当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループの経営理念は、「社会が求めるより良きものを合理的に生産し、信頼される健全経営を展開して参画者総ての文化の高揚を計る」であり、この経営理念を基本に進取の精神で挑戦と創造を積み重ね、常に新しいフィールドに事業活動を積極的に展開して行くことを経営の基本としております。
(2)経営環境、経営戦略等
当社グループは、車載電装品、民生産業機器、ワイヤーハーネスの3分野での機器、部品等の製造・販売を事業としております。国内では人口の減少を背景として、当社の主たる事業分野である四輪、二輪、ホームエレクトロニクスの製造出荷額は頭打ちの状況にあります。
当社グループといたしましては、今後の会社の発展を図るため、国内事業における自主開発製品への重点的取り組みを行うとともに、拡大するアジアの市場を獲得すべく、海外事業における工場運営の拡大を行っております。
国内事業では、新規事業部、開発事業部の2事業部で製品の自主開発を行っております。新規事業部におきましては、メディカル分野への取り組みを行うとともに、開発事業部におきましては、充電器、DCDCコンバータの製造開発を行っております。
海外事業では、インド、ベトナム、中国にそれぞれ2拠点、フィリピンに1拠点を設置し、製造・販売を行うとともに、ベトナム・ダナン市には研究開発拠点を設置し、日本においては十分な確保のできない研究開発人員の補強を行っております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは売上高及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境については、急激な円安による原材料価格の高騰、地球環境問題を背景とした四輪車・二輪車の電動化への急速な動きなど、刻々と変化をしております。また、従来、世界的なサプライチェーンの構築、在庫の圧縮が企業経営の基本とされてきましたが、コロナ禍、ウクライナ危機を経て、サプライチェーンの短縮、適正在庫の保有に重点が移ってまいりました。当社グループとしては、BCP(事業継続計画)の強化を最重点項目として取り組んでおり、第61期からは、国内新工場及びフィリピン工場を本格的に稼働し、強靭な供給体制を構築してまいります。
変動する経済環境の中で、今後、成長を続けていくためには需要の変化を機敏にとらえ、生産の重点を変えていく必要があります。これらに対応すべく中期経営計画(2021年度~2025年度)では次の4分野を重点的に強化しております。
第1に「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」です。地球環境問題を背景として世界的な脱炭素化の流れが加速しております。四輪車・二輪車は急速に電動化しております。従来培ってきた充電器、インバータ、DCDCコンバータの開発・生産技術を強化し、自社技術による製品受注を拡大していきます。日本における人材不足に対応するため、ベトナム・ダナン、インド・ハリアナの2拠点にR&D部門を設置しております。
第2に「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」です。従来、ベトナム・ホーチミン工場における生産が主力でしたが、BCPを考慮し、新しくフィリピンでの生産体制を構築いたしました。
第3に「新規事業」です。従来、研究開発を行ってきた、メディカル関連製品、超音波関連製品の開発・生産を着実に進めてまいります。
第4に「海外における受注生産事業」です。新規受注商材の生産を着実に行うとともに品質管理体制を強化し、新たな受注拡大を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)戦略
当社グループは、時代の変遷とともに、生産品目を変えながら60年の歴史を刻んでまいりました。時代の要請に応えた生産体制を構築することが持続的な企業であることの要諦であると考えております。
現在の中期経営計画におきましては、特に「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」の開発・生産に重点をおいて取り組んでおります。
地球環境問題を背景として世界的な脱炭素化の流れが加速しており、当社グループとしては、従来培ってきた充電器、インバータ、DCDCコンバータの開発・生産技術を強化し、低炭素社会の実現に向けて製品開発を通じて貢献してまいります。
また、新設した浜松工場を「ゼロ・エミッション工場」と位置づけ、屋上にパネル1,404枚、発電量442Kwの太陽光発電システムを設置、太陽光発電で賄いきれない電力は中部電力より「静岡Greenでんき」を購入することにより同工場における電力使用にかかる排出CO2ゼロを実現するなど、地球環境の保全活動も推進してまいります。
人的資本につきましては、外国籍を含めた人材の多様性を図るため、目標とする指標を定め、それを実現するための人材育成制度及び人事施策を推進してまいります。
(2)ガバナンス及びリスク管理
リスク管理・コンプライアンス委員会において、気候変動、自然災害、人事・労務など様々な想定される事業リスクについて議論し、企業としての方向性を試行錯誤し、取締役会に報告し、社外取締役からの助言を受けております。
受託生産が9割を超える当社グループとしての存在意義は、製品の品質にあるとの観点から、品質保証委員会において不良品の発生を最小化すべく議論を重ね、知見を積み上げ、不良品ゼロに向けて日々歩んでおります。
(3)指標及び目標
急激な少子化の進展は、当社として持続可能な人員の採用を困難にしております。
当社としては、下記の目標を中期経営計画中(2025年度まで)に実現することにより、事業継続性を確保していきたいと考えております。
①外国籍従業員の社員比率5%
②女性の管理職比率10%
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項における投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業構造について
当社グループの売上高につきましては、主要顧客であります四輪メーカー、二輪メーカー、家電メーカーなどの販売状況の影響を受ける立場にあります。新型コロナウイルス感染症の蔓延及び半導体を始めとする材料の調達難など、世界的に不安定な市場環境により当社の販売も影響を受けておりますが、その影響額については現時点において合理的に算定することが困難であります。
(2)当社グループの主要顧客への販売割合について
当社グループの販売先上位3社が占める売上高の割合は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 (c)販売実績」に記載のとおりであり、主要顧客への販売状況の変化や取引条件等の変更により、当社グループの経営成績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループとしての対応力を強化するために、新規顧客の開拓、自主ブランドにより販売できる製品開発を積極的に行っております。
(3)海外事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、インド、ベトナム、中国、フィリピンの各地において事業を展開しており、現地日系企業等からの需要増加に対応するため、工場の増設、生産設備の増強を進めてまいりました。
設備投資に当たっては、将来の需要予測等を基に投資効率を勘案し、投資を決定しておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための各国の政府の対応、もしくは半導体を始めとした原材料の入手難等の影響により当初予定していた販売量を確保できない可能性があります。そのような不安定な外部環境下においても採算が取れるよう、生産の合理化、ITを活用した省人化を進め、生産性の向上に努めております。
今後も、工場所在国の政治・経済情勢、法律規制の変更、為替動向、労働問題、感染症の蔓延、戦争、テロ等が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしての対応力を強化するために、本社における海外事業体制を強化して情報収集力を向上させるとともに、当社グループの工場の生産活動に制約が加えられるリスクを分散すべく、フィリピンの新たな子会社においての生産活動を開始しバックアップ体制の増強を進めております。
(4)地震等自然災害による影響について
地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの生産拠点が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社の国内の生産拠点は静岡県西部地域に集中しておりますので、南海トラフ地震に備えて、被害を最小限にするべく、すでに必要と考えられる対策を講じておりますが、地震による影響が大きい場合には、操業の中断や多額の復旧費用の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、浜松市北部の浸水想定のない地点に工場を建設し稼働を開始いたしました。自然災害等により本社機能が麻痺した際には本社の代替として機能する体制を整えるとともに、有事の際の海外拠点におけるバックアップ体制の整備も進めてまいります。
(5)品質に関するリスクについて
当社グループは、製品の品質に万全を期しておりますが、予期しない品質トラブルにより多額の回収費用及び補償費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、国内事業だけでなく、生産の主体となりつつある海外事業における品質の維持・向上を最優先課題として取り組んでおります。
(6)財務制限条項付融資契約について
当社グループは、一部の借入金に対して金融機関とのコミットメント契約を締結しております。この契約につきましては、各事業年度の中間決算期末及び決算期末の当社の貸借対照表における純資産の部の金額に関しての財務制限条項が付されており、それに抵触した場合には、貸付人の請求により期限の利益を喪失し、借入金金額を直ちに返済する義務を負うことになっており、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループといたしましては、製品受注時の支払い条件の変更による売掛金の削減により借入金の削減を行うべく、不断に交渉を続けております。
(7)その他、経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項について
① 繰延税金資産について
当社グループは、将来減算一時差異に対して、当連結会計年度末において666百万円の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得に関する見積り及びタックス・プランニング等を基に回収可能性を検証し計上しておりますが、実際の課税所得が見積り等を大幅に下回った場合等には回収可能性の見直しを行い、繰延税金資産を回収可能額まで取崩すことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、将来の課税所得を見積る際には様々な仮定及び予測を用いており、その仮定及び予測は実際の結果と乖離する可能性があります。また、税制改正等により実効税率等が変更になった場合にも、繰延税金資産の計上額の見直しを実施することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の時価が著しく低下した場合又は事業の収益性が悪化した場合には、当該固定資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候がある場合には、将来キャッシュフロー等に基づいた回収可能価額の見積りによる減損テストを実施しております。その結果、固定資産の帳簿価額が回収可能額を上回った場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し減損損失を認識することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の流行による生産への影響はかなり緩和されてまいりましたが、ウクライナ情勢を起点とした世界経済の分断、半導体を始めとした重要部品の入手困難、世界的な金融引き締めの影響による円安の進行及び物価上昇など、製造業を取り巻く経済環境には厳しいものがありました。
当社グループといたしましては、受注に対する誠実な生産を第一とし、納期遵守、良品生産を旨とした事業運営を行ってまいりました。
当社グループの納入先企業の好調な販売に支えられ、当連結会計年度の業績は、売上高は64,883百万円(前期比10.4%増)となりましたが、原材料の高騰、急激な円安による製造原価の上昇、流通網の混乱による臨時的な航空貨物の利用などによりコストが嵩み、営業利益は1,894百万円(同573.6%増)と過去最高を更新したものの、売上高営業利益率は3%を割り込む状況となりました。経常利益は、円安による海外子会社の負債の換算替を主な要因とする為替差益194百万円があり、こちらも過去最高の2,095百万円(同149.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,512百万円(同115.2%増)となりました。
提出会社の売上高は39,230百万円(前期比0.3%増)、営業利益は1,271百万円(同233.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(車載電装品)
車載電装品では、各種電子制御ユニット等の販売増により、売上高は18,117百万円(前期比5.6%増)、営業利益451百万円(同66.1%増)となりました。
(民生産業機器)
民生産業機器では、通信用スイッチユニット及び洗濯機用電子制御基板等の販売増により、売上高は21,599百万円(前期比8.7%増)、営業利益は283百万円(同52.0%減)となりました。
(ワイヤーハーネス)
ワイヤーハーネスでは、四輪用及び船舶用ワイヤーハーネスの販売増により売上高は25,081百万円(前期比15.8%増)、営業利益は1,434百万円(前期は344百万円の営業損失)となりました。
(その他)
その他では、売上高は85百万円(前期比24.4%減)、営業損失は279百万円(前期は298百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べ873百万円増加し、2,838百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の取得は、4,911百万円(前期は4,754百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,073百万円及び減価償却費1,788百万円を反映したものであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上高の増加による付加価値の増加及び前期におけるベトナム工場のロックダウンに伴う代替生産からの正常化等により当期純利益が増加したことにより、大きく資金を取得する結果となりました。翌期においては引続き半導体を始めとした原材料の調達難等の不安定な状況が懸念されますが、国内外における販売活動の強化及び在庫削減に努め、営業キャッシュ・フローの増加に努めてまいります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、4,980百万円(前期は1,355百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,736百万円を反映したものであります。
国内において、低炭素社会の実現に資する新工場を建設いたしました。翌期については、新工場の生産インフラ整備及びフィリピン子会社の生産設備の増強など、グループの成長のために必要な投資を中心に投資活動を実施していく考えであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の取得は、890百万円(前期は5,700百万円の取得)となりました。これは主に、借入金の増加額1,093百万円を反映したものであります。
新工場建設のための資金需要に対応するため、長期借入による資金調達を実施いたしました。翌期においては、受注の変動に対応した生産在庫水準の適正化に努め、資金の効率的な利用を図ってまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
|
千円 |
% |
|
車載電装品 |
19,411,126 |
2.3 |
|
民生産業機器 |
22,849,612 |
7.4 |
|
ワイヤーハーネス |
29,799,940 |
△2.3 |
|
報告セグメント計 |
72,060,679 |
1.9 |
|
その他 |
221,303 |
0.9 |
|
合計 |
72,281,982 |
1.9 |
(注)金額は販売価格で表示しており、最終工程の生産実績をセグメント別に集計し、連結会社間取引消去前の数値によっております。
(b)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
車載電装品 |
18,845,758 |
△0.5 |
1,477,080 |
△24.3 |
|
民生産業機器 |
22,261,665 |
2.4 |
3,237,584 |
△13.3 |
|
ワイヤーハーネス |
28,915,619 |
△4.0 |
1,900,883 |
△25.0 |
|
報告セグメント計 |
70,023,043 |
△1.1 |
6,615,547 |
△19.5 |
|
その他 |
224,759 |
3.3 |
7,861 |
1,236.9 |
|
合計 |
70,247,802 |
△1.1 |
6,623,408 |
△19.4 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
|
千円 |
% |
|
車載電装品 |
18,117,121 |
5.6 |
|
民生産業機器 |
21,599,864 |
8.7 |
|
ワイヤーハーネス |
25,081,553 |
15.8 |
|
報告セグメント計 |
64,798,539 |
10.4 |
|
その他 |
85,073 |
△24.4 |
|
合計 |
64,883,613 |
10.4 |
(注)1.セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
|
千円 |
% |
千円 |
% |
|
ヤマハ発動機㈱ |
8,580,399 |
14.6 |
8,453,443 |
13.0 |
|
スズキ㈱ |
8,793,219 |
15.0 |
7,737,411 |
11.9 |
|
㈱シマノ(注)3 |
- |
- |
6,533,445 |
10.1 |
3.前連結会計年度においては、当該割合が10%未満であったため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。
当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の影響を含め、重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、中期経営計画「VISION2025」の2年目として、「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」「新規事業」「海外における受注生産事業」の4つの重点分野に集中的に取り組んでまいりました。
具体的には、「低炭素社会の実現に資する電子ユニット」について、世界的な脱炭素化の流れが加速している中で、当社のパワーエレクトロニクス製品の開発を加速すべくインド子会社にR&D部門を立上げ、現地技術人材を確保し、開発・営業活動を進めてまいりました。また、浜松市北部に低炭素社会に適応した新工場の建設を完了し稼働に向けての準備を進めてまいりました。
「重要電子機器をつなぐワイヤーハーネス」につきましては、フィリピンにおいて子会社を設立し、生産活動を開始しております。BCPの観点から複数拠点からの製品供給能力の向上を図る取組みを推進しております。
「新規事業」につきましては、メディカル関連・超音波関連の新製品の開発・製造に注力、超音波関連では新製品の販売を開始いたしました。
「海外における受注生産事業」につきましては、主に中国において四輪車向けワイヤーハーネス、インドにおいて四輪車・二輪車向けの電子部品の生産が拡大しております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ6,093百万円増加し、64,883百万円(前期比10.4%増)となりました。新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され得意先企業の好調な受注の影響から特にワイヤーハーネスで販売増となり、600億円を超える売上を計上する結果となりました。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、車載電装品が27.9%、民生産業機器が33.3%、ワイヤーハーネスが38.7%、その他が0.1%となりました。
提出会社の売上高は、39,230百万円(同0.3%増)となり、国内においては前連結会計年度と同水準の売上を計上する結果となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ2,014百万円増加し、6,388百万円(前期比46.1%増)となりました。売上総利益率は、コロナウイルス感染症の影響を受けたベトナム子会社のロックダウンに伴う代替生産体制からの正常化によるプラス要素はありましたが、円安の影響による原価上昇の影響もあり、前連結会計年度に比べ2.4ポイント増加の9.8%にとどまりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ401百万円増加し、4,494百万円(前期比9.8%増)となりました。
提出会社の営業利益は1,271百万円(同233.2%増)となり、代替生産からの正常化による影響が大きく、増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,612百万円増加し、1,894百万円(同573.6%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ為替差益の発生が少なかったことにより、前連結会計年度に比べ285百万円減少し、409百万円(前期比41.1%減)となりました。
営業外費用は、輸送事故に伴う棚卸資産廃却損の発生により、前連結会計年度に比べ72百万円増加し、208百万円(同53.7%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ1,254百万円増加し、2,095百万円(同149.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、連結会計年度に比べ44百万円減少し、3百万円(前期比92.6%減)となりました。特別損失は、前期と同程度の固定資産処分損の発生により、25百万円(同0.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ809百万円増加し、1,512百万円(同115.2%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延は落ち着きつつありますが、ウクライナ情勢等による世界経済への影響は当面予断を許さない状況が続くと想定されるため、受注の変動に対応できる生産体制の合理化、省人化等に注力してまいります。中期的には、販売先の多角化が必須な状況であり、新規顧客の開拓、新規商品の開発を進めてまいります。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、28,868百万円(前年度末比0.4%減)となりました。電子記録債権の減少1,493百万円(同48.9%減)が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,488百万円(同27.1%増)となりました。新工場の建設に伴う建物及び構築物の増加3,375百万円(同78.7%増)が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、14,916百万円(前年度末比2.9%減)となりました。短期借入金の減少1,150百万円(同14.4%減)が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、10,335百万円(同27.3%増)となりました。新工場建設資金の調達による長期借入金の増加2,258百万円(同29.0%増)が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、21,104百万円(前年度末比9.5%増)となりました。利益剰余金の増加1,387百万円(前年度末比10.4%増)が主な要因であります。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は17,036百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,838百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループは、創設以来「新しい時代の流れの中での新しい価値の創出」を基本理念として、新規分野への可能性を求めて開発に取り組んでおります。
業界における技術的進歩、発展にはめざましいものがあります。その中にあって、ユーザーニーズや技術動向を的確にとらえ素早く商品に反映させることが極めて重要であると認識しております。近年の動力電動化の流れをとらえ、環境・安全・安心のキーテクノロジーとなる車載用パワーエレクトロニクス製品として、弊社ブランドによる車載用充電器やDCDCコンバータを上市しております。また、国内カーメーカー向けに自社で開発した電動二輪車用車載充電器の量産も行っております。
今後もこの分野での技術開発を継続し、これまで培ってきたインバーター技術を生かし、充電器やDCDCコンバータに加え、モータ関連機器への開発に取り組んでまいります。
また、微細加工の技術を応用し、単回使用注射用針の製品等、医療分野における製品開発にも取り組みをしております。
なお、当社グループの研究開発は、基礎技術の研究及び自社の企画商品として開発する場合と、得意先から開発テーマをいただき、ODMとして開発する場合があります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)車載電装品
車載電装品では、一昨年に受注しましたEV二輪向けバッテリ用充電器を量産開発し、インド工場で量産を開始しました。今までパワーエレクトロニクス製品は日本生産主体でしたが、更なる競争力向上に向けて海外工場での生産活動を行う取り組みの第一弾の量産品となります。また、既存開発品の汎用DCDCコンバータの派生品の受注も決まり、来年度の量産化に向けての活動を進めております。
また、マリン向け製品として、船外機用のインターフェイスユニットの新モデルの設計を完了し、量産を開始しました。加えて、マリン向け電動推進機用の無線通信ユニットの開発にも取り組んでおります。
また、自動車のサイバーセキュリティへの対応に向けて、国際規格であるISO21434に対応した製品開発のプロセスを構築し、現在、車載ECUの開発を開始しており2025年の量産に向けて取り組みを進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(2)民生産業機器
民生機器関連では、新型の電動芝刈りロボットの開発を完了し、市場拡大に向けて2023年末からの量産に向けて準備を進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(3)ワイヤーハーネス
ワイヤーハーネスでは、アルミメーカー等との共同研究により、リチウムイオン電池のバスバーをクラッド材から超音波接合に変更することによる原価低減を実現するために、異種金属(銅とアルミ)の超音波接合技術の開発に注力し、超音波接合工法の確立に取り組んでまいりました。更に、自動搬送装置の開発に取り組んでおり、量産化に向けての技術を検討しております。また、EVバッテリー電源伝達用バスバーのアルミ化にも取り組み、銅からアルミへの素材の変更による軽量化・原価低減に向けての研究開発にも取り組んでおります。
また、新規車両の開発段階より顧客に入り込み製品開発を行っております。その一環としてハーネス要素部品の設計・評価と提案を推進し、内製部品の採用が決まっております。また、他社ハーネスのベンチマークを実施し、ゲストエンジニア活動でも技術提案を行っていくことで、新たなハーネス受注へつながっております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
(4)その他
微細加工技術の分野では、経済産業省の補助金を受けて、ワクチン注射などに適した薬液ムダが少ない注射針やシリンジの開発を行っております。シリンジにつきましては2022年10月からすでに国内販売を開始しております。また、ニードルにつきましては、低侵襲につながる針の極細化を図り、61期中の販売開始を目指して開発を加速させております。
また、量産中の超音波ホッチキスや超音波カッターで培った技術を応用して超音波振動を用いた清掃用ツールを開発し、昨年よりASTIブランドで販売を開始いたしました。超音波振動吸引ノズル(ウルトラソニック クリーナーノズル)の販売を皮切りに、今後超音波振動スクレーパーやポリッシャー、バッテリーレスの廉価版などへ製品展開を進める予定です。
なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、27百万円であります。