第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、その経営理念である『経営の中心は人であり、健全なものづくりを通じて、豊かな社会の実現に貢献する。』を礎として、絶えず顧客に信頼される製品を提供し、新製品の開発を行い、この事業を通じて会社の繁栄と社会の発展の一致を期すことを目指しております。また、取引先及び従業員などのステークホルダーの信頼と理解を基礎とし、協力的気風を培い総力を結集して、企業としての安定性、成長性、収益性を高めることを重視しており、激しい国際競争が深まる中、いかなる事態にも迅速に対応でき得る強固な経営基盤を確立し、企業価値の最大化を目指し鋭意努力する所存であります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営の質的向上とイノベーションに基づく企業価値の最大化に向けて全従業員の力を結集し、連結ベースでの営業利益率を一定率以上確保することを経営の重点指標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2016年度から2020年度の5年間に当社グループの事業運営の指針となる、中期経営計画を策定しております。

中期経営方針として『新たな価値の創造~他社が真似のできないものづくりを追求する~』を掲げており、当社グループが培ってきた技術力を最大限に活用し、さらに上のステージへ踏み出していくための決意を込めたものとなっております。

 

(4) 経営環境

当社グループを取り巻く事業環境は経済的、政治的または地政学的なリスクが世界各地に潜在または一部顕在化していることから情勢は非常に不安定であり、先行きは不透明です。国内では企業業績の向上により当面は緩やかな成長基調が維持されてまいりましたが、前述の国際情勢による影響は大きな変動要因となる可能性があります。
 現在、主力製品のひとつであるモバイル端末向けコネクタ用部品の需要は、スマートフォン向け部品については中国メーカー向け需要、北米メーカー向け需要ともに大幅な拡大局面ではないものの、ウェアラブル端末向け部品等の新たな需要に成長が見られます。
 LED用リードフレームについては、インフラ整備及び大型ディスプレイ等の需要増加や、「水銀に関する水俣条約」による水銀灯等の規制に起因する置換需要の発生が期待されます。また、IC・トランジスタ用リードフレームは自動車向け部品の安定的な需要が見込まれることから、受注量は引き続き堅調に推移するものと予想されます。
 このような環境下、当社グループは引き続き品質の向上と製造コスト低減を目的とした製造工程の自動化・効率化の推進や、当社の強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースとした過去の枠組みにとらわれない新たな顧客の積極的な開拓等、全社一丸となって売上及び収益力の向上に取り組んでおります。

 

(5) 会社の対処すべき課題

当社グループが対処すべき課題としては、下記の4点であると認識しております。

①人材確保と育成

当社グループの経営理念にもありますとおり『経営の中心は人』であり、培ってきた技術力の継承と発展を担う、特に若い世代の技術者の確保と育成は恒久的な課題であります。国内外を問わず、様々な募集活動による、より幅広い人材の確保と、中長期的視点に基づいた教育により、対処しております。

②新たな分野へのアクション

当社グループは、従前の事業のカテゴリーにとらわれず、技術力や生産能力を生かせる分野への進出と、その準備について積極的に取り組んでおります。

③生産効率の向上

従前より取り組んで参りました、製造工程の改革を継続いたします。特に、効率化・自動化・省人化の推進に重点を置き、生産コストの一層の削減を目指しております。

④海外生産の拡大

生産拠点の海外移転を推進し、生産の効率化と顧客サービスの充実を図っております。

また、経営方針の4年目にあたる2019年度の経営重点テーマとして、『学ぶ』を掲げました。これは、各自が自らを謙虚に省みることで過去から学び、それを糧に新たな技術や知識を習得していくというサイクルを端的に表したものであります。
 その他、当社事業やこれら施策を広く周知する活動に注力し、認知度及び企業価値向上に努めて参ります。

 

2【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

① 経済状況に関するリスク

当社グループは、電子部品の中でもIC及びトランジスタ用リードフレーム・オプト用リードフレーム・コネクタ用部品に関する製造販売をグローバルに展開しております。これらの製品は多種多様であり、販売地域も多岐に亘っていることから、その製品需要は販売される国や地域の経済変動の影響を受けます。また、電子部品業界は一般的に経済変動の影響を強く受ける業界であるとされ、景気の後退局面に相対した場合には、想定を上回る影響を急激に受ける可能性があります。従いまして、世界的または各国、各地域における景気後退などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 海外進出リスク

当社グループは、顧客ニーズのグローバル化に対応するために、生産拠点を海外(中国・フィリピン)に進出しております。これらの進出国において、予期しない法律、税制の変更や、不利な政治または経済要因、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等により、当社グループの事業の遂行に深刻な影響を与える可能性があります。

③ 競合及び技術革新に関するリスク

当社グループの属する電子部品業界においては激しい競合の状況にあります。当社グループは、高品質の製品供給体制を築き、顧客満足を得るよう競争力の向上に努力しておりますが、急速な技術革新へ迅速な対応ができない場合、または顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、販売価格の急激な下落など不測事態の発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 製品の品質に関するリスク

当社グループは、国際規格である品質マネジメントISOの取得、運用によりシステム化された品質管理により安定して高品質な量産体制を構築しております。しかしながら、予期せぬ品質不具合や当社の製品に起因する最終製品の欠陥などが発生した場合、多額のコストの発生や社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 原材料価格及び調達リスク

当社グループは主要原材料である鋼材(銅・ニッケル等)を外部より購入しております。市場環境や購入先の供給能力または品質検査データの再精査等により、生産に必要な量の確保ができない場合や急激に価格が高騰した場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが製造する製品や金型部品加工の一部工程においては、外部の協力会社へ加工委託しております。これらの協力会社が何らかの事情により不足する場合には、生産活動が十分に行えず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 取引先に関するリスク

当社グループはデバイスメーカーを主要な顧客としております。当社グループは、個々の顧客の要求に対応し、かつ日頃から顧客の水準を満たすべく製品や金型の製造販売を行っております。しかしながら、当社グループのコントロールが及ばない経済全般及び事業環境の変化により、デバイスの使用先となる最終製品の世界的な需要の急激な変化の発生などに起因する顧客の製品戦略変更や注文の解約等が行われた場合には、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 為替・金利の変動リスク

当社グループでは、金利上昇リスクに対して長期・固定金利化などにより、また為替変動リスクに対しては、主要な外貨建て資産及び負債について、為替ヘッジを行うことにより、これらのリスクの最小化に取り組んでいます。しかしながら市場の動向によっては、これらのリスクを完全に回避できない可能性があります。

⑧ 情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、「情報セキュリティ基本方針」を制定し、情報セキュリティ推進責任者を中心に、全社的な情報漏洩のリスク回避に努めております。しかしながら、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(再発防止策、損害賠償など)により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 知的財産権に関するリスク

当社グループは知的財産権を始め他者が保有する権利を侵害しないよう、細心の注意を払っています。しかしながら当社グループの何らかの行為が、他社が保有する知的財産権を侵害した場合、生産の差し止めや損害賠償の請求を受ける可能性があります。

 環境汚染に関するリスク

当社グループでは、環境負荷の低減に努めており、土壌や地下水の調査及び浄化活動を行っていますが、今後環境汚染が発生または判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 法的規制等に関するリスク

当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、独占禁止、製造物責任、環境、労務、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。これら法令の変更は、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 人材の確保

当社グループは、人材戦略を事業活動における重要課題の一つとして捉えており、今後の事業展開には適切な人材の確保・育成が必要と認識しています。適切な人材を十分に確保できなかった場合、当社グループの事業遂行に制約を受け、または機会損失が生じるなど当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 固定資産の減損会計

当社グループでは、既存事業に係る設備について、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、その他一部遊休の固定資産についても、売却・転用を進めておりますが、今後の地価動向や景気動向などによっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生する可能性があります。

⑭ 災害等のリスク

地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が大きな被害を受け、その一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業活動は内外情勢の影響を受けつつも成長基調で推移しました。また、雇用情勢も顕著に改善しているものの将来への不透明感は根強く、個人消費の回復は緩慢なものとなっています。

 海外におきましては、全体として政情や地政学的なリスクの顕在化などによる一時的な減速もありましたが、概して底堅く推移しました。

 当社グループの属する電子部品業界におきましては、年明けに北米メーカー製スマートフォンの減産も報じられましたが業界全体として大きな混乱はなく、自動運転技術を中心とする自動車向け部品や、IoTを支えるセンサー関連部品の需要も拡大していることから、市場は堅調な成長基調を維持しております。

 このような状況下、当社グループは更なる品質の改善と製造工程の自動化・効率化による製造コスト低減を組織的に推進し、売上及び収益力の向上に努めて参りました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1千8百万円増加し、234億9千7百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億8千9百万円減少し、84億2千8百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億8百万円増加し、150億6千9百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は210億4千7百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は11億3千1百万円(同32.4%減)、経常利益は12億6千万円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千2百万円(同26.7%減)となりました。

製品群別の経営成績は次のとおりであります。

 

IC・トランジスタ用リードフレーム

 当製品群は、自動車向け、民生用機器向けが主なものであります。自動車向け部品の受注は変わらず堅調でありましたが、海外における民生用機器向け部品では一部において受注が減少しました。その結果、当製品群の売上高は75億1千3百万円(前年同期比4.5%減)となりました。

 

オプト用リードフレーム

 当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。前半は自動車向け部品や、大型ディスプレイ及びアドバタイズメント等の設備向け需要が好調でありましたが、年度末以降は在庫調整局面に転じました。その結果、当製品群の売上高は29億2千6百万円(同4.0%減)となりました。

 

コネクタ用部品

 当製品群は、モバイル端末向け、自動車向けが主なものであります。自動車向け部品は堅調に推移し、ウェアラブル端末向け等の新たな需要の増加が見られたものの、5Gへの移行期であるモバイル端末向けの需要減による影響は大きく、全体として受注は減少しました。その結果、当製品群の売上高は97億5千3百万円(同6.9%減)となりました。

 

その他

 その他の製品群としては、リレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は8億5千4百万円(同21.4%増)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億2千7百万円減少し、当連結会計年度末には28億5千8百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は5億9千2百万円(前年同期は20億1千2百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益12億8千万円の計上及び減価償却費11億4千5百万円による資金の増加、一方、資金効率化による売上債権の増加6億8千7百万円及び協力会社への支払サイトの短縮による仕入債務6億3千万円の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は12億3千8百万円(前年同期は15億5千7百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出17億2千7百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は5億3千6百万円(前年同期は11億7千5百万円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済1億9千4百万円及び配当金の支払2億3千7百万円による資金の減少であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。

製品群別の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

IC・トランジスタ用リードフレーム(千円)

7,590,346

△4.0

オプト用リードフレーム(千円)

3,010,006

0.8

コネクタ用部品(千円)

9,752,092

△7.2

その他(千円)

854,472

20.9

合計(千円)

21,206,917

△4.1

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。

製品群別の名称

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

IC・トランジスタ用リードフレーム

7,559,844

△5.1

817,891

6.0

オプト用リードフレーム

2,875,118

△7.0

212,812

△19.4

コネクタ用部品

10,025,282

△2.3

1,104,363

32.7

その他

848,252

15.1

53,276

△10.9

合計

21,308,497

△3.4

2,188,344

13.5

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。

製品群別の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

IC・トランジスタ用リードフレーム(千円)

7,513,430

△4.5

オプト用リードフレーム(千円)

2,926,615

△4.0

コネクタ用部品(千円)

9,753,038

△6.9

その他(千円)

854,801

21.4

合計(千円)

21,047,885

△4.7

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行い、提出日現在において判断したものであり、将来に関しては不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

(1)財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ1千8百万円増加し、234億9千7百万円となりました。

 流動資産は、売上債権及び棚卸資産の増加及び現預金の減少により前連結会計年度に比べ5千万円増加の124億8千4百万円となりました。固定資産は、新規設備投資による増加及び減価償却による減少のほか投資有価証券売却等により前連結会計年度に比べ3千2百万円減少の110億1千3百万円となりました。

 一方、負債合計は、前連結会計年度に比べ2億8千9百万円減少し、84億2千8百万円となりました。これは、主に仕入債務の減少によるものです。また、純資産は利益剰余金の増加により150億6千9百万円となりました。

 

(2)経営成績

 当連結会計年度の売上高は210億4千7百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は11億3千1百万円(同32.4%減)、経常利益は12億6千万円(同21.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億1千2百万円(同26.7%減)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループを取り巻く事業環境は、世界経済は概して成長基調にありますが経済的、政治的または地政学的なリスクは各地に潜在または一部顕在化しており、情勢は非常に不安定であります。国内では企業業績の向上により当面は緩やかな成長基調が維持されるものと考えられますが、前述の国際情勢による影響が大きな変動要因となる可能性があります。

 現在、当社の主力となっているスマートフォン及びタブレット型端末向けのコネクタ用部品の需要は、当面は一定以上の水準を維持できるものと見込んでおり、LED用リードフレームの受注環境は緩やかながらも回復の兆しが見られております。IC・トランジスタ用リードフレームにつきましては、自動車向け部品も安定的な需要が見込まれることから、引き続き堅調な受注量を維持できるものと見込んでおります。

 このような環境下、当社グループは品質改善と製造コスト低減を目的とした製造工程の自動化・効率化を組織的に推進し、当社の強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースとして過去の枠組みにとらわれない新たな顧客の開拓を積極的に行い、全社一丸となって売上及び収益力の向上に努めて参ります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

 当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

 運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。

 

財政政策

 当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。

 なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。

 

d.製品群別ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 IC・トランジスタ用リードフレームは自動車向け、民生用機器向けともに需要は一年を通して堅調に推移いたしました。また、オプト用リードフレームも自動車向け、照明向けの需要がともに回復基調にあります。

 コネクタ部品では、スマートフォン向け部品では中国メーカー向けの需要は概ね堅調に推移し、北米メーカー向けの需要は減産が報じられたものの、影響は想定の範囲内に収まりました。また、自動車向け部品の受注についても、変わらず堅調な推移を見せました。

 利益面につきましては、製造工程の自動化・効率化により製造コストは低減しておりますが、主力であるIC・トランジスタ用リードフレームやコネクタ部品の売上高減少により営業利益率は前期に比べ減少いたしました。

 また、為替差益の計上により営業外損益は改善しております。特別損益につきましては投資有価証券売却益を計上した一方、固定資産の減損損失、投資有価証券評価損を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度と比較して減少いたしました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、情報技術(IT)の発展により拡大を続ける半導体及び通信機器市場に対応していくため、長年にわたり培ってきた金型技術・精密プレス加工技術を基盤に、電子部品業界に限らずに、将来のダイナミックな事業展開に備えた研究開発を進めております。現在の研究開発活動は、開発部の主管において、通常の生産活動を通して推進されている新たな生産技術の研究開発の他、既存の生産活動の枠を超える次世代製品の開発を見込んだプロジェクト案件に対して、積極的に参画することによって推進されております。山梨大学との共同開発による燃料電池スタックの基幹部品の一つであるセパレータの新技術につきましては、実用化に向けた量産技術確立と製造コスト削減をテーマに置き、燃料電池車・家庭用燃料電池への参入を目指してプロジェクトが進行しております。

 上記の通り、当社グループの研究開発の内容は、応用研究を基本としており、新製品開発のための設計・製作や従来にはない製品の製造方法が主なものであります。当連結会計年度における研究開発費は75百万円であります。