文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「電子計測技術を通して広く社会に貢献する。」を経営理念に掲げ、技術進歩の速い半導体、LCD関連の製品を開発・製造し、販売しております。いかなる環境変化にも対応できるよう、全社を挙げて技術開発と経営の効率化・合理化に取組み、下記の基本方針のもとに業績の向上に努めてまいります。
①蓄積された技術と製造ノウハウを結集し、顧客に最高のベネフィットを提供する。
②常に技術開発に注力し、新技術の実現に努める。
③全社員が自己実現を図り、創造性豊かな企業文化を構築する。
④QDCCSSの改善及び改革に全ての社員の力を結集する。
※QDCCSS(呼称:クダックス)
お客様の信頼を得ることが大切との考えから、製品の開発から製造、資材、物流、管理、システム構築のあらゆる段階において、次の6つを活動テーマとしてその改善及び改革に全ての社員の力を結集する当社独自の総合管理システム。
[6つのテーマ]
Q : Quality (技術の向上・品質の維持)
D : Delivery (納期の厳守)
C : Cost (原価の低減)
C : Compliance (法令遵守)
S : Service (サービスの充実)
S : Safety (労働・製品の安全)
(2)経営戦略等
当社グループは、長期的に当社が目指す姿を『MJC Future Vision』としてまとめ、公表しております。下記4つの基本方針のもと、「QDCCSSを更に推し進めて品質と納期での競争力を高め、市場へ安心・安全を提供する事で『より豊かな社会の発展に貢献』する」ことを目指してまいります。
①リーディングカンパニーとして、常に技術革新に挑み、他の追随を許さない新たな価値を創造
②顧客ニーズに即応した製品開発と、その拡販によって、市況の変化に左右されない安定収益を確保
③新たな分野に向けた挑戦の継続
④真のグローバルカンパニーに相応しい人財育成
なお、『MJC Future Vision』の期間は定めておらず、事業環境や目指す姿、基本方針等に変更が生じた場合、都度変更してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主価値重視の観点から、ROE(自己資本利益率)等の指標の向上を目標とし、それを通じて企業価値の増大に努めていく所存であります。株主から預かった資本から得られる利益を極大化することを企業存続の目的として経営諸活動の方向を集中させるよう努めております。また、フリー・キャッシュ・フローを有望な事業の研究開発や設備投資に投下して、さらに将来のフリー・キャッシュ・フローに繋げることにより、将来にわたる企業価値の増大を目指していきたいと考えております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、長期的に当社が目指す姿をまとめた『MJC Future Vision』の三年目として、将来の事業を見据え積極的な投資を計画的に実施しました。プローブカード事業においては、ロジック分野は伸び悩みましたが、メモリ分野においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく変動した顧客の納期要求を満たすことでリーディングカンパニーとしての地位を維持しました。一方、TE事業では、半導体検査装置が需要の停滞で厳しい状況でしたが、製品ポートフォリオ見直しやオペレーション改善を主な骨子とした事業構造改革に着手し、中長期計画で業績の回復を目指しております。
引き続き、『MJC Future Vision』で掲げた「QDCCSSを更に推し進めて品質と納期での競争力を高め、市場へ安心・安全を提供する事で『より豊かな社会の発展に貢献』する」企業を目指し、次の重点施策に取組んでまいります。
1.重点施策
<成長のコンセプト>
・強みである技術力、開発力を更に進化させ、顧客に最高のベネフィットを提供する
・QDCCSSを始めとする企業文化を追求し、ブランド力を更に高め、全世界のMJC拠点においてサービス向上を目指す
・内外各種研修の充実により、グローバルに活躍する人財を育成し、更に企業価値を高める
<プローブカード事業>
・リーディングカンパニーとしてその名に恥じない地位の維持
・ロジック製品の販売拡大でロジック市場でのシェアの拡大
・グローバル展開による海外対応力の強化
<TE事業>
・安定的な収益確保
・新規事業(製品)の育成と収穫
・事業(製品)の選択と集中
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 半導体市場等の変動による影響
当社グループは、半導体及びFPDの検査機器や計測器具の製造・販売を事業の柱とし、グローバルに事業を展開しております。半導体及びFPDは、技術革新等により市場が成長し需要が喚起されることがある反面、ニーズや経済環境の変化によっては、需給バランスが大きく崩れることもあり、これに伴う顧客の設備投資の凍結や減産、計画変更等は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、製品や事業のポートフォリオを多様化することで、半導体市場等の変動による影響を最小限に抑えるよう努めております。
(2) 特定顧客への取引集中による影響
当社グループの製品は、国内外の大手半導体及びFPDメーカーをその顧客としておりますが、半導体やFPD業界のプレイヤーの淘汰・再編が進んだことで、売上高に占める特定顧客の比率が上昇し、その動向に影響を受け易くなる傾向にあります。そのため、特定顧客の設備投資や生産計画、事業戦略の変更が経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、市場環境の変化を常に注視するとともに、可能な限り顧客の分散化を図ることで、経営成績への影響を最小限に抑えるよう努めております。
(3) 品質に関する影響
当社グループ製品は最先端技術を利用した製品であるため、今後の更なる解明が待たれる分野の技術も多く用いられております。しかしながら、予期せぬ不具合が発生した場合、納期の遅延や生産停止、市場からの製品回収等の追加支出等が発生することがあり、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、日頃よりQDCCSS活動に基づき、製品の開発から製造、資材調達、管理、サービス等の改善を促進するとともに、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の継続的な整備をすることで品質の維持に努めております。
(4) 情報セキュリティ等による影響
当社グループは、事業遂行に当たり、多数の技術情報、顧客等の営業情報、従業員等の個人情報を含む機密情報を有しております。しかしながら、予期せぬ不正アクセスやコンピュータウィルス侵入、ランサムウェア、DoS攻撃等のサイバーアタック、役員・従業員による情報システムの不正使用や誤用、自然災害、大規模停電、火災等に起因する情報インフラの障害等が発生した場合、事業の継続が困難になるだけでなく、法的請求、訴訟、損害責任、罰金を払う義務が生じることがあり、当社グループの社会的信用や経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらの情報の外部への流出、データの改竄や消失・損壊を防ぐため、情報セキュリティ委員会にて情報セキュリティポリシーを立案・見直しするとともに、それに則った社内情報システムの適切な運用・管理等に努めております。また、サイバーリスク保険に加入することで、サイバーアタックにより生じる費用負担や機会損失を最少化できるよう備えております。
(5) 災害等の発生による影響
当社グループは、東京都に本社を有するとともに、青森県及び大分県、韓国、中国、台湾に生産拠点を有しております。これらの地域に大規模な台風、風水害や地震等の自然災害、テロ行為、大規模停電等が発生した場合、本社機能や製品製造等に影響を与えることがあり、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、このような災害による事業資産の損害を最小限にとどめるため、BCP(事業継続計画)対策を強化し、事業の継続・早期復旧を図れるよう努めております。
(6) 感染症等の拡大による影響
当社グループは、半導体及びFPDの検査機器や計測器具の製造・販売を事業の柱とし、グローバルに事業を展開しております。当社が事業を展開している地域で感染症等が拡大した場合、経済状況や生活様式の変化により最終製品需要が変動する他、顧客及び調達先が操業停止、もしくは当社グループ従業員の罹患による稼働が停止することがあり、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日本及び各国政府や各自治体の要請に応じて、出張制限や在宅勤務推奨等の措置を講じつつ、メーカーとして製品やサービスの供給、提供に向けて責任ある対応に努めております。
(7) 人材に関する影響
当社グループは、研究開発型企業として持続的成長を実現するためには、特に開発技術部門の有能な人材の確保と育成が欠かせないものと考えております。しかしながら、必要な人材の採用が想定どおり進まなかった場合、重要な人材が社外流出した場合等には、当社グループの事業展開及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、人事評価制度の整備や有能な人材の積極的採用はもとより、各種研修・教育プログラムの充実を心がけることで、働きやすい労働環境を提供し、人材の定着を図っております。
(8) コンプライアンスに関する影響
当社グループは、事業展開している国内外において、製品の安全性関連、国家間の安全保障及び輸出入関連、商行為、特許、製造物責任、環境及び労務、税務関連等、様々な法令や規制の遵守を求められております。しかしながら、このような法令や規制は複雑化の一途を辿っており、役員、従業員による抵触行為リスクを完全に回避することは難しい状況であります。このような事象が発生した場合、社会的信用が低下し、取引停止、罰金・罰則等により、事業展開及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、内部統制システムを整備することはもとより、行動指針を定めるとともに、「コンプライアンスハンドブック」の配付や定期的な習熟度確認研修を通して、法令等の順守意識を高めております。
(9) 知的財産権に関する影響
当社グループは、製品の差別化とその強化のため研究開発を積極的に行い、知的財産権の取得等に努めております。しかしながら、従業員の転職や情報の流出等により知的財産が流出し、これが第三者によって不正利用または模倣された場合、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
当社グループが知的財産権の取得や保護に失敗し知的財産権が無効とされた場合や、当社グループが事業を行っている特定の地域で知的財産権の十分な保護が得られない場合、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。また、当社グループ製品または技術が他社の知的財産権を侵害しているとされ訴訟を受ける等した場合にも、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
更に、当社グループによる製品化において第三者の技術や特許その他知的財産権に基づく制約を受け、必要なライセンスの供与が受けられない場合、また予期せぬ特許侵害訴訟を受ける場合等には、当社グループの事業展開及び経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループでは、第三者の知的財産を侵害することがないよう、外部専門家の意見を参考にしつつ開発プロセスの初期段階から厳格に調査しております。また、報奨金制度を設けることで開発、設計、製造等に関わる特許取得を推奨し、自社の知的財産権保護も図っております。
(10) 価格低下による影響
当社グループは、半導体及びFPDの検査機器や計測器具の製造・販売を事業の柱とし、グローバルに事業を展開しておりますが、半導体及びFPDの最終製品の価格動向、競争環境の激化、顧客からのコストダウン要求等により販売価格が低下し、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、価格の低下による影響を最小限にとどめるべく、生産効率化、部材調達先の多様化等によりコストダウンを図るとともに、最先端技術で高付加価値な製品、サービスを提供することで価格を維持するよう努めております。
(11) 技術革新による影響
当社グループの製品は、顧客のベネフィットを追求するため、最先端技術を利用しております。このことは技術面で競争優位性維持・向上に繋がる一方で、新製品の開発遅延や新製品の投入タイミングのミスマッチング、直接プロービング方式の検査に替わる検査技術の誕生等により当初想定した成果があがらない場合、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、積極的な研究開発投資及び活動を継続的に実施し、また常に最先端設備を保持することで、顧客ニーズを満たす製品をタイムリーに提供するとともに、顧客ニーズや技術トレンドとの適合度合い等を把握するよう努めております。
(12) 新分野における研究開発による影響
当社グループは、持続的に成長し続ける企業を目指し、新規分野の開発を積極的に図っています。しかしながら、新技術の研究開発や事業化等は、新技術の研究開発による成果の有無・程度、第三者の知的財産権との関係、競合製品の状況、市場環境の変化等の複雑かつ多数の不確実な要素に大きく左右されるため、当初想定した成果があがらない場合、当社グループの事業展開及び経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、定期的に案件の進捗、市場性や事業性等を把握し、継続可否条件を明確化することで、適時・適切かつ効果的な投資を実行するよう努めております。
(13) 部材調達や外注加工による影響
当社グループの製品は、一部の部材や加工が最先端の技術を伴うものであるため、その調達先や委託先は代替の困難なことがあります。そのため、これらの調達先や委託先に供給遅延や加工納期遅延、品質問題等が発生した場合には、当社グループの製品の製造中断や品質低下を招くことがあり、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。
当社グループでは、このような協力会社との良好な関係を構築、維持することはもとより、常に代替品やセカンドソースを意識した部材調達、外注加工委託を実施することで、品質・納期等の面での安定供給に努めております。
(14) 他社との業務提携及び共同研究開発等による影響
当社グループは、新技術の獲得、新規分野への事業展開、事業の競争力の強化等を目的に、業務提携や共同研究開発等、他社と共同での活動も行っております。しかしながら、市場環境の変化、当事者間の利害の不一致、協業先からの人材の流出その他の要因により、このような協力関係を新たに構築もしくは維持できない、またはこれらの協力関係から十分な成果を得られないことがあり、その場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性が少なからずあります。
当社グループでは、重要な協業先候補の選定にあたり、その能力、経営状況等を多角的に評価している他、提携後も成果等を詳細に確認することで経営成績に及ぼすリスクを最少化するよう努めております。
(15) 為替の変動による影響
当社グループは、グローバルに事業を展開しているため、顧客との取引においては外貨建てのものを多く含んでおり、急激な為替変動によって経営成績に多少の影響を与える可能性があります。また、円建て取引においても、円高の環境下では価格引き下げ要求や販売数の低下等によって、経営成績に多少の影響を与える可能性があります。更に、当社グループにおいて連結財務諸表を作成するにあたっては、在外子会社の財務諸表を円換算しておりますが、換算時の為替レートにより業績が変動する可能性があります。
当社グループでは、為替予約等の措置を講じることで為替変動によるリスクを一定程度軽減させるよう努めております。
(16) その他
日本及び販売先国の法令や政府による規制等の予期せぬ要因により、経営成績が影響を受ける可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、決算日が9月30日であった当社は15ヶ月間(2019年10月1日~2020年12月31日)、決算日が6月30日であった連結子会社は18ヶ月間(2019年7月1日~2020年12月31日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。このため、対前期増減率については記載しておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状況
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,728百万円増加し、25,673百万円となりました。現金及び預金が2,037百万円、受取手形及び売掛金が2,146百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ282百万円減少し、9,281百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ1百万円減少し、1,045百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ502百万円増加し、3,190百万円となりました。投資有価証券が406百万円増加したことが主な要因であります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末から4,947百万円増加し、39,191百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,859百万円増加し、10,403百万円となりました。未払金が248百万円減少しましたが、前受金が838百万円、未払法人税等が434百万円、流動負債の「その他」に含まれる未払費用が155百万円、短期借入金が143百万円、賞与引当金が107百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ141百万円増加し、3,016百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末から2,000百万円増加し、13,419百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,946百万円増加し、25,772百万円となりました。新株予約権が151百万円減少しましたが、利益剰余金が2,729百万円、その他有価証券評価差額金が314百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は65.4%(前連結会計年度末比0.4ポイント減)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から底打ち感が見られていたものの、欧州を中心に再拡大したことで経済活動の制限が再強化され先行き不透明な状況が続いております。日本国内におきましても、景況感の改善が見られるものの、新型コロナウイルス感染症再拡大の懸念が回復の重石になり、個人消費を中心に低迷が続いております。
半導体市場は、車載デバイスや民生機器向けデバイスが新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で需要が一時期落ち込んでいましたが、5G通信のカバーエリア拡大と対応機種の増加によりスマートフォン需要が回復基調である他、カーボンニュートラルを目指す動きが再度活発化したことで車載デバイスもにわかに需要が増大しました。また、企業によるテレワークの活用、ステイホーム習慣の定着、キャッシュレス決済の普及等によりデータトラフィック量が増加したことで、データセンター関連需要が伸長し、需要の上下動はあるものの今後も同様の傾向が続くと考えられております。一方、FPD分野においては、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響によりヒト、モノの移動制限があったことで新規設備投資計画はおおむね後倒しとなったものの、PC、タブレット、モニターに使われるパネルが品薄となり、パネルメーカーの稼働率が上がったことで、良好な市場環境が続きました。
このような状況の下、当社グループは、長期的に当社が目指す姿を纏めた『MJC Future Vision』を2018年9月期に策定・公表し、「QDCCSSを更に推し進めて品質と納期での競争力を高め、市場へ安心・安全を提供する事で『より豊かな社会の発展に貢献』する」企業を目指す活動に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は40,130百万円となりました。地域別の売上高は、国内売上高が6,465百万円、海外売上高が33,665百万円となり、売上高に占める海外売上高の比率は83.9%となりました。また、受注高は44,390百万円となり、受注残高は10,055百万円となりました。
売上総利益は13,155百万円、売上総利益率は32.8%となりました。
販売費及び一般管理費は10,380百万円となり、売上高に対する比率は25.9%となりました。
営業利益は2,775百万円となりました。経常利益は営業外収益301百万円、営業外費用42百万円を加減算し3,033百万円となりました。特別利益1,374百万円、特別損失157百万円を加減算した税金等調整前当期純利益は4,251百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,111百万円となりました。特別利益の主な内訳は、投資有価証券売却益1,164百万円です。
これらの結果、1株当たり当期純利益は、81円54銭となりました。
<セグメントの状況>
(各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(プローブカード事業)
当該事業の主力製品は、半導体製造のウェーハ検査工程において、シリコンウェーハ上のICチップの電極にピンを接触させ、テスタと電気信号を送受信することで良否判定を行うプローブカードです。現在はメモリ向けプローブカードで市場優位性を有しておりますが、長期的にはロジック向けプローブカードの拡販を目指しております。
当連結会計年度における売上高は、ロジック向けプローブカードが車載関連需要の低下や顧客の研究開発後倒し等があり伸び悩みましたが、メモリ向けプローブカードが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大きく増加したデータセンター関連需要に対して上手く納期対応できたことで、DRAM向け、NAND向けともに好調に推移し、総じて堅調に伸びました。利益面においても、高水準な受注高を維持できたことで安定した稼働が続いたことに加え、プロダクトミックスの変化もあり、堅調に推移しました。
この結果、売上高は38,056百万円、セグメント利益は6,584百万円となりました。
(TE事業)
当該事業の主力製品は、パネルにテスト用の電気信号を伝えるためのコンタクタであるプローブユニット、半導体の検査で使用されるテスタやマニュアル・セミオートウェーハプローバ等です。製品ポートフォリオの見直し、オペレーションの改善等の事業構造改革を実施しており、中長期計画で業績の回復を目指しております。
当連結会計年度における売上高は、FPD関連の検査機器であるプローブユニットが、主要顧客との安定したビジネスを継続しました。一方、FPD関連、半導体関連テスト装置は既存顧客投資動向により低調に推移しました。利益面においても、売上高が伸びなかった他、仕掛品に対する引当金繰入額が増加し、低調となりました。
この結果、売上高は2,074百万円、セグメント損失は975百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,134百万円増加し、当連結会計年度末は12,408百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は3,587百万円となりました。
主な増加要因として、税金等調整前当期純利益4,251百万円、減価償却費2,433百万円等があり、主な減少要因として、売上債権の増加額2,121百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用された資金は2,127百万円となりました。
主な収入は、投資有価証券の売却による収入1,212百万円であり、主な支出は、青森工場の機械装置等、有形固定資産の取得による支出2,386百万円、定期預金の純預入額863百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用された資金は354百万円となりました。
主な内訳は、配当金の支払額381百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
プローブカード事業(百万円) |
39,053 |
- |
|
TE事業(百万円) |
3,125 |
- |
|
合計(百万円) |
42,179 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
プローブカード事業 |
42,183 |
- |
8,533 |
- |
|
TE事業 |
2,206 |
- |
1,522 |
- |
|
合計 |
44,390 |
- |
10,055 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
プローブカード事業(百万円) |
38,056 |
- |
|
TE事業(百万円) |
2,074 |
- |
|
合計(百万円) |
40,130 |
- |
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Samsung Electronics Co.,Ltd. |
7,912 |
28.3 |
11,192 |
27.9 |
|
Micron Memory Taiwan Co., Ltd. |
780 |
2.8 |
4,789 |
11.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末時点における資産及び負債並びに連結会計年度における収益及び費用の数値算出のために必要な所定の見積りを行っております。この見積りは貸倒引当金、繰延税金資産、投資有価証券、製品保証引当金、退職給付費用等についてなされたものでありますが、過去の実績をもとに将来の予測を加味した上で、継続的かつ合理的な評価に重点をおき見積られたものとなっております。実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を与え、かつその適用にあたって、経営陣が重要な判断や見積りを必要とするものを重要な会計方針であると考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等に関する分析
(財政状態)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状況」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、顧客の技術要求に応え、性能面で他社と差別化を図るための研究開発費と変動する需要に対して納期面で柔軟に対応するための設備投資等となっております。これに加え、高水準な海外売上高比率に見合う顧客サービス等の更なる拡充も将来的に必要だと考えています。
これらの資金需要に対する資金調達については、営業キャッシュ・フローで得られる自己資金の他、金融機関等から資金調達することを方針としていますが、現時点では、有利子負債比率は低水準で推移しています。安定的な資金財源の確保及び運転資金の効率的な調達なため、取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しており、金融機関との良好関係を維持することに努めています。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社が締結している主な技術供与契約は次のとおりであります。
|
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
備考 |
契約期間 |
|
Gallant Precision Machining Co.,Ltd. |
台湾 |
Technology License Agreement |
技術供与契約 |
2015年3月12日契約 |
(注)上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を受け取っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、各セグメントに属さない研究開発費755百万円を含む売上高の10.2%にあたる
(1) プローブカード事業
高性能・高機能化する半導体デバイス向けに最適かつ信頼度の高い次世代プローブカードを開発するため、要素技術や製造技術における研究開発を実施いたしました。
当事業に係る当連結会計年度の研究開発費は
(2) TE事業
テスタ、プローバ、自動光学検査装置、プローブユニット等、次世代に向けて要素技術開発も含め幅広く実施いたしました。
当事業に係る当連結会計年度の研究開発費は