第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、経営理念として「人材の開発と相互信頼に努め、新技術に挑戦して、社会に貢献する。」、経営方針として「メーカーの使命は高い製造力。製造力とは、高品質・低コスト・短納期を実現するそれぞれの部門の技術力である。」をかかげ、国内外の市場で、複合技術を活用したソリューション展開により社会貢献することを使命とし、環境変化に適応した俊敏な事業活動により、マルチコアカンパニーとして進化し続ける企業を目指します。

(2)経営戦略等

全社戦略

「“インテリジェント・プロダクト”を実現し、高い製造力を実現する。」

・人財開発センターを中心とした高いスキルを備えた人財の育成と教育。

・情報システムの最適化と活用環境整備により「高い製造力」を目指します。

 

セグメント別の事業展開方針及び事業戦略は以下のとおりです。

情報機器事業

事業展開方針

1.品質と技術力の向上と生産構造改革により、低コスト経営の実践と顧客満足を高めて事業収益性を向上させる

2.独自技術の育成と従来製品群のスマート化を実現し、維持管理時代に向けた省力化・効率化を実現する

3.エンジニアリング力の強化と販売網の再構築により受注領域を拡大する

事業戦略

1.既存情報提供機器を発展させた高付加価値製品を実現し、新規分野への商品展開を行う

2.インテグレーション事業の分野で情報機器と照明機器製品の融合によるシステム化を実現し事業領域を拡大する

 

照明機器事業

事業展開方針

1.多機能製品、システム製品を増強し、差別化と高付加価値提供を実現する

2.新事業領域の拡大により、売上・事業収益を増やす

3.合理的かつ高品質のものづくりを追及し、顧客満足の向上と収益体質の強化を図り、事業収益を増やす

4.新事業領域の創出による事業拡大

5.複合機能製品、システム製品へのシフトにより、市場創出と参入による事業拡大

事業戦略

1.官需照明

公共インフラ分野における道路・トンネル・街路関連と防災セキュリティ関連市場で照明機器を展開する

2.民需照明

新たな製品カテゴリの創出、生産拠点の最適化と生産性の向上

3.モジュール

医療機器・機械装置・特殊環境・インフラ関連市場の開拓と事業拡大

ものづくり改革による収益性の改善

4.新規事業領域の創出

光応用分野における新技術の獲得

システム製品、多機能製品の増強

照明+αの実現

5.海外展開

OUT-OUT ビジネスを確立し事業収益を確保する

コンポーネント事業

事業展開方針

1.事業領域としてはB to Bで且つニッチ市場(ニッチトップ)にハードとソフト、システム展開とエンジニアリング領域(評価技術、暗室ソリューション等)の両輪により事業基盤を強化する

2.既存コア技術の単機能から複合機能への転換を図り新市場領域の創出と参入による事業拡大を目指す

3.材料開発、高機能製品化(付加価値製品)及び新技術の研究、新分野領域への技術力強化(5G、IoT、スマートグリッド、AI、ロボティクス等)

事業戦略

1.EMC・熱対策部品関連

材料開発、要素技術開発を加速させ、自動車関連、インフラ関連、医療機器、装置機器等に展開する

2.機構部品・部材関連

材料開発、複合製品開発を中心に、インフラ関連(通信、機械装置産業)、防災セキュリティ市場(カメラ等)、農業関連等に展開する

(3)経営環境

今後の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の影響が予想できない状況で、景気の回復についてはひきつづき不透明な状況が続くと見込んでおります。そのようななか、国内では国土強靭化やインフラ整備のための公共事業は継続が予想され、民間の設備投資も大企業を中心とした積極的な投資姿勢が見られるものの、原油価格の高騰などに伴う樹脂材料不足や燃料価格・原材料価格の高騰、半導体の供給不足、海運輸送逼迫に伴う海上運賃高騰など予断を許さない状況が続くと予想しております。

このような状況のもと、情報機器事業では公共インフラ分野(道路・河川)での豊富な実績と保有する複合技術を活用して、市場ニーズに適合したソリューションを展開し、安心・安全・便利で経済的な製品・サービスの提供を通して社会貢献いたします。照明機器事業では産業施設・インフラ分野に対して安心・安全・快適で省エネルギーな「光」によるソリューションを展開し、複合技術を活用して付加価値の高い製品とサービスを提供いたします。コンポーネント事業では製品、部品、材料の高機能化と付加価値向上を図り、ニッチトップビジネスを軸に収益力を向上させ、シーズからニーズ創出を強化するとともにマーケットアウト思考により新規事業の創出を図ります。さらに全事業において、コスト削減と生産性の向上による収益性の改善を目指してまいります。

そして、2021年9月1日には当社の経営理念のもとSDGsに賛同し、「SEIWA SDGs」を宣言いたしました。この宣言のもとでさまざまな社会課題に取り組むとともに、持続可能な社会の実現に努めてまいります。

また、ひきつづき内部統制の確立、コーポレートガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底に全社をあげて取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題

情報機器事業

内部の課題

品質・技術レベルの低下(知識・技術伝承不足)、新製品の企画・開発力の弱さ(スキル不足)、標準化力、購買力、技術ノウハウの継承、工程・経営成績管理の脆弱性

外部の課題

価格競争、新規建設路線の減少、公共発注方式変化、スマート化する提供媒体、電子部品の納期遅延や製造中止、部材の調達困難、自然災害

照明機器事業

内部の課題

新規販売網の開拓、クレームの低減、生産性の低さ、各機能部門専門性の不足

海外展開における現地販売網の不足、代理店開拓力と指導力の不足

外部の課題

海外・国内新興メーカーの参入、LED照明の価格競争激化、製品サイクルの短期化、市場ストックの先食い、大手メーカーとの競争激化、新型コロナウイルス感染症による部材調達遅延・設備投資の減衰、電気用品安全法への対応

 

コンポーネント事業

内部の課題

既存市場での活動範囲の狭さ、市場分析力・マーケティング力の不足、新規顧客開拓力(販売促進)の不足

新技術を製品化する開発・企画力の不足、開発購買力の不足、プロ意識を持った人材の不足

外部の課題

各業界の国内市場縮小、OEM事業の先行き不安、為替変動、価格競争激化及び商品の高機能化

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高、営業利益率を重要な指標として位置付けており、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めております。2022年12月期は売上高24,800百万円、営業利益1,300百万円、経常利益1,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は900百万円を予想しております。

セグメント別の売上高について、情報機器事業は、売上高10,000百万円を予想しております。

国土強靭化やインフラ整備のための公共事業の継続が予想されるため、期初の受注残高に加えて更なる受注の確保と、効率的な生産と品質の確保に努めてまいります。

照明機器事業は、売上高8,450百万円を予想しております。公共設備関連においては、情報機器事業と同様に公共事業の継続が予想されるため、トンネル照明器具の新製品を中心とした提案営業活動による受注の確保に努めてまいります。民間設備関連においても設備投資は、継続的に行われる見込みであるためLED照明器具の新製品の開発と拡販に努めてまいります。

コンポーネント事業は、売上高5,900百万円を予想しております。半導体・産業用装置市場の活発化が予想されるため新製品の投入と電波暗室を活用したソリューションを展開し、新市場の開拓に努めてまいります。

 

(6)新型コロナウイルス感染症拡大による経営成績への影響について

各事業ともサプライチェーンの乱れによる納期遅延や材料価格高騰などが懸念されます。財務状況につきましては、資金繰りに特段の影響はないと見込んでおります。

2【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下のとおりであります。

当社グループでは、経営上発生することが予測される様々な事象に伴うリスクに、迅速かつ的確に対応するため、代表取締役社長を委員長とする危機管理委員会を設置するとともに、年2回定例会議を開催し、また必要により臨時の会議を開催して、迅速に対応できる危機管理体制の整備、管理に努めております。当社グループではこれらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

当社グループは重要性に応じて、「事業等のリスク」の記載順を判断しております。

(1)公共事業予算

当社グループの情報機器事業及び照明機器事業の一部では、国や地方自治体の公共事業の動向に大きく影響を受け、公共事業予算規模の増減は、当社グループの売上高に影響を与える可能性があります。

2022年12月期は、国土強靭化対策や、各高速道路会社の高速道路リニューアルプロジェクトによる発注も予定されており、新規受注物件の確保に努めてまいります。

(2)公共事業依存に関するリスク

当社グループの情報機器事業及び照明機器事業は、売上高に占める公共事業の割合が非常に高いため、当社グループの経営成績は公共事業予算の増減に影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、公共事業への依存度を低減するため、民需関連市場の新規開拓や新製品の開発、新規事業の創出に取り組んでおります。

売上高官需比率

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2020年12月期

2021年12月期

官需比率(%)

56

46

56

53

56

民需比率(%)

44

54

44

47

44

 

(3)公共工事の工期延長

公共工事施工中における重大事故及びサプライチェーンの乱れによる納期遅延や自然災害等の予期しない事態による工事の中断や変更による大幅な工期延長は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)原材料・部品の価格高騰及び入手難によるリスク

当社グループは製品の製造のため外部から原材料、部品、組立外注品等を調達しており、市況の変動に伴う価格の高騰等は経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、供給元における不測の事由による原材料等の供給不足、供給中断により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。BCPに基づく対策として、開発段階から複数社で調達できる検討を事前に行うことやセカンドベンダーとなる取引先を確保し、特定の仕入先に依存しない施策を実施しております。

(5)入札制度について

当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業の受注形態は一般競争入札制度によっております。そのため、入札制度が大きく変更されたり、競争の激化による入札価格の低下により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社営業本部内に、入札情報(入札公告・結果)等の集約管理を行い、情報の分析と総合評価対策(技術資料作成)により入札競争力向上をサポートする部署を設け、対策を行っております。

(6)法的規制について

当社グループの情報機器事業及び公共設備関連の照明機器事業では建設業許可を受け、電気工事業者として登録し、道路情報機器及び照明機器の工事を受注しております。これらの電気工事業務は、建設業法並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律の規制を受けているため、当該許可及び登録の更新がなされない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社営業本部内の専門部署にて有効期限の管理及び更新を行っております。また、建設業許可には、一定の経験もしくは専任技術者が要件となっており、退職等の不在に備え、適任者の選任、教育を実施しております。

また、独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除勧告が行われることがあります。排除勧告を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国及び地方自治体から指名停止の処分が科された場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。

当社グループでは、法令順守の対応として、役員で構成される企業倫理委員会を設置し、規程及びマニュアルを整備し、コンプライアンスを徹底しております。また、監査部による監査(業務監査・内部監査)を原則年1回全部門及び子会社を対象に実施し、会社の業務活動が法令・定款・諸規程に準拠し、かつ経営目的達成のために合理的・効率的に運営されているか否かを監査しております。

(7)自然災害又は新型コロナウイルス感染症等のパンデミック

自然災害やパンデミック等により事業活動の停滞や工場等が操業停止になった場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

・大地震発生時の対応

地震(震度5強以上)における従業員の安否確認として、安否確認システムを導入し、災害発生の直後での従業員の安否確認を優先し、被災状況の情報収集を行っております。

激甚災害であると危機管理委員長が判断した場合は、速やかに災害対策本部を設置し、ひきつづき情報収集を行ないながら災害復旧の指揮を執る体制をとっております。

・新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応

従業員やその家族の安全の確保に加え、社会的な感染リスクの軽減を最優先としており、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応として、本社を含めた事業所のすべての従業員を対象に在宅勤務や時差出勤、出勤シフト等の対策を行っております。

対応状況につきましては、当社ウェブサイトに最新の情報を随時掲載しております。

加えて、社内対策として、毎日の出社前の体調状況報告、不要不急の出張・外出の禁止、社内外の懇親会やレクリエーションの参加の禁止、子育て中の従業員や妊娠中の従業員への勤務対応等を行っております。

社内対策については状況に応じて、随時社内メールにて従業員全員へ周知しております。

(8)製品の品質によるリスク

当社グループは、製品品質の維持、向上に努めておりますが、重大な欠陥や瑕疵等が発生した場合、当社グループの社会的信用失墜及び損害賠償請求等により経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。そのため、製品納入後に発生する保証費用に備えるため、製品保証引当金を計上しております。

顧客等からのトラブルやクレーム等は全て当社品質保証部に報告され、即座に必要な応急対策や処置のとれる体制を整えております。また、根本的な原因まで掘り下げ、最適で具体的な対策が立案できるまで原因を追究し、原因に対応した対策を立てております。当該クレーム・欠陥が危機的クレームに該当すると判断した場合、危機管理委員会事務局へ報告を行い、危機レベルが高いものについて、危機管理委員会を開催し、経営的観点に基づき対応を決定しております。また発生製造部門に原因究明及び再発防止対策を行わせ、危機事象報告書で報告しております。

(9)新製品の開発リスク

当社グループが製造する新製品の開発において次の能力が不足した場合は当社グループの経営成績に変動を及ぼす可能性があります。

①多様・高度化する顧客要求に対応する能力

②新製品を適時に開発し、適正な価格で生産する能力

③市場の変化を十分に予測する能力

当社は、社内又は顧客より提案を受けた新製品開発テーマに対し、その市場性・技術力・生産能力・販売力・資金力その他の必要事項について評価するとともに開発に着手することの可否を検討し、開発の早期実現により機会損失の発生を防止し、経営効率の向上に資することを目的として新製品開発委員会を設置しております。原則として年2回、企画会議を開催して開発テーマの情報収集とマーケットリサーチ、開発企画の審議、開発計画の立案、開発品の販売戦略の検討を行っております。

(10)人材獲得と人材育成に関するリスク

当社グループは優秀な人材を確保することが極めて重要な要素であると考えており、外部からの人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材流出を防止するための環境整備を重要課題として取り組んでおります。2021年4月に高いスキルを備えた人材の育成と教育を目的に、人財開発センターを設置いたしました。

しかしながら、必要な人材を必要な時期に十分に確保できない場合や当社グループの有能な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約を受けることとなり、その結果、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)海外進出に潜在するリスク

当社グループは、生産又は販売活動を東南アジア諸国並びに中国等の海外市場において行っております。これらの海外市場への事業進出には各国の経済情勢、自然災害、事故、戦争・テロ、法令や政府による諸規制、仕入先の供給体制等の要因により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また為替相場の変動は、当社グループの外貨建取引から発生する債権債務の元本、売上高及び利益に影響を与える可能性があります。当社グループは、為替リスクを軽減し回避すべく様々な手段を行っておりますが、為替リスクを完全に回避することはできないため為替相場の変動が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12)価格競争

当社グループは、全ての事業分野で価格競争に直面しております。新製品の開発、顧客満足の向上等を通じて価格競争力の維持に努めておりますが、製品の需要動向によっては価格競争の更なる激化も予想されます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。

(13)情報セキュリティ

当社グループの情報セキュリティについては、当社の取り扱う様々な情報を漏洩リスクから回避するため情報セキュリティ管理規程を定め、情報管理責任者及び情報管理者を中心に経営的な立場から会社全体の情報セキュリティ対策の実施及び改善活動を管理・監督しております。

また、「個人情報の保護に関する法律」や「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に対応するため、当社で保有する特定個人情報及び個人情報の機密性を確保するため、社内体制・運用ルールを確立し危機管理マニュアルに基づき、障害発生時には迅速に対応できよう、危機管理体制を構築しております。

しかし、予期しえない不正アクセス等による社内システムへの侵入やサイバー攻撃等によるシステムリスクが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(14)知的財産

当社グループは、独自開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得する等保護に努めていますが、出願した技術内容等について権利が与えられない場合や、当社グループが保有する知的財産権が第三者から無効とされる可能性も有しております。当社グループの知的財産権が大きく損なわれた場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)経営成績の季節的変動について

当社グループの情報機器事業及び照明機器事業の公共設備関連の経営成績は、1月から3月までに完成する工事の割合が大きいため、経営成績に季節的変動があります。なお、当連結会計年度の第1四半期の売上高は、通期売上高の28.4%を占めております。

(16)天候

当社グループのコンポーネント事業におけるエアコン用配管保護機材の売上高は、最需要期の天候の影響を受けます。これにより当社グループの経営成績が変動する可能性があります。

(17)貸倒引当金の状況

当社グループは、債権の貸倒れに備えるため、与信管理を徹底する一方、売掛債権に対し回収不能見込額を引当計上しておりますが、想定以上の貸倒れが発生した際に、損失により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)財務制限条項

当社は複数の金融機関とシンジケーション方式による金銭消費貸借契約を締結しております。本シンジケートローン契約には財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当社は、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更し、当社グループの決算期を12月31日に統一しました。以下、当連結会計年度の経営成績に関しましては、前年同一期間(2020年1月1日から2020年12月31日まで)との比較により記載しております。

①経営成績の状況

(単位:百万円)

 

前年同一期間

当連結会計年度

増減額

増減率(%)

売上高

28,966

26,230

△2,736

△9.4

営業利益

1,869

1,479

△390

△20.9

経常利益

1,827

1,445

△382

△20.9

親会社株主に帰属する当期純利益

1,539

909

△629

△40.9

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や期間延長により各種経済活動が抑制されましたが、ワクチン接種が進み緊急事態宣言が解除となった10月以降は新規感染者数が減少し、国内経済は回復基調となりました。

しかしながら、半導体や樹脂材料の供給不足、原材料価格の高騰、海運輸送逼迫に伴う海上運賃高騰などサプライチェーンにおける問題や新たな変異株拡大の懸念もあり、景気の先行きは今後も不透明な状況が続くと見込まれます。

このようななか、当社グループにおきましては、新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、マーケティング機能の拡充とソリューション営業力の強化を図り、競争力ある新商品の開発と生産体制の確立により収益性の向上に取り組んでまいりました。

この結果、売上面では民需関連製品のエアコン用の配管保護機材と電磁波環境対策部品が前年同一期間に比べ増加となりました。一方、公共設備関連の道路情報機器とトンネル照明器具は期初の受注残高を背景に売上高を伸ばしましたが前年同一期間に比べ減少となりました。

利益面では、公共設備関連の道路情報機器が計画的な生産による原価低減や経費節減により利益は伸びましたが、前年同一期間に比べると減少となり、民間設備関連の産業用照明器具も前年同一期間と比べ減少となりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は26,230百万円となりました。営業利益は1,479百万円、経常利益は1,445百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は909百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

セグメント損益

 

前年

同一期間

当連結

会計年度

増減額

増減率(%)

前年

同一期間

当連結

会計年度

増減額

増減率(%)

情報機器

14,331

12,260

△2,071

△14.5

1,904

1,773

△131

△6.9

照明機器

8,801

7,609

△1,191

△13.5

810

479

△331

△40.9

コンポーネント

5,248

5,793

544

10.4

576

614

38

6.7

その他

583

565

△18

△3.1

19

13

△6

△33.1

 

情報機器事業

主力製品であります道路情報表示システムにおきましては、高速道路向け、一般道路向けともに前年同一期間に比べ売上高が減少しました。この事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの乱れなどの影響がありました。

この結果、売上高は12,260百万円となりました。利益面では、計画的な生産による原価低減や経費節減によりセグメント利益は1,773百万円となりました。

照明機器事業

民間設備関連の産業用照明器具におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による定期修理工事の小規模化や延期、調達面での納期遅延などにより売上高が前年同一期間に比べ減少しました。

公共設備関連におきましては、トンネル照明器具の売上高が大幅に減少しました。

この結果、売上高は7,609百万円となりました。セグメント利益は479百万円となりました。

コンポーネント事業

配電盤や機械装置に用いる産業用配線保護機材の売上高は前年同一期間に比べ増加となり、エアコン用の配管保護機材の売上高も在宅時間の増加に伴うエアコン需要拡大により増加しました。電磁波環境対策部品は半導体装置、車載機器向けなどで売上高は増加しました。この事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの乱れなどの影響がありました。

この結果、売上高は5,793百万円となりました。セグメント利益は614百万円となりました。

その他の事業

商品仕入販売は444百万円、情報サービスなどは121百万円となりました。この結果、その他の事業の売上高は565百万円となりました。セグメント利益は13百万円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、前連結会計年度末に比べ231百万円増加し、2,191百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

なお、前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。よって比較対象となる前連結対象年度は9か月決算のため、対前期比較は記載しておりません。

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、獲得した資金は47百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益は計上したものの、工事進行基準物件の売上増加に伴う売上債権が増加したこと等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、使用した資金は801百万円となりました。これは大型測定施設の新設による有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、獲得した資金は906百万円となりました。これは短期借入金の借入等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

前連結会計年度より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。よって比較対象となる前連結対象年度は9か月間決算のため、前連結会計年度との比較については記載しておりません。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前連結会計年度比(%)

情報機器

12,018,002

照明機器

7,730,302

コンポーネント

5,766,741

その他

565,509

合計

26,080,556

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前連結会計年度比

(%)

受注残高(千円)

前連結会計年度比

(%)

情報機器

9,673,636

9,380,902

78.0

照明機器

8,054,078

2,250,179

128.9

コンポーネント

6,741,962

1,193,105

459.6

その他

565,509

合計

25,035,186

12,824,188

91.4

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前連結会計年度比(%)

情報機器

12,260,924

照明機器

7,609,815

コンポーネント

5,793,751

その他

565,509

合計

26,230,001

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

相手先

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

因幡電機産業(株)

3,337,189

18.2

因幡電機産業(株)

4,316,235

16.5

西日本高速道路(株)

2,112,717

11.5

西日本高速道路(株)

2,517,150

9.6

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度における財政状態の分析

流動資産

当連結会計年度における流動資産は21,582百万円で前連結会計年度に比べ1,905百万円増加しました。工事進行基準物件の売上増加に伴う売上債権の増加等によるものであります。

固定資産

当連結会計年度における固定資産は8,561百万円で前連結会計年度に比べ847百万円増加しました。大型測定施設の新設により有形固定資産および無形固定資産が増加したこと等によるものであります。

流動負債

当連結会計年度における流動負債は15,616百万円で前連結会計年度に比べ1,646百万円増加しました。これは、売上債権の増加に伴う運転資金を確保するために資金調達を行った結果、短期借入金が増加したこと等によるものであります。

固定負債

当連結会計年度における固定負債は1,324百万円で前連結会計年度に比べ45百万円減少しました。これは、繰延税金負債は増加しましたが長期借入金の返済が進んだこと等によるものであります。

純資産

当連結会計年度における純資産合計は13,202百万円で前連結会計年度に比べ1,151百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加等によるものであります。

b.当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前年同一期間に比べ減収減益となりましたが、これは決算期変更による影響と分析しております。前年同一期間と比較した経営成績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

なお、当社グループは、売上高、営業利益率を重要な指標として位置付けており、各期において外部・内部環境等を考慮して計画値を設定し、その基準を達成できるように努めております。

当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

売上高は計画比2,030百万円増(8.4%増)となりました。これは、情報機器事業の売上高が期初の予想よりも増加したことによるものです。

営業利益は計画比579百万円増(64.4%増)、経常利益は計画比595百万円増(70.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比259百万円増(39.9%増)となりました。全事業において諸経費の削減に努めたことにより、売上高の増加以上に増益となりました。

(単位:百万円)

指 標

当連結会計年度

(計 画)

当連結会計年度

(実 績)

増減額

増減率(%)

売上高

24,200

26,230

2,030

8.4

情報機器事業

11,000

12,260

1,260

11.5

照明機器事業

7,250

7,609

359

5.0

コンポーネント事業

5,600

5,793

193

3.5

その他

350

565

215

61.6

営業利益

900

1,479

579

64.4

経常利益

850

1,445

595

70.0

親会社株主に帰属する

当期純利益

650

909

259

39.9

営業利益率

3.7%

5.6%

1.9PT

ROE

(自己資本当期純利益率)

5.2%

7.2%

2.0PT

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金又は借入により資金調達することとしております。

短期の運転資金の調達は短期借入金で、大規模な設備投資や長期の運転資金は長期借入金で対応しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。

当社グループの連結財務諸表の作成において、財政状態及び経営成績の状況に影響を与える見積りや判断は、合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は不確定要素が多く、現時点において入手可能な情報を基に見積りを行っておりますが、その後の感染拡大による活動の停滞により、想定外の状況となった場合には将来の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

工事進行基準

当社は、情報機器事業及び照明機器事業の一定の要件を満たす工事案件において、工事進行基準を適用しております。当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事の売上については、各物件ごとに売上原価を発生基準で認識し、これに対応する売上を原価進捗率に応じて計上する工事進行基準を適用しております。

工事進行基準適用の物件については、各工事ごとの管理体制を整備し、受注時における見積り及び受注後の進捗管理を厳正に管理しております。採算性に変化があった場合は、速やかに見積原価の変更を行う等、売上計上時に相応の精度を確保しております。

なお、見積総原価が請負金額を上回ることとなった場合は、適時に受注損失引当金を計上しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループでは「省エネルギー」と「人と環境を考えたものづくり」を基本として、各分野にわたって「環境配慮」をキーワードにした研究開発に取り組んでおり、今後の事業の中心となる製品の研究開発を進めております。

研究スタッフはグループ全員で77名であり、これは従業員の12.1%にあたります。

当連結会計年度におけるセグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は456百万円であり、各セグメントに配分していない全社費用127百万円を含んでおります

情報機器事業

情報機器事業では、道路における付帯設備の老朽化・延命化を主眼に保守メンテナンスの効率化・高度化のための技術開発としてモニタリング技術の開発を推進しており、今後は高速道路上の情報板の状態監視・保全情報を遠隔から収集できる機能を開発し、システム製品として提案してまいります。

また既存情報提供機器を発展させた高付加価値製品である高速道路向けのLED情報提供装置として、高精細で無線通信が可能なLEDサイネージを新たに製品としてリリースいたしました。従来の情報板は文字・図形のみの表示でしたが、写真や動画も表示できるようになり、また色も15色から10万色となり、悪天候下でもドライバーにはっきりわかりやすく必要な情報を届けることができます。今後は、全国で展開される高速道路の大規模リニューアル工事や、豪雪エリアでの滞留対策、道路交通安全対策のシステム製品として広く提案してまいります。

国土交通省の技術公募である「自動運転の普及拡大に向けた道路との連携に関する共同研究」では、弊社の技術提案等による申請が承認されました。約3か年の計画で自動運転の普及に向けた課題解決について官民の共同研究として参画してまいります。

当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は116百万円となりました。

照明機器事業

照明機器事業では、産業用・インフラ用照明製品を中心に技術力強化と製品拡充に努めております。

公共設備関連では、光学設計技術をもとに、トンネル照明の性能向上を推進し、更なる省エネに努めております。

産業設備関連では、東アジア、東南アジアをターゲットエリアとした安全増防爆形LED灯器具の新機種を開発いたしました。この製品は、従来品と比べより明るく、消費電力低減、軽量化を実現したほか、すべての可燃性ガスに対応したことで、機種選定が容易となり、本体にポリカーボネートを用いたことで、施工性の向上、輸送時の破損事故が低減します。また雷が多い東南アジアでも安心して使用できるよう耐電圧性能を高め、使用環境温度も55度まで対応しております。海外市場向け製品として、国際防爆認証および欧州防爆認証を取得しております。

また照明で培った技術を活かし、従来より照明機器製品として、UV-Cソリューション製品の開発・販売を行ってまいりましたが、除菌・衛生関連など新規市場開拓の取組みを促進させるために、UV-LEDにかかる技術開発の促進、製品開発を行い、紫外線を用いて各種ウィルスの不活性化を可能にする空間除菌製品や、光源にLEDを使用した表面除菌製品などの開発を進め、製品ラインアップの拡充を図りました。

今後も、更なる性能向上、長寿命化に向け、技術開発と製品拡充に努めてまいります。

当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は113百万円となりました。

コンポーネント事業

コンポーネント事業では、エンジニアリング領域の評価技術、暗室ソリューションを強化すべく、当連結会計年度に大型の産業機器や医療機器、大電力・大出力のパワーエレクトロニクス機器や車載関連機器等の対応が可能な10m法電波暗室を新設いたしました。既設の3m法電波暗室と合わせ SEIWA EMC Technical Centerとして、新しいEMC市場の展開、創出に努めてまいります。

完成した10m法電波暗室ではEMC評価の周波数上限を業界最高レベルまで拡張することができ、5G、DX、IoTといった高周波通信へ対応するとともに、脱炭素に向かう車社会のEV化と充電インフラの普及といった、社会変化にいち早く対応し、次世代スマート社会の実現に向けより充実した電磁両立性の性能評価とソリューションの提供が可能となりました。

電磁波ノイズ対策は今後、益々重要な課題となり、その対策市場領域は増加の一途をたどることが予想されます。

コンポーネント事業部はこの課題をソリューションとエンジニアリングの両輪でお客様へ提供し、社会貢献を果たしてまいります。

当連結会計年度における当セグメントの研究開発費は100百万円となりました。

その他

当社は各事業の新製品開発だけでなく要素技術にも研究開発を進めております。

当社と岡山大学、関西学院大学、英国サリー大学の国際共同研究グループで表面に無数の小さな穴が豊富に含まれる炭素材料を開発いたしました。本研究成果は「高比表面積キャパシタ炭素電極の開発」として世界的な査読付き国際学術誌「Energy&Environmental Materials」に掲載されました。本材料は、新規の炭素材料の製法として、今後の期待が高まるエネルギー貯蔵デバイス電極材料や燃料電池触媒担体への開発などにつながるものと考えております。

また当社と大阪府立大学、江崎グリコ株式会社の共同研究で天然糖質のグルクロノキシランの効果的な抽出となる製造技術を開発し、この研究が評価され、技術開発賞を受賞いたしました。この賞はでん粉をはじめとする各種糖質関連産業の技術開発に顕著に貢献した者に、授与されるもので当社としては初受賞となります。

今後も、当社は要素技術の創出に努めてまいります。

当連結会計年度における各セグメントに配分していない全社費用は127百万円となりました。