今後のわが国経済は、一部で持ち直しの動きが見られるものの、新型コロウイルス感染症の再拡大による下振れリスクも存在しており、極めて厳しい状況が見込まれております。
この様な状況のなか、当社グループは、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器の各部門において次のとおり事業を展開してまいります。
交通システム機器部門におきましては、主力製品の出改札機器(自動券売機、ICカードチャージ機等)とホームドアの拡販に努めてまいります。
また、当社は現在、2021年4月より実施している南海電鉄様の改札機による「Visaタッチ決済」「QRコード」利用の実証実験に参加しております。当社では、主力事業である交通システム機器の分野において、引き続き新たな取り組みを行ってまいります。
メカトロ機器部門におきましては、世界51カ国、310金種に対応した硬貨処理装置「グローバルコインユニット」を主力とし、中国を中心に東南アジア、ヨーロッパ、中南米など、海外市場の展開に注力してまいります。
特機システム機器部門におきましては、セキュリティシステム、防災計測システム、パーキングシステムの各事業において営業活動の強化に努めてまいります。当社では、コロナ禍において測温やマスク着用有無を判別できるセキュリティゲートを開発するなど、今後もお客様のご要望にお応えする製品を適宜提供してまいります。
また、技術及び生産部門におきましては、「ものづくり改革プロジェクト」を立ち上げ、ものづくりに関する各工程の効率化と生産品質向上に取り組んでまいります。
当社グループは、「世の中に必要不可欠な製品及びサービスを提供する」ことを経営の基本方針としております。今後も、社会インフラの分野を中心に、当社独自のコア技術であるチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理技術を応用した製品及びサービスを提供し続けられるよう邁進してまいります。また、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、売上利益率、営業利益率、経常利益率を重要な経営指標と位置付け、その向上に取り組むとともに、自己資本比率の向上にも取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで、重要と考えられる事項については投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
過去3年間の連結売上高の上半期・下半期の実績は以下のとおりであります。
当社グループの主要取引先業界における製品の納入・設置時期は、下半期の特に連結会計年度末に集中する傾向にあります。従いまして、納入時期の遅れ等により売上がそのまま翌連結会計年度にずれ込み、当連結会計年度の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは「世の中に必要不可欠な会社を創造する」ことを社是に掲げ、常に市場のニーズに合った製品を提供するべく製品開発及び技術革新に取り組んでおります。ただし、開発期間の長期化、代替技術・商品の出現等の要因により、最適な時期に、最適な製品を市場に供給できない可能性があります。この場合、業績及び成長見通しに影響が及ぶことが考えられます。
当社グループが製品を展開している分野において、顧客からの納入価格引下げの要求は依然として強まる傾向にあり、価格競争が激しくなっております。価格下落が想定を大きく上回り、かつ、長期にわたった場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
製品の品質維持・管理には当社グループを挙げて取り組んでおりますが、予期しない事情により製品に不具合が生じる可能性があります。この場合、高額な改修費用等の発生、市場での信用の失墜等により、業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループが取得している知的財産権を第三者が無断使用して類似品を製造することで、損害を受けることがあります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害するとの主張を受ける可能性もあります。これらの場合、当社グループの主張が認められないときは、今後の事業展開及び業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループでは、装置メーカー等の顧客にユニットを供給するOEMビジネスを展開しております。しかし、顧客への供給は、顧客の業績や経営方針の転換等、当社グループが介入不可能な要因に大きく影響を受けることがあり、業績の悪化や在庫過多につながる可能性があります。
当社グループでは、チケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理装置に関する高度な専門技術に精通した人材の確保・育成が不可欠であります。しかし、優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、将来的には業績及び成長の見通しに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品製造は、適時適価の資材調達が基本となっておりますが、資材業者の事故等により調達が不安定になる可能性があります。この場合、特定の業者以外から適時に代替品を入手することは難しく、製品供給が滞り、業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループは日本全国に事業所を設置しておりますが、これらの地域において大規模災害が発生した場合、物流機能の麻痺等により顧客への製品供給が滞り、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大により世界的な経済活動の停滞が続いた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループを相手とした訴訟が発生し、当社グループ側の主張・予測と異なる結果になった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び債務を算出する際に設定している前提条件等が、実際の経済状況、その他の要因によって変動した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
借入による資金調達は、金利等の市場環境・資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化により、当社グループの財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロウイルス感染拡大を受けて大きな落ち込みとなりました。年度末にかけて一部で持ち直しの動きが見られ始めましたが、依然として厳しい状況が続いています。
この様な経済環境のもと、当社グループは、自動券売機・ICカード自動化機器等の駅務システムやホームドアシステムを中心とした「交通システム機器」、金融・汎用機器向けユニットを中心とした「メカトロ機器」、セキュリティシステム・防災計測システム及びパーキングシステムを中心とした「特機システム機器」の専門メーカーとして、鋭意営業活動の展開に注力してまいりました。
また、技術部門及び生産部門におきましては、「ものづくり改革プロジェクト」を立ち上げ、ものづくりに関する各工程の効率化と生産品質向上に取り組んでまいりました。
この様に諸施策を推進してまいりました結果、主に交通システム機器及びメカトロ機器において機器の改造等が堅調に推移しましたが、前連結会計年度の売上高には交通システム機器の複数大型案件対応や機器の改造等が含まれていたことにより、売上高は127億4千9百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。
また、損益面につきましては、原価の低減及び経費の削減に努めてまいりましたが、売上高の減少により、営業利益9億4千3百万円(前連結会計年度比24.0%減)、経常利益9億9百万円(同24.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6億4千2百万円(前連結会計年度比22.3%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は149億1千5百万円となり、前連結会計年度末と比べ12億3千7百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金の減少6億9千6百万円、仕掛品の減少2億8千5百万円等であります。
負債は112億3千4百万円となり、前連結会計年度に比べ19億5千2百万円の減少となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少16億2千9百万円、借入金の減少1億3千4百万円等であります。
純資産は36億8千万円となり、前連結会計年度末と比べ7億1千5百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加5億7千6百万円であります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1億7百万円増加し、30億5千2百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ4億1千3百万円減少し、7億9千2百万円(前年同期は12億6百万円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益8億8千9百万円、減価償却費6億2千9百万円、仕入債務の減少額16億6千1百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億8百万円減少し、1億3千2百万円(前年同期は2億4千万円の使用)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1億2千7百万円等を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億8千6百万円減少し、5億5千2百万円(前年同期は9億3千8百万円の使用)となりました。
これは主に、リース債務の返済による支出3億5千1百万円、長期借入金の返済による支出9千万円等を計上したことによるものであります。
当社グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。
また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
当社グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。
また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
当連結会計年度の主要な販売実績を示すと次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度の㈱東芝とJR東日本メカトロニクス㈱、当連結会計年度の東京地下鉄㈱は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成には、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を必要とします。これら正確な見積り及び適正な判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
繰延税金資産について当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
当社グループは、永年培ってきたチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理技術を応用した「交通システム機器」「メカトロ機器」及び「特機システム機器」の専門メーカーとして鋭意営業活動を展開しております。
当連結会計年度におきましては、主に交通システム機器及びメカトロ機器において機器の改造等が堅調に推移しましたが、前連結会計年度の売上高には交通システム機器の複数大型案件対応や機器の改造等が含まれていたことにより、当連結会計年度の売上高は127億4千9百万円(前連結会計年度比22.6%減)となりました。
売上総利益は、前連結会計年度より売上高が減少したこと、また、売上原価率が73.2%(同3.4%減)と良化したことにより、34億1千4百万円(同11.3%減)となりました。
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、9億4千3百万円(前連結会計年度は12億4千万円の利益)となりました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は3千3百万円の費用計上(同3千4百万円の費用計上)となりました。
以上の結果、経常利益は9億9百万円(同12億5百万円の利益)となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、2千万円の損失計上(同8千4百万円の損失計上)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、6億4千2百万円(同8億2千7百万円の利益)となりました。
また、1株当たり当期純利益は146円15銭(同1株当たり当期純利益は188円19銭)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
資産の合計は149億1千5百万円(前連結会計年度末比12億3千7百万円減)となりました。
流動資産の減少は、受取手形及び売掛金6億9千6百万円の減少、仕掛品2億8千5百万円の減少が主因であります。
(負債)
負債の合計は112億3千4百万円(同19億5千2百万円減)となりました。
流動負債の減少は、支払手形及び買掛金16億2千9百万円の減少、借入金1億3千4百万円の減少が主因であります。
(純資産)
純資産の合計は36億8千万円(同7億1千5百万円増)となりました。
これは、利益剰余金5億7千6百万円の増加が主因であります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業活動においては、製品製造に必要となる費用(材料費・人件費等)や販売費及び一般管理費であり、投資活動においては、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は57億3千8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物等の残高は30億5千2百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループの事業である電子制御機器に係る研究開発活動は当社が担っております。
当社グループの主力製品は、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器を三本柱としており、これらに共通したチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)関連機器を中心に、多様化・高度化する市場ニーズを的確に捉え、それらに適応できる新製品を研究・開発して、タイムリーに提供することを主眼とした活動を行っております。
当社の研究開発活動の取り組み方法としては、①社内及び関係会社の社員から出された新製品開発提案、②市場ニーズに基づき社内検討の結果、開発の必要性が認められた新製品、③特定顧客から具体的な開発依頼のあった新製品、④現在、生産・販売している既存製品のモデルチェンジの4つのルートにより提案され、審議を経て着手が決定された新製品・新技術の開発を行っております。
当連結会計年度に実施した各機器における主な研究開発活動は次のとおりであります。
駅務機器関連では、改正割賦販売法に伴う自動券売機のクレジットカード取引において、セキュリティ対策の強化を実施しました。セキュリティの強化策を実装した自動券売機で、国際ブランドクレジットカード各社の試験を実施し、認証取得を完了しました。
硬貨処理装置関連では、小型化・薄型化を目的とした主要ブロックの要素技術開発を実施しました。硬貨振分け機構や保留機構等で新構造を開発し、これらの新構造を新たな製品開発に取り込んでいきます。
ゲート関連機器では、セキュリティゲートに検温や顔認証機能を付加した新たな価値のソリューションを開発しました。また、様々なニーズに対応したセキュリティゲートのバリエーション開発を進めてきました。
駐輪場管理システムでは、駐車場のキャッシュレス決済の一つとして、QRコード決済で利用精算が可能なソリューションを開発しました。また、現場の視点から課題等がないか確認するフィールド試行を実施し、試行結果を通じて有効性の検証を実施しました。
新たな基礎研究においては、通信方法について新たな手法に着目し、実現性についての研究を実施しました。また、IoTに欠かせないセンシングデバイスについて、製品に利用可能な各種センサの性能や精度について研究を実施しました。
当社の研究開発の体制は、機構設計センター、メカコン設計センター、システム設計センター、NTC開発センター、TPPセンターおよび品質保証センターで組織されており、全社的な協力体制の下で運営されています。
機構設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器の機械設計の研究開発業務を担当する部門であります。
メカコン設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器のファームウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
システム設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器のソフトウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
NTC開発センターは、将来の新製品開発に必要不可欠な基本技術の確立を目的とした基礎研究業務を担当する部門、交通システム、メカトロ、特機システム各機器の電気設計の研究開発業務を担当する部門であります。
TPPセンターは、コスト管理、開発試作機の迅速な完成を目的として、開発製品の部材調達から組立、調整までを担当する部門であります。
品質保証センターは、開発製品に対して、当社制定の品質標準規格に基づき、機能、性能、信頼性、安全性等の総合的な評価試験を行い、基準に合格した製品であることを認証し、保証する部門であります。
以上の各部門が相互に協力しあうことによって、開発期間の短縮を図り、高性能、高品質な製品を開発し、市場ニーズに合致した新製品をタイミングよく顧客に供給できるような体制で研究開発を行っております。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は