第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループの経営理念は、「社会が求めるより良きものを合理的に生産し、信頼される健全経営を展開して参画者総ての文化の高揚を計る」であり、この経営理念を基本に進取の精神で挑戦と創造を積み重ね、常に新しいフィールドに事業活動を積極的に展開して行くことを経営の基本としております。

 

(2)経営環境、経営戦略等

 当社グループは、車載電装品、民生産業機器、ワイヤーハーネスの3分野での機器、部品等の製造・販売を事業としております。国内では人口の減少を背景として、当社の主たる事業分野である四輪、二輪、ホームエレクトロニクスの製造出荷額は頭打ちの状況にあります。

 当社グループといたしましては、今後の会社の発展を図るため、国内事業における自主開発製品への重点的取り組みを行うとともに、拡大するアジアの市場を獲得すべく、海外事業における工場運営の拡大を行っております。

 国内事業では、新規事業部、開発事業部の2事業部で製品の自主開発を行っております。新規事業部におきましては、メディカル分野への取り組みを行うとともに、開発事業部におきましては、充電器、DCDCコンバータの製造開発を行っております。

 海外事業では、インド、ベトナム、中国にそれぞれ2拠点を設置し、製造・販売を行うとともに、ベトナム・ダナン市には、研究開発拠点を設置し、日本においては十分な確保のできない研究開発人員の補強を行っております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは売上高及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による世界経済の分断、地球環境問題を背景とした自動車・二輪車の電動化への急速な動きなど、刻々と変化をしております。その中で当社が、今後、成長を続けて行くためには需要の変化を機敏にとらえ、生産の重点を変えていく必要があります。これらに対応すべく新中期経営計画「VISION2025」(2021~2025年度)を策定いたしました。今後、次の4分野を重点的に強化してまいります。

 第1に「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」です。地球環境問題を背景として世界的な脱炭素化の流れが加速しています。自動車・二輪車は急速に電動化していきます。従来培ってきた充電器、インバータ、DCDCコンバータの開発・生産技術を磨き、受託製品製造から、自社開発/自社設計製品の製造への流れを強めてまいります。

 第2に「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」です。ワイヤーハーネス事業は当社の屋台骨です。ベトナムにおける生産体制を充実させるとともに、オリジナル部品開発を進め、付加価値の増大を図ってまいります。

 第3に「新規事業」です。従来、研究開発を行ってきたメディカル関連製品、超音波関連製品がようやく販売への道筋が見えてきました。ASTI開発製品の販売比率を上げ、ASTI全体の収益性を向上させてまいります。

 第4に「海外における受注生産事業」です。日本国内では、今後、人口減少に伴い、市場の拡大は見込めませんが、アジア、特にインドにおいては比較的高い経済成長がかなり長期にわたって見込まれています。経済成長する国には、当社が成長した日本の70年代、80年代と同様、多くの事業機会があります。アジアの経済成長を取り込むことが当社の発展の鍵となります。

 

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項における投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業構造について

 当社グループの売上高につきましては、主要顧客であります自動車メーカー、二輪メーカー、家電メーカーなどの販売状況の影響を受ける立場にあります。新型コロナウイルス感染症の蔓延及び半導体を始めとする材料の調達難など、世界的に不安定な市場環境により当社の販売も影響を受けておりますが、その影響額については現時点において合理的に算定することが困難であります。

 

(2)当社グループの主要顧客への販売割合について

 当社グループの販売先上位2社が占める売上高の割合は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 (c)販売実績」に記載のとおりであり、主要顧客への販売状況の変化や取引条件等の変更により、当社グループの経営成績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。

 当社グループとしての対応力を強化するために、新規顧客の開拓、自主ブランドにより販売できる製品開発を積極的に行っております。

 

(3)海外事業展開に伴うリスクについて

 当社グループは、インド、ベトナム、中国の各地において事業を展開しており、現地日系企業等からの需要増加に対応するため、工場の増設、生産設備の増強を進めてまいりました。

 設備投資に当たっては、将来の需要予測等を基に投資効率を勘案し、投資を実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延による不安定な経済情勢により一部投資の抑制等を実施いたしました。生産の合理化、ITを活用した省人化を進め、需要が減退した状況でも採算のとれる工場作りを進めております。

 今後も、工場所在国の政治・経済情勢、法律規制の変更、為替動向、労働問題、感染症の蔓延、戦争、テロ等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしての対応力を強化するために、本社における海外事業体制を強化して情報収集力を向上させるとともに、各国のグループ会社における現地化を進め、現地における情報収集力の強化も図っております。

 

(4)地震等自然災害による影響について

 地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産拠点が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 特に、当社の国内の生産拠点は静岡県西部地域に集中しておりますので、東海地震や東南海地震に備えて、被害を最小限にするべく、すでに必要と考えられる対策を講じておりますが、地震による影響が大きい場合には、操業の中断や多額の復旧費用の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループといたしましては、今後、さらに国内における生産体制の見直しを行い、リスクの低減に努めるとともに、有事の際の海外拠点におけるバックアップ体制の整備を進めてまいります。

 

(5)品質に関するリスクについて

 当社グループは、製品の品質に万全を期しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループといたしましては、国内事業だけでなく、生産の主体となりつつある海外事業における品質の維持・向上を最優先課題として取り組んでおります。

 

(6)財務制限条項付融資契約について

 当社グループは、一部の借入金に対して金融機関とのコミットメント契約を締結しております。この契約につきましては、各事業年度の中間決算期末及び決算期末の当社の貸借対照表における純資産の部の金額に関しての財務制限条項が付されており、それに抵触した場合には、貸付人の請求により期限の利益を喪失し、借入金金額を直ちに返済する義務を負うことになっており、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループといたしましては、製品受注時の支払い条件の変更による売掛金の削減により借入金の削減を行うべく、不断に交渉を続けております。

 

 

(7)その他、経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項について

①繰延税金資産について

 当社グループは、将来減算一時差異に対して、当連結会計年度末において430百万円の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得に関する見積り及びタックス・プランニング等を基に回収可能性を検証し計上しておりますが、実際の課税所得が見積り等を大幅に下回った場合等には回収可能性の見直しを行い、繰延税金資産を回収可能額まで取崩すことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、将来の課税所得を見積る際には様々な仮定及び予測を用いており、その仮定及び予測は実際の結果と乖離する可能性があります。また、税制改正等により実効税率等が変更になった場合にも、繰延税金資産の計上額の見直しを実施することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②固定資産の減損について

 当社グループは固定資産の時価が著しく低下した場合又は事業の収益性が悪化した場合には、当該固定資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある場合には、将来キャッシュフロー等に基づいた回収可能価額の見積りによる減損テストを実施しております。その結果、固定資産の帳簿価額が回収可能額を下回った場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を認識することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、前年度末に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により急激に減速しましたが、第3四半期から地域差はあるものの、消費は持ち直してまいりました。一方、日本経済におきましても、第2四半期から回復基調となりましたが、その回復ペースは鈍く、未だに新型コロナウイルス感染症の影響前の経済状態には回復していない状況です。

 当連結会計年度の業績はほぼ前期の水準まで挽回し、売上高は45,213百万円(前期比0.6%減)、営業利益は980百万円(同2.1%増)、経常利益は為替差益239百万円の発生などにより1,381百万円(同37.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の計上による税金費用の減少等により1,390百万円(同155.8%増)となりました。

 提出会社の売上高は29,499百万円(前期比1.2%減)、営業利益は486百万円(前期は24百万円の営業利益)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(車載電装品)

 車載電装品では、コーナーセンサ、各種電子制御ユニット等の販売減により、売上高は16,282百万円(前期比7.0%減)、営業利益213百万円(同39.4%減)となりました。

(民生産業機器)

 民生産業機器では、通信用スイッチユニット及び産業用ロボットコントローラ制御基板等の販売増により、売上高は14,309百万円(前期比12.7%増)、営業利益は646百万円(同55.2%増)となりました。

(ワイヤーハーネス)

 ワイヤーハーネスでは、二輪用ワイヤーハーネスの販売減により、売上高は14,512百万円(前期比4.7%減)、営業利益は380百万円(同39.6%減)となりました。

(その他)

 その他では、売上高は109百万円(前期比41.0%増)、営業損失は282百万円(前期は395百万円の営業損失)となりました。

 上記金額に消費税等は含まれておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ167百万円増加し、2,194百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動による資金の取得は、153百万円(前期は2,733百万円の取得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,335百万円、減価償却費1,560百万円、売上債権の増加額1,792百万円、たな卸資産の増加額1,448百万円を反映したものであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、下半期の販売回復により売上債権及び棚卸資産が大きく増加したことにより、大きく資金を捻出するには至りませんでした。翌期においても新型コロナウイルス感染症の蔓延及び半導体を始めとした原材料の調達難等による不安定な状況が懸念されるため、営業活動によるキャッシュ・フローを確保すべく国内外における営業活動の強化及び経費削減に努めてまいります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、1,494百万円(前期は1,923百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,462百万円を反映したものであります。

 主に国内外の設備更新のための投資によるものであり、翌期については、国内における新工場の着手及び生産設備の増設等、グループの成長のために必要な投資を中心に、投資活動を実施していく考えであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動による資金の取得は、1,457百万円(前期は627百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の増加額1,679百万円、配当金の支払額156百万円を反映したものであります。

 棚卸資産の増加及び売上債権の増加等の資金需要に対応するため、主に短期借入による資金調達を実施いたしました。今後、受注の変動に対応した生産在庫水準の適正化に努め、資金の効率的な利用を図ってまいります。

③ 生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

前年同期比

 

千円

車載電装品

16,487,487

△7.2

民生産業機器

16,195,465

15.0

ワイヤーハーネス

19,787,850

△7.3

 報告セグメント計

52,470,803

△1.4

その他

117,498

69.0

合計

52,588,302

△1.3

(注)1.金額は販売価格で表示しており、最終工程の生産実績をセグメント別に集計し、連結会社間取引消去前の数値によっております。

 2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(b)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

車載電装品

17,601,115

4.0

2,218,329

99.4

民生産業機器

17,460,807

24.0

3,263,174

66.1

ワイヤーハーネス

20,580,117

△3.6

1,900,239

93.6

 報告セグメント計

55,642,040

6.3

7,381,743

81.9

その他

118,099

73.1

9,000

合計

55,760,139

6.3

7,390,743

82.1

(注)金額は販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

(c)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

前年同期比

 

千円

車載電装品

16,282,784

△7.0

民生産業機器

14,309,194

12.7

ワイヤーハーネス

14,512,578

△4.7

 報告セグメント計

45,104,557

△0.7

その他

109,355

41.0

合計

45,213,913

△0.6

(注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。

 2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

   至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

   至 2021年3月31日)

 

千円

千円

ヤマハ発動機㈱

6,679,495

14.7

6,697,603

14.8

スズキ㈱

5,836,166

12.8

5,746,577

12.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。

 当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。

 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響を含め、重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度は、中期経営計画の最終年度として、「成長を遂げる」のスローガンのもと次の3項目を重点に取り組んでまいりました。

イ.各国内工場は徹底的に業務の改善改革(省人化・省時間・合理化・省スペース化)を行い、更なる利益を出す。

ロ.商品構造が変化する中、将来に繋がる新事業・新商品・新部品をお客様に提案していく案件を創り出す。

ハ.会社のしくみを変え、会社風土改革に結び付ける。

 具体的には、「各国内工場は徹底的に業務の改善改革(省人化・省時間・合理化・省スペース化)を行い、更なる利益を出す。」について、国内、国外共、各工場における工程の合理化・自動化を進めてまいりました。また、新生産システムの導入を進め更なる合理化を目指してまいります。

 「商品構造が変化する中、将来に繋がる新事業・新商品・新部品をお客様に提案していく案件を創り出す。」につきましては、社内から開発事業を公募するしくみを推進しております。加えて、新規事業部では昨年度に引続き開発製品の事業化に向けた施策の実施、開発事業部ではパワーエレクトロニクス技術を活用した新たな製品開発を推進しております。

 「会社のしくみを変え、会社風土改革に結び付ける。」につきましては、管理職への人事考課研修、情報セキュリティ研修等を開催し、会社の管理レベルの強化に努めると共に、社員の自己研鑽を推進する為の新規メニューづくりを行ってまいりました。

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ282百万円減少し、45,213百万円(前期比0.6%減)となりました。上半期は新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けましたが、下半期に入り販売は回復し、民生産業機器では販売増、車載電装品及びワイヤーハーネスは販売減となり、前連結会計年度から微減という結果となりました。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、車載電装品が36.0%、民生産業機器が31.7%、ワイヤーハーネスが32.1%、その他が0.2%となりました。

 提出会社の売上高は、29,499百万円(同1.2%減)となり、国内においても前連結会計年度と同程度の売上を計上する結果となりました

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ272百万円減少し、4,330百万円(前期比5.9%減)となりました。売上総利益率は、前連結会計年度に比べ0.5ポイント減少し9.6%となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ293百万円減少し、3,350百万円(前期比8.1%減)となりました。

 提出会社の営業利益は486百万円(前期は24百万円の営業利益)となり、国内事業は固定費の削減取組の効果もあり、増益となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ20百万円増加し、980百万円(同2.1%増)となりました

(経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、為替差益の発生及び助成金収入等により前連結会計年度に比べ226百万円増加し、480百万円(前期比89.1%増)となりました。

 営業外費用は、為替差損及びデリバティブ評価損等が発生しなかったことにより、前連結会計年度に比べ129百万円減少し、79百万円(同62.0%減)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ376百万円増加し、1,381百万円(同37.4%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ158百万円減少し、5百万円(前期比96.9%減)となりました。特別損失は、固定資産処分損の発生等により前連結会計年度に比べ48百万円増加し、51百万円(前期は3百万円の特別損失)となりました。また、法人税等は、繰延税金資産の計上による税金費用の減少により前連結会計年度に比べ677百万円減少し、△53百万円(前期は623百万円の法人税等)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ847百万円増加し、1,390百万円(同155.8%増)となりました。

 

 新型コロナウイルス感染症の蔓延による世界経済への影響は当面予断を許さない状況が続くと想定されるため、受注の変動に対応出来る生産体制の合理化、省人化等に注力してまいります。中期的には、販売先の多角化が必須な状況であり、新規顧客の開拓、新規商品の開発を進めてまいります。

 

財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、21,391百万円(前年度末比20.7%増)となりました。受取手形及び売掛金の増加1,442百万円(同21.6%増)及び原材料及び貯蔵品の増加1,259百万円(同30.3%増)が主な要因であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、13,341百万円(前年度末比6.5%増)となりました。機械装置及び運搬具の増加394百万円(同13.4%増)、投資有価証券の増加270百万円(同57.6%増)及び繰延税金資産の増加105百万円(同323.7%増)が主な要因であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、11,145百万円(前年度末比43.2%増)となりました。支払手形及び買掛金の増加1,125百万円(同32.6%増)及び短期借入金の増加2,112百万円(同89.8%増)が主な要因であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、5,649百万円(前年度末比8.9%減)となりました。長期借入金の減少461百万円(同8.0%減)が主な要因であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、17,938百万円(前年度末比10.3%増)となりました。利益剰余金の増加1,234百万円(同10.6%増)が主な要因であります。

 

キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,000百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,194百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、創設以来「新しい時代の流れの中での新しい価値の創出」を基本理念として、新規分野への可能性を求めて開発に取り組んでおります。新型コロナウイルス感染症の蔓延による世界経済の分断、地球環境問題を背景とした四輪車、二輪車の電動化への急速な動きなど、刻々と変化していく経済情勢の中で、ユーザーニーズや技術動向を的確にとらえ素早く商品に反映させることが極めて重要であると認識しております。

近年の低炭素社会の実現に向けた動力電動化の流れを捉え、従来培ってきた充電器、インバータ、DCDCコンバータの開発・生産技術を磨き、受託製品製造から自社開発/自社設計製品の製造への流れを強めております。また、ワイヤーハーネス事業において、オリジナル部品開発を進めております。

新規事業として、メディカル関連製品、超音波関連製品の開発に取り組んでおり、徐々に成果が表れつつあります。

なお、当社グループの研究開発は、基礎技術の研究及び自社の企画商品として開発する場合と、得意先から開発テーマをいただき、ODMとして開発する場合があります。

当連結会計年度における各セグメント別の主な成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は165百万円であります。

 

(1)車載電装品

 車載電装品では、四輪車向け小型電動コントローラの設計を完了し、量産準備を進めております。Bluetoothを使ったデータ収集システムを充電器に搭載する開発を行い、製品受注いたしました。また、自動車向け機能安全規格であるISO26262の自己適合宣言を行い、機能安全対象製品の受注に向けて設計体制の構築を完了いたしました。

 低炭素社会の実現に資する技術として、太陽光発電、燃料電池よりエネルギーを効率良く取り出す技術の構築に着手し、2025年の量産を目指します。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、92百万円であります。

 

(2)民生産業機器

民生産業機器では、電動機器コントローラの開発を受注し、量産受注に向けてモータドライバの制御設計に注力して設計開発を行っております。また、顧客へのゲストエンジニア活動を通じて設計された、産業用機器向け制御コントローラの新モデルの量産を開始いたしました。

なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、11百万円であります。

 

(3)ワイヤーハーネス

EV用電源ボックスの開発設計を振動と防水の要求性能が高い二輪車向け2機種、船外機向け1機種に完了させました。また、ワイヤーハーネスに要求される最大の機能である「接続」に関して、接触抵抗を極限まで減らし通電ロスを無くす超音波溶接工法を利用した新たな接続部品を開発し、船舶向け製品に採用されました。この技術を発展応用させ、従来の圧着工法に変わる新たな接続工法として、また、ワイヤーハーネスの接続性能向上の手段として多くに活用されるよう技術に更なる磨きをかけてまいります。

次世代のハーネス技術としてCNT(カーボンナノチューブ)の研究を進めており、通電素材への活用の他、耐久性アップの為のコンポジット剤として活用実験を行っております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、44百万円であります。

 

(4)その他

前期より販売を開始いたしました単回使用注射用針(Quatron)に関して、販売拡大のため、独自の自動組立設備を開発いたしました。2021年秋頃から量産稼働開始を予定しています。また、体外診断用マイクロ部品で重要となる接着封止技術の開発にも力を入れており、特許出願を行いました。新たな開発取り組みとして、量産中の超音波ホッチキスや超音波カッターで培った技術を応用して超音波振動を用いた吸引ツールを開発しました。量産に向けて準備を進めております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、16百万円であります。