第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

わが国経済の先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が期待されます。ただし、中国経済の先行きにおける懸念、紛争地域をめぐる情勢や金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があります。

当社グループは「私たちは、センシング技術とサービスで、世界中の安全・安心・快適な環境創りに挑戦します」を使命とし、防災・安全に加え環境、ヘルスケア、省エネ関連などの分野へ活動領域を拡げ、家庭用から工業用までをカバーするガス警報器・ガスセンサの総合メーカーとして事業の発展に努めてまいります。

また、新たな価値観に基づく社会の変革が進んでおります。これまでとは異なる働き方が求められるなかで、当社グループとしての新たな働き方を追求してまいります。

①お客さま視点に立った製品の開発

家庭や産業の現場におけるガスによる爆発・中毒事故を未然に防ぐための製品、火災の早期発見に役立つ製品、また、作業環境における危険化学物質を監視して安全確保に役立つ製品等、時代とともに変化するお客さまのニーズに対応した製品開発が求められます。そして、それぞれの市場で課題を解決するため、AI・IoT等の先進技術の導入・活用を進め、技術競争力の強化と差別化をはかり、開発のスピード化、生産性のさらなる向上、コストダウンの実現を進め、信頼される高機能・高付加価値製品の開発に努めてまいります。

②海外事業の強化

「世界中からガス事故を無くす」という当社グループの目標を達成するため、世界中に当社グループのガス警報器・ガスセンサをお届けするためグローバル展開の推進を行っております。

北米および中国における電池式メタン警報器の販売強化に加え、東南アジア等成長地域での販売強化や競争力のあるセンサの重点分野への拡販を行っております。その他の地域でも代理店網の充実、整備をすすめており、今後はさらにユーザー志向を徹底することと現地企業の深耕を強化し、シェアの拡大とサービス体制の整備・確立をはかりながら海外事業の強化に取り組んでまいります。

③持続的な成長の基盤となるセンサ技術の研究開発

当社グループはセンシング技術の強化をはかり、MEMS技術を活用したガスセンサの展開と新センサの開発への取り組みを行っております。

当社グループは独創的な発想のもとで、数々の革新的なガスセンサをこれまでに生み出し、さまざまな製品を市場に提供してきました。今後は、グループ間の協業をさらに深め、新たなステージへの挑戦と研究開発の充実をはかってまいります。

④お客さまの満足度を上げていく営業、サービス体制の充実

当社グループは市場でお客さまがかかえる課題を解決するため、効果的に製品やノウハウをご提供できるよう、営業体制・アフターサービスの強化に努め、さらにメンテナンス事業やソリューション事業によりお客さま満足度の向上に取り組んでまいります。

⑤経営の効率化、原価の低減

企業間競争の舞台がグローバル化し、事業環境は日々変化しております。今後、より選択的な経営資源の投入やDXの活用による経営の効率化、開発のスピードアップ、生産性のさらなる向上と原価の低減により収益体制を強化し、資本効率や株価にも留意しながら、より一層の企業価値の向上に努めてまいります。

 

⑥コンプライアンスの徹底

当社グループは事業活動を展開するにあたり、コンプライアンスの徹底を掲げ、法令や社会規範を遵守することで、より高い評価と信頼に繋げてまいります。

以上の課題に加えて、当社グループは経営理念にあるように、未知の可能性への挑戦、人的資源の成長、ステークホルダーの尊重とコミュニケーションの充実に積極的に取り組みます。今後についてはさらにカーボンニュートラルへの対応やSDGsへの取り組みなどを推進し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業価値の向上を目指します。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、ガスセンサ・ガスセンシング技術を通じて、これまで当社グループの使命として掲げる「安全・安心・快適な環境創り」に貢献してきました。
 中期経営計画ではサステナビリティ戦略を織り込むとともに、取締役会及び代表取締役による監督の元、経営企画室にSDGs担当を設置し、各本部と連携を図りながらサステナビリティ戦略を推進しております。

 今後についてはさらにカーボンニュートラルへの対応やSDGsへの取り組みなどを推進し、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続可能な企業価値の向上を目指したガバナンス体制を構築してまいります。

 

(2)戦略

 当社グループは、2022年5月13日に公表した「中期経営計画 2022-2024」において、成長戦略、基盤戦略と共にサステナビリティ戦略を主要戦略に位置づけ、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続可能な企業価値の向上に取り組んでまいります。

①安全・安心で、持続可能な社会づくりに貢献します。

・ガスセンサ・ガスセンシングによる危険予測・予知により、事故の未然防止や働く人の安全確保に貢献します。

・交通事故減少に貢献するため、アルコール検知器事業を推進します。

②CO2排出削減に取り組むとともに、社会のカーボン量削減に貢献します。

・グループの事業活動におけるCO2排出量削減に取り組みます。

・CO2センサやCO2モニタリングシステムの販売を通じて、社会のカーボン量削減に貢献します。

③調達から廃棄までを考慮し、持続可能な循環型の生産を目指します。

・製品ライフサイクルを通じて、廃棄物の発生減少や再利用に取り組みます。

・当社製品に使用される化学物質を適切に管理し、情報開示できる体制の構築に取り組みます。

④クリーンエネルギーの安全な利用に貢献します。

・水素やアンモニアといった脱炭素の取り組みに寄与するエネルギーの安全利用を、ガスセンサ・ガス警報器を通じてサポートします。

⑤多様な働き方を推進し、働きがいの向上に取り組みます。

・大切な人的資本である社員への教育・訓練・福利厚生(健康)などを通じた投資を拡大・強化するとともに、働き方の多様性に対応した制度や設備の充実をはかり、個人個人の働きがいと生産性の向上に取り組みます。

・グローバル企業として、国際規範に沿ったガバナンスの強化に取り組みます。

 

(3)リスク管理

 当社はリスク管理規程に基づき、執行役員または取締役が委員長を務めるリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では、全社的なリスクの認識、評価、選別、対応策の検討を行い、リスク対策案を取締役会へ報告しております。

 また、環境マネジメントシステムを通じて、環境管理委員会が主体となり、環境に関するリスク及び機会を評価し、各種環境目標に取り組んでおります。

 

(4)指標及び目標

 人的資本に係る多様性の確保については、性別・国籍・年齢等によらない積極的な採用活動を継続し、中途採用を含め、優秀な人材は管理職へ積極的に登用することを基本的な考え方としております。なお、現状、外国人と中途採用者の管理職登用は十分進んでおりますが、女性管理職の登用については、現在の人員数より増員することを目標としております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、このようなリスクを認識した上で、必要なリスク管理体制を整え、リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に最大限努めております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①家庭用ガス警報器関連の事業環境について

当商品のうち、家庭用都市ガス警報器は、当社グループの主力商品ですが、過去に有効期限を3年から現在の5年に延ばした経緯があります。この2年の延長期間が期限切れによる交換需要のない期間となり、以来このサイクルが残ったまま現在に至っております。当商品の損益が悪化した場合には、当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、家庭用LPガス警報器及び住宅用火災警報器も含め、同業他社との競争が厳しく、価格競争、開発競争の帰趨が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。さらに、主要販売先の保安に関する政策変更が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

②工業用定置式ガス検知警報器関連の事業環境について

当商品の需給、価格は、景気動向の変動に伴う設備投資需要の変動サイクルによる影響が顕著です。また、当商品は主にガス、石油プラントや半導体工場等の保安目的で使用されており、一般消費者向け商品に比べるとリプレース頻度は極端に低い傾向にあります。よって、新規ユーザーの獲得の頻度は他業界と比較して低い可能性があります。さらに物件の計画変更や災害発生等が影響を与える可能性があり、同業他社との競争も厳しく、価格競争、開発競争の帰趨が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③業務用携帯型ガス検知器関連の事業環境について

当商品は、同業他社との厳しい競争下にあり、さらに新商品開発競争も激しく、新商品の立ち上げが遅れたり、新技術の急速な出現により、現在の商品が陳腐化した場合には商品価格が下落し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

④法的規制について

当社グループが取り扱うガス検知警報器等にはその設置、保守点検等に関して主に以下の法律による規制を受けておりますが、新たな法規制や法律の改廃は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

・高圧ガス保安法(経済産業省)

・液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(経済産業省)

・ガス事業法(経済産業省)

・労働安全衛生法(厚生労働省)

・消防法(総務省)

⑤品質問題について

当社グループは、商品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、品質管理の国内及び国際規格に基づく製品製造並びに内部基準による保守・点検業務を行っておりますが、商品の欠陥等予期せぬ事情によりリコール、製造物賠償責任等に発展する品質問題が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、多額の費用負担や当社グループの評価の著しい低下などの可能性があり、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

⑥研究開発について

当社グループは、長年培ってきた総合的な技術力をベースにした最先端のガスセンサの研究開発及び先進的な新商品開発を最も重要な経営課題とし、全力を挙げて取り組んでおります。しかしながら、技術の進歩、代替技術・商品の出現等により、市場から支持される期間等に変動が生じる可能性があり、当社グループの研究開発活動は必ずしも業績に寄与するとは限りません。

⑦知的財産権について

当社グループは、事業活動を展開する上で、製品、製品のデザイン、製造方法などに関連する特許などの知的財産権を、海外を含め多数取得しておりますが、出願したものすべてが権利として登録されるわけではありません。第三者が当社グループの特許を回避して競合製品を市場に投入する可能性もあります。また、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、第三者の知的財産権に関する訴訟の当事者となる可能性があります。

⑧経済状況・社会情勢について

当社グループは、経済動向の変動に伴う影響を受けやすく、経済環境の変化に伴う設備投資、経費支出の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは海外において事業の展開をしておりますが、なかでもアメリカおよび中国、台湾、韓国を中心としたアジア地域は拡大傾向にあります。これら地域の政治、経済、社会情勢の変化や各種規制の動向、さらに為替変動により当社グループの事業活動が制約を受ける可能性があります。特に、これら地域の地政学的リスクが引き起こす原材料不足、原材料価格高騰により当社グループの生産供給体制が制約を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑨大規模災害及び感染症等の蔓延について

国内における当社グループの営業及び生産の拠点は全国各地に所在しておりますが、これらの地域において大規模災害が発生した場合、あるいは大規模な感染症等が蔓延した場合には、事業活動に大きな支障をきたし当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑩個人情報について

当社は、事業活動に関連して多くの個人情報を有しております。これら個人情報については、その管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、その対応のための多額の費用負担や社会的信用の低下が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資や雇用情勢に改善の動きがみられ、景気は緩やかに回復しています。ただし、世界的な金融引き締めに伴う影響や、中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れがわが国経済を下押しするリスクとなっています。

このような環境のなか、当社グループは一酸化炭素検知機能付き火災警報器「プラシオ」、アウトドア用途向け一酸化炭素アラーム「コアラン」や通信機能を搭載したアルコール検知器など、家庭用ガス警報器関連、工業用定置式ガス検知警報器関連、および業務用携帯型ガス検知器関連の各分野において独自のガスセンサ技術を活かした機器の開発・販売を進めております。また、世界中のガス事故ゼロを目指し、より一層、安全・安心で快適な環境づくりに貢献するため、高性能・高品質・高付加価値製品の開発に取り組むとともに、当社グループのネットワークを活かしたグローバルな営業活動を展開し、業績の向上に努めております。

その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の財政状態について、総資産は、前連結会計年度末に比べ11,907百万円増加して66,837百万円(前期末比21.7%増)となりました。

これは主に、現金及び預金の増加5,121百万円、投資有価証券の増加2,088百万円、棚卸資産の増加1,564百万円、建設仮勘定の増加1,142百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ7,288百万円増加して19,187百万円(前期末比61.3%増)となりました。

これは主に、長期借入金の増加4,988百万円、繰延税金負債の増加754百万円、電子記録債務の増加666百万円によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ4,619百万円増加して47,650百万円(前期末比10.7%増)となりました。

これは主に、利益剰余金の増加2,379百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,418百万円、非支配株主持分の増加384百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は66.4%(前期末比6.7ポイント減)となりました。

b.経営成績

当連結会計年度においては、中期経営計画における成長戦略の一つとして位置付けている『グローバル展開の推進』に基づいた取り組みの成果により、家庭用関連では海外市場向け都市ガス用警報器や警報器用ガスセンサの販売が好調に推移し、また、工業用関連、業務用関連についてもエレクトロニクス業界向けをはじめ、海外市場向け販売が増加しました。さらに、為替の影響もあり、その結果、売上高は38,546百万円(前期比3.6%増)となりました。

一方で利益につきましては、原材料やエネルギー価格の高騰等による製造コストの増加に加えて、広告宣伝及び営業活動の強化、研究開発活動の促進などの影響によるコスト増加により、経常利益は4,809百万円(前期比23.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,959百万円(前期比20.8%減)となりました。

 

当社グループの事業は、ガス警報器事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載の代わりに商品別概況を記載いたしております。

当社グループの商品別概況は、次のとおりであります。

家庭用ガス警報器関連

海外市場における米国向け電池式メタン警報器および中国向け家庭用警報器の販売が堅調に推移しました。加えて、海外向け警報器用ガスセンサの販売が好調に推移しました。

その結果、家庭用ガス警報器関連の売上高は19,288百万円(前期比1.5%増)となりました。

工業用定置式ガス検知警報器関連

海外市場のエレクトロニクス業界向けおよび中国向けガス検知警報器の販売が好調に推移しました。また、メンテナンスサービスも堅調に推移しました。

その結果、工業用定置式ガス検知警報器関連の売上高は11,305百万円(前期比11.2%増)となりました。

業務用携帯型ガス検知器関連

国内市場の都市ガス業界向けおよび鉄鋼業界向けのガス検知器の販売が好調に推移しました。また、メンテナンスサービスも堅調に推移しました。

その結果、業務用携帯型ガス検知器関連の売上高は6,293百万円(前期比4.4%増)となりました。

商品区分

売上高(千円)

構成比(%)

前期比(%)

家庭用ガス警報器関連

19,288,409

50.1

101.5

工業用定置式ガス検知警報器関連

11,305,552

29.3

111.2

業務用携帯型ガス検知器関連

6,293,350

16.3

104.4

その他

1,658,992

4.3

82.7

合    計

38,546,304

100.0

103.6

なお、当社グループは海外売上高比率や営業利益率を経営の重要な指標と位置付けており、当連結会計年度は海外売上高比率45.0%(前期比4.4ポイント増)、営業利益率10.6%(前期比4.7ポイント減)となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動において減少したものの、営業活動及び財務活動において増加し、前連結会計年度末に比べ4,859百万円増加して19,997百万円(前期比32.1%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、2,549百万円(前期比2.7%減)となりました。

これは主に、法人税等の支払額1,421百万円及び棚卸資産の増加1,417百万円があったものの、税金等調整前当期純利益4,828百万円及び減価償却費1,104百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果流出した資金は、2,322百万円(前期比56.1%増)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出1,905百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、4,265百万円(前期は1,011百万円の流出)となりました。

これは主に、配当金の支払額579百万円及び長期借入金の返済による支出511百万円があったものの、長期借入れによる収入5,500百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、ガス警報器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載の代わりに、商品別実績を記載しております。

a.  生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

商品区分

当連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

前年同期比(%)

家庭用ガス警報器関連(千円)

17,590,390

94.0

工業用定置式ガス検知警報器関連(千円)

7,259,094

109.3

業務用携帯型ガス検知器関連(千円)

4,248,002

82.6

その他(千円)

1,242,315

72.5

合計(千円)

30,339,803

94.2

(注)  金額は、販売価格によっております。

b.  受注実績

当社グループは見込生産を主体としているため、受注実績の記載を省略しております。

c.  販売実績

当連結会計年度における販売実績につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  b.経営成績」をご参照ください。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

①財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  a.財政状態」をご参照ください。

②キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

③経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2  事業の状況  4  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況  b.経営成績」をご参照ください。

 

④資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、試験研究費のほか、原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備、研究開発用機器などの設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は5,830百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は19,997百万円となっております。

⑤重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり採用している重要な会計方針については、「第5  経理の状況  1.連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

当社は、2023年9月11日開催の取締役会において、当社の連結子会社である新コスモス電機メンテナンス株式会社とコスモスサービス株式会社を、新コスモス電機メンテナンス株式会社を存続会社として合併することを決議いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況  1  連結財務諸表等  注記事項(追加情報)」をご参照ください。

6【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の金額は、2,659百万円(売上高比6.9%,前期比13.0%増)となりました。

当連結会計年度の主な研究成果は、次のとおりであります。

①家庭用ガス警報器関連

・親機1台につき子機3台まで接続可能な、無線機能付きの分離型LPガス警報器を開発しました。

②工業用定置式ガス検知警報器関連

・小型の半導体式水素センサを開発しました。

・フルカラー液晶搭載で、視認性と操作性が向上した多点式LPガス検知警報器を開発しました。

・エアコンなどに使用される冷媒ガス(R32、R454B)の漏洩検知用モジュールを開発しました。

③業務用携帯型ガス検知器関連

・キャンプなどのアウトドア環境での一酸化炭素中毒事故を防止するため、「アウトドア用一酸化炭素アラーム」を開発しました。

・作業場などの化学物質をリアルタイムに測定することが可能で、化学物質のリスクアセスメントにおいて健康被害リスクの見積り・効果確認に最適な「化学物質リアルタイムモニタ」を開発しました。