第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策の効果により緩やかな回復基調が続いているものの、中国を始めとするアジア新興諸国の経済の減速や円高の影響により、企業の景況感が後退するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。

このような経済環境のもと、当社グループは、自動券売機・ICカード自動化機器等の駅務システムやホームドアシステム等を中心とした「交通システム機器」、金融・汎用機器向ユニットを中心とした「メカトロ機器」、セキュリティシステム、防災計測システム及びパーキングシステムを中心とした「特機システム機器」の専門メーカーとして、鋭意営業活動の展開に注力してまいりました。

また、技術部門におきましては、様々な機器をネットワークで接続・運用・管理する用途が広がり、システムソフトウェア開発の比重が高まっている状況を踏まえ、設計の一部を委託している協力会社と当社技術部門における開発プロセス管理体制を充実させるため、平成27年7月1日に当社100%出資子会社である株式会社高見沢ソリューションズを設立しました。生産部門におきましては、「ものづくり改革」を継続し、ユニット類の生産ラインを変更し作業工程を見直すなど、生産効率の向上に努めてまいりました。

このように諸施策を積極的に推進してまいりました結果、特機機器部門の売上高が前連結会計年度を下回ったものの、交通システム機器部門及び連結子会社である㈱高見沢サービスが堅調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は108億9千万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。

また、損益面につきましては、経費の圧縮、原価の低減に取り組んできたことにより、営業利益は3億4千万円(同18.4%増)、経常利益は2億8千3百万円(同12.7%増)となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益につきましては前連結会計年度において繰延税金資産を計上したことにより2億1百万円(同69.8%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、売上債権の減少、減価償却費の計上等があったものの、仕入債務の減少、リース債務の返済による支出等により、前連結会計年度末と比べて7千8百万円減少し、28億7千7百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ1億8千9百万円減少し、4億8千8百万円(前年同期は6億7千8百万円の獲得)となりました。

これは主に、売上債権の減少額7億7千9百万円、減価償却費5億5千5百万円、仕入債務の減少額5億5千5百万円、たな卸資産の増加額2億3千6百万円等を計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ1千9百万円増加し、1億1千5百万円(前年同期は9千6百万円の使用)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出8千9百万円、投資有価証券の取得による支出1千4百万円等を計上したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ7千7百万円減少し、4億5千1百万円(前年同期は5億2千8百万円の使用)となりました。

これは主に、リース債務の返済による支出3億5千1百万円、短期借入金の純減少額2億7千5百万円、長期借入れによる収入3億円等を計上したことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。

 また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。

(2)受注状況

 当連結グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。

 また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度の主要な販売実績を示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

電子制御機器(千円)

10,890,665

100.6

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ジェイアール東日本メカトロニクス㈱

1,150,494

10.6

922,813

8.5

 (注)2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気の下振れリスクなど、依然として不安定要素が存在しており、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

このような状況のなか、当社グループは、交通システム機器・メカトロ機器・特機システム機器の各部門において次のとおり事業を展開してまいります。

交通システム機器部門におきましては、主力製品の出改札機器(自動券売機、自動精算機等)の拡販と、ホームドア事業の確立に努めてまいります。ホームドア事業では、3本のバーが上下方向に動いて開閉する「昇降バー式ホームドア」(国交省 鉄道技術開発補助金対象)が東日本旅客鉄道様の八高線拝島駅に試行導入いただき稼働していることに加え、扉が横方向にスライドして開閉するタイプのホームドアも、相模鉄道様の横浜駅でご採用いただき、平成28年3月より本格的に稼働が始まりました。今後もそれぞれのタイプの利点を各鉄道事業者様にPRし、拡販に注力してまいります。

メカトロ機器部門におきましては、平成27年11月、従来では対応できなかった外径、厚みの硬貨を識別できる新型硬貨処理装置の開発が完了し、世界51カ国、310金種に対応できるようになりました。これにより、アジアを始め、ヨーロッパや中南米など、海外市場の更なる展開に努めてまいります。

特機システム機器部門におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて市場の拡大が期待できる、パーキングシステム・セキュリティシステム・防災計測システムの各事業において、営業活動の強化に努めてまいります。

今後も当連結グループは、独自のコア技術であるチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理技術を応用した高品質で高付加価値な製品及びシステムを提供し続けられるよう鋭意邁進する所存でございます。

4【事業等のリスク】

 当連結グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当連結グループの事業活動を理解するうえで、重要と考えられる事項については投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 当連結グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。

(1)経営成績の連結会計年度における変動のリスク

 過去3年間の連結売上高の上半期・下半期の実績は以下のとおりであります。

 

平成25年度

平成26年度

平成27度

上半期

下半期

合計

上半期

下半期

合計

上半期

下半期

合計

売上高

(百万円)

4,294

6,524

10,818

3,590

7,232

10,822

4,493

6,397

10,890

構成比(%)

39.7

60.3

100.0

33.2

66.8

100.0

41.3

58.7

100.0

 当連結グループの主要取引先業界における製品の納入・設置時期は、下半期の特に連結会計年度末に集中する傾向にあります。従いまして、納入時期の遅れ等により売上がそのまま翌連結会計年度にずれ込み、当連結会計年度の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)新製品開発・技術革新におけるリスク

 当連結グループでは「世の中に必要不可欠な会社を創造する」ことを社是に掲げ、常に市場のニーズに合った製品を提供するべく製品開発及び技術革新に取り組んでおります。ただし、開発期間の長期化、代替技術・商品の出現等の要因により、最適な時期に、最適な製品を市場に供給できない可能性があります。この場合、業績及び成長見通しに影響が及ぶことが考えられます。

(3)価格競争に関するリスク

 当連結グループが製品を展開している分野において、顧客からの納入価格引下げの要求は依然として強まる傾向にあり、価格競争が激しくなっております。価格下落が想定を大きく上回り、かつ、長期にわたった場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(4)製品の品質に関するリスク

 製品の品質維持・管理には当連結グループを挙げて取り組んでおりますが、予期しない事情により製品に不具合が生じる可能性があります。この場合、高額な改修費用等の発生、市場での信用の失墜等により、業績に影響を及ぼすことが考えられます。

(5)知的財産におけるリスク

 当連結グループが取得している知的財産権を第三者が無断使用して類似品を製造することで、損害を受けることがあります。また、当連結グループの製品が第三者の知的財産権を侵害するとの主張を受ける可能性もあります。これらの場合、当連結グループの主張が認められないときは、今後の事業展開及び業績に影響を及ぼすことが考えられます。

 

(6)OEMビジネスにおけるリスク

 当連結グループでは、装置メーカー等の顧客にユニットを供給するOEMビジネスを展開しております。しかし、顧客への供給は、顧客の業績や経営方針の転換等、当連結グループが介入不可能な要因に大きく影響を受けることがあり、業績の悪化や在庫過多につながる可能性があります。

 

(7)人材に関するリスク

 当連結グループでは、チケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理装置に関する高度な専門技術に精通した人材の確保・育成が不可欠であります。しかし、優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、将来的には業績及び成長の見通しに影響を及ぼす可能性があります。

(8)資材の調達におけるリスク

 当連結グループの製品製造は、適時適価の資材調達が基本となっておりますが、資材業者の事故等により調達が不安定になる可能性があります。この場合、特定の業者以外から適時に代替品を入手することは難しく、製品供給が滞り、業績に影響を及ぼすことが考えられます。

(9)自然災害等によるリスク

 当連結グループは日本全国に事業所を設置しておりますが、これらの地域において大規模災害が発生した場合、物流機能の麻痺等により顧客への製品供給が滞り、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)重要な訴訟によるリスク

 当連結グループを相手とした訴訟が発生し、当連結グループ側の主張・予測と異なる結果になった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)退職給付債務のリスク

 当連結グループの従業員退職給付費用及び債務を算出する際に設定している前提条件等が、実際の経済状況、その他の要因によって変動した場合、当連結グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(12)資金調達におけるリスク

 借入による資金調達は、金利等の市場環境・資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化により、当連結グループの財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

(1)研究開発活動

 当連結グループの事業である電子制御機器に係る研究開発活動は当社が担っております。

 当連結グループの主力製品は、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器を三本柱としており、これらに共通したチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)関連機器を中心に、多様化・高度化する市場ニーズを的確に捉え、それらに適応できる新製品を研究・開発して、タイムリーに提供することを主眼とした活動を行っております。

 当社の研究開発活動の取り組み方法としては、①社内及び関係会社の社員から出された新製品開発提案②市場ニーズに基づき社内検討の結果、開発の必要性が認められた新製品③特定顧客から具体的な開発依頼のあった新製品④現在、生産・販売している既存製品のモデルチェンジの4つのルートにより提案され、審議を経て着手が決定された新製品・新技術の開発を行っております。

 当連結会計年度に開発を完了した新製品の主なものは、次の通りであります。

<交通システム機器>

 交通系ICカード乗車券関連では、ICカードの普及に対応して、利用者のユーザビリティを考慮したICカード入金(チャージ)機と、入金機能に加えて磁気券(情報を記録した紙切符)を発行する多機能タイプのICカード入金機の開発を完了し、販売を開始しました。券印刷発行機では、従来機に比べて小型化・軽量化を図った可搬型発券機の開発を完了し、販売を開始しました。ホームドア関連では、独自技術で差異化を図ったホームドアシステムの開発に取り組んでいます。

<メカトロ機器>

 コイン処理装置では、海外市場のニーズに特化したコイン装置の開発に取り組んでいます。

<特機システム機器>

 地震計関連では、高い演算能力と処理能力、及び正確な地震動観測を持つ地震計の開発を完了し、販売を開始しました。

 

(2)研究開発の体制

 当社の研究開発の体制は、ホームドア事業推進室開発部、交通技術センター、テクニカルセンター、NTCセンター、T.P.P部及び品質保証センターで組織されており、全社的な協力体制の下で運営されています。

 ホームドア事業推進室開発部は、ホームドアのソフト・機構開発設計及び製品化を担当する部門であります。

 交通技術センターは、交通系のソフト開発設計を担当する部門であります。

 テクニカルセンターは、交通系の機構・電気、特機系及びメカトロ系のソフト・機構・電気開発設計及び製品化を担当する部門であります。

 NTCセンターは、将来の新製品開発に必要不可欠な基本技術の確立を目的とした基礎研究を行うと共に、地震計のソフト・電気開発設計及び製品化を担当する部門であります。

 T.P.P部は、開発試作機の迅速な完成を目的として、開発製品の部材調達から組立、調整までを担当する部門であります。

 品質保証センターは、開発製品に対して、当社制定の品質標準規格に基づき、機能、性能、信頼性、安全性等の総合的な評価試験を行い、基準に合格した製品であることを認証し、保証する部門であります。

 以上の各部門が相互に協力しあうことによって、開発期間の短縮を図り、高性能、高品質な製品を開発し、市場ニーズに合致した新製品をタイミングよく顧客に供給できるような体制で研究開発を行っております。

 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は4億2千5百万円であり、連結売上高の3.9%に相当致します。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積もり

 当連結グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
 当連結グループの連結財務諸表の作成には、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を必要とします。これら正確な見積り及び適正な判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結グループは、永年培ってきたチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理技術を応用した「交通システム機器」「メカトロ機器」及び「特機システム機器」の専門メーカーとして鋭意営業活動を展開しております。

当連結会計年度におきましては、特機機器部門の売上高が前連結会計年度を下回ったものの、交通システム機器部門及び連結子会社である㈱高見沢サービスが堅調に推移したことにより、当連結会計年度の売上高は108億9千万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。

売上総利益は、売上高は増加したものの、売上原価率が74.8%(同0.3%増)となったことにより、27億4千1百万円(同0.6%減)となりました。

売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は3億4千万円(同18.4%増)となりました。また、売上高営業利益率は3.1%(同0.5%増)となりました。

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は5千7百万円(同58.4%増)の費用計上となりました。

以上の結果、経常利益は2億8千3百万円(同12.7%増)となり、売上高経常利益率は2.6%(同0.3%増)となりました。

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、7百万円の費用計上(同58.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度において繰延税金資産を計上したことにより、2億1百万円(同69.8%減)となりました。

また、1株当たり当期純利益は22円85銭(前連結会計年度は1株当たり74円06銭)となりました。

 

(3)財政状態の分析

(資産)

資産の合計は140億7千9百万円(前連結会計年度末比3億5千4百万円減)となりました。

流動資産の減少は、受取手形及び売掛金7億7千9百万円の減少が主因であります。

 固定資産の増加は、工具、器具及び備品1億3千3百万円の増加が主因であります。

(負債)

負債の合計は114億5千4百万円(同3億3千3百万円減)となりました。

流動負債の減少は、支払手形及び買掛金5億6千1百万円の減少が主因であります。

固定負債の増加は、退職給付に係る負債2億7千3百万円の増加が主因であります。

(純資産)

純資産の合計は26億2千5百万円(同2千1百万円減)となりました。

これは、親会社株主に帰属する当期純利益2億1百万円の計上、退職給付に係る調整累計額1億4千4百万円の減少、その他有価証券評価差額金3千3百万円の減少が主因であります。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。