なお、重要事象等は存在していません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っています。
① 経済環境、社会環境と経営戦略の骨子
近年は、IoT、AI、5Gなど急速に発展する情報技術の開発や自動車を中心として大転換期を迎えた自動運転技術、電動化技術、電池技術、通信技術といった未来に向けた技術開発と、そこから生じる経済的主導権を巡る競争が激化し、不透明感を増しています。
そのような中で、唯一透明と言える動きは、世界規模で起きているQOL(生活の質の向上)を目的とするスマート社会の実現に向けた政策やさまざまな研究開発というメガトレンドです。そのハードウェア面の大半は、電気エネルギーを環境に負担なく活用することに帰結し、人々が目指すスマート社会は、センサ、レーダー、カメラなどで情報を収集してコンピュータ、AIで解析や指示の構築を行い、インターネットも活用し、モータやロボットなどを使って、さまざまな電気的動作を行うものです。さらに、これらの結果として、持続可能な地球環境の実現を目指そうとしています。
このメガトレンドは、激しい競争によって、短期的には減速感、あるいは国や企業の勢力図に変化が生じるものの、目指している頂上が変わることはありません。換言すれば「誰かが諦めてもほかのクライマーが頂上を目指す」ということになり、世界中のアグレッシブなクライマーの装備は、進化を止めることがありません。ここでいう装備というのは、ハードウェア面の大半で必要となるデバイスやモジュール、パーツなどの生産設備です。当社グループは、クライマーたちのソリューションエンジニアとなり、それぞれにオリジナルで最適の装備すなわち生産設備を立案、開発、提供し、あるいはサービスによるサポートを行い、多くのQOL向上の取り組みが達成されることによる地球規模での広範な社会貢献を目指しています。
また、当社グループの事業ポートフォリオでは、自動車関連、通信関連、電子部品関連、家電用や産業用モータ向けのコイル、モータをメインとする精密FA生産設備がその大半を占めています。それぞれのポートフォリオの多種多彩なクライマーがグローバルに群雄割拠の様相を呈する中で、精密FA生産設備の重要性が高くなっています。さらに、好不況のいずれであっても高効率生産のための自動化やコストダウンのための省人化、フルライン設備といった生産設備導入も、重要な検討課題となります。
当社グループでは、顧客の要求に応えた生産設備という当社製品の開発ではなく、顧客の商品の開発にまで踏み込み、その商品化のための最高の生産技術ソリューションを構築し、それを形にした最適の設備を提供する精密FAのソリューションエンジニアというグローバルブランドを目指しています。
当社グループの戦略に、現時点では変更はなく、メガトレンドの中軸メーカーに不可欠なブランドとなるための研究、開発を進め、持続的な企業価値の向上と社会貢献を図ります。そのためにも既開示のとおり、研究開発機能の拡充も含めた本社移転(本年8月移転予定)、福島事業所の工場拡張(本年11月竣工予定)、長崎事業所の工場拡張(昨年12月竣工)を進めています。また、海外では、顧客とのコミュニケーション強化の目的も持ってマイクロファクトリーや営業、サービス拠点の体制整備、人材育成も進めています。
当社グループでは、精密FAのフルライン生産設備は、競合の少ない需要豊富な成長市場と分析しており、この領域でのオンリーワンブランドの確立を目指しています。その重要な縦軸は、モジュールアーキテクチャ(組合せ技術)ではなく、インテグラルアーキテクチャ(すり合わせ技術)の高度な生産技術であると考え、生産工程のさまざまな技術、制御、ハンドリング、加工、検査などを「すり合わせた」ラインとして開発、提供するシームレスな技術を獲得するためのチャレンジと研究開発を進めています。
当第3四半期会計期間では、新規開発要素が強い案件の売上が多く集中したことにより、売上、利益ともに前年同期比減となりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は213億38百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益は21億83百万円(前年同期比30.8%減)、経常利益は22億67百万円(前年同期比28.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億44百万円(前年同期比30.2%減)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
スマートフォンの技術革新が成熟期を迎え、その設備需要は鈍化傾向にあります。一方、自動車などの自動運転化では、アクセル、ブレーキ、ステアリングの動作は制御されたモータが担うようになり、EVに代表される電動車や電動二輪車、輸送機の駆動モータ、発電機のほか、スライドドア、パワーウィンドウなど人的操作の電動化は、生産台数の鈍化も言われる中にあっても大きな影響を受けず開発、導入競争が続いています。さらに生産設備のライン化、省人化需要もあり、新規設備導入は中国のみならず、東南アジアなどでも継続しています。また、ワイヤケーブル、コネクタ、特殊ワイヤ、カテーテルなどの製造ラインやハンドリング装置、搬送装置や検査装置、加工機など、生産技術のコアな周辺分野の受注も積極的に取り組みました。
これらの結果、全売上高の約97%を占めるワインディングシステム&メカトロニクス事業におきましては、前述の結果、連結売上高は207億6百万円(前年同期比3.6%減)、セグメント利益(営業利益)は29億2百万円(前年同期比20.8%減)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は192億90百万円(前年同期比16.9%減)、売上高(生産高)は173億56百万円(前年同期比9.8%減)、当第3四半期末の受注残高は187億20百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
(非接触ICタグ・カード事業)
当第3四半期連結累計期間では、前期堅調に推移した生産管理用ICタグの受注の一服感が継続しているため、受注、売上とも減少しました。
これらの結果、非接触ICタグ・カード事業におきましては、連結売上高は6億31百万円(前年同期比34.8%減)、セグメント利益(営業利益)は24百万円(前年同期比89.2%減)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は7億48百万円(前年同期比8.3%減)、売上高(生産高)は6億31百万円(前年同期比34.8%減)、当第3四半期末の受注残高は3億3百万円(前年同期比24.0%増)となりました。
流動資産は前連結会計年度末対比12億2百万円減少し、281億55百万円となりました。これは主として、現金及び預金が19億25百万円減少、受取手形及び売掛金が13億13百万円減少した一方で、仕掛品が18億85百万円増加したことによります。
固定資産は前連結会計年度末対比22億52百万円増加し、104億80百万円となりました。これは主として、建物及び構築物(純額)が14億57百万円増加、土地が12億44百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末対比10億50百万円増加し、386億36百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末対比6億69百万円増加し、114億83百万円となりました。これは主として、未払法人税等が4億92百万円減少した一方で、短期借入金が10億円増加したことによります。
固定負債は前連結会計年度末対比57百万円減少し、4億30百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が86百万円減少した一方で、退職給付に係る負債が28百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末対比6億12百万円増加し、119億14百万円となりました。
純資産計は前連結会計年度末対比4億37百万円増加し、267億22百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3億97百万円です。
当第3四半期連結会計期間において、締結した重要な契約は次のとおりです。
(固定資産の取得)
当社は、平成30年10月19日開催の取締役会において、下記のとおり固定資産の取得を行うことを決議し、平成30年10月23日に不動産売買契約を締結しました。
(1)取得の理由
昨今の経済環境、市場環境の変化が著しい中にあっては、顧客の設備投資動向も多様となり、当社では、中長期的な視点にたった開発投資、設備投資、人材投資を積極的に進める等、精密FAエンジニアリング企業として顧客ニーズに即した事業展開を図っています。
その一環として当社は、福島事業所、長崎事業所の拡張を進めていますが、この度、さいたま市南区に所在する本社屋(現賃借)についても、優秀人材の確保と設計開発能力の向上、長期的な財務基盤の安定を目的に、より利便性の高い大宮駅徒歩圏に不動産を取得のうえ、本社機能及び営業機能を移転させるとともに、新たに研究開発機能を設置することにより、より効率的な事業展開ができる体制を整え、生産性の向上を目指します。
(2)取得資産の内容
資産の名称 日特エンジニアリング本社ビル (仮称)
所在地 埼玉県さいたま市大宮区東町2-292-1
地積 1,388.13㎡・419.90坪 (登記簿面積)
社屋概要 鉄骨鉄筋コンクリート造 陸屋根4階建
延床面積 2,091.25㎡・632.60坪 (登記簿面積)
総投資額 約23億円 (工事費等含む)
(3)引渡日
平成30年10月23日