今後のわが国経済は、ロシア・ウクライナ情勢等に伴う原材料価格の高騰や部材調達の遅れ、世界的な金融引き締めの影響など、依然として下振れするリスクが複数存在しており、引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。
この様な状況のなか、当社グループは、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器の各部門において、次のとおり事業を展開してまいります。
交通システム機器部門におきましては、主力製品の出改札機器(自動券売機、ICカードチャージ機等)とホームドアの拡販に努めてまいります。
当連結会計年度におきまして、ホームドア事業では、緊急時に電車とホームの間をスムーズに避難できるよう「スライド式の緊急脱出口」を装備した製品を新たに開発し、京王電鉄株式会社様笹塚駅にご導入いただきました。
また、交通システム機器では新たな分野として、顔認証で運賃を精算する「ウォークスルー型顔認証改札機」を大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)様でご採用いただくことが決定し、2024年度中に全駅に設置される見込みとなりました。
当社では、主力事業である交通システム機器の分野において、引き続き新たな製品・サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
メカトロ機器部門におきましては、2024年度に予定されている新紙幣発行に伴うお客様のご要望に対応できるよう準備を進めてまいります。
また、海外市場におきましては、世界51カ国、310金種に対応した硬貨処理装置「グローバルコインユニット」を主力とし、中国を中心に東南アジア、ヨーロッパ、中南米などに向けて、市場の拡大に注力してまいります。
特機システム機器部門におきましては、セキュリティシステム、防災計測システム、パーキングシステムの各事業において営業活動の強化に努めてまいります。
技術及び生産部門におきましては、引き続き「ものづくり改革プロジェクト」の活動を継続し、ものづくりに関する各工程の効率化と生産品質向上に取り組んでまいります。
また、当社は2022年度より「サステナビリティ推進委員会」を新設いたしました。SDGsが目指す「持続可能な社会」を実現させるべく、各種社内目標を定め、取り組みを進めてまいります。
当社グループは、「世の中に必要不可欠な製品及びサービスを提供する」ことを経営の基本方針としております。今後も、社会インフラの分野を中心に、当社独自のコア技術であるチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理技術を応用した製品及びサービスを提供し続けられるよう邁進してまいります。また、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、売上利益率、営業利益率、経常利益率を重要な経営指標と位置付け、その向上に取り組むとともに、自己資本比率の向上にも取り組んでまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。
なお、文中の将来情報に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、持続可能な社会を実現するための取り組みを促進し、企業価値を向上させるため、2022年度よりサステナビリティ推進委員会(以下『委員会』という)を新設いたしました。当委員会を中心とした体制で計画・目標を策定し、取り組みを進めております。
委員会では、経営上の課題抽出から対応策の検討に加えて、当社事業におけるマテリアリティの特定を行っております。なお、当委員会での討議・協議内容は経営会議及び取締役会へ報告が行われます。
経営会議では、委員会からの取り組みに関する報告事項の審議を行うとともに、会議出席者を通して、その内容について各室・事業部・センター・グループ会社内へ周知を図っております。
取締役会では、委員会からの報告や経営会議の審議結果を踏まえ、その取り組み状況の監視・監督を行っております。また、マテリアリティの特定といった重要事項に関しては、取締役会の決議により、最終的な判断が行われます。
当社グループは、「世の中に必要不可欠な会社を創造する」ことを社訓に掲げ、製品開発を行ってまいりました。技術の発展や利用者の環境変化により、顧客ニーズは絶え間なく変化しております。今後も当社が世の中に必要とされる製品・サービスを提供し続けるためには、多角的な視点を持つことが必要であるとの考えから、下記の取り組みを行っております。
①人材の採用、維持及び育成
当社は、採用活動に特化した専門部署である人材開発部を設置し、新卒採用をはじめ、専門スキルや豊富な経験を有している人材の中途採用についても積極的に推進し、当社グループにおいて継続的に優秀な人材を確保するよう努めております。
また、採用後におきましては、上記社訓や行動規範に基づき、主に現場におけるOJTを通して人材育成に取り組んでおります。
②社内環境整備
当社グループでは、優秀な人材の確保、離職の防止、事業継続性の観点から、人材活性化に活用するための予算を計上し、社員の資格取得の促進、また、当社グループ及び協力会社社員のコミュニケーションの機会を創出するためのイベントの開催など、様々な取り組みを行っております。
また、従業員が意欲的に働くことができるよう、男女共に積極的に育児休暇を取得できる環境整備等にも取り組んでおります。
当社におけるサステナビリティに関するリスク対応は、委員会が中心となり対応を行う体制を整えております。
委員会では、当社事業においてリスクとなり得る課題の識別・評価を行い、経営会議へ報告します。経営会議では、当該報告に関する審議を行い、各室・事業部・センター・グループ会社に対して具体的な取り組みの指示を出します。
各室・事業部・センター・グループ会社の取り組みの実施状況については、経営会議で報告・審議されたのち、その内容について改めて委員会の場で課題の識別・評価を行います。
取締役会では、委員会からの報告及び経営会議における審議の結果を基に、サステナビリティリスク全体の管理を行います。
当社では、[(2)戦略]において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、委員会において検討中であります。また、連結子会社におきましても、各項目に関する目標値を検討中のため、当社グループとしての記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社のものを記載しております。
(注)2023年4月1日現在
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで、重要と考えられる事項については投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
過去3年間の連結売上高の上半期・下半期の実績は以下のとおりであります。
当社グループの主要取引先業界における製品の納入・設置時期は、下半期の特に連結会計年度末に集中する傾向にあります。従いまして、納入時期の遅れ等により売上がそのまま翌連結会計年度にずれ込み、当連結会計年度の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは「世の中に必要不可欠な会社を創造する」ことを社訓に掲げ、常に市場のニーズに合った製品を提供するべく製品開発及び技術革新に取り組んでおります。ただし、開発期間の長期化、代替技術・商品の出現等の要因により、最適な時期に、最適な製品を市場に供給できない可能性があります。この場合、業績及び成長見通しに影響が及ぶことが考えられます。
当社グループが製品を展開している分野において、顧客からの納入価格引下げの要求は依然として強まる傾向にあり、価格競争が激しくなっております。価格下落が想定を大きく上回り、かつ、長期にわたった場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
製品の品質維持・管理には当社グループを挙げて取り組んでおりますが、予期しない事情により製品に不具合が生じる可能性があります。この場合、高額な改修費用等の発生、市場での信用の失墜等により、業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループが取得している知的財産権を第三者が無断使用して類似品を製造することで、損害を受けることがあります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害するとの主張を受ける可能性もあります。これらの場合、当社グループの主張が認められないときは、今後の事業展開及び業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループでは、装置メーカー等の顧客にユニットを供給するOEMビジネスを展開しております。しかし、顧客への供給は、顧客の業績や経営方針の転換等、当社グループが介入不可能な要因に大きく影響を受けることがあり、業績の悪化や在庫過多につながる可能性があります。
当社グループでは、チケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)処理装置に関する高度な専門技術に精通した人材の確保・育成が不可欠であります。しかし、優秀な人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、将来的には業績及び成長の見通しに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品製造は、適時適価の資材調達が基本となっておりますが、資材業者の事故等により調達が不安定になる可能性があります。この場合、特定の業者以外から適時に代替品を入手することは難しく、製品供給が滞り、業績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社グループは日本全国に事業所を設置しておりますが、これらの地域において大規模災害が発生した場合、物流機能の麻痺等により顧客への製品供給が滞り、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症拡大により世界的な経済活動の停滞が続いた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループを相手とした訴訟が発生し、当社グループ側の主張・予測と異なる結果になった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び債務を算出する際に設定している前提条件等が、実際の経済状況、その他の要因によって変動した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
借入による資金調達は、金利等の市場環境・資金需給の影響を強く受けるため、これらの環境の変化により、当社グループの財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下で緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、急激な為替の変動や部材供給面での制約、原材料価格の上昇などにより、依然として厳しい状況が続きました。
この様な経済環境のもと、当社グループは、自動券売機・ICカード自動化機器等の駅務システムやホームドアシステムを中心とした「交通システム機器」、金融・汎用機器向けユニットを中心とした「メカトロ機器」、セキュリティシステム・防災計測システム及びパーキングシステムを中心とした「特機システム機器」の専門メーカーとして、鋭意営業活動の展開に注力してまいりました。
また、技術部門及び生産部門におきましては、2020年度に立ち上げた「ものづくり改革プロジェクト」の活動を継続し、引き続き「ものづくり」に関する各工程の効率化と生産品質の向上に取り組んでまいりました。また、第三工場棟の屋根に太陽光発電パネルを設置し、生産設備に係る電力の一部を補うとともに、CO2の削減にも貢献してまいりました。
この様に諸施策を推進してまいりました結果、メカトロ機器部門において海外向けユニット製品の売上が減少しましたが、交通システム機器部門において自動券売機等の出改札機器が堅調に推移したこと、また、特機システム機器部門において防災計測システムの売上が増加したことなどにより、売上高は107億1千3百万円(前連結会計年度比8.1%増)となりました。
また、損益面につきましては、原価率の低い交通システム機器の改造案件が増加したことに加え、原価の低減及び経費の削減に努めたことにより、営業利益6億5千万円(前連結会計年度比164.0%増)、経常利益6億3千4百万円(同194.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億5千1百万円(同310.3%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は146億8千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ6億3千5百万円増加しました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加6億3百万円等であります。
負債は104億6百万円となり、前連結会計年度に比べ1億7千5百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加5億8千3百万円、借入金の減少3億6千万円等であります。
純資産は42億7千7百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億5千9百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加3億9千8百万円であります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて5億3千3百万円減少し、26億9百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により獲得した資金は、前連結会計年度に比べ4億2千7百万円減少し、3億2千7百万円(前年同期は7億5千4百万円の獲得)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益6億2千6百万円、棚卸資産の増加6億4千2百万円、売上債権及び契約資産の増加6億3百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億2千2百万円増加し、2億9百万円(前年同期は8千6百万円の使用)となりました。
これは主に、投資有価証券の取得による支出9千6百万円、有形固定資産の取得による支出6千3百万円等を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果により使用した資金は、前連結会計年度に比べ7千5百万円増加し、6億5千1百万円(前年同期は5億7千6百万円の使用)となりました。
これは主に、短期借入金の純減少額2億7千万円、リース債務の返済による支出2億3千5百万円、長期借入金の返済による支出9千万円等を計上したことによるものであります。
当社グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。
また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
当社グループは、電子制御機器の製造販売及びこれら付随業務の単一セグメントであります。
また生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、同種の製品についても構造、形式は一様でなく、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
当連結会計年度の主要な販売実績を示すと次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成には、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を必要とします。これら正確な見積り及び適正な判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
繰延税金資産について当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断したうえで繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、税制の変更や事業環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
当社グループは、永年培ってきた当社コア技術を応用した「交通システム機器」「メカトロ機器」及び「特機システム機器」の専門メーカーとして鋭意営業活動を展開しております。
当連結会計年度におきましては、自動券売機等の出改札機器が堅調に推移したこと、また、特機システム機器部門において防災計測システムの売上が増加したことなどにより、売上高は107億1千3百万円(前連結会計年度比8.1%増)となりました。
売上総利益は、前連結会計年度より売上高が増加したこと、また、売上原価率が70.7%(同1.8%減)と良化したことにより、31億3千7百万円(同15.2%増)となりました。
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は6億5千万円(同164.0%増)となりました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は1千5百万円の費用計上(同47.9%減)となりました。
以上の結果、経常利益は6億3千4百万円(同194.1%増)となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、7百万円の損失計上(同60.3%減)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億5千1百万円(同310.3%増)となりました。
また、1株当たり当期純利益は102円57銭(同310.3%増)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
資産の合計は146億8千4百万円(前連結会計年度末比6億3千5百万円増)となりました。
流動資産の増加は、受取手形、売掛金及び契約資産6億3百万円の増加が主因であります。
(負債)
負債の合計は104億6百万円(同1億7千5百万円増)となりました。
流動負債の増加は、支払手形及び買掛金5億8千3百万円の増加、短期借入金1億6千5百万円の減少が主因であります。
(純資産)
純資産の合計は42億7千7百万円(同4億5千9百万円増)となりました。
これは、利益剰余金3億9千8百万円の増加が主因であります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業活動においては、製品製造に必要となる費用(材料費・人件費等)や販売費及び一般管理費であり、投資活動においては、設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は47億6千2百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物等の残高は26億9百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループの事業である電子制御機器に係る研究開発活動は当社が担っております。
当社グループの主力製品は、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器を三本柱としており、これらに共通したチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)関連機器を中心に、多様化・高度化する市場ニーズを的確に捉え、それらに適応できる新製品を研究・開発して、タイムリーに提供することを主眼とした活動を行っております。
当社の研究開発活動の取り組み方法としては、①社内及び関係会社の社員から出された新製品開発提案、②市場ニーズに基づき社内検討の結果、開発の必要性が認められた新製品、③特定顧客から具体的な開発依頼のあった新製品、④現在、生産・販売している既存製品のモデルチェンジの4つのルートにより提案され、審議を経て着手が決定された新製品・新技術の開発を行っております。
当連結会計年度に実施した各機器における主な研究開発活動は次のとおりであります。
駅務機器関連では、スマートフォンに表示させたモバイルチケット(二次元コード)を認証媒体とする乗車券システムの開発を行い、同じく開発したにモバイルチケットを読み込む改札装置を駅に設置して実証実験を行いました。駅業務の効率化とサービス向上を目指し、実証実験で得た知見を踏まえて最適なシステムを提供し、社会インフラシステムの構築に貢献できるよう検討していきます。
ホームドア関連では、緊急時に列車が定位置から外れて停車した場合において、通常のドア以外にホーム上へ脱出可能な通路を設けた腰高式ホームドアを開発いたしました。通常、列車が定位置から外れて停車した場合において、安全上の観点からホームドアが開かない設計となっていますが、緊急時にやむをえず定位置から外れて停車した場合において、戸袋筐体部に手動でスライド可能な機構を設ける事により可能としたものです。これにより緊急時においても、乗客が安全・迅速にホーム上へ脱出する事が可能になりました。
また、各扉、制御盤、操作盤等、各機器間の通信形態の改善を実施し、信号ケーブルの省配線化を行いました。これにより、ホームドア機器設置時の配線に関わる作業時間の短縮だけでなく、配線スペースの削減、点検の容易化など設置工事全般の作業削減につながり、現場の効率アップに貢献します。既設機の老朽化にともなう更新(機器入れ替え)においても、省配線化のメリットを活かした柔軟な対応が強みとなります。
硬貨処理装置関連では、入出金が対向する両面から操作処理が可能で、取扱全ての金種が還流式の小型硬貨処理装置を開発しました。当該装置1台で2台分の働きを行うことができ、スペースを確保し、コストを削減できます。釣銭の補給は、扱いが容易なカセット方式を採用しました。両面からの操作が可能な設備機器等に搭載できる装置です。
駐輪場管理システムでは、QRコード(注)による電子決済サービスの拡充を行いました。既に駐輪精算機でQRコードによる決済を実施していますが、精算機を使用せずにスマートフォンを用いてWeb上で提供するQRコード決済サービスのプラットフォームを構築しました。加えて、Webサイトでの各種利用者割引機能、付加価値機能と運営管理機能の強化を図りました。また、利用記録および保全維持等の統計情報データの整備・利活用に向けた取り組みを行っています。
(注)「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
当社の研究開発の体制は、機構設計センター、メカコン設計センター、システム設計センター、NTC開発センター、TPPセンターおよび品質保証センターで組織されており、全社的な協力体制の下で運営されています。
機構設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器の機械設計の研究開発業務を担当する部門であります。
メカコン設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器のファームウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
システム設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム各機器のソフトウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
NTC開発センターは、将来の新製品開発に必要不可欠な基本技術の確立を目的とした基礎研究業務を担当する部門、交通システム、メカトロ、特機システム各機器の電気設計の研究開発業務を担当する部門であります。
TPPセンターは、コスト管理、開発試作機の迅速な完成を目的として、開発製品の部材調達から組立、調整までを担当する部門であります。
品質保証センターは、開発製品に対して、当社制定の品質標準規格に基づき、機能、性能、信頼性、安全性等の総合的な評価試験を行い、基準に合格した製品であることを認証し、保証する部門であります。
以上の各部門が相互に協力しあうことによって、開発期間の短縮を図り、高性能、高品質な製品を開発し、市場ニーズに合致した新製品をタイミングよく顧客に供給できるような体制で研究開発を行っております。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は