第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は創業以来、「企業の発展を通じて社員の幸福と社会の繁栄につくす」という社是のもとに、全社員が心を一つにして社業に邁進してまいりましたが、今後もこの精神は不変の企業理念として生き続けるものと考えております。

社是にも明示されているとおり、社員の幸福と社会が繁栄することを終局の使命と考えるものであり、この使命を果たすためには会社として常に最大限の業績を維持し、企業価値の増大を図ることが必要であると考えます。業績向上のない企業に社員の幸福と社会的貢献はありえず、社員一人ひとりがたゆまぬ努力を重ね、個々人に与えられた役割を果たすことによって企業の発展を目指してまいります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、売上高、営業利益のほか、自己資本利益率、自己資本比率を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として用いております。

 

(3) 対処すべき課題

今後の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の防止策が講じられるなかで、社会経済活動の持直しの動きが期待されておりますが、変異株の感染拡大が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想されます。

当社グループの主要得意先である自動車関連企業につきましては、生産台数については中長期的に世界規模で増加していくことが予想されておりますが、半導体不足の長期化による生産台数の下振れ懸念など、今後の投資動向につきましては流動的な状況にあります。

このような経済環境のもとで当社グループは、2024年4月期を最終年度として策定いたしました新たな中期経営計画に基づき、創業以来培ってきた「接合」技術をコアコンピタンスとして、FAシステム・生産設備などのメーカー機能とグローバルネットワークを有する商社機能に、さらにシステムインテグレーター機能を掛け合わせることにより、スピード化・多様化する顧客ニーズの変化に柔軟に対応しつつ、潜在的ニーズについても発見・解決してまいります。

これからもお客様の事業に貢献できるよう当社グループの総合力を結集し、業績の向上と企業価値の増大に努めてまいります。

主たる取組み課題は、次のとおりであります。

① 「トータルソリューションプロバイダー」への変革

② NADEXグループの「総合力」の結集と「発信力」の強化

③ New Businessの創出による新領域の開拓

④ 戦略的な人財育成および有効活用

⑤ グループ全体最適による効率化およびコスト・リソースの最適化

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスクを十分認識し、発生の回避やリスクの最小化に向けて努力していく所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営環境の変化

当社グループは日本のほか、米国・カナダ・メキシコ・中国・タイ・インドネシアにそれぞれ子会社を設立し、事業活動を行っておりますが、これらの国の経済動向は、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。また、米中貿易摩擦の動向や地政学的リスクなど、政治情勢の変化または予期しない法律や規制の変更などの不安要因が存在しております。

当社グループは、経済動向の統計資料、法律や規制の変更に関する情報などの入手・分析を行い、グループ会社間で情報の共有を図ることでリスクの低減に努めております。

 

(2) 自動車関連企業への依存

当社グループの主要取引先は、自動車関連企業であります。自動車の生産台数は中長期的に世界規模で増加していくと予測されておりますが、環境規制の強化などを受けて電動化の流れが加速するなど、同業界は100年に一度と言われる大変革期を迎えており、同業界の設備投資動向や生産計画は、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、変化する顧客ニーズに対応するため、積極的な研究開発活動や設備投資など、引続き同業界に貢献できるよう取組みを強化しております。また、業績の拡大と安定化のため、自動車関連以外の業種についても取引先を拡充する取組みを行っております。

 

(3) 新製品の開発

当社グループは、抵抗溶接製品関連およびレーザ加工技術関連を主体に接合ソリューションの開発活動を行っております。主要取引先である自動車関連企業では、様々な難板組・異種材の接合に関するニーズが高まっておりますが、開発の進捗遅延や開発した製品が市場での優位性を維持することができない場合には、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、市場ニーズの調査や競合企業の動向を的確に把握するとともに、必要に応じて産学官連携による共同開発を進めるなどの取組みを行っております。

 

(4) 製品の品質

当社グループは、品質マネジメントシステムの規格であるISO9001に基づく品質管理体制を構築し、製造および販売を行っておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、最終的に負担する損害額を製造物責任賠償保険でカバーできず損失が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ISO9001の活動を通じて品質管理体制の改善・向上を図り続ける取組みを行っております。

 

(5) 人財の確保および育成

当社グループは、事業活動を行うにあたり人財は重要な財産と位置付けており、中長期的な視野のもとその確保および育成に努めておりますが、昨今の少子高齢化に伴う労働人口の減少などにより十分な人財確保ができず、当社グループが長年培ってきた技術の伝承に支障が出た場合、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、ダイバーシティの推進、働き方改革によるより働きやすい労働環境の整備を進めることで人財確保に努め、新卒採用のみならず必要な能力を備えた即戦力となる人財の中途採用を実施してまいります。

 

 

(6) 情報セキュリティ

当社グループは、事業活動を行うにあたり様々な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、コンピューターウイルスへの感染などにより、これらの情報が外部へ流出・漏洩した場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求などにより、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、情報セキュリティに関する各種規程を制定するとともに、情報セキュリティ委員会を中心とした社員教育や啓発活動などに取組んでおります。

 

(7) 固定資産の減損

当社グループは、M&Aを持続的な成長による企業価値向上のための経営戦略の一つとして実施しており、のれんなどの無形固定資産を連結貸借対照表に計上しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が想定以上に長期化あるいは拡大した場合を含む経営環境の著しい変化等により期待される将来キャッシュ・フロー等の見積額が減少した場合、のれんなどの無形固定資産について減損損失が計上され、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されているのれん(14億3千3百万円)および顧客関係資産(7億6千9百万円)には、2019年11月に株式会社タマリ工業の全株式を取得したことに伴い計上した、相対的に多額なのれん(14億3千3百万円)および顧客関係資産(6億8千7百万円)がそれぞれ含まれております。

当社グループは、M&A実施時に対象企業の財務内容等について十分な検討を行うとともに、シナジー効果の最大化に向けた事業戦略の推進などに取組んでおります。

 

(8) 災害の発生

当社グループの事業所の多くは、東海地震防災対策強化地域に所在しており、この地域で大規模な地震等の災害が発生した場合、事業活動に遅延や停止が生じ、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。また、原材料または商品の調達先が被災した場合、生産活動または営業活動の機会損失が発生する可能性があります。

当社グループは、調達先と連携を密に図りリスク管理を強化するとともに、調達先の複数化を図るなどサプライチェーンの強化に取組んでおります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染症の拡大

新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大により、当社グループの主要取引先である自動車関連企業においても、世界規模で減産となるなどの影響が出ております。前連結会計年度においては、当連結会計年度末までに感染拡大による経済への影響が収束すると仮定しておりましたが、感染の再拡大や緊急事態宣言の再発出等、本有価証券報告書作成時点においても、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は明確に見通せない状況であり、同業界の設備投資の延期や生産計画の減産が行われた場合、当社グループの財政状態および経営成績などに重大な影響を及ぼす可能性があります。

この事態に対応するためには、「withコロナ」を意識した即応力のある経営が必要であり、「社員」、「お客様」、「株主・投資家様」および「社会」などの当社グループを取巻くステークホルダーの安全を確保しつつ、事業展開を進めてまいります。各国政府の方針に従いつつ、在宅勤務や時差出勤などの推進、不要不急の出張の禁止、アルコール消毒液による手指の消毒やマスクの着用などの感染防止策の徹底に取組み、事業活動への影響の低減に努めてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態および経営成績の状況
イ.経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大に伴い、社会経済活動は停滞し、景気は急速に悪化いたしました。各種政策の効果や海外経済の改善などにより持直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況が続いております。世界経済につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、長期化する米中貿易摩擦の影響など、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

当社グループの主要得意先である自動車関連企業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界規模で減産となったこと、また半導体不足などの影響により生産台数は前年に比べ減少しており、設備投資については引続き慎重な姿勢が見られました。

このような経済環境のもとで当社グループは、当連結会計年度を最終年度として策定いたしました中期経営計画に基づき、当社グループが保有する各事業の連携によるトータルソリューションの提供、コアコンピタンスである接合ソリューションの深化による新ユーザー層に向けての多角的な展開、グローバル展開のための製品力強化などに取組み、市場のニーズに先行ないし同期する形で事業基盤の強化に取組んでおります。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するためには、「withコロナ」を意識した即応力のある経営が必要であり、「社員」、「お客様」、「株主・投資家様」および「社会」などの当社グループを取巻くステークホルダーの安全を確保しつつ、事業展開を進めております。特に自動化・省人化に対するお客様のニーズが「withコロナ」により高まっており、これにお応えするためにも当社グループの強みである産業用設備を軸としたトータルソリューションでの提案力の強化が最重要課題であると認識し、グループ一丸となってお応えしてまいります。

この結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は307億3千5百万円と前連結会計年度に比べ6億4千3百万円(△2.0%)の減収となり、営業利益は6億2千7百万円と前連結会計年度に比べ3億6百万円(△32.8%)、経常利益は8億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億円(△10.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億6千万円と前連結会計年度に比べ1千3百万円(△2.4%)のそれぞれ減益となりました。

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(日本)

日本につきましては、前連結会計年度に実施したM&Aに伴う連結子会社の増加などにより、売上高は250億8千9百万円と前連結会計年度に比べ15億6百万円(6.3%)の増収となりましたが、販売費及び一般管理費の削減に努めたものの、のれんの償却額が増加したことなどにより、営業利益は1億5千3百万円と前連結会計年度に比べ2億1千9百万円(△58.8%)の減益となりました。

(北米)

北米につきましては、自動車関連企業向けの自社製品の販売が増加したことなどにより、売上高は33億2千万円と前連結会計年度に比べ2億8百万円(6.7%)の増収となり、営業利益は3億5千3百万円と前連結会計年度に比べ1億6千5百万円(88.3%)の増益となりました。

(中国)

中国につきましては、工作機械関連企業向け製品の販売が増加したことなどにより、売上高は26億3千6百万円と前連結会計年度に比べ3億5千7百万円(15.6%)の増収となり、営業利益は1億8百万円と前連結会計年度に比べ3千万円(38.7%)の増益となりました。

 

(東南アジア)

東南アジアにつきましては、前連結会計年度には自動車関連企業向け設備の据付工事があったこと、また新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い延期になったことなどにより、売上高は9億5千1百万円と前連結会計年度に比べ28億8千8百万円(△75.2%)の減収となり、営業損失は1千2百万円(前連結会計年度は2億5千1百万円の営業利益)となりました。

 

ロ.財政状態

(総資産)

当連結会計年度末における総資産は272億9千5百万円と前連結会計年度末に比べ32億2千9百万円減少いたしました。その主な要因は、流動資産の現金及び預金の減少10億7百万円受取手形及び売掛金の減少7億4千5百万円商品及び製品の減少7億7千2百万円、無形固定資産ののれんの減少2億2千6百万円および投資その他の資産の投資有価証券の減少2億7千4百万円などがあったためであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は111億8千5百万円と前連結会計年度末に比べ40億3千8百万円減少いたしました。その主な要因は、流動負債の支払手形及び買掛金の増加3億4千4百万円などがあったものの、流動負債の電子記録債務の減少6億1千6百万円短期借入金の減少21億6千4百万円前受金の減少12億1千1百万円および固定負債の長期借入金の減少4億8千万円などがあったためであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は161億1千万円と前連結会計年度末に比べ8億9百万円増加いたしました。その主な要因は、株主資本の利益剰余金の増加4億4千9百万円、その他の包括利益累計額のその他有価証券評価差額金の増加2億7百万円および為替換算調整勘定の増加1億2千4百万円などがあったためであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9億8千7百万円減少し、51億9千4百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、14億8千万円(前連結会計年度は9億7千2百万円の収入)となりました。これは主に、仕入債務の減少額3億6千1百万円およびその他の負債の減少額11億1千8百万円などによる資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益8億9千6百万円減価償却費6億9千5百万円売上債権の減少額8億3千5百万円およびたな卸資産の減少額4億1千9百万円などによる資金の増加要因があったためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金は、4億4千7百万円(前連結会計年度は18億4百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億8千万円などによる資金の減少要因があったものの、投資有価証券の売却による収入6億6百万円などによる資金の増加要因があったためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、29億3千9百万円(前連結会計年度は11億9千2百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出(短期借入れによる収入を相殺した金額)21億7千7百万円、長期借入金の返済による支出(長期借入れによる収入を相殺した金額)5億9千2百万円および配当金の支払額1億1千1百万円などによる資金の減少要因があったためであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

日本

6,215,971

23.3

北米

1,685,442

2.6

中国

2,424,322

4.9

東南アジア

117,263

42.4

合計

10,442,999

15.0

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価額で表示しております。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

5,207,799

26.2

3,325,690

△2.0

北米

3,149,213

△8.2

1,469,076

22.6

中国

2,833,001

40.0

806,721

60.6

東南アジア

143,874

14.1

39,195

73.0

合計

11,333,889

16.7

5,640,683

10.1

 

(注) 1.セグメントのうち受注販売を行っているのは、製品売上のみでありますので、上記金額は、その製品の受注高、受注残高であります。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.金額は販売価額で表示しております。

4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

ハ.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

日本

15,367,425

△4.9

北米

272,816

320.2

東南アジア

504,417

△81.9

合計

16,144,660

△14.0

 

(注) 1.金額は仕入価額で表示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ニ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

日本

23,995,424

7.7

北米

3,282,831

7.5

中国

2,510,723

13.0

東南アジア

946,844

△75.3

合計

30,735,823

△2.0

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループの主要取引先は自動車関連企業であり、当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症の影響により世界規模で減産となったこと、また半導体不足などの影響により生産台数は前年に比べ減少しており、設備投資については引続き慎重な姿勢が見られました。このように新型コロナウイルス感染症の拡大が、当社グループの業績に影響を与える状況で当連結会計年度が始まりましたが、感染拡大の防止策が講じられるに伴い、中国セグメントに続き北米セグメントで市況が順次回復に向かい、両セグメントは売上高・営業利益ともに前連結会計年度に比べ増収増益を確保することができました。日本セグメントにおいても、回復基調に加え、前連結会計年度に実施したM&Aに伴う連結子会社の増加などにより、売上高は前連結会計年度に比べ増収となったものの、のれんの償却額が増加したことなどにより、営業利益は減益となりました。なお、東南アジアセグメントについては、前連結会計年度には自動車関連企業向け設備の据付工事があったこと、また新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、売上高は前連結会計年度に比べ減収となり、営業損失の計上となりました。この結果、当連結会計年度の売上高は307億3千5百万円と前連結会計年度に比べ6億4千3百万円(△2.0%)の減収となり、営業利益は6億2千7百万円と前連結会計年度に比べ3億6百万円(△32.8%)の減益となりました。

営業外損益は2億5千万円の利益と前連結会計年度に比べ2億6百万円増加したことにより、経常利益は8億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億円(△10.2%)の減益となりました。

特別損益は1千9百万円の利益と前連結会計年度に比べ1千6百万円増加し、法人税等合計は3億4千万円と前連結会計年度に比べ2百万円増加し、非支配株主に帰属する当期純損失は3百万円となったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5億6千万円と前連結会計年度に比べ1千3百万円(△2.4%)の減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは、商品および原材料などの購入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費などの運転資金および有形固定資産、無形固定資産などの設備資金であり、自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入れにより調達しております。

運転資金については、当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、取引銀行3行とコミットメントライン契約(借入未実行残高70億円)および取引銀行5行と当座貸越契約(借入未実行残高30億5千万円)を締結しており、資金の流動性を確保しております。

当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローは、営業活動により得られた資金14億8千万円、投資活動により得られた資金4億4千7百万円の結果、フリー・キャッシュ・フローは19億2千7百万円の収入となり、財務活動により使用した資金29億3千9百万円などにより、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ9億8千7百万円減少し、51億9千4百万円となりました。

 

 

③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

イ.固定資産の減損

当社は、レーザに関する生産設備の設計・製作において高い技術力を有しており、システムインテグレーターとしての機能を備えている株式会社タマリ工業の株式を取得することで、これまで当社グループが培ってきたレーザ事業においてシナジー効果が見込まれ、更にはFAシステム事業とも有機的な連携を図ることで、顧客への提供価値を向上させ、トータルソリューションを提供できる体制の構築を一層加速させることが可能と判断し、2019年11月に株式会社タマリ工業の株式を3,267,338千円で取得しており、取得原価の一部をのれんおよび顧客関係資産に配分しております。

当該のれんおよび顧客関係資産は、企業結合会計基準における、のれんやのれん以外の無形資産に配分された金額が相対的に多額である場合に該当すると判断し、減損の兆候を識別しましたが、減損損失を認識するかどうかの判定に際して、それぞれの事業の割引前将来キャッシュ・フローの総額と、のれんを含むより大きな単位での資産グループ合計の帳簿価額とを比較し、それぞれの事業における割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合、それぞれの事業において減損損失を認識いたします。

将来キャッシュ・フローは、株式会社タマリ工業の経営者またはその子会社の経営者により承認された事業計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮して見積っております。当該将来キャッシュ・フローは将来の売上の予測や利益率の予測、その他の費用の予測などの不確実性を伴う重要な会計上の見積りが含まれるものであり、主として受注獲得予測、売上の成長率、変動費率、固定費の発生状況などに仮定を用いており、これらの影響を受けて変動します。株式会社タマリ工業またはその子会社に関連する市場環境の悪化、技術的な環境の悪化等により、将来キャッシュ・フローの予測が大きく変動した場合には、翌連結会計年度において、減損損失を認識する可能性があります。

 

ロ.繰延税金資産の回収可能性

当社グループでは繰延税金資産の計上に当たり、経営環境等が当社グループの業績へ及ぼす影響および将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を検討し、将来の課税所得等の予測を行っております。その結果、将来実現が困難と判断された繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。

 

ハ.退職給付に係る負債または資産

当社グループの退職給付に係る負債または資産については、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、期末における安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。

 

 

(3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高、営業利益のほか、自己資本利益率、自己資本比率を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として用いており、各指標等の状況は次のとおりであります。

 

指標等

2020年4月

2021年4月

増減

売上高

31,379,445千円

30,735,823千円

△643,621千円

営業利益

933,739千円

627,268千円

△306,471千円

自己資本利益率

3.79%

3.59%

△0.20%

自己資本比率

49.78%

58.65%

8.87%

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、抵抗溶接製品関連およびレーザ加工技術関連を主体に開発活動を行っております。

セグメント別の研究開発活動につきましては、主に日本および中国で研究開発活動を行っており、次のとおりであります。

抵抗溶接製品関連につきましては、顧客のニーズを取入れた付加価値の高い研究開発に取組んでおります。当連結会計年度は、現行製品の後継機となるインバータ式抵抗溶接制御装置の新型機の開発を行いました。同製品は、今後も市場の拡大が見込まれる中国市場をターゲットとて開発を進めており、試作機の動作確認・品質確認の評価試験が完了しております。現在、中国現地企業においてサンプル機を評価頂いており、追加機能の開発を並行して進めております。また、抵抗溶接の品質向上に資する適応制御についても継続して開発を行っております。従来の適応制御は、チップ間の抵抗を計測し適正熱力となるよう制御しておりましたが、これにその他の状態についても計測した結果を反映させることで、溶接品質を向上させる効果が期待されます。当該製品については、新型抵抗溶接制御装置に搭載する予定であり、引続き開発・検証を進めてまいります。このほか、現行製品であるインバータ式または交流式の抵抗溶接制御装置につきましても、顧客のニーズに随時対応できるよう、オプション機能や各種バリエーションの追加を行っており、顧客満足度の向上を図っております。

レーザ加工技術関連につきましては、従来から継続して開発を行っている大出力レーザによる厚板溶接技術などの接合技術、産学官連携によるレーザ溶接のモニタリング技術の開発を引続き行っております。

当社グループの主要得意先である自動車関連企業では、環境規制の強化に伴い車両の軽量化を図るため、従来の鉄に加えアルミなどの採用を拡大するマルチマテリアル化が進展しております。当社グループは、このようなニーズに対応するため、溶融接合が困難である異種材料の接合技術を、抵抗溶接製品およびレーザ加工技術の両面で研究開発活動を続けており、展示会などでその研究成果を発表しております。

なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の金額は347百万円であります。

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。