文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、巻線から派生する要素技術、生産技術をコアとして「価値創造による顧客満足度の向上」「機能・能力による収益の向上」「コンプライアンスの徹底」を基本方針に掲げ、企業価値、株主価値、顧客価値といった当社グループを取り巻くあらゆる価値の向上を念頭に置き、「小さくともキラリと輝く存在感のある世界№1の企業へ」を行動指針として、すべてのステークホルダーの価値を持続的に向上させるとともに国際社会の持続的な成長に貢献するトータル精密FAメーカーを目指しています。
当社グループは、経営の基本方針に基づいて、将来にわたる安定的な収益確保及び企業価値、株主価値、顧客価値の向上のため、売上高500億円、売上高営業利益率15%以上、親会社株主に帰属する当期純利益率10%以上を経営指標として目標に掲げ、その達成に取り組みます。
当社グループでは、環境保全に代表される省資源、省電力、生産効率の向上、製品品質の確保、労働者の安全確保のために顧客が計画するスマート工場化に資するソリューション提供を事業の柱としています。その取り組みにより、顧客と当社グループがともにSDGsの達成に向けて、そして長期的には社会全体の持続的成長に貢献することを目指しています。
現在、コアのビジネスは、顧客の付加価値を創造する生産システムとしてのトータル精密FAラインの構築であり、当社グループのグローバルネットワークによってそのサポートとさらなるソリューションを提供しています。
インターネットを始めとする通信技術、コンピューターやソフトウェアといったデジタル技術のイノベーションは世界の多くの国で競われ、多様なシーズが次々に発生し、通信、電気を利用するハードあるいはデバイスも生活のあらゆる領域で多様化しています。
こういった先駆的なハードやデバイスを生産するためには、ほとんどのケースで専用の生産設備が必要になります。当社グループでは、これまで多くのアナログ技術、ノウハウを積み重ねていますが、顧客にとってワンストップのトータル精密FAラインを構築するためには、時として経験のない技術、ノウハウ、あるいはデジタルの知識や材料の知識が必要になることがあります。
昨今、産業に関する変革はスピードを増し、生産設備を構築する上で必要な技術を開発する時間軸の期待に応えるためには、先鋭的な技術を持つ企業との協業も積極的に取り入れる必要があると我々は考えており、そうした対応を「ブルーレイク戦略」と呼称して展開しています。
今や、独占や寡占を目指す「ブルーオーシャン」であっても、いずれかの時期に政策的にあるいは独占禁止のために分割されたり、小さくとも重要な領域を攻略されたりして事業価値を毀損することがあり、また、小規模な市場での独占・寡占を目指す「ブルーポンド戦略」においても、小規模がゆえに時代について行けなかったり、類似のものに取って代わられたりすることもあります。
当社グループが打ち出した「ブルーレイク戦略」では、「ブルーオーシャン」のように巨大化しない領域に係る情報やニーズあるいは「ブルーポンド」を常に取り込み、それらをインテリジェンスとしてまとめる流れを作ることでイノベーションを繰り返し起こし、その都度、ニーズのあるハードやデバイスをアウトプットさせ顧客に提供していきます。そしてさらに、当社グループのグローバルネットワークを活用したアフターフォローにより顧客とのパートナー関係を構築・強化し社会からの期待役割への貢献と利益確保に努めています。
社会全体のテーマであるESGやSDGsに共通することは、文明の発展の方法や施策によって人類に存続の危機が訪れたという現状に気づき、今後、持続的に発展していくために行う世界規模の軌道修正です。
そのキーファクターの一つがクリーンエネルギーの効率的な利用であり、そのキーデバイスとなるのがコイルやモータです。生産性の向上、労働安全の確保からFAあるいは変種変量のトータルライン設備が必要になり、今後、その需要は急速に増えていくものと考えています。
これらグローバル社会共通の需要に応える課題を使命に置き換え、当社グループはエッセンシャルカンパニーとしての自覚を持ち、イノベーション、コラボレーション、コネクティング、そして人材開発に注力します。
(新型コロナウイルス感染症の影響について)
① ワインディングシステム&メカトロニクス事業について
一部の国を除いて景気の不透明感が拭えず、新規の比較的多額となる開発型専用設備投資には慎重な姿勢も見られますが、自動車の電動化、電子化、5GやIоTなどに関する設備投資の機運は高まり始めています。現在、中国を除いた多くの地域で受注までの営業や仕様打合せを対面で行えなくなり、営業、受注活動はリモート等の可能な手段を駆使して進めています。
また、当社グループの主要事業は生産設備をほとんど持たないグループセル生産であり、生産面では、フレキシブルな工程対応が可能なためリソースの偏りといった生産工程の大きな支障はありません。一方、売上面では、完成した設備の設置、セットアップを行うため日本から国外へ出張を要する場合があり、現在は可能な限り現地の生産・サービス拠点のメンバーが行うことで対応していますが、今後はこれを標準化しWith CORONA体制を構築していきます。
なお、輸出では、近時、海運を中心にロジスティクスの混乱、コンテナ不足などに起因する輸送費の高騰が生じています。当社グループでは、設備受注の見積もり時点で輸送費を算出、反映させていますが、実際の手配は設備の仕上がり状態などで日程が決まるため、価格転嫁の不足などが生じることがあります。顧客との交渉も行いますが、変動が不規則なため、世界的な輸送の安定が図られるまでは、顧客に流動的なことを理解いただいた内容の受注条件にするなどの対応を進めています。
② 非接触ICタグ・カード事業について
ICカードの需要は外出自粛の影響により当連結会計年度末にかけて一時的に減少しましたが、ICカードの需要自体は継続しており、引き続き需要が見込まれます。
③ その他の影響について
本社、事業所、各拠点では感染症対策を適宜、導入し、取引先、従業員等の安全、安心の確保を優先して対処を継続します。リモートを利用した打合せ、当社工場内にある完成した設備の顧客による遠隔検査、出荷地域の現地スタッフによるセットアップ及び当社による遠隔サポートの質の向上に努めています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、記載内容には、将来に関する事項が含まれていますが、別段の表示がない限り、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
世界経済は、昨年末から引き続くCOVID-19の影響を受け停滞が続いていますが、さらに長期化した場合、関連業界における設備投資に対する慎重姿勢が続くこととなり、また、国内外の各種規制の継続により、受注高が減少となることが見込まれます。
さらに、受注済み案件につきましても、国内外の顧客の受入姿勢に応じた立会い検査及び出荷・納品時期の遅れや、生産工場内で従業員に感染者が出た場合、物流が停滞した場合等での生産活動の低下等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症に限らず、当社グループや顧客、仕入先において火災、自然災害等の被害に見舞われた際においても、人的・物的被害の規模に応じ受注、調達、生産、販売といった各活動が停滞する場合があり、結果、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおいては、こうした緊急事態が発生した場合に備え、損害を最小限に抑え、事業の継続や早期復旧を図るための事業継続計画を策定し、日々の事業活動に取り組んでいます。
当社グループの取引先の多くがグローバル企業であり、その生産拠点をさまざまな国に展開しています。それらの国々においてテロ、戦争、政情不安などが生じた場合には、これらに起因して、輸出の停止や発注のキャンセル、代金回収遅延・不能などが生じる可能性があり、また、諸国の政策により安全面や技術面に係る法律の改正などが生じた場合には、生産設備の仕様変更などが生じる可能性があります。
当社グループにおいてはこれらの発生を回避すべく事前に判明している範囲で取引条件を定めていますが、条件決定後において状況が変化した場合には、顧客との交渉や法的手続きなどに努めるものの、その結果によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、先に掲げた事項に起因して為替変動が生じた場合、当社グループでは取引を原則円建てで行っているため為替損益への影響は軽微でありますが、顧客においては円調達が必要となることから間接的には顧客の設備投資判断に影響することもあり、結果、受注高及び売上高の減少につながり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、会計基準や税法の改正等が生じた場合においても、適切な会計・税務に基づく処理を行うことにより引当金の計上や税額の変動等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これまでにない技術等を要する難易度の高い案件であっても、将来の収益性、成長性の評価がリスクを上回ると判断した場合には、開発及び生産に取り組む方針としています。そのため当初に見込んだ成果が得られない場合や当初見積もりを超える部材費、追加工数等が発生することもあり、この場合、売上計上時期の後ずれや売上原価、開発費用が増加することとなります。
また、事業活動において生ずる知的財産権に関しても、その保護、使用において不測の事態などが生じた場合、補償あるいは訴訟費用等、当初想定を上回る費用や損害金が発生することがあります。
なお、こうした開発に係る活動は、知識、経験値として当社グループに蓄積され、当社の技術力、現場力としてグローバルニッチトップの強みとなり、事業に活かされていますが、対象となる製品や部品が大きく変化し、例えばモータに代わる駆動デバイスが開発されるなど他社の技術領域に属する大きな技術革新があった場合においては、業績及び財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、顧客の要請に応じたさまざまな顧客専用設備を受注、生産しており、社内基準などに基づき厳格な品質管理を実施した設備を顧客の生産計画にあわせ納品していますが、不測の事態により製品の瑕疵や納期の遅延が生じ、顧客の生産活動に支障をきたした場合には、発生した損害について賠償を求められ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これら損害賠償ついては、万が一の発生に備え、損失補填できるよう可能な限り付保していますが、対象とならない事象もあるため、生産・品質管理部門を中心に発生を抑制する仕組みを構築しています。
また、当社グループでは、国内外の様々な取引先に対する売掛金、前渡金などの信用供与を行っていますが、取引先において財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、信用調査や信用リスクに応じた取引限度額の設定など、信用リスクの管理のための施策を講じて発生防止に努めています。
当社グループでは、継続的な技術開発や技術領域を拡げることを目的として、投資、出資、企業買収、事業の譲渡・譲受等を実施する場合があり、また、新事業や新市場への展開を目的に新会社等を設立する場合がありますが、この場合においても期待した成果を得ることができず、投資損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、営業活動によるキャッシュ・フローを高め、研究開発や企業買収等のための資金を、可能な限り自己資金で賄う経営方針としています。そうした中、これまでに掲げたリスクにより財務状況が逼迫した場合には、取引金融機関からの借入を行うこととしていますが、資金調達コストが上昇した場合や当該取引金融機関において融資の停止が決定された場合においては、さらに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また現在、一部の資金を投資有価証券等の元本変動リスクを伴う金融資産にて運用していますが、株式相場の変動などの要因により評価損、売却損が発生することがあり、その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社における製品輸出に係る収益認識は船積み基準を採用していますが、収益認識基準の変更に伴い2022年3月期決算から検収基準へ移行します。この影響により売上高の計上時期が後ずれとなるとともに棚卸資産残高が従来に比べ増加となり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける有形固定資産は、残高の約8割を生産工場及び本社に係る建物及び構築物、土地が占めており、各種要因によりこれらの時価が著しく下落した場合のほか、何らかの要因によってこれらに係る事業の収益性が著しく悪化し、且つこれらの資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合には、減損損失を認識する必要性が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、事業活動から生じた営業上・技術上の機密情報や取引先から提供を受けた機密情報及び個人情報等を有していますが、想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等により、情報の流出、データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではIT部門を中心に、これら情報に関する管理体制の強化と社員に対するセキュリティ教育を徹底し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じています。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、文中の将来に関する記載事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。
当連結会計年度における当社グループの経営環境は、COVID-19と米中貿易摩擦の影響を受け、一部を除いて世界規模、全業種で生産活動が低下し、設備投資に慎重な姿勢が継続しました。
特に、当社グループの主力事業である顧客専用のトータル精密FAラインの開発・製造は、前述の厳しい国際環境の中にあっては、生産活動の開始が迫っているといった急を要する案件を除いては設備投資を最低限に、あるいは先送りにすることが多く、受注、売上とも前期比大幅なマイナスとなりました。
また、COVID-19の影響を受け、当社工場内での顧客による完成確認、海外顧客工場での設置・セットアップなどをリモートによって行わざるを得ず、新規開発案件を中心に想定以上にコストがかかる案件が相対的に増え、原価率が悪化しました。そうした中、コスト低減については、当社グループの主力事業が多様なオーダーメイドのセル生産であり技術者の養成、経験者の確保が不可欠なことから、経費削減による対策に留め、景気回復時の受注にスピーディーに対応するため人員整理は行っていません。
これらの結果、経営成績では、売上高は220億46百万円(前期比19.8%減)、営業利益は13億56百万円(前期比45.4%減)、経常利益は13億48百万円(前期比49.4%減)となり、また、3億45百万円の補助金収入等の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は12億47百万円(前期比41.2%減)となりました。
財政状態では、流動資産は、前連結会計年度末対比30億41百万円増加し、276億67百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末対比16億23百万円増加し、145億92百万円となりました。資産合計は、前連結会計年度末対比46億65百万円増加し、422億60百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末対比19億25百万円増加し、95億24百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末対比3億72百万円増加し、10億8百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末対比22億98百万円増加し、105億33百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末対比23億67百万円増加し、317億26百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
当社は、2020年初めから続く人の移動制限による出荷前立会い検査の停滞が生じないように、リモートでの検査を進めました。さらに「地産地消」の考えのもと人の往来を最小限とすべく、海外現地法人での生産体制の拡充を行い、リモート技術の活用、欧州・中国現地法人へ受注・生産を一部移管し、With CORONAへ向けた対応を推し進めました。
これらの結果、全売上高の91%を占めるワインディングシステム&メカトロニクス事業においては、連結売上高は、200億71百万円(前期比23.1%減)、セグメント利益(営業利益)は、16億79百万円(前期比48.4%減)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は、162億43百万円(前期比9.0%減)、売上高は、154億51百万円(前期比28.2%減)、当期末の受注残高は、109億86百万円(前期比7.8%増)となりました。
前期に獲得した非接触ICカードの大口受注を受け、生産が順調に推移した結果、連結売上高は、19億74百万円(前期比40.6%増)、セグメント利益(営業利益)は、4億80百万円(前期比31.2%増)となりました。なお、当社個別ベースでの受注高は、11億22百万円(前期比51.1%減)、売上高は、19億74百万円(前期比40.6%増)、当期末の受注残高は、2億68百万円(前期比76.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末対比16億44百万円増加し、101億10百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は26億87百万円(前連結会計年度は32億46百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が16億94百万円、前受金の増加が12億37百万円、補助金の受取額が5億40百万円あったものの、棚卸資産の増加が13億31百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6億88百万円(前連結会計年度は18億円の支出)となりました。これは主として、定期預金の払戻による収入が21億78百万円あったものの、定期預金の預入による支出が20億88百万円、有形固定資産の取得による支出が6億77百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億81百万円(前連結会計年度は5億43百万円の支出)となりました。これは配当金の支払が5億42百万円あったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループ(当社及び当社の関係会社)の生産・販売品目は多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことが適当ではないと判断し、当社個別ベースの数字を示しています。
このため、生産及び受注の状況については、「①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連づけて、当社個別ベースの数字で示しています。
また、販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に同じく関連づけて、従来どおり連結ベースの数字で示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりです。
イ 経営成績の分析
(売上高・営業利益)
当連結会計年度のセグメントごとの売上高、営業利益の概況につきましては「①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度は、原価率の高い開発案件の受注増加により、売上原価率は前連結会計年度の74.6%から75.9%(1.3ポイント増加)と悪化し、当連結会計年度の売上総利益は53億2百万円(前期比24.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に旅費交通費の減少や貸倒引当金の戻入等により、39億46百万円(前期比12.5%減)となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
営業外収益は、受取配当金40百万円、保険解約益68百万円などがあり1億98百万円、営業外費用は、為替差損1億4百万円、固定資産除却損31百万円、関係会社整理損31百万円などがあり2億6百万円となりました。この結果、営業外損益は7百万円の損失となり、経常利益は13億48百万円(前期比49.4%減)となりました。
(特別利益及び特別損失)
特別利益は、補助金収入3億45百万円があり、この結果、特別収益は3億45百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の要因により、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は12億47百万円(前期比41.2%減)となりました。
ロ 財政状態の分析
(資産)
流動資産は前連結会計年度末対比30億41百万円増加し、276億67百万円となりました。これは主として、現金及び預金が16億34百万円、仕掛品が13億27百万円増加したことによります。
固定資産は前連結会計年度末対比16億23百万円増加し、145億92百万円となりました。これは主として、投資有価証券が10億58百万円、退職給付に係る資産が3億59百万円増加したことによります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末対比46億65百万円増加し、422億60百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末対比19億25百万円増加し、95億24百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が5億75百万円、前受金が13億40百万円増加したことによります。
固定負債は前連結会計年度末対比3億72百万円増加し、10億8百万円となりました。これは主として、繰延税金負債が3億71百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末対比22億98百万円増加し、105億33百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末対比23億67百万円増加し、317億26百万円となりました。また、自己資本比率は74.5%(前連結会計年度末は77.6%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施していきます。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としています。
資金の流動性は、営業活動により得られた資金は26億87百万円となり、配当金の支払に5億42百万円を使用するなどした結果、現金及び現金同等物の増減額は16億44百万円の増加となり、101億10百万円の期末残高となりました。当社グループは、今後も営業活動によるキャッシュ・フローの確保に向けて努力していきます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績や現状等を勘案し、最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる可能性があります。
前述の将来の業績に関する予想、計画、見通しなどは、現在入手可能な情報に基づき当社の経営者が合理的と判断したものです。実際の業績はさまざまな要因の変化により、本資料の予想、計画、見通しとは大きく異なることがありうることをあらかじめご理解ください。そのような要因としては、主要市場の経済状況及び製品需要の変動、為替相場の変動及び国内外の各種規制並びに会計基準・慣行等の変更などが考えられます。
なお、COVID-19の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っています。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しています。
該当事項はありません。
全世界がSDGsをメガトレンドとして、脱炭素社会、高度情報化社会の構築に向けて協力と競争を繰り広げています。その構築のためのハードやアイテムにおいてコイルやモータは重要な地位を占めています。また、コイルやモータの効率、品質などの要求を満たすための生産技術は設備に込められ、さらに量産や変種変量生産のニーズ、あるいは故障予知、メンテナンス、トレーサビリティに至るトータル生産システムを求めるようになってきました。
これらのニーズに応えるためには、生産対象である製品の材料や要素まで踏み込んだ物理や化学の見識、研究が必要であり、設備稼働にかかる制御やソフトといった電子分野、その他、広範な領域に渡るインテグラルアーキテクチャを必要とするようになりました。
また、全世界が同じ方向に向かっている中では、スピード感のある開発が求められ、今、必要な技術にとどまらず、将来必要になるであろう技術の開発にも取り組むことで、グローバルニッチトップ企業として世界の持続的成長の原動力となるよう努めます。
(ワインディングシステム&メカトロニクス事業)
当連結会計年度の研究開発活動は、ワインディングシステム&メカトロニクス事業セグメントのみでその総額は
当連結会計年度の研究開発活動は、モジュール型搬送、コンポーネント型搬送、制御システム、コントローラーの開発などトータル精密FAライン、変種変量生産対応の開発を中心に進めました。