2) 押ボタンスイッチ
(3) ロッカスイッチ
(4) トグルスイッチ
(5) スライドスイッチ
(6) ロータリスイッチ
(7) 多機能押ボタンスイッチ
(8) 鉄道車両用半自動ドアスイッチ
(9) 非常停止スイッチ
(10) 各種タッチパネルスイッチ
(11) シートキーボード製品
(12) 当社製品を複合的に組み合わせたユニット品
なお、日本以外においての研究開発活動はありません。