文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、エレクトロニクス産業に限らず、ものづくりにおける要素技術を拡充し、高品質の製品を国際競争力のある価格で世界に送り出すグローバル企業を目指しております。
企業活動のあらゆる面で「企業理念」に基づき、環境保全活動とグループガバナンスを積極的に推進すると共に、株主の皆様にとって「成長する楽しみが持てる企業」であり続けることに努めております。
半導体用マテリアル製品をはじめとする新素材および生産技術の開発に注力し、世界での市場シェアを高め、安定的な収益体質の企業集団を形成することを経営の基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループの属する主な市場は、エレクトロニクス産業でありますが、高度情報化の進展や新興国の経済発展に伴い、今後も市場規模の拡大が期待されます。同時に技術革新のスピードが早く、極めて国際競争の激しい市場です。このような環境の中で当社グループが安定的に成長するためには、「顧客に満足を」の経営理念を念頭に既存製品の拡充とともに新たな製品事業の育成を遂行する必要があります。
中期的な会社の経営戦略の具体的な項目は、以下の通りです。
① 半導体分野では、顧客からの増産要請が強いマテリアル製品に関し、製造ラインの増設を継続します。セラミックス製品、石英製品は製造工場を新設したため、顧客需要を見ながらラインの増設を進めてまいります。拡大する中国半導体市場向けに8インチウエーハの2次ライン工場を浙江省杭州市に竣工する予定です。
② デバイスメーカーやFPDメーカーが保有する製造装置の洗浄サービスを拡充し、中国で5拠点目となる新工場を稼働してまいります。好調なパワー半導体分野では、ロボット、工作機械、家電製品などに使用される、IGBTパワー半導体用DCB基板の増産を計画しております。
③ エネルギー分野では、電気自動車向けのリチウムイオン2次電池の充電・放電制御に熱電素子サーモモジュールの応用製品を販売してまいります。また、排熱を再利用する発電システムの実用化にも取組んでまいります。
④ バイオメディカル分野では、熱電素子を利用したDNA増幅装置や血液分析器、再生医療装置などへ拡販してまいります。コア技術である磁性流体は、医薬品を体内で搬送するドラッグデリバリーの実用化に向け、顧客の満足する製品を提供してまいります。
⑤ 通信分野では、成長が見込める移動通信システムの通信機器、中継器、アンテナ内部の熱対策として熱電素子が採用されており、超高速・大容量化・多数端末接続など第5世代通信の本格稼働を目前に需要拡大を見込んでいます。
⑥ 自動車分野では、プラグインハイブリッド車やEV車向けのパワー半導体用AMB基板の販売や熱電素子を採用した温調シート、サブエアコン、ヘッドアップ・ディスプレイなど応用製品の用途開発に取り組んでまいります。磁性流体はブレーキ、サスペンション、オーディオスピーカー向けの採用を広げてまいります。
⑦ 受託製造分野は、中国半導体市場の成長に対応し、当社グループの真空技術と精密メタル加工を組合せ、各種半導体製造装置メーカーからの受託製造を拡充してまいります。
⑧ 他社との業務提携やM&Aを視野に入れ、既存製品のシェア拡大のほか、新規事業への参入も重要と考えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの中期経営目標として最終年度である2022年3月期に連結売上高1,250億円、連結営業利益は利益率10%の125億円を目標としております。
当社グループは、企業価値を図る客観的な経営指標として、株主資本利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)を採用しております。ROEは10%超とし、EPSは150円を目指しております。
(4)経営環境
当社グループの属するエレクトロニクス産業は、米中貿易摩擦の長期化により極めて不透明な事業環境となっています。半導体業界では、メモリー価格の下落により半導体デバイスメーカーの設備投資が延期されており、足元では調整局面となっています。一方、移動通信システム業界では、2020年の本格運用を目指して第5世代通信(5G)のテスト運用が一部で開始され、超高速・大容量化・多数端末接続により、段階的な自動運転や遠隔医療のほか、IoT時代ののMaaSと呼ばれる各種サービスの到来が予想されています。5G通信に欠かせないエッジコンピューティングの処理サーバーやクラウド上のデータセンターの増設のほか、自動車搭載用のセンサー類やパワー半導体などの需要増も期待され、半導体業界の設備投資再開を待つ状況です。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
対処すべき課題は、安定的な収益力の確保と成長のための設備投資の継続にあります。
当社グループが属するエレクトロニクス産業では、半導体業界の設備投資が一段落し、設備稼働率も一定の水準にあるものの、当面、やや保守的な成長率となる見通しです。しかし、中長期的には次世代移動通信方式の登場により、半導体需要は成長路線に回帰するものと考えられます。当社グループの課題は、「顧客に満足を」の経営理念の下、顧客要求仕様の高品質な製品を指定期間で納められる生産体制の確立を実現することです。そのために人材育成とコストの抑制ならびに中期的な生産設備の自動化を進めることが課題です。
今後の設備投資、運転資金等に必要な資金は、営業キャッシュフローから得られる資金のほか、金融機関からの借入れ、投資先である中国市政府からの補助金などで賄う予定です。
事業運営面では、半導体業界向けの8インチシリコンウエーハの増産や装置洗浄サービスを拡充してまいります。電子デバイス事業は、比較的景気に左右されにくい自動車、通信、家電、医療分野向けに製品を供給しておりますが、当社グループの安定的な成長を実現するために、今後成長が見込める電気自動車向け製品のパワー半導体用基板や車載向け各種製品の開発・販売に経営資源を投入してまいります。太陽電池関連事業は、構造改革を継続しており、自社製品からの撤退に伴う生産設備、棚卸資産の処分等を実施してまいりました。さらに構造改革を推し進め当該事業を終息させます。
技術面では、新たな中国生産拠点における顧客認定を取得するため、開発、設計、品質管理など人的支援を行い、知的財産に基づく技術開発、自動化などの生産技術を指導してまいります。
また、当社グループでは、業務の適正を確保する体制整備に努め、J-SOXに対応した内部統制システムの運営をグループ各社で実施しており、適正な財務諸表の作成を保証する体制の強化を目指し、適切な運営の実施と監査を継続的に行っております。
(6)株式会社の支配に関する基本方針について
該当事項はありません。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因は以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(エレクトロニクス産業の製品需給動向及び設備投資動向、自動車産業における新車販売台数の影響について)
当社グループの装置関連セグメントの主力製品である真空シール、石英製品、並びにセラミックス製品は、液晶製造装置用部品や半導体製造装置用部品として販売されるものが多く、エレクトロニクス産業における製品需給動向及び設備投資動向の影響を受ける傾向にあります。
また、電子デバイスセグメントの主力製品であるサーモモジュールは、主に自動車温調シートに使用されており、自動車産業における新車販売台数の影響を受ける傾向にあります。
これらの需給動向次第では、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(太陽電池産業の動向について)
当社グループは、太陽電池産業向けに製造装置・消耗品等を供給しており、当該産業の市場拡大予測に基づき、生産能力の拡大投資を行う方針を取る場合がありますが、将来何らかの理由により太陽電池の普及が停滞あるいは減速し製品需要が拡大しない場合や、競合他社の動向により価格競争が一層激化する場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(原材料の市況状況について)
当社グループの製品の原材料は、市況価格が上昇したり、需要量が供給量を大きく上回り調達が困難となる可能性があるものを含みます。当社グループでは調達先の多様化等対応しておりますが、市況価格の暴騰等、市況の急変動があった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(中国における事業展開について)
当社グループの製品の大半は、主に製造コストを低減するための戦略に基づき、現地法人である中国子会社にて製造しております。これらの現地法人においては、今後とも製造能力増強に向けた設備投資を計画する場合がありますが、中国における事業展開においては、投資・税制・通貨管理・貿易・環境・労働に関する法令や規制等の変更、人民元切り上げ等の為替政策動向などの政治的、経済的リスク、その他社会的リスクが存在しており、これらが顕在化した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(債権回収について)
当社グループは、与信管理には十分な注意をはらっておりますが、景気後退等により、想定を超える水準で倒産や債務不履行が発生し、債権回収が困難となった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(為替相場の変動について)
当社グループは、主に米国ドルなど外貨建ての製品の輸出及び原材料の輸入を行っており、又、外貨建ての借入金等を有していることから、為替相場の変動は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、米国ドルをはじめとする他の通貨に対する円高は、国内から海外市場に輸出される当社グループの製品の価格競争力を弱め、収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、連結財務諸表作成に際し、在外連結子会社・在外持分法適用関連会社の財務諸表項目(現地通貨金額)を円換算する際に、為替相場の変動の影響を受けております。
(株価及び金利の変動について)
当社グループは、株式等の有価証券を保有しており、これらの有価証券の価格の下落は、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、市場金利の変動の状況によっては、借入金利息の負担の増大等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金の一部には財務制限条項が付加されており、この条項に抵触した場合には借入利率の上昇や期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(減損会計について)
当社グループの保有している固定資産に、地価の下落やこれらの資産を利用した事業の収益性に低下があった場合、減損会計により当該固定資産に対する減損処理が必要となり、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(技術革新について)
当社グループにおいては、磁性流体応用製品、サーモモジュール、石英製品など高度な技術を必要とする製品の開発、製造及び販売を行っているため、当該事業における技術は重要な要素であります。しかしながら、今後、革新的な技術や製品が現れたり、代替技術等が誕生することにより、当社グループの技術面の優位性が失われ、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(知的財産権等について)
当社グループは、開発・設計・製造の各プロセスにおいて蓄積した技術等については特許権の取得により保護を図っております。一方、当社グループは第三者の知的財産権に抵触する事が無きよう調査しておりますが、当社グループの認識外でこれに抵触し、第三者より損害賠償・対価の支払等を求められた場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(人材確保について)
当社グループの事業拡大に必要な人材の採用が困難となった場合、または、重要な人材が社外流出した場合には、当社グループの事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
(自然災害等について)
当社グループでは、主たる生産拠点は中国子会社に置いておりますが、これらの生産拠点において、大規模な地震等の自然災害が発生し、工場の操業に影響を及ぼすような損害を被った場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(法令違反リスクについて)
当社グループは、全社的なコンプライアンス体制の構築に注力し、法令遵守の徹底に取り組んでおりますが、当社グループの役員または従業員が法令に違反する行為を行い、当社グループ又はこれらの者の事業活動が制限された場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(訴訟に関するリスクについて)
当社グループが、現在関与している訴訟、または将来、訴訟が提起され、当社グループに不利な判決結果が生じた場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(環境に関するリスクについて)
当社グループは工場を多数有しており、その所在国・所在地域毎の環境基準を遵守する必要がありますが、これを遵守できていなかった場合、環境規制強化に伴う関係法令等が変更され、若しくは想定外の法規制が新たに設けられ、新規設備への投資や排気・排水対策、廃棄物処理方法の変更による遵守コストの増加が生ずる場合、または、これに関連して工場の操業制限が行われる場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済状況は、米国経済については大型減税と利上げ一時停止等の効果により力強く拡大しております。中国経済については、政府が33兆円規模の景気刺激策を打ち出しておりますが、米中貿易摩擦の長期化により景気後退がすすみ、経済成長率が低水準となりました。中国だけではなく世界各国の景気減速に繋がるのではないかと懸念されております。我が国経済については、緩やかな回復が持続してきましたが、米中貿易摩擦の動向に左右された年度となりました。
当社グループの属するエレクトロニクス産業では、海外を中心とした半導体メモリメーカーやデバイスメーカー各社の設備投資延期の発表が相次いでおり、投資意欲は調整局面に入っております。デバイスメーカー等の設備稼働率は、歩留りの向上とともに安定的に推移したため、メモリー価格の上昇に歯止めがかかりました。
このような事業環境のなか、当社グループでは、半導体メーカーおよび製造装置メーカーで使用される石英製品、ファインセラミックスなどのマテリアル製品の販売が一定水準で推移しました。電子デバイス事業の主力製品であるサーモモジュールは、自動車温調シート向けのほか、移動通信機器、医療検査・バイオ機器、理美容家電向けの販売が安定的に推移し、パワー半導体用基板も中国江蘇省に新工場が稼働したことから堅調に推移した結果、それぞれ計画を達成することができました。
太陽電池関連事業においては、不採算となった自社販売から撤退し、OEMに特化するため、生産ラインから対象となる製造設備等を区分して減損処理を実施しました。
この結果、当連結会計年度につきましては、売上高は89,478百万円(前期比1.2%減)、営業利益は8,782百万円(前期比4.1%増)、経常利益は8,060百万円(前期比12.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,845百万円(前期比6.3%増)となりました。
当連結会計年度のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(半導体等装置関連事業)
当該事業の主な製品は、真空シールおよび各種製造装置向け金属加工製品、石英製品、セラミックス製品、CVD-SⅰC製品、シリコンパーツなど半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品であり、シリコンウエーハ加工、装置部品洗浄なども行っております。当該事業の業績は、半導体製造装置メーカーの出荷および設備稼働率に連動します。
マテリアル製品の顧客であるデバイスメーカーにおいては、スマートフォンやデータセンターのサーバーなどに利用される3次元NAND型フラッシュメモリやD-RAMの増産により設備稼働率が高水準で推移したため、当該事業は年央まで堅調に推移しました。その後、需給が均衡したため、メモリ価格の上昇が止まり、逆に下落に転じたことから、デバイスメーカー各社は追加設備投資の延期を発表しており、現在は、調整の局面にあります。
製造装置メーカー、デバイスメーカー、ファウンドリーからの旺盛な需要に応えるため、当社グループは、中国浙江省および江蘇省に新たに石英製造ラインを設置し、セラミックスについても杭州における第二工場が竣工しました。加えて、半導体・FPD製造装置の洗浄とメンテナンスを行う装置洗浄事業を拡充しており、天津、四川、大連に加え、上海に分析センターを設置することを決定しました。また、上海における8インチウエーハ加工は、第4四半期から量産を開始し、杭州においては、第二工場の建屋工事が進行中です。一方で、韓国においてはCVD-SⅰCの設備を減損処理しました。
当該事業は、半導体製造装置の出荷および設備稼働率に連動しますが、安定的に推移しました。
この結果、当該事業の売上高は55,953百万円(前期比19.9%増)、営業利益は9,186百万円(前期比22.5%増)となりました。
(太陽電池関連事業)
当該事業の主な製品は、シリコン結晶製造装置、シリコン製品、石英坩堝などです。
太陽電池産業は、各国のCO2排出削減策の進行から年間設置量が100ギガワットを超える状況となりました。世界的に需要が拡大する一方で価格の下落は続いており、不採算となった自社製品販売から撤退を決め、OEMに特化しております。設備の減損および棚卸資産の評価損を計上しました。当該事業については構造改革を継続しております。
この結果、当該事業の売上高は8,082百万円(前期比61.4%減)、営業損失は1,659百万円(前期は1,592百万円の営業損失)となりました。
(電子デバイス事業)
当該事業の主な製品は、サーモモジュール、パワー半導体用基板、磁性流体などです。
主力の自動車温調シート向けサーモモジュールは、北米市場と中国市場での自動車販売台数の前年割れや、米国金利の追加利上げの影響もあり、当社製品の売上高も前年比減となりました。一方で半導体用途が拡大し、理美容家電や中国における通信機器用途も伸長しました。医療検査・バイオ関連機器用途も底堅く推移し、売上高は計画のとおりとなりました。パワー半導体用基板は、新たな工場が中国江蘇省に竣工し、増産体制を進めています。磁性流体については、自動車搭載スピーカー用途やスマートフォン用バイブレーションモーター用途は軟調でした。当該事業は、景気に左右されにくい業種への販売が多く、緩やかな成長が見込める事業セグメントです。
この結果、売上高は12,897百万円(前期比1.5%増)、営業利益は2,365百万円(前期比21.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ7,906百万円増加し、31,555百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11,466百万円(前連結会計年度比1,519百万円増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,642百万円、減価償却費5,755百万円、その他の負債の増加額4,435百万円によるものであります。支出の主な内訳は、法人税等の支払額3,608百万円、売上債権の増加額2,057百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37,063百万円(前連結会計年度比24,674百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出34,810百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は34,507百万円(前連結会計年度比23,676百万円増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5,846百万円、社債の償還による支出1,173百万円の一方、長期借入れによる収入27,634百万円、社債の発行による収入11,174百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体等装置関連事業 |
50,675,845 |
111.3 |
|
太陽電池関連事業 |
7,501,027 |
35.4 |
|
電子デバイス事業 |
12,931,708 |
109.0 |
|
報告セグメント計 |
71,108,581 |
90.5 |
|
その他 |
12,628,972 |
122.7 |
|
合計(千円) |
83,737,553 |
94.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
半導体等装置関連事業 |
51,575,785 |
107.7 |
4,503,357 |
81.2 |
|
太陽電池関連事業 |
7,495,825 |
36.6 |
359,715 |
38.0 |
|
電子デバイス事業のうち受注生産品目 |
2,902,081 |
113.4 |
127,186 |
78.8 |
|
その他 |
12,025,030 |
111.6 |
1,027,790 |
66.4 |
|
合計(千円) |
73,998,721 |
90.6 |
6,018,048 |
73.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.電子デバイス事業のサーモモジュールは見込み生産を行っております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
半導体等装置関連事業 |
55,953,514 |
119.9 |
|
太陽電池関連事業 |
8,082,747 |
38.6 |
|
電子デバイス事業 |
12,897,405 |
101.5 |
|
報告セグメント計 |
76,933,667 |
95.8 |
|
その他 |
12,544,562 |
121.8 |
|
合計(千円) |
89,478,229 |
98.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比については前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成に当たり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的と判断される基準に基づき行っております。
詳細に関しては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
1) 概要
当連結会計年度につきましては、売上高は89,478百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は8,782百万円(前連結会計年度比4.1%増)、経常利益は8,060百万円(前連結会計年度比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,845百万円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。
当連結会計年度の経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
2) 売上高
連結売上高の概要は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
3) 売上原価
売上原価は62,341百万円(前連結会計年度比5.1%減)となり、売上高に対する売上原価率は2.8ポイント低下の69.7%となりました。これは主に太陽電池関連事業の減収によるものであります。
4) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は18,354百万円(前連結会計年度比11.4%増)となりました。これは主に人件費、研究開発費の増加によるものであります。
5) 営業外損益
営業外収益1,053百万円(前連結会計年度比57.4%増)の主な内容は、補助金収入131百万円、持分法による投資利益556百万円によるものであります。また、営業外費用1,776百万円(前連結会計年度比8.9%減)の主な内容は、支払利息777百万円、支払手数料191百万円によるものであります。
6) 特別損益
特別利益648百万円(前連結会計年度比429.2%増)の内容は、受取保険金244百万円、訴訟損失引当金戻入額403百万円によるものであります。また、特別損失3,066百万円(前連結会計年度比72.3%増)の主な内容は、固定資産処分損356百万円、減損損失2,429百万円、災害による損失152百万円によるものであります。
7) 法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は2,819百万円(前連結会計年度比0.2%増)となりました。
b.財政状態の分析
1) 資産
当連結会計年度末の資産は前連結会計年度末と比べ44,640百万円増加し、163,098百万円となりました。これは主に現金及び預金7,906百万円と有形固定資産32,591百万円の増加によるものであります。
2) 負債
負債は、前連結会計年度末と比べ46,604百万円増加し、113,250百万円となりました。これは主に長期借入金(1年内返済予定を含む)21,756百万円、社債(1年内償還予定を含む)10,177百万円、短期借入金3,728百万円の増加によるものであります。
3) 純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ1,964百万円減少し、49,848百万円となりました。これは主に利益剰余金2,010百万円の増加と為替換算調整勘定3,704百万円の減少によるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載したとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性について
1) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2015年3月期 |
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
48.9 |
49.1 |
42.6 |
43.3 |
30.3 |
|
時価ベースの自己資本比率 (%) |
27.2 |
47.0 |
45.9 |
83.9 |
25.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.2 |
3.6 |
2.7 |
2.6 |
5.3 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
13.9 |
8.5 |
15.7 |
15.7 |
15.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、長期借入金(1年内返済予定を含む)を対象としております。
2) 財務政策について
当社グループの今後の運転資金、設備資金等に必要な資金は、営業キャッシュ・フローから得られる資金のほか、主として銀行等の金融機関からの借入及びリース、投資先の中国杭州市政府からの補助金などで賄う予定であります。なお、当連結会計年度末において、取引銀行6行との間で総額20億円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約(借入未実行残高20億円)及び取引銀行との総額40億円の実行可能期間付タームローン契約(借入実行残高30億円、借入未実行残高10億円)を締結しております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは、2019年5月に発表しました「中期経営目標」において、収益性を向上するとともに、ビリオンダラーカンパニーとして次のステージへ向け、2022年3月期に連結売上高1,250億円、連結営業利益は利益率10%の125億円を目標としております。
また、企業価値を図る客観的な経営指標として、株主資本利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)を採用しております。ROEは10%超とし、EPSは150円を目指しております。
当連結会計年度の連結売上高は894億円(前連結会計年度は905億円)、連結営業利益は利益率9.8%の87億円(前連結会計年度は利益率9.3%の84億円)、ROEは5.6%(前連結会計年度は5.9%)、EPSは76.90円(前連結会計年度は77.08円)となっております。
当社グループは、「中期経営目標」の実行により、当該指標の目標達成に向けグループ一丸となり取り組んでまいります。
当社は、2018年12月7日付で、株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとする総額121億円のシンジケート方式によるタームローン契約を締結いたしました。
①契約金額 総額121億円
②契約締結日 2018年12月7日
③借入可能期間 2018年12月12日~2023年12月12日(5年)
④資金使途 設備資金
⑤アレンジャー 株式会社三菱UFJ銀行
⑥参加銀行 株式会社三菱UFJ銀行、他9行
⑦財務制限条項 ①各年度の決算期の末日における連結貸借対照表における為替換算調整勘定による調整前の純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期の末日又は2018年3月に終了する決算期の末日における連結貸借対照表における為替換算調整勘定による調整前の純資産の部の金額のいずれか大きい方の75%の金額以上にそれぞれ維持すること。
②各年度の決算期に係る連結損益計算書上の経常損益に関して、それぞれ2期連続して経常損失を計上しないこと。
③各年度の決算期に係る連結損益計算書上の当期純損益に関して、それぞれ2期連続して当期純損失を計上しないこと。
研究開発につきましては、技術革新と市場環境変化の激しい半導体、FPD、LED、太陽電池製造装置業界にあって、各ユーザーとの情報交換・技術交流を通して今後の技術発展動向とユーザーニーズを先取りすることを重視し、研究開発をすすめております。
現在の研究開発は、当社の技術担当部門が中心となり、日本・米国・欧州・アジアの各拠点で進めております。
当連結会計年度の研究開発費は
その主な成果は次のとおりであります。
(1)半導体等装置関連事業
①真空シール
新磁性流体の評価及びデバイスの改良設計を行い、従来品と比較してシール性能の長寿命化及び低トルク化に取り組んでおります。さらに、耐薬品性能にも着目し、シール性能が大幅に向上するように製品設計を行っており、顧客より好評を得ております。さらなる顧客満足度を向上させるべく、顧客の要望を取り入れた設計にも積極的に取り組んでおります。
②セラミックス製品
ファインセラミックス事業については、半導体製造装置部品用の高性能素材を開発、客先認定に向けてサンプル出荷を推進しております。マシナブルセラミックス事業では、半導体検査装置部品用素材の高性能化、レーザー加工技術の高度化を進めており、試作品の出荷ならびに量産受注件数を着実に増やしております。いずれの事業につきましても昨年開設いたしました開発センターを中心拠点として従来以上に積極的な研究開発活動を展開しております。
CVD-SiC事業については、半導体装置用部品の量産技術の開発に取り組み、大型装置での量産化を進めました。また、航空、エネルギー、自動車用途向けの製品展開を開始いたしました。
③真空蒸着装置
Temescal事業においては、あらたに開発した大型装置でのプロセスに対応するため、蒸着材料を装填する100cc×14ポケットを装備したXLシリーズを開発しました。従来型は25cc×6ポケットでしたが、これにより、大型装置で蒸着材料補充のためのプロセス中断回数を大幅に削減し、生産性の向上に飛躍的に寄与させることが出来ます。
(2)太陽電池関連事業
石英坩堝については、半導体用途に使用できるよう品質を安定化させるため、積極的な改善を実施しております。さらに、半導体向け大口径型の石英坩堝の需要に対応するため、製造設備についても積極的に改善作業に取り組んでおります。
(3)電子デバイス事業
①サーモモジュール
熱電材料の性能改善を引き続き実施しており、モジュール接合技術にも取り組みました。さらに、当社サーモモジュール製品にファンやフィンを組み合わせたアッセンブリ商品の開発を実施しており、医療分野、オートモビル分野の市場にて評価を頂いております。これまで販売してまいりましたモジュールについても、引き続きアジア各国市場向けに堅調に推移しており、品質維持と技術改良に積極的に取り組んでおります。
②磁性流体
真空シールやリニアバイブレーションモーター等に使用するための新製品の開発を進めました。当社コア技術であるナノ材料をもって、中長期の当社事業成長を支えるため、自動車・医薬・精密機器など、多岐分野での新たな応用に関して、社内外の協力を得ながら、次世代技術の実用化を目指しております。これまでの開発成果を随時リリースしていく予定であり、顧客のニーズを汲み取るため、試供品や試作品の提供にも注力しています。
③パワー半導体用基板
日本及び欧州の顧客の要求仕様を満たすために、パワーデバイス向けアルミナ基板の性能向上及び品質改善に取り組んでおり、顧客より好評を得ております。さらに、新たなパワーデバイス用セラミック基板の開発にも積極的に取り組んでおり、顧客より好評を得ております。