第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当項目に記載されている将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針および具体的な方針

当社は、お客様に“価値”を提供しお客様の“満足”と“信頼”を獲得することを企業理念としております。この企業理念のもと、事業活動を通して、企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値を向上させステークホルダーの皆様と共に躍進していくことを経営の基本方針としております。

 

このような経営の基本方針のもと、具体的な方針は次のとおりとなります。

 

・お客様に安心と信頼を提供し、株主の皆様の信頼と期待に応えます。

お客様のニーズと期待に応える製品を迅速に開発・提供し、信頼を獲得します。また、これらの事業活動を通じて企業価値を向上させ、株主の皆様の期待に応えてまいります。

・独自のコア技術と強い製品でニッチ市場においてトップシェアを獲得します。

独自性の高い製品でハイテク・ニッチ市場の競争に勝ち抜きます。「組込・画像処理・高速通信」の分野で独自のコア技術を進化させ、強い製品を提供し、この市場でトップシェアを獲得します。

・業界最高を目指す性能に加え、より最適なコストパフォーマンスを提供します。

演算・制御・通信機能の最適化と最高速をめざします。最先端の機器が要求する高い性能と信頼性に加えて最適なコストパフォーマンスを追及する高い開発力と提案力で価値ある製品を提供します。

・強いビジネスモデルを常に進化させ、価値ある企業として成長を続けます。

強い技術と製品、柔軟な販売とサポート、卓越したモノ作り、強力なパートナーとの連携を融合させた強いビジネスモデルを持っています。これを進化・差別化させ企業価値を高め成長を続けます。

・攻守で高いバランス感覚を持った企業をめざします。

経営環境の急激な変化に対応するため、市場の動きをキャッチし、迅速に舵を切ります。意思決定の早い経営体制、少数精鋭の組織による積極的な挑戦と確かな選択による経営資源の集中で競争に勝ち残ります。

・人を大切にし、ステークホルダーと共に成長し、社会に貢献します。

コンプライアンスを重視した健全な事業活動を通じて適正な投資と利益の追求、公正な利益配分を行い、従業員、ステークホルダーの皆様と共に成長します。迅速な情報公開を進め、地球環境の保全、災害復旧への支援などを通じて企業の社会的責任を積極的に果たします。

 

(2) 経営戦略

当社は、業界変革のなか新たな飛躍を目指し、「成長事業の確立(新分野への挑戦)」、「スリムな企業体質の強化」、「生産性の拡大(微細化、多品種)」を軸として、強固な経営基盤と事業基盤を確立いたします。

具体的な、経営戦略等は次のとおりとなります。

・受託製品分野の経営戦略
当社主要事業分野であります受託製品の半導体製造装置関連分野、産業用制御機器分野および計測機器分野におきましては引き続き積極的に経営資源を投入し、自社製品技術をベースにした提案型製品の増強を図り、付加価値の向上を目指し、更に新分野としてメディカル、薬剤、バイオ、食品業界、ビッグデータへの開拓を進めております。
・自社製品分野の経営戦略
 自社製品であります組込みモジュール、画像処理モジュールおよび計測通信関連の事業分野におきましては、コア技術のIP化、非可視光計測、画像・計測ソフトウェアによる製品の差別化や超高速光通信、高速画像インターフェイス(CoaX Press)への対応も含めてシリーズの充実を図り、基盤事業として継続・発展させるために今後も積極的に経営資源を投入いたします。更にコア技術(組込み・画像・通信)の複合化も含めての製品の差別化を行い、非可視光カメラ、超高速アナログ変換ボードのシリーズ強化など高付加価値製品により新たな市場(顧客)の開拓を行い、売上構成の多角化と拡大を目指します。
自社における製品開発に加えて、他社の独自技術の積極的な採用など、他社とのコラボレーションで開発リスクの軽減およびタイムtoマーケットを考慮した新分野の製品開発も行ってまいります。
・事業分野全体に係る経営戦略
 事業分野全体に係る経営戦略としては、販売面においては、従来顧客への深耕はもとより新規顧客の開拓、海外マーケット(東アジア)への展開においては販売網の充実を進めております。また、当社の生産状況は多品種少量生産でありますが、品質向上、コストダウン、短納期生産を促進するため、生産方式の効率化による生産性向上に加え医療機器製造、精密調整、BTO(Build to Order)生産等の生産体制を構築しております。
このような戦略をもとに、現在の主要事業等の主力製品を含む成長事業の確立を維持しつつ、新分野への挑戦および生産性拡大を行い、経営資源を有効に活用し、更なるスリムな体質強化に努めてまいります。

 

また、目標とする経営指標につきましては、(3)に記載しているとおりとなります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社が目標とする経営指標は、

1.

売上高経常利益率

目標

22.0%以上

2.

自己資本比率

目標

  80%以上

3.

自己資本当期純利益率(ROE)

目標

   8%以上

 

の3指標であります。
当社は、株主価値の最大化を経営の最重要課題としており、付加価値の高い製品の開発と共に収益の安定的な確保を目指しております。また、当社の主たる市場である半導体製造装置業界は、特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく強固な財務体質の維持に注力しております。更にこれらに加えて利益の確保並びに使用資本効率の向上を示す本指標を目標としております。なお、当事業年度より、高付加価値製品の拡充および生産性の向上を更に目指すため、売上高経常利益率の目標数値を18.0%以上から4.0%増の22.0%以上に変更しております。
目標とする経営指標の実績推移は次のとおりとなります。

回次

第59期

第60期

第61期

第62期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

売上高経常利益率

17.6%

20.7%

19.5%

21.5%

自己資本比率

78.5%

82.4%

80.9%

78.8%

自己資本当期純利益率(ROE)

7.09%

10.69%

9.73%

9.73%

 

(注)第59期の2017年7月1日に、当社の子会社である株式会社アバール長崎の株式の過半を譲渡したことにより、第2四半期連結会計期間より、連結範囲から除外しております。このため、第60期から連結財務諸表を作成していないため、第60期の指標から個別財務諸表の実績で記載しております。なお、2019年4月1日より株式会社アバール長崎は社名を、東京エレクトロン デバイス長崎株式会社へ変更しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

成長事業の確立はもとより、スリムな企業体質および生産性拡大を行い、経営資源を有効活用し収益拡大を行い、更なる株主還元の充実を検討してまいります。

優先的に対処すべき課題は、以下のとおりであります。


1.市場(顧客)の多角化
 当社の主要市場(顧客)は受託製品、自社製品ともに、半導体製造装置分野、産業用制御機器分野、計測機器分野およびメディカル分野であります。これらの市場(顧客)の深堀は勿論のこと、中長期的には新たな市場(顧客)開拓を行い、半導体製造装置業界特有の急激な需要変動による売上変動の回避と更なる成長路線の確立を推進してまいります。

 


2.製品開発の差別化と新たな分野の製品開発
 自社製品は現在、MPUモジュールを主にした「組込みモジュール」、「画像処理モジュール」、「計測通信機器」の3種類の主要製品群を開発しております。それらの更なる差別化を図る製品開発を行うために、コア技術のLSI化(IP化)、非可視光カメラ、画像・計測ソフトウェアを更に推進しております。同時に中長期的には新たな分野を視野に入れて製品開発を推進してまいります。

 
3.顧客ニーズを満足する生産体制の更なる充実、新ビジネスモデル生産体制の構築
 当社の生産状況は、半導体製造装置特有の急激な需要変動を背景にし、加えて多機種変量生産であります。そのような状況下で、市場(顧客)からのコストダウン、生産リードタイム短縮、品質向上および環境負荷削減の要求に応えるために、継続的な設備投資と戦略購買による部材確保、安定生産を推進してまいります。また医療機器製造、精密調整、BTO(Build to Order)生産等の生産体制の構築を進めてまいります。

 

(5) 経営の問題認識と今後の方針について

当社は、経営基本方針に従い、企業価値の向上を目指しております。

経営の安定成長に向け、販売分野の多様化を進めておりますが、半導体製造装置分野は主力事業基盤であり、この業種特有の景気変動の影響を大きく受けやすい業態であります。今後は更に新分野との売上構成の均衡を目指すとともに、収益および財務体質の向上を進めてまいります。

また、地球環境の保全を念頭に置き、自ら定めた環境方針に基づく企業経営を行うこと等により、持続可能な社会の実現に貢献し、当社が担うべき社会的責任を果たして行く所存であります。

 

2 【事業等のリスク】

 

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 半導体市況変動による影響

半導体製造装置関連は当社の重要な事業分野であり、半導体市況の急激な変動は当社業績に最も大きな影響力があります。したがって、予期せぬ市場規模の大幅な減少によって、受注減・在庫増加等により当社の業績およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合他社との競争

当社の自社製品は組込みモジュール・画像処理モジュール・計測通信機器の3種類の製品群があります。今後も開発の選択と集中および3製品群の複合技術による製品の差別化を図り、更にマーケットシェアの拡大と高収益の追求に取り組みます。また、受託製品に関しても自社製品の技術リソースを利用した提案営業を積極的に進め、顧客の課題解決とコストダウン要求に応え、あわせて当社の付加価値の改善を図っています。しかしながら、組込みモジュールは年々製品差別化が難しく価格競争が激化しており、新シリーズのアナログ製品を投入し改善を図っていますが、中期的には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 研究開発による影響

当社は組込み・画像処理・高速通信技術をコア技術として最先端の技術を創造すると同時に市場からの新たな要求に対しタイムリーに製品化を進め、製品の差別化と高い利益率の確保に取り組んできました。しかしながら、新技術は未知の要素も多く新製品投入時期の遅れ要因となることもあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 保有資産による影響

当社は、営業取引関係の維持及び発展等を目的として、投資有価証券を保有しております。なお、銘柄数及び貸借対照表計上額等につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(5)株式の保有状況」に記載しておりますが、上場および非上場を問わず保有しております。

上場株式につきましては、株式市場等の動向により多額の減損損失を計上した場合に、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

非上場株式につきましては、新規の事業へ取り組みを行っている企業が多く、投資時点の事業計画の達成可能性及び財務体質並びに回収可能性等を総合的に勘案した結果、減損損失を計上した場合に、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 品質に関する影響

当社は顧客満足を満たす品質確保のためにいち早くISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立すると同時にサービス・サポート体制の充実を図り、多くの顧客の信頼に応えてきました。しかしながら、当社製品が先端技術を利用することによるリスクを含み、予期せぬ不具合品が発生する等により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 外国為替変動による影響

現在、当社の海外への直接の売上比率は概ね1%ですが、顧客の大半を占める国内装置メーカーからの輸出による間接的な海外の売上依存度が高い状況であります。したがって、急激な為替変動は売上高・納入価格面のリスク要因となり、間接的に、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等による影響

大地震・火災・台風洪水等の自然災害や新型コロナウイルス感染症への対策には充分に注意を払い、特に地震対策については従業員の安全はもとより、顧客への供給責任、地域社会への貢献を骨子とする事業継続計画(BCP)を策定し、積極的な取組みを行っております。しかしながら、当社の開発・製造拠点並びに調達先等に壊滅的な損害が生じた場合、また新型コロナウイルスの感染が拡大した場合には、操業が中断し、生産や出荷に遅延が生じるおそれがあり、これにより売上が減少し、事業の復旧に多大な費用が生じた場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当社が判断したものであります

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続くなか、経済活動や社会生活全般に大きな影響を及ぼしており、依然として大変厳しい状況が続いております。

当社に関連深い半導体製造装置市場は、データセンター需要の増加等を背景に大手半導体メーカーの設備投資が継続し、順調に推移しております。

このような経営環境のもと、当社は、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、顧客満足度の更なる向上のために、市場ニーズを先取りした新製品の投入によるお客様の装置の競争力向上と安定供給に取り組みました。

この結果、当事業年度における売上高は8,537百万円前期比9.1%増)、営業利益は1,759百万円前期比19.9%増)、経常利益は1,835百万円前期比20.5%増)、当期純利益は1,358百万円前期比22.6%増)となりました。

 

当社は、事業内容を2つの報告セグメントに分けております。当事業年度におけるセグメント別の状況は次のとおりであります。

 

① 受託製品

当該セグメントは、半導体製造装置関連、産業用制御機器および計測機器の開発・製造・販売を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり、半導体製造装置関連におきましては、大手半導体メーカーの設備投資が順調に推移しており、また、産業用制御機器の一部顧客に落ち込みが見られましたが、従来顧客の安定的な需要に支えられた結果、計測機器を含め受託製品全般において順調に推移いたしました。

この結果、売上高は4,793百万円前期比10.6%増)、セグメント利益(営業利益)は823百万円前期比25.0%増)となりました。

当該セグメントの品目別売上の状況は次のとおりであります。

イ)半導体製造装置関連

当該品目は、半導体製造装置の制御部を提供しております。大手半導体メーカーの一部で生産調整が見られましたが、NANDフラッシュメモリなどが堅調だったことにより、売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は3,801百万円前期比20.7%増)となりました。

ロ)産業用制御機器

当該品目は、各種の産業用装置、社会インフラ関連の制御部の開発・製造を行いカスタマイズ製品として提供しております。新規顧客の売上貢献がございましたが、産業用検査装置で一部落ち込みが見られたことにより、売上高は減少いたしました。

この結果、売上高は681百万円前期比23.6%減)となりました。

ハ)計測機器

当該品目は、各種計測機器のコントローラ、通信機器の制御部の開発・製造を行いカスタマイズ製品として提供しております。従来顧客の受注が回復したことにより、売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は310百万円前期比6.1%増)となりました。

② 自社製品
当該セグメントは、組込みモジュール、画像処理モジュールおよび計測通信機器の開発・製造・販売と、自社製品関連商品の販売を行っております。新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であり、全般的な産業用装置における設備投資は、堅調に推移いたしました。

この結果、売上高は3,743百万円前期比7.4%増)、セグメント利益(営業利益)は1,449百万円前期比13.6%増)となりました。

当該セグメントの品目別売上の状況は次のとおりであります。

イ)組込みモジュール

当該品目は、半導体製造装置、医療機器関連、FA全般、電力・通信関連向けに提供しております。医療機器関連および電力・通信機器関連向けの受注が堅調に推移しておりますが、一部顧客の需要が落ち込んだ結果、売上高は減少いたしました。

この結果、売上高は413百万円前期比7.0%減)となりました。

ロ)画像処理モジュール

当該品目は、FA全般、各種検査装置、液晶関連機器に提供しております。各種検査装置においては積極的な新製品開発の推進に加え、検査工程の自動化ニーズの高まりから高水準で推移しておりますが、顧客需要の横ばい傾向が改善し、売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は1,446百万円前期比1.8%増)となりました。

ハ)計測通信機器

当該品目は、超高速シリアル通信モジュール「GiGA CHANNEL」シリーズを提供しております。「GiGA CHANNEL」シリーズ関連の検査装置向けの受注が拡大し、売上高は増加いたしました。

この結果、売上高は1,728百万円前期比19.6%増)となりました。

ニ)自社製品関連商品

当該品目は、自社製品の販売促進とシステム販売による高付加価値化を図るため、ソフトウェアおよび付属の周辺機器を提供しております。自社製品関連商品は、自社製品全般同様堅調に推移しておりますが、周辺機器等の需要が伸び悩んだ結果、売上高は前期比では減少いたしました。

この結果、売上高は155百万円前期比11.8%減)となりました。

 

当社を取り巻く環境はあるものの、経営方針に基づき、経営資源を投入し、自社製品技術をベースにした提案型製品の増強等により受託製品の販売の増加を継続するとともに、自社製品においては、更なるシリーズ化を継続し、受託製品の複合化も含めての製品の差別化を行い、受託製品および自社製品の両輪にて、強固な経営基盤および事業基盤を確立いたします。

 

(2)財政状態の状況

① 資産

当事業年度末における資産は20,227百万円(前事業年度末比5,402百万円の増加)となりました。

流動資産につきましては、増加要因として、現金及び預金が1,455百万円、棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)が159百万円、前払費用が5百万円、それぞれ増加となり、減少要因として、受取手形が116百万円、売掛金が318百万円、電子記録債権が57百万円、前渡金が11百万円、未収入金が14百万円、その他として仮払金が6百万円、それぞれ減少となりました。

この結果、1,095百万円増加し10,362百万円となりました。

固定資産につきましては、主に、投資その他の資産が投資有価証券の時価変動の影響等により4,366百万円増加となり、減少要因として、主に、有形固定資産が、前事業年度に、生産性向上への取組みとして、厚木事業所製造ラインの強化の設備投資に伴う固定資産の要償却を含め、64百万円減少となりました。

この結果、4,307百万円増加9,864百万円となりました。

② 負債

当事業年度末におけるは負債は4,291百万円(前事業年度末比1,455百万円の増加)となりました。

流動負債につきましては、増加要因として、買掛金が34百万円、未払金が8百万円、未払費用30百万円、未払法人税等が111百万円、前受金が3百万円、預り金が9百万円、賞与引当金が33百万円、役員賞与引当金が9百万円それぞれ増加となり、減少要因として、支払手形が39百万円、1年内返済予定の長期借入金が18百万円、未払消費税等が5百万円それぞれ減少しております。

この結果、178百万円増加し2,245百万円となりました。

固定負債につきましては、繰延税金負債が1,279百万円増加し、長期借入金が3百万円減少した結果、1,276百万円増加2,045百万円となりました。

 

③ 純資産

当事業年度末における純資産は15,936百万円(前事業年度末比3,947百万円の増加)となりました。

増加要因として、その他資本剰余金が10百万円、利益剰余金が953百万円、その他有価証券評価差額金が2,969百万円それぞれ増加となり、自己株式が14百万円減少となりました。

なお、自己株式が14百万円減少しておりますが、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」による減少が12百万円、2019年6月21日開催の第60期定時株主総会にて決議された、譲渡制限付株式報酬制度に基づく自己株式の減少が2百万円となります。

また、当社が目標とする経営指標である、自己資本比率(80%以上)は、78.8%(前事業年度末比2.1%の減少)となり、自己資本当期純利益率(8%以上)は、前事業年度末と同様の9.73%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、4,344百万円(前事業年度末比1,455百万円の増加)となりました。

また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計した、フリー・キャッシュ・フローは、当事業年度は 1,861百万円の増加(前事業年度は994百万円の増加)であります。

営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローの主な内容は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,990百万円の増加(前事業年度は1,193百万円の増加)となりました。

主に、税引前当期純利益および減価償却費の計上、売上債権の減少等の増加要因が、たな卸資産の増加、法人税等の支払等の減少要因を上回ったことによる増加となります

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、129百万円の減少(前事業年度は199百万円の減少)となりました。

主に、投資有価証券の取得および固定資産の取得による減少となります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、405百万円の減少(前事業年度は393百万円の減少)となりました。

自己株式の売却による収入といった増加要因を、配当金の支払、長期借入金の返済による支出等の減少要因が上回ったことによる減少となります。
 なお、自己株式の売却による収入および長期借入金の返済による支出は、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」によるものであります。

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

     当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称及び詳細品目

金額(千円)

前期比(%)

受託製品

 

 

  半導体製造装置関連

2,783,256

22.0

  産業用制御機器

485,607

△17.2

  計測機器

268,155

11.3

  小計

3,537,020

13.8

自社製品

 

 

  組込みモジュール

241,509

1.6

  画像処理モジュール

755,254

9.6

  計測通信機器

673,971

6.9

  小計

1,670,735

7.3

合計

5,207,756

11.6

 

(注)1 金額は製造原価にて表示しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3 自社製品セグメントにおいては、記載した詳細品目に付属する周辺機器の提供として、自社製品関連商品の販売を行っておりますが、当該仕入実績は、② 商品仕入実績として別途記載しております。

 

② 商品仕入実績

     当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称及び詳細品目

金額(千円)

前期比(%)

自社製品

 

 

  自社製品関連商品

101,364

△25.1

  小計

101,364

△25.1

合計

101,364

△25.1

 

(注)1 金額は仕入価格にて表示しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注実績

     当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

及び詳細品目

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

受託製品

 

 

 

 

  半導体製造装置関連

4,143,873

13.5

1,172,254

41.3

  産業用制御機器

596,167

△28.1

329,564

△20.5

  計測機器

352,821

30.0

93,577

81.6

  小計

5,092,863

7.2

1,595,396

23.1

合計

5,092,863

7.2

1,595,396

23.1

 

(注)1 金額は販売価格にて表示しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3 自社製品セグメントにおいては、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

④ 販売実績

     当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称及び詳細品目

金額(千円)

前期比(%)

受託製品

 

 

  半導体製造装置関連

3,801,446

20.7

  産業用制御機器

681,150

△23.6

  計測機器

310,787

6.1

  小計

4,793,383

10.6

自社製品

 

 

  組込みモジュール

413,859

△7.0

  画像処理モジュール

1,446,131

1.8

  計測通信機器

1,728,451

19.6

  自社製品関連商品

155,179

△11.8

  小計

3,743,620

7.4

合計

8,537,004

9.1

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売額に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前事業計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ㈱

1,681,104

21.5

2,183,747

25.6

東京エレクトロン宮城㈱

1,011,716

12.9

1,194,797

14.0

㈱ニコン

940,890

12.0

897,574

10.5

 

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当項目に記載されている将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載したとおりですが、その他の事項としては以下のとおりであります。

 

 ① 売上原価、販売費及び一般管理費 

売上原価は、前事業年度4,919百万円に対し、当事業年度は379百万円増加し、5,299百万円となりました。

当事業年度における、売上高に対する売上原価の比率は、前事業年度62.9%に対して62.1%と生産性の向上等により0.8%減少となりました。

販売費及び一般管理費は、前事業年度1,434百万円に対し、当事業年度は44百万円増加し、1,478百万円となりました。

これは、主に、新たな技術リソース獲得のための積極的な研究開発活動による、研究開発費の増加、厚木事業所の建物の維持管理に伴う修繕費の増加、役員報酬等のうち基本報酬以外の増加によるものとなります。

当社が、目標とする経営指標の1つに、売上高経常利益率を22.0%以上と掲げております。実績としては、21.5%となっております。これは、主に、受託製品セグメントのうち、半導体製造装置関連および産業用制御機器分野ならびに自社製品セグメントのうち、計測通信機器が堅調に推移した結果となります。 

なお、当事業年度より、高付加価値製品の拡充および生産性の向上を更に目指すため、売上高経常利益率の目標数値を18.0%以上から4.0%増の22.0%以上に変更しております。

 

 

 ② 営業外収支 

営業外収益は、前事業年度60百万円に対し、当事業年度は16百万円増加し、76百万円となりました。主な要因としては、受取配当金および損賠償収入の受入による増加となります。

 

 ③ 特別損益 

特別利益は、非上場の株式となりますが、1銘柄売却したことに伴う、投資有価証券売却益6百万円を計上しております。

特別損失は、前事業年度、投資の再評価に伴い8百万円計上しましたが、当事業年度の計上はないため、8百万円減少しております。

 

 ④ 法人税等 

税効果会計適用後の法人税等は、前事業年度406百万円に対し、77百万円増加し、484百万円となりました。これは主に税引前当期純利益の増加に伴い、法人税、住民税及び事業税の増加によるものとなります。

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 

 

  ① キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保による自己資本を中心として財源を確保しております。

短期運転資金は自己資金を基本といたします。

なお、当社の資金の流動性につきましては、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン」による借入はありますが、流動比率は461.5%であり、財務の健全性を維持していると考えております。

 

  ② 資金需要 

当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料の仕入、外注費の支払および製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、品質および生産並びに製造技術効率の向上のための設備投資であります。

 

   ③ 財務政策 

当社の主たる市場である半導体業界は、特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。このような方針のもとに、現在、運転資金だけでなく設備投資資金における需要についても、内部資金にて対応しております。

 

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額および報告期間における収益・費用の報告金額に対して、影響を与える見積り、判断および仮定を行う必要があります。見積りおよび判断は、過去の実績や状況等に応じ合理的であると考えられる方法に基づいて行われております。当社の重要な会計方針のうち、見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のものであります。

 

 ① たな卸資産 

当社は、たな卸資産については、滞留期間に応じて収益性の低下に基づく簿価切り下げ額の測定を行っており、将来、正味売却可能価額がさらに低下した場合または陳腐化資産が増加した場合、追加の評価減が必要となる場合があります。

なお、受託開発に係る仕掛品については顧客との合意に基づいた要求仕様を踏まえた材料費・工数等の見積りを行い当該見積総原価を踏まえて請負金額の交渉を行うため、仕様の追加、変更もしくは見積工数からの変更といった仮定からの乖離により、実績が見積総原価を上回り、見込んでいた受注額により回収ができなくなった場合には、追加の評価減が必要となる場合があります。

 

 ② 繰延税金資産

当社は、繰延税金資産については、将来の一定期間における課税所得の発生やタックス・プランニングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得見積りに依存しているため、その見積りの前提となる仮定に変更が生じた場合には、繰延税金資産の取り崩しが必要となり、当該期間における税金費用が増加する可能性があります。また、追加的に繰延税金資産の回収可能性があると判断された場合には、当該期間において税金費用が減少することになります。

 

 ③ 非上場株式の評価

非上場株式の評価については、投資時点の事業計画の達成可能性および財務体質並びに回復可能性等を総合的に勘案した結果、減損損失を計上した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、常に産業基盤の構築を支援するため、A’VALue+(お客様に“価値(Value)”を提供して“信頼”を獲得する。)の追求を基本理念とし、自社製品の開発の根源となるコアテクノロジーの活用、顧客ニーズに対応した自社製品より培った既存テクノロジーをベースとする製品開発、さらには、開発から生産までの一貫した生産技術の蓄積など、積極的な研究開発活動を行っております。現在、当社の研究開発は独自に行うとともに、他社と密接な協力・技術交流を行い、効率的な研究開発活動を行っております。また、当事業年度においても、製品開発だけではなく、地球環境に配慮し、EUの「RoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment:電機電子機器に含まれる特定有害物質使用制限指令)」対応を継続的に進めております。

当事業年度における研究開発費は、653百万円を投入しております。

また、報告セグメント別の研究開発費は、受託製品 307百万円、自社製品 346百万円であります。

なお、当事業年度における各品目別の研究開発の状況は次のとおりであります。

 

〔組込みモジュール〕

インターコネクト(装置、デバイス間インターフェース)で重要なテクノロジーとなる高速シリアル汎用バスのPCI Expressに注力した開発および関連OS(Operating System)のソフトウェア開発を進めております。

また、高速アナログモジュールとして、産業機器分野や医療機器分野等の計測や測定で必要とされている、より高速性を追求したアナログ-デジタル変換モジュールの開発を進めております。

当事業年度は、継続的にパワフルな画像処理向け小型処理PCを継続研究開発しております

新たな分野として、FPGAにRAIDコントローラを実現したPCI-Express3.0対応の高速RAIDモジュール「APX-8816」を開発しました。ビッグデータへの対応という面だけではなく、長期製品提供という面についてもユーザーに対するソリューションになると考えております。

IP関連としましては、開発したPCI Express Gen3 x16を元に、対応デバイスの拡充を順次進めております。

メモリズムプロセッサ技術を実装した高速検索が可能な製品開発は、引き続き協業先と開発を進めております。

ソフトウェア関連といたしましては、上記開発製品へのWindows、Linux、VxWorks等、各種OS対応のドライバ開発を継続的に進めております。

なお、当該品目における研究開発に要した金額は、227百万円であります。

 

〔画像処理モジュール〕

外観検査装置、測定機器や各種製造装置等の産業用機械に視覚機能を持たせるための機能モジュールである、画像処理モジュール、近赤外線カメラおよび三次元計測技術を含む関連ソフトウェアの開発を進めております。

当事業年度は、画像処理モジュールにおいては、CoaXPress規格2.0に対応した最大50Gbpsと高速伝送するパワフルな画像入力モジュール「APX-36124 」を開発いたしました。また、ユーザーの画像処理能力を高めた画像入力モジュール「APX-3664S4-PRO」を開発いたしました。

カメラに関しては、ソニー社製最新センサーIMX990を採用し広帯域・高感度を実現した近赤外線カメラ「ABA-013VIR」を開発いたしました。

ソフトウェア関連といたしましては、新規開発製品へのWindows、Linuxへのドライバ対応を継続的に進めております。併せて、画像ライブラリーの開発を継続的に進めております。

なお、当該品目における研究開発に要した金額は、393百万円であります。

 

〔計測通信機器〕

光ファイバーケーブルを使用した独自の技術である高速シリアルネットワーク用の高速通信モジュール「GiGA CHANNEL」シリーズに加え「GiGA CONNECTION」シリーズの開発を進めております。

当事業年度は、ラインナップが揃った「GiGA CHANNEL」および「GiGA CONNECTION」技術をベースとした受託開発案件を多数受託するとともに、200Gbps以上の高速伝送に対応した製品化に向けて研究開発を進めております。

なお、当該品目における研究開発に要した金額は、33百万円であります。