第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における世界経済は、米国では住宅市場や雇用の改善が進むなど緩やかな景気の回復傾向が続き、また欧州においても、景気下振れのリスクを抱えつつも、全体的に景気持ち直しの動きが続いております。

 中国を中心とした新興国におきましては、先進国経済の影響による輸出減や個人消費の低迷により成長率が鈍化しており、厳しい状況が続いております。

 わが国経済におきましては、政府主導による経済政策を背景に、緩やかな景気の回復傾向が続いているものの、グローバル経済の先行きの不透明性や円高などの影響による景気下振れも懸念されております。

 このような経済環境の中、当社グループが関連する業界におきましては、民生機器をはじめとした電子機器のデジタル化の進展、地デジ対応需要の一巡などにより成熟化が進んでおります。また、企業の設備投資につきましても、依然として慎重な姿勢が続いております。このような中、4K映像フォーマット対応関連設備で動きが見られたものの、電波関連機器をはじめ、民生家電関連などの生産設備で全般的に設備投資が縮小されました。さらに、北米・中南米及び中国を中心としたアジアなどにおきましても、放送関連設備の需要が停滞し、売上は減少いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,562百万円(前年同期比4.9%減)、経常損失46百万円(前年同期は79百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失44百万円(前年同期は167百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 セグメントの業績につきましては、当社グループの事業が電気計測器の開発と製造、販売を行う単一のセグメントであるため、記載を省略しております。

 これに代わる売上高の品目別内訳及び地域別内訳は次のとおりであります。

<品目別内訳>

① ビデオ関連機器

 4K映像フォーマット対応関連設備などで動きが見られたものの、北米・中南米及び中国を中心としたアジアなどにおいて放送関連設備の需要が停滞したことにより、売上は減少いたしました。

 この結果、売上高は2,195百万円(前年同期比4.0%減)となりました。

② 電波関連機器

 テレビの電界強度測定器及びデジタル放送関連設備で需要が停滞し、売上は減少いたしまし

 この結果、売上高は170百万円(同7.6%減)となりました。

③ その他

 汎用計測機器・修理・部品等であり、特記すべき事項はありません。

 この結果、売上高は196百万円(同12.4%減)となりました。

<地域別内訳>

① 日本

 日本国内におきましては政府主導による経済政策を背景に、緩やかな景気の回復傾向が続いているものの、グローバル経済の先行きの不透明性や円高などの影響による景気下振れも懸念されております。

 このような状況の中、当社グループが関連する業界におきましては、企業の設備投資に対する姿勢は依然として慎重であることから、電波関連機器をはじめ、民生家電関連などの生産設備で全般的に設備投資が縮小されたものの、4K映像フォーマット対応関連設備などをはじめとする主力の放送関連設備で動きが見られ、売上は増加いたしまし

 この結果、売上高は1,595百万円(同5.0%増)となりました。

② 北米・中南米

 北米・中南米におきましては、主力の放送関連設備の需要が停滞し、売上は減少いたしまし

 この結果、売上高は589百万円(同13.8%減)となりました。

③ アジア

 アジアにおきましては、中国を中心に主力の放送関連設備の需要が停滞し、売上は減少いたしました。

 この結果、売上高は295百万円(同28.9%減)となりました。

④ その他

 欧州におきましては、放送関連設備で動きがみられ、売上は増加いたしまし

 この結果、売上高は81百万円(同7.4%増)となりました。

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ23百万円増加して、669百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は14百万円(前連結会計年度は125百万円の使用)となりました。
 これは主に税金等調整前当期純損失34百万円となったものの、売上債権の減少72百万円による資金増加があったことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は21百万円(前年同期比94.8%減)となりました。
 これは主に保険積立金の解約による収入18百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は0百万円(前年同期比99.5%減)となりました。
 これは主にリース債務の返済による支出によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

 「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおり、セグメント情報を記載していないため、品目別の生産実績、製品仕入実績及び販売実績を示すと、次のとおりであります。

(1)生産実績

品目

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ビデオ関連機器

89,554

6.4

電波関連機器

30,713

21.7

その他

13,740

8.3

合計

134,007

7.8

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度における生産実績の著しい減少は、生産のアウトソーシング化によるものであります。

(2)製品仕入実績

品目

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ビデオ関連機器

984,699

175.7

電波関連機器

73,530

162.9

その他

100,010

98.1

合計

1,158,240

163.7

 (注)1.金額は仕入価格で表示しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度における製品仕入実績の著しい増加は、生産のアウトソーシング化によるものであります。

(3)受注状況

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

品目

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ビデオ関連機器

2,195,532

96.0

電波関連機器

170,153

92.4

その他

196,506

87.6

合計

2,562,192

95.1

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループが関連する業界におきましては、国内では設備投資などの需要停滞により、厳しい環境が続くと思われますが、放送分野につきましては、これまで見送られてきました設備の更新が見込まれます。北米・中南米、アジアなどにおきましても、世界的なデジタルテレビ放送の普及による放送関連の設備で、新規需要を見込んではおりますが、全般的には厳しい状況が続くものと考えられます。このような状況において、当社グループの経営陣は、市場の変化に柔軟に対応して健全な利益を確保できる企業体質を確立するため、以下の施策に継続して取り組んでまいります。

 ① 営業面では、デジタル放送の世界的な展開に即応できるよう、国内はもとより北米・中南米、アジア、欧州を含めたグローバルな販売体制を強化していくとともに、映像処理技術を活かして新市場への展開をはかってまいります。

 ② 開発面では、得意とする映像関連分野において、デジタル化及び超高精細画像化の急速な進展に対し、最先端のデジタル技術で適切に対応できるよう、研究開発への投資を維持し、さらに開発体制の効率化をはかってまいります。

 ③ 生産面では、生産性の向上をはかるため、効率を追求した工程設計とアウトソーシング先の技術力強化を進めるとともに、原価低減とより一層の納期短縮、品質の確保を目指し、顧客満足を追求してまいります

 ④ 資金面では、翌連結会計年度を通じて必要な資金は、すでに当社グループの手元資金で確保しておりますが、これに加えて資産の効率的な活用をさらに促進してまいります。

 ⑤ グローバル企業として社会的責任を果たすため、内部管理体制を強化し、コンプライアンスの徹底と環境保全活動の推進をはかってまいります。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況について

 当社グループは、デジタル放送市場とマルチメディア関連市場に特化して電気計測器の開発と製造、販売をしております。放送用からテレビセットの生産用計測器だけでなく、テレビ電波の計測器、BD/DVD/CD等の記録メディア計測器、カメラテストシステム等、特化した市場に幅広く製品を展開し、市場の動向に対してリスクヘッジをしております。

(2)技術開発力について

 当社グループは、ますます高度化するデジタル技術に対応するため、引き続き開発設備等の拡充強化策を実施しております。

 さらに、技術力を保持するため技術者の確保、育成をはかっております。

(3)生産体制について

 当社は、経営資源を技術開発、販売及び品質管理に集中させるため、生産を外部に委託するファブレスメーカーの事業形態を構築しております。なお、当社の製品は委託先の特殊な製造技術に依存するものではなく、一般的な製造技術で生産が可能であり、また製品固有の技術及びノウハウは全て当社で管理しているため、生産委託先の経営悪化、生産能力及び品質問題の発生等により生産委託が不可能となった場合においても、他の製造会社への移管は可能であると考えております。

 しかしながら、代替委託先を迅速に手当できない、あるいは移管完了までに長期間を要した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)製品の欠陥について

 当社は、ISO9001による品質マネジメントシステムを適正に運用し、欠陥のない製品作りを行っております。また、欠陥の発生に際しましては原因の追及、迅速な対応に加え、他製品への水平展開を行うなどのリスクヘッジをしております。

(5)為替変動について

 連結する子会社の現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時の為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。また、地域、顧客によっては外貨建て取引を行っているため、為替変動による影響を受ける可能性があります。

(6)安全保障輸出管理体制について

 当社製品の一部に安全保障輸出管理規制の対象となるものがあります。そのため、当社は経済産業省に届け出ている安全保障輸出管理規程に沿って輸出管理を行い、経済産業省の検査にも疑義のないレベルを維持しております。

(7)投資有価証券について

 当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、株価の下落あるいは投資先の業績不振等により評価損が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)固定資産の減損について

 固定資産の減損会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当連結会計年度は、引き続き当社の得意とするデジタル放送市場、放送関連市場、マルチメディア関連市場に対応する新製品、新技術の開発に傾注いたしました

 デジタル放送市場に対しては、スーパーハイビジョン(8K)など次世代放送の測定に関わる技術の研究を行いました。

 放送関連市場に対しては、映像伝送に関わる技術の研究を行い、次世代の映像伝送に向けた12G-SDI及びIP技術を用いたサンプル品を国内外の展示会で参考出品いたしました4K波形モニターの新機能「HDR表示」などの機能向上も行い、新たな需要を獲得しております。

 また、新製品として、操作性の向上や小型軽量化を実現したラスタライザー及びその「オーディオ機能」オプションの販売を開始いたしました

 さらに、番組などコンテンツの品質評価を目的としたハイブリットQCソフトウェアの機能向上を行い、新たな需要を獲得しております

 マルチメディア関連市場に対しては、次世代測定のための映像評価を中心にしたソフトウェアの技術の研究を行いました

 これらの研究開発活動に対しまして、407百万円を投資いたしました。

 なお、連結子会社におきましては、研究開発活動は行っておりません。

 セグメントごとの研究開発活動につきましては、当社グループの事業が電気計測器の開発と製造、販売を行う単一セグメントに基づいておりますために、開示しておりません。

 これに代わる品目別の研究開発活動につきましても、その活動が品目別に相互に交錯しているため、品目別に分離して記述しておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ23百万円増加して、2,964百万円となりました。

 増加した主なものは、現金及び預金の増加額23百万円であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ82百万円減少して、681百万円となりました。

 減少した主なものは、投資有価証券の減少額31百万円であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ26百万円増加して、291百万円となりました。

 増加した主なものは、未払費用の増加額10百万円であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ20百万円減少して、504百万円となりました。

 減少した主なものは、その他の減少額14百万円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、2,850百万円となりました。

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ132百万減少して、2,562百万円となりました。また、売上総利益は99百万円増加して、1,353百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ189百万円増加して、1,389百万円となりました。

 これらの結果、営業損失は36百万円となりました。

 営業外収益は、前連結会計年度に比べ17百万円減少して11百万円、営業外費用は18百万円増加して21百万円となりました。

 法人税、住民税及び事業税は12百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は44百万円となりました。

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べて23百万円増加し、当連結会計年度末には669百万円となりました。

 なお、キャッシュ・フローの詳細は「第2 事業の状況、1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(4)経営者の問題意識と今後の方針について

 「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。