(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、先進国向け輸出の持ち直しや大企業の設備投資等を要因として、緩やかな回復軌道を描いていくものと期待しておりました。しかしながら、年初来の円高と株安が消費者マインドの悪化を招き、総じて景気停滞感の漂う中での推移となりました。
海外におきましては、アメリカ経済の雇用環境改善に伴う個人消費の順調な回復が見られ、製造業においても持ち直しの動きが強くなるなど、概ね回復基調で推移しました。また、ヨーロッパ経済においても、ドイツやイギリス等では、個人消費を下支えとした回復が継続しております。一方、中国経済においては、特に個人消費・民間投資の面での減速が顕著となっており、改善の目途が立たない状況にあります。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、スマートフォンが当業界のけん引役の一端を担ってきましたが、2015年秋発売のハイエンドモデルの減産が続き、成長の鈍化が懸念されております。
また、自動車向け部品につきましては、自動車の電装化率の上昇により、1台当たりの電子部品の使用量は増加しておりますが、販売台数の伸びは当社の期待値には及びませんでした。
このような状況下、当社グループは、徹底的な業務の見直しによる効率化と更なる技術の研鑽により、高付加価値製品の開発に積極的な投資を進めて参りました。
その結果、当連結会計年度の売上高は191億3千5百万円(前年同期比1.2%増)となりました。一方、営業利益は7億8千1百万円(同25.6%減)、経常利益は7億9千9百万円(同25.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億8千万円(同59.5%減)となりました。
製品群別の業績は、次のとおりであります。
① IC・トランジスタ用リードフレーム
当製品群は、自動車向け、民生用機器向けが主なものであります。自動車部品の電装化率の上昇により、受注が増加いたしました。その結果、当製品群の売上高は73億6千2百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
② オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。中国市場向けの大型ディスプレイ用部品の受注が、大幅に予測を下回りました。その結果、当製品群の売上高は28億8千7百万円(同22.3%減)となりました。
③ コネクタ用部品
当製品群は、スマートフォン向け、デジタル家電向けが主なものであります。特に、ハイエンドスマートフォン向け部品が中心でありますが、販売規模は期待値に達しませんでした。その結果、当製品群の売上高は82億2千1百万円(同1.6%減)となりました。
④ その他
その他の製品群としては、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は6億6千3百万円(同15.8%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億9百万円減少し、当連結会計年度末には19億7千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6億6千7百万円(前年同期比59.9%減)となりました。これは主に税金等調整前
当期純利益5億4千9百万円の計上及び減価償却費9億6千9百万円による資金の増加、仕入債務の減少6億4千5
百万円による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11億5千万円(前年同期は1千5百万円の取得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12億1千3百万円、有形固定資産の売却による収入1億1千2百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6億4千万円(前年同期比8.7%減)となりました。これは主に借入金の純減額6億1千4百万円による資金の減少であります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績を、製品ごとに示すと次のとおりであります。
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製品の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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IC・トランジスタ用リードフレーム(千円) |
7,381,283 |
17.4 |
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オプト用リードフレーム(千円) |
2,837,102 |
△24.8 |
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コネクタ用部品(千円) |
8,234,062 |
△1.6 |
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その他(千円) |
663,271 |
△15.1 |
|
|
合計(千円) |
19,115,719 |
△0.5 |
|
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況を、製品ごとに示すと次のとおりであります。
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製品の名称 |
受注高 |
受注残高 |
|||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
IC・トランジスタ用リードフレーム |
7,461,988 |
20.8 |
712,839 |
16.2 |
|
|
オプト用リードフレーム |
2,802,871 |
△21.7 |
181,773 |
△31.8 |
|
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コネクタ用部品 |
8,078,733 |
△6.5 |
754,394 |
△15.9 |
|
|
その他 |
662,076 |
△14.3 |
28,426 |
△5.6 |
|
|
合計 |
19,005,670 |
△0.8 |
1,677,433 |
△7.1 |
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(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績を、製品ごとに示すと次のとおりであります。
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製品の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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IC・トランジスタ用リードフレーム(千円) |
7,362,244 |
21.8 |
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オプト用リードフレーム(千円) |
2,887,673 |
△22.3 |
|
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コネクタ用部品(千円) |
8,221,475 |
△1.6 |
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その他(千円) |
663,766 |
△15.8 |
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合計(千円) |
19,135,159 |
1.2 |
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当社グループが対処すべき課題としては、下記の4点であると認識しております。
① 人材確保と育成
当社グループの経営理念にもありますとおり『経営の中心は人』であり、培ってきた技術力の継承と発展を担う、特に若い世代の技術者の確保と育成は恒久的な課題であります。国内外を問わず、様々な募集活動による、より幅広い人材の確保と、社内外の研修やOJT教育を組み合わせた育成により、対処して参ります。
② 新たな分野へのアクション
当社グループは、従前の事業のカテゴリーに囚われず、技術力や生産能力を生かせる分野への進出と、その準備について積極的に取り組んで参ります。
③ 生産効率の向上
従前より取り組んで参りました、製造工程の改革を継続いたします。特に、効率化・自動化・省人化の推進に重点を置き、生産コストの一層の削減を目指して参ります。
④ 海外生産の拡大
昨年、新たにカビテ第2工場が竣工いたしました、ENOMOTO PHILIPPINE MANUFACTURING Inc.を中心に、生産拠点の海外移転を推進し、生産の効率化と顧客サービスの充実を図って参ります。
また、経営方針の初年度にあたる2016年度の経営重点課題としては、『現状打破』を掲げました。
旧来の技術・事業分野・慣習・体質等に囚われず、経営資源の有効活用及び、効率化を促進加速することにより、新たなビジネスモデルの確立を図り、更に上のレベルの経営品質を目指して参ります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
① 経済状況に関するリスク
当社グループは、電子部品事業を中心としてグローバルに事業を展開しております。当社グループはデバイスメーカーを主要な顧客としており、個々の顧客の要求に対応した製品を製造販売しております。顧客の生産水準が景気動向に左右される可能性があり、当社グループの事業に大きく影響する可能性があります。また、当社グループは日本、欧米、アジアの各市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、各市場における景気後退などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 海外進出リスク
当社グループは、顧客ニーズのグローバル化に対応するために、生産拠点を海外(中国・フィリピン)に進出しております。これらの進出国において、予期しない法律、税制の変更や、不利な政治または経済要因、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等により、当社グループの事業の遂行に深刻な影響を与える可能性があります。
③ 競合
当社グループの属する電子部品業界においては激しい競合の状況にあります。当社グループは、高品質の製品供給体制を築き、顧客満足を得るよう競争力の向上に努力しておりますが、急速な技術革新へ迅速な対応ができない場合、または顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、販売価格の急激な下落など不測事態の発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料価格及び調達リスク
当社グループは主要原材料である鋼材(銅・ニッケル等)を外部より購入しております。市場環境や購入先の供給能力等により、急激な価格の高騰や生産に必要な量の確保が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 業績の変動リスク
当社グループの業績は、過去においても大きく変動することがあり、将来的にも多くの要因により変動する可能性があります。当社グループのコントロールが及ばない経済全般及び事業環境の変化、大口顧客による製品戦略等の変更や注文の解約、大口顧客の倒産など不測の事態の発生により、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 為替・金利の変動リスク
当社グループでは、金利上昇リスクに対して長期・固定金利化などにより、また為替変動リスクに対しては、主要な外貨建て資産及び負債について、為替ヘッジを行うことにより、これらのリスクの最小化に取り組んでいます。しかしながら市場の動向によっては、これらのリスクを完全に回避できない可能性があります。
⑦ 知的財産権に関するリスク
当社グループは知的財産権を始め他者が保有する権利を侵害しないよう、細心の注意を払っています。しかしながら当社グループの何らかの行為が、他社が保有する知的財産権を侵害した場合、生産の差し止めや損害賠償の請求を受ける可能性があります。
⑧ 環境汚染に関するリスク
当社グループでは、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染が発生しないという保証はありません。当社グループとしては、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後環境汚染が発生または判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 法的規制等に関するリスク
当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、独占禁止、製造物責任、環境、労務、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。これら法令の変更は、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑩ 人材の確保
当社グループは、人材戦略を事業活動における重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しています。適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、または機会損失が生じるなど当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 固定資産の減損会計
当社グループでは、既存事業に係る設備について、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、その他一部遊休の固定資産についても、売却・転用を進めておりますが、今後の地価動向や景気動向などによっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生する可能性があります。 ⑫ 災害等のリスク
地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、情報技術(IT)の発展により拡大を続ける半導体及び通信機器市場に対応していくため、長年にわたり培ってきた金型技術・精密プレス加工技術を基盤に、電子部品業界に限らずに、将来のダイナミックな事業展開に備えた研究開発を進めております。現在の研究開発活動は、開発部の主管において、通常の生産活動を通して推進されている新たな生産技術の研究開発の他、既存の生産活動の枠を超える次世代製品の開発を見込んだプロジェクト案件に対して、積極的に参画することによって推進されております。前連結会計年度に発表しました、山梨大学との共同開発に成功した燃料電池スタックの基幹部品の一つであるセパレータの新技術につきましては、実用化に向けた量産技術確立と製造コスト削減をテーマに置き、燃料電池車・家庭用燃料電池への参入を目指してプロジェクトが進行しております。
上記の通り、当社グループの研究開発の内容は、応用研究を基本としており、新製品開発のための設計・製作や従来にはない製品の製造方法が主なものであります。当連結会計年度における研究開発費は4千9百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は191億3千5百万円(前年同期比1.2%増)となりましたが、営業利益は7億8千1百万円(同25.6%減)、経常利益は7億9千9百万円(同25.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億8千万円(同59.5%減)となりました。
売上高については、国内および在外連結子会社における、IC・トランジスタ用リードフレームの販売に伸長が見られたことで、オプト用リードフレームやコネクタ部品の減少を補う結果となりました。
用途別に見ますと、スマートフォン向け部品の需要が鈍化傾向となる一方、自動車向け部品の受注は堅調に推移しており、LED向け部品の販売についても、第4四半期には回復が見られました。
利益面につきましては、特に当連結会計年度の国内生産における主力品目の高難易度化と少量多品種傾向から、原価率が上昇したことにより、営業利益率の低下を招きました。また、当連結会計年度に固定資産に係る減損損失を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して大きな減少となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境は、アメリカ・ヨーロッパ経済は堅調な回復を見せておりますが、中国経済の減速傾向は継続すると思われ、国内では一定の賃上げは実行されているものの、円高や株安といった要素による、先行きの不透明感から、個人消費の回復は緩慢なものになると予想されます。
現在、当社の主力となっているスマートフォン及びタブレット型端末向けのコネクタ用部品の需要は、前連結会計年度のような中国市場や新興国市場における急激な需要増加は期待できませんが、モバイル市場拡大の中心的アイテムであることから、今後も一定の水準は維持するものと見込んでおります。また、リードフレーム部門につきましては、LED用リードフレームの受注環境は緩やかながら回復傾向にあり、車載向けデバイス用部品も電装化率の上昇から部品点数も増加すると見込まれ、部門全体として堅調な受注量を維持できるものと期待しております。
今後も事業環境の変化や、その他様々なリスクを考慮しつつ、積極的な事業展開を推進して参ります。
(4)戦略的現状と見通し
当社グループは今春、2016年度から2020年度の5年間に当社グループの事業運営の指針となる、中期経営方針として、『新たな価値の創造~他社が真似のできないものづくりを追求する~』を掲げました。これは、これまで5年間にわたり運用して参りました旧中期経営方針の主要テーマを維持しながら、当社が培ってきた技術力を最大限に活用し、更に上のステージへ踏み出していくための決意を込めたものとなっております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より9億9千8百万円少ない6億6千7百万円のキャッシュを得ております。これは主に税金等調整前当期純利益5億4千9百万円の計上及び減価償却費9億6千9百万円による資金の増加、仕入債務の減少6億4千5百万円による資金の減少であります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より11億6千5百万円多い11億5千万円のキャッシュを使用しております。これは主に有形固定資産の取得による支出12億1千3百万円、有形固定資産の売却による収入1億1千2百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より6千1百万円少ない6億4千万円のキャッシュを使用しております。これは主に借入金の純減額6億1千4百万円による資金の減少であります。
これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度の31億8千2百万円から19億7千2百万円となりました。