(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や所得・雇用情勢の改善傾向が続く中で設備投資についても持ち直しの動きが見られるものの、中国をはじめとした新興国経済の減速、欧州の政治情勢の影響や米国の政策運営の変化、ならびに北朝鮮リスクの高まり等、海外情勢の不安定化を受け、景気の先行きに対する不透明感が強まっております。
当社グループにおいて、中国市場では空調設備の需要の伸びが徐々に鈍化したものの、日本市場では企業の設備投資が底堅く推移したことで、半導体製造装置用ポンプや工作機械装置用モータなどでは受注は堅調に推移いたしました。
このような事業環境の中、お客様の要望にきめ細かく対応することで顧客満足度の向上を図るとともに、新製品であるプレミアム効率モータの拡販や、プレミアム効率モータを採用したポンプの量産を行い収益改善を図るとともに、蓄積したノウハウと実績を活かした提案型の営業活動を推進してまいりました。また、ポンプの応用技術を用いたシステム商品の開発を進めており、一部の商品ではモニター販売を開始しております。更に、販売価格の見直しに取り組むとともに、部品加工の内製化や生産性の向上、幅広い原価低減を進め業績向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は139億48百万円(前期比104.2%)、営業利益は6億81百万円(同129.5%)、経常利益は7億74百万円(同126.3%)となりました。また、株式会社岩谷電機製作所を子会社化したことに伴う負ののれん発生益を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は8億7百万円(同121.7%)となりました。
(2)資産・負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ18億77百万円増加し、157億45百万円となりました。
流動資産につきましては、前連結会計年度末と比べ8億79百万円増加しております。これは株式会社岩谷電機製作所を完全子会社化したことを主因とした現金及び預金が6億28百万円、電子記録債権が3億45百万円増加したことによるものであります。
固定資産につきましては、前連結会計年度末と比べ9億98百万円増加しております。これは主に投資有価証券が4億58百万円、リース資産が2億78百万円増加したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比べ11億47百万円増加しております。これも上述した新規連結子会社化を主因とした長期借入金3億30百万円、リース債務が2億64百万円ならびに繰延税金負債が1億12百万円増加したことによるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べ7億29百万円増加しております。これは主に利益剰余金が7億53百万円増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、30億55百万円となり、前連結会計年度末と比較して5億70百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は17億30百万円(前年同期は11億25百万円の収入)となりました。これは主に9億55百万円の税金等調整前当期純利益の計上、5億84百万円の減価償却費の計上等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4億85百万円(前年同期は10億89百万円の支出)となりました。これは主に1億66百万円の投資有価証券の売却及び償還等の増加要因が、6億50百万円の有形固定資産の取得等の減少要因に相殺されたものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5億79百万円(前年同期は5億43百万円の収入)となりました。これは主に4億15百万円の短期借入金の減少等の減少要因があったことによるものであります。
当社グループは、モータおよびポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載に代えて、部門別の実績を記載しております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
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部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,030,360 |
89.7 |
|
ポンプ(千円) |
7,502,769 |
112.4 |
|
合計(千円) |
13,533,129 |
101.0 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,126,936 |
93.3 |
|
ポンプ(千円) |
6,897,753 |
106.6 |
|
合計(千円) |
13,024,689 |
99.9 |
(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
モータ(千円) |
6,203,065 |
91.4 |
|
ポンプ(千円) |
7,745,249 |
117.4 |
|
合計(千円) |
13,948,314 |
104.2 |
(注)1.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社荏原製作所 |
1,554,316 |
11.6 |
1,670,494 |
12.0 |
2.本表金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は
・社是「愛と感謝と積極性」の経営理念のもと、広く社会の繁栄に貢献する。
・更に地球環境を考え、世界の平和と豊かさに企業活動をとおし貢献する。
を経営理念としております。
この理念実現のため、当社の特長である「技術提案型」「顧客指向型」を更に伸ばし、新しい時代に適応できる経営基盤の強化に努めるとともに株主、取引先、関係業界、地域社会の皆様から信頼と尊敬される会社づくりを基本方針としております。
(2)経営戦略等
激動する世界経済に対応するとともに、市場が要求する環境適合商品の拡販により、中長期的な発展を目指します。また、企業活動をとおし、地球環境の保全と人々の豊かさに貢献できるよう経営基盤の強化を図り、収益力の高い事業構造への転換を進めてまいります。
具体的には、基幹事業であるモータとポンプは、低消費電力化への市場ニーズに応えた製品を開発し強化していくとともに、モータとポンプ応用製品で事業拡大を図ります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の拡大を図るとともに、企業の収益性を示す指標である売上高営業利益率5%以上を確保することを目標としております。
(4)経営環境
当社グループは、世界景気の回復に力強さを欠く状況に加え、円安による資材調達価格の高騰が予想される厳しい経営環境の中で、顧客ニーズに対応した製品開発とタイムリーな製品供給体制が更に求められ、その上で高付加価値経営を目指した事業構造の転換が必要となっています。
次の諸施策を積極的に展開してまいります。
・既存製品であるモータ・ポンプに付加機能を盛り込んだ新製品開発を行い、新たな顧客を創造する。
・グローバルな市場マーケティングを行い自社の強みを活かせる分野へ注力することで、市場シェア拡大を図る。
・製品分類ごとに生産拠点の見直しを図り、最適地生産を行うことで、トータルコストを削減する。
・新たな生産管理システムを機能させ、お客様の要求日程に合わせたモノづくりを行い、顧客満足度を高める。
・製造技術標準を確立させ、再発不良を削減し品質を向上する。
・原材料の価格変動を軽減するために、質の高い材料をグローバルに調達する。
・地球環境を考慮した製品開発を行うとともに、環境保全の推進を行う。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の対処すべき課題といたしまして、為替が円安傾向で推移した場合、原材料費の価格が高騰するとともに、海外子会社での生産コストが上昇いたします。このコスト変動にあわせた適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。また、環境問題意識の高まりにより、顧客からはより省資源、低消費電力となる製品の要望が強く、小型・軽量・低消費電力となるモータやポンプの製品開発の優劣で、今後の受注が左右されます。
このような状況下において、環境に適合したエコロジー商品に注力し、省エネルギー、高効率のモータとポンプの製品開発を進め、プレミアム効率モータの拡販や、プレミアム効率モータを採用したポンプの量産を行い、企業競争力の強化を図ってまいります。また、モータやポンプの応用技術を活かした新たな製品を開発し、国内外の新規市場への開拓を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、主として以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)特定の販売先への依存度について
当社グループの最近の2連結会計年度において販売依存度が総販売実績の10%を超える取引先は、「2.生産、受注及び販売の状況(3)販売実績」に記載のとおりであります。
これら販売先からの受注動向がグループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
(2)中国市場での活動について
当社グループは、中国において生産活動および販売活動を行っております。今後、中国において経済的、社会的および政治的な要因により、販売活動或いは生産活動に支障をきたすようなトラブルが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)原材料価格変動の影響について
当社グループの製品は、鉄鋼、非鉄金属を素材とした原材料を主要部品として使用しており、近年においてこれら素材の市況が大幅に乱高下しております。当社グループといたしましては市況価格を注視し、最適価格による調達を実施してまいりますが、今後さらに素材価格が変動した場合、適正な販売価格とすることができなければ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)為替レートの変動について
当社グループが事業を行う地域において、現地通貨以外の通貨による売上、費用、資産等の取引により発生する外貨建ての項目について、現地通貨への換算ならびに連結財務諸表の作成のために円換算しております。これら換算時の為替レートの変動により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動につきましては、当社の技術部門スタッフを中心に推進しております。
近年環境問題がますます重視され、省エネ・省資源となる環境適合製品が強く要求される中、当社は、従来のモータとポンプに関する固有技術に加え、電子制御技術を応用した独自の発想による高性能な製品開発を行うとともに、構造・流体・磁場・流れ等をCAE解析ソフトと評価装置により検証することで、一段と信頼性の高い製品開発を行ってまいりました。また、お客様の要望にあった特殊モータやポンプ、これらの技術を応用したユニット製品など、中長期的成長の基盤となる新分野への製品開発に努めてまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、3億68百万円です。
《部門別の研究開発内容》
モータ関係では、新規・既存の両分野において顧客の要求を実現するだけでなく、経験と実績によるプラスアルファの機能・信頼性の向上や環境への配慮を提案し、顧客満足度を高める製品開発を進めてまいりました。
具体的には、NEMAプレミアム効率規制(米国エネルギー独立安全保障法)を弊社IE3モータで取得し海外拡販への対応を行っております。今後は更なる高効率を目指し、IE4、IE5モータの開発を進めてまいります。
ポンプ関係では、高性能・高信頼性はもとより、より過酷な環境への適応や低環境負荷といった市場や顧客の要望に応えるべく、より緻密な製品開発に努めております。
具体的には、低環境負荷を実現すべく、高効率IE3モータを弊社ブランドのポンプ以外にも半導体分野をはじめ各分野に使用するポンプに対して、継続的な提案を行い切り替えを行っております。そして、電子制御技術を駆使した直流ブラシレスキャンドポンプでは、グローバル化を見据えた海外規格を取得した製品、マイコンを搭載することにより静音化など付加価値を加えた製品の開発をおこなうことで、従来の顧客だけでなく新規顧客の獲得を進めてまいります。また、ポンプの応用製品として、ビル空調や工場排水設備などの配管に接続し小水力発電が行える「小型水力発電ポンプ」を開発、モニタ設置を行いIoT技術により遠隔監視を行ってまいります。
ユニット関係では、新たな分野への提案型ユニット製品として、昨年9月に小型海水淡水化装置「Desalion」を発表し、海外における水事情の改善に貢献するため海外大学との共同研究を開始しました。また、従来ユニット製品であるマイクロバブル発生装置「buboon」についても新機種展開を図り、従来の浴用のほか、農業、水産、食品、工業等への用途提案を進めてまいります。
技術関係全体として、様々な分野の新技術を大学等と連携することにより、最先端の技術の習得と新分野・新製品への応用のための実験を継続しております。
今後の研究開発活動としまして、モータ・ポンプおよび電子制御をベースとした技術開発の基盤を強化するとともに、様々な分野の新技術を取り入れそれらと融合することにより、市場や顧客の求める以上の新製品を開発してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、決算日現在における貸借対照表ならびに報告期間における損益計算書の各項目中において計上するに至った数値の一部は、過去の見積り或いは今後の仮定に基づいて計算される数値を合理的に判断し連結財務諸表に計上しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績について、中国市場では空調設備の需要の伸びが徐々に鈍化したものの、日本市場では企業の設備投資が底堅く推移したことで、半導体製造装置用ポンプや工作機械装置用モータなどでは受注は堅調に推移いたしました。
この結果、前連結会計年度と比べ売上高では5億65百万円増加、利益では1億61百万円改善し7億74百万円の経常利益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く経営環境は、為替が円安傾向で推移した場合、原材料費の価格が高騰するとともに、海外子会社での生産コストが上昇いたします。このコスト変動にあわせた適正な販売価格とすることができなければ、今後の経営成績に影響を与える可能性があります。また、環境問題意識の高まりにより、顧客からはより省資源、低消費電力となる製品の要望が強く、小型・軽量・低消費電力となるモータやポンプの製品開発の優劣で、今後の受注が左右されます。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、環境に適合したエコロジー商品に注力し、省エネルギー、高効率のモータとポンプの製品開発を進め、インダクションモータの高効率規制をチャンスと捉え、企業競争力の強化を図ってまいります。また、モータやポンプの応用技術を活かした新たな製品を開発し、国内外の新規市場への開拓を進めてまいります。
生産面においては、生産性の向上により受注増加に対する直接作業者の増員を抑え、固定費圧縮により収益改善を進めておりますが、今後更なる生産性の向上を目指して取り組んでまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、主として営業活動によるキャッシュ・フローにより必要とする資金を調達しております。当期は営業活動によるキャッシュ・フローで17億30百万円の資金を得ております。投資活動によるキャッシュ・フローおよび財務活動によるキャッシュ・フローで資金を使用した結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末に比べ5億70百万円増加しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループを取り巻く環境は、市場の動向に合わせた生産対応や、環境問題からくる省エネ製品への要望が強まるなど、企業として柔軟な納期対応や、環境に適合した製品開発の如何によって今後の業績が左右されるものと考えられます。このような状況下において市場の優位性を築くために、省エネとなるモータやポンプのシリーズ化を進めるとともに、モータやポンプの応用技術を活かしたユニット製品に注力していきます。また、飽和した国内市場だけに留まらず、ASEANを始めとする海外市場への展開を進めて行きます。一方で、国内外を問わず生産拠点の見直しや工法の改善などを実施し、生産効率を高めるとともに、短納期対応を進めてまいります。