当社グループは、2025年からの新たな中期経営計画(2025-2027)を策定いたしました。内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
中期経営計画(2025-2027)基本方針
<経営ビジョン>100年企業=「連邦経営」の継続
連邦経営:各拠点のビジネスに必要な責任と権限を与えてグループ全体の相乗効果を最大化する当社の経営スタ
イル
<指針>ソフトプレスを柱としたグローバル企業を目指す
アジアだけでなく、当社が拠点展開している全エリアで成功する企業に
<基本方針>「高付加価値ビジネスの拡大」を通じ、持続的な成長のために収益力の強化を図る
「100年企業」に向けて高付加価値ビジネスを拡大させ、収益力を強化していく
(2)目標とする経営指標
当社グループは、経営指標として、中期経営計画において自己資本利益率(ROE)の向上と株価純資産倍率(PBR)1倍を目標として掲げております。また、2027年12月期連結業績目標は、売上高450億円、営業利益42.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益34億円、RОE8.0%以上であります。
(3)会社の経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の見通しにつきまして、先行きの世界経済は米国での新政権による政策に左右される不透明な状況であります。加えて、中国では不動産不況の長期化による内需が低迷するなかで米中対立が激化し、ウクライナや中東では長期化する紛争により地政学リスクが拡大するなど、不確実性が高まっております。また、各国の金融政策が市場に与える影響は大きく、世界景気の先行きは予断を許さない状況が続くと予想されます。
一方で、日本経済は、内需主導による緩やかな成長により、デフレから脱却する可能性があるなかで、当社グループは、企業を取り巻く様々なリスクを認識し、多様化する顧客ニーズに対応しながら国際的なサプライチェーンの動向や今後の為替変動に注視しながら、安定した事業活動の継続に努めてまいります。世界の急速な変化に俊敏に対応して生き残るため、ソフトプレスを柱としたグローバル企業を目指すことを指針とした中期経営計画(2025-2027)を策定いたしました。基本方針として「高付加価値ビジネスの拡大」を通じ、持続的な成長のために収益力の強化を図ることを掲げ、今期につきましては「高付加価値ビジネスの拡大」の最初の期として、①高付加価値ビジネスの拡大に向けた投資とインフラ整備、②売上高総利益率と平均単価の向上、③研修と教育制度の充実化による従業員の能力開発推進に取り組んでまいります。
また、企業が持続的成長を実現するためには、ステークホルダーとの信頼関係の構築が極めて重要であり、当社グループは、企業に求められる社会的責任が重くなるなかで、各自がコンプライアンスの意識を高め倫理観に基づく誠実な行動を実践することで、ガバナンス体制の強化を図り透明性のある経営を確保し、企業価値向上に邁進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する取り組みについて、CSR委員会において全社横断的な施策の検討・立案と進捗管理を行っております。同委員会は、管理担当取締役をCSR委員長としており、その活動状況を年一回、報告会を開催しております。
同委員会の直下には、幅広い部署から選出されたメンバーによって構成された分科会(働きがい分科会、環境分科会)を設置し、それぞれの課題解決に向けた検討や取り組み状況のモニタリングを行い、その結果について委員会を通じて経営陣に報告・提言・提案しております。
(2)戦略
当社グループは、「経営信条」とともに、コンプライアンス実践のために当社グループ役員および従業員が遵守すべき事項として「CSRガイドライン」を定めており、世界中の社員一人ひとりがこれを正しく理解し、行動することによって、社会により一層信頼される企業となることを宣言しております。
CSRガイドラインでは、1.生産販売活動、2.社会との関係、3.情報管理、4.海外との関係、5.従業員との関係について定めております。その中で、地球環境問題についての取り組みを重要な課題の一つであると掲げており、以下のことに取り組む事を宣言しております。
・省エネルギー、使用資源の削減再利用に努めるとともに環境に優しいものづくりを進めていきます。
・管理基準を超えた環境禁止物質の含まれたものは、「買わない」「売らない」「扱わない」を徹底します。
・公害防止、省エネルギーに努め、廃棄物の適切な処理を行います。
また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりであります。
①社内環境整備に関する方針
当社グループは、100年企業を旗印とした事業継続のために、従業員一人ひとりの可能性、創造性を引き出すとともに、その能力を最大限に発揮し、自己実現がはかれるように、人事、能力開発、評価、福利厚生に関する諸制度の充実と働きやすい職場環境の整備に取り組みます。
・ 当社グループは、従業員一人ひとりが主体的に自らの専門能力を高めようとすることに対して、能力開発などの制度、仕組みにより、側面から支援、援助します。
・ 当社グループは、一人ひとりの達成目標など人事考課の項目を明確にするとともに、目標に対する達成度合い、職務遂行能力、貢献度などを公正に評価し、その評価に基づいた処遇を行います。
・ 当社グループは、従業員一人ひとりの安全と健康を考え、快適で、能率的な職場環境、作業環境の整備に努めます。また、従業員のさまざまなライフスタイルに対し、労働時間の短縮や雇用形態、勤務形態の多様化などに努めます。
②人材育成に関する戦略
当社グループは、経営戦略の実現に不可欠となる多様な人材の活躍と育成に向けて、以下の人事制度改革に取り組んでおります。
a. 研修内容の刷新による従業員の能力開発の推進
b. 教育制度の充実化による従業員エンゲージメントの向上
c. 高度専門人材・グローバル人材育成に向けた、人事制度の実効性向上
(3)リスク管理
当社グループは、グループの経営に大きな影響を与える恐れのあるリスクを低減することを目的として、「リスク管理規程」に則り、リスク管理担当取締役を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、当社グループにおける重要と判断したリスクへの対応の強化を図るとともに、それぞれの職制や組織横断的活動を通じて監視・対策を行っております。
なお、同委員会におけるリスクへの対応状況については、状況に応じて適宜、代表取締役社長及び取締役会に報告しております。
(4)指標及び目標
当社グループでは、持続可能な環境への取り組みにあたって、~Sustainable Green Integration~(サスティナブル・グリーン・インテグレーション)をキャッチフレーズに掲げ、2050年にカーボンニュートラルの実現に向け、この活動を行ってまいります。
グループ全体で自社のGHG排出量について2020年を基準に年4.2%削減、2030年までに42%削減することを目標に活動を進めております。具体的には、省エネ活動の更なる推進、太陽光パネルなどの再生可能エネルギー設備の導入検討(既に東莞・ベトナム・蘇州は導入開始)、再生可能エネルギー由来の電力の購入(契約)や、非化石証書の購入の検討などの活動に取り組んでまいります。
・2023年度実績:23.8%削減(対2020年度)
・2024年度実績:27.9%削減(対2020年度)
また、人的資本に関する指標の内容、目標及び実績は次のとおりであります。
なお、連結グループにおける記載が困難であることから、次の指標に関する目標及び実績は、当社のものを記載しております。
|
指標 |
|
実績(前連結会計年度) |
実績(当連結会計年度) |
|
|
|
2人 |
|
|
|
|
79.8% |
|
(注)1.上記の目標値は、2022年6月15日に公表した「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」にて策定したものであります。
2.海外グループ会社における女性管理職人数は68名であります。(海外グループ会社における全管理職の約42%)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)最終製品の販売動向等について
当社グループの取扱部品等は、主として電子・電気機器メーカーに納品されており、OA機器、映像機器、通信機器、音響機器等の製品に使用されておりますが、これら最終製品の販売動向は、流行や競合製品の状況等により大きく変動する傾向を有しております。また、当社グループの取扱部品等の納入価格は、最終製品の販売動向の他に、生産状況、在庫状況、競合の状況等の影響を受けております。
従いまして、当社グループの経営成績は、最終製品の販売動向等による取扱部品等の需要動向、価格動向の影響を受ける可能性があります。
(2)原材料調達の変動について
当社グループの原材料の調達については、国内・外を問わず複数のメーカーから購入しており、安定的な原材料の確保と最適な価格の維持に努めております。
しかし、石油価格の高騰や中国市場での急激な需要増加等により、一時的に需給バランスが崩れる懸念もあります。そのような場合には、当社グループの顧客との交渉を通じて対応していきますが、原材料調達がきわめて困難になった場合や、購入価格が著しく上昇した場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3)技術革新について
当社グループが取扱っている電子・電気部品等は、急速な技術革新、顧客ニーズの変化、新製品・サービスの導入が頻繁であります。
当社グループでは、顧客ニーズを把握し、グループの持っている自社技術を結集して、より付加価値の高い部品を提供できるように努力しております。また、国内・外で新たな顧客の開拓を行い、取扱部品の拡大を図っております。
しかし、当社グループが想定していないような新技術・新部品の出現等により事業環境が変化した場合、必ずしも迅速には対応できない恐れがあります。
従って、このような場合には当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4)為替相場について
当社グループの事業は、アジア地域を中心にグローバルに展開しております。各地域における海外現地法人の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表を作成するため各地域における収益及び費用は期中平均レートを、資産及び負債は期末日レートを用いて円換算されております。従って、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害の発生・感染症の拡大等について
当社グループの製造設備等の主要設備に関しては、防災、耐震対策などとともに、製造拠点の分散化を図り、災害等によって生産活動の停止、部品供給に混乱をきたさぬよう努めております。
しかし、大地震やテロなどの発生により、生産活動の停止や社会インフラの大規模な損壊など予想を越える事故が発生した場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、感染症の拡大が長期化し、深刻化した場合には、当社グループの事業活動や経営成績及び財政状態等が重要な影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、そのような場合には、「対策本部」を設置し対策強化の要否を判定したうえで出張や会合の自粛、オンラインシステム等の活用、ならびに在宅勤務や時差出勤の適用等、従業員の勤務体制の整備を中心とした対策を実施しております。
(6)カントリーリスク
当社グループの事業は、アジア地域を中心にグローバルに展開しております。従って、各国における政治・経済状況の変化、法律・税制の改正等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の評価について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該会計基準では、グルーピングされた固定資産について回収可能額を測定し、その結果、回収可能額が帳簿価額を下回る場合はその差額を減損損失として認識することとされており、今後も事業環境の変化などにより資産価値が低下した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国政策の不確実性や米中対立の激化、長期化するウクライナや中東での紛争による地政学リスクの拡大など、依然として先行き不透明な状況が続きました。米国では、金融引き締めによる影響や底堅い雇用環境が家計の所得を下支えしたことにより、個人消費は堅調さを維持しました。中国では、輸出は堅調であったものの、不動産不況や雇用・所得環境の悪化、内需の低迷により景気は減速基調となりました。他のアジア地域では、輸出拡大による製造業の回復とインフレ圧力の緩和や労働市場の改善、政府主導のインフラ開発などを背景に景気は堅調に推移しました。
また、我が国経済は、我が国経済は、円安による物価上昇や実質賃金の減少による節約志向が続き、新政権が発足するなかで、インバウンド需要の増加や企業の設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、景気は緩やかに回復しました。
このような経営環境の中で、中期経営計画で掲げた「事業領域の転換」を推進するため、グループ一丸となり目標に向かって邁進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,895百万円増加し、51,306百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ188百万円増加し、9,733百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,707百万円増加し、41,572百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高41,214百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益3,856百万円(同26.1%増)、経常利益は4,655百万円(同23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,234百万円(同26.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本は、売上高10,096百万円(同4.0%増)、営業利益665百万円(同36.7%増)となりました。
東南アジアは、売上高14,860百万円(同11.8%増)、営業利益1,770百万円(同62.5%増)となりました。
中国は、売上高11,307百万円(同3.1%減)、営業利益1,341百万円(同15.8%減)となりました。
その他は、売上高4,949百万円(同4.5%増)、営業利益90百万円(前年同期は105百万円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により5,230百万円増加、投資活動により3,142百万円減少、財務活動により3,398百万円減少しました。
この結果、前連結会計年度末に比べ269百万円減少し、当連結会計年度末には15,503百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、得られた資金は5,230百万円(前年同期は4,723百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4,638百万円、減価償却費が1,657百万円であったことに対して、法人税等の支払額が1,234百万円であったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、支出した資金は3,142百万円(前年同期は1,631百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が3,485百万円、有形固定資産の取得による支出が1,420百万円であったことに対して、定期預金の払戻による収入が2,388百万円であったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、支出した資金は3,398百万円(前年同期は3,646百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が1,942百万円、配当金の支払額が1,234百万円であったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比 |
|
|
(百万円) |
(%) |
|
日本 |
14,217 |
108.1 |
|
東南アジア |
13,018 |
108.6 |
|
中国 |
10,686 |
103.0 |
|
その他 |
3,433 |
102.4 |
|
合計 |
41,355 |
106.4 |
(注)金額は、販売価格によって表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
10,053 |
102.5 |
752 |
94.7 |
|
東南アジア |
14,936 |
112.7 |
1,053 |
107.8 |
|
中国 |
11,308 |
97.9 |
834 |
100.1 |
|
その他 |
4,912 |
102.9 |
352 |
90.5 |
|
合計 |
41,212 |
104.6 |
2,993 |
99.9 |
(注)金額は、販売価格によって表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) |
前年同期比 |
|
|
(百万円) |
(%) |
|
日本 |
10,096 |
104.0 |
|
東南アジア |
14,860 |
111.8 |
|
中国 |
11,307 |
96.9 |
|
その他 |
4,949 |
104.5 |
|
合計 |
41,214 |
104.6 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その具体的な内容につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たりまして、過去の実績や法制度の変更など様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確定要素が内在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、51,306百万円(前連結会計年度末48,410百万円)となり、2,895百万円増加いたしました。
流動資産の残高は、34,283百万円(前連結会計年度末32,450百万円)となり、1,833百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加(993百万円)及び有価証券の増加(500百万円)によるものであります。
固定資産の残高は、17,022百万円(前連結会計年度末15,960百万円)となり、1,062百万円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物(純額)の増加(705百万円)によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、9,733百万円(前連結会計年度末9,545百万円)となり、188百万円増加いたしました。
流動負債の残高は、8,356百万円(前連結会計年度末8,206百万円)となり、150百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(60百万円)、未払法人税等の増加(47百万円)及び賞与引当金の増加(42百万円)によるものであります。
固定負債の残高は、1,376百万円(前連結会計年度末1,339百万円)となり、37百万円増加いたしました。これは主に、リース債務(固定負債)が増加(114百万円)したこと、繰延税金負債が増加(76百万円)したことに対して、退職給付に係る負債が減少(137百万円)したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、41,572百万円(前連結会計年度末38,865百万円)となり、2,707百万円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定の増加(2,374百万円)、利益剰余金の増加(1,998百万円)及び自己株式の増加(1,942百万円)によるものであります。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、41,214百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
これらの要因につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、3,856百万円(同26.1%増)となりました。
これは主に、売上高の増加により売上総利益が1,135百万円増加したこと等によるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、4,655百万円(同23.5%増)となりました。
これは主に、営業外収益の為替差益が52百万円増加したこと、受取利息が46百万円増加したこと等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、3,234百万円(同26.5%増)となりました。
これは主に、特別利益の投資有価証券売却益が114百万円減少したこと、特別損失の減損損失が52百万円減少したこと、特別退職金が76百万円減少したこと等によるものであります。
以上により、税金等調整前当期純利益は、4,638百万円となりました。
法人税等については、前連結会計年度に比べて法人税、住民税及び事業税が70百万円増加、法人税等調整額が189百万円増加しました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、以下の経営ビジョンを掲げ、それらを基に策定した中期経営計画(2022年12月期~2024年12月期)を推進してまいりました。
1.コア技術であるソフトプレスを柱とした真のグローバル企業を目指す
2.中期経営計画(2022-2024)の位置付け:事業領域の転換を果たすための3年間とする
①拡大成長領域:自動車
②安定維持領域:OA機器
③変化対応領域:AV機器、通信機器、デバイス
3.当社グループ事業戦略の中核である製造拠点を、アジア中心から欧米エリアにも順次展開する
4.ステークホルダーとの良好な関係構築に努め、継続的な企業価値の増大を目指す
本年度は同計画の3年目となりました。円安影響などの要因もあり、OA機器向けでの売上が堅調に推移したものの、米国政策の不確実性や米中対立の激化、長期化するウクライナや中東での紛争による地政学リスクの拡大など、依然として先行きが不透明な状況が続いた影響などもあり売上高は計画比8.4%減となりました。
当社グループを取り巻く事業環境の変化は激しく、不透明な状況が続くことが予想される中で、ソフトプレスを柱としたグローバル企業を目指すことを指針とする中期経営計画(2025-2027)を策定いたしました。基本方針として「高付加価値ビジネスの拡大」を通じ、持続的な成長のために収益力の強化を図ることを掲げ、今期につきましては「高付加価値ビジネスの拡大」に取り組む最初の期として、①高付加価値ビジネスの拡大に向けた投資とインフラ整備、②売上高総利益率と平均単価の向上、③研修と教育制度の充実化による従業員の能力開発推進を重点施策として取り組んでまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度の経営成績等の前年同期比較については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等」に記載しております。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金及び設備投資(2025年12月期の設備投資予定は約18億円)によるものであります。
これらに必要な資金については自己資金をもって充当することを基本とし、必要に応じて銀行借入等を行うこととしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は1,412百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は15,503百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上を意識した経営を推進すべく、「自己資本利益率(ROE)」を経営指標として位置付けております。
当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は8.0%(前年同期比 1.3ポイント増加)となりました。高付加価値ビジネスを拡大させ、収益力を強化していくことで引き続き当該経営指標の改善に取り組んでまいります。
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
AE機器向けが引き続き好調のなか、OA機器向けも堅調に推移し、売上高は10,096百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は665百万円(前年同期比36.7%増)となりました。
(東南アジア)
OA・AV機器向けを中心に全体的に堅調に推移し、売上高は14,860百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益は1,770百万円(前年同期比62.5%増)となりました。
(中国)
主要分野は堅調に推移したものの、ゲーム・デバイス機器向けが落ち込み、売上高は11,307百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は1,341百万円(前年同期比15.8%減)となりました。
(その他)
OA・AV機器向けが低調だったものの、AE機器向けが増加し、売上高は4,949百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益は90百万円(前年同期は105百万円の営業損失)となりました。
なお、セグメントごとの財政状態につきましては、日本のセグメント資産は前連結会計年度より958百万円増加し、28,121百万円となりました。東南アジアのセグメント資産は前連結会計年度より788百万円増加し、12,851百万円となりました。中国のセグメント資産は前連結会計年度より1,240百万円増加し、12,854百万円となりました。その他セグメントの資産は前連結会計年度より372百万円増加し、5,975百万円となりました。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、経営活動の牽引的役割を担うべく、次世代ビジネスを含む、「事業領域の転換」に合わせて積極的な活動を行っております。
当期の具体的な取り組みとしましては、スーパーエンプラであるLCP(液晶ポリマー)樹脂のフィルム化、及び応用製品の開発を継続しており、これまで耐熱絶縁材料・耐熱工程部材・振動板への適用に加えて、楽器の部材、更に昨年上市した5G通信・ミリ波通信に要求される回路基板用低誘電フィルムに適用可能な「ペリキュールLCP0050BX-B」に併せて、薄膜品の「ペリキュールLCP0025BX-B」を上市し、スペックイン活動を展開しております。
今後の開発のターゲットとしましては、新たな中期経営計画における「高付加価値ビジネスの拡大」を踏まえ、熱対策・電波(5G対応)に向けた商品の開発を進めて行く予定です。
なお、研究開発活動につきましてはセグメント区分「日本」のみで行っており、当連結会計年度における研究開発費の総額は63百万円であります。
|
セグメントの名称 |
研究開発費(百万円) |
|
日本 |
|
|
合計 |
|