当事業年度における我が国経済は、政府や日本銀行による各種経済・金融政策等を背景に、企業収益や雇用環境に改善の動きがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、年明け以降、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速懸念、イギリスのEU離脱問題に端を発した株式市場や為替相場の急激な変動の影響など、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社におきましては、シース型の熱電対・ヒータ・信号ケーブルおよび電磁ポンプを軸とする溶融金属機器等の受注確保を図った結果、売上高は44億9千9百万円(前期比5.3%増)と増収となりました。
利益面におきましては、受注内容の変化に対応し、個人別稼働計画の推進等により社内の生産体制の最適化等を図ってまいりましたが、顧客の研究開発予算の縮小に伴う不採算案件の増加および不適合対策費用の発生等により、営業利益は3億3千2百万円(前期比0.6%減)、経常利益は3億1千9百万円(前期比4.5%減)、当期純利益は2億5百万円(前期比1.7%減)にとどまりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
エネルギー関連につきましては、研究開発機関向けの原子力関連製品が減少したことにより、売上高19億9千9百万円(前期比8.2%減)、セグメント利益(営業利益)2億6千万円(前期比37.5%減)となりました。
産業システム関連につきましては、FPD(液晶および有機EL)製造装置関連製品および自動車生産設備向け電磁ポンプが増加したことにより、売上高22億9千6百万円(前期比23.1%増)、セグメント利益(営業利益)3億9千4百万円(前期比65.9%増)となりました。
その他につきましては、採算性が悪化した飲食店舗1店舗を平成27年3月に閉鎖したことにより、売上高は2億4百万円(前期比11.3%減)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は2千1百万円(前期比496.9%増)となりました。
営業活動による資金の増加は、1億6千9百万円(前期は1千6百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権が増加(△258百万円)した反面、税引前当期純利益の計上(319百万円)、減価償却費の計上(129百万円)仕入債務の増加(95百万円)によるものであります。
投資活動による資金の減少は、2億1千6百万円(前期は1億7百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の売却及び償還による収入(94百万円)があった反面、有形固定資産の取得による支出(△283百万円)によるものであります。
財務活動による資金の減少は、2億2千万円(前期は1億4千8百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出(△153百万円)、配当金の支払額(△134百万円)によるものであります。
その結果、当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて2億6千8百万円減の8億9千6百万円となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
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エネルギー関連 |
1,872,552 |
80.8 |
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産業システム関連 |
2,382,264 |
119.0 |
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その他 |
4,929 |
85.0 |
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合計 |
4,259,746 |
98.5 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
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エネルギー関連 |
1,584,067 |
79.0 |
857,028 |
67.4 |
|
産業システム関連 |
2,301,428 |
105.5 |
722,340 |
100.7 |
|
その他 |
4,926 |
85.0 |
― |
― |
|
合計 |
3,890,422 |
92.8 |
1,579,368 |
79.4 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
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エネルギー関連 |
1,999,509 |
91.8 |
|
産業システム関連 |
2,296,068 |
123.1 |
|
その他 |
204,099 |
88.7 |
|
合計 |
4,499,677 |
105.3 |
比較的安全対策が容易で高レベル核廃棄物を出さないエネルギー源として期待されている核融合について、国際熱核融合実験炉(ITER)の運転開始が2020年から2025年へ延期されましたが、液体金属を利用したブランケット材の技術開発等の部分的な需要は高まるものと思われます。
また、中国をはじめとするアジアの企業による有機ELパネルの投資拡大が期待されるなど、FPD製造装置関連製品は引き続き好調に推移するものと思われます。
一方、従来の核分裂を利用した原子力関連需要につきましては、高速増殖炉関連も含め、依然として方向性が定まっていない現状から、今後も低調に推移せざるを得ない状況であります。
このような状況のもと、当社のコア技術を生かし、シース型の熱電対・ヒータ・信号ケーブル等の製品を、火力および風力発電、FPD製造装置および各種プラント等広範囲にわたり拡販すること、および、電磁ポンプを軸とする各種溶融金属機器の充実を図り、自動車生産設備向け電磁ポンプおよび核融合関連製品等の受注確保に注力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、本項における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1) 原子力産業分野への依存
当社は、国内の原子力発電に対する不安感、エネルギーの多様化、電力需要の伸び悩み等により、売上高の依存度が原子力産業分野に偏らないように、他の産業分野での受注、売上の拡大により力を注いでまいりましたが、現状でも全売上高の約26%を占めております。
平成23年3月11日に発生致しました福島第一原子力発電所の事故の影響から、原子力発電の縮小、凍結等が長期化しておりますが、今後さらに原子力産業分野の需要が減少した場合には、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 半導体およびFPD製造装置の需要
当社は、国内の景気および産業の動向等を踏まえて、産業システム関連分野での受注、売上増に重点を置いた営業展開を進めております。特に半導体およびFPD製造装置に使用される加熱装置、温度センサー等について、当社の固有技術であります加熱技術、温度計測制御技術等を応用した差別化製品や新製品を、個々の顧客のニーズに合わせて提案提供することにより、当分野の受注、売上の拡大をはかっております。従いまして、半導体およびFPD等の最終製品の需要の変動等により、国内の同製造装置および関連設備等の需要が下落した場合は、当社の業績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 技術およびコスト不確定性
当社は、エネルギー関連分野および産業システム関連分野で受注生産の形態をとっていますが、中にはこれまでに製作経験のない、技術的難度が高くかつ受注金額の大きい製品を受注する場合もあります。その結果として、受注時の技術的不透明性等により、想定外の多大な設計および製作コストが発生した場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 主要顧客への売上依存
当社は、主要顧客に対する売上高が、全体の約3割を占めております。従いまして、主要顧客におきまして、経営方針、調達方針等の変更等により、設備装置、材料部品等の調達先変更、調達量、金額等の大幅な縮小等が実行された場合は、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 生産拠点の集中
当社は、生産効率の向上、品質の一元管理、トータルコストの低減等の目的により、全売上高の約9割の生産を高萩工場に一極集中させております。従って、地震、火災等の災害および工場内の事故等により、当工場での生産能力に重大な支障が発生した場合は、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当社の研究開発の目標は、高度な技術開発力を必要とする製品に主眼をおいております。また、新製品、新技術につきましては、技術開発部が担当し、既存製品の改良のための各種検討については、技術本部が担当しております。
なお、当事業年度は、産業システム関連を中心に、研究開発費として7千2百万円投入いたしました。
当社に関する財政状態および経営成績の分析、検討内容は、原則として当事業年度末現在において分析したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社の財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債および収益・費用の計上および開示に関する経営者の見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当事業年度末における総資産は63億3千1百万円となり、前事業年度末に比べ3千8百万円増加しました。負債は26億6千8百万円となり前事業年度末に比べ1億6千3百万円増加しました。純資産は36億6千2百万円となり前事業年度末に比べ1億2千4百万円減少しました。
当事業年度末における資産、負債及び資本の状態に関する分析は以下のとおりであります。
(流動資産)
流動資産は、前事業年度末から2千9百万円減少し、38億1千4百万円となりました。これは主に、売掛金等の売上債権が増加した半面、現金及び預金、仕掛品が減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前事業年度末から6千7百万円増加し、25億1千6百万円となりました。これは主に、減価償却等による減少があった反面、建物等が増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前事業年度末から2億6千5百万円減少し、18億9千5百万円となりました。これは主に、支払手形が増加した半面、短期借入金が減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前事業年度末から4億2千9百万円増加し、7億7千3百万円となりました。これは主に、社債が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末から1億2千4百万円減少し、36億6千2百万円となりました。これは主に、当期純利益の計上があった反面、主に自己株式の取得、配当金の支払によるものであります。
(3)経営成績の分析
当事業年度における経営成績は、売上高は44億9千9百万円(前期比5.3%増)、営業利益は3億3千2百万円(前期比0.6%減)、経常利益は3億1千9百万円(前期比4.5%減)、当期純利益は2億5百万円(前期比1.7%減)となりました。
この要因については、セグメント別に、第2 事業の状況 1業績等の概要(1)業績に記載しております。
(4)キャッシュ・フローの分析
当事業年度末における現金及び現金同等物は、期首残高より2億6千8百万円減少し8億9千6百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因については、第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況に記載しております。