当連結会計年度における世界経済といたしましては、米国経済は堅調に推移しましたが、英国の欧州連合離脱決定や難民問題が影響した欧州経済は力強さが見られず、また、中国、インド等の新興国経済は鈍化状態が続いたものの、全体としては緩やかな成長となりました。
我が国経済におきましては、雇用環境の改善にもかかわらず個人消費の低迷が続き、また急激な円高により企業収益や設備投資が圧迫され、金融・財政政策も効果を発揮するには至らず、更に、米国新政権の不透明な経済政策も重なり、景気は精彩を欠くものとなりました。
当電子部品業界といたしましては、車載関連は順調でしたが、ICT関連の電子機器はスマートフォンを除いて中国経済変調の影響による低迷が続き、産業機器分野においては機械設備並びにEMI関連も、年度後半に入り鈍化傾向を示しております。
このような市場環境の中で当社グループは、小型フェライトコア並びにコイル・トランス製品を中心とした拡販活動を国内外市場で積極的に展開いたしました。また、海外での製造原価低減と品質改善に取り組み、世界競争に打ち勝つことの出来る高性能で高品質の製品を生産すべく活動を続けてまいりました。
しかしながら、当連結会計年度の売上高は14億2千3百万円(前期比11.0%減少)となりました。内訳といたしましては、コイル・トランス販売は不採算製品の見直しにより海外市場での売上が減少し、フェライトコア販売は国内・中国市場では増加しましたが、大幅な出荷・在庫調整を余儀なくされた一部の海外市場の減少を補えず、売上全体としては前連結会計年度を下回る結果となりました。
損益面では、営業損失は原価率が改善したことにより8千7百万円(前期は2億1千6百万円の営業損失)と前年より損失の縮小となりました。経常損失は大幅な円高に伴い営業外費用における為替差損等により1億4千9百万円(前期は1億9千5百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1億2千5百万円(前期は2億円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績では、電子部品材料事業は前段の記載内容により、当事業の売上高は13億6千9百万円(前期比11.4%の減少)となり、セグメント損失は1億2千9百万円(前期は2億6千万円のセグメント損失)となりました。また、不動産賃貸事業の売上高は5千3百万円(前期比0.4%の増加)となり、セグメント利益は4千2百万円(前期比2.4%の減少)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億3千9百万円増加し、12億4千9百万円(前連結会計年度末残高は10億9百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって増加した資金は、5千3百万円(前連結会計年度は78万円の減少)となりました。これは主に、売上債権及びたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって増加した資金は、2億5百万円(前連結会計年度は3千7百万円の減少)となりました。これは主に、拘束性預金の払戻による収入及び預り保証金の受入による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって減少した資金は、4百万円(前連結会計年度は8百万円の減少)となりました。これは、リース債務の返済による支出によるものであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しております。なお、不動産賃貸事業は生産実績には含まれておりません。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品材料 |
|
|
|
フェライトコア |
1,027,187 |
93.3 |
|
コイル・トランス |
298,448 |
72.8 |
|
合計 |
1,325,636 |
87.7 |
(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しております。なお、不動産賃貸事業は受注状況には含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
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区分 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品材料 |
|
|
|
|
|
フェライトコア |
1,141,842 |
101.8 |
179,610 |
172.6 |
|
コイル・トランス |
291,165 |
70.8 |
12,848 |
63.8 |
|
その他 |
5,235 |
131.3 |
― |
― |
|
合計 |
1,438,242 |
93.6 |
192,458 |
155.0 |
(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の電子部品材料事業の生産、受注及び販売の状況については、製品別に記載しており、また、当社の国内不動産の有効活用は主要な収益源であるため、不動産賃貸収入は販売実績に含めております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品材料 |
|
|
|
フェライトコア |
1,066,298 |
94.1 |
|
コイル・トランス |
298,448 |
72.8 |
|
その他 |
5,235 |
131.3 |
|
電子部品材料計 |
1,369,982 |
88.6 |
|
不動産賃貸 |
53,846 |
100.4 |
|
合計 |
1,423,829 |
89.0 |
(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経済情勢といたしましては、世界経済は米国は堅調に推移しておりますが、中国をはじめとする新興国経済は鈍化傾向が続いております。一方、国内経済は引き続き緩やかながらも回復が期待されておりますが、米国新政権の通商政策や急激な為替変動が懸念され不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループを取り巻く事業環境もグローバル競争の激化に伴い、国内外において一段と厳しさを増すと思われます。
このような事業環境の中で、車載、産業機器、IoT、医療機器、省エネ・環境分野を主眼に国内外市場での新規開拓に向け、欧州営業窓口を開設し、積極的な営業活動を展開することで販売拡大を図りながら、海外生産工場の継続的な品質改善や経費削減に向けた取組を推進し、利益重視の体制を強化してまいります。重点課題として以下の3点に取り組みます。
①車載、産業機器、IoT、医療機器関連の新規受注獲得
②原価低減に向けた品質改善と省力化、自動化の推進
③高信頼性、高効率化を目的とした材質開発の推進
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主な販売先は、日本国内及び東アジアであり、その地域の経済情勢や製品需要動向による販売減少等により、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格及び売上高等にも影響があり、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開している電子部品業界は激しい価格競争に直面しております。先進技術の成果を反映させ、顧客ニーズに対応した製品をタイムリーに開発し、海外生産により製造コストを低減して有利な価格決定をすることに努めておりますが、これをもってしても対抗しがたい事態が生じる場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長性の確保を目的として、積極的に新素材及び製品開発のため必要な先行投資を行っております。先行投資に応じた結果、収益を確実に予測することは困難であり、需要が予測に比べて低迷する可能性を含んでおります。そのため、一定期間内で投資に応じた成果、収益が上げられなかった場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する製品の原材料の主なものは酸化鉄並びに非鉄金属であります。非鉄金属は国際取引相場に影響を受け、近年としては上昇傾向にあります。当社グループでは、徹底したコストダウンにより極力吸収してまいりますが、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
連結貸借対照表に計上されている投資有価証券については、全て当社保有の有価証券であります。なお、これらの有価証券については保有意義や資産の健全化等を考慮しながら随時見直しを行っております。
また、時価のある有価証券については今後の経済環境や企業収益の動向により、時価が変動し、時価のない有価証券については、当該株式の発行会社の財政状況が変動することにより、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業用不動産として複数の土地及び建物を所有しております。固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針を適用し、所有する固定資産に減損損失が発生した場合には、当社グループの財政状況及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、大規模な自然災害や長時間にわたる停電により、国内外の製造拠点及び製造設備が深刻な被害を被った場合、販売活動に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの提供する製品は日本国内でも生産しておりますが、主な生産場所は中国の子会社並びに委託先であります。中国政府による法律、税制、規則等の変更や地方政府による最低賃金の改定により、当社グループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、前連結会計年度において営業損失2億1千6百万円及び経常損失1億9千5百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2億円となりました。また、当連結会計年度においては、営業損失8千7百万円及び経常損失1億4千9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失1億2千5百万円を計上する結果となったことにより、継続企業の前提に関する注記を開示するまでには至りませんが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当該重要事象等を解消し、経営基盤の安定化への対応策は、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
A.研究開発活動の体制
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動は主として当社総合技術部において行っております。その主な内容は、フェライト材質開発とフェライトコアの設計・試作及びコイル・トランスの設計開発・試作です。
フェライトに関しては、新材質開発、既存材質の改良を行い、フェライトコアの最適設計に採用し市場ニーズに対応した優れた材質を提供しております。世界トップクラス材質である2Nシリーズは車載・医療・通信・産機・セキュリティーの多分野で採用頂いております。
コイル・トランスの設計開発に関しては、回路の高密度化・高集積化に伴い小型・効率化に向け、自社製フェライトと融合させ研究開発を行っております。
顧客要求及び市場ニーズ対応へのスピードアップを図るべく、研究開発要員の強化並びに試験設備・機器を積極的に導入し、より効果的な研究開発が出来る体制をとっております。
B.今後の新製品、新技法について
電子機器の小型化・高温度化・高周波化に伴う小型・高性能・広温度範囲対応フェライトコア、省エネ対応として更なる低損失・高飽和磁束密度・高透磁率フェライトコアの開発・改良等を進めております。また製造方法におきましても高級製品対応としてフェライトコアの成型技術・焼成技術・精密加工技術の高度化、低コストの製品設計、試作期間の短縮等を図り顧客開発スピードに寄与させております。
さらに、これらの高性能フェライトコアを使用したコイル・トランスとその応用製品である車載用コンバータートランス、セキュリティーコイル、センサーコイル、LED用照明用電源トランス、医療用電源トランス、産機用センサーコイル、各種SMDトランスの開発等、製品領域の拡大に取り組んでおります。一例としまして、未来へ向けた車載用製品を顧客と共同で開発中であり、今後は更に顧客とタイアップした開発案件を増加させます。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は、4千1百万円であります。
また、当社グループの研究開発活動は電子部品材料事業に関するものであります。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部合計は、45億2千5百万円(前期は44億2千6百万円)となり、9千9百万円増加しました。
流動資産は、22億9千4百万円(前期は22億3千5百万円)となり、前期に比べ5千9百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金の増加によるものであります。
固定資産は、22億3千万円(前期は21億9千万円)となり、前期に比べ3千9百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産及び投資有価証券の増加によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部合計は、9億5千1百万円(前期は7億6千万円)となり、1億9千1百万円増加しました。
流動負債は、2億2千7百万円(前期は2億1千7百万円)となり、前期に比べ1千万円増加しました。その主な要因は、建物解体費用引当金の増加によるものであります。
固定負債は、7億2千4百万円(前期は5億4千2百万円)となり、前期に比べ1億8千1百万円増加しました。その主な要因は、預り保証金の増加によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部合計は、35億7千3百万円(前期は36億6千5百万円)となり、9千2百万円減少しました。その主な要因は、利益剰余金の減少によるものであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高の概況は、「1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
(営業利益)
売上原価は、グループにおける原価率が改善したことにより、10億5千4百万円(前期は13億3千2百万円)となりました。また、販売費及び一般管理費は、4億5千6百万円(前期は4億8千5百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は、8千7百万円(前期は2億1千6百万円の営業損失)となりました。
(経常利益)
営業外収益は、1千万円(前期は2千4百万円)となりました。
営業外費用は、大幅な円高に伴い為替差損が発生し、7千2百万円(前期は2百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は、1億4千9百万円(前期は1億9千5百万円の経常損失)となりました。
(税金等調整前当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は1億2千万円(前期は1億9千5百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は1億2千5百万円(前期は2億円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社グループの資金状況は、現金及び現金同等物が前期に比べて2億3千9百万円増加し、当連結会計年度末には12億4千9百万円となりました。これは主に投資活動によるキャッシュ・フローが増加したことによるものであります。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な市場情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、当社グループを取り巻く事業環境はグローバル経済の変動に直接影響を受けるという図式に変りはなく、引き続き厳しい状況が予想されます。従って、激化する一方のグローバル競争に負ける事なく、当社グループが進化し成長して行く事が最重要課題であると認識いたしております。
その様な認識に基づき、当社グループといたしましては、研究開発、特に先端的フェライト材質開発及びコイル・トランスの設計開発を強化推進すると同時に、中国工場において品質安定と効率生産を推進するとともに、自動化・省力化並びに徹底した仕入材料や経費の見直しによりコストを削減し、利益重視の生産体制を構築してまいります。
当社グループは、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク (10) 重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に関する注記を開示するまでには至りませんが、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当該重要事象等を解消し、経営基盤の安定化に向け以下記載のとおり取り組んでおります。
・当社グループは、車載、産業機器、IoT、医療機器、省エネ・環境分野を主眼に国内外市場での新規開拓に向け、新たに欧州営業窓口を開設し、積極的な営業活動を展開することで販売拡大を図りながら、海外生産工場の継続的な品質改善や経費削減に向けた取り組みを推進し、利益重視の体制を強化してまいります。
重点課題として以下の3点に取り組みます。
①車載、産業機器、IoT、医療機器関連の新規受注獲得
②原価低減に向けた品質改善と省力化、自動化の推進
③高信頼性、高効率化を目的とした材質開発の推進
・研究開発においては、フェライトに関しては、新材質開発、既存材質の改良を行い、フェライトコアの最適設計に採用し市場ニーズに対応した優れた材質を提供しております。また、コイル・トランスは、回路の高密度化・高集積化に伴い小型・効率化に向け、自社製フェライトとの融合に取り組んでおります。今後の新製品、新技法については、電子機器の小型化・高温度化・高周波化に伴う小型・高性能・広温度範囲対応フェライトコア、省エネ対応として更なる低損失・高飽和磁束密度・高透磁率フェライトコアの開発・改良等を進めております。また、製造方法におきましても高級製品対応としてフェライトコアの成型技術・焼成技術・精密加工技術の高度化、低コストの製品設計、試作期間の短縮等を図り顧客開発スピードに寄与させております。
さらには、車載用コンバータートランス、セキュリティーコイル、センサーコイル、LED照明用電源トランス、医療用電源トランス、産機用センサーコイル、各種SMDトランス開発等、製品領域の拡大に取り組んでおります。
当社グループといたしましては、以上のことから、継続企業の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えており、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断しております。