(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、年前半は日本銀行によるマイナス金利政策の導入や欧州をはじめとする世界経済の減速懸念を背景に円高・株安が進行しましたが、年後半では米国の経済政策の期待感や企業における輸出や生産活動の持ち直しを受けて、緩やかな回復基調が続きました。
今後も、個人消費の持ち直しや雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかに回復すると予測しておりますが、日本銀行のマイナス金利導入による金融市場への影響や中国経済の減速など、景気後退のリスクが懸念され、その先行きに不透明な状況が続いております。
このような状況のもとで、当社は、国内では電力や一般産業、電鉄・車両業界、海外では東南アジアや中近東各国を重点に営業活動を行った結果、鉄道変電設備向けインターフェイスユニットや鉄道車両用戸閉め検出スイッチが増加しましたが、受変電設備向け遮断器用補助スイッチの減少や中近東の変電設備計画の遅れにより、落下式故障表示器が低調であったことから、当事業年度の売上高は3,769百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
利益面におきましては、売上高が前年同期を下回ったことに加え、人件費等の経費が増加したことから、営業利益は444百万円(前年同期比26.5%減)、経常利益は467百万円(前年同期比25.9%減)、当期純利益は304百万円(前年同期比23.8%減)となりました。
当社は、電気制御機器の製造加工及び販売事業のみであるため、セグメント別の記載を省略し、売上の状況につきましては、製品分類ごとに記載しております。
製品分類別の売上の状況は次のとおりであります。
(制御用開閉器)
鉄道車両の保守整備向けに車両用戸閉め検出スイッチが急増しましたが、太陽光発電向け遮断端子台や受変電設備向け遮断器用補助スイッチが低調であったことから、売上高は1,048百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
(接続機器)
受変電設備向けに試験用端子が減少し、通信子局向けバリスタモジュールの販売が終息したほか、主力の端子台も低調であったことから、売上高は1,512百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
(表示灯・表示器)
中近東の変電設備計画の遅れから落下式故障表示器が伸びず、米国鉄道車両用表示灯については、前年のピーク生産から安定生産へシフトチェンジしたことから、売上高は617百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
(電子応用機器)
鉄道変電設備向けインターフェイスユニットや変電設備向けカードリレーが増加しましたが、保護リレー用ハイブリッドモジュールやテレフォンリレーが減少したことから、売上高は591百万円(前年同期比4.3%減)となりました。
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ48百万円増加し、当事業年度末には763百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動による資金の増加は、485百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
主なプラス要因は、税引前当期純利益439百万円、減価償却費243百万円及び売上債権の減少額147百万円であり、主なマイナス要因は、たな卸資産の増加額41百万円及び法人税等の支払額225百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動による資金の増加は、323百万円(前年同期は308百万円の減少)となりました。
主な要因は、定期預金の払戻による収入1,600百万円(同預入による支出との純額)、みなみ草津工場増築工事や金型投資を含む有形固定資産の取得による支出1,166百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動による資金の減少は、760百万円(前年同期比283.3%増)となりました。
要因は、自己株式の取得による支出559百万円及び配当金の支払額200百万円によるものであります。
当社は、電気制御機器の製造加工及び販売事業のみであるため、セグメント別の記載を省略し、生産、受注及び販売の状況につきましては、製品分類ごとに記載しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績を製品分類別に示すと、次のとおりであります。
|
製品分類 |
当事業年度 (自 平成28年2月1日 至 平成29年1月31日) |
前年同期比(%) |
|
制御用開閉器(千円) |
934,850 |
85.6 |
|
接続機器(千円) |
1,522,409 |
95.6 |
|
表示灯・表示器(千円) |
678,856 |
96.6 |
|
電子応用機器(千円) |
677,129 |
111.4 |
|
合計(千円) |
3,813,245 |
95.5 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度の受注状況を製品分類別に示すと、次のとおりであります。
|
製品分類 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
制御用開閉器 |
1,037,581 |
94.5 |
160,464 |
93.7 |
|
接続機器 |
1,519,157 |
95.1 |
129,064 |
105.0 |
|
表示灯・表示器 |
635,131 |
90.7 |
91,859 |
123.5 |
|
電子応用機器 |
585,951 |
93.3 |
88,911 |
75.1 |
|
合計 |
3,777,821 |
93.9 |
470,300 |
96.6 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績を製品分類別に示すと、次のとおりであります。
|
製品分類 |
当事業年度 (自 平成28年2月1日 至 平成29年1月31日) |
前年同期比(%) |
|
制御用開閉器(千円) |
1,048,294 |
97.6 |
|
接続機器(千円) |
1,512,953 |
93.8 |
|
表示灯・表示器(千円) |
617,668 |
88.5 |
|
電子応用機器(千円) |
591,015 |
95.7 |
|
合計(千円) |
3,769,932 |
94.2 |
(注)1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載を省略しております。
(1)現状の認識について
当社の主力市場である電力・重電機器業界は、東日本大震災以降、電力各社の設備投資の抑制が継続しており、重電機メーカーは国内市場での落ち込みをカバーするため、海外のインフラ整備事業の受注獲得に向けた動きを活発にしております。
このような状況から、当社では、国内外における電力・重電機器市場をさらに深耕しながら、鉄道車両や交通信号分野をはじめとする一般産業市場においても、受注・販売強化に取組み、収益基盤の多様化を図る必要があると考えております。
(2)当面の課題と対処方針
当社が属する電力・重電機器市場は企業間競争が年々激化しており、こうした状況にあって、新製品開発と販売市場の拡大が当面の課題であると考えております。
当社では、営業と技術が組織的に一体となって、ユーザーニーズの共有を図り、他社と差別化した新製品開発に取組む方針であります。販売市場の拡大にあたっては、既存顧客のみならず、商社機能を有した商事部が新たな販売市場を開拓・拡大し、収益基盤の多様化を図る必要があると考えております。
また、生産設備の自動化や物流業務の効率化の推進に努め、さらなるコストダウンと利益率の向上に取り組んでまいります。
(3)具体的な取組状況等
新製品開発においては、これまでに培った技術要素をもとに高品質で高信頼の製品を多数開発しております。
近年では、パワー半導体を使用し、接点を用いない「半導体スイッチ」を開発いたしました。このほかにも、バリアフリー向け製品として、色弱の方も色の違いがわかる「カラーバリアフリーLED」を開発し、ユーザーニーズに沿った高い開発成果を得ております。
販売市場の拡大においては、既存顧客へのさらなる営業活動に加えて、商社機能を有した商事部を新設し、当社及び他社製品の販売活動を行い、認知度向上に努めております。
また、生産設備の自動化や合理化を目的として、生産技術部を新設し、将来的には自動機の社外販売を検討しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、当社はこれらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)収益構造
当社の製品は、電力各社向けを中心とした重電機器市場に依存しているため、電力各社の設備投資動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、今後も主力の重電機器市場向け受注の拡大を図るものの、以下の施策を実施することにより、収益基盤の多様化による経営基盤の安定化を目指してまいります。
① 重電機器市場以外の一般産業市場の開拓、とりわけ鉄道車両市場の開拓を積極的に進めるとともに、商事部による新たな販売市場の開拓・拡大を目指してまいります。しかし、国内の経済情勢及び景気動向の影響はもとより、廉価な海外製品流入の拡大等による価格競争の激化により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 中近東、東南アジア及び中国に加え、米国などの海外市場の開拓を推し進めております。しかし、当該国内の政治、経済情勢及び景気動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動
当社は、中近東、東南アジア、中国を中心とした海外市場への積極的な展開をしております。商社経由を含む海外向け販売比率は総売上高の約12%となります。
当社では、為替レートの変動による直接的なリスクを回避するため、主に円建てによる販売を実施しておりますが、円高で推移し続けると海外需要家の購買力減退に繋がり、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の海外市場への展開において、外貨建てによる販売を実施する際、急激な為替変動が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料価格の変動
当社の主要原材料である成形材料は、資源輸出国の経済情勢や国際的な原油(ナフサ)の需給バランス等により価格が変動しております。
当社は、収益構造の再構築を課題の一つに掲げ、コスト競争力の強化に継続して取り組んでおりますが、為替や資源輸出国の地政学的リスクによる急激な原材料価格の変動は、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品の欠陥
当社は、顧客及び当社の品質基準を満足する各種製品の安定供給を実施するためISO9001の認証を取得しているほか、必要に応じ米国安全規格(UL)等製品の安全規格の適合認証も取得しておりますが、将来、全ての製品について欠陥がなく、また製品の回収、修理等が発生しないという保証はありません。
また、製造物賠償責任請求について、生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て賄えるという保証はなく、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性は皆無ではありません。
(5)公的規制
当社は、国内外で事業展開を行うにあたって、各国における通商、為替、租税、特許、環境等様々な公的規制を受けております。
当社は、これら公的規制の遵守に努めておりますが、将来これら公的規制を遵守できない場合、また当社の事業継続に影響を及ぼすような公的規制が課せられる場合、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)有価証券等の資産価値変動
当社の当事業年度末における有価証券及び投資有価証券の合計残高は、1,305百万円と、総資産の約12%を占めております。
このうち、債券については、金利の上昇等による債券価格の下落や発行者の信用状況悪化等により、損失を被る場合があります。また、株式については、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化の影響等による評価損が発生する可能性があります。
(7)係争事件等
現在当社には、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性のある係争事件等はありませんが、今後そのような係争事件等が発生する可能性は皆無ではありません。
(8)自然災害等
当社は、すべての生産拠点を滋賀県内に展開しており、琵琶湖西岸断層帯等における地震等の自然災害や火災等の発生により、生産、販売等の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があり、事前に必要な安全対策や早期復旧・事業継続のための対策を講じております。しかしながら、東日本大震災のような大規模な自然災害、火災等が近畿圏で発生した場合のリスクをすべて回避することは不可能であり、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)厚生年金基金の解散
当社は、「京都機械金属厚生年金基金」(総合型)に加入しております。同基金は平成25年6月に成立した「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法の一部を改正する法律」により、基金存続に財政面で高いハードルが義務付けられ、適切な掛金の設定、給付及び事務コストの抑制をしておりましたが、平成31年3月までに新存続基準をクリアーできる確かな対策を立案できない状況と判断し、平成26年2月20日の代議員会において特例解散の方針を決議いたしました。同基金は特例解散の認可申請を平成29年9月頃に予定しております。
同基金の解散に伴い費用の発生が見込まれますが、解散に伴う費用の金額につきましては、現時点においては不確定要素が多く、合理的な見積金額は算定できません。
今後見積金額が判明した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特記事項はありません。
当社は、電気制御機器メーカーとして、営業及び技術の緊密な連携体制により、顧客ニーズにあった高品質の新製
品をスピーディーに開発し、提供することを経営の方針としております。市場別では、電力業界を中心とする重電機
器市場での拡販及び電鉄・車両、自動車、工作機械などの一般産業市場の開拓に取り組んでおります。
主に、重電機器市場向けでは、切替スイッチ、表示灯、端子台、試験用端子、電力用リレー、鉄道変電設備用I/Oユニット、一般産業市場向けでは、工作機械用として操作スイッチ、分岐端子台、鉄道車両用として、尾灯、車側灯、扉開閉表示灯、運転台選択スイッチ、車掌スイッチなどの開発に取り組んでおります。
研究開発業務の推進に当たっては、製品企画会議の定例開催や必要に応じた各種プロジェクトの編成により、
顧客ニーズにマッチした製品企画と開発スピードに重点を置いております。
草津製作所の技術営業部・技術チーム(当事業年度末15名)・製品戦略チーム(当事業年度末2名)が研究開発を
行っており、当事業年度の研究開発費は133百万円、主な研究開発及び成果は次のとおりであります。
なお、当社は、電気制御機器の製造加工及び販売事業のみであるため、主な研究開発及び成果は、セグメント別の
記載を省略し、製品分類ごとに記載しております。
(1)制御用開閉器
当分野では、高接触信頼性接点及び堅牢な操作機構を有する開閉器の技術力を活かし、鉄道車両の運転台搭載機器及び鉄道車両の床下機器の開発を進めております。
当事業年度の成果は、鉄道車両向けにボックス内蔵型スイッチのラインナップ拡充を行いました。
(2)接続機器
当分野では、海外市場の深耕を行うべく、機器の安全性を高めた接続機器の開発を進めております。
当事業年度の成果は、カバー付き試験用端子の開発を行いました。
(3)表示灯・表示器
当分野では、重電機器市場のみならず一般産業への適用を行える製品の開発を進めております。
当事業年度の成果は、人にやさしいカラーバリアフリーLEDの開発を行いました。
また、鉄道車両用の製品開発も進めており、当事業年度の成果は、尾灯のラインナップ拡充を行いました。
(4)電子応用機器
当分野では、重電機器市場の深耕を行うべく、製品開発を進めております。
当事業年度の成果は、電力用リレーのラインナップ拡充を行いました。
当事業年度に取得した意匠は5件、商標は11件であります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。
なお、たな卸資産の評価減・退職給付費用等の評価計上につきましては、合理的な見積り金額によって、これを計算しておりますが、実際の結果は不確実性が残るため、異なる場合があります。
また、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日現在に当社が判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、十分にご留意ください。
(2)当事業年度の財政状態の分析
当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ558百万円減少し、10,835百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少1,551百万円、売掛金の減少218百万円、有価証券の増加501百万円、建設仮勘定の増加794百万円及び投資有価証券の減少347百万円等によるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ152百万円減少し、589百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の減少90百万円及び未払消費税等の減少44百万円等によるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ405百万円減少し、10,246百万円となりました。主な要因は、別途積立金の増加100百万円、自己株式の取得558百万円及びその他有価証券評価差額金の増加41百万円等によるものであります。
(3)当事業年度の経営成績の分析
① 売上高
当社は、国内では電力や一般産業、電鉄・車両業界、海外では東南アジアや中近東各国を重点に営業活動を行った結果、鉄道変電設備向けインターフェイスユニットや鉄道車両用戸閉め検出スイッチが増加しましたが、受変電設備向け遮断器用補助スイッチの減少や中近東の変電設備計画の遅れにより、落下式故障表示器が低調であったことから、売上高は前事業年度に比べ5.8%減の3,769百万円となりました。
製品分類別の売上構成比は、制御用開閉器27.8%、接続機器40.1%、表示灯・表示器16.4%、電子応用機器15.7%となっております。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、売上高の減少により、94百万円減少し、2,347百万円となりました。また、売上高に対する売上原価の比率は、前事業年度に比べて1.3ポイント増加の62.3%となっております。
販売費及び一般管理費につきましては、前事業年度に比べて23百万円増加し、977百万円となりました。また、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前事業年度に比べて2.1ポイント増加の25.9%となっております。
③ 営業外収益、営業外費用
営業外収益は、前事業年度に比べて1百万円減少し、25百万円となりました。主なものは、定期預金等の運用による受取利息3百万円、株式の保有による受取配当金9百万円及び助成金収入4百万円等となっております。
営業外費用は、前事業年度と同様の2百万円となりました。主なものは、支払利息1百万円、支払手数料0百万円等となっております。
④ 特別損失
特別損失は、前事業年度に比べて2百万円増加し、27百万円となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純利益は、前事業年度に比べて95百万円減少し、304百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、安定的かつ持続的な経営基盤の構築を目指し、主要ユーザーである重電機器市場向けの受注拡大を図るほか、電鉄・車両分野及び中近東、中国、東南アジア、米国などの海外市場への開拓を日々推し進めております。
しかしながら、これら一連の施策は、国内外の経済情勢及び景気動向といったマクロ環境の影響を免れるものではなく、特に、製品市場における需要の縮小や価格競争の激化など、当社を取り巻く市場環境の急激な変化が、当社の経営成績に重要な影響を与える場合があります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社では、重電機器市場の深耕、一般産業市場の開拓、海外市場の開拓を経営の重点戦略に据え、平成27年2月(平成28年1月期)から、平成30年1月期に売上高5,000百万円を目標とした中期3ヵ年計画がスタートいたしましたが、国内では電力会社の設備投資の抑制が継続しており、海外におきましても中近東の電力インフラ設備をはじめとする案件が低調となり、平成30年1月期における売上高の目標値を当初の5,000百万円から4,200百万円に修正しております。
重電機器市場の深耕では、発・変電所の新設、更新に向けた受注・販売強化に努めるとともに、一般産業市場の開拓では、鉄道車両市場向け製品の販売強化や新技術要素をもとにした戦略的開発製品を投入し、新たな市場創出に取り組んでまいります。
また、海外市場の開拓においては、東南アジアや中近東各国をはじめとして、インフラ整備による需要が見込まれることから、当社製品の採用に向けた販売活動を行ってまいります。
このほかにも、商事部による新たな販売市場の開拓・拡大を目指すほか、他社との共同開発や業務提携、M&Aも視野に入れ、今後も持続的成長を図っていく所存であります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金に関しましては、営業活動によるキャッシュ・フローで、前事業年度より131百万円少ない485百万円の資金を獲得いたしました。
主なプラス要因は、税引前当期純利益439百万円、減価償却費243百万円及び売上債権の減少額147百万円であり、主なマイナス要因は、たな卸資産の増加額41百万円及び法人税等の支払額225百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロ-では、323百万円の資金を獲得(前事業年度は308百万円の支出)いたしました。
主な要因は、定期預金の払戻による収入1,600百万円(同預入による支出との純額)、みなみ草津工場増築工事や金型投資を含む有形固定資産の取得による支出1,166百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロ-につきましては、前事業年度より561百万円多い760百万円の資金を支出いたしました。
要因は、自己株式の取得による支出559百万円及び配当金の支払額200百万円によるものであります。
以上の資金活動の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物残高は、前事業年度末より48百万円増加し、763百万円となりました。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
わが国経済は、個人消費の持ち直しや雇用・所得環境の改善により、景気は緩やかに回復すると予測しておりますが、日本銀行のマイナス金利導入による金融市場への影響や中国経済の減速など、景気後退のリスクが懸念され、その先行きに不透明な状況が続いております。
当社が属する電力・重電機器市場は企業間競争が年々激化しており、こうした状況にあって、新製品開発と販売市場の拡大が当面の課題であると考えております。
当社では、営業と技術が組織的に一体となって、顧客ニーズの共有を図り、他社と差別化した新製品開発に取組む方針であります。
また、販売市場の拡大にあたっては、既存の顧客のみならず、商社機能を有した商事部による新たな販売市場の開拓・拡大を目指してまいります。