当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府や日銀の各種政策の効果により、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなど、緩やかな回復傾向が維持しました。その一方で、世界経済については、アメリカを中心とした先進国経済の回復など一部に強さが見られたものの、中国経済をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響を受け、先行きの不透明感を払拭できない状況で推移いたしました。
生産設備支援業種としての当電気機器業界におきましては、企業収益の回復にともない設備投資は緩やかな増加をしましたが、受注環境の改善には至りませんでした。
このような状況のもと、当社グループは、国内成長市場への新規・深耕開拓、環境モニタリングシステムなどの新規事業分野への展開、在外子会社との業務連携による海外市場での拡販、また、市場開拓部門による新技術開発など、事業基盤の強化と拡大に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、特に搬送制御装置関連の売上が好調だったことにより、売上高は増収となりました。利益面では、売上増加に伴い営業利益、経常利益で増益、昨年の厚生年金基金解散損失引当金の減少などにより親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。売上高は8,720百万円(前連結会計年度比0.7%増)、営業利益は325百万円(前連結会計年度比5.7%増)、経常利益は417百万円(前連結会計年度比11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は340百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益29百万円)となりました。
なお、当連結会計年度の中国人民元およびタイバーツの為替レートはそれぞれ、18.30円および3.34円と、前連結会計年度に比べ中国人民元は0.95円高、タイバーツは0.30円高で推移いたしました。
各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 国内制御装置関連事業(当社、東洋電機ファシリティーサービス株式会社、東洋板金製造株式会社)
国内制御装置関連事業につきましては、機器部門ならびにエンジニアリング部門の売上高が伸長し、変圧器部門の売上高は減少となりました。それにより、売上高は7,429百万円(前連結会計年度比3.7%増)となり、売上原価の抑制などにより、セグメント利益は397百万円(前連結会計年度比15.1%増)となりました。
なお、部門別内容は以下のとおりであります。
機器部門につきましては、
・センサ分野は、安全装置関連の需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
・空間光伝送装置分野は、自動車関連向けの需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
・表示器分野は、自動車関連向け電気炉の需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
これらの結果、当部門の売上高は2,561百万円となりました。
変圧器部門につきましては、
・エレベータ関連、工作機械関連の需要が縮小したことなどにより、減少いたしました。
これらの結果、当部門の売上高は2,084百万円となりました。
エンジニアリング部門につきましては、
・監視制御装置分野は、鉄道関連向け需要が縮小したことなどにより、減少いたしました。
・印刷制御装置分野は、商用印刷関連向け需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
・配電盤分野は、モータコントロールセンタの需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
・搬送制御装置分野は、物流関連向け需要が拡大したことなどにより、増加いたしました。
これらの結果、当部門の売上高は2,783百万円となりました。
② 海外制御装置関連事業(南京華洋電気有限公司、Thai Toyo Electric Co.,Ltd.)
海外制御装置関連事業につきましては、中国をはじめとするアジア市場でエレベータセンサの需要が縮小したことなどにより、売上高は699百万円(前連結会計年度比21.4%減)となりました。利益面につきましては、売上の減少や円建取引による為替リスク負担などにより、セグメント損失は20百万円(前連結会計年度はセグメント利益20百万円)となりました。
③ 樹脂関連事業(東洋樹脂株式会社)
樹脂関連事業につきましては、自社製品の需要が拡大した一方、自動車関連部品材料の需要が縮小したことなどにより、売上高は592百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。利益面につきましては、販売費及び一般管理費が増加したことなどにより、セグメント利益は22百万円(前連結会計年度比45.7%減)となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ443百万円増加(53.7%増)となりました。
営業活動の結果得られた資金は765百万円(前連結会計年度は、285百万円の獲得)となりました。これは主に、たな卸資産の減少120百万円や売上債権の減少109百万円により増加し、法人税等の支払額116百万円により減少したことなどによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、113百万円(前連結会計年度は、684百万円の使用)となりました。これは主に、生産設備の更新等による有形固定資産の取得による支出165百万円などによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、202百万円(前連結会計年度は、199百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額103百万円などによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
国内制御装置関連事業 | 7,274,363 | △1.8 |
海外制御装置関連事業 | 653,821 | △25.8 |
樹脂関連事業 | 576,070 | △6.6 |
合計 | 8,504,255 | △4.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額は、販売価格によっており消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
国内制御装置関連事業 | 7,636,559 | 4.3 | 1,503,171 | 16.0 |
海外制御装置関連事業 | 405,579 | △55.2 | 100,692 | △74.5 |
樹脂関連事業 | 589,378 | △1.9 | 39,266 | △7.4 |
合計 | 8,631,516 | △2.2 | 1,643,130 | △5.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額は、販売価格によっており消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
国内制御装置関連事業 | 7,429,006 | 3.7 |
海外制御装置関連事業 | 699,340 | △21.4 |
樹脂関連事業 | 592,525 | △2.3 |
合計 | 8,720,872 | 0.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く経済環境は、国内においては企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に、緩やかな回復は持続することが期待されますが、中国経済をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響を受け、海外景気の下振れが予想されます。また、金融資本市場の変動影響や平成28年熊本地震の経済に与える影響など、先行きは不透明な状況で推移することが予想されます。
こうした状況下で当社グループといたしましては、国内市場では、成長市場への新規・深耕開拓、新規事業分野への積極的な展開を図ってまいります。海外市場では、中国、タイ王国の在外子会社を拠点とし、中国や東南アジアなどの市場への拡販により事業拡大に努めてまいります。また、資本効率の向上や適正利益の確保により企業価値を高め、事業基盤の強化に努めてまいります。持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、以下の施策に取り組んでまいります。
① 国内成長市場への拡販と海外市場への展開
国内成長市場への新規・深耕開拓、新製品の投入を展開し、また海外市場では、在外子会社(南京華洋電気有限公司、Thai Toyo Electric Co.,Ltd.)との業務連携を強化し売上拡大を目指してまいります。
②収益性の追求
既存製品の製品改良、原価率の低減、生産リードタイム短縮などの業務効率化を推進し、新製品の開発から市場投入までの迅速化・効率化に努めてまいります。
③技術レベルの向上
国内成長市場、新規事業分野への展開において、従来技術の強化、新技術ノウハウの蓄積に努め、全社的な技術レベルの向上を図ってまいります。
④人財の育成と環境改善
技術の継承、グローバル化への対応など将来を担う人材育成を推進し、「明るく、活力に満ちた、働き甲斐ある職場づくり」に取り組んでまいります。
内部統制システムやリスク管理体制を充実し、コーポレートガバナンスとコンプライアンスの徹底により、企業の社会的責任と企業価値の向上に努めてまいります。
⑤その他の取り組み
震災等の緊急事態に備え、事業継続計画(BCP)に基づき、事業継続マネジメント(BCM)に引き続き取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
以下のリスク発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 市場動向における影響について
当社グループが展開する事業および製品の多くは、生産設備の稼動支援を目的に用いられております。
このため、当社グループは、常に新規顧客の開拓を展開し、販売市場や販売地域の拡大に努めておりますが、公共投資ならびに民間設備投資の動向などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 販売価格引下げによる影響について
当社グループが事業を展開する市場は厳しい競争に直面しており、製品の販売価格は低下傾向にあります。
販売価格引下げに対して当社グループは、既存製品のモデルチェンジや新製品の開発、コスト削減に向けた生産体制の見直しなど諸施策に取り組み、安定した収益の確保に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料の価格変動による影響について
当社グループの主要製品に材料として使用される銅・鉄鋼などの価格は、国際市況に連動しており、原材料の価格変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 特定顧客への依存について
当社グループの売上高は、主要得意先からの製品製作の受託比率が高まりつつあり、特定顧客への依存度が増しています。
このため、当社グループでは、常に新規顧客開拓に努め、特定顧客への依存度を低減するための活動を展開しておりますが、これら主要得意先の受注・生産動向や外注政策が大きく変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 製品やサービスの品質について
製品やサービスの欠陥や瑕疵等により、損失計上を伴う可能性があります。また、当社グループの製品やサービス品質に対する評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 海外生産における影響について
当社グループは、中国およびタイ王国に連結子会社を有し、為替変動・現地国の政治・経済情勢などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ BCMへの取り組みについて
当社グループは、震災等の緊急事態に備え、事業継続計画(BCP)に基づき、事業継続マネジメント(BCM)に取り組んでおりますが、想定以上の災害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、主に国内制御装置関連事業および樹脂関連事業が主体となって推進し、事業収益の向上を図るため、事業戦略に合致した新市場への新製品開発を推進するとともに、テーマごとに優先度を検討し、優先度の高いテーマを中心に効率的な開発活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は154百万円となりました。
セグメントごとの研究開発活動は、以下のとおりであります。
(1) 国内制御装置関連事業
国内制御装置関連事業における研究開発活動では、各事業分野の市場ニーズに対応すべく営業部門と研究開発部門が検討・調整を行い、新技術の研究、新製品の開発、既存製品のモデルチェンジを中心に取り組んでまいりました。
新技術開発テーマには、民間企業との共同研究を積極的に推進し、研究開発の迅速化、効率化に努めました。
その結果、研究開発の成果として主に下記内容を実施し、国内制御装置関連事業における研究開発費は131百万円となりました。
①研究
・搬送トラック店着管理システムの研究
・高周波変圧器の研究
・非破壊試験装置の研究
②開発製品
・多機能リモコンの開発
・マルチビームセンサの製品改良
・PDU盤変圧器の製品改良
・モールド変圧器の製品改良
・IEC規格対応モータコントロールセンタの製品改良
・次世代高速光I/F基盤の製品改良
(2) 樹脂関連事業
樹脂関連事業における研究開発活動は、市場ニーズに対応した製品を早期に提供するため、公共研究機関とともに、新技術の習得や新製品開発に向け、研究開発を実施いたしました。
その結果、研究開発の成果として主に下記内容を実施し、樹脂関連事業における研究開発費は22百万円となりました。
研究
・カーボンナノフィラーナノコンポジットによる軽量・高強度複合材料の開発
・CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)廃材を自動車射出成形材料(炭素繊維強化ポリアミド樹脂)と
して再生するリサイクル技術の開発
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能な金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額を評価するに当たっては、将来の課税所得および、慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討いたしますが、純繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上いたします。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合、繰延税金資産の調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
(2)財政状態の分析
① 資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ85百万円減少し、10,379百万円となりました。
流動資産は、118百万円増加の6,772百万円となりました。これは主に、在庫削減活動によるたな卸資産の減少132百万円、受取手形及び売掛金の減少126百万円となった一方、現金及び預金が368百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は、203百万円減少の3,606百万円となりました。これは主に、有形固定資産が147百万円減少したことなどによるものであります。
② 負債の状況
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ239百万円減少の4,946百万円となりました。
流動負債は、120百万円減少の3,277百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少115百万円などによるものであります。
固定負債は、118百万円減少の1,668百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債の増加145百万円となった一方、厚生年金基金解散損失引当金の減少227百万円などによるものであります。
③ 純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ153百万円増加し、5,432百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が54百万円減少した一方で、利益剰余金が236百万円増加したことなどによるものであります。
(3)経営成績の分析
①売上高について
当連結会計年度における売上高の概況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照願います。
②営業利益について
売上原価は、材料費の抑制などにより24百万円減少(前連結会計年度比0.4%減)し、6,182百万円となり、売上原価率は70.9%(前連結会計年度比0.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、技術研究費の増加33百万円および福利厚生費の増加17百万円などにより、66百万円増加(前連結会計年度比3.1%増)の2,213百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、17百万円増加(前連結会計年度比5.7%増)の325百万円となりました。
③経常利益について
営業外収益は、助成金収入が増加したことなどにより、22百万円増加(前連結会計年度比20.1%増)の133百万円となりました。
営業外費用は、支払利息が減少したことなどにより、3百万円減少(前連結会計年度比7.2%減)の41百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、43百万円増加(前連結会計年度比11.5%増)の417百万円となりました。
④税金等調整前当期純利益について
特別利益は、厚生年金基金解散損失引当金戻入額の計上96百万円などにより、99百万円(前連結会計年度は0百万円)となりました。
特別損失は、ゴルフ会員権評価損の計上4百万円などにより、6百万円(前連結会計年度は289百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、424百万円増加(前連結会計年度比496.7%増)の510百万円となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益について
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、311百万円増加(前連結会計年度は29百万円)の340百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照願います。
(5)経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」をご参照願います。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現状の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の方針を立案するように努めておりますが、ここ数年の景況や先行きの不透明さなどの影響により、今後も厳しい状況が継続していくことが予想されます。
当社グループでは、厳しい状況に際しても、適正な利益を安定的に確保するために、経営体質の強化を推進し、企業価値を高めていくことを重要な経営目標としており、その内容につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」をご参照願います。