第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1. 経営方針

(1)会社の経営の基本方針

当社の得意分野である画像情報機器及びその周辺機器に経営資源を集中させ、開発力と技術サービス力の一層の向上を図り、お客様に満足していただける製品をタイムリーに供給して世界の市場で信頼に応えうる企業グループの確立を通して、企業価値の増大を図り、社会に貢献することを経営の基本方針としております。

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、「売上高」・「売上総利益」・「営業利益」を重要な指標として位置づけ、高い成長性を確保する観点から売上高を重視し、成長性向上を継続していくために売上総利益率25%以上を目標とし、事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努め、企業価値の継続的な拡大を目指しております。

(3)中長期的な会社の経営戦略

  ① 販売力の増強

当社グループは、迅速かつ正確な有益情報の交流と相互活用を強化し、販売形態や商品構成を常に見直しCS(顧客満足度)を高めます。

  ② 現行分野の応用及び新事業の推進

厳しい競争において、現行分野に近い技術の応用や独自性ある技術を応用した新たな開発力で商品を多様化させ、一層優位性あるシステム構築を行い、モノ作りに関する人材の育成と創造を図ります。

  ③ 環境側面の充実

迅速・正確・効率を重視した高度ネットワーク技術を導入して生産・販売体制を整備し、競争力や販促活動を強化して利益を確保いたします。

(4)会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻くビジネス環境は、国内外の設備投資抑制による受注獲得に向けた価格競争圧力が常に存在し、企業の収益面を圧迫する厳しい事業環境は、中長期の視点で見ても一層激しさを増していくと思われます。

当社グループは、製品技術・開発競争等多様化する顧客要求への対応に、コスト・安定性・操作性・耐久性などで競争力のある製品開発を行い、部品等の海外調達や設計の見直しなどによる材料費の低減、生産ラインの時間短縮などの効率性向上により製造原価低減を図り、販売を伸ばすために新規マーケットの開拓等による販売拡大を図ってまいります。

また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、世界規模で経済活動が抑制され、収束が見通せないなか、当社グループにおいても、国内外で設備投資を先送りする動きが出てくるものと思われ、厳しい経営環境に置かれ予断を許さない状況が継続するものと思われます。

当社グループは、事業の継続とお得意先、お取引先、従業員及び家族の健康・安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでおります。収束時期については、少なくとも年内は影響を受けるものと想定としておりますが、従来とは異なるグローバル化、事業活動、働き方のあり方を模索する必要があると考えております。

当社グループは、各対応策を実施し、今後の価格競争に耐えうるコスト構造の構築により、売上高の拡大を目指すとともに、顧客満足度を追求した製品を提供できるよう一層の技術開発の研鑽に励んでまいります。

 

2. 経営環境及び対処すべき課題等

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、前連結会計年度に営業損失6億15百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失7億22百万円を計上しておりました。

当連結会計年度においても、依然として営業損失8億63百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失10億91百万円を計上している状況であること等から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるものと認識しております。

当社グループにおける経営環境は、新型コロナウイルス感染症による影響や、競合他社との企業間競争の激化や為替の変動、部材等の価格高騰などにより、当社グループの業績において受ける影響は大きく厳しい状況で推移するものと見ておりますが、国内・海外の事業の選択と集中をさらに進め、安定的で収益性の高い事業の維持を目指し、今後成長が見込める分野や市場の開発及び進出も積極的に推進してまいります。また当社グループでは、海外販社及び関連会社の再組織化を行い、物流・販売・サポート体制を一新し、年次毎に各社業績の向上効果を確認しております。今後も業績向上のため必要な再編と投資を実施し、当該事象又は状況を早期に改善、解消すべく、グループの収益力向上及び財務体質強化を図り、安定した経営基盤を築くために、以下の対応策に取り組んでまいります。

 

(1)収益構造の改善

① 国内外の販売会社を含めた営業体制及び営業活動の強化を図り、グローバル市場での売上規模の拡大及び新興国への拡販強化を実施してまいります。

② 販売子会社及び関連会社において、市場での競合性及び運営コストの削減を図るために過去の実績に応じた販売拠点の統合や再編を行い、また、顧客管理の簡易性と満足度向上のためe-コマースの導入を行ってまいります。

③ 当社内の既存技術に捉われることなく、他の技術を使用した製品と市場への接触を進めてまいります。

④ 仕入原価の低減や物流コストの低減など、変動費の削減を強化してまいります。

⑤ 管理業務の効率化を図り、固定費削減を含むコスト管理を引き続き強化してまいります。 

⑥ 徹底した在庫管理を目指し、在庫の削減を含めた管理及び購入調整を強化し、キャッシュ・フローの改善を図

   ってまいります。

 

(2)生産構造改革

① 製品等の部材調達につきましては、国内及び海外での部材調達の最適化を目指し、コスト削減を図ってまいります。

② 生産工場の統廃合などの検討を積極的に進め、生産設備を集約し人員集約などにより固定費を削減してまいります。

 

(3)技術開発部門等の業務改革

当社の開発部門においては、機械系、光学系、電気系、ソフトウェア系など専門設計者との多様な設計情報を共有化し、厳しい競争において、いかに早く、品質の良い売れ筋の製品を出すかという課題の中、新製品の開発力の向上とタイムリーな市場投入をさらに強化するとともに、開発計画の厳守及び技術開発コスト削減の徹底を実施してまいりました。

また、モノ作りに関する人材・技術双方の育成と創造にも努めてまいりました。

更に当期から「業務改革プロジェクト」を立ち上げ、新製品の企画・開発・量産のコスト管理、サービス部品供給までの各部門の業務を見直すなど、これまでの情報の共有化も含めて部門間での横断的な取り組みを進めてまいります。これにより更なる原価管理、開発期限の厳守などに注力してまいります。

なお、個々の製品に関する研究開発投資につきましては、メーカーの生命線であるとの認識のもと、その投資内容をより一層厳選し、重点的な投資を実行してまいります。

 

  (4)組織体制の見直し及び人員削減等による合理化

① 事業規模に応じた経営の効率化を図るうえで、人員体制の機動的な対応の一つとして「希望退職の募集」による人員の適正化による人件費やコストの抑制にも努め、必要に応じて組織体制及び人員配置の更なる見直しを実施してまいります。 

   また、人材の能力を高めるための人事施策として、従業員のビジネススキルや仕事に対する動機付けの向上などを教育や訓練を通して実現し、仕事の質を向上させるよう人材開発に取り組んでまいります。

② 経営責任として、これまで実施しております役員報酬の減額に加え、従業員の賞与について減額を引き続き実施してまいります。

 

(5)新規事業等の取組み

当社はこれまで「新規事業等の開拓」として、新たな収益源の確保を目的に、本業の拡大を図りながら多岐に渡り新規アイテムを模索し、幾つかのアイテムにおきましては、具体的な検討も行うなど、新規事業を経営の安定化につながる重要な要素のひとつとして取組んでまいりました。この結果、これまで長年培ってきた電子写真技術を駆使した「産業用プリント分野」への改革と付加価値の高い製品として研究を進めてまいりました。

産業用プリント分野の新たな製品として昇華転写プリンタやセラミック用途向けデカールプリンタは、すでに海外や国内でのビジネスショーにおいて大変高い評価をいただきまして、現在、量産品として販売を開始しております。

更に中期的には当社保有技術を応用拡張し、その有効利用に資源を集中させ、新たなビジネスに挑む方向で具体的な組織づくりを行ってまいります。また、長期的には他分野での事業展開を行なう上で、技術パートナーとの協調も視野に入れる等、より広い分野での更なる検討を進め、ビジネスモデルの変革を目指してまいります。

 

(6)固定資産の有効活用

生産拠点での生産効率の向上やコスト削減を図るため、固定資産の有効活用に注力してまいります。設備投資につきましては、投資後も減価償却、保全、改良などが必要となり、初期投資だけでない維持・運用のための財務的な負担も考慮し、自社の設備保全に要するコストを削減し、かつ設備の余寿命を延ばし、結果として設備の稼動を向上させる方法を検討してまいります。

 

(7)資金繰り

当社グループは、事業目標に応じた効率的なコスト削減に取り組み、事業及び運転資金の安定的な確保と維持に向け、グループ内の資金を最大限に有効活用してまいります。現状におきましては、厳しい事業環境を乗り越えるための資金繰りに支障はないと判断しておりますが、新製品開発に伴う手元資金の必要性に基づき、その他の関係会社の株式会社三桂製作所から、令和元年12月に2億4千万円の資金を調達いたしました。また、取引金融機関に対しましては、固定資産の有効活用に関する相談等で、引き続きご協力を賜りますよう協議を進めてまいります。

 

以上の施策を実施するとともに、今後も引続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業は、下記に記載する様々なリスクに晒されており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また、発生した場合は迅速・的確に対処する方針であります。ただし、全てのリスクを網羅している訳ではありませんので、当社株式への投資判断は、本項及び文書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業の展開について

当社グループの事業活動は、米国をはじめ欧州など世界各地に展開しております。これらの海外市場への進出には、政治的または経済的要因の発生、予期しえない法律や規制、不利な影響を及ぼす租税制度上の変更、人材雇用の難しさ、テロや新型コロナウイルス感染症の拡大等の要因による社会的混乱、事業環境や競合他社との状況の変化等、リスクが顕在化する可能性があります。これらのリスクにより当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)為替レートの変動について 

当社グループは、アメリカを中心として世界各国の主要な得意先と現地通貨建てで取引を行っているために、為替変動の影響を強く受けております。

当社グループの業績等において、円高は悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。このため、為替差損益がなるべく生じないよう管理し、短期債権は状況に応じて為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、大幅な為替変動が生じた場合など、完全な管理は困難であるため、当社グループにおいて為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。

 

(3)新製品開発力について

当社グループでは、最先端の技術を導入し新製品の開発に努めておりますが、業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客の要望にあった新製品をタイムリーに開発できない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)価格競争について

当社グループが属する事務機器業界は、技術的な進歩による急速な変化と共に厳しい価格競争に晒されるリスクが増大しています。当社グループは利益率の低下に対処すべく、原価低減などに取り組んでおりますが、予想外の価格競争になった場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)原材料等仕入価格の動向について

当社グループは、各製品のコスト削減に努めておりますが、主な材料は鋼材、アルミ材、プラスチック材等であり素材価格等が需要増により高騰しているため当社が仕入れる加工部品の仕入価格も高騰しております。このため、製品原価が上昇している中、為替の大幅な変動や価格競争の激化で販売価格への転嫁が難しい状況にあり、これが当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)生産能力等について

当社グループでは、各製品について顧客の受注に応える十分な生産能力の確保に努めておりますが、何らかの要因により、生産上の問題が発生したり新規設備の立ち上げが遅れるようなことがあれば、得意先への影響や競合他社のシェア拡大等の恐れがあり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)製品の品質について

当社グループでは、生産工程の見直しや品質チェックの徹底により、製品における瑕疵をなくし、高水準の品質を維持し向上させることに努めております。ただし、これらの製品については高い精度が求められていることから、万一、品質問題が発生し、リコールなどの責任が問われる場合は、回収費用等の発生に加え、顧客の信頼を著しく損ない、その内容によっては、損害賠償責任が発生する可能性があります。

 

(8)新規事業について

将来の成長のために新規事業は重要ですが、有望な新規事業の目途が付かない場合は、当社グループの成長が計画どおり進まない可能性があります。

 

(9)人材の確保について

当社グループは、お客様に満足していただける商品の開発や商品とサービスの継続的な提供を支える「人材の確保と育成」が重要な課題であると考え、従業員教育の徹底や必要な資格取得の奨励など、当社グループ事業の発展に貢献する人材育成を行っております。しかし、幹部社員に代表される専門的な知識、技術、経験を有している役職者が、何らかの理由によって退職し、後任者の採用が困難となった場合、競争力の低下や事業目的の達成が困難になるなど、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

(10)自然災害等について

当社グループは、日本を基盤として世界各国に販売展開しています。自然災害等に対しては緊急時の社内体制を整備していますが、日本や各国での大規模な地震、暴風、大雨などによる洪水等の自然災害やパンデミック(感染爆発)等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員・事業所・設備や管理システムなどに対する被害が発生し、事業活動に支障や制約が生じる可能性があります。

当社グループでは、社員の安否確認のための緊急連絡網の導入や災害対策マニュアルの策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との情報共有などの対策を講じ災害等に備えておりますが、全ての被害や影響を回避出来るとは限らず、発生時には当社グループの業績に影響を受ける可能性があります

  (新型コロナウイルス)

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症への対策として、社員の安全を第一に考え感染拡大を防ぐために、海外渡航の原則禁止、国内での移動自粛、時差出勤や一部テレワーク(在宅勤務)を導入するなどの対応を行ってまいりました。

新型コロナウイルス感染症は世界的に拡大しており、世界経済や市場への悪影響を及ぼしていますが、今後の感染拡大の規模や収束の時期についての見通しは未だ立っておりません。収束までの期間が長引くことにより、経済活動の縮小や設備投資の鈍化が継続していく場合、当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)減損会計について

当社グループは、固定資産につきましては取得時に資産性を慎重に判断した上で資産計上しておりますが、取得時に見込んでいた将来キャッシュ・フローが十分に得られない場合、または回収可能性に疑義が生じた場合には、減損損失の認識を行っております。今後の事業展開や収益確保の状況によって、追加的に多額の減損損失の計上を行う場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)税務について

当社グループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額を計算し、適正な納税を行っており、適用される各国の移転価格税制など国際税務のリスクについても注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により、追加課税が発生する可能性があります。

 

 

(13)継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、前連結会計年度に営業損失6億15百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失7億22百万円を計上しておりました。当連結会計年度においても、依然として営業損失8億63百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失10億91百万円を計上している状況であること等から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるものと認識しております。

当該状況等を解消し、又は改善するための対応策は、「1(経営方針、経営環境及び対処すべき課題等)」に記載のとおりであり、現在、これらの対応策を進めておりますが、これらの改善策を実施してもなお、当社グループにおける今後の売上高及び利益の回復は、受注動向や為替の影響等、経済環境に左右され確信できるものではなく、また、売上高の回復が資金計画にも重要な影響を与える等から、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社及び連結子会社(以下「当社グループ」)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(平成31年4月1日から令和2年3月31日まで)におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、10月からの消費税増税や相次いだ国内の自然災害の影響により消費マインドは冷え込み、さらに年明け以降は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受け経済活動は大幅に縮小し、収束に向かう見通しも立たないまま実体経済への影響がどこまで下押しされるか等、予断を許さない状況で推移いたしました。

一方、世界経済は総じて堅調に推移してきたものの、長期化する米中の貿易摩擦や英国のEU離脱問題など世界経済をめぐる懸念がある中、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界の経済活動は抑制され、景気は大きく後退する状況で推移いたしました。

こうした環境下にあって当社グループは、長年培ってきた電子写真技術を駆使した昇華転写プリンタやセラミック用途向けデカールプリンタを開発、新たな分野への改革と付加価値の高い製品として、新規市場への参入を図り、将来的には主要な製品群のひとつとして売上げに大きく貢献できるよう、新たなユーザーに向けて各種展示会等に出展するなど普及に努めてまいりました。

一方、競合他社との企業間価格競争は依然として激化しており、現行のモノクロ機や利益率の高いパーツ・消耗品も前年度の売上げを下回る結果となりましたが、下期においては、北米の売上げに回復基調が見られたものの、今年度より販売開始を予定していた大判型カラープリンタは、原価の見直しや開発において時間を要したために本格的な販売までに至らず、北米市場及び欧州市場への導入が次期へと遅れたことも売上げが大きく落ち込む要因となりました。 

このような結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比して12.4% 減少の71億69百万円(前連結会計年度は81億86百万円)と大きな減収となりました。

利益面につきましては、売上高の大きな減収に加え、原価の改善を強く推し進めて参りましたが、諸経費の削減に努めたものの大きく低減出来るまでには至らず、当連結会計年度の営業利益は8億63百万円の営業損失(前連結会計年度は6億15百万円の営業損失)、経常利益は営業外費用に為替差損32百万円等を計上したことにより8億78百万円の経常損失(前連結会計年度は6億4百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失に早期退職による特別退職金18百万円、欧州各子会社における固定資産の減損損失1億51百万円等を計上したことから10億91百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は7億22百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)といずれも損失を計上する結果となりました。

なお、当社グループの事業は、画像情報機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比して6億83百万円減少して16億64百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果、資金は6億60百万円の減少(前連結会計年度は2億48百万円の減少)となりました。この主な要因は、減価償却費2億77百万円、減損損失1億51百万円、売上債権の減少1億47百万円等による資金の増加はありましたが、税金等調整前当期純損失10億45百万円、仕入債務の増加1億78百万円、その他1億60百万円、たな卸資産の増加55百万円等による資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果、資金は54百万円の減少(前連結会計年度は1億14百万円の減少)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却等による収入53百万円はありましたが、有形固定資産の取得による支出1億19百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、資金は61百万円の増加(前連結会計年度は2億69百万円の減少)となりました。この主な要因は、リース債務の返済による支出1億6百万円、長期借入金の返済による支出72百万円による資金の減少はありましたが、長期借入金2億40百万円の資金の増加によるものであります。

 

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

第71期

平成28年3月

第72期
平成29年3月

第73期
平成30年3月

第74期
平成31年3月

第75期
令和2年3月

自己資本比率(%)

72.1%

66.3%

72.6%

73.2%

66.5%

時価ベースの自己資本比率(%)

13.5%

15.8%

24.1%

18.7%

11.8%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

-年

0.1年

-年

-年

-年

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

-倍

8.0倍

-倍

-倍

-倍

 

(注) 1 各指標の算出方法は以下のとおりです。

          自己資本比率:自己資本/総資産

          時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

          キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

          インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

   2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

   3 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式総数により計算しております。

   4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象として

     おります。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

    5  平成28年3月期、平成30年3月期、平成31年3月期、令和2年3月期の営業キャッシュ・フローはマイナスのた

      めキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしておりますが、事業部門別に示すと生産実績は、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

大判型デジタル機器

4,475,313

△15.6

マイクロモーター

-

-

合計

4,475,313

△15.6

 

(注)

1

金額は、製造原価によっております。

 

2

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(b) 受注実績

当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしておりますが、事業部門別に示すと受注実績は、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

大判型デジタル機器

6,118,478

△22.4

61,699

△41.1

マイクロモーター

227,485

3.2

28,073

16.2

合計

6,345,964

△21.7

89,773

△30.3

 

(注)

1

上記の金額は、消費税等は含まれておりません。

 

2

当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、画像情報機器の大判型デジタル機器において、既存の製品及び新製品の注文が減少したことによるものです。

 

 

(c) 販売実績

当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしておりますが、事業部門別に示すと販売実績は、次のとおりであります。

 

事業部門の名称

金額(千円)

前期比(%)

大判型デジタル機器

6,945,887

△12.8

マイクロモーター

223,572

0.6

合計

7,169,459

△12.4

 

(注)

1

金額は、販売価格によっております。

 

2

上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3

当連結会計年度及び前連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、すべて10%未満のため、記載を省略しております。

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、これらについて継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

 

 

前連結会計年度
平成31年3月31日

当連結会計年度
令和2年3月31日

増減(△)率

資産の部

9,242,613千円

8,366,964千円

△9.5%

負債の部

2,479,836千円

2,798,464千円

12.8%

純資産の部

6,762,776千円

5,568,499千円

△17.7%

 

(資産の部)

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比して8億75百万円減少し83億66百万円となりました。

流動資産につきましては、前連結会計年度末に比して7億38百万円減少し55億60百万円となりました。

 これは主として、現金及び預金で6億83百万円、受取手形及び売掛金1億55百万円が減少したことによります。

固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して1億37百万円減少し28億6百万円となりました。

有形固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して33百万円減少し14億70百万円となりました。

これは主として、減損損失1億51百万円を計上したことによります。

無形固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して24百万円減少し29百万円となりました。

これは主として、減価償却費を計上したことによります。

投資その他の資産につきましては、前連結会計年度末に比して79百万円減少し13億6百万円となりました。

これは主として、投資有価証券82百万円等が減少したことによります。

 

(負債の部)

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比して3億18百万円増加し27億98百万円となりました。

流動負債につきましては、前連結会計年度末に比して73百万円増加し20億56百万円となりました。

これは主として、支払手形及び買掛金73百万円等が増加したことによります。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比して2億44百万円増加し7億41百万円となりました。

これは主として、関係会社長期借入金1億68百万円、その他1億1百万円等が増加したことによります。

 

(純資産の部)

純資産につきましては、前連結会計年度末に比して11億94百万円減少し55億68百万円となりました。

 これは主として、為替換算調整勘定31百万円、利益剰余金11億15百万円が減少したことによります。

 

(b)経営成績の分析

 

 

前連結会計年度

(自平成30年4月1日

平成31年3月31日)

当連結会計年度

(自平成31年4月1日

令和2年3月31日)

増減(△)率

売上高

8,186,002千円

7,169,459千円

△12.4%

売上総利益

2,151,698千円

1,762,271千円

△18.1%

営業損失(△)

△615,041千円

△863,998千円

-

経常損失(△)

△604,617千円

△878,141千円

-

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△722,175千円

△1,091,759千円

-

 

 

(売上高)

  主な要因といたしましては、競合他社との企業間価格競争は依然として激化しており、現行のモノクロ機や利益率の高いパーツ・消耗品も前年度の売上げを下回る結果となりました。期の後半においては、北米の売上げに回復基調が見られましたものの、今年度より販売開始を予定していた大判型カラープリンタは、原価の見直しや開発において時間を要したために本格的な販売までに至らず、北米市場及び欧州市場への導入が次期へと遅れたことも売上げが大きく落ち込む要因となりました。当社グループにおける当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比して、12.4%減少の71億69百万円(前連結会計年度は81億86百万円)となりました。

 

(売上総利益)

 売上総利益は、目標としている売上総利益率25.0%を前連結会計年度は26.2%と上回りましたが、当連結会計年度は、付加価値の取れるパーツ・消耗品が振るわず、売上高が前連結会計年度と比較し12.4%の落ち込みとなり、その影響から売上総利益率も24.6%と落ち込み、17億62百万円の売上総利益(前連結会計年度は21億51百万円の売上総利益)となりました。

 

(営業損益)

 営業利益は、売上面において、シェア拡大のための競合他社との企業間競争の激化や利益率の高いトナーなど消耗品等の販売低下等により大きな減収となり、売上総利益も大きく落ち込みました。生産面においては、台湾工場での現地生産及び材料調達のコスト構造や業務プロセスを改革、コストダウン強化を推し進めて参りましたが、大きく原価を低減できるまでには至りませんでした。販管費においては、前連結会計年度より削減となったものの効果は薄く、このようなことから利益面では前年を大きく落ち込み当連結会計年度の営業利益は8億63百万円の営業損失(前連結会計年度は6億15百万円の営業損失)となりました。

 

(経常損益)

 経常利益は、営業外収益に為替差損32百万円を計上したこと等により、8億78百万円の経常損失(前連結会計年度は6億4百万円の経常損失)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 利益は、特別損失に販売子会社の減損損失1億51百万円、特別退職金18百万円を計上したことから10億91百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は7億22百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と損失を計上する結果となりました。

 

(c)キャッシュ・フローの分析

  当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

(d)資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループが必要とする資金需要のうち主なものは、原材料や商品の仕入等の購入費用、開発費、人件費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金や投資を目的とした設備投資等資金であります。基本的には営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を財源としており、状況に応じて金融機関等からの調達を行うこととしております。

  当社グループは、事業運営において必要な流動性資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関等からの長期借入を基本としております。

  なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16億64百万円となっており、現在の現金及び現金同等物の残高水準については、当面事業を継続していくうえで必要な流動性を確保しているものと考えております。

 

(3)継続企業の前提に関する重要事象等についての分析、検討内容及び解消、改善するための対応策

当社グループは、「第2(事業の状況)2(事業等のリスク)(13)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 

当該状況等を解消し、又は改善するための対応策として、次について取り組んでおります。 
① 収益構造の改善、② 生産構造改革、③ 技術開発部門等の業務改革、④ 組織体制の見直し及び人員削減等による合理化、⑤ 新規事業等の取組み、⑥ 固定資産の有効活用、⑦ 資金繰りについて

当社グループの対応策の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、市場やお客様の要望や期待を的確に把握して、お客様の期待を超える高品質・高性能かつ安全性の高い商品を開発し提供することにより、お客様の満足を得ることを基本理念としております。この理念に基づき、積極的な研究開発活動を推進しております。

(1)大判プリンタ

成長性が見込める市場要求が大きいカラープリンタのラインナップ充実化を進めています。

当期に上市しました普及型中速モデルの後継機の位置づけの新製品として、さらに最新の技術を採用して、より幅広い顧客ニーズに応えてまいります。また、すでに導入を行い高い信頼性と技術力の高い評価を得ている安定した画像品質とオゾン発生が大幅に低減でき、環境面に貢献する帯電ローラ方式と転写ベルトの安定走行制御を可能にしたアクティブスキュウ制御技術を柱に搭載を行い製品のスペック向上を進めています。さらに高印字、ポスター画像などに対する安定的な画像品質やトナーカートリッジの交換が必要な場合でもプリンタを停止することなく連続運転が可能に出来るような新規採用技術システムに取り組んでいます。安定的な市場性が見込めるモノクロプリンタは、さらなるコストダウンを徹底的に追及し、製品付加価値を高めることで競争力の向上に取り込んでいます。今後もますます顧客満足度を高めるため、市場、顧客ニーズ、期待をより的確に把握をし、高品質で価格競争力を持った製品開発を行ってまいります。   

 

(2)新規事業

産業機器分野への新規市場参入と製品用途拡大を図るため、繊維、セラミック、建材用途などの多種多様な加工製品に対し既存技術、先行技術およびシステムの導入、応用を行い、付加価値の高い製品開発を検討しています。ドライトナーを使用した印刷技術により材料から2次-3次加工に至るまで、前処理不要の印刷用紙が使用可能、様々な特殊素材への加工が可能となるなど、具体的な特長を備える事により様々な産業製品への展開が可能となります。また新規市場におけるビジネス実現性を高めるため、業界とパートナーを組む事により顧客ニーズ・ターゲットの明確化を行うと共に、自社製品のみならず客先工程にも配慮し、生産面、環境面において大小ロット品種選択が可能、遠隔操作での印刷化、排水レス、印刷乾燥工程及び専用処理剤を不要とするなど、利便性、省人化、省スペース化、省エネ化を実現するための開発を行い、印刷から加工、最終成果物に至るまでのトータルシステムとしての特長を提案し業界への参入、システムのスマート化、加工設備の汎用化も図る事により競合他社との差別化も図っています。

 

(3)環境対応

当社グループは、環境マネジメントシステムISO14001を取得しており、環境問題意識を経営方針に取り入れております。その方針に基づいて、PDCAを繰り返し実践することで継続的な改善を目指しています。製品開発での現場において、環境負荷や環境リスクを低減し、その発生を防止するための行動を継続的に改善してまいりました。具体的な環境負荷低減の取り組みとして、開発段階より環境に配慮した設計基準を基に省資源化、廃棄物の削減、等に取り組み、省エネルギー化においては国際エネルギースターの取得を標準化しており、環境負荷の少ない製品作りを目指し開発を行ってまいりました。また、調達面においては、主要各国の最新の規制動向を取り入れた「桂川電機グリーン調達部品納入基準」を随時改版運用し、素材や部品の段階から環境に影響を及ぼす化学物質の排除に取り組んでおり、この基準は当社の製品、消耗部品、保守部品を構成するすべての部品、原材料、包装資材および副資材に含有する化学物質について、使用禁止物質および使用管理物質を明確にして製品の環境負荷の低減を目的としております。これからも引き続き地球環境保全を考えた環境にやさしい製品の開発製造を進めてまいります。

当連結会計年度の研究開発費は293百万円であります。