当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
当社グループは、デジタル放送市場と電波関連市場に特化した電子計測器の開発と製造、販売を主たる事業として行っており、日本、アジア、北米、欧州を中心に直接営業及び代理店を通じたグローバル販売網を構築しております。主たる顧客は、放送事業者、動画制作事業者、放送関連機器メーカーです。
当社グループは、新技術のいち早い製品化や顧客満足度の高いユーザーインターフェース、独自性の高い携帯性製品に競争優位を有しています。
(2)会社の経営の基本方針
当社はグローバル企業として永続的な成長と発展に努力を重ね、適正な利益を確保し、当社の株主・顧客・社員及び地域社会等の全てに対し、社会的責任を果たしてまいります。
・エレクトロニクスの技術革新に対して、大胆かつ果敢に挑戦し、他の追随を許さない独自の計測技術を確立して計測領域におけるリーディングカンパニーを目指すとともに、事業環境の進化を先取りしハードウェアにこだわらないソリューションビジネスの展開を目指しております。
・コンプライアンス精神に基づく企業統治の充実に努力し、さらに安全保障輸出管理、環境保全活動等、社会的責任を果たしてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は創立以来、電子計測器の専門メーカーであり、特に映像分野を得意とし、近年では超高精細画像の4K・8K放送関連及びIP等の高速伝送技術市場への製品に注力し、新製品開発を加速すべく技術研究費への投資を戦略的に強化してまいりました。
当社はこれらを踏まえ、経営基盤の安定を最重要課題ととらえ、さらなる競争力の強化と利益体質の構築をはかるべく、引き続き売上高の確保と原価低減に取り組んでまいります。
また、顧客満足を第一に、きめ細やかな営業展開を行いながら、経営効率の改善をはかってまいります。
さらに、激しい技術革新と厳しい市場競争のなか、当社はその優位性を確保するため、以下の施策を重点項目として経営を進めてまいります。
①海外市場のシェアアップ
海外放送関連市場において、先進国における4K・8K、IP等の先端技術需要に先手を打って対応するとともに、新興国において高まる需要を積極的に取り込み、売上拡大をはかります。また、連結子会社化いたしましたPhabrix Limitedの開発力とのシナジーを最大限発揮し、当該市場の残存者利益を徹底的に追求し、世界シェア60%以上を目指します。
②製品分野の多角化による業績安定化への取り組み
当社のコア技術である放送・映像関連技術を中心として、中長期的に発展が見込める新規分野へ積極的に参入し、成長事業領域の拡充をはかります。また、世界的に動画配信ビジネスが放送から通信へとシフトしていく中、ローコストでの高品質動画制作ソリューションの収益事業化に取り組みます。
(4)目標とする経営指標
当社グループは資本コストをより意識した経営を重要な経営課題と認識しております。
既存事業(バリュービジネス)でのシェア向上と新規事業(グロースビジネス)の収益化という自社経営資源による成長及びM&A等を通じた外部資源を活用した成長によりROEを改善することを目指す一方、自己株式取得等の施策を通じて資本コストを低減することにより、企業価値を向上し、資本コストを安定的に上回るROEを達成してまいりたいと考えております。
具体的な方針及び目標値等につきましては現在策定中であり、策定し次第、開示してまいります。
(5)経営環境及び会社の対処すべき課題
長期にわたるコロナ禍によって従来のテレビ番組制作プロセスの見直しが必須となっており、インターネットやクラウドなど、IT技術を駆使した新しい番組制作が注目され、放送業界を取り巻く市場環境の変化が進んでおります。
この流れを受けて、国内外ともにIP(Internet Protocol)対応の放送関連機器の需要が高まっております。
このような状況のもと、当社グループでは、既存事業(バリュービジネス)におきましては、IP測定機能を追加した4K映像フォーマット対応関連機器及びIP信号監視装置の販売が堅調に推移すると見込まれております。
また、新規事業(グロースビジネス)におきましては、取り組んでおりました動画制作ソリューションを上市して、動画制作の自動化・ローコスト化を提案・提供してまいります。さらに、自動運転支援ソリューションを、自動車に搭載される魚眼、超広角カメラを生産調整するメーカー向けに販売しており、当社グループは、引き続き魅力ある製品・サービスを提案・提供してまいります。
また、放送関連事業の新技術導入の加速化や動画の大量生産時代の到来を見据え、当社グループの研究開発投資を積極的に実施してまいります。さらに連結子会社といたしましたPhabrix Limitedの強みを最大限に生かした高効率の開発と原価低減を推進し、さらなる売上、利益の拡大を推進していくため、以下の施策に継続して取り組んでまいります。
①営業面では、ビデオ関連機器市場において、リーダー・PHABRIXの両ブランドの特性を活かし、効率的な販売体制へ移行して、世界シェア60%以上を目指します。
②開発面では、放送関連機器を取り巻く『IP化』『クラウド化』の急速な環境変化に迅速に対応するため、積極的な開発投資を継続してまいります。また、イメージセンシング事業領域では、車載用の魚眼、超広角カメラ検査ソリューションを提案しながら、車載用カメラ領域でデファクト・スタンダード獲得を目指します。
③生産面では、効率を追求した工程設計とアウトソーシング先の技術力強化を進めながら、原価低減とより一層の納期短縮、品質の確保を目指し、顧客満足の向上を追求してまいります。
④資金面では、翌連結会計年度を通じて必要な資金は、すでに当社グループの手元資金で確保しておりますが、これに加えて資産の効率的な活用をさらに促進してまいります。
⑤グローバル企業として社会的責任を果たすため、内部管理体制を強化し、コンプライアンスの徹底と環境保全活動の推進をはかってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「計測を通じ、豊かな社会づくりに貢献する」を経営理念に掲げております。当社グループが長年にわたって培ってきた映像コンテンツの計測・監視技術により、大量のコンテンツが溢れかえる現在において、良質なコンテンツの制作に寄与してまいります。
また、この事業を持続的に成長させつつ、サステナビリティ経営の基盤となるESG(環境・社会・ガバナンス)に関しても、さまざまな取り組みを推進してまいります。
(1)ガバナンス
当社グループは、取締役会を経営の方針や重要課題並びに法令で定めた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置付けており、原則毎月1回開催しております。
また、迅速な意思決定と柔軟な組織対応による事業展開を可能にするため、取締役と執行役員が出席する経営会議を、毎週開催しております。
さらに、内部監査人を置き、コンプライアンスや社内規定の遵守状況について内部監査を実施し、監査結果を代表取締役および監査等委員に報告をしております。
(2)戦略
①人材育成方針
当社グループは、経営ビジョンにおいて「地域や属性の違いを建設的に受容し、「日本」の枠に束縛されない企業行動を実践する」と掲げております。グループ全体の持続的な成長を確保するために、多様な視点や考え方を取り入れることを重視し、ダイバーシティ&インクルージョンをグループ内に浸透させております。そのため、国籍や人種、性別、年齢などにとらわれない公正・公平な手順により、柔軟な発想をもって新しいことへ積極的に取り組むことができる多様な人材を活用しております。
また、当社グループで長きにわたり活躍できるように、資格取得の推進など社員の自発的なキャリアアップを支援する制度を整備しております。
②社内環境整備方針
当社グループは、社員各々の生活環境、生活スタイルに合わせて働くことができるように、リモートワークや子育てのためのフレックスタイムの導入など、ワークライフバランスを重視した就労環境の整備に取り組んでおります。
また、ストレスチェック制度を導入し、毎年1回定期的に実施することにより、社員のメンタルヘルスが不調になることを未然に防止しております。
さらに、各ハラスメントにつきましても、ハラスメント防止規定に基づき、パワーハラスメントをはじめ、個人の尊厳を傷つける事がないように、職場でのコンプライアンス遵守を推進しております。
(3)リスク管理
当社グループはリスク管理規定を定めており、毎月、取締役及び執行役員で構成される経営会議へリスク報告がされております。顕在化したリスクだけでなく、潜在的なリスクに関しても、経営会議での議論を通して、迅速な意思決定を進めてまいります。
(4)指標及び目標
当社グループは、(2)戦略において記載した多様な人材確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境の整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況について
当社グループは、デジタル放送市場と電波関連市場に特化して電子計測器の開発と製造、販売を行っております。今後、世界的に動画配信ビジネスが放送から通信へとシフトしていく中、主として放送市場向けの放送関連用計測器市場は漸減していくとみられます。そのため、放送関連用計測器だけでなく、テレビ電波の計測器、カメラテストシステム等、特化した市場に幅広く製品を展開し、市場の動向に対してリスクヘッジをしております。また、新規事業として、当社に蓄積された自動画質評価技術を基盤として、動画制作・編集業務の自動化・省力化ソリューションを開発・展開してまいります。
(2)技術開発力について
当社グループは、ますます高度化するデジタル技術に対応するため、引き続き開発設備等の拡充強化策を実施しております。そのため連結子会社であるPhabrix Limitedの技術力・商品開発力・コスト競争力を当社と融合することにより、開発のスピードアップをはかります。また、当社とPhabrix Limitedの役割分担・連携を明確にし、新規事業領域の開発リソースを抽出し、事業化に向けて迅速に取り組みます。
さらに、技術力を保持するため技術者の確保、育成をはかっており、また、技術者の流出を防ぐ取組みを行っております。
(3)生産体制について
当社は、経営資源を技術開発、販売及び品質管理に集中させるため、生産を外部に委託するファブレスメーカーの事業形態を構築しております。なお、当社の製品は委託先の特殊な製造技術に依存するものではなく、一般的な製造技術で生産が可能であり、また製品固有の技術及びノウハウは全て当社で管理しているため、生産委託先の経営悪化、生産能力及び品質問題の発生等により生産委託が不可能となった場合においても、他の製造会社への移管は可能であると考えております。
しかしながら、代替委託先を迅速に手当できない、あるいは移管完了までに長期間を要した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ウクライナ・中東問題の影響について
ロシア・ウクライナ両国間及び中東における紛争により、経済活動の先行きが不透明な状態にあります。このような状況ではありますが、当社といたしましては各地域とも、これらの要因によって当社製品に対する需要が長期的には大きく増減するものではないと考えております。
しかしながら、紛争が長期化することにより、世界経済の停滞や為替の変動、部材の確保や物流に支障が出るような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのようなリスクに備えて、経営面において技術研究費を除く販売管理費を最大限圧縮し、今後の成長余力の確保と当面の営業利益の確保の両立に努める次第です。
(5)企業買収について
当社グループは、事業環境の変化に柔軟に対応しながら、グローバル展開における継続的かつさらなる安定的な収益基盤の強化及び事業成長を達成するために、資本提携をはじめとするM&A戦略を推進しております。その実施に際しては、対象となる企業に対して事前に十分な調査及び検討を行い、リスクの精査を行ってまいります。しかしながら、買収後に未認識の簿外債務が発覚した場合、偶発債務が顕在化した場合、事業環境や競合状況の急激な変化等により当初に期待していた成果が得られない場合、のれんの減損損失が発生する場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製品の欠陥について
当社は、ISO9001による品質マネジメントシステムを適正に運用し、欠陥のない製品作りを行っております。また、欠陥の発生に際しましては原因の追及、迅速な対応に加え、他製品への水平展開を行うなどのリスクヘッジをしております。
(7)為替変動について
連結する子会社の現地通貨建て財務諸表の各項目は、円換算時の為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。また、地域、顧客によっては外貨建て取引を行っているため、為替変動による影響を受ける可能性があります。
顧客の信用リスクに関しては、取引先ごとに与信管理を徹底し、期日管理や残高管理を行うことによって、リスク低減をはかっております。
また、外貨建営業債権の為替の変動リスクに関しては、個別にデリバティブ取引(為替予約取引)を利用してヘッジしております。
(8)安全保障輸出管理体制について
当社製品の一部に安全保障輸出管理規制の対象となるものがあります。そのため、当社は経済産業省に届け出ている安全保障輸出管理規程に沿って輸出管理を行い、経済産業省の検査にも疑義のないレベルを維持しております。
(9)投資有価証券について
当社グループは、投資有価証券を保有しておりますが、株価の下落あるいは投資先の業績不振等により評価損が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
投資有価証券は上場株式であり、四半期ごとに時価の把握を行っております。
(10)固定資産の減損について
固定資産の減損会計基準の対象となる資産又は資産グループについて減損損失を認識すべきであると判定した場合には、当該資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額することとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、本年5月の新型コロナウイルス感染症の「2類」から「5類」への移行が実施され、社会・経済活動は概ね正常化しております。
一方、世界経済は中国での景気の減速、欧米での金融引き締め、ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスクに伴うエネルギー・原材料価格の高騰や急激な為替の変動等により、停滞感が強まりました。また、電子部品や樹脂部品をはじめとする部材の需給逼迫は解消しつつあるものの、一部部材における価格の高騰が継続しており、部材調達においてコスト面等で不安定な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社グループが関連する放送業界におきましては、北米を中心として4KおよびHDR映像フォーマット対応関連機器およびIP対応関連機器等の需要が高く、販売が好調に推移いたしました。
利益面におきましては、事業環境の変化に迅速に対応するために積極的な研究開発投資を行った一方で、収益性が高い製品の販売比率が高まり売上総利益率が改善したことにより営業利益の計上となりました。
また、特別損失としてのれんおよび固定資産の減損損失71百万円が発生したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,544百万円(前年同期比11.8%増)、経常利益295百万円(前年同期は214百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益137百万円(前年同期は644百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績につきましては、当社グループの事業が電子計測器の開発と製造、販売を行う単一のセグメントであるため、記載を省略しております。
これに代わる売上高の品目別内訳及び地域別内訳は次のとおりであります。
<品目別内訳>
a.ビデオ関連
欧米を中心に4K映像フォーマット対応関連機器及びIP対応関連機器等の販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
この結果、売上高は4,120百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
b.電波関連
デジタル放送用変調器/復調器の大型受注が前年より減少し、売上は減少いたしました。
この結果、売上高は292百万円(同55.5%減)となりました。
c.その他
汎用計測機器・修理・部品等であり、特記すべき事項はありません。
売上高は132百万円(同8.4%減)となりました。
<地域別内訳>
a.日本
日本国内におきましては、4K映像フォーマット対応関連機器などをはじめとする主力の放送関連機器の販売が回復した一方で、電波関連の大型受注が前年より減少したこともあり、売上は減少いたしました。
この結果、売上高は1,715百万円(同2.4%減)となりました。
b.北米・中南米
北米・中南米におきましては、主力の放送関連機器の販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
この結果、売上高は1,427百万円(同15.3%増)となりました。
c.中国
中国におきましては、市場が冷え込んでおりかつ不安定な状況の中、売上は増加いたしました。
この結果、売上高は293百万円(同70.1%増)となりました。
d.欧州
欧州におきましては、主力の放送関連機器の販売が堅調に推移し、売上は増加いたしました。
この結果、売上高は709百万円(同9.4%増)となりました。
e.その他
その他の地域におきましては、主力の放送関連機器の販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
この結果、売上高は398百万円(同61.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ764百万円減少して、1,364百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は144百万円(前年同期は433百万円の使用)となりました。
これは主に売上債権の増減額231百万円による資金の獲得があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は72百万円(前年同期比29.3%減)となりました。
これは主に貸付による支出140百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は878百万円(同993.4%増)となりました。
これは主に自己株式の取得による支出769百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおり、セグメント情報を記載していないため、品目別の生産実績、製品仕入実績及び販売実績を示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
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品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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ビデオ関連 |
1,112,523 |
116.5 |
|
電波関連 |
279,441 |
48.5 |
|
その他 |
1,326 |
7.1 |
|
合計 |
1,393,291 |
89.9 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.製品仕入実績
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品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
ビデオ関連 |
1,086,574 |
118.1 |
|
電波関連 |
6,180 |
17.4 |
|
その他 |
19,012 |
49.9 |
|
合計 |
1,111,768 |
109.1 |
(注)金額は仕入価格で表示しております。
c.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
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品目 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
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ビデオ関連 |
4,120,087 |
26.3 |
|
電波関連 |
292,029 |
△55.5 |
|
その他 |
132,162 |
△8.4 |
|
合計 |
4,544,279 |
11.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
当社グループは、中長期的に継続的な成長に向け、投資と財務基盤の安定性の両立を目指しております。大規模なM&A等の重要な投資機会に迅速に対応すべく、自己資本及び金融機関等からの資金調達力を十分に維持する方針です。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,029百万円減少して、3,388百万円となりました。
減少した主なものは、現金及び預金の減少額964百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ252百万円増加して、1,243百万円となりました。
増加した主なものは、長期前渡金の増加額260百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ75百万円減少して、765百万円となりました。
減少した主なものは、買掛金の減少額96百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ15百万円増加して、507百万円となりました。
増加した主なものは、繰延税金負債の増加額49百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ717百万円減少して、3,358百万円となりました。
減少した主なものは、自己株式の増加額769百万円であります。
③経営成績の分析
当連結会計年度における連結営業利益は、業績見通し220百万円を見込んでおりましたが、結果的には連結営業利益は216百万円とほぼ見通し通りとなりました。この主たる原因は、事業環境の変化に迅速に対応するために積極的な研究開発投資を行った一方で、収益性が高い製品の販売比率が高まり売上総利益率が改善したことによります。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ481百万円増加して、4,544百万円となりました。
売上高の品目別内訳につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。また、売上総利益は352百万円増加して、2,939百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ178百万円減少して、2,723百万円となりました。
これらの結果、営業利益は216百万円となり、経営指標の売上高営業利益率は前年同期比12.5ポイント増加し4.8%となりました。
営業外収益は、前連結会計年度に比べ23百万円減少して82百万円、営業外費用は2百万円減少して3百万円となりました。
特別利益は、前連結会計年度に比べ8百万円増加して12百万円、特別損失は346百万円減少して71百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税(法人税等還付税額を含む)は前連結会計年度に比べ47百万円増加して36百万円となりました。また、法人税等調整額は62百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は137百万円(前連結会計年度は644百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、1株当たり当期純利益は31円35銭(前連結会計年度は143円80銭の当期純損失)、ROE(自己資本当期純利益率)は3.7となりました。
引き続き売上高の増加、原価低減等に取り組み、ROEの改善に努めてまいります。
④キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、中長期的に継続的な成長に向け、投資と財務基盤の安定性の両立を目指しており、1年以上の事業運営上必要とされる現金及び現金同等物を確保した上で、株主還元、事業投資を積極的に進めてまいります。
当社グループの資金状況は、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べて764百万円減少し、当連結会計年度末には1,364百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
また、必要な資金につきましては、すでに当社グループの手元資金で確保しておりますが、これに加えて資産の効率的な活用をさらに促進してまいります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度は引き続き当社の得意とする放送設備関連市場、電波関連市場に対応する新製品、新技術の開発に傾注いたしました。
放送設備関連市場におきましては、4K・8K超高精細映像フォーマットに関わる映像処理技術やインターネットプロトコル(IP)による映像・音声の高速伝送、機器の自動制御技術をはじめとした研究を行い、2K・4K・8K対応ビデオ関連機器の製品開発に取り組んでまいりました。
電波関連市場におきましては、4K・8K衛星放送に関わる技術として、電波測定用の製品開発に取り組んでまいりました。
新規事業領域としてクラウド技術を利用した映像・音声の自動監視を行う研究や自動運転を支援するための研究を行いました。
これらの研究開発活動に対しまして、1,017百万円を投資いたしました。
セグメントごとの研究開発活動につきましては、当社グループの事業が電子計測器の開発と製造、販売を行う単一セグメントに基づいておりますために、開示しておりません。
これに代わる品目別の研究開発活動につきましても、その活動が品目別に相互に交錯しているため、品目別に分離して記述しておりません。