(1)業績
当連結会計年度における経済情勢は、雇用の改善がみられるなど緩やかな景気回復基調で推移しました。しかしながら、米国の新政権による経済政策の影響、中国やその他新興国の景気減速懸念、英国のEU離脱問題、外国為替市場の変動など依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは当連結会計年度を中期経営計画達成のために礎を築き上げる1年と位置づけ、「基盤を創る」のスローガンのもと次の4項目を重点に取り組んでまいりました。
① 既存の事業基盤を改善・改革し、「利益を出す」・「信用を積上げる」・「会社、社員共々社格・人格を上げる」ことに取り組む。
② 将来に繋がる新事業・新商品・新部品をお客様に提案していく案件を創る。
③ 財務内容・経営資産の活用状況等の各種基準値が健全経営値に沿うようにする。
④ 仕事に挑戦し、元気に明るい風土を創る。
具体的には「既存の事業基盤を改善・改革し、「利益を出す」・「信用を積上げる」・「会社、社員共々社格・人格を上げる」ことに取り組む」については、掛川工場においてロボットを導入したラジオ生産ラインの本格稼働を始めとした自動化・合理化を推進するとともに、生産管理業務改革プロジェクトを発足し、間接部門の生産性向上・活人化を進めてまいりました。
「将来に繋がる新事業・新商品・新部品をお客様に提案していく案件を創る」については、自社製品として開発を進めてきた車載用充電器、車載用DCDCコンバータ、自社開発部品を搭載したワイヤーハーネスの量産を開始いたしました。
「財務内容・経営資産の活用状況等の各種基準値が健全経営値に沿うようにする」については、上述の取り組みによる利益確保に加え、たな卸資産の適正化及び不要・不稼働資産の処分による資産のスリム化を進めてまいりました。
「仕事に挑戦し、元気に明るい風土を創る」については、教育制度を充実させ、技能者・次世代リーダーの育成を進めるとともに、全社をあげて「私の目標」活動に継続して取り組み、全社員が目標をもって仕事に取り組む風土を根付かせてまいりました。
こうした取り組みの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は車載電装品の販売増加により42,655百万円(前期比13.1%増)となりました。営業利益は売上高の増加に加え自動化・合理化推進、経費削減、海外子会社における採算改善等により1,591百万円(前期比78.0%増)となりました。また、経常利益は為替差益の発生等により1,885百万円(前期比165.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円(前期比265.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 車載電装品
車載電装品では、各種電子制御ユニット等の販売増により売上高は30,392百万円(前期比18.4%増)、営業利益943百万円(同191.8%増)となりました。
② ホームエレクトロニクス
ホームエレクトロニクスでは、海外子会社の収益改善等により、売上高は9,205百万円(前期比0.5%増)、営業利益は543百万円(同12.3%増)となりました。
③ 通信・制御機器
通信・制御機器では、産業用ロボットコントローラ基板等の販売減があったものの、通信用スイッチユニットの販売増により、売上高は3,048百万円(前期比5.2%増)、営業利益は168百万円(同5.6%増)となりました。
④ その他
その他では、売上高は8百万円(前期比5.3%減)、営業損失は4百万円(前期は営業損失3百万円)となりました。
上記金額に消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ105百万円減少し、1,168百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の取得は、941百万円(前期は875百万円の取得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,877百万円、減価償却費1,028百万円、売上債権の増加1,968百万円、たな卸資産の増加981百万円、仕入債務の増加820百万円を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、1,404百万円(前期は1,312百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,180百万円を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の取得は、412百万円(前期は718百万円の取得)となりました。これは主に、借入金の増加501百万円、配当金の支払による支出47百万円、リース債務の支払による支出39百万円を反映したものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|
|
千円 |
% |
|
車載電装品 |
32,312,826 |
8.7 |
|
ホームエレクトロニクス |
14,399,506 |
24.9 |
|
通信・制御機器 |
3,138,754 |
7.8 |
|
報告セグメント計 |
49,851,086 |
12.9 |
|
その他 |
8,593 |
△5.3 |
|
合計 |
49,859,680 |
12.8 |
(注)1.金額は販売価格で表示しており、最終工程の生産実績をセグメント別に集計し、連結会社間取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
車載電装品 |
35,487,939 |
17.2 |
2,839,088 |
25.2 |
|
ホームエレクトロニクス |
16,638,652 |
40.2 |
959,959 |
△30.2 |
|
通信・制御機器 |
3,293,159 |
20.1 |
954,920 |
28.1 |
|
報告セグメント計 |
55,419,750 |
23.5 |
4,753,968 |
8.3 |
|
その他 |
8,593 |
△5.3 |
- |
- |
|
合計 |
55,428,344 |
23.5 |
4,753,968 |
8.3 |
(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比 |
|
|
千円 |
% |
|
車載電装品 |
30,392,530 |
18.4 |
|
ホームエレクトロニクス |
9,205,344 |
0.5 |
|
通信・制御機器 |
3,048,966 |
5.2 |
|
報告セグメント計 |
42,646,841 |
13.1 |
|
その他 |
8,593 |
△5.3 |
|
合計 |
42,655,434 |
13.1 |
(注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
|
千円 |
% |
千円 |
% |
|
パナソニック㈱ |
4,801,131 |
12.7 |
6,884,320 |
16.1 |
|
スズキ㈱ |
6,274,876 |
16.6 |
6,049,043 |
14.2 |
|
ヤマハ発動機㈱ |
5,738,229 |
15.2 |
5,536,968 |
13.0 |
(1)経営の基本方針
当社の経営理念は、「社会が求めるより良きものを合理的に生産し、信頼される健全経営を展開して参画者総ての文化の高揚を計る」であり、この経営理念を基本に進取の精神で挑戦と創造を積み重ね、常に新しいフィールドに事業活動を積極的に展開して行くことを経営の基本としております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いております。
(3)対処すべき課題
今後の経済情勢につきましては、米国・欧州ともに、景気の拡大基調は持続するものと思われますが、新興諸国の景気減速、米国新政権の政策運営の動向、さらに英国のEU離脱や欧州各国の選挙結果如何では、各国経済及び海外情勢への影響が懸念され、先行きに予断を許さない状況が今後も続くことが予想されます。国内においても、雇用・所得情勢の回復基調を受けて、個人消費も徐々に持ち直しておりますが、海外情勢の不安定さから、依然として不透明な状況が想定されます。
このような状況下、継続的な成長を確保していくために、国内事業においては将来に繋がる新商品・新部品の開発、ASTI独自の新工法・新設備の導入、工程の自動化・合理化推進が重要となっております。海外事業においては更なる事業拡大に向けた商材開拓、生産能力増強、為替リスク・国際税務リスク・人件費高騰への対応が課題となっております。
これらに対処すべく、当社グループは中期経営計画「基盤を創る」のスローガンのもと、
① 既存の事業基盤を改善・改革し、「更に、利益を出す」・「更に、信用を積上げる」・「会社、社員共々更に、社格・人格を上げる」ことに取り組む。
② 将来に繋がる新事業・新製品をお客様に提案し、成長発展に結びつける。
③ 財務内容・経営資産の活用状況等の各種基準値が健全経営値に沿うようにする。
④ 仕事に挑戦し、更に元気に明るい風土を創る。
上記4項目に継続して注力し、環境変化に強い経営基盤の構築と収益力の強化に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項における投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業構造について
当社グループの売上高につきましては、主要顧客の販売状況に影響を受ける可能性があります。
(2)当社グループの主要顧客への販売割合について
当社グループの販売先上位3社が占める売上高の割合は、「第2 事業の状況 2.生産、受注及び販売の状況 (3)販売実績」に記載のとおりであり、主要顧客への販売状況の変化や取引条件等の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(3)海外事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、インド、ベトナム、中国の各地において事業を展開しており、現地日系企業からの需要増加に対応するため、生産設備の増強等を進めております。
設備投資に当たっては、将来の需要予測等を基に投資効率を勘案し、投資を決定しておりますが、生産が当初計画したとおりに立ち上がらない、もしくは最終製品の需要動向の変化等により当初予定していた販売量を確保できない可能性があります。
また、海外展開につきましては、当該国の政治・経済情勢、法律規制の変更、為替動向、労働問題、疫病、戦争、テロ等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)地震等自然災害による影響について
地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産拠点が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性がありま
す。
特に、当社の生産拠点は静岡県西部地方に集中しておりますので、東海地震や東南海地震の発生に備えて、被害を最小限にするべく、すでに必要と考えられる対策を講じておりますが、地震による影響が大きい場合には、操業の中断や多額の復旧費用の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)品質に関するリスクについて
当社グループは、製品の品質には万全を期しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)財務制限条項付融資契約について
当社は、一部の借入金に対して金融機関とのコミットメント契約を締結しております。この契約につきましては、各事業年度の中間決算期末及び決算期末の当社の貸借対照表における純資産の部の金額に関しての財務制限条項が付されており、それに抵触した場合には、貸付人の請求により期限の利益を喪失し、借入金全額を直ちに返済する義務を負うことになっており、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、創設以来「新しい時代の流れの中での新しい価値の創出」を基本理念として、新規分野への可能性を求めて開発に取り組んでおります。
業界における技術的進歩、発展にはめざましいものがあります。その中にあって、ユーザーニーズや技術動向を的確にとらえ、素早く商品に反映させることが極めて重要であると認識しております。近年の動力電動化の流れをとらえ、環境・安全・安心のキーテクノロジーとなる車載用パワーエレクトロニクス製品の技術開発の第1段階を完了し、弊社ブランドによる車載用充電器を上市いたしました。
今後もこの分野での技術開発を維持し、これまで培ってきたインバーター技術を活かし、車載製品に加え、ロボット関連機器への開発に取り組んでまいります。
なお、当社グループの研究開発は、基礎技術の研究及び自社の企画商品として開発する場合と、得意先から開発テーマをいただき、ODMとして開発する場合があります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は181百万円であります。
(1)車載電装品
車載電装品では、ハーネス事業部において、顧客での車輌開発段階より設計に参画し、顧客と協働で製品開発を行っております。その一環としてハーネス要素部品の設計・評価と提案を推進し、今期は新規61案件を開発、56案件が顧客製品に採用搭載となりました。
電子機器事業部において、パワーエレクトロニクス技術を活用した車載用密閉型充電器および車載用密閉型DCDCコンバータの量産を開始しました。さらに電動2輪車に搭載される350Wの車載用密閉型充電器を受注しました。55期に開発を行い、56期に量産が開始されます。
また、子会社において、ロボット用芝刈り機用電装品(3機種目)の量産を開始しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、161百万円であります。
(2)ホームエレクトロニクス
ホームエレクトロニクスでは、53期にベトナムに技術開発部門を設立し、電子回路の基板設計を13件実施しました。当社の設計支援だけでなく、現地商材の設計も行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、6百万円であります。
(3)通信・制御機器
通信・制御機器では、成長分野であるロボット産業に注目しており、物流支援ロボット用電装品の量産を開始しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、13百万円であります。
(1)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上高は車載電装品の販売増加により42,655百万円(前期比13.1%増)となりました。営業利益は売上高の増加に加え自動化・合理化推進、経費削減、海外子会社における採算改善等により1,591百万円(前期比78.0%増)となりました。また、経常利益は為替差益の発生等により1,885百万円(前期比165.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円(前期比265.5%増)となりました。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要顧客の販売状況は経済環境や市場動向により変化するため、当社グループの売上高につきましても主要顧客の販売状況に連動して変化いたします。
(3)経営戦略の現状と見通し
今後の経済情勢については、緩やかな回復が見込まれておりますが、米国新政権の政策、欧州における政治情勢、中国やその他新興国の景気減速等依然として先行き不透明な情勢が続くものと予想されます。
このような状況の中、当社グループは更なる自動化・合理化、生産体制の最適化を推進するとともに、自社開発製品の拡販に注力し利益確保を図ってまいります。
(4)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、17,157百万円(前年度末比17.4%増)となりました。受取手形及び売掛金の増加1,701百万円(同29.3%増)、原材料及び貯蔵品の増加733百万円(同28.0%増)が主な要因であります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、10,765百万円(同6.3%増)となりました。機械装置及び運搬具の増加323百万円(同18.1%増)、建設仮勘定の増加246百万円(同134.8%増)が主な要因であります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、11,656百万円(前年度末比16.0%増)となりました。支払手形及び買掛金の増加703百万円(同20.7%増)、未払金の増加482百万円(同85.5%増)が主な要因であります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,228百万円(同19.8%増)となりました。長期借入金の増加343百万円(同23.6%増)が主な要因であります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、14,038百万円(前年度末比9.4%増)となりました。利益剰余金の増加1,367百万円(同19.1%増)、為替換算調整勘定の減少283百万円(同41.1%減)が主な要因であります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の1,273百万円から105百万円減少し、1,168百万円となりました。
② 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、親会社である当社が資金調達することとしております。なお、当社は効率的な資金調達を行うため取引銀行7行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。