(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済再生と財政再建に向けた取り組みや、日銀の金融緩和策を背景に、年度後半は円高傾向で推移したものの、通年では円安・株高が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、個人消費は消費増税後の落ち込みから抜け出しつつありますが、物価上昇に伴う実質所得の減少を背景に回復の動きはもたつき、円安による輸入コストの上昇および新興国の景気減速などの要因もあり、企業収益は改善が見られるものの、本格的な景気回復までには至りませんでした。
当社グループにおいては、中国市場では空調設備の需要の伸びが徐々に鈍化したものの、日本市場では企業の設備投資が底堅く推移したことで、半導体製造装置用ポンプや工作機械装置用モータなどでは受注は堅調に推移いたしました。利益面においては、新製品による収益改善効果があったものの、円安による輸入材の高騰がコストを押し上げる要因となり、引き続き厳しい経営環境が続くこととなりました。
このような事業環境の中、お客様の要望にきめ細かく対応することで顧客満足度の向上を図るとともに、新製品であるプレミアム効率モータの拡販や、プレミアム効率モータを採用したポンプの量産を行い、新規受注に向けた営業活動を推進してまいりました。また、ポンプ応用技術を活かしたシステム商品の開発を進めております。更に、販売価格を見直し収益改善を図るとともに、部品加工の内製化や生産性の向上、幅広い原価低減を進め業績向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は133億83百万円(前期比99.6%)、営業利益は5億26百万円(同112.5%)、経常利益は6億13百万円(同112.6%)となりました。また、国内生産拠点の統廃合にかかる費用70百万円を事業構造改革費用として特別損失に計上した一方、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、法人税等調整額に△2億70百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は6億63百万円(同161.3%)となりました。
(2)資産・負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ8億81百万円増加し、138億67百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比べ5億88百万円増加しております。これは主に現金及び預金が5億36百万円増加したことによるものであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比べ2億92百万円増加しております。これは主に繰延税金資産が3億4百万円増加したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比べ4億59百万円増加しております。これは主に借入金が6億47百万円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ4億21百万円増加しております。これは主にその他有価証券評価差額金が85百万円、為替換算調整勘定が75百万円減少した一方、利益剰余金が6億18百万円増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、24億85百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億36百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11億25百万円(前年同期は6億46百万円の収入)となりました。これは主に5億41百万円の税金等調整前当期純利益の計上、6億55百万円の減価償却費の計上等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10億89百万円(前年同期は4億83百万円の支出)となりました。これは主に9億99百万円の有形固定資産の取得等の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5億43百万円(前年同期は4億53百万円の収入)となりました。これは主に6億47百万円の長期借入金の増加(純額)等の増加要因があったことによるものであります。
当社グループは、モータおよびポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載に代えて、部門別の実績を記載しております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
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部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,723,014 |
96.3 |
|
ポンプ(千円) |
6,676,009 |
103.4 |
|
合計(千円) |
13,399,023 |
99.7 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,570,140 |
98.7 |
|
ポンプ(千円) |
6,468,698 |
102.9 |
|
合計(千円) |
13,038,838 |
100.8 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,785,587 |
97.3 |
|
ポンプ(千円) |
6,597,586 |
102.0 |
|
合計(千円) |
13,383,173 |
99.6 |
(注)1.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社荏原製作所 |
1,954,788 |
14.5 |
1,554,316 |
11.6 |
2.本表金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の対処すべき課題といたしまして、海外経済の減速影響を受け、企業の現況には足踏みが見られ、足元の円安水準が持続すれば、企業業績の下振れリスクが想定され、依然として楽観視できない状況が続くものと考えられます。
このような状況下において、環境に適合したエコロジー商品に注力し、省エネルギー、高効率のモータとポンプの製品開発を進め、他社製品との比較優位性を強みとした営業活動や、市場が求める省エネルギー商品の提案で企業競争力の強化を図ってまいります。また、平成28年4月1日付で株式会社岩谷電機製作所の全株式を取得し、新規連結子会社にしたことで生産・販売の効率化をより一層推進し、グループ一丸となって業績の向上に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、主として以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月20日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)特定の販売先への依存度について
当社グループの最近の2連結会計年度において販売依存度が総販売実績の10%を超える取引先は、「2.生産、受注及び販売の状況(3)販売実績」に記載のとおりであります。
これら販売先からの受注動向がグループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
(2)中国市場での活動について
当社グループは、中国において生産活動および販売活動を行っております。今後、中国において経済的、社会的および政治的な要因により、販売活動或いは生産活動に支障をきたすようなトラブルが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)原材料価格変動の影響について
当社グループの製品は、鉄鋼、非鉄金属を素材とした原材料を主要部品として使用しており、近年においてこれら素材の市況が大幅に乱高下しております。当社グループといたしましては市況価格を注視し、最適価格による調達を実施してまいりますが、今後さらに素材価格が変動した場合、適正な販売価格とすることができなければ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)為替レートの変動について
当社グループが事業を行う地域において、現地通貨以外の通貨による売上、費用、資産等の取引により発生する外貨建ての項目について、現地通貨への換算ならびに連結財務諸表の作成のために円換算しております。これら換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(株式取得による会社の買収)
当社は、平成28年2月22日の取締役会において、株式会社岩谷電機製作所の全株式を取得し子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループの研究開発活動につきましては、当社の技術部門スタッフを中心に推進しております。
近年環境問題がますます重視され、省エネ・省資源となる環境適合製品が強く要求される中、当社は、従来のモータとポンプに関する固有技術に加え、電子制御技術を応用した独自の発想による高性能な製品開発を行うとともに、構造・流体・磁場・流れ等をCAE解析ソフトと評価装置により検証することで、一段と信頼性の高い製品開発を行ってまいりました。また、事業戦略上重要となっております一般市場販売用ポンプの新製品開発を行うとともに、お客様の要望にあった特殊モータやポンプ、中長期的成長の基盤となる新分野への製品開発に努めてまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、2億83百万円です。
《部門別の研究開発内容》
モータ関係では、新規・既存の両分野において顧客の要求を実現するだけでなく、経験と実績によるプラスアルファの機能・信頼性の向上や環境への配慮を提案し、顧客満足度を高める製品開発を進めてまいりました。
具体的には、省エネ法におけるトップランナー制度が平成27年4月より施行されましたが、当社の高効率(国際規格効率基準IE3)モータは、従来のモータと同じ外観・取付とサイズを変更せずに高効率を実現させたことにより、現状の引き合いだけでなく新たな顧客の獲得に至っております。
ポンプ関係では、高性能・高信頼性はもとより、より過酷な環境への適応や低環境負荷といった市場や顧客の要望に応えるべく、より緻密な製品開発に努めております。
具体的には、低環境負荷を実現すべく、上記高効率モータを登載した弊社ブランドのポンプをシリーズ化いたしました。また、電子制御技術を駆使した直流ブラシレスキャンドポンプでは、今まで対応できなかった超高温(液温160℃、絶縁クラス240)での使用を可能にし、さらに、前年度の新分野のガス発電システムの排熱回収、医療分野、建設重機電装品冷却等に使用されるポンプが市場に受け入れられております。
技術関係全体として、様々な分野の新技術を大学等と連携することにより、最先端の技術の習得と新分野・新製品への応用のための実験を継続しております。また、今後の新製品に必要となるIoT技術に関しても積極的な技術の習得を行い、開発に取り組んでいます。
今後の研究開発活動としまして、モータ・ポンプおよび電子制御をベースとした技術開発の基盤を強化するとともに、様々な分野の新技術を取り入れそれらと融合することにより、市場や顧客の求める以上の新製品を開発してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、決算日現在における貸借対照表ならびに報告期間における損益計算書の各項目中において計上するに至った数値の一部は、過去の見積り或いは今後の仮定に基づいて計算される数値を合理的に判断し連結財務諸表に計上しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績について、中国市場では空調設備の需要の伸びが徐々に鈍化したものの、日本市場では企業の設備投資が底堅く推移したことで、半導体製造装置用ポンプや工作機械装置用モータなどでは受注は堅調に推移いたしました。利益面においては、新製品による収益改善効果があったものの、円安による輸入材の高騰がコストを押し上げる要因となり、引き続き厳しい経営環境が続くこととなりました。
この結果、前連結会計年度と比べ売上高では60百万円減少、利益では68百万円改善し6億13百万円の経常利益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、為替が円安傾向で推移した場合、原材料費の価格が高騰するとともに、海外子会社での生産コストが上昇いたします。このコスト変動にあわせた適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。また、環境問題意識の高まりにより、顧客からはより省資源、低消費電力となる製品の要望が強く、小型・軽量・低消費電力となるモータやポンプの製品開発の優劣で、今後の受注が左右されます。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、環境に適合したエコロジー商品に注力し、省エネルギー、高効率のモータとポンプの製品開発を進め、インダクションモータの高効率規制をチャンスと捉え、企業競争力の強化を図ってまいります。また、モータやポンプの応用技術を活かした新たな製品を開発し、国内外の新規市場への開拓を進めてまいります。
生産面においては、生産性の向上により受注増加に対する直接作業者の増員を抑え、固定費圧縮により収益改善を進めておりますが、今後更なる生産性の向上を目指して取り組んでまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、主として営業活動によるキャッシュ・フローにより必要とする資金を調達しております。当期は営業活動によるキャッシュ・フローで11億25百万円の資金を得ております。投資活動によるキャッシュ・フローで資金を使用したものの、財務活動によるキャッシュ・フローで資金を得た結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末に比べ5億36百万円増加しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く環境は、市場の動向に合わせた生産対応や、環境問題からくる省エネ製品への要望が強まるなど、企業として柔軟な納期対応や、環境に適合した製品開発の如何によって今後の業績が左右されるものと考えられます。このような状況下において市場の優位性を築くために、省エネとなるモータやポンプのシリーズ化を進めるとともに、モータやポンプの応用技術を活かしたユニット製品に注力していきます。また、飽和した国内市場だけに留まらず、ASEANを始めとする海外市場への展開を進めて行きます。一方で、国内外を問わず生産拠点の見直しや工法の改善などを実施し、生産効率を高めるとともに、短納期対応を進めてまいります。