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連結損益計算書に計上されている当連結会計年度の連結売上高のうち、フクシマガリレイ株式会社の冷凍冷蔵ショーケースに係る売上高は、収益認識関係注記に記載のとおり46,706百万円であり、連結売上高の40.3%を占めている。これらのうち、大部分を占める据付を伴う売上高については、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおり、据付工事が完成し顧客に引渡しを行った一時点で履行義務が充足されることから、顧客への引渡しに基づき売上高を計上する会計方針を採用している。このような据付を伴う売上高の計上に関して、顧客から工事完了検収書を入手していることを、営業部門から独立した財経部の担当者が確かめている。
当該売上高は、連結会計年度末に売上高が集中する傾向にあり、また据付を伴う売上高は1案件あたりの計上額が多額となる傾向にある。
そのため、会社にとって連結会計年度末である3月度の取引が重要であり、仮に売上高の計上プロセスに逸脱が発生した場合には、売上高の計上時期に誤りが発生する可能性がある。売上高の期間帰属の妥当性は監査人にとって特に重要である。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と決定した。 |
当監査法人は、据付を伴う売上高の期間帰属の妥当性を検証するため、主として以下を含む監査手続を実施した。
(1)内部統制の評価
据付を伴う売上高の計上プロセス及び仕入の計上プロセスに関連する内部統制の整備・運用状況について、主として以下の点について評価を実施した。
・顧客から工事完了検収書を入手していることを、営業部門から独立した財経部の担当者が確かめる統制
・仕入先から入手した納品書に基づき、営業部門から独立した購買部の担当者が仕入計上している統制
(2)売上高の期間帰属の妥当性の評価
当連結会計年度に計上された据付を伴う売上高について、以下の手続を実施した。
・各事業所の期末前月から期末月にかけての予算達成状況を分析し、期末月において売上高が著しく増加している事業所について、売上明細データから売上高増加の要因となった取引を識別した。また、識別した取引のうち、取引先の公開情報などで稼働開始が確認できない取引を抽出した。
・上記の取引について、据付作業実績を記録した試運転チェックシート等を閲覧するとともに、顧客から入手した工事完了検収書に基づく工事完了日と、売上高の計上日が、同一の連結会計期間に属しているかどうかを確かめた。
・上記の取引に係る顧客に対して取引確認を実施し、工事完了日及び売上高の計上日の認識が整合しているかどうかを確かめた。
・売上計上後のアフターコストの発生状況を仕入明細の閲覧等により確かめ、据付工事完了に関する納品書やアフターコストに関する納品書の閲覧を行うことにより、売上高の期間帰属の妥当性を確かめた。 |