当連結会計年度における我が国経済は、ドル高・円安の進行により輸出型企業には恩恵が及ぶ傍ら、内需型企業には円安のデメリットが顕在化し、さらに輸出型企業には中国経済の減速やこの影響を受けたASEAN経済の減速、ヨーロッパでの金融不安といった停滞する世界経済からの逆風要因もある一方で内需型企業にはエネルギー価格の下落が円安デメリットを補うといった要因もあり、各個別の企業の置かれた状況次第で様々な角度から順風、逆風が吹く状況でしたが、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループとしましては、この10余年にて構築した中国、インド、東南アジアを中心とした海外ネットワークをフルに活かし、我が国製造業の海外への製造拠点移管により発生する新たな設備投資需要を確実に取り込み、さらに半導体基板検査装置や環境関連、省エネ関連の製品も好調に推移したため増収・増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は295億25百万円(前期比8.1%の増)となり、損益面としましては営業利益が8億32百万円(同24.9%の増)、経常利益が10億46百万円(同39.2%の増)、当期純利益が6億29百万円(同32.8%の増)となり、売上高、経常利益、当期純利益の各項目で過去最高の金額となりました。
なお、当社グループのセグメント別概況は次のとおりです。
(インテリジェントFAシステム事業)
インテリジェントFAシステム事業では、主に輸送機業種向け電磁波障害システム(EMC)が順調に拡大し、こうした新規事業分野に加え、ロボットやクラウドカメラ等新製品の販売も好調で売上高は増収となりましたが、取引を伸ばした太陽光発電装置関連取引で一部不採算取引があったため、営業利益は減益となりました。
以上の結果、インテリジェントFAシステム事業の売上高は104億8百万円(前期比6.8%の増)、営業利益は3億24百万円(前期比2.1%の減)となりました。
(IT制御・科学測定事業)
当事業のうちIT制御は主として製造業の合理化・研究開発の自動化等を目的とした設備投資の対象であるため、比較的景況の影響を受け易い傾向があります。一方、当事業の中でも科学測定分野は科学分析・計測機器等に代表される企業の新製品開発を目的とする部門や品質管理部門を対象とするため、景気の動向に左右されにくく安定的な分野であります。当連結会計年度においては科学分析機器やメカトロ製品の取引が伸張したこと等により、増収・増益となりました。
以上の結果、IT制御・科学測定事業の売上高は190億45百万円(前期比8.9%の増)、営業利益は8億43百万円(前期比36.0%の増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び財務活動により得られた資金の合計額が投資活動により支出された資金を下回ったものの、現金及び現金同等物に係る換算差額が75百万円あったこと等により、前連結会計年度末に比べ54百万円増加し、14億20百万円(前期比4.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1億39百万円(前期は6億65百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が11億32百万円あり、売上債権の増加額6億42百万円を上回ったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、5億9百万円(前期は2億60百万円の支出)となりました。これは主として静岡市駿河区での土地取得等による有形固定資産への支出が3億76百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、3億32百万円(前期は5億53百万円の支出)となりました。これは主として長期借入金の増加額11億円が短期借入金の純減額7億20百万円を上回ったこと等によるものであります。
当連結会計年度におけるインテリジェントFAシステム事業の生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
インテリジェントFAシステム事業 | 8,386,621 | 107.7 |
合計 | 8,386,621 | 107.7 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度におけるIT制御・科学測定事業の商品仕入実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
IT制御・科学測定事業 | 16,725,560 | 108.5 |
合計 | 16,725,560 | 108.5 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
インテリジェントFAシステム事業 | 10,755,087 | 107.1 | 3,217,926 | 115.8 |
IT制御・科学測定事業 | 20,067,659 | 110.6 | 3,539,496 | 148.1 |
合計 | 30,822,747 | 109.4 | 6,757,422 | 130.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
インテリジェントFAシステム事業 | 10,408,967 | 106.8 |
IT制御・科学測定事業 | 19,045,588 | 108.9 |
その他 | 70,457 | 95.9 |
合計 | 29,525,013 | 108.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは主として、製造業における生産現場及び研究開発部門を対象に、ITとFA技術の融合分野を中心に開発・生産の省力化・能力向上・コストダウンの実現等、トータルシステムの効率化に貢献してまいりました。
当社グループの主要顧客である国内製造業各社が海外での生産を拡張している中で、当社グループとしても海外ビジネスの強化が急務となっており、従来からの半導体基板検査装置ビジネスに加え、インテリジェントFAビジネス全般で海外事業を強化・拡大するための施策を強力かつスピーディーに推し進めていく必要があります。さらにITのめまぐるしい進歩の中で顧客ニーズも個別化・高度化してきており、顧客ニーズに対する最適な製品を一貫して提供し続けるためには時代の要請に合った新製品の開発を継続して推し進め、さらに一層、グループ全体の効率化を目指した一体的運営を推し進めてグループ全体の競争力を高めていく必要があると考えております。
今後の海外展開の重要なポイントとして、海外グループ会社と国内グループ会社及び当社エンジニアリング部門との業務協力による海外設備投資案件の着実なフォロー体制を構築した上で、従来からの海外展開の支柱である半導体基板検査ビジネスに加えて輸送機業界・製紙業界等の海外案件やロボット・メカトロ機器・試験機等の海外ビジネス及びソフトウェア開発を伴ったインテリジェントFA分野におけるシステムビジネスへの積極的な経営資源の投入により海外ビジネスの守備範囲を広げ、有力日系グローバル企業との間でより多面的なビジネス関係をスピード感をもって築き上げることが肝要と認識しております。
当社グループが注力している半導体基板検査システム分野では、新製品の開発体制を強化し、競合他社にはない新技術に裏付された独創的な製品を開発・販売していく必要があります。
当社グループでは平成14年末発表以来シリーズ製品を次々に発表し、現在、検査・製造分野で幅広く使われているビルドアップ型ファンクションテスター「Focus-FX」シリーズや画像処理技術を応用した平成23年7月発売の「Focus 6000IA TASCAL」は順調に販売を伸張させております。これらに加えてViTrox社と提携し「X線自動検査装置V810」を発売すると同時にこのサポート体制を充実させ、我が国で唯一のフルラインの半導体基板検査装置を製造・販売・保守まで手がけるメーカーとなり、他社にはない強みを確立しましたので、今後ともこの強みを発揮し、さらに一層顧客ニーズを掘り起こしていくことが重要と認識しております。
加えてスマートグリッド技術にインテリジェントFA技術を融合させ、空調に要する電力量や照明等の明るさを自然光の状況等に合わせた最適な使用状態に電力線通信を通じて制御する「Grid・Green」等の省エネ製品や、クラウドサービスとインターネット回線で繋ぐことにより遠隔地の情報が画像または計測データという形でユーザーに提供でき、当社で初めてB to C ビジネスにも展開できる「KDLinX」等、独創的で社会ニーズを先取りした製品の開発に今後も注力してまいります。
インテリジェントFAシステム市場における事業拡大のスピードアップを図るためには、分野別に分社化された各グループ会社のシナジー効果を高め、グループ一体経営をさらに強力なものにするのと同時に、グループ各社においてもその事業基盤を強化して、各分野での実力を高めることによってグループ総合力を強化する必要があります。
特に大きなパイの拡大が望めない国内マーケットでさらに事業を拡大していくためには、これらに加えて隣接分野で特徴ある企業との業務提携を推進してグループのカバレッジ範囲を拡大し、有力製造業各社との取引チャネルを多元化・多面化していくことも重要であり、今後もこれらの施策を推進していく所存です。
我が国では生産年齢人口の減少が将来に亘って予見され経済規模の拡大が期待できない一方、我が国を取り巻くアジア諸国は人口の増大と一人当たりGDPの上昇により引続き経済規模を拡大していくことが予想されることから、今後もASEAN諸国を中心とした製造業の海外進出は勢いを落とさず増加していくものと考えられます。こうした中、当社グループは経済のグローバル化に備えた海外展開を図ってまいりましたが、製造業の生産拠点が当社グループの海外展開を上回るスピードで海外に移転され、一方国内経済の縮小が予想を上回るスピードで進んだ場合、当社グループの国内取引の減少分を海外取引の増加でカバーしきれなくなるリスクがあります。
また、当社グループのインテリジェントFA技術は、昨今の激変するIT技術の進歩の成果を取り込み、顧客製造業の生産の効率化、コストダウン等に活用されてまいりました。その一方で、IT技術のめまぐるしい進歩の中で顧客ニーズも日々激しく変化を遂げており、当社グループとしては、この変化する顧客ニーズの将来の方向性を的確に読むことは極めて重要で、この方向感の読み間違い、延いてはテクノロジーリスクとも呼ばれる当社グループの技術及び製品が時代の要請に応えられなくなることは当社の抱えるリスクと考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末における当社グループが判断したものであります。
特筆すべき事項はありません。
当社グループでは経営基本方針として「FAとITとの融合領域、即ちインテリジェントFA技術を中核としてエレクトロニクス技術を駆使した分野で顧客ニーズを踏まえた独自性のある商品群の開発」を基本方針としております。
当社グループの主たる顧客である製造業に対しては、自動化、コストダウン、省エネ・省電力化、環境対策といったFAニーズに対応する数々のソリューション開発をはじめ、最新IT技術や通信技術を広い範囲に適用する各種システム製品の充実で顧客ニーズに応えてまいりました。
近年、当社グループの中で事業を拡大した半導体基板検査分野につきましては、従来からの接触型インサーキットテスター、計測技術を駆使したファンクションテスター、高精度カメラ内蔵のワンショット画像検査機に加え、X線自動検査装置(ViTrox製)も取り揃え、全ての検査方式を有する世界唯一の検査機メーカーとなっております。この分野での変革のスピードは大変速く、時代を先取りする研究開発活動を今後ますます充実させる必要性を強く認識しております。
また、インターネットの利用範囲を拡大し、モノとモノをインターネットで繋ぐIoT(Internet of Things)の普及が今後急速に進むことが考えられ、当社ではこの要素技術を土台に開発された新製品「KDLinX」は画像処理されたデータをクラウドコンピューターにて保存することにより、末端利用者に対し録画映像と計測データの提供を容易にしたものであり、発売開始以降販売を伸ばしております。IoT技術は生産現場でのFAシステムにも利用が広まっていくと考えられ、新たなシステム製品への応用に関しても引続き研究を続けてまいります。
さらに当社グループは省エネ社会、環境に優しい社会といった現在の我が国が直面する社会的要請に応えた製品の開発にも注力しており、スマートグリッド時代の省エネルギーインフラとして、空調に要する電気量や照明の明るさ等を外気温や自然光の状況等に合わせた最適な使用状態に電力線通信を通じて制御する「Grid・Green」も開発し、今後も省エネ社会の要請に対応した製品の開発に注力してまいります。
当社の研究開発体制は、従来技術開発部で主としてメカトロニクス・マイクロエレクトロニクス分野の基礎研究と応用製品開発を、第一エンジニアリング本部でソフトウェアテクノロジーに基いた要素技術やネットワーキングの開発を行っておりましたが、昨今のハード技術とソフト融合新技術開発の割合が増加しつつあり、よりフレキシブルな組織対応を心掛ける所存であります。
なお、グループの経営戦略として、協立テストシステム株式会社、株式会社アニシス及びカナダの研究開発子会社であるKyoritsu Electric Corporation (Canada) には引続きそれぞれ特化した技術開発に専念させ、市場対応を強化していく方針であります。
当社グループでは引続きインテリジェントFA・IT制御技術の開発に注力していき、半導体基板検査装置及び省エネ等を含めたFA新製品開発につきましては、既に基礎技術の開発がかなり進んでおり、今後とも競争力の高い新製品の開発に努め、差別化に注力してまいります。
なお、インテリジェントFAシステム事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は2億21百万円となっております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、会社の財産及び損益の状況を正しく示しております。
当連結会計年度末における流動資産の残高は135億72百万円となり、前期と比較して11億74百万円増加しました。この増加の主な要因は取引の増加により受取手形及び売掛金が7億74百万円、電子記録債権が3億円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における固定資産の残高は79億49百万円となり、前期と比較して5億5百万円増加しました。この増加の主な要因は静岡市駿河区で研究開発目的の土地を取得したこと等により土地が2億34百万円、戦略的な業務提携先の株式を取得したこと等により投資有価証券が2億18百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は111億15百万円となり、前期と比較して2億56百万円減少しました。この減少の主な要因は調達コストの有利な長期借入金を増加させ短期借入金の返済に回したことにより、短期借入金の残高が4億円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における固定負債の残高は18億34百万円となり、前期と比較して11億42百万円増加しました。この増加の主な要因は調達コストが有利な長期借入金を10億81百万円増加させたこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は85億71百万円となり、前期と比較して7億94百万円増加しました。この増加の主な要因は当期純利益が配当金等の減算要因を上回ったため利益剰余金が5億2百万円増加したこと、自己株式を処分したこと等により減算要因である自己株式の残高が1億11百万円減少したこと、株価上昇によりその他有価証券評価差額金が1億7百万円増加したこと等によるものであります。
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは税金等調整前当期純利益が11億32百万円あり売上債権増加額6億42百万円や法人税等の支払額3億3百万円等の支出要因を上回ったこと等から1億39百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは静岡市の土地取得等により5億9百万円の支出となり、さらに財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金の増加額が短期借入金の減少額を上回ったこと等により3億32百万円の収入となりました。
当社グループは、技術進歩に伴いインテリジェントFAビジネス環境がめまぐるしく変化していくこと及び中長期的に国内マーケットが縮小していくことが予想される状況下、さらに一層企業価値を高めていくためには、利益率の向上と新規事業分野や成長地域への投資を含めた成長分野への的確な選択投資が最も重要なポイントと考えております。従って最も重視している経営指標としては利益率向上のモノサシとしての連結売上高経常利益率、成長分野への選択投資のモノサシとして連結ROEであり、連結売上高経常利益率は5%、連結ROEは10%を当面の目標としておりますが、当連結会計年度はそれぞれ、3.5%、8.0%で終わりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、顧客である製造業の設備投資意欲、とりわけ当社が得意とするIT技術とFA技術の融合分野であるインテリジェントFAシステムに対する購買意欲であり、さらにこの購買意欲に影響を与える最大の要因としては景気変動による設備投資動向の変化、当社製品が最先端のIT技術を駆使したFAシステムを常に提供できる体制を整え、顧客ニーズの変化を的確に捉えているかということが考えられます。これに加えて近年、製造業各社がその生産基地を海外に移す動きが加速しており、これに伴って新たに発生する海外での需要を的確にフォローし、当社グループの海外ビジネス推進体制を整備して海外ビジネスの強化・拡大にどこまで取り組めるかということも重要な要素と考えております。
当社グループを取り巻く現状の経営環境は、主要顧客である製造業各社において、円安・ドル高といった為替の影響や資源価格の下落が各業種、業態により追い風、或いは向かい風といった様々な影響を及ぼしておりますが、国内経済全般としては速度調整を繰り返しながらも安定的に推移しており総じて設備投資も拡大傾向が続いております。一方海外経済に関しては、米国経済は比較的順調に推移しているものの、中国経済は減速傾向が顕著になっており中国経済への依存度が高いASEAN経済にも停滞色が強くなってきておりますが、近年積極的に海外進出した日系製造業は時間の経過とともに土地に根付いてきて現地での生産を拡大しており、これと同時に現地完結型の取引も増加してきております。当社グループとしましては、海外9カ国13都市の拠点の質的向上と強化により従来からの海外ビジネスの核であった半導体基板検査ビジネスの拡大強化に加え、エンジニアリングサービスを伴った組立型製造業や装置産業向けシステムビジネスも一層注力し、現地での取引範囲を広げ、当社グループにおける海外ビジネスの新たな核としてさらに一層拡大・強化していく所存です。
国内の設備投資に関しては、従来型の設備投資である大量生産を目的とした増産のための設備投資は低迷したままで推移する一方、省エネや省力化といった生産効率向上のための設備投資や、各種試験装置等高品質・高付加価値化を目指した設備投資は安定的に拡大しており、製造業において設備投資の質的変化が顕著になっております。当社グループとしてはこの質的変化に対応した製品開発体制を従来から整えてきましたが、省エネ・省力化製品としてスマートグリッド技術に当社グループのインテリジェントFA技術を融合させ、空調に要する電気量や照明の明るさ等を外気温や自然光の状況等に合わせた最適な使用状態に電力線通信を通じて制御する「Grid・Green」を開発、好評を得ており、またIoT(Internet of Things)の要素技術を応用し、画像処理されたデータをクラウドコンピューターにて保存することにより、末端利用者に対し録画映像と計測データの提供を容易にした「KDLinX」も発売以来順調に取引を拡大しております。また、半導体基板検査ビジネスにおいても、従来からの接触型インサーキットテスター、計測技術を駆使したファンクションテスター、高精度カメラ内蔵のワンショット画像検査機、X線自動検査装置(ViTrox製)等を取り揃え、全ての検査方式を有する世界唯一の検査機メーカーとなった強みを活かして、強力にビジネス展開を図っていく所存です。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。現在の足元の世界経済の状況は、米国経済はエネルギー価格の低下により川上の産業は不調であるものの住宅投資等の個人消費部門は順調に推移、拡大しており、欧州経済もギリシャ問題が一段落したことにより、今後は安定を取り戻すものと思われます。その一方、中国経済は高度成長から安定成長への曲がり角に来たことで従来のようなインフレ政策が取れなくなってきており、減速傾向が今後も継続すると思われること、中国経済との結び付きが強いASEAN経済も中国経済減速の影響を受け成長率を軒並み落としており、加えて今後、米国での利上げがあれば新興国からの資本の逃避が起こり通貨の下落、通貨防衛のための不況下での利上げといったことも懸念され、当面は様々な紆余曲折が予想されます。国内経済に目を向ければ、円安・ドル高にも拘わらず生産の国内回帰の動きはあまり顕著に見られない一方、省エネ・省力化を目指した最新機種への買替えやロボットの導入、高付加価値化や高品質化を目指した大規模な試験装置の導入等には積極的な設備投資意欲がある等、製造業の設備投資に関するスタンスに大きな変化が見られ、国内でのビジネスチャンスの所在が日々刻々と変化していると感じております。
当社グループとしてはこれらの現状認識に立ち、海外9カ国12現地法人の陣容を強化してカバーする地域とビジネス領域を拡大し、国内グループ会社と海外拠点が連携して取引推進できる強みをフルに活かし、海外展開を図っている日系製造業とのビジネスを深耕するのとともに、為替リスクや海外諸国の金融規制等の変動・変更を受けづらい日系製造業の海外拠点との地場取引を拡大して海外取引の間口拡大を図り、グループ総力を挙げて海外展開を強化していく所存です。さらに国内におきましても、製造業の設備投資の質的変化に対応した新製品の開発とこれに伴うIT技術を駆使したFAシステムの構築、これらを全て包含したアフターサービス機能の充実といった、当社グループの総合力を発揮した競争力のあるビジネスを今後とも強く推し進めるとともに、省エネ・省電力社会の実現に貢献する前述の「Grid・Green」や、少ないコストで安全な社会の実現を目指す「KDLinX」等の自社製品を開発し販売を伸ばしており、今後とも社会状況や設備投資動向の変化、技術進歩等により創出される新たな需要や国内での成長分野をターゲットとした製品開発を強力に推進する必要があると認識しております。また、市場での主導的地位を確立している半導体基板検査ビジネスにおきましては、顧客ニーズを的確に捉えた新製品の開発を強力に推し進め、技術的には最先端であると同時に価格的にも競争力のある製品の開発に注力する一方、スマホに代表される検査対象の小型化・精密化に対応した検査機種をも取り揃え、世界で唯一の全ての検査方式を有するメーカーとしての強みを活かしたビジネス戦略を展開していく所存であります。
当社グループとしましては、業績を伸張し、かつその企業価値を高めるべく、顧客ニーズを満たす新製品の開発、事業領域の拡大、海外展開を経営の最重点項目としております。また、善良なる地球市民として地球環境問題に取組むとともに、株主を始め会社に利害関係を持つ全てのステークホールダー及びその家族の全ての方に幸福と喜びを与えることができるようCSRを重視し、今後の経営に邁進する所存であります。