(1)業績
平成27年度(2015年度)の世界経済は、中国の景気減速及び資源価格の下落が新興国経済の減速につながり、欧州・中東における地政学リスクの高まりもあり不安定要因となりました。米国は穏やかな景気拡大を続けていますが、世界経済への影響も踏まえ更なる利上げについては慎重な姿勢を見せ、年明けから急速に進んだ円高が国内経済の先行きに不透明感を生んでおり、全体としては力強さに欠ける展開となりました。
このような状況下、当社グループは「Vision 2020」で掲げる2020年度連結売上高2兆円に向けた利益ある成長戦略を推進した結果、当期の売上高は4期連続の増収で過去最高を更新し、営業利益、税引前当期純利益、当社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ3期連続の増益で過去最高を更新致しました。製品グループでは、ビジネスポートフォリオ転換の推進役である「車載及び家電・商業・産業用」の四半期営業利益率が第4四半期で初めて10%を超えてまいりました。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
売上高 |
1,028,385 |
1,178,290 |
149,905 |
14.6% |
|
営業利益 |
110,939 |
124,538 |
13,599 |
12.3% |
|
税引前当期純利益 |
107,092 |
119,328 |
12,236 |
11.4% |
|
当社株主に帰属する当期純利益 |
76,015 |
91,810 |
15,795 |
20.8% |
当連結会計年度の連結売上高は、前年度比14.6%増収の1兆1,782億90百万円、営業利益は前年度比12.3%増益の1,245億38百万円となり、それぞれ過去最高となりました。税引前当期純利益は前年度比11.4%増益の1,193億28百万円、当社株主に帰属する当期純利益は前年度比20.8%増益の918億10百万円となり、それぞれ過去最高を更新しています。
(注)ASC 805「企業結合」の規定を適用しており、過年度の連結財務情報を遡及修正しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.買収及び譲渡」に記載のとおりであります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
|
|
総売上高(百万円) |
営業損益(百万円) |
||||
|
|
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減額 |
|
日本電産 |
181,325 |
229,988 |
48,663 |
14,083 |
18,031 |
3,948 |
|
タイ日本電産 |
124,465 |
131,753 |
7,288 |
14,996 |
15,696 |
700 |
|
シンガポール日本電産 |
67,425 |
68,935 |
1,510 |
1,052 |
1,432 |
380 |
|
日本電産(香港) |
82,760 |
114,785 |
32,025 |
613 |
372 |
△241 |
|
日本電産サンキョー |
123,042 |
129,404 |
6,362 |
12,686 |
15,052 |
2,366 |
|
日本電産コパル |
41,081 |
59,366 |
18,285 |
517 |
2,182 |
1,665 |
|
日本電産テクノモータ |
63,220 |
63,406 |
186 |
7,291 |
5,717 |
△1,574 |
|
日本電産モータ |
200,423 |
225,387 |
24,964 |
11,690 |
16,674 |
4,984 |
|
日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ |
194,206 |
270,242 |
76,036 |
18,614 |
25,368 |
6,754 |
|
その他 |
321,922 |
343,589 |
21,667 |
34,128 |
29,001 |
△5,127 |
|
調整及び消去/全社 |
△371,484 |
△458,565 |
△87,081 |
△4,731 |
△4,987 |
△256 |
|
連結 |
1,028,385 |
1,178,290 |
149,905 |
110,939 |
124,538 |
13,599 |
(注)1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
2.当期第1四半期連結会計期間より、従来区分掲記しておりました「フィリピン日本電産」「日本電産(浙江)」「日本電産コパル電子」セグメントは、重要性が乏しくなったため、「その他」に含めております。これに伴い、過年度の数値を当期の表示に合わせて組替再表示しております。
「日本電産」の当連結会計年度における総売上高は2,299億88百万円(前年度比26.8%増)となりました。この主な理由は、その他小型モータの売上増加及び電動パワーステアリング用モータ・デュアルクラッチトランスミッション用モータの需要増加に加え、対ドルでの円安によるプラスの影響によるものであります。外部顧客に対する売上高は313億84百万円(前年度比8.4%増)となりました。また、営業利益は180億31百万円(前年度比28.0%増)となりました。これは主に研究開発費の増加があったものの、売上が増加したことによるものであります。
「タイ日本電産」の総売上高は1,317億53百万円(前年度比5.9%増)となりました。この主な理由は、HDD用モータの需要減少があったものの、対ドルでのタイバーツ安によるプラスの影響及び対タイバーツでの円安によるプラスの影響があったことによるものであります。また、営業利益は156億96百万円(前年度比4.7%増)となりました。これは主に売上増加及び内製化促進に伴う原価改善によるものであります。
「シンガポール日本電産」の総売上高は689億35百万円(前年度比2.2%増)となりました。この主な理由は、HDD用モータの需要減少があったものの、対ドルでの円安によるプラスの影響があったことによるものであります。また、営業利益は14億32百万円(前年度比36.1%増)となりました。これは主に売上の増加に加え、減価償却費及び「その他」セグメントに対するサービス料の減少によるものであります。
「日本電産(香港)」の総売上高は1,147億85百万円(前年度比38.7%増)となりました。この主な理由は、HDD用モータの需要減少があったものの、その他小型モータの売上増加及び、対香港ドル・対中国人民元での円安によるプラスの影響があったことによるものであります。一方、営業利益は3億72百万円(前年度比39.3%減)となりました。これは主に売上増加があったものの、製品構成の変化があったことによるものであります。
「日本電産サンキョー」の総売上高は1,294億4百万円(前年度比5.2%増)となりました。この主な理由は、DCモータの売上が減少したものの、液晶ガラス基板搬送用ロボットやカードリーダの売上増加及び対ドルでの円安によるプラスの影響によるものであります。また、営業利益は150億52百万円(前年度比18.7%増)となりました。これは主に売上の増加によるものであります。
「日本電産コパル」の総売上高は593億66百万円(前年度比44.5%増)となりました。この主な理由は、デジタルカメラ関連部品などの売上が減少したものの、その他小型モータの売上増加及び対ドルでの円安によるプラスの影響によるものであります。また、営業利益は21億82百万円で前年度比16億65百万円の増加となりました。これは主に売上増加に加え、固定費削減及び製品構成の変化によるものであります。
「日本電産テクノモータ」の総売上高は634億6百万円(前年度比0.3%増)となりました。この主な理由は、アジア市場におけるエアコン向けモータの需要減少があったものの、対中国人民元での円安によるプラスの影響及び北米市場におけるエアコン向けモータの需要増加によるものであります。一方、営業利益は57億17百万円(前年度比21.6%減)となりました。これは主にアジア市場における需要減少による固定費率の増加によるものであります。
「日本電産モータ」の総売上高は2,253億87百万円(前年度比12.5%増)となりました。この主な理由は、スリー新(新製品・新市場・新顧客)の売上増加及び対ドルでの円安によるプラスの影響によるものであります。また、営業利益は166億74百万円(前年度比42.6%増)となりました。これは主に売上の増加によるものであります。
「日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ」の総売上高は2,702億42百万円(前年度比39.2%増)となりました。この主な理由は、平成27年2月に取得した日本電産GPMグループの影響、電動パワーステアリング用等の車載用モータや日本電産エレシスのADAS関連製品の需要増加及び対ドル・対中国人民元での円安によるプラスの影響によるものであります。また、営業利益は253億68百万円(前年度比36.3%増)となりました。これは主に売上の増加によるものであります。
「その他」の総売上高は3,435億89百万円(前年度比6.7%増)となりました。この主な理由は、HDD用モータの需要減少及び設備投資需要の減少があったものの、対ドルでの円安によるプラスの影響及びその他小型モータの売上増加によるものであります。一方、営業利益は290億1百万円(前年度比15.0%減)となりました。これは主に売上増加があったものの、設備投資促進に伴う減価償却費が増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた現金及び現金同等物(以下「資金」)は1,476億10百万円で、前連結会計年度と比較しますと557億35百万円の増加となりました。これは主に資産負債の増減によるキャッシュ・フローの増加が202億27百万円、当期純利益が147億75百万円増加となったためであります。
当連結会計年度に得られた資金1,476億10百万円の主な内容は、当期純利益が928億63百万円であります。一方で、資産負債の増減によるキャッシュ・フローの減少が191億73百万円となりました。この内訳は、営業資産の増加が118億85百万円、営業負債の減少が72億88百万円であります。営業資産が増加した主な要因は、前連結会計年度と比較して売上が増加したためであります。
前連結会計年度に得られた資金918億75百万円の主な内容は、当期純利益が780億88百万円であります。一方で、資産負債の増減によるキャッシュ・フローの減少が394億円となりました。この内訳は、営業資産の増加が496億74百万円、営業負債の増加が102億74百万円であります。営業資産と営業負債が増加した主な要因は、前々連結会計年度と比較して売上と顧客需要が増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は953億15百万円で、前連結会計年度と比較しますと140億85百万円の支出増加となりました。この主な増加要因は、有形固定資産の取得による支出が238億76百万円増加したことによります。一方で、事業取得による支出が176億78百万円減少致しました。
当連結会計年度に使用した資金953億15百万円の主な内容は、有形固定資産の取得による支出が819億18百万円、事業取得による支出が96億65百万円であります。
前連結会計年度に使用した資金812億30百万円の主な内容は、有形固定資産の取得による支出が580億42百万円、事業取得による支出が273億43百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果調達した資金は77億75百万円であり、前連結会計年度は195億8百万円の使用でありました。
当連結会計年度に調達した資金77億75百万円の主な内容は、長期債務による調達額が379億3百万円、短期借入金の純増加額が324億12百万円であります。一方で、長期債務の返済による支出が262億10百万円、当社株主への配当金支払額が236億90百万円となりました。
前連結会計年度に使用した資金195億8百万円の主な内容は、長期債務の返済による支出が301億4百万円、当社株主への配当金支払額が158億59百万円でありました。一方で、短期借入金の純増加額は295億92百万円であります。
前述の状況と為替相場変動の影響を受けた結果、当連結会計年度末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末の2,699億2百万円に比べ360億40百万円増加し、3,059億42百万円となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
日本電産 |
- |
- |
|
タイ日本電産 |
143,648 |
112.9 |
|
シンガポール日本電産 |
- |
- |
|
日本電産(香港) |
- |
- |
|
日本電産サンキョー |
130,004 |
91.0 |
|
日本電産コパル |
59,384 |
144.6 |
|
日本電産テクノモータ |
61,601 |
91.7 |
|
日本電産モータ |
223,524 |
109.6 |
|
日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ |
235,010 |
136.9 |
|
その他 |
319,110 |
108.1 |
|
合計 |
1,172,281 |
111.7 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.従来区分掲記しておりました「フィリピン日本電産」「日本電産(浙江)」「日本電産コパル電子」セグメントは、重要性が乏しくなったため、「その他」に含めております。これに伴い、過年度の生産実績を一部組替えて比較しております。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年度比(%) |
受注残高(百万円) |
前年度比(%) |
|
日本電産 |
31,108 |
106.0 |
3,577 |
92.8 |
|
タイ日本電産 |
89,743 |
116.8 |
14,323 |
99.6 |
|
シンガポール日本電産 |
63,447 |
92.0 |
9,097 |
66.1 |
|
日本電産(香港) |
112,250 |
136.8 |
6,620 |
84.4 |
|
日本電産サンキョー |
131,801 |
102.1 |
20,391 |
115.5 |
|
日本電産コパル |
39,128 |
100.3 |
1,196 |
75.1 |
|
日本電産テクノモータ |
58,464 |
99.1 |
1,674 |
100.5 |
|
日本電産モータ |
241,076 |
115.9 |
72,258 |
129.1 |
|
日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
436,739 |
123.2 |
48,698 |
99.4 |
|
合計 |
1,203,756 |
115.0 |
177,834 |
107.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ」は見込生産を行っております。また、一部受注生産を行っており、その他に含めて開示しております。
4.従来区分掲記しておりました「フィリピン日本電産」「日本電産(浙江)」「日本電産コパル電子」セグメントは、重要性が乏しくなったため、「その他」に含めております。これに伴い、過年度の受注高及び受注残高を一部組替えて比較しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年度比(%) |
|
日本電産 |
31,384 |
108.4 |
|
タイ日本電産 |
89,802 |
120.3 |
|
シンガポール日本電産 |
68,115 |
102.3 |
|
日本電産(香港) |
113,470 |
139.3 |
|
日本電産サンキョー |
129,068 |
105.2 |
|
日本電産コパル |
39,525 |
102.2 |
|
日本電産テクノモータ |
58,456 |
99.5 |
|
日本電産モータ |
224,786 |
112.4 |
|
日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ |
247,662 |
143.4 |
|
その他 |
176,487 |
95.9 |
|
小計 |
1,178,755 |
114.6 |
|
その他(※4) |
△465 |
- |
|
合計 |
1,178,290 |
114.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.従来区分掲記しておりました「フィリピン日本電産」「日本電産(浙江)」「日本電産コパル電子」セグメントは、重要性が乏しくなったため、「その他」に含めております。これに伴い、過年度の販売実績を一部組替えて比較しております。
※4.その他の主な内容は、出荷基準と検収基準による米国会計基準との収益認識に係る差異の調整であります。
(1)コーポレート・ガバナンス体制の強化
平成28年6月17日開催の株主総会終結後、独立社外監査役3名と独立社外取締役2名の合計5名となり、独立社外役員体制が定着し、社内取締役の人数の削減により、取締役会において更に活発な議論が行われるようになっております。このように、取締役会の改革をはじめコーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めております。
(2)グローバル経営管理インフラの構築・強化
グローバル企業として、グローバルスタンダードに準拠したグループ全体の経営管理体制・会計基準・財務内容・経営情報開示体制等の充実を更に推進してまいります。
グローバルな自律成長と海外 M&A の PMI(買収後の統合)加速のために成長戦略の基盤強化が必要であり「グローバル5極マトリックス経営管理体制」の構築推進を行っております。具体的には、経営品質の向上(ガバナンス、コンプライアンス、内部統制)、経営効率の向上(高品質、低コストの域内シェアドサービス)、PMI の積極サポートを担う地域統括会社を設置するとともに、その機能拡充を進めています。
グループ入りした企業について、各社の自主独立経営を尊重する「連邦連結経営」を基本としてまいりましたが、グローバル化に対応して「グループ一体化経営」を加速的に推進しています。
グループ全体の内部統制を担う経営管理監査部では、グローバル経営体制の強化に呼応して不正予防の領域に対する監査を強化すべくグローバル監査体制を構築し、これまでの財務諸表監査、米国 SOX 法対応で蓄積したノウハウや実績を基盤に、内部統制の一層の強化を進めております。開示体制も情報開示に関する委員会と各専門部署の連携により充実を図ってまいります。
更に、コンプライアンス室・リスク管理室・CSR 推進室は、専門部署として各部署と連携をしながら活動を展開しております。社会の公器としての事業活動を律していくことにより、雇用維持の社会貢献に加えて、当社経営理念に基づいた新たな社会貢献活動を目指します。
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。
(1)経済状況の変動に係るリスク
NIDECの製品及びNIDECの製品を搭載した製品を販売している国または地域の予期せぬ景気変動は、NIDECの製品需要に悪影響を及ぼす可能性があります。特にNIDECの製品はパーソナルコンピュータ(以下「PC」)や家電、自動車等の最終製品に組み込まれているため消費動向に左右され、一般消費水準の減退はNIDECの売上に悪影響を与える可能性があります。同様に、製造部門における設備投資の水準は景気動向によって左右され、設備投資水準の減退がNIDECの産業用製品に係る売上に悪影響を及ぼす恐れがあります。例えば平成24年度には、一部の欧州における信用収縮や財政危機、及び消費支出の縮小により世界経済が悪化し、NIDECの経営成績に重大な影響を及ぼしました。今後経済環境の悪化が進んだ場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(2)事業ポートフォリオの転換に係るリスク
NIDECの事業は、主に情報機器産業に対しモータとその応用製品、設備、部品といった製品を提供してきましたが、リスクの分散と将来の成長を目的として、NIDECは他の事業領域への事業ポートフォリオ拡大を進めております。しかしながら、必要な情報、経営資源、顧客関係、事業の専門知識、ブランド認知度が常に適時に確保できるとは限りません。例えば、NIDECの事業ポートフォリオ拡大の成否に重要な影響を及ぼすM&A活動は、常にその成果の不確実性にさらされております。加えて、我々が進出を進めている車載・家電・商業・産業用製品の業界では、サプライチェーンが非常に広範囲にわたるため、その中で生じる操業停止や労働問題がNIDECの業績に悪影響を及ぼす恐れがある上に、より厳しい環境規制・安全規制が追加的費用をもたらす恐れがあります。さらに、事業ポートフォリオ転換の過程において、相対的に収益性が低い製品や事業における売上の割合が増加する方向へ製品構成が変化すれば、営業利益率に悪影響を及ぼす恐れがあります。
(3)情報機器産業が依然として重要であるリスク
NIDECは新しい事業領域への事業ポートフォリオ転換を進めておりますが、精密小型モータを含めた情報機器産業における装置や周辺機器に用いられる製品の売上は、依然として重要な割合を占めております。特にハードディスクドライブ(以下「HDD」)業界はNIDECにとって極めて重要であり、HDDの需要低迷や価格低下はNIDECが販売するHDD用スピンドルモータの販売減少へとつながり、NIDECの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。近年、従来のHDD搭載型PCから、タブレットコンピュータやスマートフォンといったソリッド・ステート・ドライブ(以下「SSD」)搭載製品への需要シフトが進行しています。容量当たり価格においてSSDはHDDよりも依然高額ですが、タブレットコンピュータやスマートフォンへの使用において重要視されるデータの読み/書き速度の点でHDDに対し高い優位性を備えています。SSDの容量当たり価格は漸減傾向にあり、HDD搭載型PCの需要は一段と圧迫され、NIDECが供給するHDD用スピンドルモータ売上の新たな減少要因になる可能性があります。
さらに、NIDECのHDD用スピンドルモータは特定の少数顧客に販売されており、NIDECの他の顧客に比べて高い割合の売上を占めております。仮に、それら顧客がNIDECへの注文を大幅に減らした場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合に係るリスク
NIDECは事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされております。NIDECの主要製品を投入しているHDD市場では、製品寿命よりも早く製品価格が下落する傾向があり、絶えず価格下落圧力にさらされております。一方、NIDECが将来的な事業拡大を試みている車載、家電、商業、産業用製品市場における競合他社はNIDECよりも大規模な資金力、研究開発力、製造能力、販売力、マーケティング力、サービス力とサポート源を有し、また、十分な知名度や長期に渡る顧客との良好な関係を維持している可能性があります。また、電気自動車部品やハイブリッド自動車部品等の新興市場では新規参入企業との激しい競争が予想されます。
NIDECの主要既存市場で競争力を維持し、将来的な事業拡大を試みているその他の市場で競争力を高めるため、NIDECは研究開発分野への多額な投資の維持・増強、製造能力・販売力・マーケティング力の拡大、サービス力とサポート源の拡大、タイムリーな新製品の開発、既存製品のさらなる改善を実施していく必要があると考えております。また、利益性を確保するためのコスト削減活動もNIDECにとって必要です。
NIDECは次のような場合に、市場における競争力が低下したり収益力を損なう可能性があります。
・市場がNIDECの予測を超える速度で発展した結果、需要拡大等の市場変化への対応において競合他社がNIDECの能力を上回った場合
・NIDECのコスト削減活動が、市場販売価格の減少や原材料費の上昇による悪影響を吸収するには不十分となった場合
・競合他社が技術革新、製造効率の改善または研究開発能力の強化を行った結果、NIDECの製品や技術が陳腐化したり競争優位性を失った場合
・NIDECの競合企業同士の合併によりNIDECの競争力が相対的に弱まった場合
・必要な投資を継続・強化するための財産的、技術的、人的な資源を調達できない場合
(5)研究開発に係るリスク
NIDECは基礎研究、新製品開発、製品改良、生産工程の改善等を研究開発活動として継続的に行っております。NIDECが製品を提供する市場では継続的に急速な技術革新が起きており、製品の性能に関する顧客からの要求は今後も上がり続けると予想されます。そのような市場環境下で、NIDECの成功の成否は、顧客の要求をタイムリー且つ効果的に満たせるような、より優れた技術、製品、生産工程を開発し続けることができるかどうかにかかっています。もしNIDECが、市場動向を正確に予測できなかったり、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社が、NIDECより優れた技術、製品、生産工程を開発すれば、我々の製品は陳腐化し、競争力が低下する恐れがあります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品、生産工程の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に基礎研究については、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。研究開発活動がうまく成果を出すことが出来なければ、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、NIDECの顧客はカスタマイズ製品を決められた納期内に確実に提供するよう要求します。より高性能な製品をより短い納期で納入することへの顧客からの要求はますます強まっており、そうした顧客要求を満たせなければNIDECは信頼を失い、販売シェアが縮小すると同時に新製品の事業及び市場の拡大を妨げることになります。
さらに、NIDECが多額の投資を経て開発した製品を搭載した顧客製品が予期したとおりに商品化されなかったまたは販売されなかった場合、NIDECはその製品を開発するのに要した費用を回収できない恐れがあります。その結果、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)製品の品質に係るリスク
NIDECは最先端のモータやその他の電気製品を製造しており、事業活動を行う上でNIDECの製品に欠陥がある、もしくは欠陥の疑いがあることを理由として、保証や製造責任を訴訟で問われる可能性があります。特に、NIDECの製品が組み込まれている最終製品が万一大量に故障した場合、消費者からの苦情、不良品の回収、さらに損害賠償請求訴訟等が起こりえます。事業拡大を試みている車載及び家電・商業・産業用モータ及びその他の部品の市場では、安全で高品質な製品を提供できない場合、深刻な物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があり、法令上のリコールが適用される他、社会的要請としても特に高い安全性が要求されます。このような問題がNIDECの作る製品を原因として発生すれば、ブランドイメージの悪化、行政処分、顧客からの重大な法的要求や顧客との紛争につながる恐れがあり、その結果販売の落込み及び不良品回収等の損失費用によりNIDECの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。さらに、訴訟に伴う人的・財務的負担が正確な経営判断の阻害要因となる可能性があります。
NIDECは損害賠償請求訴訟等に備え、保険を付しておりますが、これらの保険では対応しきれない賠償請求が将来的に発生する、またはNIDECの希望どおりに保険が適用されない可能性があります。保険の適用範囲を超える賠償請求や、大規模な製品回収が発生した場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)原材料・部品調達に係るリスク
NIDECは、アルミニウムやレアアース等の原材料及び電子回路、磁石、コネクタ等組立部品を外部から調達しております。こうした原材料、組立部品が価格高騰により十分に調達できない場合、NIDECの生産能力が制限されます。また、サプライヤーの経営状態が悪化した場合にも、NIDECの原材料、組立部品調達に悪影響を及ぼす恐れがあります。
さらに原材料や部品の使用条件に関わる各国政府の政策変化または追加的開示義務が発生した場合、これら原材料及び部品の調達に支障が生じる可能性があります。例えば、コンゴ民主共和国及びその周辺国で採取された紛争鉱物の利用に関する開示規制により、NIDECのサプライヤーが限定される可能性があり、また鉱物の出所を十分に確認できない場合には、顧客や投資家から厳しい評価を受ける可能性があります。サプライヤーがNIDECの望む原材料や部品の供給を停止すると決めた場合にも、NIDECの資材調達に悪影響が及ぶ恐れがあります。
原材料や部品の調達が制限されれば、代替材料を提供してくれるサプライヤーを確保したり、当該原材料・部品の使用量低減を可能にする設計及び技術の開発を行なうために、多くの資源を投入する必要性に迫られる恐れがあります。こうした調達不足が長期間に渡りかつ代替部品のサプライヤーを見つけることもできない場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8)海外拠点での事業活動に係るリスク
NIDECは中国、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、メキシコ、インドネシア等で製造、販売、開発を行なっております。また、インド、ブラジル等の新興国市場へも新規参入を行い、事業の拡大を図っております。これらの国々は、経済的、社会的、またはその他のインフラを整備している段階にあるため、様々な不確定要素の影響を受けやすくなっております。これらの国々の政治、社会、経済状況下では、NIDECの製品をコスト上効率よく製造するための環境を維持できるかどうか定かではありません。さらに、これらの地域の政治当局は、NIDECがその地で事業活動を展開することに対し、経済的、法的またはその他の面で困難な状況を生み出したり、実践的でないものにしたり、不可能にしたりする規制や制限を課す可能性があります。
そして、海外における事業活動は、次のような外国取引に関する様々なリスクをNIDECにもたらすため、それらがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・海外市場における関係産業の景気悪化または沈滞
・国際通貨の変動
・ゼネスト等の労働紛争
・中国、タイ等における労働力不足と賃金水準の上昇
・政治不安
・貿易規制や関税の変更
・グローバルな経営活動を行える人材の確保の困難
・一般的に長期の債権回収期間
・法律や規制の予想しえない制定または改正
・特定の国における比較的弱い知的財産の保護
・不利に取り扱われる恐れのある税制
・文化、商習慣の相違
・関税、輸送費用、その他の価格競争力を低下させる負担費用
・投資効果の実現までに要する長い期間と多額の資金
(9)四半期の業績比較におけるリスク
NIDECは四半期ごとの売上や経営成績の変動が大きい場合があり、今後もこの変動が続き得ると考えております。そのため、四半期ごとの経営成績を比較することはそれほど有用性が高くないかもしれません。また、このような比較により判断される将来の傾向は、信頼のよりどころとならないかもしれません。NIDECの経営成績は、次にあげる主要な要因によって、四半期ごとに変動する場合があります。
・情報機器、家電、商業、産業用を含めた、NIDECの製品を購入または使用する業界での周期的及び季節的な製品需要の変動
・NIDECの海外子会社の経営成績、外貨建て資産、負債に関する為替レートの変動による影響
・NIDECの製造能力とその限界
・短期的なNIDECの製品または顧客、競合の変化
・短期的な主要な注文のキャンセルまたは納期の延期
・新製品や戦略的製品に対する顧客の注文遅延
・とりわけ限られた調達先からの部品、原材料の短期間での調達可能性及び価格の変動
(10)先行投資に係るリスク
NIDECでは、通常、顧客の先行注文、コミットメント、数量予想と自社の需要調査を総合的に評価したうえで生産、在庫計画を策定します。しかし、とりわけ競争が激化したり季節的需要変動その他要因により顧客製品への需要が減少した場合、予測を立てることは非常に困難であり、かつ予測が大幅に変動する可能性があります。このためNIDECは十分な生産量と生産性を確保する必要から受注に先駆けて生産設備を拡張することがあります。今後NIDECは新興国を中心に設備投資を拡大する方針であり、生産能力が需要を著しく上回った場合、稼動損による償却負担の増加または過剰在庫によるたな卸資産の評価減がNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。他方、もしNIDECが需要を過小に見積もり必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の需要を満たせずにシェアを失う可能性があります。
また、部品や材料を調達する際の長いリードタイムを考慮してサプライヤーへ材料を先行注文することがあるため、実際の受注数量が予想に満たない場合は過剰在庫が生じ予期せぬたな卸資産の評価減を招く可能性があります。
さらに、営業費用を需要の急減に即応して削減する余地は限られているため、需要減により売上高が想定を下回ると経営成績全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)M&Aに係るリスク
NIDECは事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してまいりました。買収や投資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。NIDECの買収や出資活動が成就しなかった場合、NIDECの製品ラインナップ、販売網、顧客基盤の拡大計画が停滞したり、成長率が低下したりする可能性があります。買収や資本提携を成功させるためには、買収した事業の効率的な統合が重要です。しかし、買収した事業がNIDECの予想どおりに収益を生むという確証はありません。NIDECは今後の買収や資本提携を成功させるために必要な条件を次のように考えております。
・買収した事業に係る製品を製造・販売する能力及び買収した事業に係る技術を既存技術と統合して新製品を開発する能力
・買収した事業の製品に対する顧客の継続的な需要
・買収した事業の経営、製品、社員に関するNIDECの統合能力
・買収した事業におけるキーパーソンの保持
・買収した事業における財務面や経営面でのNIDECの管理能力
・買収した事業からの報告体制及び買収した事業の法令遵守体制の整備
・買収対象企業の正確な事前調査(財務及び法務デューデリジェンス)
・事前調査の過程でNIDECに悪影響を与える買収対象企業の負債を特定する能力
こうした買収、出資活動はNIDECの事業に重要な影響を与え得る不確定要素です。例えば、出資先企業の業績が悪化した場合、投資価値が毀損する可能性があります。出資先企業が拠点を置く国の政府による経済政策、法律、規制、または会計基準の変更が出資先企業に適用されることでNIDECの業績へ多大な影響が及ぶ可能性があります。NIDECが出資先企業の非支配持分株主である場合、通常その会社の資産や経営に対する決定権がありません。従って、重要な意思決定には他の株主や出資者の同意を得るか、または出資比率を上げることにより経営権を獲得することが必要になります。
買収や出資の効果が得られないか、または適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)業務拡大による管理運営に係るリスク
NIDECは、グループ会社の統合を含む事業成長に即応したマネジメント体制拡充の成否が将来の成功を左右する重要な要素の一つであると考えます。すなわち、NIDECは事業戦略として自律成長やM&Aによる事業規模の拡大を掲げておりますが、その実現にあたっては管理、運営、IT、財務資源、法令遵守等のマネジメント体制拡充に関する負担が増加すると予想されます。
これらの負担が想定以上に発生した場合、マネジメント体制の拡充が十分に行えず、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)NIDEC会長兼社長である永守重信(氏)への依存に係るリスク
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者であり会長兼社長(最高経営責任者)の永守重信氏の能力と手腕に依存しております。永守氏は積極的にNIDECの経営に携わり、特に企業買収活動をはじめとした戦略的意思決定に関与しております。永守氏への依存を軽減するためデザインされた経営構造の確立過程で、永守氏の突然の離脱があった場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク
NIDECの事業は、多数の入れ替えることが非常に困難な上層部経営者、エンジニア等の継続的な雇用に依存しております。現在の市場シェアを維持し、将来の成長をサポートするため、NIDECは大多数の高度なスキルを持つ管理者、エンジニア、製造者、営業担当者、マーケティング担当者、サポート担当者及び管理担当者を追加雇用し、育成し、意識統一し、そして維持し続ける必要があります。世界的にこのような人材の獲得競争は極めて激しいため、NIDECがこのような追加の人材を引き付けそして維持することができない可能性があります。
(15)法令・規制に係るリスク
NIDECの事業は、事業運営を行っている国内外における法令、規制、政策、行動規範、会計基準等の変更や解釈の差異に起因するコンプライアンスリスクを負っており、製品ラインナップの拡充またはビジネスの地理的拡大により、NIDECは各種産業、市場及び行政地区特有のリスクにさらされることになります。よって、NIDECのリスク管理体制によっても、これらのコンプライアンスに完全に対処することができない可能性があります。
NIDECは日本、アジア、北米、欧州、その他地域の環境法令を遵守しております。これら環境法令は大気汚染、水質汚濁、危険物質の対応、水質管理、リサイクル、温暖化防止、土壌及び地下水の汚染等に関連する規則を含みます。
NIDECの事業の多くは環境法令に基づく営業許可を必要とし、それにより製造活動は制約され、法令遵守のための費用が発生します。こうした環境法令は当局により修正、改定、廃止される可能性があります。これらの法令が厳格化することにより環境法令の継続的遵守に必要な投資やその他の支出が増加したり、事業の見直しを行う必要が生じ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、NIDECの事業は国内外において独占禁止法、贈賄防止条約、反テロ法、知的財産権、消費者保護法、税法、輸出規制、関税法、海外貿易規制及び為替規制等の取引規制や市場規制を遵守する必要があります。NIDECは精密小型モータ市場における世界シェアが高いため、特に同市場の売上や製造に影響する規制、行政措置がNIDECの事業、経営成績、財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。さらに、我々は新規市場開拓を行い続けており、法令遵守体制をより強化する必要があります。これら規制を遵守できない場合、その結果生じる罰金、社会的制裁、信用毀損、営業停止、さらには営業許可の剥奪がNIDECの事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
こうした法律、規制、政策、自主行動規範、会計基準等の変更及びその影響を予測することは困難であり、新たな遵守体制整備のために追加的な財務、管理、人的資源が必要になる可能性があります。
(16)内部統制に係るリスク
NIDECは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たさなければなりません。そして、事業運営及び資産管理に必要で効果的な内部統制システム、コンプライアンス機能、会計システムの整備は極めて重要であると認識しております。
また内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になります。内部統制上の重大な欠陥、弱点が認められた場合、改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生する可能性があります。
さらに、財務報告に関わる内部統制に欠陥がある場合、NIDECは適時開示義務を充足できなかったり、投資家及び経営者等の利害関係者の正確な意思決定を妨げる可能性があり、その結果、市場におけるNIDECの評価が毀損する恐れがあります。また、欠陥の重大性や原因等の程度に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限される可能性があります。
(17)知的財産権に係る訴訟リスク
NIDECは、自社技術及びその他の知的財産を、特許権、商標権、著作権及びその他の知的財産権、さらには機密管理や個別契約により保護しております。NIDECはこれらの知的財産権に関して次のようなリスクを負っております。
・NIDECは第三者からの知的財産権侵害の主張に対して反論をしていくためコストが必要になる場合があります。また、当該主張の結果、予め認識していない第三者の知的財産権を利用してしまったことによりNIDECに賠償責任が発生する場合や、差止命令によりNIDECの事業の継続が妨げられる場合があります。その結果、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・NIDECの知的財産権の保護対策は十分でない可能性があります。
・NIDECより大規模な資源を有する競合他社を含むその他の企業が、独自に技術を開発するか、または優越する技術を獲得した場合、NIDECはこれら企業の知的財産を使用するためのロイヤリティを支払わなければならなくなる可能性があります。
・現行または将来の特許出願に関して、特許権を取得できなかったり、NIDEC自身が保有するまたは使用を許諾されている特許が無効になったり回避されたりすることで技術戦略上困難な状況に陥る可能性があります。
・特定の特許権の下で認められている権利では、NIDECに競争上の優位をもたらさない可能性や、適切に保護されない可能性、技術力の維持に繋がらない可能性があります。
・第三者による特許、重要な営業秘密、その他の知的財産権に関する侵害や無断使用に対して提起する訴訟に伴い多大なコストが必要になる可能性があります。
・NIDECの製品を製造及び販売している諸外国の法律が、NIDECの製品や知的財産権を、日本の法律と同じ範囲で保護していない場合や、法律が存在したとしても効果的に施行されていない可能性があります。
(18)情報の流出に係るリスク
NIDECは、事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を保有しております。NIDECはこれらの機密情報に関してセキュリティ対策を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったために発生する責任や規制措置の対象となる可能性があり、NIDECは競争上の優位性を喪失し、顧客や市場の信頼が失われ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。加えてNIDECの営業活動やシステム、ブランドイメージに対する社会的信頼を落とすことになります。
(19)年金制度に係るリスク
NIDECの一部では、一定の要件を満たす従業員のための確定給付年金制度と確定拠出年金制度を併用している会社があります。特に、確定給付年金制度に関しては、年金資産の公正価値や年金資産の収益率が下落した場合、または、退職給付債務の計算の基礎となる想定値が変動した場合、損失が発生する可能性があります。また将来、既存の年金制度を変更し、従来は認識していない勤務費用が発生する可能性があります。そして、利率の変動、NIDECをとりまく環境の変化やその他の要因により、年金資産の積立状況や数理計算上の差異の償却に悪影響を与える可能性があります。さらに、将来の年金費用の計算に使用される想定値も変動する可能性があります。
(20)減損に係るリスク
NIDECは、多額の営業権や有形固定資産等を保有しており、今後買収を通じてさらに営業権を保有する可能性があります。これらの資産につき収益性の低下が発生した場合、NIDECは減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)繰延税金資産の不確実性に係るリスク
NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収される可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は繰延税金資産を減少させることとなります。経済状況や経営成績が悪化した場合、繰延税金資産の全てまたはその一部に関して回収可能性が見込めないと判断し、繰延税金資産を減少させることによりNIDECの利益が減少する可能性があります。
(22)為替に係るリスク
NIDECの海外への売上の大部分は日本円以外の米国ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等の通貨で構成されており、各通貨に対する円の上昇は一般的に、NIDECの売上、営業利益、純利益に悪影響を及ぼします。このリスクを軽減するため、売上と仕入の通貨を合わせることにより為替リスクの軽減に取り組んでおります。例えば、もしある製品の売上が米国ドル建てであれば、この製品の生産に使用する材料や資源の購入を米国ドル建で購入するようにしております。それでもなお、NIDECは為替リスクにさらされています。
加えて、日本円以外の通貨で運営している子会社の業績を連結財務諸表として統合した際、為替変動が大きく影響する可能性があります。
(23)金利の変動に係るリスク
NIDECは、固定利率と変動利率の長期債権や有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを防ぐため、金利スワップや他の契約を締結することがあります。その場合、ヘッジされていない部分に関して、支払利息や受取利息、金融資産・負債の価値に影響する金利の変動リスクにさらされる可能性があります。
(24)資金の流動性に係るリスク
NIDECは自社の資本支出やM&Aに関する資金を金融機関からの借入や金融市場からの直接調達に依存しております。金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、またはNIDECがそれまでと同等またはより良い条件で取引可能な代替的資金調達源を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合や経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があり、資金調達がより制限されるとともに、資金繰り費用が大幅に増加する可能性があります。この場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(25)偶発的リスク
NIDECやサプライヤーが事業を展開する国内外において、自然災害、火災、公衆衛生、戦争、テロ行為やその他の人的災害が発生した場合、政治的、経済的不安定を招き、NIDECやサプライヤー、顧客に損害を与える可能性があります。仮にインフラに甚大な損害を及ぼしたり電力不足をもたらすような大規模な自然災害、あるいは感染病の流行が発生すれば、従業員が勤務できなくなったり、顧客からの受注が低下したり、サプライヤーの生産活動が阻害されることでNIDECの事業に悪影響が及ぶ可能性があります。また、例えばタイや中国といったNIDECの主要な顧客や生産、開発拠点が集中している地域や、NIDECの本社や重要な研究開発施設が集中している日本でこのように大規模な災害が発生すれば、際立って大きな悪影響が及ぶ恐れがあります。さらに、NIDECの事業に必要不可欠なネットワーク及び情報システムは、停電、自然災害、テロ行為、ハードウェアやソフトウェアの不具合、コンピュータウィルスによる攻撃、不正侵入により被害を受ける可能性があります。これらの事態の全てを回避することは困難です。これらの事態が発生した場合には、NIDECの生産活動及び販売活動に大きな支障をきたし、製品の納入が遅れ、サプライヤーから材料や部品を入手することが困難となり、製造工場の修復に多大な費用が必要となります。
さらに、NIDECは様々な種類の資産、死傷及び他のリスクについての第三者保険を付しております。これらの保険の種類及び保険額はその有用性、コスト、自家保険による補償範囲を勘案し決定します。NIDECの保険契約は、控除条件、適用範囲及び除外項目の対象となる場合があり、その結果、自家保険と同等の補填金額に留まる可能性もあります。NIDECが加入する保険の適用範囲と補償金額はほぼ業界水準と考えておりますが、保険対象外の損失が増加すればNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(26)株価下落のリスク
NIDECの発行済普通株式は、東京証券取引所にて売買可能です。大株主によるNIDEC株式の大量の市場売却や、そのような売却の可能性は、NIDECの普通株式の市価を低下させ、NIDECが有価証券を発行または売却して追加資本を捻出する際の妨げとなる可能性があります。さらに、NIDECは将来、追加の資本支出、運転資金、研究開発、または買収用の資金を捻出するため、有価証券を発行または売却する可能性があります。NIDECが現金または普通株式で追加の関係会社株式の購入を行うことも考えられます。NIDECはNIDEC株式に転換可能な有価証券を発行する可能性もあり、これらの事態が発生した場合、NIDECの株式価値が希薄化し、NIDECの株価に悪影響を与える可能性があります。
(1)相互技術供与契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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日本電産㈱ (当社) |
ミネベア㈱ |
日本 |
流体動圧軸受及びHDD用スピンドルモータ |
特許権等のクロスライセンス契約 ※1 |
平成16年12月18日から契約特許権の存続期間満了まで |
|
日本電産㈱ (当社) |
サムスン電機ジャパンアドバンスドテクノロジー㈱ |
日本 |
3.5インチHDD用スピンドルモータに使用されている動圧軸受構造(焼結タイプ除く) |
特許権等のクロスライセンス契約 ※1 |
平成20年2月8日から契約特許権の存続期間満了まで |
|
日本電産㈱ (当社) |
サムスン電機ジャパンアドバンスドテクノロジー㈱ |
日本 |
2.5インチHDD用スピンドルモータ |
特許権等のクロスライセンス契約 ※2 |
平成21年1月1日から契約特許権の存続期間満了まで |
|
日本電産㈱ (当社) |
NTN㈱ |
日本 |
流体動圧軸受(B,Gタイプ)を使ったモータ(主に3.5インチHDD用) |
特許権等のクロスライセンス契約 ※3 |
平成21年7月24日から10年間(両当事者合意の場合、更新又は延長) |
|
日本電産㈱ (当社) |
LG Innotek Co., Ltd. |
韓国 |
精密小型DCモータ |
特許権等のクロスライセンス契約 ※4 |
平成21年10月26日から契約特許権の存続期間満了まで |
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日本電産㈱ (当社) |
パナソニック㈱ |
日本 |
流体動圧軸受及びHDD用スピンドルモータ |
特許権等のクロスライセンス契約 ※5 |
平成25年4月1日から契約特許権の存続期間満了まで |
(注)※1.当社は対価を一括して受領しております。
※2.当社は対価を年2回、継続して受領しております。
※3.当社が対価を年2回、継続して支払う契約です。
※4.当社は対価を年1回、継続して受領しております。
※5.当社が対価を一括して支払う契約です。
(2)株式譲渡契約
①ANA IMEP S.A.
当社の子会社である日本電産ソーレモータ㈲は、ルーマニアの非公開会社ANA IMEP S.A.(以下、「IMEP社」)の持分約94.8%をIMEP社の主要株主から取得することに合意し、平成28年4月21日に株式譲渡契約を締結致しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記(25.後発事象)」に記載のとおりであります。
NIDECは精密小型モータで世界No.1の地位を築き上げてきました。そして、同時に製品ラインアップも小型から大型までの各種モータ、さらには応用製品である機器装置や電子光学部品などへと次々に拡大してきました。現在では、当社製品の活躍するフィールドは情報通信機器、OA機器分野にとどまらず、家電製品、自動車、産業機器、環境エネルギーなど幅広い分野に広がっています。研究開発においても、グループ各社の開発部門がそれぞれ新製品の開発や要素技術の研究を行うとともに、相互の技術融合により新分野を開拓し、成長事業の創出に挑戦すべくスピード重視で取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は519億78百万円であります。
なお、各セグメントに帰属しない「全社(共通)」として、中央モーター基礎技術研究所、シンガポールモーター基礎技術研究所及び台湾モーター基礎技術研究所において将来の会社事業に必要なモータ全般の要素技術研究を行っており、グローバル技術開発戦略の中核となる要素技術研究の一層の高度化を推進しております。また、新たに発足した生産技術研究所において、ものづくりの基盤強化と先端技術の取り込みを行い、多様化する当社グループの製品の成長を更に促進させてまいります。
当連結会計年度に係る研究開発費は38億27百万円であります。
セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は、次のとおりであります。
(1)日本電産
当セグメントにおきましては、中央開発技術研究所において精密小型モータ全般にわたる基礎及び応用研究、新製品の研究開発及び各拠点の技術的支援研究のほか、HDD用モータの新機種量産化及び製品の品質向上を目的とした研究開発を行っております。滋賀技術開発センターではHDD用を除く精密小型DCモータ及びファンモータ、並びに自動車のパワーステアリング用をはじめとする各種車載用モータ等に関する新製品及び新機種量産化、製品の品質向上を目的とした研究開発を、長野技術開発センターではHDD用モータの新機種量産化及び製品の品質向上を目的とした研究開発をそれぞれ行っております。
主な研究開発の内容は以下のとおりであります。
HDD用モータにつきましては、超薄型モバイルPC向けとして7mm・5mm厚HDD用モータ、大容量サーバー(クラウド・ニアライン)向けとしてエアドライブ向けFDB(流体動圧軸受)モータ、ヘリウム封入HDD用モータ及びバーチャルリアリティシステム向けのモータの開発を行っております。ファンモータにつきましては、従来HDDモータ用に採用してきたFDB技術、触覚技術をファンモータへ応用した新モデルの開発を行っております。
車載用モータにつきましては、先進国市場のほか、中国、インド、ブラジルといった新興国市場向け新製品の開発を強化しております。小型・高性能次世代のパワーステアリング用モータ、パワーステアリング以外のアプリケーション(シート、ブレーキ、サンルーフ等)用のモータ及び付帯するECU(電子制御ユニット)の開発、油圧・電動システムに使用されるブラシレスモータ等の開発を行っております。また、モータをセンサー、制御装置と組み合わせたパッケージ開発を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は225億23百万円であります。
(2)日本電産サンキョー
当セグメントにおきましては、メカのカラクリ技術と事業多角化の中で構築されたモータ技術、サーボ技術を融合させた“カラクリ・トロニクス”製品として、ステッピングモータ、モータ駆動ユニット商品群、システム機器関連の開発を行っております。ステッピングモータについては、車載用への展開において、小型化・高性能化・コストパフォーマンスの改善に向けて開発を行っております。モータ駆動ユニット商品群については、医療や産業用市場への参入を目指し、小型高出力モータ、センサー、サーボ制御、制御ソフトウェアをメカニカルユニットに融合させる商品群への展開を進めております。システム機器関連事業においては、各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化、モバイル用ディスプレイ、有機ELディスプレイ関連、半導体ロボット分野、真空装置内搬送、太陽電池分野への積極的な展開、サーボモータ技術の低価格化を進めたサーボシステムの開発を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は46億89百万円であります。
(3)日本電産コパル
当セグメントにおきましては、東京技術開発センターにおいて、カメラ・モバイル向けにシャッター、絞り、レンズ等のカメラ製品の光学電子機器及び振動モータ、車載用モータ、レーザー製品向け等のシステム機器関連の要素技術、製品開発を行っております。光学製品の開発としましては、デジタルカメラ用シャッターや絞り中心の開発からポートフォリオの転換として車載用レンズやモバイル製品の開発に力を入れております。モータにおいては、デジタルカメラ用からモバイル、車載、医療への移行を進めております。システム製品ではレーザーマーカーを中心とした業務用製品とアミューズ向けメカユニット、医療・美容向け製品の開発を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は23億12百万円であります。
(4)日本電産テクノモータ
当セグメントにおきましては、空調・産業用モータの開発を福井と福岡で行っております。先進国市場のほか、中国、韓国、タイ、インド及び中東といった新興国向けの新製品の開発及びモジュール化について開発強化に取り組んでおります。
当連結会計年度に係る研究開発費は16億28百万円であります。
(5)日本電産モータ
当セグメントにおきましては、主に住宅/商業・家電・産業用モータ・ギヤ・制御装置、ドライブシステム、エンコーダ及びエレベータ用部品の研究開発を行っております。住宅/商業用モータにつきましては、空調設備用、商業冷蔵機器用、ゴルフカート、フロアケア、商業用調理機器用のモータ・ギヤ・制御装置の開発、家電用モータとしては主に洗濯機、乾燥機用モータの開発を行っております。産業用モータでは上下水道用・灌漑用・オイル・ガス採掘用等各種ポンプ用モータ、更に大型の発電プラント向けのモータ・システムの開発を行っております。車両駆動用モータとしては、レアアースを使わないSRモータ技術をベースにエンコーダとのモジュール化を行い、建機・農機等大型車両のハイブリッド化・電気化に向けた開発を行っております。また、エレベータ用モータ及びその他部品等総合パッケージを提供するための開発も行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は60億20百万円であります。
(6)日本電産モーターズ アンド アクチュエーターズ
当セグメントにおきましては、ドイツ、スペイン、日本を中心に車載用モータの高寿命化、小型化及び軽量化に向けた研究開発を行っております。シート・サンルーフ用ではレアアース不要な小型ブラシ付きモータの商品化、エンジン冷却用の小型で軽量なブラシ付ファンモータの開発を行っております。シャーシ制御領域(ブレーキ、ステアリング)、先進安全領域(カメラ、ミリ波レーダー)の先行開発及び商品化(量産)開発を行っております。ブレーキについては、回生協調ブレーキシステム用ECUの商品化(量産)開発、横滑り防止装置用ECUの商品化(量産)開発を行っております。電動パワーステアリング向けには、ブラシ付きモータ用とブラシレスモータ用ECUの開発が完了し、機能安全対応を盛り込んだブラシレスモータ用ECUの先行開発を行っております。そのほか、自動変速機(A/T)、無段変速機(CVT)用のコントロールバルブアセンブリの更なる高機能化と高性能化へ向けた研究開発、電動オイルポンプの開発、トランスミッション用電動油圧アクチュエータ開発、自動組立ラインの開発を進めております。電動ポンプについては、グループ会社の技術力を最適に組み合わせた開発、CO2排出量の削減となる開発を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は73億36百万円であります。
(7)その他
「その他」セグメントでは、精密小型モータ、機器装置関係及び電子部品等の研究開発活動を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は36億43百万円であります。
なお、タイ日本電産、シンガポール日本電産、日本電産(香港)の各セグメントにおいては、研究開発活動を行っておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成におきまして、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積れるような場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
NIDECは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用されるNIDECの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと認識しております。
①たな卸資産
たな卸資産は、当社の連結財務諸表において低価法により評価されております。NIDECは販売傾向と需要予測、技術革新等により変化する、たな卸資産の市場価値を定期的に評価しております。予期しない市場価格の下落、需要の変化あるいは生産ラインの変更の結果、たな卸資産評価損を追加認識しなければならない可能性があります。
②市場性のある有価証券の減損
NIDECの市場性のある有価証券には、売却可能有価証券と満期保有目的有価証券があります。決算日において、一時的ではない、市場性のある有価証券の減損は当該会計期間で損失計上されます。売却可能有価証券の減損については、公正価値が帳簿価額を下回っている期間と程度に基づいて一時的であるか否かを判定しております。NIDECは、これらの各企業に対する投資が減損しているか否か、そしてその減損が一時的であるか否かを判断するために、各社の財政状態や各社が事業を行っている市場状況を検討することによって、当該投資の回収可能性を評価するという体系的な手法を採用しております。
NIDECは以下の理由により、投資の減損に関連する見積りが重要な会計方針であると考えております。
・NIDECが被投資会社の将来の財政状態とキャッシュ・フローに関する仮定を立てることを必要としている。
・減損の認識は当社株主に帰属する当期純利益への影響はもちろん、総資産にも大きく影響を与えることが考えられる。
なお、当連結会計年度において有価証券の減損はありません。
③貸倒引当金
NIDECは、一般債権を貸倒損失の実績値で評価し貸倒引当金を計上しています。それに加え、回収不能とみなされた特定の顧客の債権に対して追加で引当金を計上しています。NIDECは顧客の財政状態の変化と回収期限切れの債権の状況をもとに、これら特定の債権に対する引当金計上の必要性を判断しています。
NIDECは、信頼性のある見積りのもと貸倒引当金を計上していると考えておりますが、経済状況だけでなく顧客の集中がNIDECの正確な貸倒引当金の見積りに影響を与える可能性があります。
④繰延税金資産
連結財務諸表の作成過程において、NIDECが事業を展開する各管轄地の法人税を見積ることが要求されております。これは繰延収益のように税務と会計の視点から異なる扱いの項目から発生する一時差異を評価することを含めて、NIDECの実際の税負担を見積ることを要求しています。この差異は繰延税金資産・負債として認識されます。そして、その繰延税金資産は将来の課税所得から回収されるかどうか可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は評価性引当金を設定しなければなりません。実際の結果が見積りと異なる場合、あるいは将来これらの見積りを修正する場合には、評価性引当金を追加設定する必要があり、財政状態と経営成績に不利な影響を与える可能性もあります。
⑤長期性資産の減損
主に有形固定資産から構成される長期性資産は、当連結会計年度末においてNIDECの連結総資産の約25.1%を占めております。NIDECはこれらの資産の見積経済耐用年数の適正性を注視しております。NIDECが長期性資産の減損の適用を始めた平成14年4月1日以降、これらの資産が回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合には、NIDECは減損の調査を行っております。当該資産の帳簿価額が、その資産から将来生み出されると期待される割引前のキャッシュ・フローを上回る場合に減損損失が認識されます。NIDECは、資産の状態や将来の使用見込みから減損の可能性のある遊休資産をレビューしております。技術の変化や市場の需要の変化、NIDECの製品構成計画の変化やこれらの資産の使用用途の変更は、見積られた使用期間や資産価値に変化を引き起こす可能性があります。更に、競合会社の増加といったような一般的な経営環境の変化もこれらの資産価値に変化を引き起こす可能性があります。見積経済耐用年数と潜在的減損の測定に用いられた見積りや仮定は、重要な判断を必要とします。
⑥買収
近年、NIDECはいくつかの重要な企業買収をしております。平成21年3月31日までそれらはパーチェス法を用いて会計処理しておりました。平成21年4月1日よりASC 805「企業結合(Business Combinations)」を適用しており、企業買収は取得法を用いて会計処理しております。パーチェス法及び取得法の適用にあたっては、取得価額と取得した純資産の公正価値の調整や耐用年数の見積りに複雑な判断を要します。資産と負債の公正価値の測定は、主にキャッシュ・フロー分析や市場価格などに基づいており、独立した鑑定人の評価報告を受けております。
⑦営業権の評価
NIDECは企業結合により発生した営業権は償却せず、年1回(1月1日)レポーティング・ユニットレベルで減損判定を行います(レポーティング・ユニットとは、ASC 280「セグメント情報(Segment Reporting)」における報告対象セグメントと同じか一段低いレベルとASC 350「無形資産-営業権及びその他(Intangibles-Goodwill and Other)」において定義されております)。更に、回復不能であるかもしれない価値下落の発生を示すような事象や状況の変化が起こった場合に営業権の減損の判定を行います。具体的には、以下のような事象が発生した場合に減損の判定を行います。
・著しく低調な営業実績または将来予測される営業成績
・事業全体の経営戦略の重要な変更
・著しくネガティブな業界動向または経済動向
・買収企業の株価の長期にわたる深刻な下落
・買収企業の時価総額と帳簿価額の重大な差
営業権は2ステップの減損判定を行います。第1ステップでは、レポーティング・ユニットの公正価値と簿価(営業権を含む)を比較します。公正価値が簿価を上回っている場合は減損していないと考えられます。もし、簿価が公正価値を上回る場合には減損の測定をするために第2ステップを実施します。第2ステップでは、レポーティング・ユニットの営業権の公正価値とその簿価を比較します。
この営業権の減損判定における公正価値の計算の感応度分析をするため、NIDECはそれぞれのレポーティング・ユニットレベルの公正価値が下落したと仮定して計算を行います。割引キャッシュ・フローモデルに基づき、各レポーティング・ユニットの簿価を上回る十分な公正価値を確認しており、減損の兆候に該当する事象が発生することは予測されておりません。
NIDECは、上記事象が発生し減損の判定を行い営業権の評価を決定する際に、NIDECの現状のビジネスモデル特有のリスクに見合った将来予測割引キャッシュ・フローに基づいて減損を測定します。この将来予測割引キャッシュ・フローの変化は営業権の評価に重要な影響を与える可能性があります。このモデルは予測キャッシュ・フロー、技術変化、顧客需要、自然災害に起因する経済回復の予測と実態の乖離など不確実な要素を含んでおります。
⑧年金制度
NIDECは、確定給付年金制度に関して、数理計算に基づき会計処理を行っております。従業員年金費用及び給付債務の計算では、年金資産の予想収益率、割引率、賃金水準の増加率、そして従業員の平均残存勤務年数などの構成要素を想定することが要求されています。NIDECは年金資産の予想収益率を作成するために、過去の長期実質収益情報、及び将来の長期投資収益の見積りを、外部情報を参照することにより使用しております。割引率は年金給付の満期と同じ満期の信用力の高い債券の利率を基に仮定しています。また賃金水準の上昇率と平均残存勤務年数は過去のデータを基に仮定しています。これらの仮定の変更はNIDECの年金費用に影響を与えます。
⑨法人税
ASC 740「法人所得税(Income Taxes) 」を適用しております。NIDECは法人税等の不確実性の評価及び見積りにおいて多くの要素を考慮しており、それらの要素には、税務当局との解決の金額及び可能性、並びに税法上の技術的な解釈を含んでおります。不確実性に関する実際の解決が見積りと異なるのは不可避的であり、そのような差異が連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(2)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の連結売上高は、前年度比14.6%増収の1兆1,782億90百万円となり過去最高となりました。なお、当連結会計年度の平均為替レートは対ドルで円安(1ドル当たり120.14円で前年度比約9%の円安)、対ユーロで円高(1ユーロ当たり132.58円で前年度比約4%の円高)が進みました。前年度比の為替の影響は売上高では約621億円の増収要因となりました。製品グループ別の売上高の状況は以下のとおりであります。
「精密小型モータ」製品グループの売上高は前年度比12.6%増収の4,479億88百万円、為替の影響は前年度比約342億円の増収要因となりました。HDD用モータは前年度比1.9%増収の2,079億74百万円となり、販売数量は前年度比約10%減少しております。その他小型モータはファンモータ、その他精密小型モータが増収となり、前年度比23.8%増収の2,400億14百万円となりました。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの売上高は前年度比20.6%増収の5,547億13百万円となりました。家電・商業・産業用ではスリー新(新製品・新顧客・新技術)の売上増と為替の影響もあり、前年度比7.7%の増収となりました。車載では電動パワーステアリング用等の車載用モータや日本電産エレシスグループのADAS 関連製品の売上増に加え、前年度の期中に買収した日本電産GPM グループと為替の影響等により、前年度比37.7%の増収となりました。なお、当製品グループの売上高への為替の影響は前年度比約209億円の増収要因となりました。
「機器装置」製品グループの売上高は日本電産サンキョーグループの液晶ガラス基板搬送用ロボット及びカードリーダの増収等を主な要因として前年度比7.8%増収の1,064億62百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高はデジタルカメラ関連部品などの売上減少により、前年度比1.4%減収の641億12百万円となりました。
「その他」製品グループの売上高は前年度比23.2%減収の50億15百万円となりました。
②売上原価
売上原価は9,083億11百万円で前年度比1,218億25百万円(15.5%)の増加となりました。日本電産GPMグループ(以下「新規連結子会社」)の影響を除くと、8,676億21百万円で前年度比841億70百万円(10.7%)の増加となります。この増加は、主に円安及び売上高の増加によるものです。売上高比は前連結会計年度76.5%から当連結会計年度77.1%に増加致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度76.4%から当連結会計年度76.8%に増加致しました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は934億63百万円で前年度比76億82百万円(9.0%)の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、909億71百万円で前年度比53億50百万円(6.2%)の増加となります。この増加は主に円安及び人件費の増加によるものです。売上高比は前連結会計年度8.3%から当連結会計年度7.9%に減少致しました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度8.4%から当連結会計年度8.0%に減少致しました。
④研究開発費
研究開発費は519億78百万円で前年度比67億99百万円(15.0%)の増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、505億69百万円で前年度比54億82百万円(12.2%)の増加となります。この増加は主に「精密小型」製品グループ、「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの開発費用の増加によるものであります。売上高比は前連結会計年度及び当連結会計年度いずれも4.4%となりました。新規連結子会社の影響を除くと、売上高比は前連結会計年度4.4%から当連結会計年度4.5%に増加致しました。
⑤営業利益
営業利益は1,245億38百万円で前年度比135億99百万円の増益となりました。製品グループ別の営業利益の状況は以下のとおりであります。
「精密小型モータ」製品グループの営業利益は前年度比8.0%増益の681億27百万円となりました。為替の影響は増益要因(約98億円)となりました。
「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの営業利益は増収を主因に、前年度比30.7%増益の476億54百万円となりました。
「機器装置」製品グループの営業利益は製品構成の変動等による減益を主因に、前年度比2.2%減益の157億97百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの営業利益は減収ながら、構造改革効果と原価および生産性改善により、前年度比32.7%増益の66億45百万円となりました。
「その他」製品グループの営業利益は前年度比12.9%増益の8億91百万円となりました。
これらの結果、営業利益率は前連結会計年度10.8%から当連結会計年度10.6%に減少致しました。
⑥その他の収益・費用
その他の収益・費用は52億10百万円の費用(純額)で前年度比13億63百万円の費用増加となりました。新規連結子会社の影響を除くと、49億51百万円の費用(純額)で前年度比11億2百万円の費用増加となります。この増加は主に、有価証券売却益の増加があったものの、為替差益の減少及び支払利息の増加によるものであります。
為替差損益は1億53百万円の損失(前連結会計年度は8億4百万円の利益)となりました。新規連結子会社の影響を除くと、為替差益は1億47百万円で前年度比6億57百万円の減少となりました。この減少は主に対ドルでのタイバーツ安によるプラスの影響があったものの、前連結会計年度において対ドルで円安が進んだためであります。
下記の表は日本円と米国ドル、日本円とユーロ及び日本円とタイバーツの為替レートを示しております。
|
通貨 |
平成26年 3月31日 |
平成27年 3月31日 |
平成26年3月31日から 平成27年3月31日への 変動 |
平成28年 3月31日 |
平成27年3月31日から 平成28年3月31日への 変動 |
|
米国ドル |
102.92円 |
120.17円 |
17.25円 |
112.68円 |
△7.49円 |
|
ユーロ |
141.65円 |
130.32円 |
△11.33円 |
127.70円 |
△2.62円 |
|
タイバーツ |
3.17円 |
3.70円 |
0.53円 |
3.19円 |
△0.51円 |
⑦税引前当期純利益
税引前当期純利益は1,193億28百万円で前年度比122億36百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度10.4%から当連結会計年度10.1%に減少致しました。
⑧法人税等
法人税等は264億66百万円で前年度比25億67百万円の減少となりました。この減少は主に実効税率の減少によるものであります。
当連結会計年度の実効税率は、22.2%となり、前連結会計年度の実効税率と比較して4.9ポイント減少しました。
⑨持分法投資損益
持分法投資利益は1百万円で前年度比28百万円の減少となりました。
⑩当期純利益
当期純利益は928億63百万円で前年度比147億75百万円の増加となりました。
⑪非支配持分帰属損益
非支配持分帰属損益は10億53百万円の利益で前年度比10億20百万円の減少となりました。これは主に株式交換による子会社の完全子会社化を実施したことによるものであり、前連結会計年度には日本電産コパル電子株式会社及び日本電産リード株式会社を完全子会社化しております。
⑫当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は918億10百万円で前年度比157億95百万円の増加となりました。売上高比は前連結会計年度7.4%から当連結会計年度7.8%に増加致しました。
(3)財政状態の分析
NIDECの手元流動性は、主に営業キャッシュ・フロー及び長期の有利子負債で賄われております。キャッシュ・フロー改善のために、ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)に焦点をあて、運転資金の効率化に取り組んでおります。なおワーキングキャピタルは、主に短期借入金及び1年以内返済予定長期債務の増加により前連結会計年度末の3,660億67百万円から当連結会計年度末の3,448億34百万円へ減少しております。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及びアメリカ等においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しておりますが、当連結会計年度には日中間、その他アジア地域を結ぶCMSを導入し、既に導入済の日米間CMSを含め全世界ベースでCMS網が拡大しております。
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は3,059億42百万円であり、前連結会計年度末は2,699億2百万円でありました。なお当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約89%を日本以外の子会社で保有しております。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ•フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限は、NIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは支払手形及び買掛金を1,772億54百万円、短期借入金を810億92百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を2,196億90百万円保有しております。さらに、当連結会計年度末時点において、2,189億73百万円の銀行に対するクレジットラインを保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は819億18百万円であり、翌連結会計年度の主要な設備投資は403億71百万円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は61億1百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は519億78百万円であり、翌連結会計年度は約550億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。
|
会社名 |
国 |
主要な事業内容 |
|
モトールテクニカ㈲ |
イタリア |
発電機・モータ製品の設計、製造、修理、メンテナンスサービス |
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世進電子(香港)有限公司 |
中国 |
自動車部品及び家電用モータの製造 |
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China Tex Mechanical & Electrical Engineering Ltd |
中国 |
SR モータ・ドライブの開発・製造・販売 |
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Arisa, S.A. |
スペイン |
大型サーボプレス機器の開発・製造・販売およびサービス |
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KB Electronics, Inc. |
アメリカ |
モータドライブ(AC ドライブ、DC ドライブ)、コントロール(三相ファン用)の設計、製造、販売 |
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E.M.G. Elettromeccanica S.r.l. |
イタリア |
商業用モータ(プール・スパ用ポンプモータ、換気・排煙用モータ)、家電・産業用モータ(ブレーキモータ等)の開発・製造・販売 |
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ナガタオプトインドネシア㈱ |
インドネシア |
ガラスレンズ加工 |
また、平成28年4月以降、NIDECはルーマニアの洗濯機・乾燥機用モータの開発・製造・販売を行うANA IMEP S.A.の持分約94.8%とイタリアの建設現場向け吊り上げ機の開発・製造・販売を行うE.C.E S.r.l.の持分100%を取得しております。
NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
短期借入金は前年度比286億91百万円増加の810億92百万円となりました。この主な増加理由は、円、ドル及びユーロ建需要のための借入を行ったことによります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、銀行からの円建、ドル建、ユーロ建借入で構成されております。当連結会計年度末時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。
1年以内返済予定長期債務は前年度比373億11百万円増加の827億96百万円となりました。この増加の主な要因は、2013年12月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)500億円及び円建ての借入を固定負債から流動負債へ振り替えたためであります。一方で、ドル建の借入の返済と、2015年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」)の新株予約権が行使されたことにより減少致しました。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債500億円及び円建ての借入で構成されております。
長期債務は前年度比477億18百万円減少の1,368億94百万円となりました。この減少の主な要因は、2013年12月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)500億円及び円建ての借入を固定負債から流動負債へ振り替えたためであります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、2012年11月に発行された無担保社債(社債間限定同順位特約付)1,000億円及びドル建ての借入で構成されております。
平成24年12月、資金調達コストと為替変動のリスクを低減するため、JBICが実施している「円高対応緊急ファシリティ」における「本邦金融機関向けM&Aクレジットライン」を活用して、民間金融機関から買収総額の一部として5億ドルの借入を行いました。当連結会計年度末時点で、当プログラムにおける借入は返済完了しております。
さらに、平成27年8月、資金調達コストと為替変動のリスクを低減するため、JBICが実施している「海外展開支援融資ファシリティ」を活用して、当社のインド法人であるインド日本電産がインド・ルピー建てでの融資を受ける計画を発表致しました。当連結会計年度末時点で、当プログラムにおける長期債務の残高は70百万ルピーとなります。
平成24年11月に、2017年満期額面650億円・2019年満期額面150億円・2022年満期額面200億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、コマーシャル・ペーパー及び短期借入金の返済に充てられました。さらに平成25年12月、2016年満期額面500億円の無担保社債(社債間限定同順位特約付)を発行しております。この収入は、短期借入金の返済に充てられました。なお、当該社債は平成24年3月に関東財務局長へ提出した平成24年4月5日から平成26年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。
さらに、平成28年3月28日、平成28年4月5日から平成30年4月4日の期間に有効となる2,000億円の社債発行登録書を関東財務局長に提出致しました。有価証券報告書の提出日時点で、本発行登録による社債の発行は行っておりません。
NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。この資金調達方針のもと、NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、および設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
有価証券報告書の提出日現在において、平成28年1月27日から平成29年1月26日の期間に3百万株及び240億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて、平成28年1月27日から平成28年3月31日の間には自己株式の購入はございませんでした。なお、平成27年1月27日から平成28年1月26日の期間に同様の自己株式取得を決議しており、当該決議において平成27年4月1日から平成28年1月26日までの期間に、約120億13百万円で1,530,000株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
①資産、負債及び株主資本
NIDECの総資産は1兆3,844億72百万円で前年度比271億32百万円の増加となりました。271億32百万円増加した主な要因は、現金及び現金同等物が360億40百万円増加したことによります。
総負債は6,119億67百万円で前年度比77億26百万円の増加となりました。77億26百万円増加した主な要因は、円建、ドル建、ユーロ建の借入を行ったことにより短期借入金が286億91百万円増加したためであります。一方で、ドル建の借入を返済したことと、新株予約権付社債の一部が権利行使されたことにより、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務が104億7百万円減少しております。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は3,448億34百万円で前年度比212億33百万円の減少となりました。
売上債権(受取手形+売掛金)回転率(売上÷売上債権)は5.0で、前年度比0.7ポイントの増加となりました。この主な要因は、売上が増加したにもかかわらず前連結会計年度末と比較して当連結会計年度末の為替レートが円高傾向であった影響により売掛金が減少したためであります。また、たな卸資産回転率(売上原価÷たな卸資産)は5.3で、前年度比0.7ポイントの増加となりました。この主な要因は、当連結会計年度の平均為替レートが円安であった影響により売上原価が増加したためであります。
株主資本は7,642億21百万円で前年度比192億49百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が681億20百万円、資本金が107億13百万円、資本剰余金が105億99百万円増加したためであります。一方で、外貨換算調整勘定が537億8百万円減少し、さらに自己株式の増加により120億84百万円減少致しました。これらの結果、NIDECの株主資本比率は前連結会計年度54.9%から当連結会計年度末55.2%に増加致しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。
なお、当連結会計年度末に保有する主な通貨は、米国ドル、タイバーツ、中国人民元、日本円、ユーロであります。