文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1. 経営方針
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、自然・環境を大切にとの理念に基づき「Nature Mind Technology」の標語のもと、環境に与える影響を考慮した製品づくりを基本方針とし、独自のKIP電子写真方式による画像情報機器およびその周辺機器に経営資源を集中させ、不動産業界、建築・設計業界、広告・デザイン業界、教育機関、公共施設のお客様の作業の効率化や生産性向上の側面で少しでもお役に立ちたいという精神で取り組んでおります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、経済価値と社会価値の追求から従来からの財務的指標の「売上高」・「売上総利益」・「営業利益」の重要指標の他、非財務的指標として「従業員満足度」および「CO2排出量削減率」を挙げております。
なお、財務的指標につきましては、これまでと同様、高い成長性を確保する観点から、売上高を重視し成長性向上を継続していくために、売上総利益率25%以上を目標として、事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努め、企業価値の継続的な拡大を目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 販売力の増強
当社グループは、迅速かつ正確な有益情報の交流と相互活用を強化し、販売形態や商品構成を常に見直しCS(顧客満足度)を高めます。
② 現行分野の応用及び新事業の推進
厳しい競争において、現行分野に近い技術の応用や独自性ある技術を応用した新たな開発力で商品を多様化させ、一層優位性あるシステム構築を行い、モノ作りに関する人材の育成と創造を図ります。
③ 環境側面の充実
迅速・正確・効率を重視した高度ネットワーク技術を導入して生産・販売体制を整備し、競争力や販促活動を強化して利益を確保いたします。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻くビジネス環境は、国内外の設備投資抑制による受注獲得に向けた価格競争圧力が常に存在し、企業の収益面を圧迫する厳しい事業環境は、中長期の視点で見ても一層激しさを増していくと思われます。
当社グループは、製品技術・開発競争等多様化する顧客要求への対応に、コスト・安定性・操作性・耐久性などで競争力のある製品開発を行い、部品等の海外調達や設計の見直しなどによる材料費の低減、生産ラインの時間短縮などの効率性向上により製造原価低減を図り、販売を伸ばすために新規マーケットの開拓等による販売拡大を図ってまいります。また、今後は各種感染症が社会に存在する前提で経済活動を進めていく必要がありますが、当社グループを取り巻く経済環境は、依然として厳しく予断を許さない状況が継続するものと思われます。
当社グループは、各対応策を実施し、今後の価格競争に耐えうるコスト構造の構築により、売上高の拡大を目指すとともに、顧客満足度を追求した製品を提供できるよう一層の技術開発の研鑽に励んでまいります。
2. 経営環境及び対処すべき課題等
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、前連結会計年度に営業損失7億51百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失6億59百万円を計上しておりました。
当連結会計年度においては、営業利益13百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益1億84百万円を計上している状況であること等から、業績は急回復しており前期までの継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は、解消しているものと認識しております。
当社グループにおける経営環境は、各種感染症が社会に存在する前提で経済活動を進めつつありますが、競合他社との企業間競争の激化や為替の変動、部材等の価格高騰などにより、当社グループの業績において受ける影響は大きく厳しい状況で推移するものと見ておりますが、国内・海外の事業の選択と集中をさらに進め、安定的で収益性の高い事業の維持を目指し、今後成長が見込める分野や市場の開発及び進出も積極的に推進してまいります。また当社グループでは、海外販社及び関連会社の再組織化を行い、物流・販売・サポート体制を一新し、年次毎に各社業績の向上効果を確認しております。今後も業績向上のため必要な再編と投資を実施し、グループの収益力向上及び財務体質強化を図り、安定した経営基盤を築けるよう取り組んでまいります。
当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が社会の持続的な発展に貢献出来るように目指すことであります。そして、その実現に向けて、株主はもちろん、顧客や取引先、従業員が、環境や社会との繋がりも非常に重要であると考え、サステナビリティを重視した経営を実践してまいります。
その実践に際しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載しておりますように、当社グループのビジネスである画像情報機器及びその周辺機器に経営資源を集中させ、人的資本により
●ビジネスを通して財務資本を
●技術開発を通して知的資本を
●顧客を通して社会関係資本を
創造、増大させてまいります。それにはまず最も基本となる人的資本を最重要視して投資を行い、持続的に人的資本やその他の資本を増強し続けることで、サステナビリティを実践してまいります。
また、開示に当たっては、国内外のサステナビリティ開示で広く利用されている「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の4つの構成要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標)に基づき、取り組みの開示を進めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ガバナンス/リスク管理
サステナビリティ経営を図っていくために、総務・人事管理本部内にサステナビリティ推進室等を設置しており、リスク等の抽出・対策を立案し対処する環境の整備を進めております。なお、特に重要性が高いと思われる事項については経営幹部による検討の上、取締役会にて決定いたします。

現在、サステナビリティ経営を進めていくために、当社および国内連結子会社(注)(1社:株式会社ケイアイピー)では、「桂川電機グループ行動規範-人権の尊重と多様化」に従い、従業員満足度向上に向けた方針策定を進めております。人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する戦略では、フレキブルな勤務形態の提供という側面から、社内環境整備に取り組みました。これはコロナ禍でのテレワークの経験を基に、女性だけでなく男性も含めたすべての従業員に対し、育児や介護をはじめとする様々な事情を考慮した取組みになります。
その取組みの一つは、『「テレワーク東京ルール」実践企業宣言』で下記の宣言をしております。
●育児・介護中のテレワーク勤務を推奨します。
●地震等の災害時に社員の安全を考慮しつつ、事業継続を実施します。
また、将来の幹部候補として副部長のポスト、管理職候補として課長代理のポストに就いている女性も複数名出てきており、女性が一層活躍できる育成等を含めた環境整備を進めてまいります。
(注)海外連結子会社については、法律、文化、社会的背景の違いから含めておりません。
当社グループの事業は、下記に記載する様々なリスクに晒されており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また、発生した場合は迅速・的確に対処する方針であります。ただし、全てのリスクを網羅している訳ではありませんので、当社株式への投資判断は、本項及び文書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)事業の展開について
当社グループの事業活動は、米国をはじめ欧州など世界各地に展開しております。これらの海外市場への進出には、政治的または経済的要因の発生、予期しえない法律や規制、不利な影響を及ぼす租税制度上の変更、人材雇用の難しさ、テロや各種感染症の拡大要因による社会的混乱、事業環境や競合他社との状況の変化等、リスクが顕在化する可能性があります。これらのリスクにより当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替レートの変動について
当社グループは、アメリカを中心として世界各国の主要な得意先と現地通貨建てで取引を行っているために、為替変動の影響を強く受けております。
当社グループの業績等において、円高は悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。このため、為替差損益がなるべく生じないよう管理し、短期債権は状況に応じて為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、大幅な為替変動が生じた場合など、完全な管理は困難であるため、当社グループにおいて為替相場の変動に応じて為替差損益を計上する可能性があります。
(3)新製品開発力について
当社グループでは、最先端の技術を導入し新製品の開発に努めておりますが、業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客の要望にあった新製品をタイムリーに開発できない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争について
当社グループが属する事務機器業界は、技術的な進歩による急速な変化と共に厳しい価格競争に晒されるリスクが増大しています。当社グループは利益率の低下に対処すべく、原価低減などに取り組んでおりますが、予想外の価格競争になった場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)原材料等仕入価格の動向について
当社グループは、各製品のコスト削減に努めておりますが、主な材料は鋼材、アルミ材、プラスチック材等であり素材価格等が需要増により高騰しているため当社が仕入れる加工部品の仕入価格も高騰しております。このため、製品原価が上昇している中、為替の大幅な変動や価格競争の激化で販売価格への転嫁が難しい状況にあり、これが当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)生産能力等について
当社グループは、各製品について顧客の受注に応える十分な生産能力の確保に努めておりますが、何らかの要因により、生産上の問題が発生し新規設備の立ち上げが遅れるようなことがあれば、得意先への影響や競合他社のシェア拡大等の恐れがあり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品の品質について
当社グループでは、生産工程の見直しや品質チェックの徹底により、製品における瑕疵をなくし、高水準の品質を維持し向上させることに努めております。ただし、これらの製品については高い精度が求められていることから、万一、品質問題が発生し、リコールなどの責任が問われる場合は、回収費用等の発生に加え、顧客の信頼を著しく損ない、その内容によっては、損害賠償責任が発生する可能性があります。
(8)新規事業について
将来の成長のために新規事業は重要ですが、有望な新規事業の目途が付かない場合は、当社グループの成長が計画どおり進まない可能性があります。
(9)人材の確保について
当社グループは、お客様に満足していただける商品の開発や商品とサービスの継続的な提供を支える「人材の確保と育成」が重要な課題であると考え、従業員教育の徹底や必要な資格取得の奨励など、当社グループ事業の発展に貢献する人材育成を行っております。しかし、幹部社員に代表される専門的な知識、技術、経験を有している役職者が、何らかの理由によって退職し、後任者の採用が困難となった場合、競争力の低下や事業目的の達成が困難になるなど、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(10)自然災害等について
当社グループは、日本を基盤として世界各国に販売展開しています。自然災害等に対しては緊急時の社内体制を整備していますが、日本や各国での大規模な地震、暴風、大雨などによる洪水等の自然災害やパンデミック(感染爆発)等の予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員・事業所・設備や管理システムなどに対する被害が発生し、事業活動に支障や制約が生じる可能性があります。
当社グループは、社員の安否確認のための緊急連絡網の導入や災害対策マニュアルの策定、建物、設備、システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との情報共有などの対策を講じ災害等に備えております。また業務への影響を少しでも軽減する対策として緊急事態発生時のテレワークがあり、現在、より効率が良い運用を検討中ですが、全ての被害や影響を回避出来るとは限らず、発生時には当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。
(各種感染症対策)
当社グループでは、各種感染症への対策として、社員の安全を第一に考え感染拡大を防ぐために、個々での手洗い、うがい、マスク着用等の衛生管理の徹底、海外渡航の原則禁止、国内での移動自粛、時差出勤や一部テレワーク(在宅勤務)を導入するなどの対応を行ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけは変更され規制緩和されましたが、終息についての見通しはなく、引き続き他の感染症等の流行状況に応じて従業員のマスク着用・手指消毒・検温等の感染予防対策の徹底や時差出勤やテレワークの実施により感染拡大の抑止に努めてまいります。しかし、各種感染症による感染拡大等により当社グループの業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)減損会計について
当社グループの固定資産については、その取得時に資産性を慎重に判断した上で資産計上しております。しかし、取得時に見込んでいた将来キャッシュ・フローが十分に得られない場合、または回収可能性に疑義が生じた場合には、減損損失の認識を行っております。今後の事業展開や収益確保の状況によって、追加的に多額の減損損失の計上を行う場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)税務について
当社グループを構成する事業法人は、各国の税法に準拠して税額を計算し、適正な納税を行っており、適用される各国の移転価格税制など国際税務のリスクについても注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違等により、追加課税が発生する可能性があります。
(13)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前連結会計年度に営業損失7億51百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失6億59百万円を計上しておりました。当連結会計年度においては、営業利益13百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益1億84百万円を計上している状況であること等から、業績は急回復しており前期までの継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は、解消しているものと認識しております。
しかし、当社グループにおける今後の売上高及び利益の回復は、受注動向や為替の影響等、経済環境に左右され確信できるものではなく、また、各種感染症が社会に存在する前提で経済活動を進めることとなりますが、今後の事業の進捗状況によっては、売上高の回復が資金計画にも重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日まで)におけるわが国経済は、政府方針に伴う新型コロナウイルス感染症の収束から社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要や個人による消費等持ち直しの結果、国内の経済活動は回復基調となりました。一方、一定の賃上げは実現したもののインフレに起因する実質賃金の低下や物価高、人手不足に加え、日米金利差の乖離から日銀によるマイナス金利政策の解除後も依然として円安の流れは継続し、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や緊迫した中東情勢、エネルギー価格の高止まりなどから日本経済の減速懸念による景況感の先行きに対する不透明な状況が続いてまいりました。
世界経済は、米国では利上げ効果が見られる一方、人手不足を背景としたサービス価格の高止まりなどインフレ対策の長期化、中国での不動産市況の悪化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化やハマスによるイスラエルへの攻撃に端を発した中東での紛争勃発による地政学リスクの高まりなど、世界各地で地政学リスクは増大し海外景気の減速や不安定な為替相場など、依然として先行きが不透明な状況が続いてまいりました。
このような環境の下、当社グループにおきまして、売上面では、競合他社との価格競争の激化等が続く中、世界的なコロナウイルス感染症に伴う影響に鎮静化が見られ、国内外の市場での販売活動も徐々に活発になり、収益の改善に注力し、激変する市場環境に対応する新たな成長領域への取り組みを進め、開発及び生産面では付加価値の高い新製品の開発とさらなる経費削減を実施、また、半導体不足等による部品供給遅延による工場での生産停止等の教訓から、部品調達にも全力で取り組み、販売活動に影響を与えないよう努力してまいりました。
このような結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は、円安による為替レートの影響もあり前連結会計年度に比して14.3%増の62億58百万円(前連結会計年度は54億74百万円)の増収となりました。
利益面につきましては、売上高の増収に加え、前連結会計年度と比較し原材料、経費など前期同等の原価まで押さえられ販売費及び一般管理費にも削減効果が見られました。結果、利益はわずかではありますが、前期の損失からは大幅に回復が見られ、当連結会計年度の営業損益は13百万円の営業利益(前連結会計年度は7億51百万円の営業損失)、経常損益は為替差益1億53百万円を計上したことにより1億88百万円の経常利益(前連結会計年度は7億56百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損益は、1億84百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前連結会計年度は6億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)と大幅に改善がみられる結果となりました。
なお、当社グループの事業は、画像情報機器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比して6億64百万円増加して17億81百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、資金は6億2百万円の増加(前連結会計年度は7億35百万円の減少)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益1億89百万円、減価償却費1億48百万円、仕入債務の増加1億81百万円等、資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、資金は73百万円の減少(前連結会計年度は36百万円の減少)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出70百万円の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金は69百万円の増加(前連結会計年度は1億41百万円の増加)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出1億80百万円、リース債務の返済による支出50百万円等の資金の減少はありましたが、長期借入金3億円の資金の増加によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1 各指標の算出方法は以下のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式を除く期末発行済株式総数により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象とし
ております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用してお
ります。
5 第75期から第78期まで営業キャッシュ・フロ-はマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債
比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
当社グループは、画像情報機器の単一セグメントとみなしております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。
当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、これらについて継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産の部)
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比して11億27百万円増加し72億32百万円となりました。流動資産につきましては、前連結会計年度末に比して7億34百万円増加し46億11百万円となりました。
これは主として、現金及び預金で6億64百万円等が増加したことによります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して3億92百万円増加し26億20百万円となりました
有形固定資産につきましては、前連結会計年度末に比して2億30百万円増加し16億42百万円となりました。投資その他の資産につきましては、前連結会計年度末に比して1億63百万円増加し9億13百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比して6億50百万円増加し25億5百万円となりました。流動負債につきましては、前連結会計年度末に比して2億41百万円増加し15億7百万円となりました。
これは主として、1年内返済予定の関係会社長期借入金80百万円の減少がありましたが、支払手形及び買掛金2億35百万円、未払法人税等40百万円が増加したことによります。
固定負債につきましては、前連結会計年度末に比して4億8百万円増加し9億97百万円となりました。
(純資産の部)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比して4億76百万円増加し47億27百万円となりました。
これは主として、利益剰余金1億84百万円、為替換算調整勘定2億5百万円が増加したことによります。
(売上高)
主な要因といたしましては、競合他社との企業間価格競争が続く中、新型コロナウイルス感染症の収束から社会経済活動の正常化が進み、これまで欠品により価格が高騰していた半導体部品等の供給に持ち直しが見られ受注遅延も解消に向かいました。これに伴い北米の売上げにも回復基調が見られ、為替の影響も受け売上高は前連結会計年度より増収となりました。
大判型カラープリンタは、部品の欠品に伴う価格高騰が収まったことから原価の見直しを進め、不足部品の入手改善等が影響し北米市場を中心として、売上げは押し上げられました。この結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比して、14.3%増加の62億58百万円(前連結会計年度は54億74百万円)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、目標としている売上総利益率25.0%を超え36.3%となりました。当連結会計年度は、付加価値の高いパーツ・消耗品に回復の兆しが見られ、22億73百万円の売上総利益(前連結会計年度は15億1百万円の売上総利益)となりました。
(営業損益)
営業利益は、売上高の増収に加え、前連結会計年度での原材料、諸経費の価格高騰による原価の圧迫から、当連結会計年度では、売上原価、販売費及び一般管理費において大幅な削減が見られた結果、当連結会計年度はわずかではありますが、13百万円の営業利益(前連結会計年度は7億51百万円の営業損失)と前連結会計年度からは大幅な改善が見られる結果となりました。
(経常損益)
経常利益は、円安の進行は続き為替差益1億53百万円を計上したことにより1億88百万円の経常利益(前連結会計年度は7億56百万円の経常損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は、法人税等と税効果による調整額で4百万円を計上したことから1億84百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前連結会計年度は6億59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社グループが必要とする資金需要のうち主なものとしては、原材料や商品の仕入等購入費用、開発費や人件費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金や投資を目的とした設備投資等資金であります。基本的には、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を財源としており、状況に応じて関係会社及び金融機関等からの調達を行うこととしております。
当社グループは、事業運営において必要な流動性資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、関係会社及び金融機関等からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17億81百万円となっており、現在の現金及び現金同等物の残高水準については、当面事業を継続していくうえで必要な流動性を確保しているものと考えております。
該当事項はありません。
当社グループは、市場やお客様の要望、期待を的確に把握して、お客様の期待を超える高品質・高性能かつ安全性の高い商品を開発し提供することにより、お客様の満足を得ることを基本理念としております。この理念に基づき、積極的な研究開発活動を推進しております。
(1)大判プリンタ
弊社主力製品でありますワイドフォーマットプリンターの市場動向としては、モノクロ・カラープリンタの需要の中ではカラー製品の進行の傾向も見られ多様化および多品種少量化の動きもある中で、カラーによる機能性・有効性もさることながら「働き方改革」のためのサービスニーズを捉えた用途適応性・展開も見据えつつ開発を行っております。自動制御技術による高精度化・新たな帯電方式による環境機能対応等のプリンタ本体のハードウェアでの技術革新とベースモデル・ラインナップ化を実現し、さらには「DX」のためのハードウェアに付随するソフトウェア技術革新によるリモートワーク・ネットワークオペレーションによる操作利便性・標準化、データベース管理・クラウドサービスシステムによる可視化管理の有効化・連携も見据えた開発を行ってまいります。そのようなハードウェア・ソフトウェアを融合した技術革新による付加価値・高収益を得られるベースモデルの構築・確保により企業業績への維持・発展と共に高い信頼性と高い評価を得て顧客ニーズに幅広く応えてまいります。従来モデルに関しましても同様に、技術革新の展開・コストダウンを通して製品付加価値を高めつつ、顧客ニーズの的確な把握、製品安全品質と安定性により持続的な製品へ繋がるよう開発を行ってまいります。
(2)新規事業
昨今の産業分野における製造形態としては、まだ伝統的な工法で継承されている状況にある中で繊維・セラミック・建材分野において環境対応型・生産システム・多様化等の見直し、改革も求められています。そのような市場や顧客ニーズに応じるために弊社開発のドライトナーとデジタルプリント技術の融合により新規参入と製品用途拡大を図るため、より付加価値の高い製品開発を行っています。材料面においては従来の印刷材料では困難であった高い環境性・堅牢性を備えた材料技術の導入、生産面・環境面においてはドライトナーならではの印刷前後処理における専用助剤・乾燥工程不要・廃水レス化、機能面においても多機能・高機能素材への加工も可能となる等の具体的な特長を備えています。さらには各業界におけるパートナー企業との技術協業・融合し、顧客工程・システムにおけるデザインから印刷-加工-最終成果物に至るまでの工程機器を通した上市も開始しております。その一貫したコンパクトなトータルシステムによる「利便性」「省人化」「省スペース化」「省エネ化」の実現・展開、更なる顧客ニーズへの明確化と順応、自社技術の有効活用を総合的に捉えた上でのオープンイノベーションも考慮し、これまでよりも大きなアイテム・新たなアイテムを手掛ける事のできなかった顧客への展開拡大・運用、環境機能性材料への展開も見据えた開発を行い、産業製品へ幅広く展開していく事により企業業績に対してもより貢献していく事を目指しております。
(3)環境対応
近年の地域社会・社会経済の情勢変化、環境対応のあり方も地政学リスクも考慮し見直しが必要な状況下において、当社グループとしましては、長期的・持続的な発展を視野に最新規制動向も取り入れ、「地球環境保全」に配慮した環境基本方針に基づき目標として掲げ、環境管理システムの継続的改善により「持続的な発展」へと繋がるよう企業活動を行っています。環境負荷やリスクの低減・発生の防止を見据えた開発段階における取り組みとして、製品アセスメント評価の導入など具体的な環境負荷低減への取り組み、「ライフサイクル」への配慮として省資源化・廃棄物削減・使用制限等に取り組み、「CO2排出量削減」への配慮として国際エネルギースターによる取得標準化を実施し、省エネルギー化にも繋がる環境負荷の少ない製品作りを目指し開発を行っております。また、調達面においても、部品・原材料・包装資材および副資材も含めて、主要各国の化学物質に対する「桂川電機グリーン調達部品納入基準」として設定・見直しを実施し、当社製品、消耗部品、保守部品に至るまで、製品の「ライフサイクル」「環境負荷低減」としての使用禁止物質・管理物質を明確化についても部品・素材選定の段階から実施し、DXによる「サプライチェーンマネージメント」の強化も見据えて環境に影響を及ぼす化学物質低減に取り組んでおります。これからも引き続き「地球環境保全」を配慮した環境対応型の製品の開発・製造を進めてまいります。
当連結会計年度の研究開発費は、