第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「FA技術とIT技術の融合分野であるインテリジェントFAシステム市場を対象に開発型ビジネスを通じて豊かな未来社会に貢献し、株主・顧客・社員及びその家族、そして関連する全ての会社や人々と将来の希望を共有し心豊かで風通しの良い企業風土を形成する」という経営理念のもとに、主として製造業における製造現場及び研究開発部門を対象に、ITとFA技術により開発・生産の省力化・能力向上・コストダウンの実現等トータルシステムの効率化に貢献してまいりました。

今後とも最先端の技術開発を心掛け、インテリジェントFAシステムの定着と普及に不断の努力を続け、現在の日本及び海外諸国の直面する諸問題に正面から向き合いながら、省エネ製品の普及促進、少子高齢化による労働力不足への対応を急ぐ企業への省力化・生産効率化への支援、海外進出企業をサポートし海外生産を実現させることによる海外諸国民の生活水準向上へのお手伝い等、様々な形でインテリジェントFAシステムビジネスを通じた豊かで公正、安全な社会の実現に向けた貢献を推進していく所存です。

(2)目標とする経営指標

当社グループは、技術進歩に伴いインテリジェントFAシステムビジネス環境が目まぐるしく変化していくこと及び中長期的に国内マーケットが縮小していくことが予想される状況下、さらに一層企業価値を高めていくためには、利益率の向上と新規事業分野や成長地域への投資を含めた成長分野への的確な選択投資が最も重要なポイントと考えております。

従って最も重視している経営指標としては、利益率向上のモノサシとして従来より連結売上高経常利益率5%を目標としてまいりましたが、当連結会計年度では売上高経常利益率5%を達成することができましたので、新たに売上高経常利益率8%を目標と設定します。さらに成長分野への選択投資のモノサシとしても連結ROE10%を従来からの目標としておりましたが、この目標としての10%は既に達成していますので、連結ROEの目標を15%に修正しこれらを当面の目標とします。

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの基本的考え方として、『FA業界におけるOne-stop Shopping』の実現を目指すことを旗印に、ソリューションプロバイダーとしての提案力、製造者としてのソフトウェア・ハードウェア作成能力、技術商社としての調達力、エンジニアリング会社としての工事遂行力、さらには保守・メンテナンス能力等も加え、顧客が求める全ての要求に当社グループ単独で応えられる体制を整えることを目標としております。

①グループ事業戦略

人口減少が続く我が国に比べ、新興国を中心とした海外マーケットが高い潜在成長力を有しているのは自明の理であり、従って当社グループの最重要顧客である国内主要製造業はその生産現場を海外へ移転し、今後さらに生産品目を増大させながら、進出する国、地域も拡大していくことは確実と考えております。この状況下、当社グループにとり、海外での事業強化は将来の成長を左右する最重要テーマの一つであり、従来海外ビジネスの中心であった半導体基板検査装置ビジネスに加えて近年海外での実績の伸びが著しいシステムビジネス、メカトロ機器、計測装置や試験装置等、国内の主力ビジネス全般を海外展開すべく、平成29年1月に新設した海外営業本部を中心にこの分野の拡大に注力していく所存であります。

一方、マクロ的に大きなパイの拡大が見込めない国内マーケットに関しては、IoT等の技術革新によって新たに生まれ、成長している市場を重点的に開拓し、選択と集中により高い成長が見込める分野への経営資源のシフトを推し進めるのとともに、顧客情報をグループ会社全体で共有することで顧客との関係を点から面へ展開し、顧客ニーズをより幅広く取り込むことでグループ全体の競争力底上げを図る所存であります。

 

②インテリジェントFAシステムの充実と販売拡大

昨今のIoTに代表されるIT技術の革新的な進歩は大変めざましく、IT技術とFA技術の融合領域であるインテリジェントFAシステムビジネスにおいてもさらに高い次元での融合が進んでおり、当社グループにとっても次々に新たなビジネスチャンスが生まれています。こうした状況下で当社グループに求められることは最新の技術を駆使した製品を提供することにより、顧客ニーズを満たす製品開発と事業展開がタイムリーに図られることであり、そのためには自社による技術開発力とエンジニアリング遂行力を強化していくことと考えています。平成29年6月には静岡市駿河区の本社隣接地にR&Dセンターを建設し、技術開発部隊とエンジニアリング部隊を1ヶ所に統合させましたので、これによりグループ総合力、技術開発力をさらに強化する体制が整いました。

一方、我が国の少子高齢化による労働力不足と、製造業の単位労働コストの安いアジア諸国との競争力の維持という二つの命題に対応していくためには徹底的な省力化が必要であることから、ロボットは将来的にも大変有望と考えており、AI技術を取り入れたロボットに組み込むソフトウェアの開発にも力をいれていく所存でありますとともに、ロボットに限らず、自動化システムや各種試験機等の省力化関連投資需要も今後さらに大きく伸びると考えており、この分野でのビジネス推進体制もさらに強化していく所存であります。

また、従来から我が社が得意としてきた省エネ製品や水の汚染対策となる水質監視装置等の環境関連製品の分野でも新製品の開発・拡販に注力していく所存です。

(4)会社の対処すべき課題

① 海外展開を拡大させるための人材の充実

今後の海外展開の大きな課題として、海外子会社と国内子会社、当社の営業及び技術部門が一体となったフォロー体制を構築した上で、顧客からの多種多様な海外投資に関連するニーズに対して包括的且つ親身に対応することが要求されます。その期待に応えるためには関連部局担当者に海外ビジネスの習得と経験、語学力、海外固有の事情に対する適応力等が求められるのとともに、海外駐在員も高度化するインテリジェントFAシステムを幅広く理解する知識が求められるため、これらに対応できる人材を迅速に育てる必要があり、今後様々な施策を打っていく所存であります。

② 新製品開発力の強化

研究開発型企業である当社グループにとって、新製品の開発は常に最も優先すべき課題の一つと認識しております。そのため、時代のニーズに即したビジネスチャンスを探し求め、細かな環境の変化にも常に意識を傾け情報を収集していく必要があります。昨今、かつては5年で起きた変化が1年で起きると言われるようになり、社会構造の変化も伴ったIoTに代表される技術革新の大きなうねりが起きております。

しかし、これこそ当社グループの活動領域の中に新たな需要が次々と作り出されているということであり、当社グループにとって強い追い風が吹いていると言えます。また、換言すれば、この追い風をいかにビジネス拡大に繋げていくかが、将来にわたり大きく飛躍できるかの試金石であると考えております。従って、新製品開発力の強化と時代の要請に即した新製品開発を執り行うことが極めて重要であり、当社グループ全ての部門で問題点と開発の方向性を共有し、グループの総力を結集する必要があります。

 

③ 国内マーケット対策

少子高齢化、日本経済に染み付いたデフレ体質、消費に回らず貯蓄に回る高い貯蓄性向等、マクロ経済から見た日本経済は大きく飛躍する要素が見当たりませんが、細かく観察すると新たな技術、イノベーション等により新規投資需要は確実に発生しており、当社グループのビジネスチャンスは無限と言っていいほど存在していますが、当社グループがそれらの情報を事前にキャッチし、確実にフォローできているかというところに課題があります。長い歴史と細かな拠点網が構築されている静岡県内はその捕捉率は比較的高いものがありますが、新設拠点が多い静岡県外では人脈の構築に遅れをとっており、その改善のため、県外拠点での地元採用等での人員増強を図り、進出先での露出度を向上させていく必要があります。

④ グループ総合力の向上

IoTを始めとするインテリジェントFAシステム市場に次々と登場する新技術に対応うるためには分野別に細分化された各子会社と当社が力を合わせてより強力なシナジー効果を発揮し、グループトータルの技術力、提案力を強化する必要があります。そのためにはグループの相互理解を深めるための人的交流やグループ展示会の開催等にも前向きに取り組み、グループ内で展開している事業に対する正確な知識と情報をグループ全員が共有できるような環境作りが肝要と考えており、この点も積極的に取組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

我が国では生産年齢人口の減少が将来に亘って予見され経済規模の拡大が期待できない一方、我が国を取り巻くアジア諸国は人口の増大と一人当たりGDPの上昇により引続き経済規模を拡大していくことが予想されることから、今後もASEAN諸国を中心とした製造業の海外投資の拡大が予想されます。こうした中、客先製造業の海外生産が地理的側面及び生産品目的側面で今後益々多様化、複雑化されることが予想され、それに当社グループが対応するためにはより多くの経営資源を海外事業に投入する必要がありますが、主として人材面で海外事業に投入できる経営資源には制約があり、客先製造業の展開スピードに追いつかなくなるリスクがあります。

また、昨今話題のIoTに代表されるようにIT技術の進歩は目覚しく、顧客ニーズも日々激しく変化を遂げておる環境下、当社グループとしてもこの変化する顧客ニーズの将来の方向性を的確に読むことは極めて重要で、この方向感を読み間違い、当社グループの技術及び製品が時代の要請に応えられなくなることも当社の抱えるリスクの一つです。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末における当社グループが判断したものであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、絶好調な米国経済に牽引される世界経済好況の恩恵を受け、さらに為替動向も落ち着いていたことから企業業績が拡大し、設備投資も活性化される等、大変好調に推移しました。

当社グループとしましては、守備範囲としているIT技術とFA技術の融合領域であるインテリジェントFA技術において、IoTを始めとしたイノベーションが活性化し新規のビジネスエリアが急速に拡大しており、また人手不足が深刻化する環境下での省力化投資によるロボットに対する需要拡大、さらにはロボットでの作業範囲を広げるAIの進展等、当社グループには非常に強い追い風が吹きました。また世界経済の拡大の波に乗り、海外で発生する新規需要を15年以上前から整備・拡大してきた海外ネットワークを活かして積極的に取り込み、海外ビジネスも拡大の一途を辿りました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は330億27百万円(前期比6.7%の増)となり、損益面としましては営業利益が17億17百万円(同24.2%の増)、経常利益が18億24百万円(同25.8%の増)、親会社株主に帰属する当期純利益が10億21百万円(同4.1%の減)となり、前連結会計年度に固定資産売却による特別利益により押し上げられた親会社株主に帰属する当期純利益を除き、売上高、営業利益、経常利益は過去最高の金額となりました。

 

なお、当社グループのセグメント別概況は次のとおりです。

(インテリジェントFAシステム事業)

インテリジェントFAシステム事業では、エアコンを中心とした家電業界向の検査装置ビジネスが好調だったこと、人手不足に対処するため省力化投資が活発化しロボットビジネスが伸張したこと、2年前から開始した水質検査ビジネスが急拡大していること等より売上高は121億57百万円(前期比8.7%の増)、営業利益は7億90百万円(同29.1%の増)と増収・増益になりました。

 

(IT制御・科学測定事業)

当事業のうちIT制御は主として製造業の合理化・研究開発の自動化等を目的とした設備投資の対象であるため、比較的景況の影響を受け易い傾向があります。一方、当事業の中でも科学測定分野は科学分析・計測機器等に代表される企業の新製品開発を目的とする部門や品質管理部門を対象とするため、景気の動向に左右されにくく安定的な分野であります。当連結会計年度においては製造業の客先が製造ラインへの投資を活発に行ったことからメカトロ取引を推進する子会社や輸送機業界向コンポーネント取引を推進する子会社等の業績が好調に推移しました。これらの結果、売上高は208億28百万円(前期比5.8%の増)、営業利益は12億81百万円(同16.0%の増)と増収・増益になりました。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度におけるインテリジェントFAシステム事業の生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

9,299,656

105.1

合計

9,299,656

105.1

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度におけるIT制御・科学測定事業の商品仕入実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

IT制御・科学測定事業

18,390,636

109.5

合計

18,390,636

109.5

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

11,747,148

93.2

3,754,750

90.2

IT制御・科学測定事業

22,231,555

113.0

4,149,318

151.1

合計

33,978,703

105.2

7,904,068

114.4

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

インテリジェントFAシステム事業

12,157,288

108.7

IT制御・科学測定事業

20,828,024

105.8

その他

41,929

60.8

合計

33,027,241

106.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は150億54百万円となり、前期と比較して12億76百万円増加しました。この増加の主な要因は、受取手形及び売掛金と電子記録債権を合わせた売上債権が11億98百万円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は70億82百万円となり、前期と比較して1億3百万円減少しました。この減少の主な要因は、土地等の有形固定資産合計が1億7百万円減少したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は101億15百万円となり、前期と比較して17億27百万円増加しました。この増加の主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務が3億74百万円増加したことと、長期借入金11億円を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたこと等によるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は9億32百万円となり、前期と比較して13億63百万円減少しました。この減少の主な要因は、流動負債の増加要因同様、長期借入金11億円を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は110億88百万円となり、前期と比較して8億9百万円増加しました。この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が8億40百万円増加したこと等によるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により得られた資金の合計額が投資活動及び財務活動により支出された資金を下回ったため、前連結会計年度末に比べ1億84百万円減少し、15億47百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、4億19百万円(前期は8億74百万円の収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益が17億25百万円あった一方、売上債権の増加額が12億47百万円あったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、1億73百万円(前期は10億63百万円の収入)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出が1億円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、4億円(前期は19億79百万円の支出)となりました。これは主として長期未払金の決済による支出が1億96百万円、配当金の支払額1億80百万円あったこと等によるものであります。

 

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、会社の財産及び損益の状況を正しく示しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(イ)売上高

当連結会計年度の売上高は330億27百万円(前期比6.7%の増)となりました。

インテリジェントFAシステム事業では、エアコンを中心とした家電業界向の検査装置ビジネスが好調だったこと、人手不足に対処するため省力化投資が活発化しロボットビジネスが伸張したこと、2年前から開始した水質検査ビジネスが急拡大していること等より売上高は121億57百万円(同8.7%の増)となりました。

IT制御・科学測定事業では、製造業の客先が製造ラインへの投資を活発に行ったことからメカトロ取引を推進する子会社や輸送機業界向コンポーネント取引を推進する子会社等の業績が好調に推移したこと等により、売上高は208億28百万円(同5.8%の増)となりました。

 

(ロ)営業利益

当連結会計年度の営業利益は17億17百万円(前期比24.2%の増)となりました。

インテリジェントFAシステム事業では、検査装置ビジネス、ロボットビジネス、水質検査ビジネスの売上高が増加したこと等により営業利益は7億90百万円(同29.1%の増)となりました。

IT制御・科学測定事業では、メカトロ取引を推進する子会社や輸送機業界向コンポーネント取引を推進する子会社等の業績が好調に推移したこと等により、売上高が増加したこと等によるものであります。

 

(ハ)経常利益

当連結会計年度の経常利益は18億24百万円(前期比25.8%の増)となりました。

これは主として、貸倒引当金繰入額を36百万円計上した一方、補助金収入を68百万円計上したこと等によるものであります。

 

(二)親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億21百万円(前期比4.1%の減)となりました。

これは主として、投資有価証券売却益を1億24百万円計上した一方、貸倒引当金繰入額を1億50百万円計上したこと及び法人税、住民税及び事業税が増加したこと等によるものであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、顧客である製造業の設備投資意欲、とりわけ当社が得意とするIT技術とFA技術の融合分野であるインテリジェントFAシステムに対する購買意欲であり、さらにこの購買意欲に影響を与える最大の要因としては景気変動による設備投資動向の変化、当社製品がIoTを含む最先端のIT技術を駆使したFAシステムを常に提供できる体制を整え、顧客ニーズの変化を的確に捉えているかということが考えられます。加えて製造業各社が海外での生産を拡大させており、これに伴って発生する新たな需要を的確にフォローし、当社グループの海外ビジネス推進体制を整備して海外ビジネスの強化・拡大にどこまで取組めるかということも重要な要素と考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特筆すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは経営基本方針として、FA業界における「One Stop Shopping」を進め、グループをあげてお客様の問題を解決することを目指しております。

「研究開発型企業」である当グループにとって、新製品の開発は常に最優先課題のひとつです。そのためにも日々、時代のニーズに即したテーマの開拓・探求をしております。

当社グループの主たる顧客である製造業に対しては、自動化、省力化、見える化、コストダウン、省エネ・省電カ化、環境対策といったニーズに対応する数々のソリューション開発をはじめ、最新IoT技術や通信技術を広い範囲に適用する各種システム製品の充実で顧客要望に応えてまいりました。

その中で連続水質監視装置「EQ(イーキュー)ウォーター」は魚をセンサーとした水質監視装置であり、好評な上位機種の「ユニレリーフ」の技術を流用し、ターゲットを民間工場に絞った小型版を開発致しました。今までのように池の魚を人が見張るのではなく、無人化、自動化を実現致しました。また「ユニレリーフ」の引き合いも年々増加傾向にあり、ターゲットを拡げております。

LED発色発光検査装置「Focus FX-950」(フォーカス エフエックス950)は輸送機関連業種を始めとしてヘッドランプはもとより各操作部インジケータにLEDが使われ、利用範囲が拡大してきました。さらにファンクション基板検査にてLEDの発色発光及び多点に対応できるよう開発致しました。旧機種は高性能ではありましたが、サイズ的に大きかったため、Focus FXシリーズと同様に小型化を実現しました。また併せてセンサー部を改良し、多点・狭ピッチに対応し、検査装置のダウンサイズに貢献致しました。検査アプリケーションも検査条件を個別に設定する手間を省く、良品の自動設定機能を有し、製造ラインの段替えや新基板への対応がスムーズに行えます。また他のファンクション検査システムを構築する機能ユニットFocus FXシリーズと同様、操作パネル形式が可能となり、ファンクション検査構築環境アプリケーション「FX-Builder」との親和性も高めました。

また、IoTに特化した無線通信技術「LPWA」にいち早く着目し、自社製品であるネットワークカメラの「KDLinX」の実績との相乗効果で、多くの顧客に「IoT開発で実績のある企業」として認知されたものと自負しております。引き合いも増えIoTとAIを組み合わせた生産設備の予防保全システムをいくつか提案させていただきました。今後もIoT開発経験を活かしつつFA業界の製品開発に結びつける事でインテリジェントFA、IoT技術の先駆けとなるべく新たなビジネスの開拓に努力してまいります。

当社の研究開発体制は、技術開発部で主としてマイクロエレクトロニクス分野の基礎研究と応用製品開発を、ロボット本部でメカトロニクス、第一エンジニアリング本部でソフトウェアテクノロジーに基づいた要素技術やネットワーキングの開発を行っております。

そして顧客満足度を高めるにはトータルソリューションが必要であると考え、部門間の垣根を越えてマネジメントをする力、フレキシブルな組織対応を心掛けております。時にFA業界においては、開発の方向を見誤らないことが肝要であり、昨年7月に開設いたしましたR&Dセンターに技術部門が集結したことで部門間交流が活発になり視野の広がりと新たな製品を創り出すことができるようになりました。

なお、グループの経営戦略として、協立テストシステム㈱、㈱アニシス及びカナダの研究開発機関であるKyoritsu Electric Corporation (Canada) には引続きそれぞれに特化した技術開発に専念させ、市場対応を強化していく方針であります。

当社グループでは引続きインテリジェントFA・IoT技術の開発に注力していき、FA業界における「One Stop Shopping」を進め、今後とも競争力の高い新製品の開発に邁進致します。

なお、インテリジェントFAシステム事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は2億46百万円となっております。