【連結財務諸表注記】

(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)

(1)第三者委員会による調査について

当社は、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。同第三者委員会に対して、不適切な会計処理の疑義に係る事実関係の調査、不適切な会計処理が判明した場合の影響額の算定、不適切な会計処理が判明した場合の原因の究明及び再発防止策の提言、その他、第三者委員会が必要と認めた事項の調査を委嘱しています。

 

(2)その他の社内調査等について

当社は、以下のような事案(貿易取引及び関税に係る諸問題等)について外部専門家への依頼を含む社内調査等を実施しています。

 

①当社のイタリア連結子会社であるNIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L .(以下、「FIR社」)において、過年度を含む連結会計年度に米国の関税法及び規制に基づく原産国申告誤りによる未納の追加関税の発生を起因とする貿易取引及び関税に係る問題を認識しています。外部専門家とともに社内調査を実施しており、外部専門家の調査により現時点において認識した未払関税等は、その影響を連結財務諸表へ反映しています。なお、社内調査中である関与者の評価、及び内部統制への影響、並びに追加の未払関税等の要否等は、第三者委員会での調査結果次第で必要な対応を行ってまいります。

②上記①の社内調査の過程において、ニデックエレシス株式会社(現ニデック株式会社車載事業本部インバータ事業部)においても、過年度の中国への輸出取引に際して、中古品の無償取引における申告価格を正当な理由なく適正金額より低く関税申告していることが疑われる事案が発見されました。本件については、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を依頼しています。

③当社は、当社のスイス連結子会社が必要な登録をせずに輸出取引を行っていた事案について適切な対応がなされていなかった疑いが上記①の調査の過程で発見され、また、内部通報において当社の中国連結子会社が過年度を含む連結会計年度に源泉所得税を意図的に過少申告していたことが疑われる事案を認識したため、事実確認を含めて必要な対応を進めております。

 

これらの第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中であり、調査により虚偽表示が識別された場合には、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における連結財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため連結財務諸表には反映していません。

 

1.報告企業

ニデック㈱(以下、「当社」)は日本に所在する株式会社であり、東京証券取引所に株式を上場しています。登記されている当社の本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://www.nidec.com/jp/)で開示しています。

連結財務諸表は、2025年3月31日を期末日とし、当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)並びにNIDECの関連会社に対する持分により構成されています。グループ企業の構成については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」を参照ください。

 

NIDECは、主に以下の製品の設計、開発、生産及び販売に従事しています。

①精密小型モータ(HDD用モータ、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、水冷モジュール、モータ応用製品等)

②車載(車載用モータ、自動車部品、トラクションモータシステム)

③家電・商業・産業用(家電・商業・産業用モータ及び関連製品)

④機器装置(産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等)

⑤電子・光学部品(スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等)

⑥その他(オルゴール、サービス等)

 

2.作成の基礎

(1)連結財務諸表がIFRS会計基準に準拠している旨の記載

NIDECの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。

 

(2)測定の基礎

連結財務諸表は、注記「3.重要性のある会計方針」で記載のとおり、デリバティブ金融商品、退職後給付における確定給付制度の制度資産及び公正価値で測定する金融商品等の一部の資産及び負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。

 

(3)表示通貨及び単位

連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈の無い限り、百万円未満を四捨五入して表示しています。

 

(4)会計方針の変更

(サプライヤー・ファイナンス契約-IAS第7号及びIFRS第7号の改訂)

NIDECは当連結会計年度よりIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」(2023年5月改訂)及びIFRS第7号「金融商品:開示」(2023年5月改訂)(サプライヤー・ファイナンス契約の開示の拡充)を適用しています。

NIDECへの影響額については、注記「18.営業債務及びその他の債務」を参照ください。

ただし、上記の基準書の適用によるNIDECの連結財務諸表に与える重要な影響はありません。

 

(5)未適用の公表済み基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、NIDECが早期適用していない主なものは次のとおりです。新しいIFRS会計基準適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。

IFRS会計基準

強制適用時期

(以降開始年度)

NIDEC適用年度

新設・改訂の概要

IAS第21号

外国為替レート変動の影響

2025年1月1日

2026年3月期

他の通貨に交換可能でない通貨に関する会計処理及び開示を規定

IFRS第9号

IFRS第7号

金融商品

金融商品:開示

2026年1月1日

2027年3月期

ESGリンク特性を持つ金融資産の測定を明確化

資本性金融商品への投資に関する開示の改訂

IFRS第9号

IFRS第7号

金融商品

金融商品:開示

2026年1月1日

2027年3月期

電力購入契約に関する会計処理及び開
示を規定

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2028年3月期

損益計算書において営業、投資、財務、法人所得税、非継続事業の5つの区分に分けての表示を要求

企業固有の業績指標のうち、経営者が定義した業績指標(MPM)の定義を満たす業績指標を開示する場合に、各MPMに関する情報を財務諸表の単一の注記において開示することを要求

IFRS第10号

 

IAS第28号

連結財務諸表

 

関連会社及び共同支配企業に対する投資

未定

未定

関連会社等に対する資産の売却等の会計処理の改訂

 

 

 

3.重要性のある会計方針

適用する重要性のある会計方針は、連結財務諸表に記載されている全ての期間に適用しています。

 

(1)連結の基礎

この連結財務諸表は、NIDECの財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含んでいます。

 

①子会社

子会社とは、NIDECにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、NIDECはその企業を支配していると判断しています。子会社の財務諸表は、NIDECがその子会社に対する支配を獲得した日から当該支配を喪失する日まで連結の対象に含めています。

子会社が適用する会計方針がNIDECの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。

当社グループ内の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。

NIDECは子会社株式の追加購入又は一部売却を行うことがあります。支配が継続する子会社に対するNIDECの持分変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。

 

②非支配持分

連結子会社の非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されています。非支配持分は、当初の企業結合日での持分額及び企業結合日からの非支配持分の変動から構成されています。包括利益は非支配持分が負となる場合であっても親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。

 

③関連会社

関連会社とは、NIDECがその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。

関連会社については、NIDECが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しています。当該投資には、取得時に認識したのれんが含まれています。

 

(2)企業結合

企業結合は支配獲得日に取得法によって会計処理しています。取得関連費用は発生時に純損益として処理されます。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発負債は、取得日の公正価値で測定されます。

移転された対価、被取得企業の非支配持分、及び段階取得の場合にはNIDECが以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値の合計額が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額は、のれんとして計上されます。割安購入により、この金額が取得した被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、差額は連結損益計算書で直ちに純損益として直接認識されます。

非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、以下のいずれかを個々の企業結合取引ごとに選択しています。

 

①非支配持分を公正価値で測定

②取得事業の識別可能な資産・引受負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定

企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の遡及修正を行います。

NIDECと非支配持分の所有者との間で行われる子会社持分取引について、子会社に対する支配の喪失を伴わない場合には、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額を資本剰余金に計上し、のれん、又は利得及び損失としては計上していません。

 

(3)外貨換算

①機能通貨

NIDECグループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しています。

 

②取引及び残高

外貨建取引は、取引日の為替レート、又は、それに近似する為替レートにより機能通貨に換算されます。取引の決済並びに外貨建貨幣性資産及び負債の期末日の為替レートによる換算から生ずる為替差損益は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、連結損益計算書の純損益で認識しています。

 

③在外営業活動体

在外子会社及び関連会社の財務諸表項目の換算については、資産及び負債を決算日の為替相場により円貨に換算し、収益及び費用を期中平均相場により円貨に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分し、支配又は重要な影響力を喪失する場合には、この営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分に係る利得又は損失の一部として純損益で認識しています。

 

(4)現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に満期の到来する流動性の高い投資で、表示された金額に換金可能であり、かつ、満期まで短期間であるため、金利の変化による価値変動が僅少なものから構成されています。NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っています。当システムは、会計上は単一の会計単位として認識しています。

 

(5)棚卸資産

棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定に当たっては、平均法を使用しています。ただし、顧客との契約に基づくFA機器等の生産に関連する仕掛設備は個別法を使用しています。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。

 

 

(6)有形固定資産

有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。

取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去及び原状回復に関する初期見積費用及び資産計上の要件を満たす借入費用を含めています。

当初取得以降に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益がNIDECに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しています。他の全ての修繕並びに維持に係る費用は、発生時の費用として処理しています。

 

取得原価から残存価額を控除した償却可能額は、各資産の見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は次のとおりです。

建物

3~50年

機械及び装置

2~15年

 

なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。

 

(7)のれん及び無形資産

①のれん

のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。のれんは償却を行わず、企業結合からの便益を享受できると期待される資金生成単位に配分し、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っていません。

当初認識時における測定については、(2)企業結合 に記載しています。

 

②無形資産

無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。

個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定されます。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別され、取得日の公正価値で認識されます。

新しい科学的又は技術的な知識や理解を得るために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用処理しています。

開発活動に対する支出については、開発費用が信頼性をもって測定でき、技術的かつ商業的に実現可能で、将来的に経済的便益をもたらす可能性が高く、開発を完了し、それを使用又は販売する意図及びそのための十分な資源をNIDECが有している場合は資産計上を行い、それ以外は発生時に費用処理しています。

耐用年数を確定できる無形資産は見積耐用年数に基づき主として定額法で償却しています。主な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。

顧客関係

5~30年

専有技術

10~20年

ソフトウエア

2~10年

開発資産

2~12年

 

有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。

耐用年数を確定できる無形資産について、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しています。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却せず、年1回(1月1日)の減損判定を行うほか減損の可能性を示す事象が発生又は状況が変化した時点で減損判定を行います。

 

(8)リース

契約の開始時に特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。

①借手

契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、リース開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しています。

使用権資産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除し、リース負債の再測定について調整した金額で表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料、当初直接コストを含めています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法で減価償却を行っています。当社グループが借手として購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の耐用年数にわたって使用権資産を償却しています。

リース負債は、リース開始日における未決済リース料の割引現在価値として当初測定しており、リースの計算利子率(当該利子率が容易に算定できる場合)又は当社グループの追加借入利子率を用いて割り引かれます。

リース期間はリースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション及び解約するオプションを考慮し決定しています。なお、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しています。

②貸手

当該リース取引のうち、所有に伴うリスクと経済価値を実質的に全て当社グループから移転しているものはファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しています。

ファイナンス・リースについては、正味リース投資未回収額をリース債権(「営業債権及びその他の債権」勘定に表示)として認識し、受取リース料総額をリース債権元本相当部分と利息相当部分とに区分し、受取リース料の利息相当部分への配分額は、利息法により算定しています。

オペレーティング・リースについては、受取リース料をリース期間にわたって純損益にて認識しています。

 

(9)政府補助金

政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しています。

政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金の金額を関連費用から控除しています。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。

 

(10)非金融資産の減損

NIDECは各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合又は毎年減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っています。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、少なくとも年1回、また、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを行っています。

個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っています。開発資産については各開発プロジェクトを資金生成単位としており、開発プロジェクトごとの計画(売上高、原材料費、減価償却費予測を含む)を用いて、回収可能価額を算定しています。

回収可能価額は、資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しています。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しています。

また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いています。

のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。

 

(11)金融商品

①当初認識

金融資産は、NIDECが金融商品の契約上の当事者になった時点(取得日)で認識しています。ただし、営業債権及びその他の債権は発生日に当初認識しています。金融負債は、NIDECが発行した負債性金融商品については発行日、その他の金融負債はNIDECが契約の当事者になった時点(取引日)で認識しています。

金融資産及び金融負債は、当初認識時において公正価値で測定しています。金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、純損益を通じて公正価値で測定する(以下、「FVTPL」)金融資産及びFVTPLの金融負債を除き、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算しています。なお、NIDECは現在、FVTPLの非デリバティブ金融負債は保有していません。FVTPLの金融資産の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。

 

②非デリバティブ金融資産

NIDECは当初認識時に、非デリバティブ金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される(以下、「FVTOCI」)金融資産及びFVTPLの金融資産に分類しています。

 

償却原価で測定される金融資産

金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定しています。

・NIDECのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合

・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合

償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識し、当初認識後は実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産に係る利息発生額は連結損益計算書の金融収益に含めて表示しています。

 

FVTOCIの金融資産

1)FVTOCIの負債性金融資産

金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている場合

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合

FVTOCIの負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えています。

 

2)FVTOCIの資本性金融資産

NIDECは当初認識時に、売買目的以外で保有する資本性金融資産に対して、公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合があります。

FVTOCIの資本性金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えており、事後的に純損益に振り替えることはありません。ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として純損益で認識しています。

 

FVTPLの金融資産

上記の償却原価で測定する区分の要件を満たさない金融資産のうち、FVTOCIの金融資産を除く金融資産はFVTPLの金融資産に分類されます。資本性金融資産は、NIDECが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合を除き、FVTPLの金融資産に分類されます。

FVTPLの金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。

 

 

③償却原価で測定される金融資産の減損

償却原価で測定される金融資産について、毎期末日に予想信用損失に対する損失評価引当金を評価して認識しています。

期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、予測情報を含めた合理的で裏付け可能な情報を全て考慮して、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。そのような情報には、特に、以下の指標が組み込まれています。

・外部信用格付(入手可能な範囲)

・事業状況、財務状況又は経済状況の実際の又は予想される不利な変化のうち、借手が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想されるもの

・同一の借手の他の金融商品に係る信用リスクの著しい増大

一方、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。

ただし、営業債権については、上記にかかわらず常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。

予想信用損失又は戻入れの金額は、減損損失又は減損戻入として、純損益に認識しています。

 

④非デリバティブ金融資産の認識の中止

NIDECは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関してNIDECが創出した、又はNIDECが引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しています。

 

⑤非デリバティブ金融負債の事後測定及び認識の中止

NIDECはデリバティブ以外の金融負債として、営業債務及びその他の債務、並びにその他の金融負債を有しており、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。また、償却原価で測定する金融負債に係る利息発生額は連結損益計算書の金融費用に含めて表示しています。

当該金融負債は義務を履行した場合、もしくは債務が免責、取消し又は失効となった場合に認識を中止しています。

 

⑥デリバティブ及びヘッジ会計

NIDECは、為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しています。NIDECはデリバティブを売買目的で保有していません。

デリバティブ取引は公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益で認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、その変動は基本的に当期の純損益で認識しています。ただし、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される程度を客観的に判定し、ヘッジの有効性があると認められる場合にはヘッジ会計を適用することもあります。

当初にデリバティブをヘッジ指定する時点において、ヘッジ取引に係るヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスクの管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法は、全て文書化しています。具体的には、以下の項目を全て満たす場合に、ヘッジが有効と判断しています。

・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること

・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと

・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること

 

ヘッジの開始時及び継続期間中に、ヘッジ取引に利用しているデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺する上で有効性があるか否かを評価しています。ヘッジの有効性がないか、又はなくなったと判断した時点で、将来を見越してヘッジ会計を停止します。

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理は次のとおりです。

デリバティブを、認識済み資産・負債、又は当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。

キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが当期利益に影響を及ぼす期間と同一期間において、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ手段と同一の項目で当期利益に振り替えられています。ただし、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(棚卸資産、有形固定資産等)もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定額に含めています。

ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。ヘッジ会計を中止した場合、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、予定取引が当期利益に影響を与えるまで引き続き計上しています。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に純損益で認識されます。

 

(12)法人所得税等

①当期税金

法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。

報告期間の期末日の未払法人所得税及び未収法人所得税は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものです。

その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しています。

未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつNIDECが純額により決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しています。

 

②繰延税金

繰延税金資産及び繰延税金負債は、帳簿価額と税務上の資産と負債との間の将来調整一時差異に係る税効果において資産負債法により認識されています。繰延税金資産及び繰延税金負債の測定に当たっては、一時差異等が解消されると見込まれる年度における課税所得に適用されると予想される法定実効税率を使用して測定されます。

繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、各報告期間の期末日ごとに回収可能性について見直しを行い、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しています。

また、未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日でその回収可能性について再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。

繰延税金負債は、以下を除き、原則として、全ての将来加算一時差異について認識しています。

なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上していません。

・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異

・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識から生じる一時差異

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予見可能な範囲内に一時差異が解消されない可能性が高い場合

 

繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産又は非流動負債として表示しています。

また、繰延税金資産及び繰延税金負債は、未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しています。

・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合

・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合

経済協力開発機構(OECD)によって合意されたグローバル・ミニマム課税のうち、所得合算ルール(IIR)に係る取り扱いが令和5年税制改正の「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号)において定められました。これにより、当連結会計年度より国別に算定された実効税率が基準税率(15%)を下回る場合、国別に集計された純所得(利益)に対する基準税率に至るまでの税額を、最終親会社である当社が日本において申告・納税することになります(トップアップ課税)。なお、本ルールに関連する税法から生じる、法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び開示に関する例外規定を適用しており、繰延税金資産及び繰延税金負債は当連結会計年度末時点において認識していません。

 

(13)従業員給付

①短期従業員給付

短期従業員給付である賃金及び給料、社会保険料並びにその他の非貨幣性給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。

賞与については、NIDECが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。

また、当社及び一部子会社は、当連結会計年度より賞与支給対象期間を会計期間と一致させています。

 

②退職後給付

NIDECは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しています。

確定給付型制度に係る資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付制度に係る再測定」としてその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えています。

確定拠出型の退職給付に係る費用は、拠出が確定した時点で費用として認識しています。

 

(14)引当金

NIDECは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。

主な引当金の説明は次のとおりです。

 

製品保証引当金

NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っています。見積りは主として過去の実績額に基づいています。これらの費用のほとんどは翌年度に発生するものと見込まれます。

 

(15)株式に基づく報酬

NIDECは、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入しています。本制度として持分決済型と現金決済型を採用しています。

①持分決済型

本制度により算定された持分決済型の株式報酬は、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。

 

②現金決済型

本制度により算定された現金決済型の株式報酬は、受領したサービスを負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、当該負債の公正価値を期末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。

 

(16)収益認識

NIDECは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する

①物品の販売

精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部、電子・光学部品の製造・販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。

②工事契約

家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。

③契約資産及び契約負債

契約資産は顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利です。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものです。

④顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産

顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分を資産として認識しています。顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約履行コストは、契約に基づくサービスが提供される期間にわたって償却しています。

顧客との契約を獲得するための増分コストは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約履行コストは、顧客との契約を履行する際に発生したコストのうち、他の基準の範囲に含まれない、契約又は企業が具体的に特定できると予想される契約に直接関連し、将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される企業の資源を創出するか又は増価するものです。

 

(17)借入費用

意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入費用は、意図された使用又は販売が可能となるまで当該資産の取得原価の一部として資産計上しています。その他の借入費用は、発生時に連結損益計算書に費用として認識しています。

 

(18)資本金、資本剰余金及び自己株式

①普通株式

当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、取引コストは、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しています。

②自己株式

再取得された自己の資本性金融商品(自己株式)は取引コストを含む支払対価で評価し、資本から控除しています。当社の自己株式の購入、売却又は消却においていかなる利得及び損失も損益としては認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。

 

(19)公正価値の見積り

NIDECは、デリバティブ金融商品及び公正価値で測定する金融商品を、期末日時点の公正価値で測定しています。公正価値の定義、及び測定に利用するインプット(諸般の仮定)については、注記「35.公正価値」を参照ください。

経常的に公正価値で認識されている資産及び負債について、NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しています。

 

(20)1株当たり利益

基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除すことにより計算しています。

希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、加重平均発行済株式数に転換社債や新株予約権の潜在普通株式からもたらされる希薄化の影響を考慮していること以外は、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の計算と同様です。

 

4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定

連結財務諸表の作成は、マネジメントによる決算日における資産・負債の報告金額並びに偶発的な資産・負債の開示、報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としています。実際の結果は、それらの見積りと異なる場合があります。

見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。

翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を生じる要因となる著しいリスクを伴う判断及び見積りは次のとおりです。

・有形固定資産(注記「3. 重要性のある会計方針(6)」、注記「14. 有形固定資産」)

・のれん及び無形資産(注記「3. 重要性のある会計方針(7)」、注記「15. のれん及び無形資産」)

・債権の回収可能性(注記「3. 重要性のある会計方針(11)」、注記「10. 営業債権及びその他の債権」、注記「39. 金融商品」)

・退職給付に係る債務 (注記「3. 重要性のある会計方針(13)」、注記「23.従業員給付」)

・繰延税金資産の回収可能性の評価 (注記「3. 重要性のある会計方針(12)」、注記「25. 法人所得税」)

・引当金(注記「3. 重要性のある会計方針(14)」、注記「26. 引当金」)

・金融商品の公正価値(注記「35. 公正価値」)

・偶発負債(注記「3. 重要性のある会計方針(14)」、注記「40. 偶発負債」)

 

 

5.セグメント情報

(オペレーティング・セグメント情報)

NIDECの報告セグメントは、NIDECの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、マネジメントが経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントです。NIDECは、現在の利益管理単位である事業本部及び国内グループ会社を報告セグメントとしています。

 

第2四半期連結会計期間においてセグメント区分を一部変更しています。これは、最高経営意思決定者が業務上の意思決定及び業績評価に用いる報告資料の見直しを行ったことによります。従来の「ニデックインスツルメンツ」セグメント、「ニデックテクノモータ」セグメント、「ニデックモビリティ」セグメント、「ニデックアドバンステクノロジー」セグメント及び「その他」セグメントを「グループ会社事業」セグメントとしています。

これらの変更に伴い、過年度の数値を当期の表示に合わせて組替再表示しています。

 

NIDECのオペレーティング・セグメントの内容は次のとおりです。

名称

主要製品

①SPMS

HDD用モータ及びその他小型モータ

②AMEC

車載用製品

③MOEN

家電・商業・産業用製品

④ACIM

家電・商業・産業用製品

⑤機械事業

機器装置、工作機械

⑥グループ会社事業

車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ、その他

 

 

 

セグメント別の外部顧客に対する売上高及びその他の財務情報は次のとおりです。

 

外部顧客に対する売上高

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

SPMS

330,596

391,265

AMEC

338,540

348,685

MOEN

459,828

573,921

ACIM

428,009

462,269

機械事業

204,388

213,386

グループ会社事業

585,798

618,287

連結売上高

2,347,159

2,607,813

 

(注)非継続事業に分類した事業は含まれていません。

 

当連結会計年度及び前連結会計年度において、連結売上高の10%を超える特定の顧客グループへの売上はありません。

 

セグメント間の売上高

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

SPMS

2,732

4,323

AMEC

1,208

2,169

MOEN

3,681

3,986

ACIM

9,981

5,507

機械事業

2,696

7,538

グループ会社事業

48,838

46,770

小計

69,136

70,293

連結消去

69,136

70,293

連結売上高

 

(注)非継続事業に分類した事業は含まれていません。

 

 

セグメント損益

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

SPMS

25,958

41,130

AMEC

55,694

3,004

MOEN

61,285

70,319

ACIM

42,646

40,647

機械事業

28,353

17,828

グループ会社事業

75,582

87,589

小計

178,130

254,509

消去又は全社(注1)

16,274

16,393

営業損益

161,856

238,116

金融収益又は費用

14,427

13,200

デリバティブ関連損益

188

694

為替差損益

32,738

14,134

持分法による投資損益

7,164

3,179

税引前当期利益

201,669

233,309

 

(注)1.消去又は全社には、各報告セグメントに帰属しない全社が当連結会計年度において16,887百万円、前連結会計年度において17,438百万円含まれています。全社の主な内容は、基礎研究費及び本社管理部門費です。

2.非継続事業に分類した事業は含まれていません。

 

 

減価償却費

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

SPMS

21,265

19,318

AMEC

26,495

26,909

MOEN

12,369

17,062

ACIM

17,563

18,705

機械事業

9,604

10,021

グループ会社事業

35,603

38,455

小計

122,899

130,470

その他(注)

14,914

18,953

全社

2,379

2,455

合計

110,364

113,972

 

(注)各セグメントの減価償却費には無形資産の償却費等も含まれていますが、連結キャッシュ・フロー計算書上の有形固定資産減価償却費には無形資産の償却費等が含まれていません。従って、当該金額を控除しています。

 

NIDECでは、前連結会計年度において、AMECセグメントで減損損失35,608百万円を計上しています。当連結会計年度においては、重要な減損損失を計上していません。また、前述の減価償却費及び減損損失以外に重要な非資金項目はありません。セグメント間の取引は市場価格にて行われています。

 

 

(関連情報)

製品別売上高情報

製品別売上高情報は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

精密小型モータ

 

 

 

 

 

 

HDD用モータ

 

70,608

 

 

100,219

 

その他小型モータ

 

345,101

 

 

387,670

 

精密小型モータ 計

 

415,709

 

 

487,889

 

車載

 

580,909

 

 

664,623

 

家電・商業・産業用

 

966,082

 

 

1,052,655

 

機器装置

 

298,375

 

 

314,591

 

電子・光学部品

 

81,839

 

 

84,404

 

その他

 

4,245

 

 

3,651

 

連結売上高

 

2,347,159

 

 

2,607,813

 

 

(注)1.「精密小型モータ」は、「HDD用モータ」及び「その他小型モータ」により構成されており、「その他小型モータ」は、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、水冷モジュール、モータ応用製品等により構成されています。

「車載」は、車載用モータ、自動車部品、EVトラクションモータシステムにより構成されています。

「家電・商業・産業用」は、家電・商業・産業用モータ及び関連製品により構成されています。

「機器装置」は、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等により構成されています。

「電子・光学部品」は、スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等により構成されています。

「その他」は、オルゴール、サービス等により構成されています。

2.非継続事業に分類した事業は含まれていません。

 

 

地域別セグメント情報

地域別の売上高及び非流動資産は次のとおりです。なお、売上高は外部顧客に販売している連結会社の所在国をベースにしています。

 

売上高

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

日本

381,530

402,224

中国

535,640

551,191

その他アジア

277,773

350,288

米国

558,501

594,855

欧州

490,773

595,916

その他

102,942

113,339

連結売上高

2,347,159

2,607,813

 

(注)各区分に属する主な国は、次のとおりです。
その他アジア:タイ、韓国、インド
欧州    :フランス、ドイツ、イタリア
その他   :ブラジル、メキシコ、カナダ

 

非流動資産(有形固定資産・のれん・無形資産・長期前払費用)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

日本

291,777

298,705

中国

266,214

267,305

その他アジア

155,436

144,099

米国

310,853

314,574

欧州

385,911

479,053

その他

122,560

124,269

非流動資産合計

1,532,751

1,628,005

 

(注)各区分に属する主な国は、次のとおりです。
その他アジア:ベトナム、タイ、フィリピン
欧州    :フランス、イタリア、ドイツ
その他   :ブラジル、メキシコ、カナダ

 

 

6.非継続事業

当社は、ワールプール社の保有するコンプレッサー事業Embraco(以下、「エンブラコ社」)の買収の条件として、コンプレッサー事業(セコップ社)の売却を欧州委員会から命じられました。当社は欧州委員会からの命令に従い、セコップ社に対する実効的な支配権を経営の独立執行者(Hold Separate Manager)及び監視機関(Monitoring Trustee)へ2019年4月12日に譲渡しました。この結果、当社はセコップ社に対する実効的な支配権を喪失したことにより、セコップ社を連結の範囲から除外し、これによる損失を連結損益計算書上、継続事業から分離し非継続事業に分類しました。そして、当社は、2019年9月9日にセコップ社をOrlando Management AGが投資助言するESSVP IV L.P.、ESSVP IV (Structured) L.P.及びSilenos GmbH & Co. KG(以下、総称して「ESSVP IV」)に譲渡(以下、「本取引」)しました。本取引は、売却価額の価格調整等についてOrlando Management AG並びに譲渡先関係者との協議の結果、合意に至らず、2021年1月12日にドイツ仲裁協会に仲裁裁判の申し立てを行い、セコップ社と仲裁を開始しました。約26か月間協議の末、2023年3月にセコップ社と和解合意に至り、仲裁が終了しました。しかしながら、一部の売却コストについては今後も発生する見込みです。

 

(1)本取引の理由

当社は、家電・商業・産業用モータ事業を戦略的に重要な事業のひとつと位置づけ、成長、強化に努めてまいりました。セコップ社は家庭用・商業用冷蔵庫のコンプレッサーの開発・製造・販売を行っており、2017年のセコップ社買収によりグローバルアプライアンス部門は、売上高の飛躍的な成長機会が期待できる冷蔵庫市場に本格的に参入しました。しかしながら、当社によるワールプールのコンプレッサー事業エンブラコ社の買収に関する欧州委員会の条件付承認を2019年4月12日に取得し、セコップ社を譲渡することとなりました。更に、ESSVP IVがセコップ社の適切な購入者であることについての欧州委員会からの認可取得を経て、2019年6月26日に欧州委員会よりエンブラコ社買収認可を取得しました。本取引は、当社がセコップ社を適切な購入者に売却するという、当該承認の条件に基づいて行われたものです。

 

(2)譲渡した相手会社の名称及び本取引の時期

譲渡した相手会社の名称

ESSVP IV

本取引の時期

2019年9月9日

 

 

(3)子会社の名称、事業内容及び当該子会社が含まれていたセグメントの名称

子会社の名称

セコップ社

事業内容

冷蔵庫向けコンプレッサー事業

セグメントの名称

ACIM

 

 

(4)子会社に対する持分の推移

売却前の持分比率

100%

売却した持分比率

100%

売却後の持分比率

 

 

 

(5)非継続事業からの損益

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

その他の損失

△44

△204

非継続事業からの税引前当期損失

△44

△204

非継続事業からの当期損失

△44

△204

 

(注) 2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しています。

 

(6)非継続事業から生じたキャッシュ・フロー

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

△76

△207

財務活動によるキャッシュ・フロー

合計

△76

△207

 

(注) 1.2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しています。

2.投資活動によるキャッシュ・フローには、セコップ社の売却に関連する入出金額が含まれています。

 

7.企業結合及び支配の喪失

2024年10月1日(カナダ現地時間)に、NIDECはカナダのLinear Transfer Automation Inc.並びにその関連会社のLinear Automation USA Inc.及びPresstrader Limited(以下、上記3社を総称して「Linear」)の株主から、Linearの株式100%を4,279百万円で取得しました。Linearは、プレス周辺機器の製造・販売・サービス等を行っています。本件取引を通じて、(1)総合プレス機グループとして、プレス機本体に前後工程の周辺装置を加え、プレス及びその周辺ライン一式を顧客に販売することで、トータルシステムのソリューション提供が可能になる(2)現在当社が確立しているグローバルの販売網を活用することで、Linearの製品の販売活動を推進すると同時に、当社が保有するプレス機と周辺機器をLinearの販売網にて販売が可能になる(3)当社のグローバルな販売・サービス・生産拠点を活用することで、Linearの製品を欧州・アジア市場に展開可能、また納期短縮と各地での顧客サービスレベルの向上も可能になる等、製品・販売・技術・管理面においてシナジーを追求することができます。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。

 

(1)買収価額の資産負債への配分

前連結会計年度のAutomatic Feed Company、Lasercoil Technologies LLC、及びAutomatic Leasing Companyの持分取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第1四半期連結会計期間に完了しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。

前連結会計年度の㈱TAKISAWAの株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第2四半期連結会計期間に完了しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。

 

 

前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

遡及修正額

流動資産

 

棚卸資産

△118

非流動資産

 

有形固定資産

△799

無形資産

1,385

繰延税金資産

209

取得資産の公正価値

677

非流動負債

 

繰延税金負債

39

引受債務の公正価値

39

取得資産及び引受債務の公正価値(純額)

638

のれん

△1,603

 

 

のれんの増減については、注記「15.のれん及び無形資産」に記載しています。なお、上記無形資産は下記で構成されています。

(単位:百万円)

 

加重平均償却年数

遡及修正額

商標権

非償却対象

477

商標権

15年

37

顧客関係

15年

861

その他の無形資産

2年

10

 

 

前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

遡及修正額

営業利益

△943

税引前利益

△943

親会社の所有者に帰属する当期利益

△689

 

 

当連結会計年度のニデックPSAイーモーターズの支配権獲得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第4四半期連結会計期間に完了しました。これにより当連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。

当連結会計年度のLinear Transfer Automation Inc.並びにその関連会社のLinear Automation USA Inc.及びPresstrader Limitedの株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価を当第4四半期連結会計期間に見直しました。これにより当連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の見直しによる取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。

その他、当連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債のうち、現在評価中の資産、負債については、当連結会計年度末日時点の予備的見積りに基づいています。

 

 

(2)支配の喪失

2025年3月31日に、ニデックプレシジョン株式会社の子会社で、アピックヤマダ株式会社との合弁会社であるニデックプレシジョン・ヤマダ株式会社の当社保有株式(約68.4%)をアピックヤマダ社へ譲渡しました。この結果、ニデックプレシジョン・ヤマダ株式会社に対する実効的な支配権を喪失しました。譲渡により生じる売却益は、連結損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に計上しています。

 

(3)段階取得に係る差益

前連結会計年度末日時点でNIDECの持分法適用会社であったニデックPSAイーモーターズの支配権を獲得したことに伴い、2024年4月1日付で同社を連結子会社化しました。これにより、前連結会計年度末日までに保有していた同社の持分を支配獲得日における公正価値で再測定した結果、119億66百万円の段階取得に係る差益を認識しています。段階取得に係る差益は、連結損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に計上しています。

 

8.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

手許現金

2,266

16,604

銀行預金

204,775

226,764

現金同等物

9,964

2,871

連結財政状態計算書上の現金及び現金同等物

217,005

246,239

連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物

217,005

246,239

 

 

銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれています。

現金同等物は、主に3ヶ月未満の定期預金及び短期投資で構成されています。

 

9.キャッシュ・フローに関する補足情報

キャッシュ・フローに関する補足情報は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

キャッシュ・フローを伴わない投資活動及び財務活動

 

 

リース負債の発生額

12,505

10,910

 

 

10.営業債権及びその他の債権

営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

受取手形

36,839

36,120

電子記録債権

18,764

16,630

売掛金

542,617

577,500

未収入金

79,696

78,056

損失評価引当金

△5,261

△6,319

合計

672,655

701,987

 

 

11. その他の金融資産

その他の金融資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

デリバティブ資産

3,166

692

立替金

556

537

その他

40

57

合計

3,762

1,286

 

 

12.棚卸資産

棚卸資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

製品

202,988

186,854

原材料

232,108

244,244

仕掛品

102,688

101,965

貯蔵品

22,463

23,369

合計

560,247

556,432

 

 

当連結会計年度に費用として認識された棚卸資産の取得価額は主に「売上原価」に含まれています。棚卸資産の評価損の金額は、前連結会計年度6,051百万円、当連結会計年度6,964百万円です。

 

 

13.その他の流動資産

その他の流動資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

前払費用

18,115

18,685

契約資産

32,115

48,671

前渡金

11,941

12,753

その他

10,268

10,169

合計

72,439

90,278

 

 

14.有形固定資産

連結財政状態計算書の「有形固定資産」の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

有形固定資産

817,786

873,233

使用権資産

58,699

57,826

合計

876,485

931,059

 

使用権資産の増減表については、注記「38.リース」を参照ください。

 

有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は次のとおりです。

(取得原価)

(単位:百万円)

 

土地

建物

機械及び装置

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

78,433

344,678

1,025,948

98,728

1,547,787

取得

606

4,188

30,549

71,169

106,512

企業結合による取得

4,032

3,857

1,660

193

9,742

処分

△14,051

△9,449

△40,411

△958

△64,869

科目振替

847

7,350

59,666

△71,825

△3,962

在外営業活動体の換算差額

2,517

26,156

107,483

10,941

147,097

その他

△156

43

7,314

△5,070

2,131

2024年3月31日残高

72,228

376,823

1,192,209

103,178

1,744,438

取得

746

8,032

34,433

85,311

128,522

企業結合による取得

2,806

8,793

34,291

45,890

処分

△360

△3,162

△29,323

△3,663

△36,508

科目振替

421

8,594

62,291

△74,016

△2,710

在外営業活動体の換算差額

△547

△2,812

△10,790

△2,440

△16,589

その他

△85

△556

△1,201

345

△1,497

2025年3月31日残高

72,403

389,725

1,256,412

143,006

1,861,546

 

 

 

(減価償却累計額及び減損損失累計額)

(単位:百万円)

 

土地

建物

機械及び装置

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

△1,687

△163,540

△596,168

△2,611

△764,006

減価償却費

△12,441

△84,678

1

△97,118

減損損失

△229

△31,508

△4,374

△36,111

減損損失の戻入

31

889

920

処分

7,410

37,510

44,920

科目振替

22

477

499

在外営業活動体の換算差額

△12,169

△62,075

△849

△75,093

連結範囲の変更

4

4

その他

245

△912

△667

2024年3月31日残高

1,687

180,667

736,465

7,833

926,652

減価償却費

△12,733

△88,098

△1

△100,832

減損損失

△413

△358

△1,028

95

△1,704

減損損失の戻入

31

1,381

71

1,483

処分

2,495

26,463

1,256

30,214

科目振替

443

340

△2,744

3,768

1,807

在外営業活動体の換算差額

568

6,334

△112

6,790

連結範囲の変更

△3,251

△3,251

その他

△336

4,256

△88

3,832

2025年3月31日残高

1,657

190,660

793,152

2,844

988,313

 

(帳簿価額)

(単位:百万円)

 

土地

建物

機械及び装置

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

76,746

181,138

429,780

96,117

783,781

2024年3月31日残高

70,541

196,156

455,744

95,345

817,786

2025年3月31日残高

70,746

199,065

463,260

140,162

873,233

 

(注)「建設仮勘定」には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれます。

有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれています。また、有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。

 

NIDECでは、有形固定資産等に対する減損テストの回収可能価額は、過去の経験と外部の情報を反映させて作成され、残存耐用年数に基づいた期間の事業計画(売上高予測及び費用予測を含む)を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いた使用価値にて算定しています。有形固定資産等の減損テストにおいて用いる割引率は、各資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しています。

なお、当期にEVトラクションモータ事業の資金生成単位において有形固定資産等(帳簿価額145億64百万円)の回収可能性テストを実施しました。同資金生成単位における減損テストで用いた割引率は8.31%です。EVトラクションモータ事業は前連結会計年度に収益性最優先へ戦略転換したことに伴い、回収可能価額に基づいて減損損失356億8百万円を計上しました。当連結会計年度に策定した事業計画には、BEV市場の拡大鈍化と価格競争の激化等の外的要因を反映して策定しています。

減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変化したとしても、重要な減損損失の発生は低いと判断しています。

15.のれん及び無形資産

 

連結財政状態計算書の「のれん」及び「無形資産」の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

のれん

394,540

407,067

無形資産

250,262

280,220

使用権資産

45

8

合計

644,847

687,295

 

使用権資産の増減表については、注記「38.リース」を参照ください。

 

のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は次のとおりです。

 

(取得原価)

(単位:百万円)

 

のれん

顧客関係

専有技術

ソフト
ウエア

開発資産

その他

合計

2023年4月1日残高

362,388

136,841

21,748

45,464

57,704

81,596

705,741

取得

5,395

45

5,440

内部開発

10,763

10,763

企業結合による取得

1,772

809

326

801

3,708

処分

△992

△32

△1,335

△33

△246

△2,638

在外営業活動体の換算差額

29,211

15,918

3,401

2,965

4,443

8,971

64,909

その他

1,169

848

△214

1,500

493

3,796

2024年3月31日残高

394,540

153,424

25,117

52,601

74,377

91,660

791,719

取得

69

5,334

588

5,991

内部開発

21,886

21,886

企業結合による取得

12,233

8,179

16,113

575

37,100

処分

△110

△2,466

△218

△162

△2,956

在外営業活動体の換算差額

421

△2,268

△232

△833

△2,715

△904

△6,531

その他

△17

95

△122

5,680

140

5,776

2025年3月31日残高

407,067

159,430

24,954

54,514

115,123

91,897

852,985

 

 

 

(償却累計額及び減損損失累計額)

(単位:百万円)

 

のれん

顧客関係

専有技術

ソフト
ウエア

開発資産

その他

合計

2023年4月1日残高

△53,259

△10,572

△27,244

△22,091

△6,898

△120,064

償却費

△6,704

△1,488

△4,822

△4,433

△446

△17,893

減損損失

△22

112

90

処分

663

19

1,302

27

245

2,256

在外営業活動体の換算差額

△7,124

△1,679

△1,888

△1,709

474

△11,926

その他

1

200

310

109

620

2024年3月31日残高

66,423

13,720

32,474

27,784

6,516

146,917

償却費

△8,076

△1,474

△4,880

△6,172

△644

△21,246

減損損失

△1,746

△1,746

処分

2,363

22

156

2,541

在外営業活動体の換算差額

1,059

146

964

312

105

2,586

その他

8

△57

△751

△116

△916

2025年3月31日残高

73,432

15,048

34,084

36,119

7,015

165,698

 

 

(帳簿価額)

(単位:百万円)

 

のれん

顧客関係

専有技術

ソフト
ウエア

開発資産

その他(注)

合計

2023年4月1日残高

362,388

83,582

11,176

18,220

35,613

74,698

585,677

2024年3月31日残高

394,540

87,001

11,397

20,127

46,593

85,144

644,802

2025年3月31日残高

407,067

85,998

9,906

20,430

79,004

84,882

687,287

 

(注)その他の主な内容は、商標権です。

 

無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれています。また、無形資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。

 

企業結合で生じたのれんは、企業結合のシナジーから便益を得ることが期待される資金生成単位グループに配分しています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の資金生成単位グループへの配分額は、次のとおりです。

 

のれん

(単位:百万円)

報告セグメント

資金生成単位グループ

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

SPMS

SPMS

19,966

19,488

AMEC

AMEC既存

22,356

22,192

MOEN

MOEN

114,328

119,660

ACIM

ACIM

107,023

112,015

機械事業

機械事業

21,785

24,955

グループ会社事業

ニデックインスツルメンツ

31,115

30,923

グループ会社事業

ニデックテクノモータ

2,049

2,049

グループ会社事業

ニデックモビリティ

37,902

37,902

グループ会社事業

ニデックアドバンス

テクノロジー

2,003

1,980

グループ会社事業

ニデックプレシジョン

16,520

16,410

グループ会社事業

その他

19,493

19,493

合計

 

394,540

407,067

 

(注)第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

 

耐用年数を確定できない無形資産

(単位:百万円)

報告セグメント

資金生成単位グループ

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

AMEC

AMEC既存

3,855

3,827

MOEN

MOEN

22,134

21,841

ACIM

ACIM

49,234

48,581

機械事業

機械事業

7,205

7,134

グループ会社事業

その他

5

5

合計

 

82,433

81,388

 

(注)第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

 

耐用年数を確定できない無形資産の内容は、主に商標権です。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できない無形資産と判断しています。

 

NIDECは、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産の減損テストを少なくとも年に1回行い、更に減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っています。

減損テストの回収可能価額は、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、マネジメントが承認した5年を限度とする事業計画(売上高予測及び費用予測を含む)と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いた使用価値にて算定しています。のれんの減損テストにおいて用いる割引率は、各資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定し(5.91%~10.48%)、成長率は、各資金生成単位グループの属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して決定しています(2.77%~3.99%)。

当期にAMEC既存事業の資金生成単位グループにおいてのれん(帳簿価額221億92百万円)の回収可能性テストを実施しました。同資金生成単位グループにおける減損テストで用いた割引率は7.48%です。当連結会計年度に策定した事業計画には、欧州市場の冷え込み等の外的要因を反映して策定しています。

減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変化したとしても、重要な減損損失の発生は低いと判断しています。

 

16.その他の投資

その他の投資の帳簿価額の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

その他の投資

 

 

FVTOCIの資本性金融資産

31,355

31,300

FVTOCIの負債性金融資産

93

38

償却原価で測定する金融資産

5,000

5,000

合計

36,448

36,338

 

 

NIDECが保有する公正価値で測定する金融商品のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、FVTOCIの資本性金融資産として分類されたものです。当該FVTOCIの資本性金融資産は主に普通株式であり、主な株式銘柄及び公正価値の内訳は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

銘柄

金額

キヤノン㈱

3,389

ブラザー工業㈱

3,161

㈱京都銀行

2,967

㈱SCREENホールディングス

2,541

ローム㈱

2,221

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

銘柄

金額

キヤノン㈱

3,498

ブラザー工業㈱

3,018

㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ

2,557

Eve Holding, Inc

2,482

㈱京都銀行

2,445

 

 

期中に処分したFVTOCIの資本性金融資産は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

認識中止時点の公正価値

512

165

認識中止時点の累計利得・損失

196

102

 

 

 

17.その他の非流動資産

その他の非流動資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

前払年金費用

4,956

4,674

契約を獲得するための増分コスト

2,489

2,196

長期前払費用

11,420

9,651

保証金

11

669

その他

1,023

1,279

合計

19,899

18,469

 

 

18.営業債務及びその他の債務

営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

支払手形

22,384

13,637

買掛金

385,558

417,510

電子記録債務

13,332

7,407

未払金

106,312

137,992

設備関係支払手形

366

47

合計

527,952

576,593

 

 

NIDECは、第三者金融機関との間でサプライヤー・ファイナンス契約を締結しています。NIDECはサプライヤー・ファイナンス契約に基づき、各仕入先に対する営業債務について、請求書受領後69日から365日の範囲で設定された期日に第三者金融機関に対して支払いを行っています。なお、サプライヤー・ファイナンス契約の対象ではない比較可能な営業債務は通常、請求書受領後15日から365日に支払いを行っています。仕入先は、自らの裁量により、第三者金融機関から割引条件にて早期に支払いを受けることが可能です。NIDECは、サプライヤー・ファイナンス契約に関連して担保資産の提供や第三者による保証は行っていません。

前連結会計年度及び当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の期末残高は、それぞれ79,221百万円及び89,496百万円です。 この残高のうち、仕入先に対してすでに支払われた金額は、当連結会計年度において、76,411百万円であり、この金額は連結財政状態計算書の営業債務及びその他の債務に含まれています。

NIDECは、「サプライヤー・ファイナンス契約-IAS第7号及びIFRS第7号の改訂」の適用に当たり、経過措置を選択しています。このため、適用初年度の期首時点における情報は開示していません。

当連結会計年度中において、サプライヤー・ファイナンス契約に基づく金融負債に、重要な非資金的変動はありません。

NIDECが締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、支払業務の効率化を図り、仕入先に対して通常の支払期日よりも早期の支払いを可能にすることを主な目的としていることから、当社グループはサプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えていません。

 

 

19.その他の金融負債

その他の金融負債の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

デリバティブ負債

40

1,387

預り金

13,961

3,393

合計

14,001

4,780

 

 

20.その他の流動負債

その他の流動負債の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

未払費用

65,964

82,647

契約負債

45,397

45,470

その他

9,306

10,646

合計

120,667

138,763

 

 

21.短期借入金及び長期債務

(1)短期借入金

短期借入金の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

無担保借入金(主に銀行からの債務)

(平均金利:前連結会計年度 年0.18%

          :当連結会計年度 年1.05%)

42,951

93,710

担保付借入金(主に銀行からの債務)

(平均金利:前連結会計年度 年4.98%)

3

合計

42,954

93,710

 

 

当連結会計年度末におけるNIDECの未使用借入枠は1,307,059百万円です。この融資・信用枠により、NIDECは一般に適用されている利率で短期の資金調達を行うことができます。

 

(2)長期債務の内訳

長期債務の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

無担保借入金(主に銀行からの債務)

 

 

前連結会計年度:支払期限2024年から2036年まで

 年利率 0.00%から3.15%

147,847

当連結会計年度:支払期限2025年から2036年まで

 年利率 0.00%から9.75%

263,953

担保付借入金(主に銀行からの債務)

 

 

前連結会計年度:支払期限2024年から2027年まで

 年利率 2.02%から4.20%

1,146

第8回無担保社債

支払期限 2024年

年利率  0.10%

99,987

第10回無担保社債(グリーンボンド)

支払期限 2024年

年利率  0.09%

29,992

第11回無担保社債(グリーンボンド)

支払期限 2026年

年利率  0.15%

19,979

19,987

第13回無担保社債

支払期限 2025年

年利率  0.25%

29,980

29,996

第14回無担保社債

支払期限 2032年

年利率  0.55%

19,951

19,957

第15回無担保社債

支払期限 2025年

年利率  0.25%

19,981

19,992

第16回無担保社債

支払期限 2027年

年利率  0.44%

49,929

49,948

ユーロ建無担保普通社債(グリーンボンド)

支払期限 2026年

年利率  0.05%

81,534

80,997

リース負債

 

 

前連結会計年度:支払期限2024年から2069年まで

 年利率-0.30%から55.95%

57,619

当連結会計年度:支払期限2025年から2065年まで

 年利率-0.00%から55.95%

57,506

小計

557,945

542,336

控除:1年以内償還予定社債

△129,979

△130,986

控除:1年以内返済予定長期借入金

△1,708

△21,670

控除:1年以内返済予定リース負債

△11,441

△11,193

合計

414,817

378,487

 

 

(3)長期債務の年度別返済予定額

長期債務の年度別満期返済予定額は次のとおりです。

(単位:百万円)

期間

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年以内

143,149

163,903

1年超2年以内

162,359

71,159

2年超3年以内

58,026

82,190

3年超4年以内

55,090

69,130

4年超5年以内

44,047

48,155

5年超

95,561

107,962

 

(注) 契約上のキャッシュ・フローを記載しています。

 

日本の銀行との取引約定書として、銀行からの短期及び長期借入金については、NIDECは当該銀行から要求があれば、現在及び将来の債務に対して直ちに担保(当該銀行に対する預金を含む)を提供し、あるいは保証人を立てる義務を負っています。

 

(4)差入担保資産

前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、以下の資産を借入契約等の担保として供しています。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

有形固定資産(減価償却累計額控除後)

3,612

合計

3,612

 

 

(5)差入担保資産に対応する債務

担保に差し入れた資産に対応する債務は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

短期借入金

3

1年以内返済予定長期借入金

696

長期借入金

453

合計

1,152

 

 

 

22.財務活動から生じた負債の調整表

財務活動から生じた負債の調整表は、次のとおりです。

(単位:百万円)

 

短期

借入金

1年内返済予定長期

借入金

1年内償還予定社債

長期

借入金

社債

リース

負債等

2023年4月1日残高

159,279

71

49,996

102,516

342,417

51,069

財務活動によるキャッシュ・フローの変動

△118,576

△1,487

△50,000

41,647

△10,857

子会社及び他の事業の支配獲得又は喪失から生じた変動

912

2,892

2,858

851

為替レートの影響

1,339

24

473

8,760

4,885

長短振替

210

129,928

△210

△129,928

新規のリース

12,505

その他

△2

55

2

104

△834

2024年3月31日残高

42,954

1,708

129,979

147,286

221,353

57,619

財務活動によるキャッシュ・フローの変動

50,867

△1,478

△130,000

70,643

△12,575

子会社及び他の事業の支配獲得又は喪失から生じた変動

46,542

3,109

為替レートの影響

△111

△37

△579

△712

△571

長短振替

21,480

131,495

△21,480

△131,495

新規のリース

10,910

その他

△3

91

3

33

△986

2025年3月31日残高

93,710

21,670

130,986

242,282

89,891

57,506

 

 

 

23.従業員給付

(1)退職後給付

①確定給付制度

当社及び一部の子会社の年金及び退職金制度では通常、従業員に対して退職時点における給与と勤続年数又はこれらを基礎とするポイントに基づいて計算された退職一時金又は年金の受給資格を付与します。定年前に退職した場合の最低支給額は通常、自己都合による退職に基づいた金額となります。定年を含む会社都合による退職の場合は加算金を加えた額が支給されます。確定給付制度により、価格変動リスク、金利リスク、余命率リスク等の数理計算上のリスクに晒されています。

 

確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は次のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

 

年金及び一時金

国内制度

海外制度

合計

確定給付制度債務の現在価値

22,153

51,621

73,774

制度資産の公正価値

18,127

26,259

44,386

積立不足又は積立超過(△)

4,026

25,362

29,388

確定給付負債/資産の純額

4,026

25,362

29,388

連結財政状態計算書上の金額

4,026

25,362

29,388

その他の非流動資産

△3,829

△1,127

△4,956

退職給付に係る負債

7,855

26,489

34,344

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

 

年金及び一時金

国内制度

海外制度

合計

確定給付制度債務の現在価値

18,786

50,287

69,073

制度資産の公正価値

15,971

25,271

41,242

積立不足又は積立超過(△)

2,815

25,016

27,831

確定給付負債/資産の純額

2,815

25,016

27,831

連結財政状態計算書上の金額

2,815

25,016

27,831

その他の非流動資産

△3,371

△1,303

△4,674

退職給付に係る負債

6,186

26,319

32,505

 

 

確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

当期勤務費用

3,432

2,396

過去勤務費用及び清算損益

△1,226

△39

利息費用(純額)

1,755

1,034

純損益として認識された費用合計

3,961

3,391

 

 

確定給付制度債務の現在価値に係る変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

国内制度

海外制度

合計

2023年4月1日 確定給付制度債務の現在価値

24,666

45,682

70,348

純損益に認識した金額

 

 

 

当期勤務費用

719

2,713

3,432

過去勤務費用及び清算損益

△302

△924

△1,226

利息費用

288

2,822

3,110

合計

705

4,611

5,316

その他の包括利益に認識した金額

 

 

 

再測定

 

 

 

人口統計上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

55

△35

20

財務上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

△347

△15

△362

実績の修正により生じた数理計算上の差異

967

2,596

3,563

合計

675

2,546

3,221

その他

 

 

 

退職給付支払額

△4,577

△3,378

△7,955

企業結合による取得

684

684

在外営業活動体の換算差額

2,160

2,160

合計

△3,893

△1,218

△5,111

2024年3月31日 確定給付制度債務の現在価値

22,153

51,621

73,774

純損益に認識した金額

 

 

 

当期勤務費用

393

2,003

2,396

過去勤務費用及び清算損益

2

△41

△39

利息費用

285

2,195

2,480

合計

680

4,157

4,837

その他の包括利益に認識した金額

 

 

 

再測定

 

 

 

人口統計上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

△4

30

26

財務上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

△700

△1,447

△2,147

実績の修正により生じた数理計算上の差異

△146

△1,683

△1,829

合計

△850

△3,100

△3,950

その他

 

 

 

退職給付支払額

△3,087

△3,450

△6,537

企業結合による取得

140

140

事業譲渡による減少額

△110

△110

在外営業活動体の換算差額

919

919

合計

△3,197

△2,391

△5,588

2025年3月31日 確定給付制度債務の現在価値

18,786

50,287

69,073

 

 

 

制度資産の公正価値に係る変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

国内制度

海外制度

合計

2023年4月1日 制度資産の公正価値

18,087

23,526

41,613

純損益に認識した金額:

 

 

 

利息収益

270

1,086

1,356

合計

270

1,086

1,356

その他の包括利益に認識した金額:

 

 

 

再測定

 

 

 

制度資産に係る収益

2,165

△354

1,811

合計

2,165

△354

1,811

その他:

 

 

 

会社による拠出額

204

1,390

1,594

退職給付支払額

△2,647

△2,351

△4,998

信託拠出配当金

48

48

在外営業活動体の換算差額

2,962

2,962

合計

△2,395

2,001

△394

2024年3月31日 制度資産の公正価値

18,127

26,259

44,386

純損益に認識した金額:

 

 

 

利息収益

313

1,133

1,446

合計

313

1,133

1,446

その他の包括利益に認識した金額:

 

 

 

再測定

 

 

 

制度資産に係る収益

△1,025

△162

△1,187

合計

△1,025

△162

△1,187

その他:

 

 

 

会社による拠出額

145

1,347

1,492

退職給付支払額

△1,788

△2,550

△4,338

信託拠出配当金

199

199

在外営業活動体の換算差額

△756

△756

合計

△1,444

△1,959

△3,403

2025年3月31日 制度資産の公正価値

15,971

25,271

41,242

 

 

NIDECは、翌連結会計年度において確定給付制度に対し約1,246百万円の拠出を見込んでいます。

 

 

資産カテゴリー別の制度資産(国内制度)の公正価値は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

国内制度

活発な市場における公表市場価格のあるもの

活発な市場における公表市場価格のないもの

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資本性金融商品:

 

 

 

 

国内株式

1,383

318

海外株式

1,346

1,063

負債性金融商品:

 

 

 

 

合同運用信託(※1)

3,130

3,795

その他資産:

 

 

 

 

現金及び現金同等物

1,606

1,138

生保一般勘定

7,707

7,076

合同運用信託(※2)

2,901

2,076

その他

54

505

合計

4,389

3,024

13,738

12,947

 

(注)1.前連結会計年度は約75%を国内債券、約25%を外国債券、当連結会計年度は約75%を国内債券、約25%を外国債券に投資しています。

2.前連結会計年度は約9%を国内株式、約50%を海外株式、約19%を国内債券、約5%を外国債券、当連結会計年度は約10%を国内株式、約52%を海外株式、約16%を国内債券、約4%を外国債券に投資しています。

 

資産カテゴリー別の制度資産(海外制度)の公正価値は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

海外制度

活発な市場における公表市場価格のあるもの

活発な市場における公表市場価格のないもの

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資本性金融商品:

 

 

 

 

国内株式

海外株式

321

357

負債性金融商品:

 

 

 

 

合同運用信託(※1)

5

5

その他資産:

 

 

 

 

現金及び現金同等物

2,387

2,450

生保一般勘定

5,652

5,561

合同運用信託(※2)

14,678

13,988

その他

1

9

3,215

2,901

合計

2,709

2,816

23,550

22,455

 

(注)1.全て外国債券に投資しています。

2.前連結会計年度は約59%を海外株式、約8%を外国債券、当連結会計年度は約57%を海外株式、約8%を外国債券に投資しています。

 

NIDECは将来にわたって年金給付、一時金給付の支払いを行うため、許容できるリスクの下で必要とされる収益を長期的に確保することを基本方針としています。実際の資産運用に当たっては上記の方針に適合する最適な資産の組み合わせである基本ポートフォリオを策定しています。その実際運用収益は検証され、必要に応じて基本ポートフォリオの見直しを行っています。

NIDECの資産ポートフォリオは大きく3つの資産区分に分類されます。約4%を資本性金融商品で運用し、約9%を負債性金融商品で運用し、約87%を合同運用信託や生保一般勘定等のその他資産で運用しています。

資本性金融商品は証券取引所に上場されている株式です。負債性金融商品は国内外の国債、公債及び社債から構成されています。その他資産に含まれる合同運用信託については資本性金融商品及び負債性金融商品で運用され、上記の資本性金融商品及び負債性金融商品と同内容で構成されています。また、その他資産に含まれる生保一般勘定は一定の予定利率と元本が保証されています。

 

給付債務の見積りに使用した数理計算上の仮定は次のとおりです。

 

国内制度

海外制度

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

割引率

1.4

1.8

5.0

5.2

昇給率

0.0

0.0

3.4

3.6

 

 

重要な仮定に対する確定給付制度債務の感応度は、連結財政状態計算書で認識される退職給付に係る負債を算定する際に使用される方法と同一の方法を用いて算定されており、分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としています。なお、感応度分析の作成に使用された方法及び仮定について、前連結会計年度から変更はありません。

主要な数理計算上の仮定が変動した場合に、各連結会計年度末の確定給付制度債務が変動する額は、次のとおりです。なお、昇給率については重要な変動を見込んでいません。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

割引率

 

 

0.5%増加

△2,942

△2,661

0.5%減少

3,039

2,834

 

 

確定給付債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

国内制度

8.6

7.8

海外制度

9.2

9.9

 

 

②確定拠出制度

確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は前連結会計年度6,972百万円、当連結会計年度7,791百万円であり、翌連結会計年度に約7,868百万円の拠出を見込んでいます。

 

 

 

24.その他の資本の構成要素及びその他の包括利益

その他の資本の構成要素(税引後)の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

FVTOCI負債性金融資産の公正価値の純変動

 

 

期首残高

△47

△437

期中増減

△390

△51

期末残高

△437

△488

FVTOCI資本性金融資産の公正価値の純変動

 

 

期首残高

期中増減

6,171

△2,210

利益剰余金への振替額

△6,171

2,210

期末残高

在外営業活動体の換算差額

 

 

期首残高

205,220

399,188

期中増減

193,968

△21,262

期末残高

399,188

377,926

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動の有効部分

 

 

期首残高

1,664

2,120

期中増減

456

△3,307

期末残高

2,120

△1,187

確定給付制度に係る再測定

 

 

期首残高

期中増減

1,052

1,889

利益剰余金への振替

△1,052

△1,889

期末残高

その他の資本の構成要素

 

 

期首残高

206,837

400,871

期中増減

201,257

△24,942

利益剰余金への振替

△7,223

322

期末残高

400,871

376,251

 

 

 

非支配持分を含むその他の包括利益の当期発生額及び組替調整額、並びに税効果額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

税効果考慮前

税効果額

税効果考慮後

税効果考慮前

税効果額

税効果考慮後

FVTOCI負債性金融資産の公正価値の純変動

 

 

 

 

 

 

当期発生額

△516

126

△390

△66

16

△50

当期利益への組替調整額

△1

△1

期中増減額

△516

126

△390

△67

16

△51

FVTOCI資本性金融資産の公正価値の純変動

 

 

 

 

 

 

当期発生額

8,950

△2,779

6,171

△3,001

791

△2,210

期中増減額

8,950

△2,779

6,171

△3,001

791

△2,210

在外営業活動体の換算差額

 

 

 

 

 

 

当期発生額

△1,293

△1,293

25,164

25,164

当期利益への組替調整額

196,731

196,731

△47,573

△47,573

期中増減額

195,438

195,438

△22,409

△22,409

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動の有効部分

 

 

 

 

 

 

当期発生額

3,761

△921

2,840

△3,213

789

△2,424

当期利益への組替修正額

△3,162

778

△2,384

△1,179

296

△883

期中増減額

599

△143

456

△4,392

1,085

△3,307

確定給付制度に係る再測定

 

 

 

 

 

 

当期発生額

1,410

△424

986

2,763

△871

1,892

期中増減額

1,410

△424

986

2,763

△871

1,892

その他の包括利益

205,881

△3,220

202,661

△27,106

1,021

△26,085

 

 

 

25.法人所得税

(1)法人所得税費用

法人所得税費用の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

当期法人所得税

△84,239

△58,025

繰延法人所得税

 

 

一時差異の発生及び解消

7,965

△14,065

税率の変更等

△347

合計

7,965

△14,412

法人所得税費用合計

△76,274

△72,437

 

当期法人所得税には、第2の柱の法人所得税に係る税金費用が含まれており、当連結会計年度の計上金額は254百万円です。

 

(2)法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率の差異

NIDECは、所得に対する種々の税金を課されており、当連結会計年度における国内の法定実効税率は約30.5%となりました。法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率との差異の内容は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

わが国の法定実効税率

30.5

30.5

税率の増減要因

 

 

 

 

海外子会社での適用税率の差異

△7.9

△7.0

未分配利益に係る税効果の影響

2.4

5.8

繰延税金資産の回収可能性の評価による影響

4.6

2.1

試験研究費等税額控除

△1.5

△0.8

外国税額控除

△0.7

△0.6

課税所得計算上減算されない費用

1.5

0.7

配当源泉税

5.6

0.7

その他

3.3

△0.4

連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率

37.8

31.0

 

「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。

これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、国内の法定実効税率を30.5%から31.4%に変更し計算しています。なお、この税率変更による影響は軽微です。

 

(3)繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因及び増減内容

繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因別の内訳及び増減は次のとおりです。

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

(単位:百万円)

 

2023年4月1日

純損益で

認識された額

その他の

包括利益で

認識された額

その他

2024年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

棚卸資産

9,571

3,128

323

13,022

有形固定資産

△13,460

5,557

△30

△7,933

賞与引当金

2,909

190

32

3,131

未払事業税

707

281

6

994

退職給付に係る負債

5,267

△297

△424

206

4,752

繰越欠損金

4,729

1,470

200

6,399

有給休暇引当金

1,572

173

10

1,755

未払費用

6,303

△1,557

3

4,749

リース負債

8,543

△2,628

5,915

その他

2,623

1,770

△709

3,684

合計

28,764

8,087

△424

41

36,468

繰延税金負債

 

 

 

 

 

FVTOCI金融資産

△5,346

△249

△2,779

58

△8,316

資産の取得価額の相違額

△839

△17

△856

未分配利益

△23,734

△6,168

△29,902

無形資産

△43,273

△6,188

△39

△49,500

使用権資産

△8,512

3,503

△5,009

その他

△4,578

△176

△17

111

△4,660

合計

△86,282

△9,295

△2,796

130

△98,243

純額

△57,518

△1,208

△3,220

171

△61,775

 

純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものです。

その他の内容は、主に企業結合によるものです。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

(単位:百万円)

 

2024年4月1日

純損益で

認識された額

その他の

包括利益で

認識された額

その他

2025年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

棚卸資産

13,022

1,219

14,241

有形固定資産

△7,933

△525

△8,458

賞与引当金

3,131

△2,356

775

未払事業税

994

△675

319

退職給付に係る負債

4,752

1,379

△871

5,260

繰越欠損金

6,399

△3,193

3,206

有給休暇引当金

1,755

△132

1,623

未払費用

4,749

2,127

6,876

リース負債

5,915

△2,133

3,782

その他

3,684

△2,191

1,037

2,530

合計

36,468

△6,480

△871

1,037

30,154

繰延税金負債

 

 

 

 

 

FVTOCI金融資産

△8,316

791

257

△7,268

資産の取得価額の相違額

△856

2

△854

未分配利益

△29,902

△12,840

△42,742

無形資産

△49,500

11,829

△37,671

使用権資産

△5,009

1,708

△3,301

その他

△4,660

△8,629

1,101

3,430

△8,758

合計

△98,243

△7,932

1,892

3,689

△100,594

純額

△61,775

△14,412

1,021

4,726

△70,440

 

その他の内容は、主に企業結合及び在外営業活動体の換算差額によるものです。

 

NIDECは、繰延税金資産の認識に当たり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。

NIDECは、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しています。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能である期間における将来課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。繰延税金資産は回収可能性の評価により、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ65,042百万円及び59,416百万円減額しています。

 

 

(4)連結財政状態計算書における繰延税金資産及び繰延税金負債

連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

繰延税金資産

16,464

16,530

繰延税金負債

△78,239

△86,970

純額

△61,775

△70,440

 

 

(5)繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等

繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

将来減算一時差異

170,813

143,272

繰越欠損金

133,044

144,021

合計

303,857

287,293

 

NIDECは、一部の税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識していません。これらは、主に国内子会社にて発生した繰越欠損金に係るものです。NIDECはこうした繰延税金資産の回収可能性を評価するため、当該子会社を個別に分析し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。将来の課税所得の発生可能性が高くないため繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ303,857百万円及び287,293百万円です。将来減算一時差異は現行の税法上は失効することはありません。

 

(6)繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限

繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年目

1,348

4,429

2年目

4,944

5,055

3年目

5,677

10,695

4年目

10,560

9,492

5年目以降

17,804

16,960

無期限

92,711

97,390

合計

133,044

144,021

 

 

(7)繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、NIDECは一部の子会社等の投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識していません。これは、NIDECが一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためです。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社等の投資に係る将来加算一時差異は、1,071,278百万円及び824,387百万円です。

 

 

26.引当金

引当金の内訳及び増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

製品保証引当金

その他

合計

2024年4月1日残高

12,466

53,053

65,519

増加

10,770

44,701

55,471

企業結合による取得

240

223

463

目的使用による減少額

△10,008

△42,523

△52,531

当期戻入額

△1,381

△10,733

△12,114

在外営業活動体の換算差額等

378

△6,719

△6,341

2025年3月31日残高

12,465

38,002

50,467

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

流動負債

63,457

48,701

非流動負債

2,062

1,766

合計

65,519

50,467

 

 

製品保証引当金

NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っています。見積りは主として過去の実績額に基づいています。これらの費用は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。

 

その他の引当金

その他の引当金は主に有給休暇引当金等により構成されています。これらの費用は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。

 

 

27.株式に基づく報酬(業績連動型株式報酬制度)

NIDECは中長期的な企業価値拡大に向けて、対象取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成等の意欲を高めること及び対象取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度を導入しています。

対象取締役等に対して、持分決済型としてBIP信託及びESOP信託の仕組みを採用しています。また、一部の海外居住者に対しては、現金決済型として当社株価を基礎とする金額で現金を支給する株式報酬制度を採用しています。

本制度は、連続する3事業年度を対象期間とし、対象期間に渡り継続して勤務していることが権利確定条件となり、業績目標達成度に応じて、各連結会計年ごとに付与ポイント数を確定いたします。

持分決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は△21百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は△50百万円です。

付与されたポイントの付与日の公正価値及びポイント数の変動は次のとおりです。付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定し、予想配当を考慮に入れた修正及びその他の修正は行っていません。

NIDECは2024年10月1日付で普通株式1株につき、2株の株式分割を行っていますが、以下については当該株式分割の影響を反映していません。

なお、第1期(2018年度~2020年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイント当たり4株、第2期(2021年度~2023年度を対象とした期間)及び第3期(2024年度~2026年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイント当たり2株の交付となります。

 

第1期(2018年度~2020年度を対象とした期間)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

BIP信託

ESOP信託

BIP信託

ESOP信託

(円)

 

 

 

 

 付与日の公正価値

8,473

8,521

8,473

8,521

(ポイント数)

 

 

 

 

 期首残高

10,291

1,637

9,615

1,637

 権利付与

 権利失効

△676

△2,117

△419

 権利行使

△2,042

△347

 期末残高

9,615

1,637

5,456

871

 

(注)前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は0年です。

 

 

第2期(2021年度~2023年度を対象とした期間)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

BIP信託

ESOP信託

BIP信託

ESOP信託

(円)

 

 

 

 

 付与日の公正価値

12,690

12,690

12,690

12,690

(ポイント数)

 

 

 

 

 期首残高

17,017

7,180

16,173

7,121

 権利付与

 権利失効

△844

△59

△2,960

△2,874

 権利行使

△13,213

△4,247

 期末残高

16,173

7,121

 

(注)当連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は0年です。

 

第3期(2024年度~2026年度を対象とした期間)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

BIP信託

ESOP信託

(円)

 

 

 付与日の公正価値

6,812

6,812

 

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、BIP信託として保有する株式は共に1,140,256株であり、ESOP信託として保有する株式は共に532,440株です。

(注)当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、「BIP信託及びESOP信託として保有する株式」を算出しています。

現金決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は20百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は△28百万円です。また、前連結会計年度末において認識された負債は150百万円であり、当連結会計年度末において認識された負債は95百万円です。

 

 

28.資本金及び剰余金等

(1)資本金

当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における発行可能株式総数、発行済株式総数及び変動は次のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

株式数(株)

株式数(株)

発行可能株式総数:

 

 

普通株式(無額面株式)

1,920,000,000

1,920,000,000

発行済株式総数:

 

 

期首残高

1,192,568,936

1,192,568,936

期中増減

期末残高

1,192,568,936

1,192,568,936

 

(注)1.上記の発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、43,371,640株及び46,261,077株です。

 2.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いました。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して株式数を算定しています。

 

(2)資本剰余金及び利益剰余金

資本剰余金は主に資本準備金から構成されています。前連結会計年度及び当連結会計年度における資本剰余金の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

期首残高

97,670

98,099

期中増減

429

△654

期末残高

98,099

97,445

 

 

利益剰余金は、利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。

わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、各事業年度に剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金又は利益準備金として積立てることが規定されています。

 

(3)自己株式

 

株式数(株)

金額(百万円)

2023年3月31日残高

43,055,348

166,917

自己株式の買取による増加

302,800

983

単元未満株式の買取請求による増加

6,430

22

株式交換による単元未満株式の買取請求による増加

7,062

23

2024年3月31日残高

43,371,640

167,945

自己株式の買取による増加

3,683,500

7,772

単元未満株式の買取請求による増加

3,579

12

自己株式の売却による減少

△797,642

△123

その他

-

△2

2025年3月31日残高

46,261,077

175,604

 

(注)1.2022年4月21日の取締役会決議に基づき2022年9月に取得した自己株式1,715百万円及び、2023年1月24日の取締役会決議に基づき2023年2月15日から2023年3月20日までに取得した自己株式6,883百万円については、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超えて取得がなされていたことが判明しました。取得した自己株式は、連結持分変動計算書及び株主資本等変動計算書の自己株式の取得及び2023年3月31日の残高に含まれています。

 2.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いました。2023年3月31日に当該株式分割が行われたものと仮定して株式数を算定しています。

 

 

29.配当金

所有者への分配として認識された普通株式に関する配当額は次のとおりです。

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

決議日

株式の種類

配当金の総額

1株当たり配当額

基準日

効力発生日

2023年5月26日

取締役会

普通株式

20,133

百万円

35

2023年3月31日

2023年6月1日

2023年10月23日

取締役会

普通株式

20,128

百万円

35

2023年9月30日

2023年12月1日

 

(注)1.2023年5月26日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金17百万円が含まれています。

2.2023年10月23日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金17百万円が含まれています。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

決議日

株式の種類

配当金の総額

1株当たり配当額

基準日

効力発生日

2024年5月24日

取締役会

普通株式

23,003

百万円

40

2024年3月31日

2024年6月3日

2024年10月23日

取締役会

普通株式

23,018

百万円

40

2024年9月30日

2024年12月2日

 

(注)1.2024年5月24日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金19百万円が含まれています。

2.2024年10月23日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金33百万円が含まれています。

3.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。

 

基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは次のとおりです。

決議日

株式の種類

配当金の総額

1株当たり配当額

基準日

効力発生日

2025年5月27日

取締役会

普通株式

22,960

百万円

20

2025年3月31日

2025年6月2日

 

(注)2025年5月27日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金33百万円が含まれています。

 

 

30.売上収益

(1)売上収益の分解

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

(単位:百万円)

 

 

製品別

精密小型モータ

車載

家電・

商業・

産業用

機器装置

電子・

光学部品

その他

合計

HDD用

モータ

その他小型モータ

SPMS

70,608

259,988

330,596

330,596

AMEC

338,540

338,540

MOEN

459,828

(67,808)

459,828

(67,808)

ACIM

428,009

428,009

機械事業

204,388

(62,192)

204,388

(62,192)

グループ会社事業

85,113

85,113

242,369

78,245

93,987

81,839

4,245

585,798

連結売上高

70,608

345,101

415,709

580,909

966,082

(67,808)

298,375

(62,192)

81,839

4,245

2,347,159

(130,000)

 

(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しています。

2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数です。

3. 第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

 

   当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

(単位:百万円)

 

 

製品別

精密小型モータ

車載

家電・

商業・

産業用

機器装置

電子・

光学部品

その他

合計

HDD用

モータ

その他小型モータ

SPMS

100,219

291,046

391,265

391,265

AMEC

348,685

348,685

MOEN

64,494

509,427

(85,577)

573,921

(85,577)

ACIM

462,269

462,269

機械事業

213,386

(46,708)

213,386

(46,708)

グループ会社事業

96,624

96,624

251,444

80,959

101,205

84,404

3,651

618,287

連結売上高

100,219

387,670

487,889

664,623

1,052,655

(85,577)

314,591

(46,708)

84,404

3,651

2,607,813

(132,285)

 

(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しています。

2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数です。

3. 第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

 

 

NIDECは、精密小型モータ、車載製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容にしています。これらの事業から生じる収益は、顧客との契約に基づき、計上しています。また、変動対価等を含む収益の額に重要性はなく、重要な金融要素は含まれていません。

 

①精密小型モータ

精密小型モータ製品グループにおいては、HDD用モータ、その他小型モータの製造・販売を行っています。その他小型モータは、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、モータ応用製品等により構成されています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。

 

②車載製品

車載製品グループにおいては、車載用モータ及び自動車部品の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。

 

③家電・商業・産業用製品

家電・商業・産業用製品グループにおいては、家電・商業・産業用モータ及び関連製品の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。

 

④機器装置

機器装置製品グループにおいては、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機等の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。

 

⑤電子・光学部品

電子・光学部品製品グループにおいては、スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。

 

⑥その他

その他製品グループにおいては、サービス等を提供しています。サービス等については、サービス等の提供が完了した時点において履行義務が充足されると判断しています。従って、サービス等の提供時点で収益を認識しています。

 

 

(2)契約残高

契約資産及び契約負債の残高は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

 契約資産

 

 

 その他の流動資産

32,115

48,671

 その他の非流動資産

471

376

契約負債

 

 

 その他の流動負債

45,397

45,470

 その他の非流動負債

29

30

 

契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益と交換に受取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものです。契約資産は、顧客が対価を支払う前もしくは支払期限が到来する前に、財又はサービスに対する支配が移転した時に計上しています。また顧客に対価を請求する時点でその権利が時の経過だけが要求される無条件な状態となったと判断し、債権に振り替えています。

契約負債は、主に顧客からの前受金に関するものです。契約負債は、財又はサービスに対する支配が顧客に移転する前に、顧客から対価を受領した時に計上し、履行義務を充足し財又はサービスに対する支配が顧客に移転した時に収益に振り替えています。

また、前連結会計年度及び当連結会計年度の期首時点の契約負債残高は、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度の収益として認識しています。なお、当連結会計年度における、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額には重要性はありません。

 

(3)顧客との契約の獲得又は契約履行のためのコストから認識した資産

顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の残高は次のとおりです。なお、当連結会計年度における当該資産の償却費は、430百万円です。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

 契約を獲得するための増分コスト

 

 

 その他の非流動資産

2,489

2,196

 契約履行コスト

 

 

 その他の非流動資産

72

24

 

 

(4)残存履行義務に配分した取引金額

工事契約に関する残存履行義務に配分した取引金額及び充足時期は次のとおりです。なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は含んでいません。

(単位:百万円)

時期

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年以内

79,413

110,614

1年超

30,612

55,657

合計

110,025

166,271

 

 

 

31.営業費用

当連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費113,972百万円、その他の償却費24,096百万円、従業員給付費用470,685百万円が含まれています。また、前連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費110,364百万円、その他の償却費22,169百万円、従業員給付費用429,898百万円が含まれています。

 

32.金融収益及び金融費用

(1)金融収益

金融収益の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

受取利息

 

 

償却原価で測定される金融資産

35,304

35,766

受取配当金

 

 

FVTOCIの資本性金融資産

597

916

その他

393

177

合計

36,294

36,859

 

 

(2)金融費用

金融費用の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

支払利息

 

 

償却原価で測定される金融負債

20,337

21,513

その他

1,530

2,146

合計

21,867

23,659

 

 

 

33.1株当たり利益

基本的1株当たり当期利益(△損失)の算定上の基礎は次のとおりです。

なお、希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

2025年3月31日

親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円)

124,455

164,365

親会社の所有者に帰属する継続事業からの

当期利益 (百万円)

124,499

164,569

親会社の所有者に帰属する非継続事業からの

当期損失 (百万円)

△44

△204

加重平均株式数 (株)

1,149,199,980

1,148,916,724

基本的1株当たり当期利益(△損失)(円)

108.30

143.06

継続事業(円)

108.34

143.24

非継続事業(円)

△0.04

△0.18

 

(注)1.基本的1株当たり当期利益(△損失)の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、加重平均株式数から当該株式数を控除しています。

2.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、「基本的1株当たり当期利益(△損失)」を算出しています。

 

 

34.デリバティブ

NIDECは為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しています。NIDECはデリバティブを売買目的で保有していません。また、NIDECはデリバティブの契約相手が契約を履行しなかった場合に生じる信用リスクにさらされていますが、契約相手の信用度が高く、そのようなリスクは僅少であると考えています。

 

(1)キャッシュ・フロー・ヘッジ

NIDECは一部の購入契約等の予定取引に関し、為替レート及び商品価格の変動によるキャッシュ・フローの変動を抑える目的で、先物為替予約及び商品先物契約を利用しています。

 

(2)ヘッジ指定されていないデリバティブ

NIDECはデリバティブに対して、ヘッジ会計を適用することができない、もしくは適用することを選択しないことがあります。これらの公正価値の変動は「為替差損益」、「デリバティブ関連損益」に計上されます。

 

キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブは次のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

連結財務諸表上の

表示科目

資産

負債

為替リスク

 

 

 

 

先物為替予約

29,865

3,385

33

その他の金融資産

その他の金融負債

商品価格リスク

 

 

 

 

商品先物契約

1,736

333

6

その他の金融資産

その他の金融負債

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

連結財務諸表上の

表示科目

資産

負債

為替リスク

 

 

 

 

先物為替予約

26,790

96

1,130

その他の金融資産

その他の金融負債

商品価格リスク

 

 

 

 

商品先物契約

1,806

531

2

その他の金融資産

その他の金融負債

 

 

 

ヘッジとして指定されていないデリバティブは次のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

連結財務諸表上の

表示科目

資産

負債

先物為替予約

27,651

58

1

その他の金融資産
その他の金融負債

金利スワップ

20,000

376

その他の金融負債

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

 

想定元本

帳簿価額

連結財務諸表上の

表示科目

資産

負債

先物為替予約

53,748

65

373

その他の金融資産
その他の金融負債

金利スワップ

20,000

1,070

その他の金融負債

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の帳簿価額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

為替リスク

 

 

先物為替予約

1,818

△1,488

商品価格リスク

 

 

商品先物契約

302

302

 

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブの損益への影響は次のとおりです。

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に

認識されたヘッジ

手段の価値変動

キャッシュ・フロー

・ヘッジ剰余金から

純損益に振り替えた

金額

振替により純損益に

おける影響を受けた

表示科目

為替リスク

 

 

 

先物為替予約

2,542

△2,256

売上原価

商品価格リスク

 

 

 

商品先物契約

298

△128

売上原価

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に

認識されたヘッジ

手段の価値変動

キャッシュ・フロー

・ヘッジ剰余金から

純損益に振り替えた

金額

振替により純損益に

おける影響を受けた

表示科目

為替リスク

 

 

 

先物為替予約

△2,424

△883

売上原価

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度にヘッジの効果が有効でないため、又はヘッジの有効性の評価から除外されたために損益に計上された金額に重要性はありません。

当連結会計年度末において、予定取引に係るNIDECの将来キャッシュ・フローの変動をヘッジする最長期間は約23 ヶ月です。

 

ヘッジとして指定されていないデリバティブの損益への影響額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

連結財務諸表上の

表示科目

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

先物為替予約

為替差損益

57

△308

金利スワップ

デリバティブ関連損益

△188

△694

 

 

 

35.公正価値

公正価値は、測定日における市場参加者間の通常の取引において、資産の売却により受け取るであろう価格又は負債を移転するのに支払うであろう価格と定義されます。

なお、公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられています。

レベル1-活発な市場における同一の資産・負債の市場価格

レベル2-活発な市場における類似の資産・負債の市場価格、活発でない市場における同一又は類似の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプット、相関関係その他の方法により観察可能な市場データに裏付けられるインプット

レベル3-観察が不能なインプット

NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しています。

 

償却原価で評価される金融商品の公正価値

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

短期投資

24

24

43

43

長期投資

5,066

5,146

5,053

5,043

短期貸付金

12

12

10

10

長期貸付金

8,331

8,245

209

187

短期借入金

△42,954

△42,954

△93,710

△93,710

長期債務

(1年内返済予定長期債務を含み、リース負債及び社債を除く)

△148,994

△147,145

△263,953

△258,761

社債

(1年以内償還予定社債を含む)

△351,332

△344,839

△220,877

△215,965

 

 

金融商品の公正価値の見積り方法は次のとおりです。

(1)短期投資及び短期貸付金、短期借入金

通常の事業において、ほとんどの短期投資(定期預金)、短期貸付金、短期借入金はきわめて流動性が高く、その簿価はおおむね公正価値と同額です。

(2)長期投資

長期投資の公正価値は、主に満期保有目的の債券であり、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。

(3)長期貸付金

長期貸付金の公正価値は、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。

(4)長期債務

長期債務(含1年以内返済予定長期債務、除リース負債及び社債)の公正価値は、それらと類似した負債をNIDECが新たに借入れる場合に適用される利子率を使って、将来の返済額を現在価値に割り引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。

(5)社債

NIDECが発行した社債(含1年以内償還予定社債)の公正価値は、活発でない市場における同一負債の市場価格により評価しており、レベル2に分類しています。

 

なお、「現金及び現金同等物」、「営業債権及びその他の債権」、「営業債務及びその他の債務」については短期間で決済され、帳簿価額と近似しているため、上記の表には含めていません。

 

 

経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類

以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析です。

分析に使用する公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

有価証券及びその他の投資有価証券

 

 

 

 

FVTOCIの資本性金融資産

29,135

2,220

31,355

FVTOCIの負債性金融資産

93

93

デリバティブ

333

3,443

3,776

資産合計

29,468

3,536

2,220

35,224

負債:

 

 

 

 

デリバティブ

6

410

416

負債合計

6

410

416

 

(注)前連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

有価証券及びその他の投資有価証券

 

 

 

 

FVTOCIの資本性金融資産

28,030

3,270

31,300

FVTOCIの負債性金融資産

38

38

デリバティブ

531

161

692

資産合計

28,561

199

3,270

32,030

負債:

 

 

 

 

デリバティブ

2

2,573

2,575

負債合計

2

2,573

2,575

 

(注)当連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。

 

レベル1の有価証券や商品先物等のデリバティブ金融商品は主に時価のあるもので、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価値で評価しています。

レベル2の有価証券は、活発でない市場における同一資産の市場価格により評価しています。レベル2のデリバティブは先物為替予約等のデリバティブ金融商品であり、取引相手方又は第三者から入手した相場価格に基づき評価され、外国為替レート及び金利等の観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しています。

レベル3の有価証券は、主に非上場株式により構成されています。非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー・アプローチ等を適用して算定しています。レベル3の有価証券について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の重要な公正価値の変動は見込まれていません。

 

 

レベル3に分類されている金融商品の調整表は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

期首残高

2,258

2,220

利得又は損失

 

 

その他の包括利益に計上(注)

△18

△80

購入

2

売却

△43

△5

企業結合に伴う取得

21

その他

1,135

期末残高

2,220

3,270

 

(注)連結包括利益計算書の「FVTOCI資本性金融資産の公正価値の純変動」及び「在外営業活動体の換算差額」に含まれています。

 

36.関連当事者との取引

(1)報告期間中に行われた、関連当事者との取引は次のとおりです。

 

(製品及びサービスの販売)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

関連当事者

 

 

㈱エスエヌ興産(※1)

1

3

公益財団法人永守財団(※2)

12

13

学校法人永守学園(※3)

25

21

公益財団法人永守文化記念財団(※4)

79

78

 

(注)※1.役員が議決権の過半数を所有している会社

※2.役員が理事長を兼任している財団

※3.役員が理事長を兼任している法人

※4.役員が代表理事を兼任している財団

 

関連当事者に対する製品及びサービスの販売は、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しています。

 

(製品及びサービスの購入)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

関連当事者

 

 

㈱エスエヌ興産

13

11

学校法人永守学園

80

81

公益財団法人永守文化記念財団

1

1

合同会社グリーン興産(※5)

66

 

(注)※5.役員が代表社員を兼任している会社

 

関連当事者からの製品及びサービスの購入は、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しています。学校法人永守学園への共同研究費の支払いについては、両者協議の上で締結した共同研究契約に基づき決定しています。

 

(製品及びサービスの販売及び購入から発生した未決済残高)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

関連当事者に対する債権

 

 

㈱エスエヌ興産

公益財団法人永守財団

0

0

学校法人永守学園

2

2

公益財団法人永守文化記念財団

1

1

関連当事者に対する債務

 

 

㈱エスエヌ興産

学校法人永守学園

公益財団法人永守文化記念財団

0

0

合同会社グリーン興産

 

 

関連当事者に対する債権については、当連結会計年度末、前連結会計年度末において、損失評価引当金は認識していません。また、関連当事者に対する債権について、当連結会計年度もしくは前連結会計年度において認識された費用はありません。

 

(2)NIDECの主要な経営幹部に対する報酬は、次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

固定報酬

233

603

変動報酬

業績連動型株式報酬

△13

合計

233

590

 

(注)前連結会計年度においては、主要な経営幹部の範囲を取締役としていましたが、当連結会計年度において、既存の会議体の見直しを行い、NIDECの経営会議を経営幹部による業務執行側の意思決定機関として整理したことを受けて、取締役に加え、NIDECの経営会議に参画する執行役員も主要な経営幹部に位置付けています。

 

37.子会社及び関連会社

(1)企業集団の構成

企業集団の構成については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」を参照ください。

 

(2)重要な非支配持分を有する子会社

重要な非支配持分を有する子会社はありません。

 

(3)重要でない関連会社の合算情報

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

関連会社に係る持分の帳簿価額

8,352

1,044

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

当期包括利益


 


 

 当期損失

△7,164

△3,179

合計

△7,164

△3,179

 

 

 

38.リース

1.借手側

NIDECは、リース契約を締結し一部の資産を賃借しています。リースに係る概要は次のとおりです。

 

(1)使用権資産の帳簿価額

(単位:百万円)

使用権資産

土地

建物

機械及び装置

車両及び運搬具

ソフトウエア

2023年4月1日残高

6,664

40,765

2,432

2,111

138

減価償却費

△801

△4,853

△1,132

△430

△93

企業結合による取得

1,025

13

新規契約

165

8,842

1,355

2,088

在外営業活動体の換算差額

992

7,197

916

514

その他(注3)

△38

△7,023

△898

△1,205

2024年3月31日残高

6,982

45,953

2,673

3,091

45

減価償却費

△498

△9,517

△1,079

△1,353

△37

企業結合による取得

3,682

2

新規契約

20

7,669

1,300

1,922

在外営業活動体の換算差額

△91

△712

△34

△17

その他(注3)

202

△1,400

△252

△717

2025年3月31日残高

6,615

45,675

2,608

2,928

8

 

(注)1.連結財政状態計算書上で土地、建物、機械及び装置、車両及び運搬具は「有形固定資産」に含まれます。

2.連結財政状態計算書上でソフトウエアは「無形資産」に含まれます。

3.その他にはリース契約の解約等が含まれています。

 

(2)リース負債

 

 

(単位:百万円)

期間

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年以内

13,151

12,782

1年超5年以内

31,923

30,683

5年超

23,824

25,257

割引前リース負債の3月31日現在の残高

68,898

68,722

3月31日現在の財政状態計算書に含まれるリース負債の残高

57,619

57,506

流動

11,441

11,193

非流動

46,178

46,313

57,619

57,506

 

(注)連結財政状態計算書における表示項目「1年以内返済予定長期債務」「長期債務」に含みます。

 

 

(3)純損益で認識された金額

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

使用権資産の減価償却費

 

 

土地

801

498

建物

4,853

9,517

機械及び装置

1,132

1,079

車両及び運搬具

430

1,353

ソフトウエア

93

37

7,309

12,484

金利費用

1,721

1,465

短期リースに関連する費用

3,766

6,021

少額資産リースに関連する費用

2,122

1,586

7,609

9,072

合計

14,918

21,556

 

 

(4)連結キャッシュ・フロー計算書で認識された金額

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースのキャッシュ・アウトフローの合計は、それぞれ10,857百万円20,181百万円です。

 

2. 貸手側

(1)オペレーティング・リース

NIDECは建物及び設備の一部を賃貸しています。受取賃貸料は前連結会計年度及び当連結会計年度は、それぞれ69百万円、49百万円です。

解約不能期間が残っているリースにおける将来の最低受取賃貸料は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

期間

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年以内

20

0

1年超5年以内

5年超

将来の最低受取賃貸料総額

20

0

 

 

 

(2)ファイナンス・リース

NIDECは設備の一部を賃貸しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末のファイナンス・リース契約に係るリース投資未回収総額と正味リース投資未回収額及びこれらの調整額は、次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

期間

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

1年以内

224

285

1年超5年以内

1,344

1,724

5年超

1,803

合計

3,371

2,009

控除:未稼得金融収益

167

159

正味リース投資未回収額

3,204

1,850

 

 

ファイナンス・リースに係る収益の内訳は、次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

期間

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

販売損益

11

受取利息

41

49

 

 

 

39.金融商品

(1)資本管理

NIDECは、持続的な企業価値の向上と総還元性向50%を見据えて、資本効率と財務健全性を両立した最適な資本構成を、資本管理の基本方針としています。

NIDECの親会社所有者帰属持分比率及び親会社所有者帰属持分当期利益率は次のとおりです。

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

親会社所有者帰属持分比率

51.6

51.8

 

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

親会社所有者帰属持分当期利益率

8.4

9.8

 

 

なお、NIDECが適用を受ける重要な資本規制はありません。

 

(2)信用リスク管理

NIDECは、営業債権に関する債務不履行を「債務者である顧客が債務を履行せず回収が不能となること」と定義しています。そのためNIDECは、営業債権について、債務者の財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図るため、与信管理規定に従い、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理しています。

なお、NIDECでは、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。

金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額となります。

 

各年度末において期日が経過している債権の年齢分析及び、予想信用損失は次のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日

(単位:百万円)

 

期日経過後

合計

6ヶ月以内

6ヶ月超~1年以内

1年超

営業債権及びその他の債権

 

 

 

 

債権金額

55,181

46,280

2,999

5,902

損失評価引当金

△3,949

△234

△81

△3,634

純額

51,232

46,046

2,918

2,268

予想信用損失率

7.2%

0.5%

2.7%

61.6%

その他の金融資産

 

 

 

 

債権金額

446

446

損失評価引当金

△445

△445

純額

1

1

予想信用損失率

99.8%

99.8%

 

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日

(単位:百万円)

 

期日経過後

合計

6ヶ月以内

6ヶ月超~1年以内

1年超

営業債権及びその他の債権

 

 

 

 

債権金額

51,745

40,381

5,416

5,948

損失評価引当金

△4,048

△33

△91

△3,924

純額

47,697

40,348

5,325

2,024

予想信用損失率

7.8%

0.1%

1.7%

66.0%

その他の金融資産

 

 

 

 

債権金額

446

446

損失評価引当金

△445

△445

純額

1

1

予想信用損失率

99.8%

99.8%

 

 

資産から直接控除した損失評価引当金の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日

営業債権及び

その他の債権

その他の金融資産

営業債権及び

その他の債権

その他の金融資産

損失評価引当金期首残高

5,383

447

5,261

449

損失評価引当金繰入額<純額>

556

△26

1,902

△1

目的使用

△1,250

△763

在外営業活動体の換算差額等

572

28

△81

3

損失評価引当金期末残高

5,261

449

6,319

451

 

 

(3)流動性リスク管理

NIDECは、運転資金や設備投資資金の調達を、金融機関からの借入や直接金融市場からの資金調達に依存しています。金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合、又は、経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があります。

NIDECは、係る流動性リスクに備えるため、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握し、資金調達計画を作成しています。また、作成した計画に従って機動的な資金調達が可能となるよう、取締役会で借入枠設定の承認を行っています。

NIDECの長期債務の年度別満期返済予定額については、「21.短期借入金及び長期債務」を参照ください。

 

 

(4)市場リスク管理

①為替リスク管理

NIDECの海外売上の大部分は米国ドル・ユーロ・人民元・タイバーツ等の外貨で構成されており、円に対する各通貨の下落はNIDECの売上・営業利益・当期利益等に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、在外子会社の財務諸表の連結に際しても為替変動の影響が生じます。

これらの為替リスク管理のため、NIDECは通貨ごとの金銭債権債務バランスのコントロールや売上・仕入通貨のマリー等のナチュラルヘッジを基本としています。なお、一部取引については為替変動の影響を抑制するため先物為替予約等を利用しています。

NIDECが連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、その他全ての変数を一定とすることを前提に、米国ドル、ユーロに対してそれぞれ1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日

米国ドル(1%円高)

△1,869

△2,658

ユーロ(1%円高)

△1,788

△643

 

 

②金利リスク管理

NIDECは重要性のある有利子資産を有していないため、NIDECの損益及びキャッシュ・フローが市場金利に左右されることは実質的にありません。

NIDECは有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを管理するため、金利スワップ取引等を利用すると共に、金利の動きを適宜モニタリングしています。その結果、利息の支払いがNIDECに与える影響は小さいため、金利感応度分析は行っていません。

 

③株価変動リスク管理

NIDECが保有する株式については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、評価損益を把握しているほか、発行体との関係を勘案の上、保有状況を継続的に適宜見直しています。

 

40.偶発負債

当連結会計年度末において、NIDECはBid bonds(入札保証)、Advance payment bonds(前払金保証)、Performance bonds(契約履行保証)、Warranty bonds(契約不適合保証)及びPayment bonds(支払保証)に関連して総額55,303百万円の偶発債務を認識しています。これらは主にNIDECのプロジェクトに関連するパフォーマンスに対して負うものであり、現在実行中、もしくは保証期間中のものです。NIDECは現在、これらの保証に抵触するような重要な要求は認識しておらず、また今後、重要な要求をされるような事象も認識していません。

 

41.コミットメント

決算日以降の支出に関するコミットメントは次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

2024年3月31日

当連結会計年度

2025年3月31日

有形固定資産及びその他の資産

25,017

15,351

 

 

 

42.重要な後発事象

Changzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.の持分取得完了

当社グループは 2025年7月8日に、中国のChangzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd. (以下、「Xecom社」)の持分100%を取得(以下、「本件取引」)しました。2025年9月26日時点において、本件取引に関する当初の会計処理が完了していないため、企業結合の会計処理に関する詳細な情報は開示していません。なお、Changzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.は商号をNidec Scroll Technology (Changzhou) Co., Ltd.に変更しました。

1.目的

Xecom社はスクロールコンプレッサーの設計・製造を行っています。本件取引により、冷凍庫分野での存在感を拡大・強化し、更には空調及びヒートポンプ市場の新規分野への参入が可能になると考えています。

2.取得方法

取得方法は自己資金です。

 

 

43.連結財務諸表の承認

連結財務諸表は、2025年9月26日に、当社の代表取締役社長執行役員(最高経営責任者)岸田光哉、常務執行役員(最高財務責任者)佐村彰宣、執行役員(最高コンプライアンス責任者)南井正之及び執行役員(最高法務責任者)村上和也によって承認されています。